説明

携帯電子機器

【課題】表示部の画像表示領域をより有効に活用すること。
【解決手段】携帯電話機1は、筐体10と、表示部(第1表示部15及び第2表示部)と、複数の露出口(第1側面露出口から第2操作面露出口11d)と、移動手段(第1移動機構及び第2移動機構)とを備える。表示部は、少なくとも一部が筐体10の外部に露出できるように筐体10の内部に設けられる。複数の露出口は、それぞれ表示部の少なくとも一部を通過させ、表示部を筐体10の内部から外部に露出させることができる。また、複数の露出口は、筐体10のそれぞれ異なる部位に形成される。移動手段は、筐体10の外部に露出させる露出口を選択し、表示部を移動させて選択した露出口から筐体10の外部に露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一部が筐体の外部に露出できるように筐体の内部に設けられる表示部を備える携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示する表示部を備えた携帯電子機器がある。一般的な携帯電子機器は、表示部が携帯電子機器の筐体に固定されている。このような携帯電子機のうち、例えば、縦長の表示部を備える携帯電話機では、横長の画像をそのまま表示部が表示すると、表示部の画像表示領域を有効に活用できない。そこで、縦長の表示部を備える携帯電話機では、表示部の長手方向に画像の長手方向が沿うように画像を回転させて表示部に表示させる場合がある。この場合、ユーザーは、筐体を90°回転するように持ちかえる必要がある。そこで、例えば、特許文献1には、表示部を回転させる構造を備える装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−313533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、表示部の大きさが一定である。よって、表示部の画像表示領域よりもサイズが大きい画像を表示部に表示させる場合、特許文献1に記載の装置は、表示部の表示領域に画像の一部しか表示できなかったり、画像を縮小して表示する必要があったりする。表示部の表示領域に画像の一部しか表示できない場合、ユーザーは画像をスクロールさせる必要がある。一方、画像を縮小して表示する場合、画質が低下するおそれもがある。このように、特許文献1に記載の装置は、表示部の画像表示領域を有効に活用できない場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示部の画像表示領域をより有効に活用できる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、筐体と、少なくとも一部が前記筐体の外部に露出できるように前記筐体の内部に設けられる表示部と、前記表示部の少なくとも一部を通過させて前記筐体の外部に露出させることができる形状で、前記筐体のそれぞれ異なる部位に形成される複数の露出口と、前記表示部を前記筐体の外部に露出させる露出口を選択し、前記表示部を移動させて選択した露出口から前記筐体の外部に露出させる移動手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の好ましい態様としては、前記表示部は、可撓性を有し、前記移動手段は、前記表示部を前記筐体内に巻き取って収納する巻取体と、当該巻取体を回転させる駆動装置とを有し、前記駆動装置が前記巻取体を巻き取り方向に回転させて、前記表示部を前記筐体に収納し、前記駆動装置が前記巻取体を前記巻き取り方向とは逆方向に回転させて、前記表示部を前記筐体の外部に露出させることが望ましい。
【0008】
本発明の好ましい態様としては、前記筐体に対して複数方向へ向かう操作を受け付ける操作部を備え、前記移動手段は、前記操作部が検出した操作の方向に基づいて、前記表示部を露出させる露出口を切り替えることが望ましい。
【0009】
本発明の好ましい態様としては、前記複数の露出口は、第1方向に向けて前記表示部を露出させる第1露出口と、前記第1方向とは反対方向の第2方向に向けて前記表示部を露出させる第2露出口とを含むことが望ましい。
【0010】
本発明の好ましい態様としては、前記第1露出口は、前記筐体の短手方向の一端側に設けられ、前記第2露出口は、前記筐体の短手方向の他端側に設けられていることが望ましい。
【0011】
本発明の好ましい態様としては、前記移動手段は、前記第1方向及び前記第2方向の2方向に前記表示部を移動でき、前記操作部に前記第1方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第1露出口から露出させ、前記操作部に前記第2方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第2露出口から露出させることが望ましい。
【0012】
本発明の好ましい態様としては、前記第1露出口及び前記第2露出口は、前記筐体の前記操作部が設けられている操作面上を通過せずに前記表示部を露出させ、前記複数の露出口は、前記操作面上を通過して前記表示部を前記第1の方向に露出させる第3露出口と、前記操作面上を通過して前記表示部を前記第2の方向に露出させる第4露出口とを含み、前記移動手段は、前記操作部に前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第1露出口または前記第2露出口から露出させ、前記操作部に前記第3方向とは反対方向の第4方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第3露出口または前記第4露出口から露出させることが望ましい。
【0013】
