携帯端末、制御方法およびプログラム。
【課題】複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する。
【解決手段】
ハンディターミナル100は、商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、算出した合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段とを備えることを特徴とする。
【解決手段】
ハンディターミナル100は、商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、算出した合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の通貨での支払いにおける最適な支払い形態を携帯端末で算出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、航空機や鉄道などの輸送機関では、販売物品を用意して機内販売を行っている。例えば、航空機内では、航空会社の客室乗務員や販売員により、ハンディターミナルを用いた購入商品の決済業務が行われている。国際線の機内では、日本円のほか、外国通貨を用いた支払いを受けて付けていることが一般的である。よって、顧客は旅先で使い切らずに余った紙幣硬貨を日本円と併せて使用することが可能である。外国通貨は、交換レートが日ごとに違うので、ハンディターミナルは、上位端末からその日のレート情報をダウンロードする等して、外国通貨による精算を受付けている。
【0003】
また最近では、現金(以下、キャッシュという。)での支払いのほかに、商品券や電子マネーなど様々な支払い形態に対応している。このとき、ハンディターミナルでは、商品の合計金額に対して、顧客が提示した順に支払手段と支払金額を入力し、精算を行っているのが現状の方法である。
【0004】
特許文献1に開示される発明では、POS端末内のメモリに、あらかじめ複数の外国通貨と円通貨との換算レートを登録した通貨換算レートテーブルを設けておき、顧客が前記通貨換算テーブルに登録された外国通貨による代金の支払を希望した場合に、前記POS端末が、前記通貨換算レートテーブルを用いて、顧客が支払を希望した外国通貨による代金額及び釣銭額を表示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−273568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された発明を用いて、現状の精算方法により支払いすると、支払通貨のレートや端数処理の仕方、端数処理の位置がそれぞれ違う為、通貨を出す順番によってその支払い金額に差が生じて顧客にとっては損な状況が発生するおそれがある。
【0007】
例えば、図8に示す通貨レートに基づいて支払いを行った場合、日本円と米ドルの支払い順序を逆にすることで支払い合計額に20円の差が生じてしまい、顧客にとっては非常に不利益である。本発明は、このような、通貨の提示順により支払い合計額に差異が生じる場合における最適な支払い方法を提示することで、顧客の不利益を解消したい。
【0008】
即ち、本発明の目的は、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明の携帯端末は、商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末であって、商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記第二の算出手段は、前記第二の受付手段で受け付けた前記支払残金を支払うための通貨の通貨レートと、端数処理位置と、端数処理方法と、最低入力単位とを含む支払通貨情報を前記通貨マスタより取得する取得手段を備え、前記取得手段で取得した前記支払通貨情報の一つの通貨の最低入力単位の数値から、前記支払残金を前記通貨の1円当たりの通貨レートで割った数値までの数字と、他の種類の通貨の組み合わせを一つずつ算出することにより、前記支払パターンを算出することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切ると判定された場合には、前記商品の合計購入金額の支払を確定させることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記提示手段により提示された複数の支払いパターンのうち、前記合計購入金額との差損が最も少ない支払パターンを、他の支払パターンと区別可能な形式で提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態で用いるハンディターミナルの機能構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態で用いるハンディターミナルのハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】本実施形態で用いるハンディターミナルで記憶される通貨マスタテーブルの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理例を示すフローチャートである。。
【図6】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図7】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図8】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理により提示される支払い方法の算出例を示す図である。
【図9】本実施形態で用いるハンディターミナルでの演算方法の一例を示す図である。
【図10】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図11】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明していく。
【0013】
先述の図8で提示している支払い方法を説明する。このケースでは、日本円10,000円分の商品券と、米10ドル(キャッシュ)、190ユーロ(キャッシュ)を用いた支払いを行おうとしている。
【0014】
図8によると、(A)の方法では、日本円「35,500円」する商品の購入のために、1〜4の順序で支払いを行っている。まず、日本円で10,000円の商品券(ギフト券)を使い、この時点で支払い残金「25,500円」となる。(1)
【0015】
次に、米ドルのキャッシュで10ドルを支払う(2)。この日の1ドル当たりのレートは「90.25円」であり、米ドルの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。端数処理を行い円換算をすると、10ドルは、「902.5円」となり、
〔25,500−902.5=24,597.5(円)〕となる。
【0016】
次に、ユーロのキャッシュを用いて支払いを行う(3)。この日の1ユーロ当たりのレートは「129.00円」であり、ユーロの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。以下の式から、支払残金24,597.5円をユーロで支払うためには191ユーロ必要であることがわかる。
〔24,597.5÷129≒191〕。
【0017】
191ユーロを円換算すると、24,677.2円となり、支払残金は、〔24,597.5−24,677.2=−79.7(円)〕で、「79.7円」を超過払いで支払うことになる。なお、この場合、通貨レートにより生じる誤差の釣りは返金しないこととしている。
【0018】
また、(B)の方法では、日本円「35,500円」する商品の購入のために、4〜6の順序で支払いを行っているが、まず、日本円で10,000円の商品券(ギフト券)を使い、この時点で支払い残金「25,500円」となる。(4)
【0019】
次に、190ユーロをキャッシュで支払う(5)。この日の1ユーロ当たりのレートは「129.2円」であり、ユーロの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。端数処理を行い円換算をすると、190ユーロは、「24,548円」となり、
〔25,500−24,548=952(円)〕となる。
【0020】
次に、米ドルのキャッシュを用いて支払う(6)。この日の1ドル当たりのレートは「90.25円」であり、米ドルの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。支払残金952円を米ドルで支払うためには11ドル必要であることがわかる
