説明

携帯端末、食品管理方法及びプログラム

【課題】食品管理の品質、利便性を向上する。
【解決手段】ユーザ1は、携帯電話2のリーダライタ機能を用いて食品3の食品用RFタグ4の食品情報を読み取り保存する。冷蔵庫5に備えるRFタグ7に対して、携帯電話2のリーダライタ機能により、冷蔵庫5の更新された食品情報を読み込み、同時に携帯電話2で読み取った、追加する食品情報を書き込むようにすることで、携帯電話2で食品管理を行い管理したい食品を確実に管理し、食品管理の品質向上を図ると共に、利便性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末と貯蔵装置間で食品情報を通信し管理する機能を備えた携帯端末、食品管理方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RFタグ(RFID)を利用し食品にRFタグを貼付け、冷蔵庫にRFタグリーダを備えて食品管理を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
食品に食品情報を記録したRFタグを貼付し、冷蔵庫が備えるRFタグリーダでRFタグの情報を読み取り、冷蔵庫のデータベースで庫内の食品の在庫管理を行うものである。また外出先の携帯情報端末から冷蔵庫のデータベースにアクセスし、在庫確認を行う。
【0004】
また、非接触ICカード機能を利用した情報管理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1の情報管理システムでは、非接触ICカード機能が付いた携帯端末は、商品を購入し決済すると、非接触ICカードの機能により購入商品の情報を取得し記憶する。そして、記憶した商品情報は、通信機能を有した家電機器または端末機器へ送信され、購入商品の情報は端末装置において家計情報管理に利用される。また、家電機器において、品物管理に利用されるものである。
【0006】
このように商品購入時の決済において購入商品の詳細情報を携帯端末に記憶し、前記情報を家計管理や品物管理に活用するものである。
【0007】
また、スーパーやコンビニエンスストアで食品を購入した時、POSデータを携帯端末に記憶し、前記POSデータから食品を抽出したデータを携帯端末から冷蔵庫に対して無線送信して管理を行う食品管理システムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−319043号公報
【特許文献2】特開2007−241849号公報
【特許文献3】特開2002−107052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、冷蔵庫に備えるRFタグリーダが庫内に収容され、食品に貼付されたRFタグを読み出すが、食品の収容されている状態、RFタグのアンテナの向き、庫内に収容された食品の量、庫内に収容された食品の包装袋や容器が金属で形成されているなどによって読み出しが不可能な場合がある。すなわち冷蔵庫に収容する食品の全てのRFタグが読み出せるとは限らないという問題がある。
【0009】
またICカード機能付き携帯端末の決済時に食品情報を読み出す場合、携帯端末で購入した食品しか携帯端末に情報を取得できないという問題もある。
【0010】
加えて、購入した食品のPOSデータを携帯端末に記憶し、携帯電話から無線通信によって冷蔵庫に対して抽出した食品データを無線送信して管理を行うシステムの場合、食品管理を行うのは冷蔵庫であり、冷蔵庫に保存されている食品しか管理できない。また携帯端末を外出して持ち出し、携帯端末で冷蔵庫に保存している食品、購入して家にある食品の情報を自宅の冷蔵庫と通信せずに確認することはできない。また冷蔵庫内の食品を外出
先から確認しようとすると、冷蔵庫に外部ネットワークと通信する手段を設ける必要があり、コスト的な課題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、食品の在庫管理を行うシステムにおいて、冷蔵庫に貯蔵しない食品と、冷蔵庫に保存されている食品の在庫管理を分けて行い、冷蔵庫での食品在庫管理機能における管理品質を向上し、冷蔵庫に外部ネットワークとの通信手段を設けず安価に提供でき、またユーザに対しても利便性の高い在庫管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記従来の課題を解決するために、本発明の携帯端末は、貯蔵装置との間で無線通信を行う通信手段と、食品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された食品情報を記憶または更新する制御手段と、を備えた携帯端末を備え、前記通信手段が前記貯蔵装置から送信される食品情報を受信したとき、前記制御手段は前記貯蔵装置から受信した食品情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている食品情報に対して更新して更新食品情報を作成し、前記携帯端末の通信手段は前記更新食品情報を前記貯蔵装置に送信するようにしている。
