説明

携帯用人工呼吸器の人命救助ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーションにより適量な呼気量(適度な酸素濃度を含む)を判定し、半自動的に人工呼吸を行うことで、誰でも人命救助活動が可能な装置を提供する。
【解決手段】100ml以下容量の小型携帯高圧酸素耐用容器の小型高圧ガス容器5が複数配置される。この容器は高圧ガス規制に触れない。そのために医療機関以外の種々の施設に設置することができる。患者の口に取り付けるマスク型(鼻型、顔面型を含む)の吸入口6と、患者の指、手首、胸囲などに装着する各種ソケット上で、脈拍、体温、血中酸素濃度、血圧、等測定部位10とで構成される。付属品としてメジャーなどが備わる。メジャーにより、身長測定の想定、操作人と液晶画面との双方向の更新による、体重の想定等ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素小型高圧ガス容器を接続した携帯用人工呼吸器の人命救助ナビゲーション装置に関する。より特定的には、人が病気や事故などで、人命に関わる状態の際、医療の知識がない人でも、緊急時携帯用人工呼吸器を使って、人命救助活動ができるように、携帯用人工呼吸器の使い方をナビゲーションをしてあげる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動体外式除細動器、略称AEDと呼ばれる人命救助活動に必要なシステムがある。比較的コンパクトであり、色々な要所に据付で配置されている。心肺停止などの人命救助が必要な際は、AEDを持ってきて、心肺蘇生を行う。AEDには一定の説明書きが備わってはいるが、AEDを扱う際には、訓練が必要とされている。
【0003】
人が心肺停止の状態の時、約3分以内に血流を再開し血液の体循環を回復させ、酸素が身体に供給されないと、脳に深刻なダメージをおうとされる。つまり、一刻を争う蘇生行動が必要である。一方、医学的な経験により心肺停止があった時、心臓マッサージなどの行動を行いながら、肺に酸素を供給する人工呼吸することにより、心肺共に蘇生することができる。緊急時には、手動送圧人工呼吸器機でとりあえず行うか、又は、マウス−ツーマウスで口うつしで人工呼吸を行うことが多い。
一方、人工呼吸器装置を使って人工呼吸を行うに場合、必要とされている人の年齢、性別、体重、身長等、又、呼吸器疾病、肺の状態、等の違いで、それぞれの肺の容量、大きさ、又抵抗値が違うため、間違った吸気空気送風量(酸素を付加された)で供給をしてしまうと、肺を壊してしまう危険性もあり、その取り扱いは、専門の医者でないとそれぞれ呼吸変数の設定が難しい。
【0004】
本件の発明者は、酸素小型高圧ガス容器を接続した人工呼吸器に関する特許、特願EMT−090523「酸素供給機能付き緊急用及び携帯用人工呼吸器」を出願している。これは、100ml以下の高圧酸素耐用容器で酸素が容量の少ない小型高圧ガス容器(高圧酸素)を使いながら、携帯用人工呼吸器を構成する装置の特許である。これを使用すれば、誰でも人工呼吸器を持ち運ぶことが可能となるが、前述の理由で、専門の医者でないと一般の病院で使用されている人工呼吸器は、取り扱いは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特願EMT−090523 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人が心肺停止にあった時、一刻を争う蘇生行動を行う為に、AEDを使った人命救助は有効な手段であったが、AEDを利用する為に、十分に訓練を受けた人でないと、扱いが難しいという課題があった。
【0007】
