説明

携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化のための機械

本発明は、携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化のための機械であって、ローディングステーションと、少なくとも1つのレーザまたはインクジェットマーキングステーションおよび/または検査ステーションおよび/またはラベル貼付ステーションを含む複数の処理ステーションと、排除ステーションと、カスタム化済みオブジェクトのアンローディングステーションと、を含む機械に関する。本発明は、搬送装置が、閉ループ経路に沿って配置された複数の可動部品を含み、各可動部品は、経路に沿って移動させられ、可動部品によって移動させられるプログラミングカードに結びつけられた符号化ヘッドにしっかりと接続されていることを特徴とする。符号化ヘッドは、経路に沿ってローディングステーションから、部品の電子的カスタム化を同時に実行する少なくとも1つの処理ステーションへ、そして出口かまたは排除ステーションへと連続的に移動させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化のための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、電子オブジェクト通信の電気的カスタム化システムに関する。これらは、スマートカード、USBドライブ、またはこのオブジェクトに埋め込まれた部品のプログラミングを必要とするオブジェクトであってもよい。
【0003】
電気的カスタム化は、プログラムすべきオブジェクトとプログラミングシステムとの間で電気的接触することによって、または非接触通信を用いることによって、オブジェクトに埋め込まれた部品をプログラムすることからなる。
【0004】
携帯オブジェクトは、少なくとも1つのマイクロプロセッサ、およびその領域が外部アクセス(書き込みおよび読み出し)から保護されている少なくとも1つのプログラマブル不揮発性メモリが設けられた電子部品を含む、いずれかのオブジェクトである。この部品は、それ自体が、たとえばオブジェクトの所有者の身分証明写真、オブジェクトの所有者を表すデータ、バーコード、マトリクスコード、英数字データのエンボス加工、指紋のエッチング、広告などのセキュリティ要素によって描画的にカスタム化されることが可能な、筐体または支持体に挿入されている。この描画的カスタム化は一般的に、携帯オブジェクト内に配置された部品のメモリ内に書き込まれた電子的カスタム化のバイナリデータと相関関係になければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術より知られるカスタム化機械は複数のステーションを含み、第一ステーションが電気的カスタム化を可能にしていた。このカスタム化から出た携帯オブジェクトは、写真の印刷またはレーザエッチングのために別のステーションに搬送され、第三ステーションがエンボス加工などを可能にした。これらの機械は一般的に、オブジェクトに向けてまたはオブジェクト内に導入されるべき電子的または描画的カスタム化要素として、可能な限り多くのステーションを含んでいた。携帯オブジェクトは、その後全てのカスタム化操作が完了したときに機械の末端においてアンローディングされるように、1つのステーションから別のステーションへ搬送手段によって連続的に搬送された。各ステーションにおけるこれらの搬送およびローディング/アンローディング操作は、オブジェクトの落下、これらオブジェクトの不完全な配置、および得られたアセンブリの動作の結果的な破壊の、潜在的な原因であった。これらの様々な取り扱い操作は、いくつかのオブジェクトが落下したり不良の検出の結果として排除されたりしたので、コンピュータシステムによって最初に与えられた順序ではない、カスタム化されたオブジェクトのバッチとなる可能性があり、オブジェクトの順序は、機械を構成する全てのステーションを管理するコンピュータシステムのカスタム化データファイルの順序に正確に従うわけではない。
【0006】