本発明の好ましい態様としては、前記移動手段は、前記操作部に入力された操作量が大きいほど、前記筐体の外部に露出させる前記表示部の面積を増加させ、前記操作部に入力された操作量が小さいほど、前記筐体の外部に露出させる前記表示部の面積を減少させることが望ましい。
【0014】
本発明の好ましい態様としては、前記複数の露出口は、前記筐体の前記操作部が設けられている操作面上を通過して前記表示部を露出させる露出口と、前記操作面上を通過せずに前記表示部を露出させる露出口とを含むことが望ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様としては、前記表示部は、前記筐体の外部に露出される部分の最大の面積が、前記筐体の最も広い面の面積よりも大きいことが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る携帯電子機器は、表示部の画像表示領域をより有効に活用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2−1】筐体の内部に表示部がすべて収納されている様子を模式的に示す説明図である。
【図2−2】第2表示部が第1側面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。
【図2−3】第2表示部が第2操作面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。
【図2−4】第1表示部が第2側面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。
【図2−5】第1表示部が第1操作面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。
【図3】制御装置が有する機能を示すブロック図である。
【図4】制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。
【図5−1】左手でタッチパネルを操作する様子を示す説明図である。
【図5−2】右手でタッチパネルを操作する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の説明では、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明を適用できる。
【0019】
(実施形態)
図1は、携帯電話機の外観を示す斜視図である。図2−1は、筐体の内部に表示部がすべて収納されている様子を模式的に示す説明図である。図2−2は、第2表示部が第1側面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。図2−3は、第2表示部が第2操作面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。図2−4は、第1表示部が第2側面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。図2−5は、第1表示部が第1操作面露出口から露出されている様子を模式的に示す説明図である。なお、図1から図2−5の各図は、携帯電話機1の構成を模式的に示す図であって、各装置の大きさや配置位置などは、実際のものと異なる場合がある。
【0020】
図1に示すように、携帯電話機1は、筐体10と、マイク12と、レシーバ13と、操作部14と、図2−1から図2−5の各図に示す表示部としての第1表示部15及び第2表示部16と、移動手段としての第1移動機構20及び第2移動機構30と、図1に示す制御装置40とを備える。筐体10は、例えば、単一で構成されるストレート型筐体である。なお、筐体10は、例えば、第1筐体と第2筐体との2つを含んで構成されてもよい。この場合、筐体10は、第1筐体が第2筐体に対してスライドする構成のスライド式筐体でもよいし、第1筐体が第2筐体に対して回動する折り畳み式の筐体でもよい。
【0021】
マイク12と、レシーバ13と、操作部14と、第1表示部15及び第2表示部16と、第1移動機構20及び第2移動機構30と、制御装置40とは、筐体10の内部に設けられる。但し、第1表示部15及び第2表示部16は、それぞれ、少なくとも一部が筐体10の外部に露出できるように設けられる。マイク12と、レシーバ13と、操作部14と、第1表示部15及び第2表示部16と、第1移動機構20及び第2移動機構30とは、それぞれ制御装置40と電気的に接続される。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する装置である。
【0022】
マイク12は、音声を電気信号に変換して制御装置40に出力する。制御装置40は、電気信号に変換された音声をマイク12から取得する。レシーバ13は、制御装置40から出力された電気信号を音声に変換して出力する。操作部14は、例えば、ボタンが筐体10の外部に露出して設けられる。筐体10のうち、操作部14が露出する面を操作面10aという。操作面10aは、筐体10が有する面の中で最も面積が広い。操作部14は、携帯電話機1のユーザーによって操作される。制御装置40は、操作部14を介してユーザーが入力した情報を取得する。
【0023】
本実施形態の操作部14は、タッチパネル14aを含む。タッチパネル14aは、ユーザーの接触を感知する。例えば、ユーザーがタッチパネル14aを指で触ったまま指を動かすと、タッチパネル14aは、自身(タッチパネル14a)と指との現在の接点の位置を信号として制御装置40に出力する。制御装置40は、この情報に基づいて指とタッチパネル14aとの接点が移動する方向(以下操作方向という)と、指とタッチパネル14aとの接点が移動する量(以下操作量という)とを算出する。なお、ユーザーによる操作方向と操作量とを制御装置40が算出できれば、操作部14が有する装置はタッチパネル14aに限定されない。例えば、操作部14は、タッチパネル14aに替えて、いわゆるアナログスティックや、トラックボールを含んで構成されてもよい。