〔952÷90≒11〕。
【0021】
11ドルを円換算すると、992.75円となり、支払残金は、〔952−992.75=−40.75(円)〕で、「40.75円」を超過払いで支払うことになる。なお、この場合、通貨レートにより生じる誤差の釣りは返金しないこととしている。
【0022】
図8のように同種類の通貨を用いて支払をする場合にも、支払う順序によっては、通貨レートの差損に大小が生じてしまうため、本発明はこの問題を解決するための方法を提供する。
【0023】
まず、図1を用いて、本発明のハンディターミナル100のモジュール構成について説明する。図1は、ハンディターミナル100におけるモジュール構成の一例を示す図である。
【0024】
本発明のハンディターミナル100は、例えば、通貨マスタ登録部101、演算部102、データ送受信部103を備えているものとする。
【0025】
ハンディターミナル100の表示部に表示される画面のうち、メンテナンスメニュー画面(不図示)で「通貨マスタ登録ボタン」の押下を受け付けると、通貨マスタ登録部101は、「通貨マスタ登録画面」を表示し、支払い可能な通貨とレートの設定入力を受け付ける。
【0026】
演算部102は、購入商品の合計額に対して、支払い方法と、支払通貨の選択を受け付けた後に、最適な支払い方法を算出するための機能構成である。
【0027】
データ送受信部103は、ハンディターミナル100がクレイドル(不図示)にセットされた後の、上位端末(不図示)とのデータ送受信を制御するための機能構成である。
【0028】
次に、図2を用いて本発明のハンディターミナル100のハードウエア構成について説明する。図2は、本発明のハンディターミナル100におけるハードウエア構成の一例を示す図である。
【0029】
ハンディターミナル100のCPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0030】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、サーバ或いは各クライアントの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0031】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0032】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0033】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210への表示を制御する。ディスプレイは、CRTディスプレイでも液晶ディスプレイ等でも構わない。
【0034】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、利用者ファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標)(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0035】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0036】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。
【0037】
また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等での利用者指示を可能とする。
【0038】
本発明を実現するためのプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0039】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる各種データ及び各種テーブルは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0040】
次に、図3を用いて本発明のハンディターミナル100で売買処理をする際に利用可能な通貨と支払い方法を記憶している通貨マスタテーブルについて説明する。
【0041】
売買処理をする前に、ハンディターミナル100は、商品購入時に支払いで利用できる通貨と、通貨レートと、支払い方法とを登録しておく必要がある。
【0042】
図3の300は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される通貨マスタ登録画面の画面例である。
【0043】
本図では、支払い可能な通貨種類(302)に日本円(JPY)、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、カナダドル(CAD)が設定されており、日本円、米ドル、ユーロはキャッシュでの支払いが可能であり、ユーロとカナダドルは、トラベラーズチェック(T/C)での支払いが可能である。また、日本円は(JPY)キャッシュでの支払い方法のほか、「商品券」、「クレジット」「電子マネー」での支払い可能に設定がなされている。設定情報は、適宜ハンディターミナルのユーザ操作により変更が可能である。
【0044】
通貨マスタの登録方法は、例えば、ハンディターミナル100をクレイドルにセットし、上位端末(不図示)に設定されたその日の通貨レートをダウンロードする方法がある。この場合、上位端末とハンディターミナル100とは、有線/無線を問わずネットワークに接続可能な環境になければならない。
【0045】
また、不図示のメニュー画面から、通貨マスタ登録画面を呼び出し、その日の通貨レートを登録する方法がある。
【0046】
通貨マスタ登録画面300では、例えば、支払い可能な通貨種類(302)とその支払い方法(301)とその日の通貨レート(303)とを登録し、計算をする際の端数処理単位(304)と、端数の処理方法(305)と、通貨ごとの最低入力単位(306)を登録することが可能である。端数処理方法には、“四捨五入”、“切り上げ”、“切り捨て”などがある。本画面において、通貨レートを少数第二位まで登録しているが、登録する位は特に限定されない。
【0047】
図4は、本発明のハンディターミナル100で行う、最適な支払い方法を算出するための処理を示すフローチャートである。
【0048】
まず、ハンディターミナル100のユーザ操作により、顧客が購入する商品の選択を受け付ける。例えば、不図示の画面に商品コード入力を受け付ける方法や、スキャナー(不図示)を搭載しているハンディターミナルであれば、商品の包装に附されているバーコードを読み取る方法があり、その方法は既知の技術であってよい。
【0049】
ステップS001で、ハンディターミナル100のCPU201は、顧客が購入する商品選択を受け付けて、商品の合計購入金額を確定する。この時の合計購入金額を“A”とする。
【0050】
次に、ステップS002で、ハンディターミナル100のCPU201は、合計購入金額“A”に対する支払い方法の選択を受け付ける。商品合計金額Aに対して、複数種類の通貨や支払い方法を用いず、一種類の通貨で、かつ、一つの支払い方法のみで、購入代金の支払いを行う場合(例えば日本円のキャッシュのみ)には、支払い通貨と、当該通貨の支払い方法の選択を受付けて、ステップS003へ進む。複数種類の通貨や支払い方法を用いる場合には、ステップS004へ進む。
【0051】
ステップS003で、ハンディターミナル100のCPU201は、先述のステップS002で選択を受け付けた支払い通貨の通貨レートを通過マスタより取得し、〔合計購入金額“A”÷支払い通貨レート〕の演算を行って、選択通貨での「支払金額“B”」を算出する(日本円での支払いの場合は、このステップは不要となる)。
【0052】
例えば、日本円での商品合計金額が「30,000円」であって、ステップS002で選択された支払い通貨が米ドルであった場合、図3の通貨マスタでは「1ドル=93.2円」というレートが登録されている。また、米ドルの端数処理位置は、小数第一位であり、端数処理方法“切り上げ”が設定されている。
【0053】
これにより、
〔xドル(B)×93.2円=30,000円〕の式から
「B≒321.88ドル」であり、米ドルは、小数第一位を切り上げする端数処理方法であると登録されていることから、〔B=322ドル〕の解が求められる。
【0054】
ステップS015で、顧客からの預かり金額を入力し、ステップS016で、「預かり金額−商品合計金額≧0」になれば、おつりが発生することになるので、釣り銭の金額をディスプレイ210に表示する。
