説明

携帯通信端末、情報提供システム及び情報提供方法

【課題】基地局との通信を確立する際の携帯通信端末における基地局に応じた設定を自動で行う。
【解決手段】携帯通信端末は、無線通信網の基地局を介して無線通信によってデータの送受信を行う通信部と、少なくとも基地局との通信を確立するための設定情報をリーダライタから近距離通信により取得可能な非接触型ICチップ及びアンテナと、非接触型ICチップ及びアンテナにより取得した前記設定情報を基に、通信部と基地局との通信を確立する通信設定部62とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末、情報提供システム及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触通信の技術を利用して携帯通信端末により情報を取得する技術が様々ある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−244059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯通信端末は、無線LAN(Local Area Network)上のサーバから情報を取得するために無線LANに接続するには、その無線LANのアクセスポイント(基地局)に応じた設定がなされている必要がある。
しかし、そのような設定は手作業により行う必要があり、さらには、携帯通信端末の使用者は、場所を移動した場合には、別のアクセスポイントに応じた設定を再度行う必要がある。
【0005】
本発明の目的は、基地局との通信を確立する際の携帯通信端末における基地局に応じた設定を自動で行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、無線通信網の基地局を介して無線通信によってデータの送受信を行う無線通信手段と、少なくとも基地局との通信を確立するための設定情報を情報提供部から近距離通信により取得可能な近距離通信手段と、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立する通信確立手段と、を有することを特徴とする携帯通信端末である。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1の記載において、前記近距離通信手段は、前記情報提供部から前記設定情報とともにコンテンツの所在情報を取得し、前記近距離通信手段が取得したコンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段が取得したコンテンツ情報を使用者に報知するコンテンツ情報報知手段と、をさらに有することを特徴とする携帯通信端末である。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の記載において、前記近距離通信手段は、前記コンテンツの所在情報を複数取得し、前記近距離通信手段が取得した複数のコンテンツの所在情報を使用者に対して選択可能に報知する選択報知手段をさらに有し、前記コンテンツ取得手段は、前記選択報知手段により選択された何れかのコンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得することを特徴とする携帯通信端末である。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項の記載において、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記通信確立手段は、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立することを特徴とする携帯通信端末である。
また、請求項5に係る発明は、無線通信網に接続され、コンテンツを記憶するサーバと、前記無線通信網の基地局を介して無線通信によってデータの送受信が可能となるエリアに対して使用者が入退場する場所に設置され、前記基地局との通信を確立するための設定情報、及び前記コンテンツの所在情報を提供する情報提供部と、前記基地局を介して無線通信によってデータの送受信を行う無線通信手段、前記情報提供部から近距離通信により情報を取得可能な近距離通信手段、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立する通信確立手段、前記近距離通信手段が取得したコンテンツの所在情報を基に、前記サーバからコンテンツを取得するコンテンツ取得手段、及び前記コンテンツ取得手段が取得したコンテンツ情報を使用者に報知するコンテンツ情報報知手段を有する携帯通信端末と、を有する情報提供システムである。
【0010】
