説明

携帯端末装置、状態通知方法およびプログラム

【課題】携帯端末装置が、電力の消耗を抑制して、より長時間安否情報を送信できるようにする。
【解決手段】携帯端末装置1において、加速度検出部112が、携帯端末装置1の加速度を測定し、時間測定部114は、加速度検出部112が最後に加速度を検出してからの経過時間を測定し、所定時間経過すると、無線通信部111が、安否情報を送信する。また、時間測定部114は、最後に安否情報を送信してからの経過時間を測定し、加速度検出部112が加速度を検出しないまま所定時間経過する毎に、無線通信部111が、安否情報の送信を繰り返す。ここで、電池部103は、電池残量の低下を検出すると、無線通信部111への電力供給を停止する。そして、安否情報を送信する際には、電池部103が、無線通信部111への電力供給を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、当該携帯端末装置の状態通知方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置を利用してユーザの安否を通知する幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1に示される被保護者の携帯電話は、所定時間内に所定の携帯電話の操作等を検出することで、一定時間間隔で保護者の情報通信端末へ「異常なし」を通知するメールを送信する。これにより、保護者の情報通信端末において、被保護者の異常発生の可能性を検出することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−98744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示される被保護者の携帯電話において、所定時間内に所定の携帯電話の操作等を検出し、さらに、一定時間間隔で保護者の情報通信端末へ「異常なし」を通知するメールを送信するために、当該携帯電話の電源を常時ONにしておくと、電力を消耗し、異常なしの通知を行えなくなってしまう。一方で、携帯電話の電源をOFFにすると、携帯電話の操作等を検出できず、やはり、異常なしの通知を行えなくなってしまう。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできる携帯端末装置、状態通知方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による携帯端末装置は、電池を有して前記携帯端末装置の各部に電力を供給する電池部と、前記電池部から供給される電力を用いて動作し、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定部と、前記電池部から供給される電力を用いて動作し、無線通信を行う無線通信部と、前記加速度測定部が加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定部と、を具備し、前記電池部は、前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信部への電力供給を停止し、前記時間測定部が所定の時間経過したことを示すと、前記無線通信部への電力供給を再開し、前記無線通信部は、前記時間測定部が前記所定の時間経過したことを示し、かつ、前記電池部が当該無線通信部に電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様による状態通知方法は、電池を有して電力を供給する電池部を具備する携帯端末装置の状態通知方法であって、前記電池部から供給される電力を用いて、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定ステップと、前記電池部から供給される電力を用いて、無線通信を行う無線通信ステップと、前記加速度測定ステップにて加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定ステップと、前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信ステップのための電力供給を停止する電力供給停止ステップと、前記無線通信ステップのための電力供給を停止した状態で、前記時間測定ステップにて所定の時間経過したことを検出すると、前記無線通信ステップのための電力供給を再開する電力供給再開ステップと、を具備し、前記無線通信ステップは、前記時間測定ステップにて前記所定の時間経過したことを検出し、かつ、前記電池部が当該無線通信ステップのための電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する加速度不検出信号送信ステップを具備する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によるプログラムは、電池を有して電力を供給する電池部を具備する携帯端末装置としてのコンピュータに、前記電池部から供給される電力を用いて、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