説明

携帯端末

【課題】発呼者の電話番号を着信拒否の対象に容易に加えることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯端末1は、制御部30が、通話中か否かを判定し、通話中と判定された場合において、特定のキー操作を受け付けると、発番号記憶領域32aに記憶されている発呼者番号を着信拒否の対象リストに追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信拒否機能を有する携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、着信があったときに発呼者の電話番号が記憶部に記憶された電話番号に一致する場合にオフフックを抑止する制御(以下、単に「着信拒否」という。)を行う携帯電話機が提案されている(特許文献1,2参照)。
この携帯電話機は、着信拒否の対象となる電話番号を記憶する記憶部と、ユーザが通話終了後に発呼者の電話番号を着信拒否の対象に加えるための操作を行うと発呼者の電話番号を新たに記憶部に記憶する着信拒否部とを備えている。
【0003】
また、この携帯電話機は、着信履歴を表示する表示画面を備えており、ユーザが所定の操作を行うことにより、表示画面上に着信履歴を表示することができる。そして、着信拒否部は、ユーザが通話終了後に着信履歴の中から指定した発呼者の電話番号を選択して所定の操作を行うことで、この発呼者の電話番号を新たに記憶部に記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−42036号公報
【特許文献2】特開平11−317982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された携帯電話機では、通話中に発呼者を着信拒否の対象に加えたい場合、一旦通話を終了してから着信履歴を表示させ、発呼者の電話番号を指定してから、その電話番号を着信拒否動作の対象に追加するための操作を行う必要があり、ユーザが煩わしさを感じることがあった。また、通話を終了してから着信拒否の対象に加えるまでの間に他の発呼者からの電話を受信することにより着信履歴に複数の電話番号が追加されたような場合には、前の発呼者の電話番号を着信履歴の中から指定するのに手間がかかることもあった。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、携帯電話機等の携帯端末において、発呼者の電話番号を着信拒否の対象に加えるまでの操作を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、発呼者番号が予め着信拒否の対象リストに登録された着信拒否の対象となる拒否対象番号のいずれかと一致すると着信拒否を行う携帯端末であって、通話中か否かを判定する判定部と、呼び出し信号から発呼者番号を取得して保持する保持部と、操作を受け付ける受付部と、通話中と判定された場合において、受付部が特定の操作を受け付けた場合、保持部に保持されている発呼者番号を着信拒否の対象リストに追加する追加処理を行う追加処理部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯端末によれば、発呼者の電話番号を着信拒否の対象に加えるまでの操作を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係る携帯端末の通話中における外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係る携帯端末の構成図である。
【図3】実施の形態に係る記憶部に記憶されているデータ構造を示す図である。
【図4】実施の形態に係る携帯端末の全体動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る携帯端末の受付処理を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る携帯端末の登録処理を示すフローチャートである。
【図7】変形例に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態>
<1>概要
本実施の形態に係る携帯端末1は、基地局(図示せず)から送出される呼び出し信号を受信したときに着信動作または着信拒否を行う。なお、以下の説明では、「着信拒否」とは、オフフックを抑止する制御を意味するものとする。