また、請求項6に係る発明は、前記無線通信網の基地局との通信を確立するための設定情報及びコンテンツの所在情報を情報提供部から近距離通信により携帯通信端末が取得し、前記携帯通信端末が、取得した前記設定情報を基に、前記無線通信網の基地局との間の通信を確立し、前記携帯通信端末が、通信を確立した前記基地局を介して、取得した前記コンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得し、前記携帯通信端末が、取得したコンテンツ情報を使用者に報知することを特徴とする情報提供方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、近距離通信手段が情報提供部から取得した設定情報を基に、無線通信手段と基地局との通信を確立することにより、無線通信手段と基地局との通信を確立する際の携帯通信端末における基地局に応じた設定を自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の情報提供システムの構成を示す図である。
【図2】ゲートの構成例を示す図である。
【図3】携帯通信端末の構成を示す図である。
【図4】携帯通信端末の外観を示す図である。
【図5】CPUの制御内容を機能ブロックとして示す図である。
【図6】不揮発性メモリへの情報の記憶態様の例を示す図である。
【図7】動作、作用等を説明する図である。
【図8】情報提供システムを適用して美術館において情報を提供する例を説明する図である。
【図9】2つのサイネージエリアA、Bに対応して、SSID、鍵及びURLの各種情報が不揮発性メモリに記憶される例を示す図である。
【図10】美術館への入館者が、所持する携帯通信端末からコンテンツの提供を受ける例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(構成)
本実施形態は、情報提供システムである。
図1は、本実施形態の情報提供システム1の構成を示す。
図1に示すように、情報提供システム1は、ゲート10、携帯通信端末20、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(基地局)30、及びコンテンツサーバ40を有する。
【0014】
図2は、ゲート10の構成例を示す。図2に示すように、リーダライタ(R/W)11及び記憶部12を有する。
リーダライタ11は、後述のように、携帯通信端末20がかざされると、携帯通信端末20の非接触型ICチップ22との間で非接触による通信(又は近距離通信)を行い、記憶部12に記憶されている情報を携帯通信端末20に送信する。
【0015】
記憶部12には、無線LANのアクセスポイント30との通信を確立するのに必要な情報、具体的には、SSID(Service Set IDentifier)及び鍵の各種情報が記憶されている。ここで、SSIDは、アクセスポイント30の識別子となる。また、鍵は、暗号化通信を行う際に必要となる情報である。例えば、このような鍵には、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)で規定される鍵がある。
【0016】
なお、本実施形態では、SSIDや鍵の情報は、アクセスポイントとの無線通信を行う際に、該アクセスポイントに対応するものとして携帯通信端末20側で設定が必要になる情報であるが、記憶部12に記憶される情報は、そのようなアクセスポイントに対応するものとして携帯通信端末20側で設定が必要になる情報であれば、これらのSSIDや鍵の情報に限定されないことは言うまでもない。
【0017】
さらに、記憶部12には、コンテンツの所在情報となる、URL(Uniform Resource Locator)の情報が記憶されている。
なお、ゲート10は、アクセスポイント30を介して無線通信によってデータの送受信が可能となるエリアに対して使用者が入退場する場所に設置されている。例えば、後述するように、ゲート10は、アクセスポイントが設けられている美術館等の施設に配置されている。このゲート10は、駅の改札口に有るように、該ゲート10の通過を制限するような機械的構造を有していても良い。
【0018】
携帯通信端末20は、ゲート10のリーダライタ11との間で非接触による通信を行うこと、及びアクセスポイント30を介してLANに接続することができるように構成されている。携帯通信端末20の構成については後で詳述する。
コンテンツサーバ40は、LANやインターネット等の通信網50に接続されており、要求に応じて携帯通信端末20にコンテンツデータを送信する。
【0019】
図3は、携帯通信端末20の構成を示す。
図3に示すように、携帯通信端末20は、CPU21、非接触型ICチップ22、アンテナ23、通信部24、不揮発性メモリ25、出力用バッファメモリ26、操作部27、及び表示部28を有する。
