説明

撥ね上げ式眼鏡

【課題】前掛眼鏡を安定状態でスムーズに且つ任意の角度に撥ね上げることができる撥ね上げ式眼鏡を提供する。
【解決手段】眼鏡5aに前掛眼鏡10を、付勢連結装置11を介して撥ね上げ可能に枢着する。付勢連結装置11は、眼鏡10の左右のレンズ部2a,2a相互を連結する第1の連結部3に設けられた軸受突部15,16と、前掛眼鏡10の左右の補助レンズ部7,7相互を連結する第2の連結部9に設けられて両軸受突部15,16間に嵌め入れられる嵌入突部21と、嵌入突部21に設けられた収容孔22に収容される軸体27と、軸体27の軸部29が挿通されるコイルバネ31と、押圧支持ネジ35とを含む。押圧支持ネジ35の螺合によって、ネジ軸部36の先端37が軸体27の頭部端39の中央部分を押圧する。この押圧によるコイルバネ31の付勢力により、嵌入突部21の端面38と軸受突部15の端面44が弾性圧接状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前掛眼鏡を撥ね上げ可能とした撥ね上げ式眼鏡に関するものである。より詳しくは、前掛眼鏡を、本体となる眼鏡又は枠体の上部に付勢連結装置を介して枢着することにより該前掛眼鏡を撥ね上げ可能とした撥ね上げ式眼鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
眼鏡使用者の必要に応じ、遮光眼鏡や偏光眼鏡等を掛けた状態を得る目的で或いは着用眼鏡の視力矯正を図る等の目的で、各種タイプの撥ね上げ式眼鏡が実用に供されている。
【0003】
これらの内、前掛眼鏡を、本体枠の上部に付勢連結装置を介して枢着することにより該前掛眼鏡を撥ね上げ可能となされると共に、該前掛眼鏡の撥ね上げ角度を無段階の任意の角度に設定できるように構成された撥ね上げ式眼鏡として、例えば実用新案登録第3121730号公報が開示するものが提案されている。
【0004】
該撥ね上げ式眼鏡の一例としては、図27に示すものが開示されている。該撥ね上げ式眼鏡aは、左右の枠部b,b相互を第1の連結部cで連結してなる本体枠dと、該左右の枠部b,bの前面をその前側から覆い得る左右の補助レンズ部e,e相互を第2の連結部fで連結してなる前掛眼鏡gとを具え、該第2の連結部fが前記第1の連結部cに付勢連結装置hを介して枢着されると共に、該前掛眼鏡gは、左右の補助レンズ部e,eが前記左右の枠部b,bの前面をその前側から覆った状態と、該左右の補助レンズ部e,eが撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされている。
【0005】
前記付勢連結装置hは、前記第1の連結部cに嵌入突部kを突設する一方、前記前掛眼鏡gの該第2の連結部fの左右両側に第1、第2の軸受突部m,nを突設し、該軸受突部m,n間に形成される嵌入凹部pに前記嵌入突部kを嵌め入れ可能に構成されている。そして該軸受突部m,nは、前記嵌入突部k側に底部q,rが存するように逆方向に開放されて第1の収容孔部sと第2の収容孔部tが設けられている。又前記嵌入突部kには、第1の軸受突部m側に底面部uが設けられると共に第2の軸受突部n側で開放する収容孔vが設けられている。
【0006】
そして、該収容孔vの底部uの中央には第1のネジ孔wが設けられると共に、前記第1の軸受突部mの底部qには、該第1のネジ孔wと同心に挿通孔xが設けられている。又、前記第2の軸受突部nの底部rには、前記収容孔vと同心に第2のネジ孔yが設けられている。
【0007】
そして前記第1の収容孔部sには、第1のネジzのネジ軸部a1が、第1のワッシャb1と第1のコイルバネc1を挿通した状態で前記挿通孔xに挿通されると共に前記ネジ孔wに螺合され、この状態で該第1のコイルバネc1は、その両端d1,e1が前記第1のワッシャb1と前記底部qに圧接されて圧縮状態にある。そして前記収容孔vには、第2のワッシャf1と第3のワッシャg1と第2のコイルバネh1と第4のワッシャj1がこの順序で収容され、前記第2の収容孔部tに収容される第2のネジk1のネジ軸部m1が前記第2のネジ孔yに螺合せしめられ、この状態で該第2のネジk1を締め付けるにつれ、該ネジ軸部m1の先端で突出する押圧突部n1の先端p1で前記第4のワッシャj1を押圧できるようになされており、該第2のネジk1の締め付け量を調整することによって前記第2のコイルバネh1を所要に圧縮させ得るようになされている。
【0008】
前記第1〜第4のワッシャb1,f1,g1,j1は、第1、第2のコイルバネc1,h1と第1、第2のネジz,k1、前記底面部uとの接触を回避し、該第1、第2のネジz,k1が前記前掛眼鏡gの回動に伴って共回りするのを防止するために設けられている。しかしながら、第1、第2のコイルバネc1,h1の付勢作用によって、前記前掛眼鏡gの回動に伴い前記第1、第2のネジz,k1が緩み易かった。即ち、前記第1のコイルバネc1の一方の端部e1が前記底部qに接した状態にあることから、前記前掛眼鏡gが回動する際に該第1のコイルバネc1が共回りしやすい。そして、該第1のコイルバネc1の他方の端部d1が、前記第1のワッシャb1を前記第1のネジzの頭部s1に向けて押圧した状態にあり、該第1のワッシャb1と該頭部s1とは密着状態にある。従って、前掛眼鏡gを回動したときに該第1のワッシャb1と該頭部s1との間で多少の滑りは期待できても、該第1のコイルバネc1の共回りに伴い、前記第1のネジ孔wに螺合状態にある第1のネジzが緩みやすかったのである。このようなことから、前掛眼鏡gの回動動作が不安定化し易い問題があった。
【0009】
