説明

携帯端末および情報処理システム

【課題】使用中の視力補正器が適しているか否かをユーザに容易に把握させることのできる携帯端末、情報処理システムを提供すること。
【解決手段】携帯端末100は、画像を撮影するためのカメラ1と、ユーザの視力補正器が対応可能な視力範囲データを含む、(第1の)視力補正器データを記憶するための記憶部4と、カメラ1によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析することで、ユーザの視力を推定するための画像解析部2と、推定された視力と視力範囲データとを比較することで、推定された視力が視力範囲データが示す適正範囲内か否かを判断するための比較部5と、比較部5による処理の結果を表示するための表示部7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末および情報処理システムに関し、特に、撮像部(カメラ)を備えた携帯端末および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンタクトレンズ・眼鏡等の視力補正器については、購入時に病院、または販売店にて視力を測定して、使用者にあった視力の視力補正器を購入する形態である。
【0003】
しかし、時間が経つにつれ、使用者の視力は購入時の視力から変化することが予想される。その場合、使用者が使用している視力補正器に対して違和感を感じた場合は、次のような手順をとるのが一般的である。すなわち、使用者は、自ら販売店あるいは病院に行って視力の再測定を行い、購入時の視力と異なっていれば、再度自分の視力にあった視力補正器を購入するという手順である。
【0004】
特許文献1には、販売店または病院に赴くことなく、コンタクトレンズのサポートとしてカメラにより画像を取得して、コンタクトレンズの傷、汚れ等の不具合状態を把握してサポートを行うシステムが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2003/087755号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、視力補正器を購入後に使用者の視力が変化することが予想されるが、使用している視力補正器が使用者に合っているかどうかについては、使用者の感覚に頼らなければならないのが現状である。
【0007】
上記特許文献1のシステムでは、あくまでコンタクトレンズ自体の保守を対象にしており、使用者の視力の変化については何ら考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用中の視力補正器が適しているか否かをユーザに容易に把握させることのできる携帯端末、情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う携帯端末は、画像を撮影するための撮像手段と、ユーザの視力補正器が対応可能な視力範囲データを含む、第1の視力補正器データを記憶するための記憶手段と、撮像手段によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析することで、ユーザの視力を推定するための画像解析手段と、推定された視力と視力範囲データとを比較することで、推定された視力が視力範囲データが示す適正範囲内か否かを判断するための比較手段と、比較手段による処理の結果を表示するための表示手段とを備える。
【0010】
好ましくは、複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを保持したサーバとネットワークを介して接続可能な通信手段と、推定された視力が適正範囲でなかった場合には、サーバより、推定された視力に適した視力補正器に関する特定データを取得するための取得手段とをさらに備え、表示手段は、さらに、取得された特定データに基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報を表示する。
【0011】
好ましくは、通信手段は、推定された視力のデータを送信する。
好ましくは、第1の視力補正器データは、ユーザの視力補正器のメーカー名を示すデータをさらに含み、通信手段は、さらに、メーカー名を示すデータを送信する。
【0012】
好ましくは、複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを入力するための入力手段と、推定された視力が適正範囲でなかった場合には、推定された視力と、入力手段より入力された第2の視力補正器データとに基づいて、推定された視力に適した視力補正器を検索するための検索手段とをさらに備え、表示手段は、検索手段による検索結果に基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報をさらに表示する。
【0013】
好ましくは、記憶手段は、処理の結果の通知態様として、ユーザに視力に適した視力補正器の情報を表示するか否かを示す通知態様データをさらに含む。
【0014】