【0055】
一方、ステップS004で、ハンディターミナル100のCPU201は、優先的に支払を行いたい通貨の種類、支払方法と、金額(C)の入力を受け付け、ステップS005で、商品合計金額AからCの円換算金額を減算して支払残金を算出する。ステップS004の支払金額受付画面は、図6で詳細に説明する。
【0056】
図6は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払金額受付画面である。
【0057】
支払金額受付画面は、ステップS001で確定した商品合計金額601(本図では、35500円)と、支払い方法選択部602と、支払残金603が表示されている。
【0058】
商品合計金額601に対して、支払い方法選択部602で、優先的に支払いを行いたい通貨とその金額、支払い方法の入力受け付ける。例えば、本図では、日本円で「10000円」の商品券で優先的に支払い、次に、米ドルのキャッシュで10ドルの支払いを行うこととされている。支払い方法選択部602に入力された通貨種類、金額、支払い方法から、支払残金603が算出される(ステップS005)。支払金額を設定して604の決定ボタンの押下を受け付けることにより、次の処理に進む。
【0059】
引き続き、図4のフローチャートに沿って説明を行う。ステップS006で、ハンディターミナル100のCPU201は、「支払残金≧0」を確認し、「支払残金=0」であればステップS015へ進み、「支払残金>0」であればステップS007に進む。
【0060】
ステップS007で、ハンディターミナル100のCPU201は、支払い可能な支払手段と金額の上限、下限の入力を受け付け、ステップS008で、最適な支払いパターンの算出処理を実行する。本処理は、後述の図5において詳細に説明する。
【0061】
図7は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払残金受付画面である。図6で、優先的に支払いを行う通貨と支払方法の登録を終え、「支払残金>0」である場合には、本画面が表示される。
【0062】
701は、合計購入金額(601)から、図6の602で登録した支払方法で支払われる金額を引いた、支払残金である。この数値は、603と同じ数値である。
【0063】
702で、ハンディターミナル100は、支払残金に対して支払い可能な通貨と、その通貨での支払手段と、その通貨での最低でも使用したい金額と、最高で使用できる金額と、通貨の単位とを入力する。引き続き、図4のフローチャートの説明に戻る。
【0064】
ステップS009で、ハンディターミナル100のCPU201は、ステップS008で算出した支払いパターンのうち、差額が0に近い10パターンをディスプレイ210に表示する。なお、ここで表示する支払いパターンの数は、特に定める必要はなく、本実施形態における10パターンも一例である。
【0065】
ステップS010で、ハンディターミナル100のCPU201は、先ほどディスプレイ210に表示された10パターンから、どの支払いパターンで支払いをするかの選択を受け付ける。
【0066】
入力受付方法としては、ハンディターミナル100の入力部(上下ボタンや決定ボタンなど)の押下による入力受付や、ディスプレイ210が既知のタッチパネル技術を用いているものであれば、所定位置のタッチ入力受付の方法がある。
【0067】
ステップ011で、ハンディターミナル100のCPU201は、顧客からの預かり金額(D)の入力を受け付けると、ステップS012で、「預かり金額D−ステップS010で選択された支払い金額>0」になるか否かを判定する。つまり、ここではおつりが発生するか否かの判定を行っている。
【0068】
判定の結果、おつりが発生する場合には、ステップS013へ進み、おつりが発生しない場合にはステップS014へ進み、支払いを確定させる。
【0069】
ステップS013で、ハンディターミナル100のCPU201は、先ほど算出されたおつりの金額は支払えるか否かの判定を行う。おつりを支払える場合には、ステップS014へ進み、支払いを確定させる。おつりを支払えない場合には、ステップS010に戻って、支払いパターンの選択の再受け付けをする。
【0070】
次に、ステップS008の支払いパターン算出処理について、図5を用いて詳細に説明をする。図5は、本発明のハンディターミナル100を用いて、複数種類の通貨での支払いにおける最適な支払い形態を携帯端末で算出する処理方法を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS021で、ハンディターミナル100のCPU201は、先述のステップS007で入力を受け付けた、支払い可能な通貨を(P,Q,R・・・・)として、図4の通貨マスタを参照して、各通貨のレート(P1、Q1、R1)、端数処理位置(P2、Q2、R2)、端数処理方法(P3、Q3、R3)、最低入力単位(P4、Q4、R4)を取得する。
【0072】
ステップS022で、ハンディターミナル100のCPU201は、支払残金を支払可能手段2つ以上で支払うパターンを算出する。例えば、支払残金が15000円の場合に、ドルとユーロで支払うパターンを算出すべく、図9を用いて説明をする。
【0073】
図3の通貨マスタを参照し、(P=ドル、P1=93.20円、P2=小数点第一位、P3=四捨五入、P4=1)および、(Q=ユーロ、Q1=129.60円、Q2=小数点第一位、Q3=切上、Q4=1)の値を取得する(図9−Aを参照)。
【0074】
次に、ドルでの支払い分を最低入力単位から順に計算式に当てはめ、合計購入金額から、ドルで支払う分を減算した残額を、ユーロの1円当たりのレートで割って、ユーロでの支払い額を算出する。
【0075】
具体的には、ドルでの支払い最低値「1」×0=0(ドル)で、〔(合計購入金額15000円−0ドル×93.20円)/(1ユーロ=129.60円)≒115.74〕の計算式から小数第一位を切り上げて、116ユーロで支払う。このパターンでは、〔0ドルと116ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(A)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0076】
(A)〔0×93.20円+116×129.60円=15033.6円〕となり、合計購入金額15,000円との差額は、「+33.6円」となる。
【0077】
次に、ドルでの支払い最低値「1」×1=1(ドル)で、〔(合計購入金額15000円−1ドル×93.20円)/(1ユーロ=129.60円)≒114.66〕の計算式から小数第一位を切り上げて、115ユーロで支払う。このパターンでは、〔1ドルと115ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(B)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0078】
(B)〔1×93.20円+115×129.60円=14997.2円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「−2.8円」となる。
【0079】
上記の計算式を用いてドルで支払う金額をカウントアップしていき、15000円/P1(端数処理する位)まで計算を行う。
【0080】
つまり、(A)で0ドル、(B)で1ドルと計算していくので、この先も、Cで2ドル、Dで3ドル・・という具合に同様の計算をしていく。合計購入金額を米ドルで支払う場合の最高支払額は〔15000÷93.20≒160.94〕の結果から161ドルなので、この場合は米ドルで161ドルを支払うパターンまで計算をする。
【0081】
また、ユーロでの支払い最低値「1」×0=0(ユーロ)で、〔(合計購入金額15000円−0ユーロ×129.6円)/(1ドル=93.2円)≒160.94〕の計算式が成り立つ。小数第一位を切り上げて、161ドルで支払う。このパターンでは、〔0ユーロと161ドル〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(C)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0082】
(a)〔0×129.60円+161×93.20円=15005.2円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「+5.2円」となる。
【0083】