又、前記公報の段落0024には、前記第1のネジzのネジ軸部a1を長く形成し、前記第2のネジk1の代わりに該第1のネジzのネジ軸端部分に螺合されるナットを用いる実施例が記載されているが、かかる撥ね上げ式眼鏡においても、前記と同様、第1のネジzが緩みやすく前記付勢連結装置hの動作が不安定化し易かった。又、第1のネジzを長く形成しそのネジ軸端部分にナットを螺合し締め付ける構成であったため、前掛眼鏡の回動動作が繰り返される内に第1のネジzの長いネジ軸部が折損しやすい問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3121730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、眼鏡体に装着された前掛眼鏡を安定状態でスムーズに撥ね上げることができ、然も、撥ね上げ角度を無段階の任意の角度に設定できる撥ね上げ式眼鏡の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡は、目と相対する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体と、該左右の枠部の前面をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなる前掛眼鏡とを具え、該第2の連結部が、付勢連結装置を介して前記第1の連結部に枢着されると共に、該前掛眼鏡は、前記左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前面をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされている。そして、前記付勢連結装置を構成する前記第1の連結部には、その左右方向両側に軸受突部が設けられ該軸受突部間に嵌入凹部が設けられており、左右方向の孔心を合致させて、一方の軸受突部に軸挿入孔が設けられると共に他方の軸受突部にはネジ孔が設けられている。又、前記付勢連結装置を構成する前記第2の連結部には、前記嵌入凹部に嵌め入れられる嵌入突部が設けられており、該嵌入突部は、これが前記嵌入凹部に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔及び前記ネジ孔と孔心を合致させて収容孔が貫設されてなり、該収容孔は、前記軸挿入孔側に存する小径挿入孔に、段差部を介して大径挿入孔が連設されている。そして該収容孔には軸体が収容され、該軸体は、前記軸挿入孔と前記小径挿入孔に密接に挿入されて該収容孔の軸線に沿って延びる軸部の前記ネジ孔側の端部に頭部が膨設されてなり、該頭部と前記段差部との間にコイルバネが圧縮状態で介在されており、又、前記軸体と軸線を共通にする押圧支持ネジのネジ軸部が前記ネジ孔に螺合され、該ネジ軸部の先端が、前記頭部の前記ネジ孔に面する頭部端の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧することによって前記コイルバネを所要の圧縮状態とする如くなされ、該コイルバネの付勢力によって、前記嵌入突部の前記一方の軸受突部側の端面と該一方の軸受突部の該嵌入突部側の端面とが互いに弾性圧接状態にあることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る撥ね上げ式眼鏡の他の態様は、目と相対する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体と該左右の枠部の前面をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなる前掛眼鏡とを具え、該第2の連結部が、付勢連結装置を介して前記第1の連結部に枢着されると共に、該前掛眼鏡は、前記左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前面をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされている。そして、前記付勢連結装置を構成する前記第2の連結部には、その左右方向両側に軸受突部が設けられ該軸受突部間に嵌入凹部が設けられており、左右方向の孔心を合致させて、一方の軸受突部に軸挿入孔が設けられると共に他方の軸受突部にはネジ孔が設けられている。又、前記付勢連結装置を構成する前記第1の連結部には、前記嵌入凹部に嵌め入れられる嵌入突部が設けられており、該嵌入突部は、これが前記嵌入凹部に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔及び前記ネジ孔と孔心を合致させて収容孔が貫設されてなり、該収容孔は、前記軸挿入孔側に存する小径挿入孔に、段差部を介して大径挿入孔が連設されている。そして、該収容孔には軸体が収容され、該軸体は、前記軸挿入孔と前記小径挿入孔に密接に挿入されて該収容孔の軸線に沿って延びる軸部の前記ネジ孔側の端部に頭部が膨設されてなり、該頭部と前記段差部との間にコイルバネが圧縮状態で介在されており、又、前記軸体と軸線を共通にする押圧支持ネジのネジ軸部が前記ネジ孔に螺合され、該ネジ軸部の先端が、前記頭部の前記ネジ孔に面する頭部端の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧することによって前記コイルバネを所要の圧縮状態とする如くなされ、該コイルバネの付勢力によって、前記嵌入突部の前記一方の軸受突部側の端面と該一方の軸受突部の該嵌入突部側の端面とが互いに弾性圧接状態にあることを特徴とするものである。
【0014】
前記各撥ね上げ式眼鏡において、前記頭部端の中央部分を、円形凹部の底面の中央部分として形成し、該円形凹部に前記ネジ軸部の先端部分を嵌め入れ、該ネジ軸部の先端が該底面の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧するように構成するのがよい。
【0015】
