説明

携帯用低周波電気治療器

【課題】製品の大型化を抑制するとともに使用時の安全性を確保可能な、携帯用低周波電気治療器を提供する。
【解決手段】USBポート、USBポートの電源ピンと電気的に連結されて充電用電圧を供給される充電部、およびUSBポートのデータピンと電気的に連結されて低周波信号を供給する低周波信号発生部を含む本体と、一端にUSBポートに着脱可能で、データピンと電気的に連結される低周波電極コネクターが設けられ、他端に人体に低周波信号を伝達する電極パッドが設けられた低周波信号ケーブルと、一端にUSBポートに着脱可能で、電源ピンと電気的に連結される電源供給コネクターが設けられ、他端に外部電源供給装置と電気的に連結可能なソースコネクターが設けられた電源ケーブルとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用低周波電気治療器(PORTABLE LOW−FREQUENCY ELECTROTHERAPY APPARATUS)に関し、詳しくは、充電用バッテリが内蔵され、充電して使用することができるが、充電時には電気治療が行われないようにコネクター構造が改善された携帯用低周波電気治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
低周波電気治療器は、筋肉の強制運動、マッサージ、痛み緩和、ダイエットなどを目的として低周波電気信号を人体の特定部位に加える装置として、医療施設で広く利用されていたが、最近では家庭用および携帯用の装置としてさらに普及する傾向にある。
【0003】
図1は、従来の携帯用低周波電気治療器の一例を示す図である。図1を参照すると、従来の携帯用低周波電気治療器は、低周波信号を発生する本体(1)、身体の特定部位に付着される付着パッド(2)、および本体(1)と付着パッド(2)とを連結するケーブル(3)から構成される。
【0004】
使用者が、例えば、痛み部位に付着パッド(2)を付着した後、本体(1)を作動させると、本体(1)で発生した低周波電圧または電流がケーブル(3)および付着パッド(2)を通じて痛み部位に伝達される。ここで、信号の強弱は、本体(1)に設けられた操作ボタン(図示せず)で調整される。
【0005】
しかし、このような従来の携帯用低周波電気治療器は、ほとんど乾電池を取り替えて使用するようになっている。これにより、電源ポートおよびケーブルが不要になり、製品の小型化、軽量化、携帯性などに有利となり、特に、消費者の好みに合わせてデザインされた製品の製造が可能となった。しかし、このようなメリットにも関わらず、消費者は、頻繁な乾電池の取り替えによる経済的な負担を抱えざるを得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
もちろん、この問題は、乾電池に代えて充電可能な2次電池を使用することで解決される。しかし、乾電池の使用によるメリットが失われてしまうため、2次電池の使用が必ずしも好ましいとも言えない。
【0007】
具体的には、2次電池を利用するためには、充電用ポートとケーブルが必要となる。部品の増加は、コストアップにつながる。また、小型の治療器に充電用ポートを設けると、製品のデザイン性が損なわれてしまう場合がある。ひいては、通常、下着などに付着されて第三者に気づかれないように使用される低周波電気治療器のサイズがさらに大型化してしまう。
【0008】
また、安全性評価機関は、消費者が充電をしながら低周波治療を行うと、消費者の安全性が十分に保障できないという問題点をずっと指摘してきた。このため、低周波電気治療器のメーカは、別の電源ポートを設けることに抵抗感を感じていた。従って、従来の携帯用低周波電気治療器のメーカは、乾電池の代わりに2次電池を使用する、という発想をすることもなかった。
【0009】
本発明は、製品の大型化を抑制するとともに使用時の安全性を確保可能な、携帯用低周波電気治療器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある観点によれば、USBポート、USBポートの電源ピンと電気的に連結されて充電用電圧を供給される充電部、およびUSBポートのデータピンと電気的に連結されて低周波信号を供給する低周波信号発生部を含む本体と、一端にUSBポートに着脱可能で、データピンと電気的に連結される低周波電極コネクターが設けられ、他端に人体に低周波信号を伝達する電極パッドが設けられた低周波信号ケーブルと、一端にUSBポートに着脱可能で、電源ピンと電気的に連結される電源供給コネクターが設けられ、他端に外部電源供給装置と電気的に連結可能なソースコネクターが設けられた電源ケーブルとを備える携帯用低周波電気治療器が提供される。
【0011】
上記低周波電極コネクターは、本体の電源ピンと電気的に絶縁され、上記電源供給コネクターは、本体のデータピンと電気的に絶縁されてもよい。
【0012】
上記ソースコネクターは、USBコネクターでもよい。
【0013】
本発明の他の観点によれば、電源ピンとデータピンを有するポート、電源ピンと電気的に連結されて充電用電圧を供給される充電部、およびデータピンと電気的に連結されて低周波信号を供給する低周波信号発生部を含む本体と、一端にポートに着脱可能で、データピンと電気的に連結される低周波電極コネクターが設けられ、他端に人体に低周波信号を伝達する付着パッドが設けられた低周波信号ケーブルと、一端にポートに着脱可能で、電源ピンと電気的に連結される電源供給コネクターが設けられ、他端に外部電源供給装置と電気的に連結可能なソースコネクターが設けられた電源ケーブルとを備える携帯用低周波電気治療器が提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、製品の大型化を抑制するとともに使用時の安全性を確保可能な、携帯用低周波電気治療器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の携帯用低周波電気治療器の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例にかかる低周波電気治療器の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例にかかる低周波電気治療器本体の背面図である。