酸素供給による人工呼吸で蘇生を行うに場合には、人工呼吸器装置を使う手段が有効であるが、人工呼吸器装置を使って人工呼吸を行うに場合は、必要とされている人の年齢、性別、体重、身長等、又呼吸器疾病等の違いで、それぞれの肺の容量、大きさ、抵抗値等、が違うため、間違った吸気送風量(酸素を付加された)、及び間違った吸気送風圧力で供給をしてしまうと肺を壊してしまう危険性もあり、その取り扱いは、専門の医者でないと難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した本発明の課題を解決するために、本発明による携帯用人工呼吸器の人命救助ナビゲーション装置は、電源スイッチと、タッチパネルの画面と、音声を出力するスピーカーが装備される。100ml以下の高圧酸素耐用容器で酸素の容量が少ない、小型高圧ガス容器が複数配置される。患者の口取り付けるマスク型(鼻型、顔面型を含む)酸素吸入口と、患者の指や額などに装着するソケット上の各センサーにより脈拍、血圧、呼吸数、体温、血液中飽和酸素濃度、心電図などを測定部位とで構成される。付属品としてメジャー(簡易身長測定器)などが備わる。これらを構成した携帯用人工呼吸器の人命救助ナビゲーション装置である。
【0009】
前記人命救助ナビゲーション装置は、液晶タッチパネルの画面と音声が、救助方法をナビゲーションする。そのナビゲーションのステップは、まず、電源をONするステップを行うと、タッチパネルに呼吸確認表示のステップを行う。「呼吸はしていますか?」に対して「はい」「いいえ」を選択すると、器具取り付け案内ステップを行う。器具はマスク型酸素吸入口と脈拍測定部位を装置と患者に取り付ける。これらの器具は、取り付けたことを知るセンサーをつけて、自動的にチェックする機能を持っても良い。
「進む」を選択すると、外見上、年齢と性別、身長等の生体側の情報を入力する画面を表示するステップに進む。患者の年齢と身長、性別を選択すると適切な酸素量と空気吸気量の判定するステップに進む。人工呼吸開始を表示するステップに進み、「開始」を選択すると、人工呼吸が開始される。
自動的に前設定数値の値の安全域の低い数値から呼吸数、及び吸気送風を開始する。
人工呼吸は半自動的に行われるが、この間、各種センサーによる患者の生体情報等が詳細な様子を液晶画面上にモニタリングして表示する。
【0010】
前記ステップのうち、年齢、性別、身長、体重等(全ての変数を入力しなくてもよい。)を入力する画面を表示するステップに、「自動判定」の選択肢があり、「自動判定」を選択すれば、人命救助ナビゲーション装置は、人工呼吸の過程で、自動的に患者の呼気容量、抵抗値、吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)等を自動調整し、測定し、患者の肺の容量、圧量、流量等を判定し、適量の酸素含有量で、患者に人工呼吸を行う。
また、前記ステップのうち、年齢と性別を入力する画面を表示するステップに、年齢がわかりにくい場合には、「身長で判定」の選択肢があり、「身長で判定」を選択すれば、救助者はナビゲーションに従って、備え付けのメジャーで患者の身長を測り、老人、性別、大人、子供、等タッチパネルから身長と性別を入力することで、人命救助ナビゲーション装置は、それら生体情報変数の解析から自動診断しその人の平均的な肺の容量を判定し、安全域の適量の呼気送風量にて(適量の酸素を含む)で患者に人工呼吸を行う。
【0011】
人命救助ナビゲーション装置は、人工呼吸のナビゲーションだけでなく、通常、医者や訓練された救助者でないと扱えないその他の救助器具の扱いも、本件のタッチパネル表示と音声付ナビゲーションで、扱い方を案内する機能も内蔵する。
【発明の効果】
【0012】
本発明を利用すれば、心肺停止の患者を救うため、誰でも持ち運べる携帯用人工呼吸器を提供し、また、医学的な専門知識がなくても、器機に自動的判断により携帯用人工呼吸器から指示されるナビゲーション通りに扱えば、半自動的に人工呼吸がされ、誰でも人命救助活動が可能な装置を提供する。更には、人工呼吸器以外の救助器具の扱いをタッチパネルによる表示と音声ナビゲーションで指示を行うので、最悪の状況になったとしても、救助活動を柔軟に行えることで、人命を救出できる可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の使用例を示す図
【図2】図2は、本発明のブロック図
【図3】図3は、本発明のナビゲーションのステップ図
【図4】図4は、本発明の酸素供給部の詳細図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。