この発明の他の局面に従う情報処理システムは、携帯端末と、ネットワークを介して携帯端末と接続可能なサーバとを備えた情報処理システムであって、携帯端末は、画像を撮影するための撮像手段と、ユーザの視力補正器が対応可能な視力範囲データを含む、第1の視力補正器データを記憶するための第1の記憶手段と、撮像手段によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析することで、ユーザの視力を推定するための画像解析手段と、推定された視力と視力範囲データとを比較することで、推定された視力が視力範囲データが示す適正範囲内か否かを判断するための比較手段と、推定された視力が適正範囲でなかった場合には、推定された視力のデータを、ネットワークを介してサーバに送信し、かつ、推定された視力に適した視力補正器に関する特定データを受信するための第1の通信手段と、特定データに基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報を表示するための表示手段とを含む。サーバは、複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを記憶するための第2の記憶手段と、携帯端末より受信した推定された視力のデータと、第2の視力補正器データとに基づいて、推定された視力に適した視力補正器を検索するための検索手段と、検索手段により検索された視力補正器のデータを、特定データとして送信するための第2の通信手段とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ユーザは、使用中の視力補正器が自分の現状の視力に適しているか否かを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態において、携帯端末により実行される使用レンズデータの登録処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における携帯端末の記憶部の内容例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における記憶部に含まれる使用レンズデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において、携帯端末により実行される適正判定処理を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS25で表示される画面例を示す図である。
【図10】図8のステップS28で表示される画面例を示す図である。
【図11】図8のステップS212で表示される画面例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態におけるサーバに保有されるコンタクトレンズ管理情報(視力補正器情報)のデータ構造の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態において、サーバにより実行される最適レンズ検索処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0018】
<構成について>
はじめに、図1を参照して、本実施の形態における情報処理システムの概要を説明する。
【0019】
情報処理システムは、複数の携帯端末100A,100B,100C,…(以下、これらを総称して「携帯端末100」という)と、サーバ200とを備える。各携帯端末100とサーバ200とはネットワーク300を介して接続可能である。ネットワーク300は、携帯電話網やインターネットを含んでよい。
【0020】
図2を参照して、携帯端末100の機能構成について説明する。
携帯端末100は、カメラ1、画像解析部2、操作部3、記憶部4、比較部5、制御部6、表示部7、無線部8を備えている。
【0021】
カメラ1は、使用者の操作により画像を撮影することが可能である。
画像解析部2は、カメラ1によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析し、出力結果として視力を出力することが可能である。
【0022】
操作部3は、使用者からの指示を受付ける。操作部3はたとえば複数のキーを含む。ユーザがキーを押下することにより、ユーザが使用中の視力補正器のデータを記憶部4に格納させることが可能である。「視力補正器」とは、ユーザの視力を補正するための装着品であって、コンタクトレンズおよび眼鏡を含む。本実施の形態において、視力補正器はコンタクトレンズであることとして説明する。
【0023】
記憶部4は、ユーザにより入力されたのデータ(以下「使用レンズデータ」という)を記憶する。使用レンズデータは、少なくとも、使用中のコンタクトレンズが対応可能な視力範囲データを含む。
【0024】
また、記憶部4は、画像解析部2によって測定された視力のデータをさらに記憶することも可能である。また、後述する比較部5での処理結果の表示形態に関するデータ(以下「通知態様データ」という)をさらに記憶してよい。この表示形態に関するデータは、ユーザにより入力されてよい。
【0025】
比較部5は、画像解析部2によって出力された視力データと、記憶部4に格納されている使用レンズデータとを比較して、使用しているコンタクトレンズが最適なものであるかを判断する。
【0026】
制御部6は、比較部5の出力結果を受けて、表示部7に結果を表示させる。また、無線部8とデータの送受信することが可能である。
【0027】
表示部7は、制御部6からの要求にしたがって、各種情報を表示する。
無線部8は、アンテナ9と接続される。無線部8は、制御部6からの要求にしたがって、サーバ200に対してデータの送受信を行うことが可能である。
【0028】
図3を参照して、携帯端末100のハードウェア構成の一例について説明する。本実施の形態における携帯端末100は、携帯電話機である。なお、携帯電話機に限定されず、カメラを備えた携帯端末であれば、たとえば、PHS等の移動体通信端末、有線による一般電話回線網に接続される電話機(子機)、PDAなどであってもよい。