非接触型ICチップ22は、アンテナ23を介して外部のリーダライタ(本実施形態ではゲート10のリーダライタ11)と通信を行い、データを取得する。例えば、非接触型ICチップ22は、NFC(Near Field Communication)規格対応の非接触型ICチップである。
【0020】
不揮発性メモリ25には、種々のデータ、プログラムが記憶される。本実施形態では、不揮発性メモリ25には、非接触型ICチップ22が通信により取得した情報、すなわち、SSID、鍵及びURLの各種情報が記憶される。
通信部24は、アクセスポイント30を介して通信を行う。本実施形態では、通信部24は、不揮発性メモリ25に記憶されたSSID及び鍵の情報を基にアクセスポイント30と間で内蔵のアンテナ24aを介して通信を確立させてから、対象となるデータの送受信を行う。このとき、通信部24は、不揮発性メモリ25に記憶されたURL(コンテンツサーバ40)にアクセスして、コンテンツデータを取得する。
【0021】
出力用バッファメモリ26には、コンテンツデータが一時的に記憶される。本実施形態では、出力用バッファメモリ26には、通信部24を介して取得したコンテンツデータとしての文章データや静止画像データ、動画像データが記憶される。
操作部28は、使用者により操作されて、操作に応じた情報が入力される。
表示部28は、例えば液晶表示画面であり、各種情報が表示される。本実施形態では、出力用バッファメモリ26に記憶された文章や静止画像、動画像が表示される。
【0022】
図4は、携帯通信端末20の外観を示す。
図4に示すように、携帯通信端末20は、前記図3に示した構成が収納されている筐体20aの表面に操作部27及び表示部28を有する。
CPU21は、前述の構成を各種のプログラムやデータを用いて制御する。
図5は、CPU21の制御内容を機能ブロックとして示す。
【0023】
図5に示すように、CPU21は、データ取得部61、通信設定部62、通信処理部63、選択処理部64、コンテンツデータ取得部65、及び出力処理部66を有する。
データ取得部61は、非接触型ICチップ22によりSSID、鍵及びURLの各種情報を取得し、取得したそれら情報を不揮発性メモリ25に記憶させる。
【0024】
図6は、不揮発性メモリ25への情報の記憶態様の例を示す。
図6に示すように、不揮発性メモリ25には、SSID、鍵及びURLの各種情報が対応して記憶される。また、この例では、2つのURLの情報を取得している。
また、データ取得部61は、既に不揮発性メモリ25に記憶しているアクセスポイントのものとは異なるアクセスポイントのSSID、鍵及びURLの各種情報をさらに得た場合、そのようにさらに得た各種情報も不揮発性メモリ25にさらに記憶させていく。
【0025】
通信設定部62は、無線LANによる通信を確立するための設定処理を行う。具体的には、通信設定部62は、不揮発性メモリ25に記憶されたSSID及び鍵の情報を基に、無線LANによる通信を確立するための内部設定(例えば通信処理部63の設定)をして、アクセスポイント30にアクセスしてその通信を確立させる。
通信処理部63は、通信部24により外部装置との通信を行う。本実施形態では、通信処理部63は、不揮発性メモリ25に記憶されたURLのコンテンツサーバ40にアクセスして、コンテンツサーバ40からコンテンツデータを受信する。
【0026】
また、図6に示すように、不揮発性メモリ25にURLの情報が2つ又はそれ以上記憶されている場合、すなわち、ゲート10から2つ又はそれ以上のURLの情報を取得した場合には、選択処理部64は、表示部28にそれら全てのURLそのもの、又はURLに対応するタイトルを選択可能に表示する。そして、この場合、通信処理部63は、そのように表示部28に表示され、操作部27が操作されて選択された一のURLを基にコンテンツサーバ40にアクセスしてコンテンツデータを受信する。
【0027】
CPU21は、このように通信処理部63により受信したコンテンツデータ(文書データ、静止画像データ、動画像データ等)を出力用バッファメモリ26に記憶させる。
出力処理部66は、出力用バッファメモリ26に記憶されたコンテンツデータを基に、文章、静止画像又は動画像等の各種の情報を表示部28に表示する。
【0028】
(動作、作用等)
動作、作用等を図7を用いて説明する。
図7に示すように、携帯通信端末20をゲート10(リーダライタ11)にタッチさせると、携帯通信端末20は、非接触通信により、ゲート10からSSID、鍵及びURLの各種情報を受信する。そして、携帯通信端末20は、受信したSSID、鍵及びURLの各種情報を不揮発性メモリ25に記憶する。
これにより、携帯通信端末20は、不揮発性メモリ25に記憶したSSID及び鍵の情報を基に、アクセスポイント30との通信を確立させ、その後、その確立した通信の下、不揮発性メモリ25に記憶したURL(コンテンツサーバ40)にアクセスして、コンテンツデータを受信する。
【0029】