本機械の目的は、先に特定された不都合の1つ以上を排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の第一の目的は、カスタム化されたオブジェクトの、ローディングステーションと、少なくとも1つのレーザジェットまたはインクジェットマーキングステーションおよび/または検査ステーションおよび/またはラベル貼付ステーションを含む複数の処理ステーションと、排除ステーションと、アンローディングステーションと、を含み、搬送装置は、閉ループ経路による、少なくとも1つの可動部品を含み、各可動部品は経路に沿って移動させられ、可動部品によって一緒に移動するプログラミングカードに接続された符号化ヘッドに接続されており、経路は、部品の電子的カスタム化を同時に実行することによって1つのローディングステーションから少なくとも1つの処理ステーションへ、そして出力へ、または排除ステーションへ、符号化ヘッドを誘導することを特徴とする、携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化のための機械によって達成される。
【0008】
特定の特徴によれば、機械は、機械の異なるステーションの制御、および搬送装置の駆動手段の制御を保証する、処理ユニットを含む。
【0009】
別の特定の特徴によれば、プログラミングカードは、処理ステーションによる携帯オブジェクトの処理の最中でも、携帯オブジェクトの部品の電子的カスタム化を保証する。
【0010】
別の特定の特徴によれば、処理ステーションはチェックステーションであり、ステーションによって実行される、不良と見なされる制御は、処理ユニットによって実行される機械の操作プログラムから処理ユニットによって実行されるインシデント処理プログラムへの転換を引き起こし、このプログラムは、その不良状態が検出されたオブジェクトの特殊再構築サイクル、不良部品の電子的プログラミングの中断、別の部品のプログラミングを継続しながらの、廃棄排除位置でエラーが検出された位置から携帯オブジェクトを案内するための搬送装置の制御、次にプログラムされる携帯電子オブジェクトをローディングするためのローディングステーションへの現在空いている符号化ヘッドの移動、そして同時に、排除された携帯オブジェクトに最初に提供されたデータを用いて、新たにロードされた符号化ヘッドに接続されたプログラミングカードの再ローディング、ならびに不良検出位置と入力ステーションとの間に位置するステーションからのデータの再ローディング、次に不良が検出された位置に到達するまで交換されたオブジェクトに対応するデータを用いて、各ステーションでの動作の再開を保証する。
【0011】
別の特定の特徴によれば、符号化ヘッドの接触手段は、電気的カスタム化の間にオブジェクトに対する描画的または外部カスタム化操作を可能にするために、携帯接触オブジェクトの場合の接触領域を除いて、携帯オブジェクトのその他全ての領域への自由なアクセスを提供するように、配置されている。
【0012】
別の特定の特徴によれば、コンピュータシステムのメモリは、以下の各オブジェクトを含む:
−固有識別子、
−初期データに関する情報(たとえば、データファイル名、データファイル内のこのオブジェクトの位置など)、
−カスタム化の役割を果たす可変データ(たとえば、フルネーム、有効期限、写真、バーコードなど)、
−オブジェクトの状態(有効オブジェクト、不良オブジェクト)およびエラーの種類(たとえば、機械的不良に続く、チップまたはレーザのプログラミング中のエラー)。
【0013】
別の特定の特徴によれば、機械管理ソフトウェアは、機械の通常サイクルおよびオブジェクトの特殊再構築サイクルを管理する。
【0014】
別の特定の特徴によれば、ソフトウェアは、現在の状態で、コンピュータシステム(8)のメモリを、機械のその物理的位置にあるオブジェクトのリストに関連づける。
【0015】
別の特定の特徴によれば、オブジェクトの特殊再構築サイクルの間、機械の状態、識別子、およびオブジェクトの状態は、再構築サイクルの開始の前と同じ状態で機械を再位置決めするために、特定のデフォルトメモリ内に保存され、再構築サイクルの間に実行されるソフトウェアの手順は、以下を含む:
−専用デフォルトメモリ内での機械状態の保存、
−不良として検出されたオブジェクトを排除ステーションの反対側へ持っていくための搬送部の回転であって、その他のオブジェクトの電気的カスタム化操作は継続し、これらその他のオブジェクトの機械のその他のステーションに提供される操作は停止している、