【0029】
携帯端末100は、上述のカメラ1、操作部3、表示部7、無線部8、および、アンテナ9に加え、CPU(Central Processing Unit)30と、各種データを一時的に記憶するためのRAM(Random Access Memory)41と、予めプログラムおよびデータを格納するためのROM(Read Only Memory)42と、不揮発性メモリ、たとえばフラッシュメモリ43と、マイクロフォン24と、音声信号処理部38と、スピーカ19と、再生回路18と、計時動作を行なうための計時部25と、アクセス部26とを備える。
【0030】
CPU30は、ROM42および/またはフラッシュメモリ43に記憶される制御プログラムや制御データに従って、携帯端末の各部を統括して制御する。具体的には、CPU30は、操作部3を通じたユーザからの要求に応じて各部を制御し、ROM42および/またはフラッシュメモリ43からアプリケーションプログラムを読み込んで選択的に実行することができる。
【0031】
音声信号処理部38は、マイクロフォン24からの音声に対して信号処理を実行する。再生回路18は、スピーカ19へ音声などを出力するための信号再生処理を行なう。
【0032】
アクセス部26は、着脱可能な記録媒体26Aに記録されたデータやプログラムの読出しおよび記録を行なう。
【0033】
なお、図2に示した画像解析部2、比較部5および制御部6は、CPU30により実現される機能であってよい。また、図2に示した記憶部4は、たとえばフラッシュメモリ43内の所定の記憶領域に対応する。
【0034】
図4を参照して、本発明の実施の形態におけるサーバ200のハードウェア構成の一例について説明する。
【0035】
サーバ200は、たとえば一般的なパーソナルコンピュータであり、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)201と、CPU201でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶するメモリ部213と、CPU201で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)211とを含む。また、ハードディスク部211には、各種プログラムが記憶されており、このようなプログラムは、FDDドライブ217またはCD−ROMドライブ215によって、それぞれフレキシブルディスク217aまたはCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)215aなどから読取られる。
【0036】
CPU201は、キーボードやマウスなどからなる入力部209を介してユーザからの指示を受取るとともに、プログラムの実行によって生成される画面出力をディスプレイ部205へ出力する。また、CPU201は、通信インターフェイス部207を介して、携帯端末100との間でデータの送受信を行なう。
【0037】
上述の各部は、内部バス203を介して相互にデータを授受する。
<携帯端末100での処理>
次に、本実施の形態における携帯端末100での処理について説明する。
【0038】
(登録処理)
図5のフローチャートを参照して、使用レンズデータの登録処理について説明する。
【0039】
図5のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてROM42等の記録媒体に格納されており、CPU30がこのプログラムを読み出して実行することにより、登録処理の機能が実現される。
【0040】
使用者は、操作部3を操作して、現在使用者が使用しているコンタクトレンズを特定するための情報を入力する(ステップS11)。入力する情報は、メーカー、型番、視力範囲を含む。視力範囲は、使用しているコンタクトレンズの適応視力の範囲を示す。なお、使用しているコンタクトレンズの適応視力が特定できれば、コンタクトレンズの視力範囲に限らず、現在の使用者の視力が入力されてもよい。
【0041】
操作部3によって入力された情報は、記憶部4に格納される(ステップS12)。
ここで、本実施の形態における記憶部4のデータ構造の一例について説明する。
【0042】
図6を参照して、記憶部4には、使用レンズデータI11と、通知態様データI12と、視力データI13とが記憶される。使用レンズデータI11は、図5の登録処理によって記憶されるデータである。使用レンズデータI11のデータ構造例を図7に示す。
【0043】
図7を参照して、使用レンズデータI11は、メーカー名を示すデータと、型番を示すデータと、使用中のコンタクトレンズがカバーする(対応可能な)視力の範囲(適正視力範囲)を示すデータとを含む。なお、使用レンズデータI11は、少なくとも適正視力範囲を示すデータを含んでいればよい。また、記憶部4には、コンタクトレンズ(あるいは眼鏡)についてのデータが記録されてもよい。視力補正器が眼鏡の場合も、使用レンズデータI11と同様のデータが含まれてよい。
【0044】
通知態様データI12は、コンタクトレンズが適正でなかった場合に、どのような表示をするかを識別するためのデータである。つまり、通知態様データI12は、ユーザの現在の視力に適したコンタクトレンズの情報を表示するか否かを示す。したがって、本実施の形態では、通知態様データI12は、ネットワーク300を介してサーバ200にアクセスして現在の視力に適した別のコンタクトレンズの情報を通知するか否かを示すことになる。より具体的には、適正でない旨の通知のみを行なう態様か、あるいは、現在の視力に適した別のコンタクトレンズの情報を通知する態様かを識別するためのデータである。たとえば、前者の通知態様の場合「0」が設定され、後者の通知態様の場合「1」が設定される。このような通知態様の選択は、ユーザにより行なわれてよい。