【0013】
このようにすることで、ユーザが食品を消費し、また追加することで、貯蔵装置で管理する食品情報は更新され、携帯端末の通信手段によって貯蔵装置の更新された食品情報を受信し、前記食品情報に基づき制御手段によって更新食品情報が作成され記憶手段の内容が更新される。そして携帯端末の制御手段で更新された更新食品情報を通信手段によって貯蔵装置に送信し、携帯端末と貯蔵装置に記憶されている食品情報が同期する(同じになる)ようになり、食品管理の信頼性を向上し利便性が高まる。
【0014】
そして、携帯端末で食品管理を行うので、携帯端末を外に持ち出せば、自宅の貯蔵装置と通信することなく、貯蔵装置の食品の管理情報を見ることができるので利便性が高まる。また、食品在庫を確認する為に通信を行う必要もないので、貯蔵装置に外部ネットワークとの通信手段を備えなくてもよくなり、貯蔵装置を安価に構築できるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の携帯端末、食品管理方法及びプログラムを用いることにより、食品を管理する貯蔵装置をより安価に提供し、食品管理の品質と、ユーザに対しての利便性を向上する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
第1の発明は、貯蔵装置との間で無線通信を行う通信手段と、食品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された食品情報を記憶または更新する制御手段と、を備えた携帯端末であって、前記通信手段が前記貯蔵装置から送信される食品情報を受信したとき、前記制御手段は前記貯蔵装置から受信した食品情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている食品情報に対して更新して更新食品情報を作成し、前記通信手段は前記更新食品情報を前記貯蔵装置に送信する携帯端末を構成したものである。
【0017】
そして、ユーザが食品を消費し、また追加することで、貯蔵装置で管理する食品情報は更新されるが、携帯端末の通信手段によって貯蔵装置の更新された食品情報を取得して、携帯端末に保持、管理する食品情報に対して管理情報を更新させるので、実際、貯蔵装置にある食品情報と同期できる(同じ情報に更新する)ので食品管理の品質が向上すると共に、利便性が向上する。
【0018】
また、携帯端末で食品管理を行うので、携帯端末を外に持ち出せば、自宅の貯蔵装置と
通信することなく、貯蔵装置の食品の管理情報を見ることができるので利便性が高まる。また、食品在庫を確認する為に通信を行う必要もないので、貯蔵装置に外部ネットワークとの通信手段を備えなくてもよくなり、貯蔵装置を安価に構築できるようになる。
【0019】
第2の発明は、特に第1の発明において表示手段を備え、表示手段に管理している食品情報を表示するものである。
【0020】
そして、携帯端末の記憶手段で記憶する食品情報を、携帯端末の表示手段で確認できるので、携帯端末が持って行けるところであればどこでも食品情報を確認できるようになるので、より利便性が向上する。
【0021】
第3の発明は、貯蔵装置は食品用RFタグから食品情報を収集するリーダライタ手段と、食品情報を記憶する第2の記憶手段を備え、前記貯蔵装置は食品用RFタグから食品情報を収集して庫内食品情報を作成して第2の記憶手段に記憶し、前記通信手段で前記貯蔵装置と無線通信を行い、前記庫内食品情報を受信する請求項1または2に記載の携帯端末を構成したものである。
【0022】
そして、貯蔵装置にリーダライタ手段で、貯蔵装置内の食品情報を収集し、食品情報を適時更新することができる。前記更新した食品情報を、前記携帯端末の通信手段によって取得することで、携帯端末で管理する食品情報を貯蔵装置で管理する食品情報と同期する(同じにする)ことができるようになり、食品の消費や、食品の追加の変化に対応できるので、食品情報の管理品質と利便性が向上する。
【0023】
第4の発明は、携帯端末に備わる第1の送受信手段と、貯蔵装置に備わる第2の送受信手段との間で無線通信することで行われる食品管理方法であって、前記第1の送受信手段から前記第2の送受信手段に要求信号を送信するステップと、前記要求信号に対応して前記貯蔵装置に記憶されている食品情報を受信するステップと、前記貯蔵装置から受信された食品情報のうち削除または更新を実行するステップと、前記更新を行った食品情報に基づいて前記携帯端末が記憶している食品情報に対して更新し更新食品情報を作成するステップと、前記携帯端末から前記貯蔵装置に前記更新食品情報を送信するステップとからなる食品管理方法である。