定ステップと、前記電池部から供給される電力を用いて、無線通信を行う無線通信ステップと、前記加速度測定ステップにて加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定ステップと、前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信ステップのための電力供給を停止する電力供給停止ステップと、前記無線通信ステップのための電力供給を停止した状態で、前記時間測定ステップにて所定の時間経過したことを検出すると、前記無線通信ステップのための電力供給を再開する電力供給再開ステップと、を実行させ、前記無線通信ステップにて、前記時間測定ステップにて前記所定の時間経過したことを検出し、かつ、前記電池部が当該無線通信ステップのための電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する加速度不検出信号送信ステップを実行させる、ためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電力の消耗を抑制して、より長時間安否情報を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における携帯端末装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】同実施形態において、記憶部122の記憶する、安否情報通知機能の設定情報の例を示す説明図である。
【図3】同実施形態において、携帯端末装置1が安否情報通知機能を実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態において、加速度を検出していないことの通知に加えて、加速度を検出したことの通知を行う場合の、携帯端末装置1の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における携帯端末装置の概略構成を示す構成図である。同図において、携帯端末装置1は、操作部101と、表示部102と、電池部103と、無線通信部111と、加速度検出部112と、位置情報取得部113と、時間測定部114と、制御部121と、記憶部122とを具備する。
【0012】
携帯端末装置1は、当該携帯端末装置1の加速度に基づいて、ユーザの安否に関する情報(以下、「安否情報」と称する)を出力する携帯電話機である。
なお、本発明の適用範囲は、携帯電話機に限らない。本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)やPHS(Personal Handy-phone System)など、携帯可能な様々な端末装置に適用可能である。
【0013】
操作部101は、テンキーや方向キーや決定ボタンなどの操作ボタンを有し、ユーザの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力を示す情報を制御部121に出力する。
表示部102は、液晶パネル等の表示画面を有し、制御部121の制御に従って、動画像や静止画像やテキストなど各種データを表示する。
【0014】
電池部103は、携帯端末装置1の電源であり、電池を有して前記携帯端末装置の各部に電力を供給する。また、電池部103は、電池監視装置を有し、電池部103自らの有する電池の電池残量(以下、単に「電池部103の電池残量」と称する)を測定し、電池残量測定値を制御部121に出力する。
無線通信部111は、携帯電話通信網(携帯電話サービス事業者の提供する携帯電話機向けの通信ネットワーク)に無線にて接続して通信を行う。特に、無線通信部111は、制御部121の制御に従って安否情報を送信する。
【0015】
加速度検出部112は、携帯端末装置1の加速度を測定する3軸(XYZ軸)加速度センサを有し、携帯端末装置1の加速度測定値を制御部121に出力する。なお、以下では、加速度検出部112が、携帯端末装置1の速度の変化を示す加速度測定値(すなわち重力加速度以外の加速度測定値であり、携帯端末装置1が位置または姿勢(傾き)を変化させていることを示す)を出力することを、加速度検出部112が加速度を「検出」すると称する。
【0016】
位置情報取得部113は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)装置を有し、GPS衛星から送信される信号を用いて携帯端末装置1の位置情報を取得する。
時間測定部114は、制御部121の制御に従って、加速度検出部112が最後に加速度を検出してからの経過時間や、安否情報を最後に送信してからの経過時間を測定する。
【0017】
制御部121は、携帯端末装置1の各部を制御する。特に、制御部121は、時間測定部114に、加速度検出部112が最後に加速度を検出してからの経過時間や、安否情報を最後に送信してからの経過時間を測定させ、これらの経過時間に基づいて、無線通信部111に安否情報を送信させる。また、制御部121は、電池部103の電池残量に基づいて、電池部103による各部への電力供給を制御する。