前記各撥ね上げ式眼鏡において、前記眼鏡体を構成する前記左右の枠部が左右のレンズ部である場合、前記左右の軸受突部を、前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることがある他、前記嵌入突部を、前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることもある。
【0016】
前記各撥ね上げ式眼鏡において、前記眼鏡体を構成する左右の枠部は、左右のレンズ部であることの他、レンズを具えないこともある。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る撥ね上げ式眼鏡は、前掛眼鏡を眼鏡体に付勢連結装置を介して枢着する構成を採用するため、前掛眼鏡を、長期間に亘って安定状態でスムーズに撥ね上げることができ且つ下方向に回動させることができ、然も、その撥ね上げ状態を無段階の任意の角度に設定できる。そして該前掛眼鏡を、該任意の角度で保持させ得る。
【0018】
(2) 本発明に係る前記付勢連結装置は、軸体と押圧支持ネジを、軸線を共通にして直列する構成を採用すると共に、該押圧支持ネジのネジ軸部の先端が該軸体の頭部端の中央部分を押圧する構成を採用している。従って本発明によるときは、前記従来の撥ね上げ式眼鏡とは異なり、前掛眼鏡の回動によって押圧支持ネジが緩みにくい。又、ネジ軸部が折損する恐れもない。
又、該付勢連結装置は、組み込まれているコイルバネを押圧支持ネジで所要の圧縮状態とする構成を採用している。従って本発明によるときは、該圧縮状態のコイルバネによって、前掛眼鏡の回動こわさを調整できるだけでなく、前記押圧支持ネジのネジ面と前記ネジ孔のネジ面とが圧接状態となることに伴うネジ面相互の摩擦力の増大によって押圧支持ネジが緩みにくい。
これらによって本発明によるときは、前掛眼鏡を、長期間に亘って安定状態でスムーズに回動させることができるのである。
【0019】
(3) 前記軸体の前記頭部端の中央部分を、円形凹部の底面の中央部分として形成し、該円形凹部に前記ネジ軸部の先端部分を嵌め入れ、該ネジ軸部の先端が該底面の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧する如く構成するときは、該ネジ軸部の先端部分が該円形凹部に拘束されるため、ネジ軸部の先端が該円形凹部の頭部端の中央部分から位置ずれするのを確実に防止できる。又、該ネジ軸部の先側部分の周囲で前記収容孔が例えば図4に示すように拡大しているときも、該拡大孔の孔心と該ネジ軸部の軸線とが同心状態に保持される。かかることから、前掛眼鏡の回動の際に、前記嵌入突部の該ネジ軸部側の部分が、前記嵌入凹部内でぶれる恐れがない。従って、前掛眼鏡の回動による押圧支持ネジの緩みを、より確実に防止できることとなる。
【0020】
(4) 眼鏡体が眼鏡として構成されている場合、特に、前記左右の軸受突部や前記嵌入突部を前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付ける構成を採用するときは、該左右の軸受突部や該嵌入突部を該第1の連結部から取り外すことにより前掛眼鏡を眼鏡から取り外すことができ、該眼鏡を単独で使用できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る撥ね上げ式眼鏡を、眼鏡体が眼鏡として構成された場合について示す斜視図である。
【図2】その分解斜視図である。
【図3】その付勢連結装置の構成を説明する分解斜視図である。
【図4】その付勢連結装置の構成を説明する断面図である。
【図5】その付勢連結装置を構成する軸体の頭部端の中央部分に押圧支持ネジのネジ軸部の先端が当接した状態を示す説明図である。
【図6】その頭部端の中央部分を稍外れた部位に押圧支持ネジのネジ軸部の先端が当接した状態を示す説明図である。
【図7】前掛眼鏡の撥ね上げ状態を示す部分断面側面図である。
【図8】前掛眼鏡が下ろされた状態を示す部分断面側面図である。
【図9】眼鏡体がレンズを具えない枠体として構成された撥ね上げ式眼鏡を示す斜視図である。
【図10】その分解斜視図である。
【図11】その撥ね上げ式眼鏡において前掛眼鏡が下ろされた状態を示す一部断面側面図である。
【図12】その撥ね上げ式眼鏡において前掛眼鏡が撥ね上げられた状態を示す一部断面側面図である。
【図13】本発明に係る撥ね上げ式眼鏡の他の実施例を示す斜視図と、その付勢連結装置を示す断面図である。
【図14】付勢連結装置を構成する嵌入突部が、眼鏡体の第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられてなる撥ね上げ式眼鏡を示す部分斜視図とその断面図である。
【図15】その付勢連結装置の構成を説明する断面図である。
【図16】その付勢連結装置の構成を説明する分解斜視図である。
【図17】眼鏡体の第1の連結部の下面に磁石を埋設した状態を示す斜視図である。
【図18】その撥ね上げ式眼鏡の、前掛眼鏡が撥ね上げられた状態を示す一部断面側面図である。
【図19】その撥ね上げ式眼鏡の、前掛眼鏡が下ろされた状態を示す一部断面側面図である。
【図20】嵌入突部を第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けた断面図である。
【図21】付勢連結装置を構成する左右の軸受突部を、眼鏡体を構成する第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得るように構成された撥ね上げ式眼鏡を示す部分斜視図とその分解斜視図である。
【図22】眼鏡体がレンズを具えない枠体である撥ね上げ式眼鏡であって、前記嵌入突部が前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得るように構成された撥ね上げ式眼鏡を示す部分斜視図である。