【0024】
そして、ユーザが食品を消費し、また追加することで、貯蔵装置で管理する食品情報は更新されるが、携帯端末の通信手段によって貯蔵装置の更新された食品情報を取得して、携帯端末に保持、管理する食品情報に対して管理情報を更新させるので、実際、貯蔵装置にある食品情報と同期できる(同じ情報に更新する)ので食品管理の品質が向上すると共に、利便性が向上する。
【0025】
また、携帯端末で食品管理を行うので、携帯端末を外に持ち出せば、自宅の貯蔵装置と通信することなく、貯蔵装置の食品の管理情報を見ることができるので利便性が高まる。また、食品在庫を確認する為に通信を行う必要もないので、貯蔵装置に外部ネットワークとの通信手段を備えなくてもよくなり、貯蔵装置を安価に構築できるようになる。
【0026】
第5の発明は、前記携帯端末に備わる表示手段で食品情報を表示するステップを備えた請求項4に記載の食品管理方法である。
【0027】
そして、携帯端末の記憶手段で記憶する食品情報を、携帯端末の表示手段で確認できるので、携帯端末が持って行けるところであればどこでも食品情報を確認できるようになるので、より利便性が向上する。
【0028】
第6の発明は、前記貯蔵装置のリーダライタ手段によって食品用RFタグから食品情報を収集するステップと、収集した食品情報から更新食品情報を作成し貯蔵装置の記憶手段に記憶するステップと、貯蔵装置と携帯端末の間で無線通信を行い、貯蔵装置の庫内食品情報を携帯端末に受信するステップを備える請求項4または5に記載の食品管理方法である。
【0029】
そして、貯蔵装置にリーダライタ手段で、貯蔵装置内の食品情報を収集し、食品情報を適時更新することができる。前記更新した食品情報を、前記携帯端末の通信手段によって取得することで、携帯端末で管理する食品情報を貯蔵装置で管理する食品情報と同期する(同じにする)ことができるようになり、食品の消費や、食品の追加の変化に対応できるので、食品情報の管理品質と利便性が向上する。
【0030】
第7の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の携帯端末の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0031】
そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、等のハードリソースを協働させて本発明の少なくとも一部を簡単なハードウェアで実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0033】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における貯蔵装置(冷蔵庫)を説明する図である。図2は食品に貼付した食品用RFタグと携帯端末(携帯電話)を示すブロック構成図である。図3は携帯端末(携帯電話)と貯蔵装置(冷蔵庫)を示すブロック構成図である。
【0034】
図1〜図3を用いて本実施の形態1の構成を説明する。図1において、ユーザ1は携帯電話2を持ち、食品3に貼付した食品用RFタグ4に携帯電話2を近接させて食品情報を読み取る。また冷蔵庫5には、表示装置6、RFタグ7を備える。RFタグ7は冷蔵庫5において食品情報を取得する為のインターフェイスとして備え、携帯電話2から食品情報を受信する。また受信した食品情報は、表示手段6で表示し貯蔵している食品に対し、食品名や、保存日時、消費期限などの情報を一覧で表示す。また冷蔵庫5はユーザ1の家8の中に設置され、日常的に利用されている。
【0035】
図2において、食品に貼付する食品用RFタグ4は、情報記憶手段10、無線通信手段11、アンテナ12で構成される。情報記憶手段10には、貼付された食品の食品情報が記憶されている。具体的には、食品の名称、産地、製造年月日、賞味期限、消費期限、また加工食品の場合は、原料である食品の名称、産地などである。またアレルギーを引き起こす食品が含まれる場合、その情報も書き込まれる。食品を摂取した時の摂取カロリーなども書き込まれる。
【0036】
食品に貼付した食品用RFタグ4は、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14のアンテナ13から交流磁界が放射されることで、アンテナ12に誘導電流を流す(詳細は後述する)。アンテナ12はループアンテナで形成されている。本実施の形態では、13.56MHz(HF帯)の周波数を使用している。この周波数は、交通系のICカードや電子マネーに利用されている。