そして、携帯通信端末20は、受信したコンテンツデータを出力用バッファメモリ26に記憶して、記憶したコンテンツデータを基に、コンテンツ情報である文章、静止画像又は動画像等の各種の情報を表示部28に表示(報知)する。
【0030】
図8を用いて、前述の情報提供システムを適用して美術館において情報を提供する例を説明する。
図8に示すように、美術館に適用した情報提供システムでは、モバイルサイネージを実現できるように、美術館に設けられた複数のサイネージエリア(本実施形態の例では2つのサイネージエリアA、B)にアクセスポイント30a,30b及びゲート10a,10bを複数セット(本実施形態の例では2セット)配置している。
【0031】
これにより、美術館への入館者がサイネージエリアAのゲート10aの通過時に、所持する携帯通信端末20をゲート10aのリーダライタ11にタッチさせると、携帯通信端末20の不揮発性メモリ25には、そのサイネージエリアAのアクセスポイント30aに接続するためのSSID及び鍵の情報、並びにサイネージエリアAの絵画等の美術品に関連するコンテンツを取得するためのURLの情報が記憶される。
【0032】
そして、携帯通信端末20は、不揮発性メモリ25に記憶したSSID及び鍵の情報を基に、サイネージエリアAのアクセスポイント30aとの通信を確立させ、その確立した通信の下、不揮発性メモリ25に記憶したURL(コンテンツサーバ40)にアクセスして、コンテンツデータを受信する。
そして、携帯通信端末20は、受信したコンテンツデータを出力用バッファメモリ26に記憶して、記憶したコンテンツデータを基に、サイネージエリアAの絵画等の美術品に関連する文章、静止画像又は動画像等の各種の情報を表示部28に表示する。
【0033】
また、美術館への入館者が別のサイネージエリアBのゲート10bの通過時に、所持する携帯通信端末20をゲート10bのリーダライタ11にタッチさせると、携帯通信端末20の不揮発性メモリ25には、そのサイネージエリアBのアクセスポイント30bと接続するためのSSID及び鍵の情報、並びにサイネージエリアBの絵画等の美術品に関連するコンテンツを取得するためのURLの情報が記憶される。
【0034】
そして、携帯通信端末20は、不揮発性メモリ25に記憶したSSID及び鍵の情報を基に、サイネージエリアBのアクセスポイント30bとの通信を確立させ、その確立した通信の下、不揮発性メモリ25に記憶したURL(コンテンツサーバ40)にアクセスして、コンテンツデータを受信する。
そして、携帯通信端末20は、受信したコンテンツデータを出力用バッファメモリ26に記憶して、記憶したコンテンツデータを基に、サイネージエリアBの絵画等の美術品に関連する文章、静止画像又は動画像等の各種の情報を表示部28に表示する。
【0035】
例えば、同一人物が前述の2つのサイネージエリアA、B間を移動した場合、すなわち同一の携帯通信端末20で2つのサイネージエリアA、B間を移動した場合には、図9に示すように、不揮発性メモリ25には、2つのサイネージエリアA、Bに対応して、SSID、鍵及びURLの各種情報が記憶される。例えば、不揮発性メモリ25には、テーブルの態様とされて、サイネージエリア毎又はアクセスポイント毎にそれらの各種情報が記憶される。
【0036】
以上のような情報提供システムにより、図10に示すように、美術館への入館者は、自己が居るサイネージエリア内の絵画100を説明する文章や画像等を、所持する携帯通信端末20から提供を受けるようになる。
なお、前述の実施形態では、通信部24は、例えば無線通信手段を実現している。また、リーダライタ11及び記憶部12は、例えば情報提供部を実現している。また、非接触型ICチップ22及びアンテナ23は、例えば近距離通信手段を実現している。また、通信設定部62は、例えば通信確立手段を実現している。また、コンテンツデータ取得部65は、例えばコンテンツデータ取得手段を実現している。また、出力処理部66及び表示部28は、例えばコンテンツ情報報知手段を実現している。また、操作部27、表示部28及び選択処理部64は、例えば選択報知手段を実現している。また、不揮発性メモリ25は、例えば記憶部を実現している。
【0037】
(効果)
前述のように、本実施形態では、SSID及び鍵の情報をゲート10のリーダライタ11側に保持させて、携帯通信端末20が、リーダライタ11との間で非接触通信によりSSID及び鍵の情報を取得し、取得したSSID及び鍵の情報を基に、無線LANのアクセスポイント30との通信を確立させている。
【0038】
これにより、本実施形態では、携帯通信端末20(通信部24)とアクセスポイント30との通信を確立する際の携帯通信端末20(通信部24)における基地局に応じた設定を自動で行うことができる。