【図23】眼鏡体がレンズを具えない枠体である撥ね上げ式眼鏡であって、前記左右の軸受突部が前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得るように構成された撥ね上げ式眼鏡を示す部分斜視図である。
【図24】前記付勢連結装置を構成する嵌入突部を前記第1の連結部の後面に磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得るように構成された撥ね上げ式眼鏡を示す部分断面側面図である。
【図25】嵌入突部と軸受突部との間にワッシャを介在させた状態を、ワッシャと共に示す断面図と斜視図である。
【図26】撥ね上げ式眼鏡を構成する眼鏡の他の態様を前掛眼鏡が下ろされた状態で示す斜視図である。
【図27】従来の撥ね上げ式眼鏡の問題点を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
図1〜2において本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1は、目と相対する左右の枠部2,2相互を第1の連結部3で連結してなる眼鏡体5と、該左右の枠部2,2の前面6をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部7,7相互を第2の連結部9で連結してなる前掛眼鏡10とを具えている。そして該第2の連結部9が、前記第1の連結部3に付勢連結装置11を介して枢着されると共に、該前掛眼鏡10は、図7〜8に示すように、左右の補助レンズ部7,7が前記左右の枠部2,2の前面6をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部7,7が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされている。
【0023】
前記眼鏡体5は本実施例においては図2に示すように、レンズ12をリム13で包持して構成された左右のレンズ部2a,2aとしての前記左右の枠部2,2相互を前記第1の連結部3で連結してなる眼鏡5aとして構成されている。又前記前掛眼鏡10は、前記補助レンズ部7,7が例えば遮光レンズである遮光眼鏡として構成されている。
【0024】
そして、前記第1の連結部3は、図2〜4に示すように、左右方向の両側に軸受突部15,16が設けられ、該軸受突部15,16間に嵌入凹部17が設けられている。又、該両軸受突部15,16には、図4に示すように、左右方向の孔心を合致させて、その一方の軸受突部15に円形の軸挿入孔19が設けられると共にその他方の軸受突部16にネジ孔20が設けられている。ここに、「合致させて」とは、合致した状態乃至略合致した状態を意味する。
【0025】
又前記第2の連結部9には、図3〜4に示すように、前記嵌入凹部17に嵌め入れられる嵌入突部21が設けられており、該嵌入突部21は、これが前記嵌入凹部17に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔19及び前記ネジ孔20と孔心を合致させて円形の収容孔22が貫設された状態となされている。ここに、「合致させて」とは、合致した状態乃至略合致した状態を意味する。該収容孔22は、前記軸挿入孔19側に存する小径挿入孔23に、段差部25を介して大径挿入孔26が連設されている。
【0026】
そして前記収容孔22には、図3〜4に示すように、軸体27が収容されており、該軸体27は、前記軸挿入孔19と前記小径挿入孔23とに密接に挿通されて該収容孔22の軸線に沿って延びる軸部29の、前記ネジ孔20側の端部に頭部30が膨設されている。該軸体27は、コイルバネ31を挿通した状態で、前記収容孔22の大径挿入孔26の開放端32側から小径挿入孔23側に向けて挿入され、前記軸部29の先側部分33が、前記軸挿入孔19と前記小径挿入孔23に密接に挿通されるのである。
【0027】
そして図3〜4に示すように、前記軸体27と軸線を共通にする押圧支持ネジ35のネジ軸部36が前記ネジ孔20に螺合されており、該ネジ軸部36の先端37が、前記頭部30の、前記ネジ孔20に面する頭部端39の中央部分40を前記小径挿入孔23に向けて押圧することにより、前記コイルバネ31を前記頭部30と前記段差部25との間で所要の圧縮状態とする如く構成されている。ここに、「頭部端39の中央部分」とは、頭部端39の中央乃至その近傍部分を意味する。本実施例においては、該頭部端39の中央部分40は、円形凹部41の底面34の中央部分43として形成されており、該円形凹部41に前記ネジ軸部36の先端部分42が嵌め入れられると共に該ネジ軸部36の先端37が前記底面34の中央部分43に点線接触乃至それに近い状態となされている。
【0028】
前記付勢連結装置11は、前記第1の連結部3の軸受突部15,16と、前記第2の連結部9の嵌入突部21と、前記軸体27と、前記コイルバネ31と、前記押圧支持ネジ35とを含んで構成されている。
【0029】
然して、かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡1にあっては、図4に示すように、前記押圧支持ネジ35の螺合によって前記コイルバネ31が所要の圧縮状態とされているため、該コイルバネ31の付勢力によって、前記嵌入突部21の前記軸受突部15側の端面38(図3〜4)と該軸受突部15の該嵌入突部側の端面44(図3〜4)とが互いに弾性圧接状態とされている。
【0030】