【0011】
この携帯端末1は、図1に示すように、筐体2の表面に副液晶ディスプレイ1aと、タッチパッド20およびタッチパッド20の後面側に配置された液晶ディスプレイ21とからなるタッチパネルとを備えている。液晶ディスプレイ21には、通話中において、各種キーを示すマーク(例えば、「着信拒否」マーク1b、オフフックマーク1c、オンフックマーク1d)が視認可能に表示されている。
【0012】
そして、携帯端末1では、通話中であっても「着信拒否」マーク1bに指等を接触させることで発呼者の電話番号(発呼者番号、以下、「発番号」と称す。)を着信拒否の対象に追加することができる。
<2>構成
携帯端末1は、図2に示すように、基地局との間でアンテナ11を介して無線信号の送受信を行う通信処理部10と、タッチパネルと、マイクロフォン62から入力される音声信号を変換して出力するとともに入力される音声信号をスピーカ61から出力する処理を行う音声処理部60と、電話番号等を記憶しておくための記憶部40と、通信処理部10等を制御する制御部30とを備える。なお、スピーカ61からの音声は、筐体2に設けられた貫通孔2aを介して筐体2の外部に出力される(図1参照)。
<2−1>液晶ディスプレイおよびドライバ
液晶ディスプレイ21は、ドライバ22により制御され、図1に示すようなキー配置を示す画像を表示する。ドライバ22は、制御部30から入力される画像データに基づいて液晶ディスプレイ21を制御することで画像データが示す画像を液晶ディスプレイ21に表示させる。この液晶ディスプレイ21には、着信拒否マーク1bも表示されている(図1参照)。
<2−2>タッチパッド
タッチパッド20は、透明電極で構成されており、液晶ディスプレイ21上に配置されている。そして、ユーザがタッチパッド20に指等を接触させると、タッチパッド20は、タッチパッド20上における接触位置を示す座標データを制御部30に入力する。
<2−3>通信処理部
通信処理部10は、基地局との間で無線信号の送受信を行うために信号の変調復調を行う。通信処理部10は、基地局から送信される呼び出し信号を受信すると復調して制御部30に入力する。なお、この呼び出し信号には、通信事業者により供されるいわゆる発信番号通知サービスにより発番号等が入れられている。
<2−4>記憶部
記憶部40は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性のメモリにより構成され、着信拒否の対象となる拒否対象電話番号および各拒否対象電話番号に対応する着信拒否に付随して行われる付随動作の内容を示す動作情報を記憶する拒否対象電話番号/動作情報格納領域42と、着信拒否の対象とすることができない拒否不能電話番号を記憶する拒否不能電話番号記憶領域43と、発番号の履歴を管理する履歴管理領域46とを有する。
【0013】
ここで、付随動作とは、オフフックを抑止する制御である着信拒否とともに、或いは直後に行われる動作であり、着信呼び出し音をオフする動作、着信表示をオフする動作および着信履歴を消去する動作がある。
また、記憶部40には、制御部30の各機能を実現するためのプログラムを記憶するプログラム記憶領域44と、液晶ディスプレイ21に表示される画像を示す画像データを記憶しておく画像記憶領域41とが設けてある。この画像記憶領域41には、各種キーの画像を示す画像データや、着信があったときにその旨をユーザに通知するための着信通知画像を示す着信通知画像データ、発番号を着信拒否の対象に追加するか否かをユーザに問う着信拒否対象追加確認画像を示す確認画像データ等が記憶されている。
【0014】
拒否対象電話番号/動作情報格納領域42には、図3(a)の概念図に示すようなデータテーブル(対象リスト)が記憶されている。このデータテーブルは、項目として、「電話番号」と「着信呼び出し音」と「着信表示」と「着信履歴」とがある。「電話番号」の項目は、着信拒否の対象となる電話番号を示し、「着信呼び出し音」の項目は、着信があったときに呼び出し音を鳴動させるか否かを示す。また、「着信表示」の項目は、着信があったときに着信表示を行うか否かを示し、「着信履歴」の項目は、着信があったときに着信履歴を残すか否かを示す。そして、これらの項目は、制御部30が追加操作や登録操作を受け付けたときに更新されていく。また、制御部30が、発番号が着信拒否の対象に該当するか否かを判定するときや着信拒否に付随して行う付随動作を行うときにこのデータテーブルが参照される。