また、ユーロでの支払い最低値「1」×1=1(ユーロ)で、〔(合計購入金額15000円−1ユーロ×129.6円)/(1ドル=93.2円)≒159.55〕の計算式が成り立つ。小数第一位を切り上げて、160ドルで支払う。このパターンでは、〔160ドルと1ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(D)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0084】
(b)〔160×93.20円+1×129.60円=15041.6円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「+41.6円」となる。
【0085】
上記の計算式を用いてユーロで支払う金額をカウントアップしていき、15000/Q1(端数処理の位)まで計算を行う。
【0086】
つまり、(a)で0ユーロ、(b)で1ユーロと計算していくので、この先も、Cで2ユーロ、Dで3ユーロ・・という具合に同様の計算をしていく。合計購入金額をユーロで支払う場合の最高支払額は〔15000÷129.60≒115.74〕の結果から116ユーロなので、この場合はユーロで116ユーロを支払うパターンまで計算をする。
【0087】
ステップS009で、ハンディターミナル100は、ステップS022で算出した支払いパターンのうち、合計購入金額との差額が最も小さい10パターンを表示する。上記計算例では、以下の差額の結果が得られている。
(A)差額=+33.6円
(B)差額=−2.8円
(a)差額=+5.2円
(b)差額=+41.6円
【0088】
これら差額を知らせる画面をハンディターミナル100のディスプレイに表示させる。図10は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払方法提示画面である。
【0089】
1001は、顧客が購入する商品の合計購入金額である。1002は、先で説明をした支払方法を提示している提示部である。ここに、合計購入金額を基準として差損が少ない支払方法の10パターンが提示される。1002に提示される支払方法のうち最も差損が少ない1パターンは、他のパターンとは別の色で識別しやすく表示するようにしてもよい。
【0090】
1003は、最適な支払いパターンを表示するメッセージ表示部である。1004は、支払いパターンの決定ボタンであり、1002に表示された支払いパターンのうちのいずれか1つの選択を受け付け、決定ボタンの押下を受け付けると、支払いパターンを決定する。
【0091】
また、図11は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払方法確定画面である。1101は、図10で選択した支払いパターンの支払い方法が表示されている。この内容がユーザにより確認されて、1102の決定ボタンが押下されることにより、支払いパターンが確定される。
【0092】
以上、本発明の目的によれば、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することが可能となる。。
【0093】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0094】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0095】
また、本発明におけるプログラムは、図の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4および5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4および5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0096】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0097】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0099】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0102】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【符号の説明】
【0103】
100 ハンディターミナル
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 KB(またはマウス)
210 ディスプレイ
211 外部メモリ(HD、FC)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の通貨での支払いにおける最適な支払い形態を携帯端末で算出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、航空機や鉄道などの輸送機関では、販売物品を用意して機内販売を行っている。例えば、航空機内では、航空会社の客室乗務員や販売員により、ハンディターミナルを用いた購入商品の決済業務が行われている。国際線の機内では、日本円のほか、外国通貨を用いた支払いを受けて付けていることが一般的である。よって、顧客は旅先で使い切らずに余った紙幣硬貨を日本円と併せて使用することが可能である。外国通貨は、交換レートが日ごとに違うので、ハンディターミナルは、上位端末からその日のレート情報をダウンロードする等して、外国通貨による精算を受付けている。
【0003】
また最近では、現金(以下、キャッシュという。)での支払いのほかに、商品券や電子マネーなど様々な支払い形態に対応している。このとき、ハンディターミナルでは、商品の合計金額に対して、顧客が提示した順に支払手段と支払金額を入力し、精算を行っているのが現状の方法である。
【0004】
特許文献1に開示される発明では、POS端末内のメモリに、あらかじめ複数の外国通貨と円通貨との換算レートを登録した通貨換算レートテーブルを設けておき、顧客が前記通貨換算テーブルに登録された外国通貨による代金の支払を希望した場合に、前記POS端末が、前記通貨換算レートテーブルを用いて、顧客が支払を希望した外国通貨による代金額及び釣銭額を表示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−273568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された発明を用いて、現状の精算方法により支払いすると、支払通貨のレートや端数処理の仕方、端数処理の位置がそれぞれ違う為、通貨を出す順番によってその支払い金額に差が生じて顧客にとっては損な状況が発生するおそれがある。
【0007】
例えば、図8に示す通貨レートに基づいて支払いを行った場合、日本円と米ドルの支払い順序を逆にすることで支払い合計額に20円の差が生じてしまい、顧客にとっては非常に不利益である。本発明は、このような、通貨の提示順により支払い合計額に差異が生じる場合における最適な支払い方法を提示することで、顧客の不利益を解消したい。
【0008】
即ち、本発明の目的は、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
即ち、本発明の携帯端末は、商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末であって、商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記第二の算出手段は、前記第二の受付手段で受け付けた前記支払残金を支払うための通貨の通貨レートと、端数処理位置と、端数処理方法と、最低入力単位とを含む支払通貨情報を前記通貨マスタより取得する取得手段を備え、前記取得手段で取得した前記支払通貨情報の一つの通貨の最低入力単位の数値から、前記支払残金を前記通貨の1円当たりの通貨レートで割った数値までの数字と、他の種類の通貨の組み合わせを一つずつ算出することにより、前記支払パターンを算出することを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切ると判定された場合には、前記商品の合計購入金額の支払を確定させることを特徴とする。