そして、該コイルバネ31の両端部45,46の夫々が、前記段差部25及び前記頭部30に圧接状態にある。又、前記軸受突部15の軸挿入孔19に、前記軸体27の前記嵌入突部21から突出した突出軸部47が挿入されると共に、他方の軸受突部16に設けられている前記ネジ孔20に螺合されている前記押圧支持ネジ35のネジ軸部36の先端部分42が前記頭部30の前記円形凹部41に嵌め入れられ、該ネジ軸部36の先端37が該円形凹部41の底面34の中央部分43に点接触乃至それに近い状態とされている。
【0031】
然して、前記前掛眼鏡10を撥ね上げる際や、撥ね上げられた前掛眼鏡10を下ろす際における前掛眼鏡10の回動動作は、前記軸体27及び前記押圧支持ネジ35の軸線回りに無理なく行なわれることになる。又前記押圧支持ネジ35は、そのネジ軸部36が前記ネジ孔20に螺合状態にあり且つこの状態で該ネジ軸部36が、前記コイルバネ31の付勢力によりねじ込み方向と逆方向に押圧されるので、ネジ孔20のネジ面とネジ軸部36のネジ面とが圧接状態となることに伴うネジ面相互の摩擦力の増大によって押圧支持ネジ35が緩みにくい。然も、ネジ軸部36の先端(ネジ軸部36の軸線方向の先端)37が前記円形凹部41の底面34の中央部分(前記軸体27の軸線上に存する)43に点接触乃至それに近い状態となることから、軸体27の軸線と押圧支持ネジ35の軸線は一直線上にあり、この一直線上に、前記ネジ軸部36の先端37が存することになる。
【0032】
かかることから、前記ネジ孔20に螺合されて前記他方の軸受突部16と一体化状態にある押圧支持ネジ35は、前記コイルバネ31を介して前記嵌入突部21と一体化状態とされやすい前記軸体27の軸線回りに回転することにはなっても、緩みにくい。従って、前掛眼鏡10の回動が長期間に亘って安定的に確保されることになる。
【0033】
本発明は、図5に示すように、前記押圧支持ネジ35のネジ軸部36の先端37を前記頭部端39の中央部分40に押圧状態とするだけでも、前記軸体27と前記押圧支持ネジ35との軸線Lが一直線上にあり且つ該頭部端39に対する該先端37の接触部50の中心部50aがこの軸線上に存し乃至その近傍に存することから、前掛眼鏡10の回動に伴う押圧支持ネジ35の緩みを防止できる。因みに、例えば図6に示すように、前記頭部端39に対する前記ネジ軸部36の先端37の接触部50の中心部50aが前記軸線Lから外れているとすれば、前記回動に伴い押圧支持ネジ35が緩みやすい。但しこのような態様も、ネジ軸部36の先端37が頭部端39の中央部分(中央乃至その近傍部分)を前記小径挿入孔23に向けて押圧する構成に該当する。
【0034】
更に図4に示すように、前記頭部端39の中央部分に円形凹部41を設け、該円形凹部41に前記ネジ軸部36の先端部分42を嵌め入れる構成とする場合は、該ネジ軸部36の先端部分42が該円形凹部41に拘束されるため、ネジ軸部36の先端37が該円形凹部41の頭部端39の中央部分から位置ずれするのを確実に防止できる。又、該ネジ軸部36の先側部分36aの周囲で前記収容孔22が例えば図4に示すように拡大しているときも、該拡大孔22の孔心と該ネジ軸部36の軸線とが同心状態に保持される。かかることから、前掛眼鏡10の回動の際に、前記嵌入突部21の該ネジ軸側の部分21aが、前記嵌入凹部17内でぶれる恐れがない。従って、前掛眼鏡10の回動による押圧支持ネジ35の緩みを、より確実に防止できることになる。
【0035】
特に前記のように、ネジ軸部36の先端37を前記円形凹部41の底面34の中央部分43に点接触乃至それに近い状態とするときは、前掛眼鏡10の回動に伴う押圧支持ネジ35の緩みを一層効果的に防止できることになる。
【0036】
そして前記前掛眼鏡10の最大撥ね上げ角度は、例えば図7に示すように、前記第2の連結部9の上面51が前記第1の連結部3の前面の傾斜面52(図7(B)、図8(B))に当接することによって規制され、又、前記前掛眼鏡10を、前記左右のレンズ部2a,2aの前面6をその前側で覆うように下方に回動された際における角度規制は、図8に示すように、前記嵌入突部21の前記左右の軸受突部15,16間の部分の前面53が前記嵌入突部21の後面55(図7(B)、図8(B))と当接状態となることによって規制される。
【0037】
かかる付勢連結装置11を具える撥ね上げ式眼鏡1によるときは、前掛眼鏡10をスムーズに撥ね上げることができると共に、スムーズに下方向に回動させて、前記左右の補助レンズ部7,7が前記左右のレンズ部2a,2aの前面6,6をその前側で覆った状態となすことができる。そして、その撥ね上げ角度を無段階の任意の角度に設定でき、所要の撥ね上げ状態は、前記コイルバネ31の付勢力によって前記端面38(図1、図3〜4)と前記端面44(図1、図3〜4)とが互いに弾性圧接状態となることに伴う摩擦力により保持される。
【0038】
かかることから、遮光機能や、偏光機能、視力矯正機能等を有する補助レンズ部7,7を以て前記前掛眼鏡10を構成することにより、使用者の必要に応じた撥ね上げ式眼鏡1を構成できることになる。前掛眼鏡10を前記下ろされた状態で使用するときは、撥ね上げ式眼鏡1を、遮光眼鏡や偏光眼鏡、或いは、近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として使用することができる一方、該前掛眼鏡10を撥ね上げた状態においては、眼鏡5aのレンズ12,12を通して見ることができる。該前掛眼鏡10は、撥ね上げられた前掛眼鏡が視野に殆ど入らない状態となるように、例えば100〜120度程度の大きな角度に撥ね上げることができるが、例えば、顔を下に向けた姿勢で小さな文字を読む等の際においては、多少の撥ね上げ状態とされることもある。このように、使用者の必要に応じて前掛眼鏡10の撥ね上げ角度を自由に設定できるのである。
【実施例2】
【0039】