【0024】
図2−1から図2−5の各図に示す第1表示部15及び第2表示部16は、制御装置40から取得した信号に基づいて画像を表示する。第1表示部15及び第2表示部16は、可撓性を有する。第1表示部15及び第2表示部16は、例えば、図2−1に示すように、ロール状に丸められて筐体10内に収納される。なお、以下、第1表示部15及び第2表示部16を総じて単に表示部ということがある。第1移動機構20は、第1巻取体21aと、第1補助部材21bと、駆動装置としての第1モータ22と、第1ガイド23と、第1アクチュエータ24とを含んで構成される。第1巻取体21aは、棒状部材である。本実施形態では、第1巻取体21aは円柱か筒状の形状に形成される。第1巻取体21aは、自身(第1巻取体21a)の中心軸RLを中心に回転できるように筐体10の内部に支持される。
【0025】
ここで、操作面10aに沿い、かつ、中心軸RLに直交する2方向のうちの一方を第1方向とし、他方を第2方向とする。第1方向及び第2方向は、筐体10の短手方向に相当する。また、操作面10aに沿い、かつ、第1方向及び第2方向に直交する2方向の一方を第3方向とし、他方を第4方向とする。第3方向及び第4方向は、筐体10の長手方向に相当する。本実施形態では、第3方向はマイク12からレシーバ13に向かう方向であり、第4方向はレシーバ13からマイク12に向かう方向である。第1方向は第3方向を上とした場合に向かって右方向であり、第2方向は第3方向を上とした場合に向かって左方向である。
【0026】
また、筐体10が有する6面のうち操作面10aと交わる4つの面を第1側面10bと、第2側面10cと、第3側面10dと、第4側面10eという。第1側面10b及び第2側面10cは、第1方向及び第2方向に沿う仮想の直線が交わる面である。第1側面10bは、操作部14よりも第2方向側に配置される面である。第2側面10cは、操作部14よりも第1方向側に配置される面である。第3側面10dは、操作部14よりも第3方向側に配置される面である。第4側面10eは、操作部14よりも第4方向側に配置される面である。
【0027】
第1巻取体21aは、第1側面10b側、すなわち、第1側面露出口11a及び第1操作面露出口11b側に配置される。第1補助部材21bは、可撓性を有する板状の部材である。第1補助部材21bは、一端が第1巻取体21aの側周部に連結され、他端が第1表示部15の巻取体側端部15aに連結される。第1表示部15は、第1補助部材21bと共に第1巻取体21aの側周部に巻き付けられることで筐体10の内部に収納される。なお、第1移動機構20は、第1補助部材21bを含まなくてもよい。この場合、携帯電話機1は、第1表示部15の巻取体側端部15aが第1巻取体21aの側周部に直接連結される。
【0028】
第1モータ22は、回転力を発生する。第1モータ22が発生した回転力は、第1巻取体21aに伝えられる。第1巻取体21aは、第1モータ22が発生した力が伝わると回転する。第1モータ22は、相反する2方向の回転力を発生できる。この2方向のうち、第1表示部15を引き込むように第1巻取体21aを回転させる方向を巻取り方向といい、巻取り方向とは反対方向を送り出し方向という。第1ガイド23は、第1表示部15の進行方向を切り替える装置である。より正確には、第1ガイド23は、第1表示部15のうち巻取体側端部15aとは反対側の先端15bを、第1操作面露出口11bに導くか、第2側面露出口11cに導くかを切り替えるためのガイド部材である。第1アクチュエータ24は、第1ガイド23を動かすための駆動装置である。第1アクチュエータ24は、例えば、筐体10の内壁面に取り付けられる。
【0029】
第2移動機構30は、第2巻取体31aと、第2補助部材31bと、第2モータ32と、第2ガイド33と、第2アクチュエータ34とを含んで構成される。第2巻取体31aと、第2補助部材31bと、駆動装置としての第2モータ32と、第2アクチュエータ34とは、それぞれ第1巻取体21aと、第1補助部材21bと、第1モータ22と、第1アクチュエータ24と同様の構成である。但し、第2巻取体31aは、第2側面10c側、すなわち、第2側面露出口11c及び第2操作面露出口11d側に配置される点で、第1巻取体21aとは異なる。また、第2補助部材31bは、第2表示部16の巻取体側端部16aに連結される点で、第1補助部材21bとは異なる。第2ガイド33は、第2表示部16の進行方向を切り替える装置である。より正確には、第2ガイド33は、第2表示部16のうち巻取体側端部16aとは反対側の先端16bを、第2操作面露出口11dに導くか、第1側面露出口11aに導くかを切り替えるためのガイド部材である。
【0030】
筐体10は、図2−1から図2−5の各図に示すように、第1側面露出口11aと、第1操作面露出口11bと、第2側面露出口11cと、第2操作面露出口11dとの4つの露出口が形成される。以下、第1側面露出口11aから第2操作面露出口11dを区別しない場合には、単に露出口という。各露出口は、筐体10の内部と外部とを連通する貫通孔である。第1操作面露出口11b及び第2操作面露出口11dは、第1表示部15が通過できる形状に形成される。第1側面露出口11a及び第2側面露出口11cは、第2表示部16が通過できる形状に形成される。
【0031】
各露出口は、例えば、図1に示すように長方形に形成される。長方形に形成される各露出口の長辺は、中心軸RLと平行である。第1操作面露出口11b及び第2側面露出口11cの長辺の寸法は、第1表示部15の幅方向の寸法よりも大きい。また、長方形に形成される第1操作面露出口11b及び第2側面露出口11cの短辺は、第1表示部15の厚さよりも大きい。第1側面露出口11a及び第2操作面露出口11dの長辺の寸法は、第2表示部16の幅方向の寸法よりも大きい。また、長方形に形成される第1側面露出口11a及び第2操作面露出口11dの短辺は、第2表示部16の厚さよりも大きい。なお、表示部の幅方向とは、中心軸RL方向と平行な方向である。