図1は、本発明の使用例を示す図である。図示の通り、携帯用人工呼吸器の人命救助ナビゲーション装置1には、電源スイッチ3と、タッチパネル2の画面が装備される。また、音声を出力するスピーカー4が装備される。100ml以下の高圧酸素耐用容器で酸素が容量の少ない小型高圧ガス容器5(高圧酸素)が3本配置されている。患者の口に装着する、マスク型酸素吸入口6を取り付ける。マスク型(顔面、鼻型を含む)酸素吸入口6には、一定の長さのホース状の管、吸排気管7が接続され(排気吐出時O2濃度、CO2濃度センサー、圧、流速センサーがついてもよい)、吸排気管7は更に吸気管と排気管に分岐し、人命救助ナビゲーション装置1には、吸気弁8と排気弁9があり、それぞれ取り付ける様になっている。また、患者の指や額などに装着するソケット上の装着物は脈拍、血液中酸素濃度、血圧、呼吸数、体温、心電図等の生体情報の測定部位10で、人命救助ナビゲーション装置1の脈拍体温測定部位コネクタ11と接続されている。また、付属品として、身長を測るメジャーを装備する。また、携帯用であるので、バッテリーを内蔵する。尚、この図では、小型高圧ガス容器5は3本であるが、4本や5本であっても構わない。
【0015】
図示の小型高圧酸素ガス容器5は、簡単に取り外し、交換が可能である。つまり、小型高圧ガス容器5を別途購入すれば、何度でも利用が可能であるし、装置の再利用という点で、コスト的に利点がある。本件は、携帯用人工呼吸器としているが、特別な高圧ガス取扱免許のいらない100ml以下の高圧酸素耐用容器の小型高圧ガス容器5で構成されているので、誰でも持ち運ぶことが可能であり、比較的小型な装置となっている。
【0016】
人命救助ナビゲーション装置1の電源スイッチ3をONにすると、タッチパネル2にナビゲーションが表示される。例えば、最初に出てくる画面は、「呼吸をしていますか?」と、「はい」「いいえ」の表示がされている。「はい」「いいえ」のどちらかの箇所を指などでタッチすると、次の指示のナビゲーションに移行する。このナビゲーションの表示内容は、音声でもスピーカー4から出力されて案内される。
この様に、本件は誰でも持ち運べるという趣旨により、誰でも扱えるナビゲーションを提供するものである。
【0017】
図2は、本発明のブロック図を示している。
人命救助ナビゲーション装置は、少なくとも液晶パネルからの入力に従い、それら基本情報を判断する機構を持ち、メインCPUで構成される処理装置14と、各種センサー15と、タッチパネル表示装置16、音声データやナビゲーション内容を記録する記録装置17、音声データを音声として出力為の機能とアンプとスピーカーで構成される音声出力装置19と、各種スイッチとで構成される。
後術説明する電磁弁の制御及びエアファンなどの排気量などを制御する各種制御装置18とが接続されている。
各種センサー15は、脈拍、血圧、呼吸数、血液中飽和酸素濃度、体温、心電図などの測定部位の脈拍センサー、血圧センサー、呼吸センサー、体温センサー、心電図センサー、それに、呼吸の吸気、排気量を測定する吸排気量、圧センサーなどを指す。
【0018】
図3は、本発明のナビゲーションのステップ図を示している。
まず、電源をONするステップ20を行うと、タッチパネルに呼吸確認表示のステップ21を行う。ステップ22で「はい」を選択すると、
器具取り付け案内ステップ23を行う。この時、ナビゲーションに従って、マスク型酸素吸入口(顔面型を含む)と脈拍測定部位を装置と患者に取り付ける。これらの器具は、取り付けたことを知るセンサーをつけて、自動的にチェックする機能を持っても良い。
「進む」を選択すると、生体側 年齢(想定)、体重(想定)身長(想定)、と性別等を入力する画面を表示するステップ24に進む。ステップ24で、患者の年齢と性別を選択すると、適切な呼気、送風圧量(適切な酸素濃度を含む)をプリセットされた情報に基づき総合判定するステップ25に進む。
次に人工呼吸開始を表示するステップ26に進み、ステップ27で「開始」を選択すると、半自動的に人工呼吸が開始される(ステップ28)。
このとき、人工呼吸は半自動的に行われるが、この間、各種センサーにより、マスク接続(リークテスト)の状態、モニター機器の状態、送風管等の圧リークの警報等、使用における警報説明ガイドとナビゲイショオンのガイド、患者(生体側)の詳細な様子をモニタリング(ステップ29)して1回喚起量、気道圧、流量、抵抗値、呼吸回数等の、測定された変数を表示する。