−不良オブジェクトの排出順序、
−空きステーションをローディングステーションの前に持っていって新しいオブジェクトをローディングするための、搬送部(4)の移動順序、
−不良オブジェクトを交換して、オブジェクトに接続された符号化ヘッドの全操作が再実行されるための、完全サイクルの再開、
−各ステップで、状態メモリ内に機械の状態を保存、
−各ステップで機械の状態を記憶する作業メモリと専用メモリ内に記録された情報との比較によって、機械の現在の状態が、再構築サイクルの開始に先立って専用メモリに保存された機械状態に一旦対応したら、特殊再構築サイクルを停止すること、
−オブジェクトを次のステーションに搬送することによって、および機械の状態メモリの情報にしたがってステーション内に存在するオブジェクトに関連づけられた情報を、各ステーションの制御カードにロードすることによってこれらが中断されたところの操作を再開することによって、通常サイクルを通じてプロセスを継続すること。
【0016】
その他の具体的特徴および利点は、本発明の説明的実施形態を示す添付図面を参照して記載される以下の説明から、より明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるカスタム化システムの前面図である。
【図2】本発明によるカスタム化システムの背面図である。
【図3】携帯オブジェクトの電気的プログラミング手段、および特に符号化ヘッドに接続されたプログラミングカードの直列ネットワーク連鎖化の一例を示す図である。
【図4】符号化ヘッドの各々のプログラミングカードのツリー構造におけるネットワークの別の配線例を示す図である。
【図5】プログラミングカードの数に応じて接続されるリレーの数を表す表である。
【図6】携帯接触オブジェクトの場合の符号化ヘッドの実施形態の斜視図である。
【図7】携帯オブジェクトの電子回路の電気的プログラミング中に別の操作に利用可能な携帯オブジェクトの領域の模式的な上面図および底面図である。
【図8】8つの符号化ヘッドおよび4つの並列処理ステーションを含むタイプの機械の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化機械のアーキテクチャ機構を記載する。この機械は、機械の各ステーションにおいて、たとえば制御、描画的カスタム化の機能など、オブジェクトに対してその他の操作の搬送および実行の間、オブジェクトの電子回路の電気的カスタム化が継続するのと同時に、オブジェクトの電気的プログラミングの機能を組み合わせる具体的特徴を有する。電気的カスタム化搬送部(4)は、機械の核である。
【0019】
その主要機能は、各オブジェクトが好適な製造プロセスに従うように、(たとえば)レーザマーキングまたはインクジェットステーション(P3)、カメラ検査ステーション(P4)、ラベル貼付ステーション(P5)、廃棄−排除ステーション(P6)、アンローディングステーション(P2)など)、電子オブジェクトをステーションからステーションへ搬送することからなる。この搬送機能は、カスタム化、レーザエッチング、ラベル貼付などの機械の全ての既存アセンブリに見られる。
【0020】
搬送装置(4)は、閉ループ経路にしたがって移動するように配置された複数の可動部品を含み、各可動部品は、経路に沿って移動させられ、符号化ヘッド(6)に接続されている。
【0021】
本発明のカスタム化搬送部(4)の第二の役割は、プログラマ(5)に接続された符号化ヘッド(6)によるその移動の間に電子オブジェクト(OP)をプログラムすることからなる。このためオブジェクトが入力ローディングステーション(P1)から排出され、その後位置iで搬送部(4)に挿入されるとすぐにオブジェクト(OP)の電子回路のプログラミング機能を保証するプログラミングカード(5i)とのリンクが確保され、部品のプログラミングがただちに開始する。これが異なる処理ステーション(P3、P4、P5)に向かって移動するにつれて、オブジェクト(OP)は、出力アンローディングステーション(P2)から排出されるかまたはステーション(P6)の廃棄箱で排出されるまで、平行してプログラムされ続ける。
【0022】