また、制御部121は、無線通信部111に、電子メールの送受信や電話通話などの通信を行わせる。また、制御部121は、操作部101から取得するユーザの操作入力情報に応じて、各種アプリケーションを実行し、当該アプリケーション機能を提供する。例えば、制御部121は、ユーザによる電話帳データ表示要求操作に応じて、記憶部122から電話帳データを読み出し、当該電話帳データを表示部102に表示させる。また、制御部121は、ユーザによる歩数計アプリケーションの呼び出し操作を受け付けると、加速度検出部112の加速度測定値に基づいて歩数検出を行い、表示部102に歩数を表示させる。また、制御部121は、加速度検出部112の加速度測定値に基づいて、携帯端末装置1の縦横検出を行い、表示部102に対して、検出結果に基づく画面表示を行わせる。
また、制御部121は、電池部103の電池レベルをインジケータにて表示部102に表示させる。
記憶部122は、記憶デバイスを有し、各種データを記憶する。特に、記憶部122は、安否情報通知機能の設定情報を記憶する。
【0018】
図2は、記憶部122の記憶する、安否情報通知機能の設定情報の例を示す説明図である。同図に示すように、記憶部122は、安否情報通知機能の設定情報として、氏名L11と、電話番号L12と、メールアドレスL13と、安否情報通知フラグL14と、初回通知タイミングL15と、電源オフ電池レベルL16と、定期通知間隔L17との各情報を記憶する。
氏名L11と、電話番号L12と、メールアドレスL13とは、それぞれ安否情報を通知する相手の氏名と、電話番号と、メールアドレスとを示す。
安否情報通知フラグL14は、安否情報通知機能を実行するか否かを設定するフラグである。安否情報通知フラグの、「ON」は安否情報通知機能を実行することを示し、「OFF」は安否情報通知機能を実行しないことを示す。
初回通知タイミングL15は、加速度検出部112が最後に加速度を検出してから安否情報通知を行うまでの時間を示す。例えば、図2にて設定されている「8時間」の場合、加速度検出部112が加速度を検出しない時間が8時間継続すると、携帯端末装置1は安否情報の送信を行う。
電源オフ電池レベルL16は、携帯端末装置1が電源を切断(OFF)する電池レベルを示す。例えば、図2にて設定されている「1」の場合、携帯端末装置1は、初回通知タイミングに示される時間が経過して安否情報の送信を行った後、加速度検出部112が加速度を検出しない状態が継続している場合に、電池部103の電池レベルが5段階のうちのレベル1(電池残量の最も少ないレベル)となると、電源を切断する。
定期通知間隔L17は、安否情報の送信を行ってから安否情報の送信を再度行うまでの時間を示す。例えば、図2にて設定されている「1時間」の場合、携帯端末装置1が安否情報を送信した後、加速度検出部112が加速度を検出しない時間が1時間継続すると、携帯端末装置1は安否情報を再度送信する。
【0019】
次に、図3および図4を参照して携帯端末装置1の動作について説明する。
図3は、携帯端末装置1が安否情報通知機能を実行する処理手順を示すフローチャートである。携帯端末装置1は、その電源を接続され、安否情報通知フラグがONに設定されると、同図の処理を開始する。
【0020】
まず、制御部121が、時間測定部114に対して、初回通知のためのタイマカウント開始指示を出力する。そして、時間測定部114は、当該指示に従って、タイマカウント値t1を「0」にリセットし、タイマカウント(時間測定)を開始する(ステップS101)。
次に、制御部121は、時間測定部114のタイマカウント値t1に基づいて、ステップS101で時間測定部114がタイマカウントを開始から初回通知タイミング設定時間(図2のL15)が経過したか否かを判定する(ステップS102)。
【0021】
初回通知タイミング設定時間が経過していないと判定した場合(ステップS102:NO)、制御部121は、加速度検出部112が加速度を検出したか否かを判定する(ステップS111)。
加速度を検出したと判定した場合(ステップS111:YES)、ステップS101に戻り、同図の処理を繰り返す。
一方、ステップS111において、加速度を検出していないと判定した場合(ステップS111:NO)、ステップS102に戻り、初回通知タイミング設定時間の経過または加速度の検出を待ち受ける。
【0022】
一方、ステップS102において、初回通知タイミング設定時間が経過したと判定した場合(ステップS102:YES)、制御部121は、無線通信部111を制御して安否情報を送信させる(ステップS121)。
具体的には、制御部121は、まず、位置情報取得部113から携帯端末装置1の位置情報を取得する。次に、制御部121は、安否情報として、携帯端末装置1の加速度を検出しないこと、従って、携帯端末装置1のユーザが動けない状態になっている可能性のあること、および、携帯端末装置1の位置情報を示す、予め登録された通知先(図2のメールアドレスL13)宛のメールを生成する。そして、制御部121は、生成したメールを無線通信部111に出力する。無線通信部111は、制御部121から出力されたメールを送信する。
【0023】
なお、携帯端末装置1が、音声による安否情報通知を行うなど、メール以外の手段により安否情報通知を行うようにしてもよい。