また、本発明の携帯端末は、前記提示手段により提示された複数の支払いパターンのうち、前記合計購入金額との差損が最も少ない支払パターンを、他の支払パターンと区別可能な形式で提示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態で用いるハンディターミナルの機能構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態で用いるハンディターミナルのハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】本実施形態で用いるハンディターミナルで記憶される通貨マスタテーブルの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理例を示すフローチャートである。。
【図6】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図7】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図8】本実施形態で用いるハンディターミナルでの処理により提示される支払い方法の算出例を示す図である。
【図9】本実施形態で用いるハンディターミナルでの演算方法の一例を示す図である。
【図10】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【図11】本実施形態で用いるハンディターミナルの表示部に表示される画面構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面により本発明を実施するための形態について説明していく。
【0013】
先述の図8で提示している支払い方法を説明する。このケースでは、日本円10,000円分の商品券と、米10ドル(キャッシュ)、190ユーロ(キャッシュ)を用いた支払いを行おうとしている。
【0014】
図8によると、(A)の方法では、日本円「35,500円」する商品の購入のために、1〜4の順序で支払いを行っている。まず、日本円で10,000円の商品券(ギフト券)を使い、この時点で支払い残金「25,500円」となる。(1)
【0015】
次に、米ドルのキャッシュで10ドルを支払う(2)。この日の1ドル当たりのレートは「90.25円」であり、米ドルの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。端数処理を行い円換算をすると、10ドルは、「902.5円」となり、
〔25,500−902.5=24,597.5(円)〕となる。
【0016】
次に、ユーロのキャッシュを用いて支払いを行う(3)。この日の1ユーロ当たりのレートは「129.00円」であり、ユーロの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。以下の式から、支払残金24,597.5円をユーロで支払うためには191ユーロ必要であることがわかる。
〔24,597.5÷129≒191〕。
【0017】
191ユーロを円換算すると、24,677.2円となり、支払残金は、〔24,597.5−24,677.2=−79.7(円)〕で、「79.7円」を超過払いで支払うことになる。なお、この場合、通貨レートにより生じる誤差の釣りは返金しないこととしている。
【0018】
また、(B)の方法では、日本円「35,500円」する商品の購入のために、4〜6の順序で支払いを行っているが、まず、日本円で10,000円の商品券(ギフト券)を使い、この時点で支払い残金「25,500円」となる。(4)
【0019】
次に、190ユーロをキャッシュで支払う(5)。この日の1ユーロ当たりのレートは「129.2円」であり、ユーロの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。端数処理を行い円換算をすると、190ユーロは、「24,548円」となり、
〔25,500−24,548=952(円)〕となる。
【0020】
次に、米ドルのキャッシュを用いて支払う(6)。この日の1ドル当たりのレートは「90.25円」であり、米ドルの端数処理方法は、小数第一位を四捨五入すると設定されている。支払残金952円を米ドルで支払うためには11ドル必要であることがわかる
〔952÷90≒11〕。
【0021】
11ドルを円換算すると、992.75円となり、支払残金は、〔952−992.75=−40.75(円)〕で、「40.75円」を超過払いで支払うことになる。なお、この場合、通貨レートにより生じる誤差の釣りは返金しないこととしている。
【0022】
図8のように同種類の通貨を用いて支払をする場合にも、支払う順序によっては、通貨レートの差損に大小が生じてしまうため、本発明はこの問題を解決するための方法を提供する。
【0023】
まず、図1を用いて、本発明のハンディターミナル100のモジュール構成について説明する。図1は、ハンディターミナル100におけるモジュール構成の一例を示す図である。
【0024】
本発明のハンディターミナル100は、例えば、通貨マスタ登録部101、演算部102、データ送受信部103を備えているものとする。
【0025】
ハンディターミナル100の表示部に表示される画面のうち、メンテナンスメニュー画面(不図示)で「通貨マスタ登録ボタン」の押下を受け付けると、通貨マスタ登録部101は、「通貨マスタ登録画面」を表示し、支払い可能な通貨とレートの設定入力を受け付ける。
【0026】
演算部102は、購入商品の合計額に対して、支払い方法と、支払通貨の選択を受け付けた後に、最適な支払い方法を算出するための機能構成である。
【0027】
データ送受信部103は、ハンディターミナル100がクレイドル(不図示)にセットされた後の、上位端末(不図示)とのデータ送受信を制御するための機能構成である。
【0028】
次に、図2を用いて本発明のハンディターミナル100のハードウエア構成について説明する。図2は、本発明のハンディターミナル100におけるハードウエア構成の一例を示す図である。
【0029】
ハンディターミナル100のCPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0030】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、サーバ或いは各クライアントの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0031】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0032】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0033】
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210への表示を制御する。ディスプレイは、CRTディスプレイでも液晶ディスプレイ等でも構わない。
【0034】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、利用者ファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標)(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0035】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0036】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。
【0037】
また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等での利用者指示を可能とする。
【0038】
本発明を実現するためのプログラムは外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0039】
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる各種データ及び各種テーブルは外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。なお、全ての装置がこれらの構成を備えているわけではなく、必要なものを夫々備えていればよい。
【0040】
次に、図3を用いて本発明のハンディターミナル100で売買処理をする際に利用可能な通貨と支払い方法を記憶している通貨マスタテーブルについて説明する。
【0041】
売買処理をする前に、ハンディターミナル100は、商品購入時に支払いで利用できる通貨と、通貨レートと、支払い方法とを登録しておく必要がある。
【0042】