最終的に、ステップ30のように一定時間(数分)の経過により生体側心機能停止が確認した段階で、その時点で蘇生できていないならば、例えばAEDを使うことを進める(ステップ31)。これらタッチパネルの画面と連動し、音声も出力される。尚、ここで示した表示ステップは、最低限の表示ステップを示したものであり、より初心者でも扱いやすい表示に追加・改良されても構わない。また、ステップ21からステップ25は、特に順番が前後していても構わない。
【0019】
本件では、ナビゲーションにより、前述、患者側の基本情報として、年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)を入力する画面を表示するステップ24を経て、適切な量の呼気空気送量(適切な酸素濃度を含む)を供給する。これは、肺の容量に合わせた酸素吸入を行う必要があるからである。必要な情報は肺の喚起容量であるが、そもそも心肺停止している患者の肺の容量を測ることができないから、患者側の基本情報として、年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)で、平均的な肺の容量を適量として開始するが自動的補正を行い適正化を行う。
緊急時、又は突然に、今まで会ったことのない患者であれば、患者側の基本情報の年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)年齢と性別が、はっきりわからない場合もある。この時は、前記ステップ24のタッチパネル表示で、「自動判定」などの選択肢を設け、人工呼吸の過程で、自動的に判別するステップを設ける。この場合は、人工呼吸開始を表示するステップに進み、「開始」を選択すると、直ぐに人工呼吸を開始する。
【0020】
自動判定は当然機器側として、患者の呼吸系での気道抵抗及びエラスタンスを検出し、人工呼吸器の流量を調整し人工呼吸器の治療圧力を制御する。
当然、患者側の基本情報として、年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)を推定する方法で基本的平均値の最低値から行う。
呼気の吸入をして送風し肺が空気はいり膨れ気道抵抗が測定され、吸入を止めると肺が膨らんだ量と年齢、性別に比例して、一定の排気量の呼気が戻ってくる。これは患者の状態により肺の容量が違うからである。肺の容量より比較的小さい容量の吸入量を送った場合には、呼気流量の戻りの勢いがない、又、気道抵抗も少ない。肺の容量に合う容量の吸入量を送れば、呼気の戻りは比較的勢い良く戻る。また、肺の容量を超えて吸入量を送り込んだら、肺が壊れてしまうので、よって、最初は子供の容量で吸入をし、その時の呼気の戻った呼気流量、流速度、気道抵抗値を計測し、およその患者数値を決めていく。
もし、実際の患者が大人であれば、前記戻った呼気の量と勢いには、子供のデータ値と差異が生じる。そこで、次に大人の容量で吸入をし、同じ様に計測する。また、性別によっても、子供と大人ほどではないが差異がある。前記の子供の容量、大人の容量は、まずは女性を基準に吸入する。大人か子供かが判定できれば、次に男性と女性を判定する。この様に年齢、性別を、最小容量の子供から段階を追って容量を自動的に調整していけば、数回の吸入によって、平均的安定呼吸量が検討を付ける。
説明では、大人と子供、男性と女性の例で示したが、年齢は10歳毎に細かく計測しても構わない。この様にして、人工呼吸の適切な量の治療呼気排気量(適度な酸素濃度を含む)を決定する。
【0021】
前述では、患者側の基本情報として、年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)患者の年齢と性別とを、自動的に測定しながら判別する方法を示した。しかし、少なくとも性別は見れば、区別しやすいものである。