【0032】
第1側面露出口11aは、筐体10のうち第1側面10b側の部位に配置される。第1側面10b側の部位は、第1側面10bと、操作面10aのうち操作部14と第1側面10bとの間の部位とを含む。第1側面露出口11aは、具体的には、第1側面10bに形成される。第1操作面露出口11bは、筐体10のうち第1側面10b側の部位に配置される。具体的には、第1操作面露出口11bは、操作面10aのうち、操作部14と第1側面10bとの間に形成される。
【0033】
第2側面露出口11cは、筐体10のうち第2側面10c側の部位に配置される。第2側面10c側の部位は、第2側面10cと、操作面10aのうち操作部14と第2側面10cとの間の部位とを含む。第2側面露出口11cは、具体的には、第2側面10cに形成される。第2操作面露出口11dは、筐体10のうち第2側面10c側の部位に配置される。具体的には、第2操作面露出口11dは、操作面10aのうち、操作部14と第2側面10cとの間に形成される。次に、制御装置40の構成を説明する。
【0034】
図3は、制御装置が有する機能を示すブロック図である。制御装置40は、1つの装置が図3に示す各機能を実現してもよいし、図3に示す各機能をそれぞれ別個に実現する複数の装置が電気的に接続されることで各機能を実現してもよい。制御装置40は、記憶部41と、メール送受信部42と、音声処理部43と、表示制御部44と、移動制御部45と、主制御部46との各機能を実現する。記憶部41は、制御装置40が実行する一連の手順(プログラム)を記憶したり、前記一連の手順の実行に必要な情報を記憶したりする。
【0035】
メール送受信部42は、ユーザーが作成したメールを送信したり、他の携帯電話機から送信されたメールを受信したりする。音声処理部43は、本実施形態の携帯電話機1と、他の携帯電話機との間での音声通話を実現するための機能である。音声処理部43は、マイク12及びレシーバ13と信号をやりとりする。具体的には、音声処理部43は、マイク12が電気信号に変換した音声データをマイク12から取得する。また、音声処理部43は、レシーバ13へ信号を出力して、レシーバ13に音声を出力させる。表示制御部44は、第1表示部15に表示させる画像を生成する。そして、表示制御部44は、生成した画像を信号として、第1表示部15に出力する。また、表示制御部44は、第2表示部16に表示させる画像を生成する。そして、表示制御部44は、生成した画像を信号として、第2表示部16に出力する。
【0036】
移動制御部45は、第1モータ22の動作と、第1アクチュエータ24の動作とを制御する。具体的には、移動制御部45は、第1モータ22の回転方向を切り替えると共に、第1モータ22の回転角度を調節する。また、移動制御部45は、第1アクチュエータ24の動作を制御することで、図2−1に示す第1表示部15の先端15bを、第1操作面露出口11bへ導くか、第2側面露出口11cへ導くかを切り替える。また、移動制御部45は、第2モータ32の動作と、第2アクチュエータ34の動作とを制御する。具体的には、移動制御部45は、第2モータ32の回転方向を切り替えると共に、第2モータ32の回転角度を調節する。また、移動制御部45は、第2アクチュエータ34の動作を制御することで、図2−1に示す第2表示部16の先端16bを、第2操作面露出口11dへ導くか、第1側面露出口11aへ導くかを切り替える。
【0037】
主制御部46は、記憶部41から移動制御部45の各部を統括すると共に、記憶部41から移動制御部45の各部とは異なる機能を実現する。例えば、主制御部46は、記憶部41から必要な情報を取得したり、記憶部41に情報を記憶させたり、操作部14からユーザーの操作を信号として取得したりする。また、主制御部46は、記憶部41に記憶されている一連の手順(プログラム)を実行したり、前記一連の手順の実行に必要な演算をしたりする。次に、第1表示部15の動きと、第2表示部16の動きとを説明しつつ、各露出口が有する機能を説明する。
【0038】
図3に示す移動制御部45が第2モータ32及び第2アクチュエータ34の動作を制御し、図2−2に示すように、第2表示部16が第1側面露出口11aに導かれると、第1側面露出口11aから露出した第2表示部16は第2方向に移動する。また、第2表示部16は、第1側面露出口11aに導かれると、操作面10aを覆わない、すなわち操作面10aを通過しない。よって、第1側面露出口11aは、第2露出口として機能する。また、移動制御部45が第2モータ32及び第2アクチュエータ34の動作を制御し、図2−3に示すように、第2表示部16が第2操作面露出口11dに導かれると、第2操作面露出口11dから露出した第2表示部16は第2方向に向かって移動する。さらに、第2表示部16は、第2操作面露出口11dに導かれると、操作面10aを覆う、すなわち操作面10aを通過する。よって、第2操作面露出口11dは、第4露出口として機能する。
【0039】
移動制御部45が第1モータ22及び第1アクチュエータ24の動作を制御し、図2−4に示すように、第1表示部15が第2側面露出口11cに導かれると、第2側面露出口11cから露出した第1表示部15は第1方向に移動する。また、第1表示部15は、第2側面露出口11cに導かれると、操作面10aを覆わない、すなわち操作面10aを通過しない。よって、第2側面露出口11cは、第1露出口として機能する。また、移動制御部45が第1モータ22及び第1アクチュエータ24の動作を制御し、図2−5に示すように、第1表示部15が第1操作面露出口11bに導かれると、第1操作面露出口11bから露出した第1表示部15は第1方向に向かって移動する。さらに、第1表示部15は、第1操作面露出口11bに導かれると、操作面10aを覆う、すなわち操作面10aを通過する。よって、第1操作面露出口11bは、第3露出口として機能する。次に、制御装置40が実行する一連の手順を説明する。