図3の300は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される通貨マスタ登録画面の画面例である。
【0043】
本図では、支払い可能な通貨種類(302)に日本円(JPY)、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、カナダドル(CAD)が設定されており、日本円、米ドル、ユーロはキャッシュでの支払いが可能であり、ユーロとカナダドルは、トラベラーズチェック(T/C)での支払いが可能である。また、日本円は(JPY)キャッシュでの支払い方法のほか、「商品券」、「クレジット」「電子マネー」での支払い可能に設定がなされている。設定情報は、適宜ハンディターミナルのユーザ操作により変更が可能である。
【0044】
通貨マスタの登録方法は、例えば、ハンディターミナル100をクレイドルにセットし、上位端末(不図示)に設定されたその日の通貨レートをダウンロードする方法がある。この場合、上位端末とハンディターミナル100とは、有線/無線を問わずネットワークに接続可能な環境になければならない。
【0045】
また、不図示のメニュー画面から、通貨マスタ登録画面を呼び出し、その日の通貨レートを登録する方法がある。
【0046】
通貨マスタ登録画面300では、例えば、支払い可能な通貨種類(302)とその支払い方法(301)とその日の通貨レート(303)とを登録し、計算をする際の端数処理単位(304)と、端数の処理方法(305)と、通貨ごとの最低入力単位(306)を登録することが可能である。端数処理方法には、“四捨五入”、“切り上げ”、“切り捨て”などがある。本画面において、通貨レートを少数第二位まで登録しているが、登録する位は特に限定されない。
【0047】
図4は、本発明のハンディターミナル100で行う、最適な支払い方法を算出するための処理を示すフローチャートである。
【0048】
まず、ハンディターミナル100のユーザ操作により、顧客が購入する商品の選択を受け付ける。例えば、不図示の画面に商品コード入力を受け付ける方法や、スキャナー(不図示)を搭載しているハンディターミナルであれば、商品の包装に附されているバーコードを読み取る方法があり、その方法は既知の技術であってよい。
【0049】
ステップS001で、ハンディターミナル100のCPU201は、顧客が購入する商品選択を受け付けて、商品の合計購入金額を確定する。この時の合計購入金額を“A”とする。
【0050】
次に、ステップS002で、ハンディターミナル100のCPU201は、合計購入金額“A”に対する支払い方法の選択を受け付ける。商品合計金額Aに対して、複数種類の通貨や支払い方法を用いず、一種類の通貨で、かつ、一つの支払い方法のみで、購入代金の支払いを行う場合(例えば日本円のキャッシュのみ)には、支払い通貨と、当該通貨の支払い方法の選択を受付けて、ステップS003へ進む。複数種類の通貨や支払い方法を用いる場合には、ステップS004へ進む。
【0051】
ステップS003で、ハンディターミナル100のCPU201は、先述のステップS002で選択を受け付けた支払い通貨の通貨レートを通過マスタより取得し、〔合計購入金額“A”÷支払い通貨レート〕の演算を行って、選択通貨での「支払金額“B”」を算出する(日本円での支払いの場合は、このステップは不要となる)。
【0052】
例えば、日本円での商品合計金額が「30,000円」であって、ステップS002で選択された支払い通貨が米ドルであった場合、図3の通貨マスタでは「1ドル=93.2円」というレートが登録されている。また、米ドルの端数処理位置は、小数第一位であり、端数処理方法“切り上げ”が設定されている。
【0053】
これにより、
〔xドル(B)×93.2円=30,000円〕の式から
「B≒321.88ドル」であり、米ドルは、小数第一位を切り上げする端数処理方法であると登録されていることから、〔B=322ドル〕の解が求められる。
【0054】
ステップS015で、顧客からの預かり金額を入力し、ステップS016で、「預かり金額−商品合計金額≧0」になれば、おつりが発生することになるので、釣り銭の金額をディスプレイ210に表示する。
【0055】
一方、ステップS004で、ハンディターミナル100のCPU201は、優先的に支払を行いたい通貨の種類、支払方法と、金額(C)の入力を受け付け、ステップS005で、商品合計金額AからCの円換算金額を減算して支払残金を算出する。ステップS004の支払金額受付画面は、図6で詳細に説明する。
【0056】
図6は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払金額受付画面である。
【0057】
支払金額受付画面は、ステップS001で確定した商品合計金額601(本図では、35500円)と、支払い方法選択部602と、支払残金603が表示されている。
【0058】
商品合計金額601に対して、支払い方法選択部602で、優先的に支払いを行いたい通貨とその金額、支払い方法の入力受け付ける。例えば、本図では、日本円で「10000円」の商品券で優先的に支払い、次に、米ドルのキャッシュで10ドルの支払いを行うこととされている。支払い方法選択部602に入力された通貨種類、金額、支払い方法から、支払残金603が算出される(ステップS005)。支払金額を設定して604の決定ボタンの押下を受け付けることにより、次の処理に進む。
【0059】
引き続き、図4のフローチャートに沿って説明を行う。ステップS006で、ハンディターミナル100のCPU201は、「支払残金≧0」を確認し、「支払残金=0」であればステップS015へ進み、「支払残金>0」であればステップS007に進む。
【0060】
ステップS007で、ハンディターミナル100のCPU201は、支払い可能な支払手段と金額の上限、下限の入力を受け付け、ステップS008で、最適な支払いパターンの算出処理を実行する。本処理は、後述の図5において詳細に説明する。
【0061】
図7は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払残金受付画面である。図6で、優先的に支払いを行う通貨と支払方法の登録を終え、「支払残金>0」である場合には、本画面が表示される。
【0062】
701は、合計購入金額(601)から、図6の602で登録した支払方法で支払われる金額を引いた、支払残金である。この数値は、603と同じ数値である。
【0063】
702で、ハンディターミナル100は、支払残金に対して支払い可能な通貨と、その通貨での支払手段と、その通貨での最低でも使用したい金額と、最高で使用できる金額と、通貨の単位とを入力する。引き続き、図4のフローチャートの説明に戻る。
【0064】
ステップS009で、ハンディターミナル100のCPU201は、ステップS008で算出した支払いパターンのうち、差額が0に近い10パターンをディスプレイ210に表示する。なお、ここで表示する支払いパターンの数は、特に定める必要はなく、本実施形態における10パターンも一例である。
【0065】
ステップS010で、ハンディターミナル100のCPU201は、先ほどディスプレイ210に表示された10パターンから、どの支払いパターンで支払いをするかの選択を受け付ける。
【0066】
入力受付方法としては、ハンディターミナル100の入力部(上下ボタンや決定ボタンなど)の押下による入力受付や、ディスプレイ210が既知のタッチパネル技術を用いているものであれば、所定位置のタッチ入力受付の方法がある。
【0067】
ステップ011で、ハンディターミナル100のCPU201は、顧客からの預かり金額(D)の入力を受け付けると、ステップS012で、「預かり金額D−ステップS010で選択された支払い金額>0」になるか否かを判定する。つまり、ここではおつりが発生するか否かの判定を行っている。
【0068】
判定の結果、おつりが発生する場合には、ステップS013へ進み、おつりが発生しない場合にはステップS014へ進み、支払いを確定させる。
【0069】
ステップS013で、ハンディターミナル100のCPU201は、先ほど算出されたおつりの金額は支払えるか否かの判定を行う。おつりを支払える場合には、ステップS014へ進み、支払いを確定させる。おつりを支払えない場合には、ステップS010に戻って、支払いパターンの選択の再受け付けをする。
【0070】