【0045】
視力データI13は、画像解析部2によって測定された視力のデータである。
(適正判定処理)
図8のフローチャートを参照して、本実施の形態における適正判定処理(使用中のコンタクトレンズが現在のユーザの視力に適しているかどうかを判定する処理)について説明する。
【0046】
図8のフローチャートに示す処理もまた、予めプログラムとしてROM42等の記録媒体に格納されており、CPU30がこのプログラムを読み出して実行することにより、適正判定処理の機能が実現される。
【0047】
はじめに、使用者は操作部3を操作して、カメラ1を起動させる。そして、起動されたカメラ1を使用して、使用者の目の画像について撮影を行う(ステップS21)。撮影された目の画像は、画像解析部2に入力される。
【0048】
画像解析部2では、撮影された目の画像の解析を行い、ユーザの視力を測定(推定)する(ステップS22)。画像解析の方法としては、例えばPurkinje-Sanson像(PS像)の2点間距離変化率による解析方法等を用いることができる。画像解析部2で解析された視力データについては比較部5に入力される。
【0049】
また、記憶部4にあらかじめ保存されているコンタクトレンズの適正視力の情報、すなわち、使用レンズデータI11の適正視力範囲データを読出し、比較部5に入力する。
【0050】
比較部5は、画像解析部2から入力された視力データと、記憶部4から入力された使用中のコンタクトレンズの適正視力範囲データとを比較する(ステップS23)。具体的には、画像解析部2で解析された視力(現時点での視力)が、使用中のコンタクトレンズの適正視力範囲に含まれているかどうかを判断する。これにより、コンタクトレンズ購入時からユーザの視力が変化したかどうかが判断される。
【0051】
現時点での視力が使用中のコンタクトレンズの適正視力範囲に含まれていると判断された場合、使用中のコンタクトレンズが適正であったと判断される。一方、現時点での視力が使用中のコンタクトレンズの適正視力範囲に含まれていないと判断された場合、使用中のコンタクトレンズが適正でないと判断される。このような判断結果は、制御部6に入力される。
【0052】
比較部5による処理の結果、使用中のコンタクトレンズが適正であったと判断された場合(ステップS24にて「問題なし」)、制御部6は、記憶部4に保存されている使用レンズデータI11で特定されるコンタクトレンズは、画像解析部2で解析された、現在の視力に適正である(最適な状態である)旨を、表示部7に通知する(ステップS25)。これにより、表示部7は、図9に示すような画面を表示する。
【0053】
図9を参照して、表示部7には、たとえば、「使用中のコンタクトレンズは適正です。」というメッセージが表示される。これにより、ユーザは、現在のコンタクトレンズが適していることを把握することができる。なお、表示部7には、ステップS22で判定された視力がさらに表示されてもよい。
【0054】
比較部5にて、使用中のコンタクトレンズが適正なものでなかった場合(ステップS24にて「問題あり」)、制御部6は、記憶部4に格納されている通知態様データI12を読み出す(ステップS26)。
【0055】
制御部6は、通知態様データI12に基づいて、ネットワーク接続を行うかどうかの判定処理を行う(ステップS27)。
【0056】
制御部6は、通知態様データI12が「0」であった場合、すなわち、ネットワーク接続を行わないと判定した場合(ステップS27にてNO)、表示部7に対して、現在使用しているコンタクトレンズが適正なものではない(現在の視力にあっていない)旨表示するよう要求する(ステップS28)。これにより、表示部7には、図10に示すような画面が表示される。
【0057】
図10を参照して、表示部7には、たとえば、「使用中のコンタクトレンズはあなたの視力にあっていないため交換が必要です。」というメッセージが表示される。これにより、ユーザは、現在のコンタクトレンズが適していないこと、つまり、現在のコンタクトレンズを購入したときから視力が変化していることを把握することができる。また、この場合も、表示部7には、ステップS22で判定された視力がさらに表示されてもよい。
【0058】
上記ステップS27において、通知態様データI12が「1」であると判断された場合、すなわち、ネットワーク接続を行わないと判定された場合、無線部8に対して、ネットワーク300を介してサーバ200にアクセスをするように要求する(ステップS29)。
【0059】
無線部8は、サーバ200にアクセスした後、制御部6から入力された、画像解析部2によって解析された視力データ(記憶部4の視力データI13)、および、使用中のレンズのデータ(記憶部4の使用レンズデータI11)を、サーバ200に送信する(ステップS210)。なお、使用レンズデータI11のうち、少なくともメーカー名のデータがサーバ200に送信されればよいものとする。
【0060】
その後、無線部8は、サーバ200から、現在のユーザの視力に適したコンタクトレンズを特定するためのデータを取得する(ステップS211)。
【0061】
無線部8は、取得したコンタクトレンズのデータを制御部6に通知し、制御部6は、無線部8から得られた情報を表示部7に通知する(ステップS212)。これにより、表示部7には、図11のような画面が表示される。