図9〜10は、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1の他の実施例を示すものであり、眼鏡体5がレンズを具えない枠体5bである場合の一例を示している。
【0040】
即ち、該撥ね上げ式眼鏡1は、目と相対する左右の枠部(左右方向に長い縁部2b,2bとして構成されており、レンズを具えていない)2,2相互を第1の連結部3で連結してなる枠体5bとしての眼鏡体5の該第1の連結部3に対して前記前掛眼鏡10を撥ね上げ可能に取り付けた構成を有している。該撥ね上げ式眼鏡1は、左右の枠部2,2がレンズを具えない点において前記実施例1に係る撥ね上げ式眼鏡1と相違するだけであり、前記付勢連結装置11の構成は実施例1におけると同様であるため、その具体的な説明を省略する。
【0041】
かかる構成の撥ね上げ式眼鏡1によるときは、使用者の必要に応じて、図11に示すように該前掛眼鏡10を下ろされた状態で使用する際は、これを遮光眼鏡や偏光眼鏡、或いは、近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として使用することができる一方、図12に示すように、該前掛眼鏡10を撥ね上げた状態においては、手元を見る際やトンネルを走行中等において裸眼視できる。
【実施例3】
【0042】
図13は、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1のその他の実施例を示すものであり、軸受突部15,16を前記第2の連結部9に設ける一方、嵌入突部21を前記第1の連結部3に設けてなる。そして両軸受突部15,16と前記嵌入突部21は、実施例1における場合と同様の構成を有している。同様の構成部分には、実施例1におけると同一の符号が付されている。
【0043】
このように構成した場合も、前掛眼鏡10は、左右の補助レンズ部7,7が前記左右のレンズ部2a,2aの前面6,6をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部7,7が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能である。そして前掛眼鏡10は、所要の撥ね上げ状態で保持される。
【実施例4】
【0044】
図14〜15は本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1のその他の実施例を示すものであり、前記前掛眼鏡10を構成する第2の連結部9の左右方向両側に軸受突部15,16が設けられ該軸受突部15,16間に嵌入凹部17が設けられる一方、眼鏡5aとしての眼鏡体5を構成する第1の連結部3に、該嵌入凹部17に嵌め入れられる嵌入突部21が設けられている。そして該嵌入突部21は、前記第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられるようになされており、該嵌入突部21は、本実施例においては図16に示すようにホルダー部56に設けられている。
【0045】
該ホルダー部56は例えば樹脂製であり、その上側部分に嵌入突部21が、後方に突出する状態で設けられている。そして前記ホルダー部56の後側部分57の上下には、上下の挾持片59,60が、対向状態で後方向に突設されており、該上下の挾持片59,60間に、前記第1の連結部3を嵌め入れるための収容溝61が形成されている。本実施例においては、下の挾持片60の上面に第1の磁石62が、例えば接着によって固定されており、前記第1の連結部3の下面部分には、図17に示すように、第2の磁石63が埋設されている。該第2の磁石63は、該第1の連結部3の下面部分に凹設した凹部65に嵌め入れられて、例えば接着されてなり、該第2の磁石63の下面66と該第1の連結部3の下面67は面一に形成されている。そして、該第2の磁石63の下面には、前記第1の磁石62の上面とは異極の磁性部が現れるようになされている。
【0046】
然して、図14(A)(B)に示すように、前記収容溝61に前記第1の連結部3を嵌め入れることにより、該第1の磁石62と該第2の磁石63との磁気吸着により、前記ホルダー部56が第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられることになる。
【0047】
前記左右の軸受突部15,16の具体的な構成及び前記嵌入突部21の構成は実施例1における場合と同様であるため、その具体的な説明は省略し、図15において、同一構成部分には前記と同一の符号を付している。
【0048】
かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡1にあっては、図14に示すように、前記ホルダー部56と前記第2の連結部9とが連結された状態となっており、該ホルダー部56を前記第1の連結部3に磁気吸着状態で取り付けることにより、所要の撥ね上げ式眼鏡1を構成できるようになっている。そして該ホルダー部56を前記第1の連結部3から取り外すことにより、前記眼鏡5aを独立して使用できる。
【0049】
かかる構成の撥ね上げ式眼鏡1によるときも、図18に示すように、前掛眼鏡10をスムーズに撥ね上げることができると共に、スムーズに下方向に回動させて、図19に示すように、前記左右の補助レンズ部7,7が前記左右のレンズ部2a,2aの前面6,6をその前側で覆った状態となすことができる。そして、その撥ね上げ角度を任意に設定でき、所要の撥ね上げ状態を保持できる。
【0050】
図20は、前記嵌入突部21を前記第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付ける他の構成を示すものであり、第1の連結部3に、前記と同様にして磁石66が埋設されているが、前記ホルダー部56の少なくとも前記下の挾持片60の上面は、鉄(磁力に反応する鉄製合金)とされている。これにより、該鉄製の面67と前記磁石66との磁気吸着により、前記収容溝61に前記第1の連結部3が嵌め入れられた状態で前記嵌入突部21を該第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができる。