【0037】
また、図2において携帯電話2は、アンテナ13、第1のリーダライタ手段14、制御
手段15、第1の記憶手段16、操作手段17、表示手段18で構成される。食品のRFタグ情報を読み出す時、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14は、アンテナ13から交流磁界を放射する。アンテナ13は磁界エネルギーを供給しやすいループアンテナで構成される。
【0038】
アンテナ13より放射した交流磁界によって食品用RFタグ4のアンテナ12を磁束が貫き誘導電流が流れ、磁界で供給されるエネルギーによって起動する。そして携帯電話2の制御手段15は、食品用RFタグ4の食品情報を読み出す為の制御コマンド(制御電文)を送信し、食品用RFタグ4から無線で応答された食品情報を受信して、第1の記憶手段16に記録する。第1の記憶手段16には、読み込んだ複数の食品情報が記録され、携帯電話2の操作手段17を操作して、記録した情報を表示手段18で閲覧できる。この機能により、購入した食品情報を携帯電話2でいつでも閲覧可能としている。
【0039】
図3において、冷蔵庫5はアンテナ19、通信手段20、第2の制御手段21、第2の記憶手段22、表示手段23、第2のリーダライタ手段24、アンテナ25で構成されている。冷蔵庫5には、携帯電話2と通信する機能以外の冷蔵庫としての機能も備えるが、本実施の形態では図示しない。
【0040】
冷蔵庫5には、13.56MHz帯を使用したNFC(Near Field Communication、以下NFCと呼ぶ)と呼ばれる通信規格を利用したICチップを搭載している。NFC対応のICチップは、情報を記録したRFタグの機能、タグ情報を読み出すリーダライタ機能、またNFC対応IC同士で通信するピアトゥピア機能を備える。
【0041】
NFC対応ICチップは、冷蔵庫5の通信手段20、第2のリーダライタ手段24を構成している。また、通信手段20、第2のリーダライタ手段24は冷蔵庫5の第2の制御手段21に接続され、第2の制御手段21によって13.56MHzの交流磁界を利用した無線通信を制御する。通信手段20はRFタグ機能を提供し、リーダライタ機能を備える携帯電話2によって放射される交流磁界で通信する。
【0042】
冷蔵庫5の通信手段20は、携帯電話2から食品情報を受け取るインターフェイスとして形成され、冷蔵庫5のドア外側に設けたアンテナ19を介して通信手段20で受信し、第2の制御手段21で食品情報を判断して、冷蔵庫の第2の記憶手段22に食品情報を記録する。
【0043】
アンテナ19はループアンテナで構成され、携帯電話2のアンテナ13から放射する交流磁界によって誘導電流を流し、通信を行う。第2の記憶手段22は、携帯電話2に備える第1の記憶手段16と同様に食品情報を管理し、そして冷蔵庫5に保存される食品情報を、表示手段23に表示し、ユーザ1に確認させる。冷蔵庫5の第2の記憶手段22は、冷蔵庫5で管理する食品情報を記録し、携帯電話2の第1の記憶手段16はユーザ1が管理したい食品情報(冷蔵庫で管理しない食品なども含む)が記録されている。携帯電話2及び冷蔵庫5は、双方で食品を管理しており、食品管理情報を確認する場所、その目的に応じて利用され、食品管理機能を相互に補完する。
【0044】
また定期的なタイミングや、食品を冷蔵庫5に入れたタイミングなどに、冷蔵庫5の第2のリーダライタ手段24によって冷蔵庫5内に設けたアンテナ25から交流磁界が放射され、冷蔵庫5内に保管される食品の食品用RFタグ4の食品情報が読み出され、第2の記憶手段22に記録している情報を更新する。これによって、食品が使用され消費された場合や、携帯電話2を使用して食品情報を冷蔵庫5に対して転送し忘れた場合においても、正確な食品情報を管理する。
【0045】
次に、携帯電話2で食品情報を取得し冷蔵庫で食品情報管理を行う動作、作用について図4、図5を用いて説明する。図4は、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14によって食品の食品用RFタグ4の情報を取得し、冷蔵庫5へ食品情報を転送する動作を示すフローチャートである。また図5は、図4で示す動作の携帯電話と冷蔵庫間の通信を示すシーケンスチャートである。
【0046】
ユーザ1は、スーパーなどで食品用RFタグ4が貼付した食品3を購入して家8に帰宅すると、携帯電話2のリーダライタ機能を使用して、個々の食品に対して一つずつ、10cm程度以下に近接させて、食品3の食品情報を食品用RFタグ4から読み出す(S101)。
【0047】