又、子供、小人、老人、成人、の外見は、装置に備え付けられたメジャーを使って身長を測ることができる。肺の容量は平均的に身長におよそ比例することから、これを組み合わせれば、およその肺の容量の概算が判定できる。当然、人工呼吸開始時は、変数の平均値から安全域の設定数値から行い、後は実測で補正する以外に救急時には方法はないのである。又、ナビゲーションにより、前述、患者の年齢と性別を入力する画面を表示するステップ24の際に、「身長で判定」の選択肢を設け、「身長で判定」を選択すると、身長と性別の入力画面のステップに移行する。この時、救急時の救助者は装置に備え付けられたメジャーで身長を測り、その身長をタッチパネルで入力し、合わせて性別を選択する。この時、身長と性別から肺の平均的容量を判断するステップを行い安全域の範囲内で補正された数値により、人工呼吸開始を表示するステップに進み、「開始」を選択すると、前記肺の容量に合わせた呼気流量(適度な酸素濃度を含む)で人工呼吸を開始する。開始と同時に呼吸器系の患者からの反応を器機側は観測測定し呼吸器抵抗値を検知し、自動的に速やかに呼吸器系の流量、送風圧の補正を行う。
【0022】
図4は、本発明の酸素供給部の詳細を図示している。
前述で肺の容量判定によって、呼気気量(適度な酸素濃度を含む)が判定されるので、これを調整する機構部分が図4の図示するところである。
3本配置されている小型高圧ガス容器40、41、42のそれぞれの噴出し口には、小型高圧ガス容器接続開閉制御装置46で制御されている弁の調整を行う容器開閉弁43、44、45がある。また、酸素の流量を調節する為に、酸素を送り出すエアファン47,48,49を、エアファン回転容量制御装置50によって酸素の流量の調整を行う。前記小型高圧ガス容器の一つを、前記小型高圧ガス容器接続開閉制御装置46で制御して容器開閉弁を開くことで利用可能とするが、この時、小型高圧ガス容器の酸素残量減少を感知したら、容器開閉弁を制御して別の小型高圧ガス容器を利用する様に切り替える。
酸素圧力レギュレータ51は、エアファン47,48,49から送り出された酸素圧力を制御する圧力レギュレータ制御装置52によって圧力調整される。
酸素流量器53は、酸素流量制御装置54によって調整される。
酸素濃度制御電磁弁55は、酸素濃度容量制御装置56によって調整される。
給気排気切替え弁57は、吸排気制御装置58で空気排気量(適度な酸素濃度を含む)と酸素吸気量を制御される。更に吸排気制御装置58の役割は、吸排気の量と時間を計測しながら、適量な呼気量(適度な酸素濃度を含む)になるように調節し制御することである。
これらの制御を経てマスク型酸素吸入口59へ適切な濃度の酸素を送り出す。
これらの制御は、前述の肺の容量、気道抵抗、呼気流量判定で、幾種かのプリセットで構成される。
尚、この図では、小型高圧ガス容器は3本であるが、4本や5本であっても構わない。
【0023】
小型高圧酸素ガス容器の容量は決まっているので、これを使い切るか、所定の時間まで、人工呼吸を続ける。人工呼吸の内訳は、少なくとも、吸気ステップ32、排気ステップ33、呼気戻りの呼気量測定ステップ34を繰りかえすことである。
ちなみにスタンダードな目安として次のステップで行う。吸気ステップ32では、年齢や性別によって、呼気送風量や圧力が異なるが、無呼吸患者の、幼児、小人、中人、大人、と決められた秒間で吸気する。この吸気、排気量の制御は、抵抗値、風量、圧力レギュレータ制御装置52、酸素流量制御装置54、酸素濃度容量制御装置56が連携して吸気する酸素濃度量と時間の関係を制御する。
これらのステップを自動で行うので、救助者は、マスク型酸素吸入口を患者の口に押さえ、ナビゲーションの指示を待つことで、救助活動ができる。
小型高圧ガス容器全ての容量が一定量より下回ったら、画面表示と音声ナビゲーションで交換を促す。
【0024】
この間、患者の状態をモニタリングする。モニタリングはタッチパネルの画面表示と音声ナビゲーションで明示する。モニタリングによって、呼気の戻りの排気量や、脈拍、血圧、呼吸数、体温、心電図などの測定部位からの患者の状態がわかるので、総合的に蘇生したかを判断できる。又、生体情報の異常値の注意喚起もモニターから伝えられる。
更に詳細に、モニタリングは、下記の内容においてなされる。これらは、吸排気量センサー15を通して計測された結果を表示する。
(1)呼気・吸気の1回換気量の測定及び表示。
(2)自発呼吸1回換気量、強制1回換気量の測定及び表示。
(3)呼気分時換気量、自発分時換気量の測定及び表示。
(4)呼吸回数、自発呼吸回数の測定及び表示。
(5)吸気時間、呼気時間、IE比(吸気時間呼気時間比)の測定及び表示。
(6)最大吸気圧、平均気道内圧、PEEP(呼気終末陽圧)の測定及び表示。