【0015】
たとえば、電話番号「○○○−○○○−○○○」については、付随動作の内容が、着信呼び出し音「オン」(つまり、着信があった場合に呼び出し音を鳴動させる。)、着信表示「オン」(つまり、着信があった場合に副液晶ディスプレイ1a上に着信があったことを通知する表示をさせる。)、着信履歴「残す」(つまり、着信があった場合に履歴として残す。)と登録されている。また、電話番号「△△△−△△△−△△△」および「×××−×××−×××」については、付随動作の内容が、呼び出し音「オフ」(つまり、着信があっても呼び出し音を鳴動させない。)、着信表示「オフ」(つまり、着信があっても副液晶ディスプレイ1a上に着信があったことを通知する表示をさせない。)、着信履歴「残さない」(つまり、着信があっても履歴として残さない。)とが登録されている。
【0016】
拒否不能電話番号記憶領域43には、着信拒否の対象とすることができない拒否不能電話番号(拒否不能番号ともいう。)のリスト(図3(b))が記憶されている。図3(b)に示す例では、拒否不能電話番号として「□□□−□□□−□□□」、「○○○−×××−△△△」、「○○○−△△△−×××」等が登録されている。
更に、記憶部40の一部には、発番号を着信拒否の対象に追加するための追加操作が行われたか否かを示す着信拒否フラグF1、携帯端末1がオフフックの状態か否かを示すオフフックフラグF2、およびユーザが電話番号を新たに登録するか否かを示す登録フラグF3の内容が格納されるフラグ領域45が設けられている。
【0017】
着信拒否フラグF1は、初期状態は「0」に設定されており、制御部30が通話中に「着信拒否」キーの入力を、つまり、着信拒否を表す操作釦画像1cが表示された位置に対応するキー入力受け付けると、「1」に設定される。オフフックフラグF2は、初期状態は「0」に設定されており、「オフフック」キーの入力を受け付けると、「1」に設定され、オフフック後「オンフック」キーの入力を受け付けると、「0」に設定される。登録フラグF3は、初期状態は「0」に設定されており、制御部30が通話中でないときに「着信拒否」キーの入力を受け付けると、「1」に設定される。
<2−5>制御部
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)31と主記憶部32とから構成され、プログラム記憶領域44に記憶されているプログラムを主記憶部32(メモリ)に読み込んで実行することにより、<3>で説明する各種処理を実行する。また、主記憶部32には、発番号を一時的に格納しておくための発番号格納領域32a(一時保持部)が設けられている。
<3>動作
<3−1>全体動作
図4乃至図6は、プログラム記憶領域44に格納されているプログラムがCPU31に実行させる処理を示したフローチャートである。このうち、図4のフローチャートは、携帯端末1が待ち受け状態にあるときに着信があった場合に実行される処理を示す。
【0018】
図5のフローチャートは、タッチパッド20を操作することにより実行される受付処理を示し、携帯端末1が待受け中であるか通話中であるかを問わず、タッチパッド20が操作されると、図4の処理を実行中のCPU31に対して割込みをかけ、CPU31に受付処理を実行させる。
図6のフローチャートは、図5において、ステップS66で登録フラグF3が「1」に設定された場合に実行する登録処理を示すものである。
【0019】
初めに図4のフローチャートに従って携帯端末1の着信時の動作を説明する。
携帯端末1に、電源が投入されると、制御部30が画像記憶領域41から各キーの画像データを読み出して予め定めた各位置に配置されるようドライバ22に入力することにより、液晶ディスプレイ21に図1に示すような「着信拒否」マーク1bを含む各種キーを表示させる。
【0020】
そして、着信があると(ステップS1)、制御部30が、通信処理部10から入力される呼び出し信号から発番号に関する情報を取得し(ステップS2)、主記憶部32の発番号格納領域32aに格納する。
次に、制御部30が、取得した発番号と一致する電話番号を、拒否対象電話番号/動作情報格納領域42に格納されている拒否対象電話番号の中で検索し(ステップS4)、検索結果から発番号が着信拒否の対象に該当するか否かを判定する。拒否対象電話番号の中に発番号と一致する電話番号が存在する場合には、制御部30が、拒否対象電話番号に該当すると判定し、存在しなかった場合には、拒否対象電話番号に該当しないと判定する。