冷蔵庫5に保存する食品の情報をすべて取得し、携帯電話2の第1の記憶手段16に取得した食品情報が記録される(S102、S103、S201)。
【0048】
携帯電話2に保存された食品情報は、携帯電話2によって取得した新たに追加する食品情報が追加されている。この時、新たに取得した食品情報には、未同期フラグを付与して、記録されている。未同期フラグは、冷蔵庫5にまだ当該食品情報を送信していないことを示すフラグである。この時、携帯電話で保存している食品情報を、追加食品情報と呼ぶことにする(以下、追加食品情報)。
【0049】
ユーザ1は、食品情報を携帯電話2で読み取ると、前記追加食品情報を冷蔵庫5に転送する為、携帯電話2を冷蔵庫5のRFタグ7(通信手段20、アンテナ19)に近接させ、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14から送出される交流磁界のエネルギーにより、磁界結合し、携帯電話2と冷蔵庫5の間でとの間で情報通信を行う。そして、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14から、冷蔵庫5で保持する食品情報を読み出す為の制御信号(要求信号)であるREADコマンドを送信する(S104、202)。
【0050】
なお、READコマンドや後述するWRITEコマンドは、携帯端末2の第1のリーダライタ手段14から冷蔵庫5の通信手段20に対して送信する要求信号である。READコマンドは、冷蔵庫5の庫内食品情報を読み出し、携帯電話2に取得する要求信号であり、WRITEコマンドは、携帯電話2の更新食品情報を冷蔵庫5へ送信し、書き込みを行う要求信号である。
【0051】
READコマンドを受信した冷蔵庫5の通信手段20は、第2の制御手段21でコマンドを判断し、READコマンドであると判断すると、第2の記憶手段22に記憶されている食品情報(この食品情報を庫内食品情報と呼ぶ、以下庫内食品情報)を読み出す。そして応答信号に前記庫内食品情報を乗せて電文を生成し、通信手段20で負荷変調した無線信号を、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14で受信させる(S105、S203)。
【0052】
そして受信した応答信号は第1のリーダライタ手段14で復調され、制御手段15によって前記庫内食品情報を取り出す。この時取得する庫内食品情報は、冷蔵庫5で管理、更新された最新の庫内食品情報に基づき生成されている。
【0053】
通信される庫内食品情報は、前回、携帯電話2と冷蔵庫5で無線通信を行った時から、追加された食品情報や、削除された食品情報が通信され、管理する食品情報の全てを送受信することに比べて通信量を削減している。
【0054】
庫内食品情報には、前述したように追加、または削除したことなどの変化が分かるよう
に、追加フラグ、または削除フラグが各食品情報に付与されており、前記庫内食品情報を取得した携帯電話2の制御手段15によって、食品に付した食品IDと追加フラグ、または削除フラグを判断し、第1の記憶手段16に記憶する携帯電話2で管理する最新の食品情報に対して、情報の更新または削除を行い、管理する食品情報を更新する。この時、追加食品情報も前記食品情報に追加される。そして、冷蔵庫5に送信すべき最新の食品情報である更新食品情報(追加食品情報+庫内食品情報を追加、削除した食品情報)を生成、第1の記憶手段16に記憶する(S106、S204)。
【0055】
そして、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14は、アンテナ13から交流磁界を送出して冷蔵庫5のRFタグ7と磁界結合し再度、情報通信を行う。携帯電話2の第1のリーダライタ手段14から、冷蔵庫5の第2の記憶手段22に保持する食品情報を更新する為、制御信号(要求信号)であるWRITEコマンドを送信する。WRITEコマンドには、更新食品情報を乗せて送信される(S205)。
【0056】
WRITEコマンドを受信した通信手段20は、第2の制御手段21によって受信電文から更新食品情報を取り出し、第2の記憶手段22に記憶されている食品情報を更新、記憶する。そして、ユーザ1は、携帯電話2を使って食品情報を取得した食品3を冷蔵庫5に格納して保存する。送信される更新食品情報は、通信情報量を減らす為、未同期フラグを付した食品情報に関して送信される。冷蔵庫5へ送信され、第2の記憶手段22に保存されると、未同期フラグはクリアされる(S107、S206)。
【0057】
そして、冷蔵庫5の通信手段20は、第2の制御手段21で生成した応答信号をアンテナ19から返信する(S207)。
【0058】