移動中もオブジェクトのプログラミングが継続することを保証するために、各電気的符号化ヘッド(6)はプログラマ(5)と結合される。プログラマ(5)は、各移動符号化ヘッドに接続され、ヘッドと同時に移動させられる。
【0023】
移動プログラマ(5)とデータ(8)を管理および配布するためのシステム(たとえばPC)との間の電気的接続は、回転コレクタまたは回転継ぎ手(7)によって保証される。
【0024】
たとえば無線リンク、またはいずれかの方向への限定移動を可能にする有線リンクなど、データの送信およびプログラマ(5)への供給のためのその他いずれの装置が使用されてもよい。
【0025】
システムの利点:
−このようなアーキテクチャは、2つの機能を1つにまとめる(搬送機能および電気的プログラミング機能)。これは占有面積および費用を削減する。兼用システムは、ステーションからステーションへオブジェクトを運搬するための搬送システムを有する。機械のステーションの1つは、そのプログラミングを考慮して、オブジェクトの蓄積のためのシステムからなる。したがって、該システムは搬送によって管理されるので、この追加ステーションは、本発明には存在しない。
−オブジェクトのプログラミング時間は数分かかる場合があるので、本発明のアーキテクチャは、プログラミング(機械へのその導入から出力まで)に最大時間を与える。オブジェクトはまた、機械の片側にオブジェクトを挿入してこれらを反対側から出させる既存の機械と比較して、下部の戻り時間の恩恵も受ける。
−オブジェクトまたはチップカードのカスタム化のいくつかの用途では、機械出力において、オブジェクトの順序が尊重され、データファイルの順序にほぼ従うことが要求される。
−オブジェクトの製造中、不良オブジェクトの自動排除を必要とするいくつかの種類の不良が発生する可能性がある。これは、オブジェクトのプログラミング中の電気的不良、またはオブジェクトへのマーキング中に発生する描画不良の可能性がある。当該機械に関連づけられた機械的不良と同様に、視覚的制御不良が存在する可能性もある。
−先行技術において周知のこれらの機械について、システムはオブジェクトを再製すること、および適切な場所の機械出力において再挿入することが物理的に不可能なので、自動的に排除されるこのような不良オブジェクトは、シーケンスにギャップを作り出す。
−結果的に、不良オブジェクトまたは現在製造中のオブジェクトを再製造する必要がある。すると作業者は、製造されたオブジェクトをバッチ全体の中に差し込む責任が出てくる。このような操作は、時間、すなわち場合により単一のオブジェクトを再製するための機械停止時間に関して高コストであり、シーケンスへの手動挿入の際のエラーの原因となる。
−オブジェクトが機械によって不良と見なされた場合(プログラミングエラー)、廃棄排除ステーション(P6)の反対側に当該オブジェクトの符号化ヘッド(6i)を持っていくためにプログラミング搬送部を移動させることが可能である。そこでオブジェクトが排出される。次に搬送部は、新しいオブジェクトが挿入可能となるように、ローディングステーション(P1)の前に空の符号化ヘッドを提供するように移動する。プログラミングは、先に排出されたオブジェクトのデータを備えるこのオブジェクトを取り上げる。搬送部は、その初期位置を取るためにその移動を再び継続し、サイクルが継続する。すると出力オブジェクトのシーケンスにおける連続性が尊重され、プログラミングシーケンスにはギャップがなくなる。
−同様に、(マーキングステーション(P3)がエラーを示したため、または光学検査システム(P4)がマーキングを正しくないと断じたために)オブジェクトがその描画的マーキングの間に不良と判断された場合には、このオブジェクトを自動的に再製するために、交換シーケンスが実行される。出力シーケンスはまだ尊重されている。この機能性は、現在の市販機械では不可能である。
−オブジェクトがカスタム化搬送部に一旦挿入されると、オブジェクトはもはや扱われない(レーザマーキングなど、いくつかのステーションを参照する可能性を除く)。この特定の特徴は、扱いにくい小型オブジェクト向けにこの機械を使用する。これはまた、こうして機械全体を機械的に再構成することを必要とせずに、オブジェクトの外形を変化させる。たとえば、搬送部(4)とオブジェクトの間の接続が標準USBコネクタを通じてなされる場合、機械は外形とは無関係に、そして機械の大掛かりな適応を伴わずに、USBドライブの異なる形状を容易に受け入れることができるだろう。