次に、ステップS008の支払いパターン算出処理について、図5を用いて詳細に説明をする。図5は、本発明のハンディターミナル100を用いて、複数種類の通貨での支払いにおける最適な支払い形態を携帯端末で算出する処理方法を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS021で、ハンディターミナル100のCPU201は、先述のステップS007で入力を受け付けた、支払い可能な通貨を(P,Q,R・・・・)として、図4の通貨マスタを参照して、各通貨のレート(P1、Q1、R1)、端数処理位置(P2、Q2、R2)、端数処理方法(P3、Q3、R3)、最低入力単位(P4、Q4、R4)を取得する。
【0072】
ステップS022で、ハンディターミナル100のCPU201は、支払残金を支払可能手段2つ以上で支払うパターンを算出する。例えば、支払残金が15000円の場合に、ドルとユーロで支払うパターンを算出すべく、図9を用いて説明をする。
【0073】
図3の通貨マスタを参照し、(P=ドル、P1=93.20円、P2=小数点第一位、P3=四捨五入、P4=1)および、(Q=ユーロ、Q1=129.60円、Q2=小数点第一位、Q3=切上、Q4=1)の値を取得する(図9−Aを参照)。
【0074】
次に、ドルでの支払い分を最低入力単位から順に計算式に当てはめ、合計購入金額から、ドルで支払う分を減算した残額を、ユーロの1円当たりのレートで割って、ユーロでの支払い額を算出する。
【0075】
具体的には、ドルでの支払い最低値「1」×0=0(ドル)で、〔(合計購入金額15000円−0ドル×93.20円)/(1ユーロ=129.60円)≒115.74〕の計算式から小数第一位を切り上げて、116ユーロで支払う。このパターンでは、〔0ドルと116ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(A)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0076】
(A)〔0×93.20円+116×129.60円=15033.6円〕となり、合計購入金額15,000円との差額は、「+33.6円」となる。
【0077】
次に、ドルでの支払い最低値「1」×1=1(ドル)で、〔(合計購入金額15000円−1ドル×93.20円)/(1ユーロ=129.60円)≒114.66〕の計算式から小数第一位を切り上げて、115ユーロで支払う。このパターンでは、〔1ドルと115ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(B)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0078】
(B)〔1×93.20円+115×129.60円=14997.2円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「−2.8円」となる。
【0079】
上記の計算式を用いてドルで支払う金額をカウントアップしていき、15000円/P1(端数処理する位)まで計算を行う。
【0080】
つまり、(A)で0ドル、(B)で1ドルと計算していくので、この先も、Cで2ドル、Dで3ドル・・という具合に同様の計算をしていく。合計購入金額を米ドルで支払う場合の最高支払額は〔15000÷93.20≒160.94〕の結果から161ドルなので、この場合は米ドルで161ドルを支払うパターンまで計算をする。
【0081】
また、ユーロでの支払い最低値「1」×0=0(ユーロ)で、〔(合計購入金額15000円−0ユーロ×129.6円)/(1ドル=93.2円)≒160.94〕の計算式が成り立つ。小数第一位を切り上げて、161ドルで支払う。このパターンでは、〔0ユーロと161ドル〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(C)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0082】
(a)〔0×129.60円+161×93.20円=15005.2円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「+5.2円」となる。
【0083】
また、ユーロでの支払い最低値「1」×1=1(ユーロ)で、〔(合計購入金額15000円−1ユーロ×129.6円)/(1ドル=93.2円)≒159.55〕の計算式が成り立つ。小数第一位を切り上げて、160ドルで支払う。このパターンでは、〔160ドルと1ユーロ〕の支払パターンが算出される。また、この時の支払いパターン(D)での、合計購入金額との差額を算出する。
【0084】
(b)〔160×93.20円+1×129.60円=15041.6円〕となり、〔合計購入金額15,000円〕との差額は、「+41.6円」となる。
【0085】
上記の計算式を用いてユーロで支払う金額をカウントアップしていき、15000/Q1(端数処理の位)まで計算を行う。
【0086】
つまり、(a)で0ユーロ、(b)で1ユーロと計算していくので、この先も、Cで2ユーロ、Dで3ユーロ・・という具合に同様の計算をしていく。合計購入金額をユーロで支払う場合の最高支払額は〔15000÷129.60≒115.74〕の結果から116ユーロなので、この場合はユーロで116ユーロを支払うパターンまで計算をする。
【0087】
ステップS009で、ハンディターミナル100は、ステップS022で算出した支払いパターンのうち、合計購入金額との差額が最も小さい10パターンを表示する。上記計算例では、以下の差額の結果が得られている。
(A)差額=+33.6円
(B)差額=−2.8円
(a)差額=+5.2円
(b)差額=+41.6円
【0088】
これら差額を知らせる画面をハンディターミナル100のディスプレイに表示させる。図10は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払方法提示画面である。
【0089】
1001は、顧客が購入する商品の合計購入金額である。1002は、先で説明をした支払方法を提示している提示部である。ここに、合計購入金額を基準として差損が少ない支払方法の10パターンが提示される。1002に提示される支払方法のうち最も差損が少ない1パターンは、他のパターンとは別の色で識別しやすく表示するようにしてもよい。
【0090】
1003は、最適な支払いパターンを表示するメッセージ表示部である。1004は、支払いパターンの決定ボタンであり、1002に表示された支払いパターンのうちのいずれか1つの選択を受け付け、決定ボタンの押下を受け付けると、支払いパターンを決定する。
【0091】
また、図11は、ハンディターミナル100のディスプレイ210に表示される支払方法確定画面である。1101は、図10で選択した支払いパターンの支払い方法が表示されている。この内容がユーザにより確認されて、1102の決定ボタンが押下されることにより、支払いパターンが確定される。
【0092】
以上、本発明の目的によれば、複数種類の通貨を用いた購入代金の支払いや、様々な支払い方法時に定められている、通貨ごとの端数誤差をなくし、損得を最小限にする最適な支払い方法を提示する仕組みを提供することが可能となる。。
【0093】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0094】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0095】
また、本発明におけるプログラムは、図の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4および5の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4および5の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0096】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0097】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0099】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0100】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0101】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0102】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【符号の説明】
【0103】
100 ハンディターミナル
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 システムバス