【0040】
図4は、制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。図4に示すステップST101で、図3に示す主制御部46は、操作部14から信号を取得する。次に、ステップST102で、主制御部46は、図1に示すタッチパネル14aに入力されたベクトル、すなわち操作方向及び操作量Lを算出する。上述したように、操作方向とは、ユーザーの指とタッチパネル14aとの接点が移動する方向であり、操作量とは、ユーザーの指とタッチパネル14aとの接点が移動する量である。次に、ステップST103で、主制御部46は、ステップST102で算出したベクトルを第1方向から第4方向の各方向の成分に分解する。例えば、操作方向が第1方向と第3方向との中間方向であった場合、主制御部46は、タッチパネル14aに入力されたベクトルを第1方向の成分と、第3方向の成分とに分解する。なお、この場合、タッチパネル14aに入力されたベクトルに第2方向の成分及び第4方向の成分は含まれない。
【0041】
次に、ステップST104で、主制御部46は、ステップST102で算出されたベクトルに第3方向の成分が含まれているか否かを判定する。ベクトルに第3方向の成分が含まれている場合(ステップST104、Yes)、ステップST105で、主制御部46は、ベクトルに第1方向の成分が含まれているか否かを判定する。ベクトルに第1方向の成分が含まれている場合(ステップST105、Yes)、ステップST106で、図3に示す移動制御部45は、図2−4に示すように、第1ガイド23が第1表示部15の先端15bを第2側面露出口11cへ導くように第1アクチュエータ24の動作を制御する。ステップST105で、ベクトルに第1方向の成分が含まれていない場合(ステップST105、No)、主制御部46は、ベクトルに第2方向の成分が含まれていると判定する。そしてステップST107で、移動制御部45は、図2−2に示すように、第2ガイド33が第2表示部16の先端16bを第1側面露出口11aへ導くように第2アクチュエータ34の動作を制御する。
【0042】
ステップST104で、ベクトルに第3方向の成分が含まれていない場合(ステップST104、No)、主制御部46は、ベクトルに第4方向の成分が含まれていると判定する。そしてステップST108で、主制御部46は、ステップST102で算出されたベクトルに第1方向の成分が含まれているか否かを判定する。ベクトルに第1方向の成分が含まれている場合(ステップST108、Yes)、ステップST109で、図3に示す移動制御部45は、図2−5に示すように、第1ガイド23が第1表示部15の先端15bを第1操作面露出口11bへ導くように第1アクチュエータ24の動作を制御する。
【0043】
ベクトルに第1方向の成分が含まれていない場合(ステップST108、No)、主制御部46は、ベクトルに第2方向の成分が含まれていると判定する。そしてステップST110で、移動制御部45は、図2−3に示すように、第2ガイド33が第2表示部16の先端16bを第2操作面露出口11dへ導くように第2アクチュエータ34の動作を制御する。図4に示すステップST106またはステップST109の実行が完了すると、次に、ステップST111で、図3に示す主制御部46は、ステップST102で算出した操作量Lが第1閾値L1以上であるか否かを判定する。操作量Lが第1閾値L1以上ではない場合(ステップST111、No)、ステップST112で、主制御部46は、操作量Lが第2閾値L2以上であるか否かを判定する。
【0044】
この第1閾値L1及び第2閾値L2は、操作量Lを大中小の3段階に分類するための閾値である。第1閾値L1は、第2閾値L2よりも大きい。操作量Lが第2閾値L2以上ではない場合(ステップST112、No)、ステップST113で、図3に示す移動制御部45は、図2−4及び図2−5に示す第1巻取体21aの回転角度が角度WSになるように第1モータ22を駆動する。図4に示す角度WSと、角度WMと、角度WLとは、所定値である。角度WSが最も小さく、角度WLが最も大きい。
【0045】
第1巻取体21aが角度WS回転した場合に露出口から露出した第1表示部15の面積は最も小さくなる。また、第1巻取体21aが角度WL回転した場合に露出口から露出した第1表示部15の面積は最も大きい。この時、露出口から露出した第1表示部15の面積は、例えば、図1に示す操作面10aの面積よりも大きい。操作量Lが第2閾値L2以上である場合(ステップST112、Yes)、ステップST114で、移動制御部45は、図2−4及び図2−5に示す第1巻取体21aの回転角度が角度WMになるように第1モータ22を駆動する。操作量Lが第1閾値L1以上である場合(ステップST111、Yes)、ステップST115で、移動制御部45は、図2−4及び図2−5に示す第1巻取体21aの回転角度が角度WLになるように第1モータ22を駆動する。
【0046】
ステップST107またはステップST110の実行が完了すると、次に、主制御部46は、ステップST116を実行する。ステップST116からステップST120の一連の手順は、ステップST111からステップST115の一連の手順と同様である。但し、ステップST116からステップST120の一連の手順は、図2−2及び図2−3に示す第2モータ32による第2巻取体31aの回転角度を調節する点で、ステップST111からステップST115の一連の手順と異なる。ステップST113からステップST115と、ステップST118からステップST120との各手順の実行が完了すると、制御装置40は、一連の手順の実行を終了し、ステップST101へ戻る。
【0047】