【0021】
判定結果において、発番号が拒否対象電話番号に該当する場合には(ステップS4:Yes)、発呼者(通話先)に対してガイダンスを流し(ステップS5)、処理を終了する。このガイダンスは、例えば、「只今、電話に出ることができません。」等の内容のメッセージである。ガイダンスを流す直前に、制御部30は、拒否対象電話番号に対応付けされた動作情報(図3(a)参照)を参照して着信拒否に付随する付随動作を行う。たとえば、発番号が「○○○−○○○−○○○」であれば、図3(a)に示すように、付随動作の内容が、着信呼び出し音「オン」、着信表示「オン」、着信履歴「残す」と登録されているので、呼び出し音を鳴動させ、副液晶ディスプレイ1a上に着信があったことを通知する表示(着信表示)をし、更に、発番号を履歴に残す付随動作を行った上で、ガイダンスを流す。一方、発番号が「△△△−△△△−△△△」であれば、図3(a)に示すように、付随動作の内容が、着信呼び出し音「オフ」、着信表示「オフ」、着信履歴「残さない」と登録されているので、呼び出し音を鳴動させず、副液晶ディスプレイ1a上に着信表示をせず、更に、発番号を履歴に残さない付随動作を行った上で、ガイダンスを流す。ここで、発番号を着信履歴に残す付随動作とは、制御部30が、データテーブルの着信履歴の欄を参照して記憶部40の履歴記憶領域46に発番号を記憶させる動作であり、発番号を着信履歴に残さない付随動作とは、制御部30が、データテーブルの着信履歴の欄を参照して記憶部40の履歴記憶領域46に発番号を記憶しない動作である。
【0022】
一方、ステップS4において、発番号が着信拒否対象電話番号に該当しない場合には(ステップS4:No)、制御部30は、副液晶ディスプレイ1aに着信表示を行う(ステップS6)。
続いて、制御部30は、着信拒否フラグF1が「1」に設定されているか否かを確認する(ステップS7)。この着信拒否フラグF1の設定は、後述する受付処理で行われる。
【0023】
ステップS7において、着信拒否フラグF1が「1」に設定されていないと判定される場合(ステップS7:No)、更に、オフフックフラグF2が「1」に設定されているか否かを確認する(ステップS8)。オフフックフラグF2は、制御部30がオフフックの操作を受け付けたときに「1」に設定する。
ステップS8において、オフフックフラグF2が「1」に設定されていないと判定される場合(ステップS8:NO)、再び、副液晶ディスプレイ1aに着信表示を行う(ステップS6)。一方、ステップS8において、オフフックフラグF2が「1」に設定されていると判定される場合(ステップS8:YES)、通話を開始する(ステップS9)。
【0024】
ステップS7において、着信拒否フラグF1が「1」に設定されていると判定されると、続いて、制御部30では、主記憶部32の発番号格納領域32aに格納されている発番号と一致する電話番号が、拒否不能電話番号格納領域に格納されている拒否不能電話番号の中に存在するか否かを確認する(ステップS10)。
発番号と一致する拒否不能電話番号が存在すると判定すると(ステップS10:Yes)、ステップS8の処理に移行する。つまり、制御部30は、発番号が拒否不能電話番号に一致すると判定すると、「着信拒否」キーの入力を受け付けても無効として(つまり、追加操作が行われなかったものとして)処理を進める。
【0025】
一方、ステップS10において、制御部30が、発番号と一致する拒否不能電話番号が存在しないと判定すると(ステップS10:No)、発番号を拒否対象電話番号/動作情報格納領域42に格納することにより(図3(a)に示すテーブルに発番号を追加する。)、発番号を着信拒否対象に追加する(ステップS11)。オフフック後再びオンフックされるまでの間、発番号を着信拒否の対象に追加するための追加操作を受け付けると、制御部30が取得した発番号を記憶部40の拒否対象電話番号格納領域41に記憶させることにより、発番号を着信拒否の対象に追加する。
【0026】
次に、制御部30は、着信拒否詳細設定を行う(ステップS12)。ここにおいて、制御部30は、発番号に対応させてデータテーブルの各動作情報にデフォルト値としての、着信呼び出し音「オフ」、着信表示「オフ」、着信履歴「残さない」を強制的に設定する(図3(a)参照)。
その後、制御部30は、発呼者に対してガイダンスを流す(ステップS5)。