よって、本実施形態では、たとえ携帯通信端末20がSSIDや鍵の設定情報を1つしか記憶できなかったり、1つしか設定することができなかったりするような場合に、異なるサイネージエリアに移動するなどしたときでも、その都度、アクセスポイントの設定を手入力することなく、自動的にその設定がなされるようになる。
【0039】
また、本実施形態では、コンテンツのURLの情報をゲート10のリーダライタ11側に保持させて、携帯通信端末20が、リーダライタ11との間で非接触通信によりURLの情報を取得し、取得したURLの情報を基に、アクセスポイント30との間で確立した通信の下、コンテンツサーバ40からコンテンツデータを取得し、そのコンテンツ情報を使用者に報知している。
【0040】
これにより、本実施形態では、携帯通信端末20の使用者は、ゲート10を通過するだけで、コンテンツのURL等を手入力で設定することなく、無線LANを介してコンテンツ情報の提供を受けることが可能になる。
また、本実施形態において、複数のコンテンツのURLの情報をゲート10のリーダライタ11側に保持させて、携帯通信端末20では、リーダライタ11との間で非接触通信により取得した複数のURLの情報の何れかを選択可能にしている。
【0041】
これにより、本実施形態では、携帯通信端末20の使用者は、好みのコンテンツ情報の提供を受けることが可能になる。
また、本実施形態では、複数のアクセスポイントに関するSSID及び鍵の情報を不揮発性メモリ25に記憶し、携帯通信端末20(通信設定部62)は、不揮発性メモリ25に記憶した複数のSSID及び鍵の情報の何れかを基に、無線LANのアクセスポイント30との通信を確立させている。
【0042】
これにより、以前接続したアクセスポイントに再度接続するような場合でも、携帯通信端末20は、ゲート10からSSID及び鍵の情報を再度取得することなく、アクセスポイントに再度接続することができる。
よって、例えば、使用者が以前行ったことがあるサイネージエリアに立ち寄るような場合でも、携帯通信端末20は、素早くそのサイネージエリアのアクセスポイントに接続することができる。
【0043】
この場合、例えば、使用者は、再度接続するための予め決められた操作を操作部27にするだけで、ゲート10を通過することなく、又はゲート10で携帯通信端末20によるタッチ行為をすることなく、そのサイネージエリアにおいてコンテンツの提供を受けることができるようになる。
【0044】
(実施形態の変形例)
本実施形態では、ゲート10の記憶部12に記憶されているアクセスポイント30との通信を行うための情報が、アクセスポイント30の情報を基に、自動的に書き換えられ又は更新されるようにすることもできる。この場合、ゲート10は、CPUの機能等による書き換え処理部を備え、書き換え処理部が、サーバ等から取得したアクセスポイント30の情報(変更情報)等を基に、記憶部12の情報を書き換え又は更新する。
【0045】
また、本実施形態では、携帯通信端末20がコンテンツデータに基づく報知処理が終了したとき、別のコンテンツデータに基づく報知処理を行うか否かを使用者に選択させるための選択画面を表示部28に表示することもできる。ここで、コンテンツデータに基づく報知処理の終了とは、文章や静止画像を一定時間表示したり、動画像の再生が終了したときである。また、別のコンテンツデータに基づく報知処理を行う場合としては、携帯通信端末20が、ゲート10のリーダライタ11から複数のURLを取得しているような場合が考えられる。
【0046】
また、本実施形態では、複数のURLを優先順位の情報とともにゲート10のリーダライタ11の記憶部12に記憶することもできる。この場合、携帯通信端末20は、リーダライタ11から複数のURLの情報を取得した場合、その情報に付加されている優先順位の情報を基に、優先順位の高いURLにアクセスして、コンテンツデータを取得する。
また、本実施形態では、ゲート10のリーダライタ11からURLを1つだけ取得した場合、携帯通信端末20は、手動により(使用者による許可の操作がなされた場合に限り)そのURLにアクセスしてコンテンツデータを取得することもできる。
【0047】
また、本実施形態では、サイネージエリア内に別途リーダライタを設けておくこともできる。これにより、使用者は、ゲート10のリーダライタ11にタッチしてアクセスポイント30との通信を確立させ、その後、美術品の近く(例えば絵画の掛けてある壁)に設置されている別のリーダライタにタッチすることで、そのリーダライタから取得したURLを基に、その美術品に関連するコンテンツ情報を取得できるようになる。
【0048】
また、本実施形態では、リーダライタがゲート10に設けられていることに限定されない。例えば、美術館であれば、美術品の近く(例えば絵画の掛けてある壁)にリーダライタを設置することができる。これにより、使用者は、携帯通信端末20をリーダライタにタッチすることで、アクセスポイント30との通信を確立させると同時に、その確立した通信によりコンテンツ情報を取得できるようになる。