【図4】本発明の実施例にかかる低周波電気治療器本体の側面図である。
【図5】本発明の実施例にかかる低周波電気治療器本体の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
図2は、本発明の実施例にかかる携帯用低周波電気治療器の構成を示す図である。図2を参照すると、携帯用低周波電気治療器は、USBポート(11)と操作ボタン(12)とが設けられた本体(10)と、本体(10)のUSBポート(11)に選択的に接続可能な電源ケーブル(20)および低周波信号ケーブル(30)からなる。
【0018】
本体(10)に設けられた操作ボタン(12)は、例えば、円板状にデザインされている。操作ボタン(12)は、、例えば、4つの押しボタンを内蔵している。ここで、円板の左側ボタンを押すと電源がターンオンあるいはターンオフし、右側ボタンを押すとモードが選択され、上側ボタンを押すと低周波信号の強度が上がり、下側ボタンを押すと低周波信号の強度が下がる。また、図3の本体(10)の背面図に示したように、本体(10)の上部側面には、動作状態を維持するためのホールドボタン(13)が設けられ、本体(10)の後面には、使用者の衣服に本体(10)を着脱するための着脱手段(14)が設けられている。
【0019】
図4に示したように、本体(10)の下部側面には、単一のUSBポート(11)が設けられている。USBポート(11)は、4ピンまたは5ピンからなるが、少なくとも2つの電源ピンと2つのデータピン(図示せず)とを含み、電源ピンは本体(10)の内部の充電部(15)に、データピンは本体(10)の内部の低周波信号発生部(16)に連結されている。
【0020】
本体(10)の内部の機能構成図は、図5に概略的に示したブロック図を参照して説明される。
【0021】
図5に示したように、本体(10)の内部には、2次電池およびこれを充電するための充電回路を含む充電部(15)、2次電池から供給される電圧および電流を元に低周波信号を生成する低周波信号発生部(16)、使用者からの入力(操作)信号に従って本体(10)の動作を制御する制御部(17)、操作ボタンを含む使用者入力部(12、13)、およびUSBポート(11)が含まれている。
【0022】
充電部(15)は、本体(10)に設けられているUSBポート(11)の電源ピンと電気的に連結され、電源ピンを通じて外部から供給される電流を充電部(15)内の2次電池(図示せず)に充電する。
【0023】
低周波信号発生部(16)は、USBポート(11)のデータピンと電気的に連結され、生成した低周波信号をデータピンを通じて外部に供給する。
【0024】
制御部(17)は、本体(10)に設けられた使用者入力部(12、13)を通じて提供される使用者の命令に従って、本体(10)の動作を制御する。制御部(17)は、例えば、使用者が低周波信号の強度を調節するためのスイッチを押すと、これに対応する信号強度で低周波信号を生成するように低周波信号発生部(16)を制御したり、電源オン/オフ信号が入力されると、2次電池からの電源供給を許容または遮断するための制御動作を行う。
【0025】
また、図2を参照して本体(10)以外の残り二つのケーブル(20、30)について説明を続ける。
【0026】
電源ケーブル(20)は、その一端がUSBポート(11)に接続可能なUSBコネクター(21)からなり、その他端が外部電源に接続可能なUSBコネクター(22)またはプラグからなる。この場合、USBポート(11)のデータピンは、内部の低周波信号発生部(16)で生成された低周波信号を出力する端子として利用されるため、本体(10)のUSBポート(11)に接続されるUSBコネクター(21)は、データピンとは絶縁されるように形成されることが好ましい。外部電源と接続するためのコネクターとして、USBコネクター(22)を使用する場合、外部電源としてパソコンなどが利用できるというメリットがある。反面、外部電源と接続するためにプラグを使用する場合には、従来の携帯電話の充電用アダプタなどのような充電器を通じて220V常用電源に連結することが可能である。
【0027】
低周波信号ケーブル(30)は、その一端がUSBポート(11)に接続可能なUSBコネクター(31)からなり、その他端が使用者の身体に付着可能な付着パッド(32)からなり、USBコネクター(31)および付着パッド(32)は、低周波信号を伝達するケーブル(33)に連結されている。この際、本体(10)のUSBポート(11)の電源ピンは、外部電源から充電電圧または電流を供給される端子として使用されるため、本体(10)のUSBポート(11)に接続されるUSBコネクター(31)は、電源ピンとは絶縁されるように形成されることが好ましい。
【0028】
低周波電気治療器を使用するために、使用者は、まず本体(10)の2次電池を充電しなければならない。したがって、USBポート(11)に電源ケーブル(20)のUSBコネクター(21)を連結し、USBコネクター(22)またはプラグをソース電源に連結することによって、充電を開始する。