【0026】
機械の出力順序を維持するために、不良の種類に関係なく不良オブジェクトを動的に再製し、適切な場所で再挿入する手段を有することが、重要である。
【0027】
提案されるカスタム化搬送部は、機械の内部のその場所に関係なく、標準以下として検出された全てのオブジェクトを直感的に再製し、その場所に再配置する。
【0028】
自動再構築原理は、以下に記載される:
−回転搬送部のカスタム化ヘッドXに収容されたオブジェクトは、標準以下(電気的/描画的/その他の不良)として検出される
−機械は、不良携帯オブジェクトに関連づけられたカスタム化ヘッドの現在の機械的位置(位置A)を記憶する
−機械は、不良オブジェクト用の排出ステーション(P6)の反対側にヘッドXを提供するように、搬送部を回転させる
−オブジェクトが排出される。ヘッドXは空になる。
−機械は、ブランクオブジェクト用の入力ステーション(P1)の反対側にヘッドXを位置決めするために搬送部を回転させる(アンスタッカー)
−次に新しいブランクオブジェクトが空いた位置に挿入される
−制御ソフトウェアは、新しいブランクオブジェクトと関連づけられたプログラマ(5.x)上に、排除されたオブジェクトの旧データを再割り当てする。
−オブジェクトの電気的プログラミングは、旧データを用いて開始される。
−電気的プログラミングの間、搬送部は、(たとえばマーキングレーザを用いて)第一の描画的カスタム化ステーションにヘッドXを提供するために回転する。すると、携帯オブジェクトの電気的メモリにプログラムされる情報が書き込まれている間、オブジェクトと関連づけられた情報が印刷される。このような趣旨で、および図6に示されるように、符号化ヘッドは、携帯オブジェクトの接点の反対側に位置する接触パッド(60)、および接触パッド(60)に対して携帯オブジェクト(OP)を押しつけるタブ62を含む。これら2つの要素は、可動搬送部(4)と機械的に結びつけられた支持要素(61)によってしっかり固定されている。U字型の各支持要素(61)は、携帯オブジェクト(OP)が内部を摺動するスロート(611)を含む。図7より明らかなように、携帯オブジェクト(OP)とプログラマ(5)との間のリンク要素は、別のステーションでの並列処理(電気的カスタム化が継続する間の、レーザエッチングまたはエンボス加工など)を可能にするために、携帯オブジェクトの外面の最小限を覆う。
−機械が位置A(再製手順を管理するための機械サイクルの逸脱の前の現在位置)になるまで、およびオブジェクトが以前と同じ位置および同じ(不良のない)状態になるまで、全ての処理ステーションによってブランクオブジェクトを再び通過させるために、以後同様である。
−この段階において、不良オブジェクトは再製され、適切な位置に挿入され、あたかも不良が見つからなかったかのように、搬送部内に存在する全てのオブジェクトについてサイクルが再開する。
【0029】
機械上のカスタム化の間に不良カードまたはオブジェクトの自動再製手順を管理するために、機械のコンピュータ手段(8)の管理ソフトウェアは、携帯オブジェクトの状態を表す情報(状態)ならびに実行された操作の履歴を、常時有するべきである。
【0030】
各オブジェクトは、入力位置を通じて機械に挿入されるとすぐに、そのフォローアップに必要な全ての情報を含む機械のコンピュータ管理システムのメモリ空間に結びつけられる:
−固有識別子、
−初期データに関する情報(たとえば、データファイル名、データファイル内のこのオブジェクトの位置など)、
−カスタム化の役割を果たす可変データ(たとえば、フルネーム、有効期限、写真、バーコードなど)。これらのデータは、たとえば、インクジェットまたはレーザ印刷のため、磁気ストリップのプログラミングなどのため、チップをプログラムするために使用されることが可能である、
−オブジェクトの状態(有効オブジェクト、不良オブジェクト)およびエラーの種類(たとえば、機械的不良に続く、チップまたはレーザのプログラミング中のエラー)
−各リーダは、カスタム化搬送部に組み込まれている。各符号化ヘッド(6i)(または各オブジェクト)に対応するのは、カスタム化ヘッド上に物理的に組み込まれたリーダ(5i)である(ヘッドを支持する滑動部、接続部、リーダ、オブジェクトおよび保持手段...)