205 入力コントローラ
206 ビデオコントローラ
207 メモリコントローラ
208 通信I/Fコントローラ
209 KB(またはマウス)
210 ディスプレイ
211 外部メモリ(HD、FC)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末であって、
商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、
前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、
前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、
前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第二の算出手段は、
前記第二の受付手段で受け付けた前記支払残金を支払うための通貨の通貨レートと、端数処理位置と、端数処理方法と、最低入力単位とを含む支払通貨情報を前記通貨マスタより取得する取得手段を備え、
前記取得手段で取得した前記支払通貨情報の一つの通貨の最低入力単位の数値から、前記支払残金を前記通貨の1円当たりの通貨レートで割った数値までの数字と、他の種類の通貨の組み合わせを一つずつ算出することにより、前記支払パターンを算出することを特徴とする請求項1に記載の
【請求項3】
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切ると判定された場合には、前記商品の合計購入金額の支払を確定させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記提示手段により提示された複数の支払いパターンのうち、前記合計購入金額との差損が最も少ない支払パターンを、他の支払パターンと区別可能な形式で提示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末の制御方法であって、
前記携帯端末の第一の算出手段が、商品の合計購入金額を算出する第一の算出ステップと、
前記携帯端末の第一の受付手段が、前記第一の算出ステップで算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付ステップと、
前記携帯端末の判定手段が、前記第一の受付ステップで受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定ステップと、
前記携帯端末の第二の受付手段が、前記前記判定ステップで、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付ステップと、
前記携帯端末の第二の算出手段が、前記第二の受付ステップで受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出ステップと、
前記携帯端末の提示手段が、前記第二の算出ステップで算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末をコンピュータで読み取り実行可能なプログラムであって、
前記携帯端末を、
商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、
前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、
前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、
前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段
として機能させるプログラム。
【請求項1】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末であって、
商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、
前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、
前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、
前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段と
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記第二の算出手段は、
前記第二の受付手段で受け付けた前記支払残金を支払うための通貨の通貨レートと、端数処理位置と、端数処理方法と、最低入力単位とを含む支払通貨情報を前記通貨マスタより取得する取得手段を備え、
前記取得手段で取得した前記支払通貨情報の一つの通貨の最低入力単位の数値から、前記支払残金を前記通貨の1円当たりの通貨レートで割った数値までの数字と、他の種類の通貨の組み合わせを一つずつ算出することにより、前記支払パターンを算出することを特徴とする請求項1に記載の
【請求項3】
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切ると判定された場合には、前記商品の合計購入金額の支払を確定させることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記提示手段により提示された複数の支払いパターンのうち、前記合計購入金額との差損が最も少ない支払パターンを、他の支払パターンと区別可能な形式で提示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末の制御方法であって、
前記携帯端末の第一の算出手段が、商品の合計購入金額を算出する第一の算出ステップと、
前記携帯端末の第一の受付手段が、前記第一の算出ステップで算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付ステップと、
前記携帯端末の判定手段が、前記第一の受付ステップで受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定ステップと、
前記携帯端末の第二の受付手段が、前記前記判定ステップで、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付ステップと、
前記携帯端末の第二の算出手段が、前記第二の受付ステップで受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出ステップと、
前記携帯端末の提示手段が、前記第二の算出ステップで算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
商品購入時に利用可能な通貨の種類と支払い方法の情報を含む通貨マスタを記憶した携帯端末をコンピュータで読み取り実行可能なプログラムであって、
前記携帯端末を、
商品の合計購入金額を算出する第一の算出手段と、
前記算出手段で算出した前記合計購入金額のうち、優先的に支払いに使用する通貨と該通貨による支払い金額の入力を受け付ける第一の受付手段と、
前記第一の受付手段で受け付けた前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切るか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で、前記優先的に支払いに使用する通貨による支払金額で、前記合計購入金額を払い切れないと判定された場合に、支払残金を支払うための通貨の種類と支払方法の入力を受け付ける第二の受付手段と、
前記第二の受付手段で受け付けた支払い方法で、前記支払残金を満たすための支払パターンを算出する第二の算出手段と、
前記第二の算出手段で算出した前記支払残金を満たすための支払パターンのうち、前記合計購入金額との差損の少ない複数の支払パターンを提示部に表示する提示手段
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−3475(P2012−3475A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137298(P2010−137298)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】
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