これらを数値とグラフで表示する。
これらの情報を、より専門の救急医療者から聞かれた時に正確に伝える手助けにもなる。
これらの情報から、患者の危険や変化などを、画面表示の色を変えたり、音声ナビゲーションの音声で知らせるなど、救助者に対し、適切な指示と情報とを知らせる。
【0025】
更には、本件の人工呼吸器とセットで、除細動器(AED)、酸素濃縮器、加温加湿器、気管チューブなど備え付けておけば、通常、医者や訓練された救助者でないと扱えない救助器具であるが、本件のタッチパネル表示と音声付ナビゲーションで、扱い方を案内する機能も内蔵することで、最悪は、救助者がこれらの扱いがわからない場合に、電話などから専門の人に指示されつつ、ナビゲーションを元に、これらの器具を使った救助行動を行うことも可能である。
【0026】
このように本発明を用いれば、心肺停止の患者を救うため、誰でも持ち運べる携帯用人工呼吸器を提供し、また、医学的な専門知識がなくても、緊急時、又救急時等に、携帯用人工呼吸器から指示されるナビゲーション通りに扱えば、半自動的に人工呼吸がされ、誰でも人命救助活動が可能な装置を提供する。更には、人工呼吸器以外の救助器具の扱いをタッチパネルによる表示と音声ナビゲーションで双方向で指示を行うので、最悪の状況になったとしても、救助活動を柔軟に行えることで、人命を救出できる可能性を高めることができる。
【符号の説明】
【0027】
1、 携帯用人工呼吸器
2、 タッチパネル
3、 電源スイッチ
4、 スピーカー
5、 小型高圧ガス容器
6、 マスク型酸素吸入口
7、 吸排気管
8、 吸気弁
9、 排気弁
10、 脈拍、血中酸素濃度、血圧、呼吸数、体温、心電図などの測定部位
11、 脈拍、血圧、呼吸数、体温、心電図などの測定部位コネクタ
14、 処理装置(メインCPU)
15、 各種センサー
16、 タッチパネル表示装置
17、 記憶装置
18、 各種制御装置
19、 音声出力装置
40、41、42 小型高圧ガス容器
43、44、45 容器開閉弁
46、 小型高圧ガス容器接続開閉制御装置
47、48、49 エアファン
50 エアファン回転容量制御装置
51、 圧力レギュレータ
52、 圧力レギュレータ制御装置
53、 酸素流量器
54、 酸素流量制御装置
55、 酸素濃度制御弁
56、 酸素濃度容量制御装置
57、 吸気排気切換え弁
58、 吸排気制御装置
59、 マスク型酸素吸入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人命に関わる患者に対して救助を行うための人工呼吸器に関する装置であって、
該人工呼吸器は、少なくとも、複数の酸素の容量の少ない小型高圧ガス容器と、該小型高圧ガス容器の吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)を調節する手段と、吸排気管とマスク型酸素吸入口と、種々の測定部位とで構成された装置であって、
該装置には、表示手段と操作手段と音声出力手段が備わり、該マスク型酸素吸入口と該脈拍、血圧、呼吸数、体温、O2ガス、心電図などの測定部位の取り付けるステップと、患者の年齢若しくは性別若しくは身長の入力を求めるステップと、前記ステップは、表示手段と音声出力手段で、操作方法や選択内容、及び入力内容を表示し、その内容を音声出力手段でナビゲーションをする手段を具備し、患者の年齢若しくは性別若しくは身長を操作手段で入力するステップと、入力内容を考慮した適量な吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)の判断手段と、前記適量な吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)に応じた、該小型高圧ガス容器の吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)を調節するステップと、前記適量な吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)で人工呼吸を繰り返すステップと、人工呼吸中には、患者のモニタリング手段の結果を表示手段で表示するステップとを具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、患者者側の基本情報として、年齢、体重、身長、性別等(想定値)(身長は実測でもよい)等がわからない場合にも、知り得る生体上から情報から想定値で開始し、当該装置には、想定手段(まきじゃく型メジャー)、表示手段と操作手段と音声出力手段が備わり器機側の情報とにより双方向のコミニュケイションにより、ガイドとナビゲイションをすることによる使用できる。