【0062】
図11を参照して、表示部7には、たとえば、「あなたの視力にあったコンタクトレンズは下記になります。」というメッセージと、ユーザに適したコンタクトレンズを特定するための情報として、たとえば、メーカー名および型番が表示される。なお、2種以上のコンタクトレンズに関する情報が表示されてもよい。
【0063】
これにより、ユーザは、現在のコンタクトレンズが適していないこと、つまり、現在のコンタクトレンズを購入したときから視力が変化していることを把握することができる。さらに、現在の視力に適したコンタクトレンズの情報が表示されるので、ユーザは、コンタクトレンズの販売店や眼科医に出向かなくても、現在の視力に適したコンタクトレンズの情報を得ることができる。なお、この場合も、表示部7には、ステップS22で判定された視力がさらに表示されてもよい。
【0064】
<サーバでの処理>
図12には、サーバ200のたとえばハードディスク部211に記録されるコンタクトレンズ管理情報I21のデータ構造例が示されている。
【0065】
図12を参照して、コンタクトレンズ管理情報I21には、コンタクトレンズを特定するための識別データ(ID)に対応付けて、メーカー名のデータ、型番のデータ、および、適切視力範囲のデータが含まれる。
【0066】
このようなコンタクトレンズ管理情報I21内の各データは、各メーカーが保有するメーカー端末(図示せず)より、追加、変更および削除ができてよい。その場合、各メーカー端末は、ネットワーク300を介して、サーバ200と接続されるものとする。また、メーカー端末のハードウェア構成は、サーバ200と同様であってよい。
【0067】
これにより、サーバ200には、常に最新のコンタクトレンズの情報が格納されることになる。
【0068】
図13のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるサーバ200により実行される最適レンズ検索処理について説明する。
【0069】
図13のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとしてハードディスク部211等の記録媒体に格納されており、CPU201がこのプログラムを読み出して実行することにより、最適レンズ検索処理の機能が実現される。
【0070】
図13を参照して、サーバ200の通信インターフェイス部207が、携帯端末100より視力データおよび使用レンズデータを受信する(ステップS31)。通信インターフェイス部207は、受信したデータをCPU201に出力する。
【0071】
CPU201は、入力したデータに基づいて、携帯端末100のユーザに適したコンタクトレンズを検索する(ステップS32)。具体的には、コンタクトレンズ管理情報I21内の各データを検索して、視力データが示す視力を適切視力範囲に含むコンタクトレンズを検索する。検索されたコンタクトレンズのうち、現在使用しているメーカー(使用レンズデータに含まれるメーカー名)のものがあれば、それを選択(抽出)する。もし、使用しているメーカーのものがなければ、現在のユーザの視力をカーバーする全てのコンタクトレンズを選択(抽出)してよい。
【0072】
そして、上述のような検索結果を、視力データを送信してきた携帯端末100に返送する(ステップS33)。つまり、ユーザの視力に適したコンタクトレンズを特定するためのデータを携帯端末100に送信する。
【0073】
以上のような処理により、携帯端末100のユーザは、場所や時を選ばずに、視力を測定することができ、かつ、現在使用しているコンタクトレンズが適正なものであるか否かを知ることができる。さらに、予め、ネットワーク300にアクセスすることを設定しておけば、現在の視力に適したコンタクトレンズの情報を得ることもできる。
【0074】
<変形例1>
なお、本実施の形態では、ユーザに適したコンタクトレンズを検索する際に、使用中のコンタクトレンズのメーカーを考慮したが、メーカーを考慮せずに検索してもよい。
【0075】
その場合、図8のステップS210において、使用レンズデータは送信されなくてもよい。また、図13のステップS32では、サーバ200は、ユーザの視力に適合する全てのコンタクトレンズを検索し、ステップS33では、その検索結果を携帯端末100に送信してもよい。
【0076】
<変形例2>
上記実施の形態では、サーバ200において、ユーザの視力に適したコンタクトレンズの検索処理が実行されたが、このような検索処理が携帯端末100で行なわれてもよい。その場合、携帯端末100およびサーバ200において、たとえば次のような処理が行なわれる。
【0077】
ステップS210の処理に代えて、携帯端末100は、コンタクトレンズ管理情報I12の送信を要求する。ステップS31の処理に代えて、サーバ200は、上記要求を受信する。
【0078】
サーバ200は、ステップS32,S33の処理に代えて、ハードディスク部211よりコンタクトレンズ管理情報I12を読出し、読み出した情報を携帯端末100に送信する。
【0079】
携帯端末100は、ステップS210の処理に代えて、サーバ200よりコンタクトレンズ管理情報を受信する(入力する)。そして、携帯端末100の制御部6は、図9のステップS32と同様の処理を実行し、ステップS212にてその結果を表示する。
【0080】
なお、本変形例の処理は、変形例1の処理と組合わせてもよい。
<変形例3>