上記構成により、筐体10の内部に収納される表示部は、少なくとも一部が露出口から筐体10の外部に露出される。これにより、携帯電話機1は、画像の表示に必要な分、筐体10の内部から第1表示部15または第2表示部16を露出できる。そして、第1表示部15または第2表示部16のうち筐体10の外部に露出された部分に画像を表示することで、携帯電話機1は、不要となる画像表示領域を低減できる。よって、携帯電話機1は、表示部の画像表示領域をより有効に活用できる。
【0048】
また、携帯電話機1は、筐体10の最も広い面、すなわち操作面10aよりも面積が大きい表示部を筐体10の内部に備え、この表示部を露出口から筐体10の外部に露出する。これにより、携帯電話機1は、表示部のうち筐体10の外部に露出する部分の最大の面積を操作面10aよりも大きくできる。結果として、携帯電話機1は、より大きな画像を縮小せずに表示部が表示できる。そして、携帯電話機1は、可撓性を有する表示部が丸められて筐体10の内部に収納されることにより、シンプルな構造で操作面10aよりも面積が大きい表示部を筐体10の内部に備えることができる。また、携帯電話機1は、制御装置40が上記一連の手順を実行することにより、図2−1から図2−5の各図に示す第1表示部15または第2表示部16が導かれる露出口を切り替えることができる。これにより、携帯電話機1が奏する効果を以下に説明する。
【0049】
図5−1は、左手でタッチパネルを操作する様子を示す説明図である。図5−2は、右手でタッチパネルを操作する様子を示す説明図である。ユーザーは図5−1及び図5−2に示すように、親指を用いてタッチパネル14aを操作する傾向がある。さらに、ユーザーが左手でタッチパネル14aを操作する場合、操作方向は、図5−1に示すように、第3方向と第1方向との中間方向UR、または、第4方向と第2方向との中間方向DLになりやすい。一方、ユーザーが右手でタッチパネル14aを操作する場合、操作方向は、図5−2に示すように、第3方向と第2方向との中間方向UL、または、第4方向と第1方向との中間方向DRになりやすい。
【0050】
図4に示すステップST106に至った場合、ユーザーがタッチパネル14aに入力した操作方向は、図5−1に示す中間方向URである。よって、ステップST106に至った場合、ユーザーは、左手で操作している場合が多い。ユーザーが左手で操作している場合、図5−1に示すように筐体10の第1側面10bは、親指と人差し指との股で覆われている。このとき、移動制御部45は、第2側面露出口11cから第1表示部15を露出させる。これにより、携帯電話機1は、第1表示部15がユーザーの手と干渉するおそれを低減できる。結果として、携帯電話機1は、ユーザーに筐体10を持ちかえさせるおそれを低減できる。
【0051】
また、ステップST106に至った場合、ユーザーは第1方向に向かって親指を押し出すようにタッチパネル14aを操作したことになる。このとき、移動制御部45は、図2−4に示すように、第2側面露出口11cから第1表示部15を露出させる。これにより、移動制御部45は、第2側面露出口11cから露出された第1表示部15を第1方向に移動させる。よって、第1表示部15が第2側面露出口11cから露出して第1方向へ向かって進む様子をユーザーが見ると、ユーザーは、自分(ユーザー)の指の動きと同様に、第1表示部15が第2側面露出口11cから第1方向に向かって押し出されたように感じる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーによる直感的な操作を実現できる。
【0052】
図4に示すステップST107を実行した場合も、携帯電話機1は、ステップST106を実行した場合と同様の理由で同じ効果を奏する。但し、ステップST107に至った場合、ユーザーがタッチパネル14aに入力した操作方向は、図5−2に示す中間方向ULである。よって、ユーザーが右手で操作している可能性が高いという点で、ステップST107に至った場合と、ステップST107に至った場合とは異なる。ステップST109を実行した場合も、携帯電話機1は、ステップST107を実行した場合と同様の理由で、ユーザーに筐体10を持ちかえさせるおそれを低減できる。
【0053】
また、ステップST109に至った場合、ユーザーは第1方向に向かって親指を引き戻すようにタッチパネル14aを操作したことになる。このとき、主制御部46は、図2−5に示すように、第1表示部15を露出させる露出口を第1操作面露出口11bとする。これにより、第1操作面露出口11bから露出された第1表示部15の移動方向は、第1方向となる。よって、第1表示部15が第1操作面露出口11bから露出して第1方向へ向かって進む様子をユーザーが見ると、ユーザーは、自分(ユーザー)の指の動きと同様に、第1表示部15が第1操作面露出口11bから第1方向に向かって引き出されたように感じる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーによる直感的な操作を実現できる。
【0054】
ここで、例えば、ユーザーが静止画像(写真)や、動画を鑑賞する場合には、操作部14が携帯電話機1の美観を損ねるおそれがある。このような場合、ユーザーは、図5−2に示すように、中間方向DR方向にタッチパネル14aを操作する。これにより、第1操作面露出口11bから露出した第1表示部15は、図2−5に示すように操作部14を覆う。これにより、携帯電話機1は、操作部14を第1表示部15で隠せる。結果として、携帯電話機1は、ユーザーが静止画像(写真)や、動画を鑑賞する際に、操作部14に起因する携帯電話機1の美観の低下を抑制できる。また、図2−5に示すように操作部14を覆うように第1表示部15が露出することで、図2−4に示すように第2側面露出口11cから第1表示部15が露出する場合よりも、携帯電話機1は、第1表示部15を含めた全体のサイズをコンパクトにできる。