【0049】
また、本実施形態では、携帯通信端末20は、美術館に設置される専用の携帯通信端末であっても良く、使用者が所有する携帯電話等の携帯通信端末であっても良い。また、携帯通信端末20は、ICカードのようなものであっても良い。
また、本実施形態では、携帯通信端末20側がリーダライタを有して、ゲート10が有するICチップからSSID、鍵及びURL等の各種情報を取得することもできる。
【0050】
また、本実施形態では、美術館に限らず、他の施設にも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 情報提供システム、10 ゲート、11 リーダライタ(情報提供部)、12 記憶部(情報提供部)、20 携帯通信端末、21 CPU、22 非接触型ICチップ(近距離通信手段)、23 アンテナ(近距離通信手段)、24 通信部(無線通信手段)、25 不揮発性メモリ、26 出力用バッファメモリ、27 操作部(選択報知手段)、28 表示部(コンテンツ情報報知手段、選択報知手段)、30 アクセスポイント(基地局)、40 コンテンツサーバ(サーバ)、61 データ取得部、62 通信設定部(通信確立手段)、63 通信処理部、64 選択処理部(選択報知手段)、65 コンテンツデータ取得部(コンテンツデータ取得手段)、66 出力処理部(コンテンツ情報報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網の基地局を介して無線通信によってデータの送受信を行う無線通信手段と、
少なくとも基地局との通信を確立するための設定情報を情報提供部から近距離通信により取得可能な近距離通信手段と、
前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立する通信確立手段と、
を有することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記近距離通信手段は、前記情報提供部から前記設定情報とともにコンテンツの所在情報を取得し、
前記近距離通信手段が取得したコンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段が取得したコンテンツ情報を使用者に報知するコンテンツ情報報知手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記近距離通信手段は、前記コンテンツの所在情報を複数取得し、
前記近距離通信手段が取得した複数のコンテンツの所在情報を使用者に対して選択可能に報知する選択報知手段をさらに有し、
前記コンテンツ取得手段は、前記選択報知手段により選択された何れかのコンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記通信確立手段は、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
無線通信網に接続され、コンテンツを記憶するサーバと、
前記無線通信網の基地局を介して無線通信によってデータの送受信が可能となるエリアに対して使用者が入退場する場所に設置され、前記基地局との通信を確立するための設定情報、及び前記コンテンツの所在情報を提供する情報提供部と、
前記基地局を介して無線通信によってデータの送受信を行う無線通信手段、前記情報提供部から近距離通信により情報を取得可能な近距離通信手段、前記近距離通信手段が取得した前記設定情報を基に、前記無線通信手段と前記基地局との通信を確立する通信確立手段、前記近距離通信手段が取得したコンテンツの所在情報を基に、前記サーバからコンテンツを取得するコンテンツ取得手段、及び前記コンテンツ取得手段が取得したコンテンツ情報を使用者に報知するコンテンツ情報報知手段を有する携帯通信端末と、
を有する情報提供システム。
【請求項6】
前記無線通信網の基地局との通信を確立するための設定情報及びコンテンツの所在情報を情報提供部から近距離通信により携帯通信端末が取得し、
前記携帯通信端末が、取得した前記設定情報を基に、前記無線通信網の基地局との間の通信を確立し、
前記携帯通信端末が、通信を確立した前記基地局を介して、取得した前記コンテンツの所在情報を基に、前記無線通信網に接続されているサーバからコンテンツを取得し、
前記携帯通信端末が、取得したコンテンツ情報を使用者に報知する
ことを特徴とする情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−134932(P2012−134932A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287531(P2010−287531)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】