該マスク型酸素吸入口と該脈拍、血圧、呼吸数、体温、O2ガス、心電図などの測定部位の取り付けるステップと、人工呼吸を開始するステップと、前記ステップは、表示手段と音声出力手段で、操作方法や選択内容、及び入力内容を表示し、その内容を音声出力手段でナビゲーションをする手段を具備し、人工呼吸の呼気排気量(適度な酸素濃度を含む)は、該小型高圧ガス容器の空気排気量(適度な酸素濃度を含む)を調節する手段を使って、少ない呼気量(適度な酸素濃度を含む)から酸素を吸入し、吸入を止めた後の呼気の戻りの勢いを測定し、前記呼気の戻りの勢いより、呼気抵抗の測定などを行い、相応しくない場合は、呼気量(適度な酸素濃度を含む)を少しずつ増やして酸素を吸入し、前記呼気の戻りの勢いが相応しい時の呼気量(適度な酸素濃度を含む)を適量を測定し、前記適量な呼気量(適度な酸素濃度を含む)で人工呼吸を繰り返すステップと、人工呼吸中には、患者のモニタリング手段の結果を表示手段で表示するステップとを具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項3】
請求項1若しくは2に記載の装置であって、
人工呼吸中の患者のモニタリング手段は、呼気・吸気の換気量、呼吸回数、吸気時間、呼気時間、最大吸気圧、平均気道内圧、PEEP(呼気終末陽圧)、体温、脈拍、血圧、心電図の測定において、何れかか若しくは全てを表示手段で表示し、患者の危険や変化を知らせる場合には、表示手段の表示の色を変えるなどをし、更には音声出力手段で、適切なナビゲーション案内を行うことを特徴とする、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項4】
請求項1から3に記載の装置であって、前記人工呼吸器が患者に有用でない場合は、人工呼吸器以外の救助装置を該表示手段と該音声出力手段とでナビゲーションを行う手段を具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項5】
請求項1から4に記載の装置であって、該小型高圧ガス容器の酸素容量が、一定量少なくなった場合には、該表示手段と該音声出力手段とで、交換することをナビゲーションで伝える手段を具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項6】
請求項1から5に記載の装置であって、該表示手段と該操作手段とが一体となったタッチパネル表示装置を具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。
【請求項7】
請求項1から6に記載の装置であって、前記の該小型高圧ガス容器の呼気量(適度な酸素濃度を含む)を調節する手段とは、該小型高圧ガス容器は複数あって、酸素を小容量から徐々に多く送り出せるエアファンと、各々の酸素吸入容量を調節する酸素レギュレータと流量器と濃度制御電磁弁とが備わり、身体的情報を入力し酸素濃度を判断する手段と前述判断に基づき、適量の吸気排気量(適度な酸素濃度を含む)と適したタイミングと適した吸入の勢いを判断する手段と、前記判断に基づき、該酸素レギュレータと該流量器と該濃度制御電磁弁と該エアファンと、排出量と排出時間とをコントロールする手段を具備した、人工呼吸器を装備する人命救助ナビゲーション手段を持つ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−30990(P2011−30990A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189534(P2009−189534)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(509233013)株式会社メディテック・インターナショナル (2)