上記変形例2では、コンタクトレンズ管理情報I12は、サーバ200に保有されたが、着脱可能な記録媒体26Aに格納されており、上記変形例2のような処理を行なってもよい。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
1 カメラ、2 画像解析部、3 操作部、4 記憶部、5 比較部、6 制御部、7 表示部、8 無線部、9 アンテナ、18 再生回路、19 スピーカ、24 マイクロフォン、25 計時部、26 アクセス部、26A 記録媒体、30 CPU、38 音声信号処理部、41 RAM、42 ROM、43 フラッシュメモリ、100(100A,100B,100C) 携帯端末、200 サーバ、201 CPU、203 内部バス、205 ディスプレイ部、207 通信インターフェイス部、209 入力部、211 ハードディスク部、213 メモリ部、215 CD−ROMドライブ、215a CD−ROM、217 FDDドライブ、217a フレキシブルディスク、300 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影するための撮像手段と、
ユーザの視力補正器が対応可能な視力範囲データを含む、第1の視力補正器データを記憶するための記憶手段と、
前記撮像手段によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析することで、ユーザの視力を推定するための画像解析手段と、
推定された視力と前記視力範囲データとを比較することで、前記推定された視力が前記視力範囲データが示す適正範囲内か否かを判断するための比較手段と、
前記比較手段による処理の結果を表示するための表示手段とを備える、携帯端末。
【請求項2】
複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを保持したサーバとネットワークを介して接続可能な通信手段と、
前記推定された視力が前記適正範囲でなかった場合には、前記サーバより、前記推定された視力に適した視力補正器に関する特定データを取得するための取得手段とをさらに備え、
前記表示手段は、さらに、取得された前記特定データに基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報を表示する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記通信手段は、前記推定された視力のデータを送信する、請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記第1の視力補正器データは、前記ユーザの視力補正器のメーカー名を示すデータをさらに含み、
前記通信手段は、さらに、前記メーカー名を示すデータを送信する、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを入力するための入力手段と、
前記推定された視力が前記適正範囲でなかった場合には、前記推定された視力と、前記入力手段より入力された前記第2の視力補正器データとに基づいて、前記推定された視力に適した視力補正器を検索するための検索手段とをさらに備え、
前記表示手段は、前記検索手段による検索結果に基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報をさらに表示する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記処理の結果の通知態様として、前記ユーザに視力に適した視力補正器の情報を表示するか否かを示す通知態様データをさらに含む、請求項2〜5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末と接続可能なサーバとを備えた情報処理システムであって、
前記携帯端末は、
画像を撮影するための撮像手段と、
ユーザの視力補正器が対応可能な視力範囲データを含む、第1の視力補正器データを記憶するための第1の記憶手段と、
前記撮像手段によりユーザの目が撮影された場合に、撮影された画像を解析することで、ユーザの視力を推定するための画像解析手段と、
推定された視力と前記視力範囲データとを比較することで、前記推定された視力が前記視力範囲データが示す適正範囲内か否かを判断するための比較手段と、
前記推定された視力が前記適正範囲でなかった場合には、前記推定された視力のデータを、ネットワークを介して前記サーバに送信し、かつ、前記推定された視力に適した視力補正器に関する特定データを受信するための第1の通信手段と、
前記特定データに基づいて、ユーザの視力に適した視力補正器の情報を表示するための表示手段とを含み、
前記サーバは、
複数の視力補正器についての第2の視力補正器データを記憶するための第2の記憶手段と、
前記携帯端末より受信した前記推定された視力のデータと、前記第2の視力補正器データとに基づいて、前記推定された視力に適した視力補正器を検索するための検索手段と、
前記検索手段により検索された視力補正器のデータを、前記特定データとして送信するための第2の通信手段とを含む、情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−201119(P2010−201119A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53245(P2009−53245)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)