−リーダは、あまりにも多くのワイヤが回転継ぎ手(7)を通過するのを防止するために(ワイヤ数が制限されている)、図4および図5に示されるイーサネット(登録商標)リレー(9.1から9.7)を連鎖することによって、ネットワーク接続されている。
−リーダ鎖の長さ(およびしたがって鎖の最終リーダに問い合わせるのにかかる時間)を短縮するために、各リーダは、次に続く2つのリーダを接続するための2つのイーサネット出力(5.1a、5.1b)を有することが考えられる。図3は、リーダの直列連鎖を示す。この連鎖は、リーダを互いに物理的に結びつけるのに最も適しているが、しかし最も遅いという不都合を有している。図4は、各リーダが次に続く2つのリーダを接続するノードを構成するツリー構造を示している。この原理は、より大きな効果を有するが、しかし機械的にはより不都合な接続である。
【0031】
機械管理ソフトウェアもまた、機械の構成を記述するファイルを有する。機械の各々の物理的および機能的ステーションには結果的に、ステーションの種類およびその操作オプションを記述する記述子がある。
【0032】
機械は、たとえば、そして図8によれば、8つの符号化ヘッドおよびその周りに組み込まれた4つの処理ステーションを含む、カスタム化搬送部(4)を含むことができるだろう:
ステーション1:スタッカー(出力トレイ)
ステーション2:アンスタッカー(入力トレイ)
ステーション3:レーザ印刷
ステーション4:排除トレイ
ステーション5:空き
ステーション6:空き
ステーション7:空き
ステーション8:空き
【0033】
機械が有するオブジェクトのリストを管理するために、ソフトウェアは、現在の状態で、コンピュータシステム(8)のメモリを、カスタム化搬送部におけるオブジェクトのリストおよびその物理的位置に関連づける。以下がメモリに含まれる:
−T1:空(オブジェクトは先に出力充填機にスタッキングされている)
−T2:オブジェクト番号00011
−T3:オブジェクト番号00010
−T4:オブジェクト番号00009
−T5:オブジェクト番号00008
−T6:オブジェクト番号00007
−T7:オブジェクト番号00006
−T8:オブジェクト番号00005
【0034】
次にソフトウェアは、処理ステーションに対して符号化ヘッドTiの位置を接続する。たとえば、以下がメモリに含まれる:
−ステーション1:T1:空
−ステーション2:T2:オブジェクト番号00011
−ステーション3:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション4:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション5:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション6:T6:オブジェクト番号00007
−ステーション7:T7:オブジェクト番号00006
−ステーション8:T8:オブジェクト番号00005
【0035】
機械のこの実際状態は、機械サイクルに応じて保存および更新される:
−機械が停止すると、コンピュータシステムはオブジェクトの位置および識別子を保存する。
−機械がバックアップを開始すると、コンピュータシステムは、あたかも機械が停止したことがないかのようにサイクルを継続するため、位置およびオブジェクトを再ローディングする。
−カスタム化搬送部が前進するたびに、現在の状態メモリは、オブジェクトのリストを一度に前進させることによって、修正される:
−ステーション1:T8:空(オブジェクト番号0005は出力でスタッキングされている)
−ステーション2:T1:オブジェクト番号00012(新しいオブジェクトが進入)
−ステーション3:T2:オブジェクト番号00011
−ステーション4:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション5:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション6:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション7:T6:オブジェクト番号00007
−ステーション8:T7:オブジェクト番号00006
−オブジェクトの特殊再構築サイクルの間、後に機械を再構築サイクルの開始前と同じ状態で再位置決めするために、機械の状態、識別子、およびオブジェクトの状態を、特定のデフォルトメモリ内に保存する必要がある。手順は、以下のように見なされてもよい:
oオブジェクト番号00011は、ステーション3(レーザ)において標準以下として検出される、
o専用デフォルト「メモリ」への機械状態の保存、
−ステーション1:T8:空
−ステーション2:T1:オブジェクト番号00012
−ステーション3:T2:オブジェクト番号00011(不良)
−ステーション4:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション5:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション6:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション7:T6:オブジェクト番号00007