例えば、制御部121は、まず、無線通信部111を制御して、予め登録された通知先の電話番号の電話機に接続(呼を確立)させる。無線通信部111が通知先に接続すると、制御部121は、携帯端末装置1の加速度を検出しないこと、従って、携帯端末装置1のユーザが動けない状態になっている可能性のあること、および、携帯端末装置1の位置情報を通知する音声メッセージを、制御部121に送信させる。
【0024】
ステップS121における安否情報の送信を完了すると、制御部121は、時間測定部114に対して再通知のためのタイマカウント開始指示を出力する。そして、時間測定部114は、当該指示に従って、タイマカウント値t2を「0」にリセットし、タイマカウントを開始する(ステップS122)。
次に、制御部121は、電池部103の電池残量が、電源オフ電池レベル(図2のL16)以下か否かを判定する(ステップS123)。
【0025】
電源オフ電池レベルより大きいと判定した場合(ステップS123:YES)、制御部121は、携帯端末装置1の電源を切断するよう指示する信号を電池部103に出力し、電池部103は、携帯端末装置1の電源を切断する(ステップS131)。
電源OFF状態(携帯端末装置1の電源が切断されている状態)では、電池部103は、加速度検出部112と、時間測定部114と、制御部121と、記憶部122とに電力を供給する。一方、電源OFF状態では、電池部103は、無線通信部111と、位置情報取得部113と、操作部101と、表示部102とに対しては電力を供給しない(電力の供給を停止する)。
【0026】
次に、制御部121は、時間測定部114のタイマカウント値t2に基づいて、ステップS122で時間測定部114がタイマカウントを開始から定期通知間隔(図2のL17)が経過したか否かを判定する(ステップS132)。
定期通知間隔が経過していないと判定した場合(ステップS132:NO)、制御部121は、加速度検出部112が加速度を検出したか否かを判定する(ステップS141)。
【0027】
加速度を検出したと判定した場合(ステップS141:YES)、制御部121は、携帯端末装置1の電源を接続するよう指示する信号を電池部103に出力し、電池部103は、携帯端末装置1の電源を接続する(ステップS151)。
電源ON状態(携帯端末装置1の電源が接続されている状態)では、電池部103は、携帯端末装置1の各部(加速度検出部112と、時間測定部114と、制御部121と、記憶部122とに加え、無線通信部111と、位置情報取得部113と、操作部101と、表示部102と)に電力を供給する。
その後、ステップS101戻り、同図の処理を繰り返す。
【0028】
一方、ステップS141において、加速度を検出していないと判定した場合(ステップS141:NO)、ステップS132に戻り、定期通知間隔の経過または加速度の検出を待ち受ける。
一方、ステップS132において、定期通知間隔が経過したと判定した場合(ステップS132:YES)、制御部121は、携帯端末装置1の電源を接続するよう指示する信号を電池部103に出力し、電池部103は、携帯端末装置1の電源を接続する(ステップS181)。そして、ステップS121の場合と同様に、制御部121は、無線通信部111を制御して安否情報(ステップS121の場合と同様、加速度検出部112が加速度を検出しないことに基づく安否情報。以下では、「加速度非検知による安否情報」と称する)を送信させる(ステップS182)。
その後、ステップS122に戻る。
【0029】
一方、ステップS123において、電源オフ電池レベルより大きいと判定した場合(ステップS123:NO)、制御部121は、時間測定部114のタイマカウント値t2に基づいて、ステップS122で時間測定部114がタイマカウントを開始から定期通知間隔(図2のL17)が経過したか否かを判定する(ステップS161)。
【0030】
定期通知間隔が経過していないと判定した場合(ステップS161:NO)、制御部121は、加速度検出部112が加速度を検出したか否かを判定する(ステップS171)。
加速度を検出したと判定した場合(ステップS171:YES)、ステップS101に戻り、同図の処理を繰り返す。
【0031】
一方、ステップS171において、加速度を検出していないと判定した場合(ステップS171:NO)、ステップS123に戻る。
一方、ステップS161において、定期通知間隔が経過したと判定した場合(ステップS161:YES)、ステップS182へ進む。
【0032】
以上のように、電池部103は、電池の電池残量が電源オフ電池レベル(省電力閾値電池残量)以下となると、無線通信部111への電力供給を停止する。そして、定期通信間隔(所定の時間)経過したことを時間測定部114が示すと、電池部103は、無線通信部111への電力供給を再開し、無線通信部111は、加速度非検出による安否情報を送信する。
これにより、携帯端末装置1は、電池残量が低下した状態において、無線通信部111への電力供給を停止して電力の消耗を抑制し、かつ、安否情報の送信時には無線通信部111への電力供給を再開して、より長時間安否情報を送信できる。