【0051】
又、ホルダー部56の下の挾持片60に磁石を設けるときは、前記第1の連結部3を、該磁石と吸着し得る鉄製等の磁性部として構成することもできる。或いは、該第1の連結部3に鉄製等の磁性部を設けることによって構成することもできる。
【0052】
要は、嵌入突部21を前記ホルダー部56を介して、或いは該嵌入突部21を直接的に、第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることのできる各種構成を採用できるということである。
【0053】
又図21は、前記実施例における場合とは逆に、前記第1の連結部3の左右方向両側に設けられた軸受突部15,16間に形成された嵌入凹部17に嵌め入れられる嵌入突部21を前記第2の連結部9に設けた場合を示しており、その他の構成は前記実施例1における場合と同様である。
【0054】
図22、図23は、前記嵌入突部21又は左右の軸受突部15,16を第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けてなる撥ね上げ式眼鏡1のその他の実施例を示すものであり、眼鏡体5が、前記と同様、レンズを具えない枠体5bとして構成されている。
【0055】
図24は、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1のその他の実施例を示すものであり、ホルダー部56の上部分に、後方に向けて斜め下方に屈曲する屈曲片79が設けられた上片80が突設されると共に、該屈曲片79の内面に磁石66が設けられる一方、前記第1の連結部3には、該磁石66と吸着し得る磁性部(磁石又は鉄製部)81が設けられており、該ホルダー部56を第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができる。これにより、前記嵌入突部21又は軸受突部15,16を該第1の連結部3に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができる。
【実施例5】
【0056】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0057】
(1) 図25は、前記第1の連結部3と前記第2の連結部9が例えばチタン製である場合において、前記嵌入突部21の前記軸受突部15側の端面38(図3〜4)と該軸受突部15の該嵌入突部側の端面44(図3〜4)とが食い付き状態(摩擦力が異常に大きくなって端面38,44相互が滑りにくい状態)となることなく所要の弾性圧接状態が得られるようにするために、該両端面38,44間に、洋白等からなるワッシャ82を介在させた場合を示している。該ワッシャ82は、該両端面38,44間に介在される円板状ワッシャ片83に円筒部85を同心に突設してなり、該円筒部85を、前記端面38に設けられてなる、前記小径挿入孔23と同心に凹設された円環状溝83に嵌め入れることにより、該円板状ワッシャ片83が位置ずれすることなく該両端面38,44間に介在されるようになされている。該円筒部85は省略されることもある。
【0058】
(2) 前記レンズ部2aは、前記実施例においては、レンズ12をリム13で包持した構成を有しているが、例えば図26に示すような、レンズ12の上縁部分86に取り付く縁枠87の両端部89,89に、該レンズ12の下縁に取り付けられたコード90の端部分91を止着してなる縁無し眼鏡として構成されることもある。
【0059】
(3) 前掛眼鏡10は、左右の補助レンズ部7,7が一連に連なったものとして、例えばプラスチック製サングラスとして構成されることもある。
【符号の説明】
【0060】
1 撥ね上げ式眼鏡
2 枠部
3 第1の連結部
5 眼鏡体
6 左右の枠部の前面
7 補助レンズ部
9 第2の連結部
10 前掛眼鏡
11 付勢連結装置
12 レンズ
13 リム
15 軸受突部
16 軸受突部
17 嵌入凹部
19 軸挿入孔
20 ネジ孔
21 嵌入突部
22 収容孔
23 小径挿入孔
25 段差部
26 大径挿入孔
27 軸体
29 軸部
30 頭部
31 コイルバネ
33 軸部の先側部分
34 円形凹部の底面
35 押圧支持ネジ
36 ネジ軸部
37 ネジ軸部の先端
39 頭部端
40 頭部端の中央部分
41 円形凹部
42 ネジ軸部の先端部分
43 円形凹部の底面の中央部分
45 コイルバネの端部
46 コイルバネの端部
50 接触部
56 ホルダー部
59 上の挾持片
60 下の挾持片
61 収容溝
62 第1の磁石
63 第2の磁石
66 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目と相対する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体と、該左右の枠部の前面をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなる前掛眼鏡とを具え、該第2の連結部が、付勢連結装置を介して前記第1の連結部に枢着されると共に、該前掛眼鏡は、前記左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前面をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされており、