前記応答信号は、第1のリーダライタ手段14で受信され復調され、制御手段15で電文を解析し、更新成功の応答であると、冷蔵庫5と携帯電話2との間で、新しい食品情報に更新、同期できたと判断する(S108、S208)。
【0059】
なお、この時、WRITEコマンドで送信する更新食品情報は、追加された食品だけでなく、生成した更新食品情報全部であっても構わない。
【0060】
このように、ユーザ1が食品管理を冷蔵庫5で行う時、携帯電話2の第1のリーダライタ手段14によって食品の食品用RFタグ4から食品情報を読み取り、携帯電話2の第1の記憶手段16に記録、保存しまとめて冷蔵庫5のRFタグ7に送信、書き込むようにすることで、ユーザ1が管理したい食品を、携帯電話2で管理できるようになり、また一品一品、ユーザ1が自分で確実に読み取って冷蔵庫5へ転送するので、冷蔵庫5内の通信状態によって食品情報の読み出しエラーになって発生する食品管理漏れの心配もなく確実に在庫管理できるようにしている。また冷蔵庫5の第2の記憶手段22に管理する食品情報を、無線通信によって冷蔵庫5から取得し、携帯電話2の第1の記憶手段16に管理する食品情報に対し更新するので、互いの食品情報を同期する(同じにする)ことができ、携帯電話2において冷蔵庫5に保存されている正確な食品情報を管理できるようになり利便性が高まる。
【0061】
さらに携帯電話2には、冷蔵庫5で保存しない食品も管理することができるので、食品管理機能を補完すると共に、利便性が向上する。
【0062】
また食品情報は、携帯電話2の第1の記憶手段16と、冷蔵庫5の第2の記憶手段22の両方で管理されており、携帯電話2は外出時にも持ち出せるので、自宅の冷蔵庫5と通信することなく冷蔵庫5の食品情報を確認できるので、通信時間もコストもかからず利便性が高まる。
【0063】
また、冷蔵庫5に外部ネットワークと通信する機能を設ける必要がないので、食品管理する機能を備えた冷蔵庫5をより安価に構築できるようになる。
【0064】
また、携帯電話2の表示手段18に冷蔵庫5で管理する食品情報を表示するので、ユーザ1は冷蔵庫5を開けることなく、またどこに居ても、冷蔵庫5に保存されている食品を確認できるのでより利便性が高まる。
【0065】
また、冷蔵庫5の内部にも第2のリーダライタ手段24を備えることで、冷蔵庫5から食品を取り出して使用した場合や、追加した場合など、最新の冷蔵庫5の食品情報を、冷蔵庫5と携帯電話2の簡易な無線通信によって更新できるので、冷蔵庫5内の食品管理情報がより正確になり、より利便性が高まる。
【0066】
なお、実施の形態では、周波数帯13.56MHzの電磁結合方式で通信を行うRFタグを貼付した食品管理する冷蔵庫を説明したが、前記周波数帯、方式に限定されるものではなく、他の周波数帯135kHz、400MHz帯、UHF帯、2.4GHz帯などのいずれの周波数帯でもよく、また通信方式も電磁誘導式でなく電波方式であっても同様な冷蔵庫を構成できると共に同様の効果がある。電波方式の場合、RFタグのアンテナはダイポールアンテナなどを利用するとよい。
【0067】
また13.56MHzのNFC規格のICチップを搭載した冷蔵庫として説明したが、RFタグとリーダライタ装置を別々に備えた冷蔵庫であってもよく、NFC対応のICチップを搭載しなくてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、食品3に食品用RFタグ4が貼付してあると説明したが、食品用RFタグ4を食品3に貼付するのはユーザ1でもよく、食品情報をパソコンや携帯電話などから食品用RFタグ4に書き込み、自ら食品3に貼り付けて管理してもよい。
【0069】
また、携帯電話2食品情報を管理する第1の記憶手段16を備えているが、携帯電話2の第1の記憶手段16は、冷蔵庫5管理されている食品情報以外の食品情報(冷蔵庫5で管理しない食品の情報)も含めて管理するようにしてもよい。また携帯電話2に備える第1の記憶手段16は、複数であっても構わない。また冷蔵庫5と携帯電話2の管理する食品情報の同期機能は、冷蔵庫5で管理する食品情報を同期するものである。携帯電話2でのみ管理する食品情報において、消費してなくなった場合は携帯電話2を操作し当該食品情報を削除する。
【0070】
また、携帯電話2から冷蔵庫5のRFタグ7に対して食品情報を書き込むときに、双方の記憶手段の食品情報を同期すると説明したが、同期するタイミングは任意のタイミングでも実現可能である。携帯電話2を操作し、同期モードに設定し、冷蔵庫5のRFタグ7に近づけて通信すれば、管理情報を同期する。
【0071】
また冷蔵庫5と携帯電話2の間の通信する食品情報は、更新された差分情報を用いて説明したが、記憶手段に保持する食品情報を全て通信するようにしてもよい。
【0072】