−ステーション8:T7:オブジェクト番号00006
oオブジェクト00011を排除ステーションP4に持っていくための搬送部の回転(本例では搬送部は一度に前進する)、その他のオブジェクトの電気的カスタム化操作が継続し、機械のその他のステーションに提供された操作は停止する、
o以下に提示される機械の実際状態の保存:
−ステーション1:T7:オブジェクト番号00006
−ステーション2:T8:空
−ステーション3:T1:オブジェクト番号00012
−ステーション4:T2:オブジェクト番号00011(不良)
−ステーション5:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション6:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション7:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション8:T6:オブジェクト番号00007
oオブジェクトの排出順序、P4の反対側に位置するヘッドT2は現在空である
o機械状態の保存
oスタッカーP2の前に空きステーションを持っていくための搬送部(4)の回転、および新しいブランクオブジェクトの挿入、
−ステーション1:T1:オブジェクト番号00012
−ステーション2:T2:空(データ番号00011を復旧する新しいブランクオブジェクトが挿入される)
−ステーション3:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション4:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション5:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション6:T6:オブジェクト番号00007
−ステーション7:T7:オブジェクト番号00006
−ステーション8:T8:空
oここから、機械のコンピュータ制御システムは、不良オブジェクトを交換した、オブジェクト(00011)に接続された符号化ヘッドT2において全ての操作を再製させるために、全サイクルを再開する。
【0036】
この例において、ブランクオブジェクト番号00011は、再びデータを描画的に刻印するために、レーザP3を通り過ぎる、
o各ステップにおいて、機械の状態が保存される、
o機械の状態が、再構築サイクルの開始に先立って保存された機械状態に一旦対応すると、特殊再構築サイクルは停止する:
−ステーション1:T8:空
−ステーション2:T1:オブジェクト番号00012
−ステーション3:T2:オブジェクト番号00011
−ステーション4:T3:オブジェクト番号00010
−ステーション5:T4:オブジェクト番号00009
−ステーション6:T5:オブジェクト番号00008
−ステーション7:T6:オブジェクト番号00007
−ステーション8:T7:オブジェクト番号00006
この瞬間に、機械は、今や不良オブジェクトが完全に再製された有効なオブジェクトに交換されたことを除いて、同じ構成および同じ位置にある。
o次にプロセスは、オブジェクトを次のステーションに搬送することによって、そのサイクルを通常通り再開し、
oそしてこれは、オブジェクト上の別の不良の検出まで、または機械が通常通り停止するときまで、継続する。
【0037】
本発明は、特許請求の範囲に記載の通り、本発明の適用分野から逸脱することなく、数多くのその他特定の形態で実施形態を可能にすることは、専門家にとって自明なはずである。結果的に、本実施形態は、図解によって検討されなければならないが、しかし特許請求の範囲によって定義される分野において変更されることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子オブジェクトの電気的および描画的カスタム化のための機械であって、カスタム化されたオブジェクトの、ローディングステーションと、少なくとも1つのレーザジェットまたはインクジェットマーキングステーションおよび/または検査ステーションおよび/またはラベル貼付ステーションを含む複数の処理ステーションと、排除ステーションと、アンローディングステーションと、を含み、搬送装置は、閉ループ経路による、少なくとも1つの可動部品を含み、各可動部品は経路に沿って移動させられ、可動部品によって一緒に移動するプログラミングカードに接続された符号化ヘッドに接続されており、経路は、部品の電子的カスタム化を同時に実行することによって、1つのローディングステーションから複数の処理ステーションの処理ステーションのうちの少なくとも1つへ、そして出力ステーションへ、または排除ステーションへ、符号化ヘッドを連続的に誘導することを特徴とする、機械。
【請求項2】
機械の異なるステーションの制御、および搬送装置の駆動手段の制御を保証する、処理ユニットを含むことを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