【0033】
また、電池部103は、電池残量が電源オフ電池レベル以下か否かにかかわらず加速度検出部112に電力を供給するので、加速度検出部112は、携帯端末装置1の加速度の測定を継続することができる。これにより、携帯端末装置1は、より正確に安否情報を送信できる。
【0034】
なお、携帯端末装置1が、加速度を検出していないことの通知(加速度非検出による安否情報の送信)に加えて、加速度を検出したことの通知を行うようにしてもよい。
図4は、加速度を検出していないことの通知に加えて、加速度を検出したことの通知を行う場合の、携帯端末装置1の処理手順を示すフローチャートである。
【0035】
同図において、図3の各部と同様の部分には同一の符号(S101、S102、S111、S121、S122、S123、S131、S132、S141、S151、S161、S171、S181、S182)を付し、説明を省略する。
図4の処理では、制御部121が、状態通知フラグの値を記憶部122に書き込み、この状態通知フラグの値に従って、無線通信部111が加速度検出による安否情報を送信する点で、図3の処理と異なる。
【0036】
ここで、状態通知フラグは、加速度非検出による安否情報を送信済みか否かを示すフラグであり、記憶部122が、この状態通知フラグを記憶する。状態通知フラグの値「済」は送信済みであることを示し、「未」は未だ送信を行っていないことを示す。初期状態(図4の処理開始時)では、状態通知フラグの値は未に設定されている。
また、加速度検出による安否情報は、加速度を検出したことの通知であり、加速度非検出による安否情報の送信先と同じ送信先(図2のメールアドレスL12または電話番号L11)に対して送信される。
【0037】
図4の処理において、制御部121は、初回通知タイミング設定時間経過により、ステップS121において初回の安否情報通知(ここでは、加速度非検出による安否情報を送信する)を行った後、記憶部122の記憶する状態通知フラグの値を「済」にする。その後、ステップS122に進む。
また、制御部121は、加速度を検出したと判定した後(ステップS111:YES、ステップS171:YES)、あるいは、加速度を検出したと判定して携帯端末装置1を電源ON状態とした後(ステップS151)、加速度通知フラグの値が「未」か否かを判定する(ステップS211)。「済」であると判定した場合(ステップS211:NO)、ステップS101に戻り、同図の処理を繰り返す。
一方、ステップS211において、「未」であると判定した場合(ステップS211:YES)、制御部121は、無線通信部111を制御して加速度検出による安否情報を送信させる(ステップS121)。
具体的には、制御部121は、携帯端末装置1の加速度を検出したこと、従って、携帯端末装置1のユーザが動けない状態を脱したと思われることを示す、予め登録された通知先(図2のメールアドレスL13)宛のメールを生成する。そして、制御部121は、生成したメールを無線通信部111に出力する。無線通信部111は、制御部121から出力されたメールを送信する。
【0038】
なお、加速度非検出による安否情報の場合と同様、携帯端末装置1が、加速度を検出したことの通知を音声によって行うなど、メール以外の手段を用いて加速度検出による安否情報の通知を行うようにしてもよい。
【0039】
ステップS221における加速度検出による安否情報の送信を完了すると、制御部121は、記憶部122の記憶する状態通知フラグの値を「未」にする(ステップS222)。
その後、ステップS101に戻り、同図の処理を繰り返す。
【0040】
以上のように、加速度検出部112が加速度を検出すると、無線通信部111が加速度検出による安否情報を送信する。この加速度検出による安否情報を受信した者(例えば、携帯端末装置1のユーザの保護者)は、携帯端末装置1のユーザが動けない状態を脱したと思われることを知り得る。
また、無線通信部111は、加速度非検出による安否情報を送信した後においてのみ、
加速度検出による安否情報を送信するので、不必要な信号の送信を抑制でき、電池の消耗を抑えることができる。すなわち、加速度検出による安否情報は、加速度非検出による安否情報を受信して、携帯端末装置1のユーザが動けない状態にあるかも知れないことを認識した者に対して、携帯端末装置1のユーザが当該状態を脱したと思われることを示す情報なので、加速度非検出による安否情報を送信した後のみ送信すればよい。携帯端末装置1は、適切な場合に加速度検出による安否情報を送信できる。
【0041】
なお、加速度非検出による安否情報と、加速度検出による安否情報とは、携帯端末装置1が加速度を検出していない状態にあることを示すものであり、状態情報の一例である。従って、加速度非検出による安否情報の送信と、加速度検出による安否情報の送信とは、状態通知の一例である。
【0042】
なお、図3および図4における、携帯端末装置1が、加速度非検出による安否情報の初回送信(ステップS121)を行った後にのみ電池レベルに応じて電源OFF状態となるパターンは、本発明における電力制御パターンの一例であり、本発明における電力制御パターンはこれに限らない。例えば、携帯端末装置1が、加速度非検出による安否情報の初回送信前においても、電池レベルに応じて電源OFF状態となるようにしてもよい。