また、貯蔵装置として冷蔵庫5を用いて説明したが、冷蔵庫でなくてもよく、キッチンのキャビネットや、食品を管理棚であってもよい。
【0073】
また携帯端末は携帯電話2を用いて説明したが、携帯できる通信端末であればよく、PDA、ゲーム機のコントローラ、専用通信端末などであってもよい。
【0074】
また、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明にかかる携帯端末、食品管理方法及びプログラムは、食品の管理を行う家庭用、業務用の貯蔵品の管理システムに利用できる。また食品以外の物品を管理する物品管理システムにも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1における食品管理機能を提供する携帯電話、冷蔵庫を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1における食品用RFタグと携帯電話を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における携帯電話と冷蔵庫を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における冷蔵庫と携帯電話の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における冷蔵庫と携帯電話の通信シーケンス図
【符号の説明】
【0077】
2 携帯電話(携帯端末)
3 食品
4 食品用RFタグ
5 冷蔵庫(貯蔵装置)
14 第1のリーダライタ手段(通信手段、第1の送受信手段)
15 制御手段
16 第1の記憶手段(記憶手段)
18 表示手段
20 通信手段(第2の送受信手段)
22 第2の記憶手段
24 第2のリーダライタ手段(リーダライタ手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵装置との間で無線通信を行う通信手段と、食品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された食品情報を記憶または更新する制御手段とを備えた携帯端末であって、前記通信手段が前記貯蔵装置から送信される食品情報を受信したとき、前記制御手段は前記貯蔵装置から受信した食品情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている食品情報に対して更新して更新食品情報を作成し、
前記通信手段は前記更新食品情報を前記貯蔵装置に送信する携帯端末。
【請求項2】
表示手段を備え、管理している食品情報を前記表示手段に表示する請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
貯蔵装置は食品用RFタグから食品情報を収集するリーダライタ手段と、食品情報を記憶する第2の記憶手段を備え、
前記貯蔵装置は食品用RFタグから食品情報を収集して庫内食品情報を作成して第2の記憶手段に記憶し、前記通信手段で前記貯蔵装置と無線通信を行い、前記庫内食品情報を受信する請求項1または2に記載の携帯端末。
【請求項4】
携帯端末に備わる第1の送受信手段と、貯蔵装置に備わる第2の送受信手段との間で無線通信することで行われる食品管理方法であって、
前記第1の送受信手段から前記第2の送受信手段に要求信号を送信するステップと、
前記要求信号に対応して前記貯蔵装置に記憶されている食品情報を受信するステップと、前記貯蔵装置から受信された食品情報のうち削除または更新を実行するステップと、
前記更新を行った食品情報に基づいて前記携帯端末が記憶している食品情報に対して更新し更新食品情報を作成するステップと、
前記携帯端末から前記貯蔵装置に前記更新食品情報を送信するステップと、
からなる食品管理方法。
【請求項5】
携帯端末に備わる表示手段で食品情報を表示するステップを備えた請求項4に記載の食品管理方法。
【請求項6】
貯蔵装置のリーダライタ手段によって食品用RFタグから食品情報を収集するステップと、
収集した食品情報から更新食品情報を作成し貯蔵装置の記憶手段に記憶するステップと、貯蔵装置と携帯端末の間で無線通信を行い、貯蔵装置の庫内食品情報を携帯端末に受信するステップを備える請求項4または5に記載の食品管理方法。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2009−258947(P2009−258947A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106493(P2008−106493)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】