前記付勢連結装置を構成する前記第1の連結部には、その左右方向両側に軸受突部が設けられ該軸受突部間に嵌入凹部が設けられており、左右方向の孔心を合致させて、一方の軸受突部に軸挿入孔が設けられると共に他方の軸受突部にはネジ孔が設けられており、
又、前記付勢連結装置を構成する前記第2の連結部には、前記嵌入凹部に嵌め入れられる嵌入突部が設けられており、該嵌入突部は、これが前記嵌入凹部に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔及び前記ネジ孔と孔心を合致させて収容孔が貫設されてなり、
該収容孔は、前記軸挿入孔側に存する小径挿入孔に、段差部を介して大径挿入孔が連設されており、
該収容孔には軸体が収容され、該軸体は、前記軸挿入孔と前記小径挿入孔に密接に挿入されて該収容孔の軸線に沿って延びる軸部の前記ネジ孔側の端部に頭部が膨設されてなり、該頭部と前記段差部との間にコイルバネが圧縮状態で介在されており、又、前記軸体と軸線を共通にする押圧支持ネジのネジ軸部が前記ネジ孔に螺合され、該ネジ軸部の先端が、前記頭部の前記ネジ孔に面する頭部端の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧することによって前記コイルバネを所要の圧縮状態とする如くなされ、該コイルバネの付勢力によって、前記嵌入突部の前記一方の軸受突部側の端面と該一方の軸受突部の該嵌入突部側の端面とが互いに弾性圧接状態にあることを特徴とする撥ね上げ式眼鏡。
【請求項2】
目と相対する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体と該左右の枠部の前面をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなる前掛眼鏡とを具え、該第2の連結部が、付勢連結装置を介して前記第1の連結部に枢着されると共に、該前掛眼鏡は、前記左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前面をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされており、
前記付勢連結装置を構成する前記第2の連結部には、その左右方向両側に軸受突部が設けられ該軸受突部間に嵌入凹部が設けられており、左右方向の孔心を合致させて、一方の軸受突部に軸挿入孔が設けられると共に他方の軸受突部にはネジ孔が設けられており、
前記付勢連結装置を構成する前記第1の連結部には、前記嵌入凹部に嵌め入れられる嵌入突部が設けられており、該嵌入突部は、これが前記嵌入凹部に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔及び前記ネジ孔と孔心を合致させて収容孔が貫設されてなり、
該収容孔は、前記軸挿入孔側に存する小径挿入孔に、段差部を介して大径挿入孔が連設されており、
該収容孔には軸体が収容され、該軸体は、前記軸挿入孔と前記小径挿入孔に密接に挿入されて該収容孔の軸線に沿って延びる軸部の前記ネジ孔側の端部に頭部が膨設されてなり、該頭部と前記段差部との間にコイルバネが圧縮状態で介在されており、又、前記軸体と軸線を共通にする押圧支持ネジのネジ軸部が前記ネジ孔に螺合され、該ネジ軸部の先端が、前記頭部の前記ネジ孔に面する頭部端の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧することによって前記コイルバネを所要の圧縮状態とする如くなされ、該コイルバネの付勢力によって、前記嵌入突部の前記一方の軸受突部側の端面と該一方の軸受突部の該嵌入突部側の端面とが互いに弾性圧接状態にあることを特徴とする撥ね上げ式眼鏡。
【請求項3】
前記頭部端の中央部分は、円形凹部の底面の中央部分として形成されており、該円形凹部に前記ネジ軸部の先端部分が嵌め入れられ、該ネジ軸部の先端が該底面の中央部分を前記小径挿入孔に向けて押圧することを特徴とする請求項1又は2記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項4】
前記眼鏡体を構成する前記左右の枠部が左右のレンズ部である場合において、前記左右の軸受突部が、前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項5】
前記眼鏡体を構成する前記左右の枠部が左右のレンズ部である場合において、前記嵌入突部が、前記第1の連結部に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項2記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項6】
前記眼鏡体を構成する左右の枠部は左右のレンズ部であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項7】
前記眼鏡体を構成する左右の枠部は、レンズを具えないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項8】
前記嵌入突部の前記一方の軸受突部側の端面と該一方の軸受突部の該嵌入突部側の端面とがワッシャを介して互いに弾性圧接状態にあることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の撥ね上げ式眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−75862(P2011−75862A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227735(P2009−227735)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(509250467)
【Fターム(参考)】