【0043】
なお、携帯端末装置1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯端末装置
101 操作部
102 表示部
103 電池部
111 無線通信部
112 加速度検出部
113 位置情報取得部
114 時間測定部
121 制御部
122 記憶部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置であって、
電池を有して前記携帯端末装置の各部に電力を供給する電池部と、
前記電池部から供給される電力を用いて動作し、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定部と、
前記電池部から供給される電力を用いて動作し、無線通信を行う無線通信部と、
前記加速度測定部が加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定部と、
を具備し、
前記電池部は、前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信部への電力供給を停止し、前記時間測定部が所定の時間経過したことを示すと、前記無線通信部への電力供給を再開し、
前記無線通信部は、前記時間測定部が前記所定の時間経過したことを示し、かつ、前記電池部が当該無線通信部に電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記電池部は、前記電池の電池残量が前記省電力閾値電池残量以下か否かにかかわらず、前記加速度測定部に電力を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記無線通信部は、前記加速度測定部が加速度を検出し、かつ、前記電池部が当該無線通信部に電力を供給すると、加速度検出を示す信号を送信する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、前記加速度不検出を示す信号を送信済みである場合にのみ前記加速度検出を示す信号を送信する、ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
電池を有して電力を供給する電池部を具備する携帯端末装置の状態通知方法であって、
前記電池部から供給される電力を用いて、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定ステップと、
前記電池部から供給される電力を用いて、無線通信を行う無線通信ステップと、
前記加速度測定ステップにて加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定ステップと、
前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信ステップのための電力供給を停止する電力供給停止ステップと、
前記無線通信ステップのための電力供給を停止した状態で、前記時間測定ステップにて所定の時間経過したことを検出すると、前記無線通信ステップのための電力供給を再開する電力供給再開ステップと、
を具備し、
前記無線通信ステップは、前記時間測定ステップにて前記所定の時間経過したことを検出し、かつ、前記電池部が当該無線通信ステップのための電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する加速度不検出信号送信ステップを具備する、
ことを特徴とする状態通知方法。
【請求項6】
電池を有して電力を供給する電池部を具備する携帯端末装置としてのコンピュータに、
前記電池部から供給される電力を用いて、前記携帯端末装置の加速度を測定する加速度測定ステップと、
前記電池部から供給される電力を用いて、無線通信を行う無線通信ステップと、
前記加速度測定ステップにて加速度を検出しない状態が継続している場合に、所定の事象発生からの経過時間を測定する時間測定ステップと、
前記電池の電池残量が所定の省電力閾値電池残量以下となると、前記無線通信ステップのための電力供給を停止する電力供給停止ステップと、
前記無線通信ステップのための電力供給を停止した状態で、前記時間測定ステップにて所定の時間経過したことを検出すると、前記無線通信ステップのための電力供給を再開する電力供給再開ステップと、
を実行させ、
前記無線通信ステップにて、前記時間測定ステップにて前記所定の時間経過したことを検出し、かつ、前記電池部が当該無線通信ステップのための電力を供給すると、加速度非検出を示す信号を送信する加速度不検出信号送信ステップを実行させる、
ためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−186599(P2012−186599A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47431(P2011−47431)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】