【0055】
ステップST110を実行した場合も、携帯電話機1は、ステップST109を実行した場合と同様の理由で同じ効果を奏する。但し、ステップST110に至った場合、ユーザーがタッチパネル14aに入力した操作方向は、図5−2に示す中間方向DLである。よって、ユーザーが左手で操作している可能性が高いという点で、ステップST110に至った場合と、ステップST109に至った場合とは異なる。
【0056】
また、携帯電話機1は、図4に示す一連の手順、具体的にはステップST111からステップST115の一連の手順を実行することにより、以下に説明する効果を奏する。上記手順を実行することにより、移動制御部45は、ユーザーがタッチパネル14aに入力した操作量Lに応じて、露出口から露出する第1表示部15の面積を変化させることになる。具体的には、移動制御部45は、操作量Lが大きいほど露出口から露出する第1表示部15の面積を増加させ、操作量Lが小さいほど露出口から露出する第1表示部15の面積を減少させる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーが希望した面積分、第1表示部15を露出口から露出できる。
【0057】
また、ステップST116からステップST120の一連の手順を実行することにより、移動制御部45は、ユーザーがタッチパネル14aに入力した操作量Lに応じて、露出口から露出する第2表示部16の面積を変化させることになる。具体的には、移動制御部45は、操作量Lが大きいほど露出口から露出する第2表示部16の面積を増加させ、操作量Lが小さいほど露出口から露出する第2表示部16の面積を減少させる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーが希望した面積分、第2表示部16を露出口から露出できる。
【0058】
ここで、移動制御部45は、操作量Lに応じて露出口から露出する表示部の面積を変化させる以外にも、例えば、ユーザーが操作部14に入力した数値に応じて、露出口から露出させる表示部の面積を調節してもよい。また、例えば、移動制御部45は、操作部14に所定の操作が入力される度に、露出口から露出する表示部の面積を増減させてもよい。具体的には、移動制御部45は、所定ボタンが押下される操作が操作部14に入力されると、露出口から露出する表示部の面積を増加させ、他の所定ボタンが押下される操作が操作部14に入力されると、露出口から露出する表示部の面積を減少させる。この場合であっても、携帯電話機1は、ユーザーが希望する面積分、表示部を筐体10の外部に露出できる。
【0059】
ここで、携帯電話機1の表示部は、可撓性を有するものに限定されず、撓まなくてもよい。表示部は、筐体10の内部に収納され、少なくとも一部が筐体10の外部に露出口を介して露出できればよい。また、携帯電話機1が備える露出口の数は4つに限定されず、複数であればよい。例えば、携帯電話機1は、第1操作面露出口11b及び第1側面露出口11aの2つが形成されてもよい。この場合、携帯電話機1は、ユーザーが右手で操作していることを想定したものとなる。携帯電話機1は、操作方向が図5−2に示すように中間方向ULである場合に、図2−2に示すように第2表示部16が第1側面露出口11aから露出する。また、携帯電話機1は、操作方向が図5−2に示すように中間方向DRである場合に、図2−5に示すように第1表示部15が第1操作面露出口11bから露出する。
【0060】
また、携帯電話機1が備える表示部の数は2つに限定されず、例えば1つでもよい。以下に、携帯電話機1が表示部を1つ備える場合の態様の例を2つ説明する。1つ目の例は、携帯電話機1が図2−1に示す第2表示部16のみを備え、第1操作面露出口11b及び第2側面露出口11cが形成されない態様である。この場合、携帯電話機1は、第2表示部16を第1側面露出口11aから露出させる場合と、第2操作面露出口11dから露出させる場合とを切り替えることができる。すなわち、携帯電話機1は、第2表示部16が操作部14を覆わない場合と、第2表示部16が操作部14を覆う場合とを切り替えることができる。なお、携帯電話機1が第1表示部15のみを備え、第1側面露出口11a及び第2操作面露出口11dが形成されない態様でも同様である。
【0061】
2つ目の例は、1つの表示部が、図2−1に示す第1巻取体21aに巻き取られる場合と、第2巻取体31aに巻き取られる場合とがある態様である。この態様では、1つの表示部が、第1巻取体21aと第2巻取体31aとの間で移動することになる。なお、第1側面露出口11aから第2操作面露出口11dの露出口はすべて形成される。この場合、第1補助部材21b及び第2補助部材31bは、例えば電気が供給されることで磁力を発生できるように構成される。そして、表示部のうち第1巻取体21a側の端部は、磁力によって第1補助部材21bに引き付けられるように構成される。また、表示部のうちの第2巻取体31a側の端部は、磁力によって第2補助部材31bに引き付けられるように構成される。
【0062】
第1巻取体21aから第2巻取体31aに表示部を移動させる場合、まず、第1ガイド23は、表示部の送り先を第2側面露出口11cとする。そして、第1巻取体21aが送り出し方向に回転する。表示部が第2巻取体31a側に到達すると、第2補助部材31bは電力が供給される。これにより、第2補助部材31bは、表示部のうち第2巻取体31a側の端部を引き寄せる。よって、携帯電話機1は、表示部が第2補助部材31bに連結される。そして、第1補助部材21bは、自身(第1巻取体21a)への電力の供給が停止される。この状態で、第2巻取体31aが巻取り方向に回転すると、表示部は、第1巻取体21aから第2巻取体31aへ移動する。この態様でも、携帯電話機1は、表示部を2つ備える場合と同様の効果を奏すると共に、表示部の数を低減できるため、筐体10を小型化できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器は、少なくとも一部が筐体の外部に露出できるように筐体の内部に設けられる表示部を備える技術であって、表示部の画像表示領域をより有効に活用することに有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話機