【0029】
充電が終了すると、使用者は、電源ケーブル(20)をUSBポート(11)から取外した後、低周波信号ケーブル(30)を本体(10)のUSBポート(11)に連結する。
【0030】
次に、使用者が低周波電気治療器を使用するために、着脱手段(14)によって低周波電気治療器を下着などに装着し、付着パッド(32)を痛み部位などに付着させる。そして、使用者が望む時にはいつでも操作ボタン(12)を押して低周波電気治療器の動作を開始し、適当に低周波信号の強度を調節する。
【0031】
例えば、女性が生理痛を和らげようとする場合、第三者に目立たないように低周波電気治療器を装着することが重要となる。生理痛を感じると、女性は操作ボタン(12)を押して、低周波信号を痛み部位に加えることによって、痛みを和げることができる。また、操作ボタン(12)を押して、信号の強度を調節することができる。
【0032】
女性のデリケートさを考慮すると、製品のデザインは売り上げに直結するきわめて重要な要素となり、第三者に製品の装着が目立たないように、製品を小型化することがきわめて重要となる。
【0033】
また、バッテリーが放電した後、家庭で低周波電気治療器を使用しようとするとき、充電と同時に低周波治療を行うと、使用者の安全性に支障を来たす虞がある。このため、2次電池の充電と低周波治療の実施を分離することが望ましい。
【0034】
本発明の実施例にかかる低周波電気治療器は、2次電池による充電機能を有しながらも、本体(10)に単一のUSBポート(11)が設けられているので、製品の大型化を抑制することができる。したがって、第三者に目立たないように本製品を着用可能であるとともに、製品のデザイン性を維持することができる。また、単一のUSBポート(11)を充電と低周波治療に共用することで、充電と電気治療を同時に行うことが物理的に不可能となるので、使用時の安全性を維持することができる。
【0035】
本発明の実施例にかかる低周波電気治療器は、使用者が充電と低周波治療を同時に実施できない物理的な構造を有しているので、充電と低周波治療の同時実施に際して生じうる安全上の問題の発生を防止することができる。
【0036】
また、単一のポート(11)が低周波治療と充電に共用されるため、充電用ポートを別途に設けなくてもよい。従って製品の小型化および製品デザインの柔軟性を確保可能であり、消費者のデザイン満足度を高め、ひいては製品の競争力を向上することもできる。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】
例えば、USBポート(11)に接続するコネクター(21、31)は、ケーブル(20、30)の用途によって電源ピンまたはデータピンを形成しないようにしてもよい。また、コネクター(21、31)は、4ピンまたは5ピンで構成し、ケーブル(23、33)の内部で特定のピンに連結された導線連結を排除してもよい。
【0039】
また、USBコネクター(21、31)およびUSBポート(11)の代わりに、他の仕様の4ピンコネクターおよびポートを使用してもよい。もちろん、USBに対応しているコンピューターなどの装置に連結しても電源を供給することができる、というメリットは失われるかもしれない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBポート、前記USBポートの電源ピンと電気的に連結されて充電用電圧を供給される充電部、および前記USBポートのデータピンと電気的に連結されて低周波信号を供給する低周波信号発生部を含む本体と、
一端に前記USBポートに着脱可能で、前記データピンと電気的に連結される低周波電極コネクターが設けられ、他端に人体に低周波信号を伝達する電極パッドが設けられた低周波信号ケーブルと、
一端に前記USBポートに着脱可能で、前記電源ピンと電気的に連結される電源供給コネクターが設けられ、他端に外部電源供給装置と電気的に連結可能なソースコネクターが設けられた電源ケーブルと
を備える携帯用低周波電気治療器。
【請求項2】
前記低周波電極コネクターは、前記本体の前記電源ピンと電気的に絶縁され、
前記電源供給コネクターは、前記本体の前記データピンと電気的に絶縁される、請求項1に記載の携帯用低周波電気治療器。
【請求項3】
前記ソースコネクターは、USBコネクターである、請求項1または2に記載の携帯用低周波電気治療器。
【請求項4】
電源ピンとデータピンを有するポート、前記電源ピンと電気的に連結されて充電用電圧を供給される充電部、および前記データピンと電気的に連結されて低周波信号を供給供給する低周波信号発生部を含む本体と、
一端に前記ポートに着脱可能で、前記データピンと電気的に連結される低周波電極コネクターが設けられ、他端に人体に低周波信号を伝達する付着パッドが設けられた低周波信号ケーブルと、
一端に前記ポートに着脱可能で、前記電源ピンと電気的に連結される電源供給コネクターが設けられ、他端に外部電源供給装置と電気的に連結可能なソースコネクターが設けられた電源ケーブルと
を備える携帯用低周波電気治療器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−11167(P2012−11167A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203405(P2010−203405)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(510244949)エルバイオカンパニーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】