【0027】
また、オフフックした後(ステップS9)、制御部30は、着信拒否フラグF1が「1」に設定されているか否かを確認する(ステップS13)。
ステップS13において、制御部30が、着信拒否フラグF1が「1」に設定されていないと判定すると(ステップS13:No)、オフフックフラグF2が「0」に設定されているか否かを確認する(ステップS16)。このオフフックフラグF2は、制御部30が、オフフック後にオンフックの操作を受け付けたときに「0」に設定される。
【0028】
制御部30が、オフフックフラグF2が「0」に設定されていないと判定した場合(ステップS16:NO)には、再びステップS13の処理を行う。
また、ステップS13において、制御部30は、着信拒否フラグF1が「1」に設定されていると判定すると(ステップS12:Yes)、発番号が拒否不能電話番号に該当するか否かを確認する(ステップS14)。つまり、制御部30は、通話中に、ステップ13、ステップ14およびステップ16を繰り返し判定する。
【0029】
制御部30が、発番号が拒否不能電話番号に該当しないと判定すると(ステップS14:No)、オフフックフラグF2を「0」に設定するとともに強制的にオンフックにして(ステップS15)、ステップS11以降の処理を行う。
一方、ステップS14において、制御部30が、発番号が拒否不能電話番号に該当すると判定すると(ステップS14:Yes)、ステップS16の処理に移行する。
【0030】
制御部30が、オフフックフラグF2が「0」に設定されていると判定すると(ステップS16:Yes)、通信を終了する(ステップS17)。そして、制御部30の表示制御部が、確認画像データを記憶部40の画像記憶領域41から読み出してドライバ22に入力することで、液晶ディスプレイ21上に発番号を着信拒否の対象に追加するか否かをユーザに問う着信拒否対象追加確認の表示がなされ(ステップS18)、その後ユーザの入力待ち状態となる(ステップS19)。
【0031】
入力待ち状態において、ユーザの入力があると(ステップS19:Yes)、制御部30は、登録フラグF3が「1」に設定されているか否かを確認する(ステップS20)。
登録フラグF3が「1」に設定されていると判定される場合(ステップS20:Yes)、発番号を着信拒否対象に追加し(ステップS21)、その後、着信拒否詳細設定(ステップS22)を行った後に終了する。
【0032】
一方、ステップS20において、登録フラグF3が「1」に設定されていないと判定すると(ステップS20:No)、そのまま処理を終了する。ここで、処理を終了する際には、全てのフラグF1,F2およびF3は、「0」に設定される。
<3−2>受付処理
携帯端末1が待ち受け状態にある場合、或いは図4のフローチャートに従って通話処理を行っている場合のいずれかに関わらず、ユーザがタッチパッド20に指等を接触させる(特定のキー操作を行う)と、割込みを発生して制御部30が図5のフローチャートに示す受付処理を実行する。
【0033】
まず、制御部30は、ユーザがタッチパッド20に指等を接触させると、割込みを発生するとともにタッチパッド20から接触位置を示す座標データを得て(ステップS61)、当該座標データに対応するマークの種類を特定する(ステップS62)。ここでは、制御部30が、画像記憶領域41に記憶された画像データそれぞれについて予め定めてある配置と対応づけて予め記憶している複数種類のマークの情報から座標データに対応するマーク(以下、対象キーと称す。)の種類を特定する。
【0034】
そして、制御部30は、対象キーが「着信拒否」キーであるか否かを確認する(ステップS63)。
制御部30が、「着信拒否」キーであると判定すると(ステップS63:YES)、制御部30は、更に、携帯端末が通話中であるか否かを確認する(ステップS64)。
制御部30が、通話中ではないと判定すると(ステップS64:NO)、登録フラグF3を「1」に設定して(ステップS66)受付処理を終了する。
【0035】
一方、ステップS64において、携帯端末が通話中であると判定される場合(ステップS64:YES)、制御部30は、着信拒否フラグF1を「1」に設定して受付処理を終了する。
また、ステップS63において、対象キーが「着信拒否」キーではないと判定される場合(ステップS63:NO)、制御部30は、更に、対象キーがオフフックキーであるか否かを確認する(ステップS67)。
【0036】