10 筐体
10a 操作面
10b 第1側面
10c 第2側面
10d 第3側面
10e 第4側面
11a 第1側面露出口
11b 第1操作面露出口
11c 第2側面露出口
11d 第2操作面露出口
12 マイク
13 レシーバ
14 操作部
14a タッチパネル
15 第1表示部
15a、16a 巻取体側端部
15b、16b 先端
16 第2表示部
20 第1移動機構
21a 第1巻取体
21b 第1補助部材
22 第1モータ
23 第1ガイド
24 第1アクチュエータ
30 第2移動機構
31a 第2巻取体
31b 第2補助部材
32 第2モータ
33 第2ガイド
34 第2アクチュエータ
40 制御装置
41 記憶部
42 メール送受信部
43 音声処理部
44 表示制御部
45 移動制御部
46 主制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
少なくとも一部が前記筐体の外部に露出できるように前記筐体の内部に設けられる表示部と、
前記表示部の少なくとも一部を通過させて前記筐体の外部に露出させることができる形状で、前記筐体のそれぞれ異なる部位に形成される複数の露出口と、
前記表示部を前記筐体の外部に露出させる露出口を選択し、前記表示部を移動させて選択した露出口から前記筐体の外部に露出させる移動手段と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記表示部は、可撓性を有し、
前記移動手段は、前記表示部を前記筐体内に巻き取って収納する巻取体と、当該巻取体を回転させる駆動装置とを有し、
前記駆動装置が前記巻取体を巻き取り方向に回転させて、前記表示部を前記筐体に収納し、前記駆動装置が前記巻取体を前記巻き取り方向とは逆方向に回転させて、前記表示部を前記筐体の外部に露出させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記筐体に対して複数方向へ向かう操作を受け付ける操作部を備え、
前記移動手段は、前記操作部が検出した操作の方向に基づいて、前記表示部を露出させる露出口を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記複数の露出口は、第1方向に向けて前記表示部を露出させる第1露出口と、前記第1方向とは反対方向の第2方向に向けて前記表示部を露出させる第2露出口とを含むことを特徴とする請求項3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第1露出口は、前記筐体の短手方向の一端側に設けられ、
前記第2露出口は、前記筐体の短手方向の他端側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記移動手段は、前記第1方向及び前記第2方向の2方向に前記表示部を移動でき、
前記操作部に前記第1方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第1露出口から露出させ、
前記操作部に前記第2方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第2露出口から露出させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第1露出口及び前記第2露出口は、前記筐体の前記操作部が設けられている操作面上を通過せずに前記表示部を露出させ、
前記複数の露出口は、前記操作面上を通過して前記表示部を前記第1の方向に露出させる第3露出口と、前記操作面上を通過して前記表示部を前記第2の方向に露出させる第4露出口とを含み、
前記移動手段は、
前記操作部に前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第1露出口または前記第2露出口から露出させ、
前記操作部に前記第3方向とは反対方向の第4方向の成分を含む操作が入力されたら、前記表示部を前記第3露出口または前記第4露出口から露出させることを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記移動手段は、
前記操作部に入力された操作量が大きいほど、前記筐体の外部に露出させる前記表示部の面積を増加させ、
前記操作部に入力された操作量が小さいほど、前記筐体の外部に露出させる前記表示部の面積を減少させることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記複数の露出口は、前記筐体の前記操作部が設けられている操作面上を通過して前記表示部を露出させる露出口と、前記操作面上を通過せずに前記表示部を露出させる露出口とを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記表示部は、前記筐体の外部に露出される部分の最大の面積が、前記筐体の最も広い面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【公開番号】特開2011−135367(P2011−135367A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293384(P2009−293384)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】