プログラミングカードが、携帯オブジェクトが処理ステーションの前を通過するときでも、携帯オブジェクトの部品の電子的カスタム化を保証することを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
処理ステーションがチェックステーションであり、ステーションによって実行される、不良と見なされる制御は、処理ユニットによって実行される機械の操作プログラムから処理ユニットによって実行されるインシデント処理プログラムへの転換を引き起こし、このプログラムは、操作の不良状態の検出、部品の電子的プログラミングの中断、別の部品のプログラミングを継続しながら、エラーが検出された位置の携帯オブジェクトを廃棄排除位置に持っていくための搬送装置の順序、次にプログラムされる携帯電子オブジェクトをローディングするためのローディングステーションに現在空いている符号化ヘッドを持っていくこと、そして同時に、排除された携帯オブジェクトに最初に提供されたデータを用いて、新たにロードされた符号化ヘッドに接続されたプログラミングカードの再ローディング、ならびに不良検出位置と入力ステーションとの間に位置するステーションからのデータの再ローディング、次に不良が検出された位置に到達するまで交換されたオブジェクオに対応するデータを用いて、各ステーションでの動作の再開を、保証することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
符号化ヘッドの接触手段が、電気的カスタム化の間にオブジェクトに対する描画的操作または外部カスタム化を可能にするために、携帯接触オブジェクトの場合の接触領域を除いて、携帯オブジェクトのその他全ての領域への自由なアクセスを提供するよう配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械。
【請求項6】
コンピュータシステムのメモリが、各オブジェクトについて、
固有識別子と、
初期データに関する情報(たとえば、データファイル名、データファイル内のこのオブジェクトの位置など)と、
カスタム化の役割を果たす可変データ(たとえば、フルネーム、有効期限、写真、バーコードなど)と、
オブジェクトの状態(有効オブジェクト、不良オブジェクト)およびエラーの種類(たとえば、機械的不良に続く、チップのプログラミング中またはレーザのエラー)と、を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
機械管理ソフトウェアが、機械の通常サイクルおよびオブジェクトの特殊再構築サイクルを管理することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
ソフトウェアが、現在の状態で、コンピュータシステム(8)のメモリを、機械のその物理的位置にあるオブジェクトのリストに関連づけることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
オブジェクトの特殊再構築サイクルの間、機械の状態、識別子、およびオブジェクトの状態は、再構築サイクルの開始の前と同じ状態で機械を再位置決めするために、特定のデフォルトメモリ内に保存され、再構築サイクルの間に実行されるソフトウェアの手順は、
その他のオブジェクトの電気的カスタム化操作は継続し、機械のその他のステーションに提供された操作は停止している状態で、不良オブジェクトを排除ステーションの反対側へ持っていくための搬送部の回転、および不良オブジェクトの排出と、
オブジェクトの排出順序と、
空きステーションをアンスタッカーの前に持っていって新しいオブジェクトをローディングするための、搬送部(4)の移動順序と、
機械状態を専用デフォルトメモリに保存することと、
不良オブジェクトと置き換えられた新しいオブジェクトに関連づけられた符号化ヘッドの全操作を再実行させるための、完全サイクルの再開と、
各ステップで、状態メモリ内に機械の状態を保存することと、
各ステップで機械の状態を記憶する作業メモリを有する専用メモリ内に記録された情報との比較によって、機械の状態が、その他のオブジェクトについて、再構築サイクルの開始に先立って専用メモリに保存された機械状態に一旦対応したら、特殊再構築サイクルを停止することと、
オブジェクトを次のステーションに搬送することによって、および機械の状態メモリの情報にしたがってステーション内に存在するオブジェクトに関連づけられた情報を、各ステーションの制御カードにロードすることによってこれらが中断された際の操作を再開することによって、通常サイクルを通じてプロセスを継続することと、を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513153(P2013−513153A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541564(P2012−541564)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052590
【国際公開番号】WO2011/067537
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512144760)
【Fターム(参考)】