対象キーがオフフックキーであると判定される場合(ステップS67:YES)、制御部30は、初期状態で「0」の値をとるオフフックフラグF2を「1」に設定して(ステップS68)受付処理を終了する。
一方、ステップS67において、制御部30が、対象キーがオフフックキーでないと判定すると(ステップS67:NO)、更に、対象キーがオンフックキーであるか否かを確認する(ステップS69)。
【0037】
対象キーがオンフックキーであると判定される場合(ステップS69:YES)、制御部30は、オンフックフラグF2を「0」に設定して(ステップS70)受付処理を終了する。
一方、ステップS69において、オンフックキーでないと判定される場合(ステップS69:NO)、制御部30は、その他のキー(つまり、「着信拒否」キー、オンフックキーおよびオフフックキー)のいずれでもないキー)それぞれに対応する処理を行って(ステップS71)受付処理を終了する。
<3−3>登録処理
携帯端末1が待ち受け状態にある場合、或いは図4のフローチャートに従って通話処理を行っている場合のいずれかに関わらず、定期的に割込みを発生して制御部30が図6に示す登録処理を実行する。
【0038】
まず、制御部30は、登録フラグF3が「1」に設定されているか否かを確認する(ステップS81)。
登録フラグF3が「1」に設定されていないと判定した場合(ステップS81:NO)、制御部30は、登録処理を終了する。
一方、登録フラグF3が「1」に設定されていると判定された場合(ステップS81:YES)、制御部30が副液晶ディスプレイ1aに登録画面を表示する(ステップS82)。
【0039】
そして、制御部30は、ユーザが「OK」マーク1b(以下、「OK」キーと称す。)に指等を接触させることにより、「OK」キーの入力を受け付けたか否かを確認する(ステップS83)。
「OK」キーの入力を受け付けていないと判定された場合(ステップS83:NO)、制御部30は、「OK」キー以外のキーの入力を受け付けたか否かを確認する(ステップS86)。
【0040】
「OK」キー以外のキーの入力を受け付けていない場合(ステップS86:YES)、制御部30は、再びステップS83の処理に移行する。
一方、ステップS86において「OK」キー以外のキーの入力を受け付けた場合(ステップS86:NO)、制御部30は、登録処理を終了する。
また、ステップS83において、「OK」キーの入力を受け付けた場合(ステップS83:YES)、制御部30は、更に、電話番号入力が有ったか否かを確認する(ステップS84)。
【0041】
電話番号入力が有った場合(ステップS84:YES)、制御部30は、入力された電話番号を着信拒否の対象として登録して(ステップS85)割込み処理を終了する。一方、ステップS84において、電話番号入力が無かった場合(ステップS84:NO)、制御部30は、そのまま登録処理を終了する。
<変形例>
(1)前述の実施の形態では、携帯端末1が液晶ディスプレイ21およびタッチパッド20から構成されるタッチパネルを備えており、制御部30が通話中、液晶ディスプレイ21上にキーを表示させる例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、携帯端末が、表示装置(図示せず)とキー入力装置(図示せず)とを別個に備え、表示装置に表示される表示内容とキー入力装置のハードキーとをプログラム処理で対応付けておき、制御部30が、特定のハードキーを押下されるとキー操作を受け付けるものであってもよい。
【0042】
また、本変形例では、制御部30が、通話中、制御部30が、表示装置に着信拒否を表すGUI(グラフィカルユーザインターフェース)としての操作釦画像を表示し、着信時に発番号が拒否不能番号に一致すると判定すると、表示装置に当該操作釦画像を表示しないようにしてもよい。
(3)前述の実施の形態では、図4のステップS14において、発番号と一致する電話番号が、拒否不能電話番号格納領域43に格納されている電話番号の中に存在しないと判定されると、通話を一旦終了する例について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、通話終了を行わずに、着信拒否の対象に追加および着信拒否詳細設定を行うものであってもよい。
【0043】
本構成によれば、通話を突然切ることなく、以後の着信を拒否できるようにすることができる。
本変形例の動作を示すフローチャートを図7に示す。図7に示すステップS101乃至ステップS111の一連の処理は、図4に示した実施の形態1におけるステップS6乃至ステップS17の一連の処理に対応している。なお、以下の説明において実施の形態と同様の処理については適宜説明を省略する。
【0044】
本変形例では、制御部30が、ステップS107において着信拒否詳細設定を行った後、制御部30は、オフフックフラグF2が「0」に設定されているか否かを確認し(ステップS110)、オフフックフラグF2が「0」に設定されていないと判定した場合(ステップS110:NO)、着信拒否フラグF1が「1」に設定されているかを確認する(ステップS108)。ここで、制御部30は、着信拒否詳細設定を行った後に、着信拒否フラグF1を「0」に設定している。
【0045】
一方、ステップS110において、制御部30は、オフフックフラグF2が「0」に設定されていると判定すると(ステップS110:Yes)、通信を終了する(ステップS111)。
<補足>
(1)実施の形態に係る携帯端末1は、発呼者の電話番号(発呼者番号)が予め着信拒否の対象リストに登録された着信拒否の対象となる拒否対象番号のいずれかと一致すると着信拒否を行う携帯端末1であって、制御部30が、通話中か否かを判定し、通話中であれば呼び出し信号から発呼者番号を取得して発番号格納領域(保持部)32aに保持させる。更に、制御部30は、通話中と判定された場合、特定の操作を受け付けると、発番号格納領域32aに保持されている発呼者番号を着信拒否の対象リストに追加する。
【0046】
本構成によれば、通話開始後に追加操作を受け付けると発呼者を着信拒否の対象に加えることにより、通話開始後に発呼者を着信拒否の対象に追加することを望む場合に、一旦通話を終了させてから別途発呼者を着信拒否の対象に追加するための操作を行う必要がなくなるので、発呼者番号を着信拒否の対象に加えるまでの操作を簡素化することができる。
【0047】
(2)実施の形態に係る携帯端末1は、対象リストが、着信拒否の対象となる拒否対象番号と拒否対象番号毎に前記着信拒否に付随して行われる付随動作の内容を示す動作情報とを含み、対象リストを拒否対象電話番号/動作情報格納領域42に記憶している記憶部40と、制御部30が拒否対象番号と動作情報とを登録する登録操作を受け付けると拒否対象番号と動作情報とを関連付けて記憶部40の拒否対象電話番号/動作情報格納領域42に記憶させ、発呼者番号が拒否対象番号に一致すると判定すると、着信拒否を行うとともに動作情報を参照して付随動作を行う。
【0048】
本構成によれば、着信拒否に付随して行われる付随動作の内容を各拒否対象電話番号に対応付けて予め記憶部40の拒否対象電話番号/動作情報格納領域42に記憶しておくことにより、拒否対象電話番号毎に別個の付随動作を行わせることが可能となる。
(3)実施の形態に係る携帯端末1では、付随動作が、着信呼び出し音を鳴動させない動作、着信表示をしない動作および着信履歴を消去する動作の少なくとも1つであってもよい。
【0049】
本構成によれば、携帯端末1に、着信拒否に付随して、着信呼び出し音を鳴動させない、着信表示をしない、或いは着信履歴を消去するのいずれかを行わせることが可能となる。
(4)実施の形態に係る携帯端末1は、記憶部40が、更に、着信拒否の対象とすることができない拒否不能番号を拒否不能電話番号格納領域43に記憶し、且つ、制御部30が、更に、着信時に取得した発呼者番号が拒否不能番号に一致するか否かを判定し、発呼者番号が拒否不能番号に一致すると判定すると、通話中に受け付ける特定の操作を無効とする。
【0050】
本構成によれば、着信拒否の対象としたくない発呼者との通話中において、誤って発呼者を着信拒否の対象に追加するための追加操作が行われた場合であっても、当該発呼者が着信拒否の対象に追加されてしまうことを防止することができる。
(5)<変形例>(1)で説明した携帯端末1は、特定の操作の内容を表示する表示装置(図示せず)を備え、制御部30が、着信時に発呼者番号が拒否不能番号に一致しないと判定されたときに限り、表示装置に特定の操作の内容を表示させる。
【0051】
本構成によれば、通話中における不必要な表示をなくすことにより、表示装置の消費電力を低減することができる。
(6)実施の形態に係る携帯端末1は、液晶ディスプレイ21と液晶ディスプレイ21の表示画面上に配置されてなるタッチパッドとから構成されるタッチパネルを備えており、制御部30が、タッチパッド上における液晶ディスプレイ21に操作釦画像が表示された位置に対応する領域にタッチされると特定の操作を受け付け、発呼者番号が拒否不能番号に一致すると判定すると、液晶ディスプレイ21上に操作釦画像を表示せず、且つ、タッチパッド上の特定の操作を受け付ける領域への特定の操作を無効とする。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る携帯端末は、発呼者番号を着信拒否の対象へ追加する技術に適用される。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯端末
10 通信処理部
11 アンテナ
20 タッチパッド
21 液晶ディスプレイ(表示装置)
22 ドライバ
30 制御部(判定部、受付部、追加処理部)
31 CPU
32 主記憶部
32a 発番号格納領域(保持部)
40 記憶部
41 画像記憶領域
42 拒否対象電話番号/動作情報記憶領域
43 拒否不能番号記憶領域
60 音声処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発呼者番号が予め着信拒否の対象リストに登録された着信拒否の対象となる拒否対象番号のいずれかと一致すると着信拒否を行う携帯端末であって、
通話中か否かを判定する判定部と、
呼び出し信号から発呼者番号を取得して保持する保持部と、
操作を受け付ける受付部と、
通話中と判定された場合において、前記受付部が特定の操作を受け付けた場合、前記保持部に保持されている発呼者番号を着信拒否の前記対象リストに追加する追加処理を行う追加処理部と
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記対象リストは、着信拒否の対象となる拒否対象番号と前記拒否対象番号毎に前記着信拒否に付随して行われる付随動作の内容を示す動作情報とを含み、
前記対象リストを記憶している記憶部と、
前記受付部が前記拒否対象番号と前記動作情報とを登録する登録操作を受け付けると前記拒否対象番号と前記動作情報とを関連付けて記憶部に記憶させる登録記憶部と、
発呼者番号が前記拒否対象番号に一致すると判定されると、前記着信拒否を行うとともに前記動作情報を参照して前記付随動作を行う着信拒否部とを備える
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記付随動作は、着信呼び出し音を鳴動させない動作、着信表示を消す動作および着信履歴を消去する動作の少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記記憶部は、更に、前記着信拒否の対象とすることができない拒否不能番号を記憶し、且つ、前記判定部は、更に、着信時に取得した発呼者番号が前記拒否不能番号に一致するか否かを判定するものであって、
前記判定部により発呼者番号が前記拒否不能番号に一致すると判定されると、通話中に前記受付部が受け付ける前記特定の操作を無効とする無効部を備える
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記特定の操作の内容を表示する表示装置を備え、
前記無効部は、着信時に前記判定部により発呼者番号が前記拒否不能番号に一致しないと判定されたときに限り、前記表示装置に前記特定の操作の内容を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
操作釦画像を表示する表示装置と表示装置の表示画面上に配置されてなるタッチパッドとから構成されるタッチパネルを備え、
前記受付部は、前記タッチパネル上における操作釦画像が表示された位置に対応する領域にタッチされると前記特定の操作を受け付け、
前記無効部は、前記判定部により発呼者番号が前記拒否不能番号に一致すると判定すると、前記タッチパネル上に前記操作釦画像を表示せず、且つ、前記タッチパネル上の前記特定の操作を受け付ける領域への特定の操作を無効とする
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−147123(P2012−147123A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2438(P2011−2438)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】