説明

播種機

【課題】
種子の繰出作業中に、繰出ロールの繰出溝に蓄積した種子や夾雑物を取り除き、繰出溝の容量が一定に保たれる播種機を提供する。
【解決手段】
前輪と後輪を備える走行車体の後部に、回転周面に繰出溝4を形成した繰出回転体5と、繰出回転体5の回転周面に接触する清掃部材6で構成した播種装置を設けた播種機において、繰出回転体5の回転に合わせて清掃部材6を上下動させる清掃部材上下動機構を設け、繰出回転体5が種子を繰り出してから次の種子を受けるまでの非繰出作用部で繰出溝4に送風する送風装置を設けると共に、非繰出作用部で繰出回転体5の繰出溝4を監視する監視装置を設けて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に種子を繰り出して播種する播種機に関するものであり、繰出装置の繰出溝に蓄積する種子や肥料などの粒状体を除去しながら作業を行えるものである。
【背景技術】
【0002】
回転周面に複数の繰出溝を形成した繰出ロールを回転することによって、種子収容のホッパーから供給される種子を各繰出溝に投入して繰り出し、圃場に設定量ずつ播種する技術(例えば、特許文献1参照)が周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−136629号公報(第6頁、図5)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術には、繰出ロールの繰出溝に入り込み、溝内の夾雑物を除去する清掃ブラシが設けられているが、この清掃ブラシは固定式であり、繰出溝の奥底に詰まった夾雑物に届かず、繰出溝に蓄積する夾雑物により繰出溝の容量が減ってしまい、設定した量の種子が播種されなくなる問題がある。
【0005】
また、清掃ブラシで取り切れない細かい夾雑物は、繰出溝の内部に残リアすいため、作業終了後に掃除を行う際に繰出溝の中を手作業で掃除する必要があり、メンテナンス性が悪くなる問題がある。
【0006】
さらに、繰出溝に詰まりが生じているかどうかは、作業者が圃場に播種された種子を見なければ判らず、繰出溝の詰まりに気付かずに作業を進めてしまうと、播種量が極端に少ない場所や播種されない場所が生じ、作業者が手作業で播種し直さねばならず、作業者の労力が増大する問題がある。
【0007】
本発明は、これらの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、前輪(1)と後輪(2)を備える走行車体(3)の後部に、回転周面に繰出溝(4)を形成した繰出回転体(5)と、該繰出回転体(5)の回転周面に接触する清掃部材(6)で構成した播種装置(9)を設けた播種機において、前記繰出回転体(5)の回転に合わせて清掃部材(6)を上下動させる清掃部材上下動機構(C)を設け、前記繰出回転体(5)が種子を繰り出してから次の種子を受けるまでの非繰出作用部で繰出溝(4)に送風する送風装置(B)を設けると共に、非繰出作用部で前記繰出回転体(5)の繰出溝(4)を監視する監視装置(12)を設けたことを特徴とする播種機とした。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記送風装置(B)は、風が送り出される送風穴(14)を螺旋状に複数形成した回転自在な送風部材(11)と、前記送風部材(11)の回転周面に回転不能に設ける吹出穴(16)を左右方向に等間隔に形成した外周送風部材(17)で構成し、該送風穴(14)と吹出穴(16)が重合すると風が送り出される構成としたことを特徴とする請求項1記載の播種機とした。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記繰出回転体(5)よりも下方に回動自在な取付部材(54)と、該取付部材(54)を上方に付勢する弾発部材(10)と、該弾発部材(10)の弾発力を調節する調節部材(56)を設けて前記清掃部材上下動機構(C)を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の播種機とした。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記清掃部材(6)を正方形に構成したことを特徴とする請求項3記載の播種機とした。
請求項5に記載の発明は、回動自在な第2取付部材(83)と、該第2取付部材(83)を繰出回転体(5)側に付勢する第2弾発部材(84)を設けて前記清掃部材上下動機構(C)を構成し、前記第2取付部材(83)に支持部材(80)を設け、該支持部材(80)に切欠部(82)を形成した連結部材(81)を設け、前記第2取付部材(83)の端部で且つ切欠部(82)の内部に清掃部材(6)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の播種機とした。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記繰出回転体(5)の繰出溝(4)の左右幅を調節する溝幅調節部材(91)を繰出回転体(5)の外周部に設け、前記清掃部材上下動機構(C)で上方に付勢する清掃部材(6)を繰出溝(4)の左右幅方向に複数配置したことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の播種機とした。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記監視部材(12)が繰出溝(4)内に残る種子を検出すると、報知部材(60)が作動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の播種機とした。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は、繰出回転体(5)の回転周面に清掃部材(6)を接触させ、この清掃部材(6)を上下動させる清掃部材上下動機構(C)を設けたことにより、繰出溝(4)が通過する際に、清掃部材(6)が繰出溝(4)の内部に接触する構造となるため、繰出溝(4)に溜まった種子の生育剤や鳥害防止用の鉄粉等の夾雑物を清掃部材(6)で除去することができるので、繰出溝(4)に常に設定量の種子が投入され、播種量が少ない場所や播種されない場所が生じることが防止されて、播種精度が向上する。
【0015】
また、繰出回転体(5)の非繰出作用部で繰出溝(4)に送風する送風装置(B)を設けたことにより、清掃部材(6)では取れない細かい夾雑物を風で除去することができるので、繰出溝(4)に夾雑物が蓄積して容量が減ることが防止され、播種精度が向上する。
【0016】
そして、非繰出作用部で繰出溝(4)に詰まりがあるか否かを監視する詰まり監視装置(12)を設けたことにより、作業者は繰出溝(4)の詰まりの発生を早期に認識することができるので、清掃部材(6)や送風装置(B)の風で除去できない詰まりが発生しても、作業者は詰まりをすぐに除去することができ、播種精度が向上すると共に、作業能率が向上する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加えて、螺旋状に複数の送風穴(14)を形成した回転自在な送風部材(11)の回転周面に、左右方向に等間隔に吹出穴(16)を形成した外周送風部材(17)を回転不能に設けたことにより、送風部材(11)が回転して送風穴(14)と吹出穴(16)が重合した位置でのみ風が繰出溝(4)に吹き出される構成となるため、少ない風量で繰出溝(4)から夾雑物を飛ばす風量を確保することができるので、作業能率が向上する。
【0018】
また、確実に夾雑物を繰出溝(4)除去して、所定量の種子を圃場に播種することができるので、播種精度が向上する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、清掃部材上下動機構(C)を、弾発部材(10)と、この弾発部材の伸縮幅を調節する調節部材(56)で構成したことにより、繰出回転体(5)の繰出溝(4)に清掃部材(6)が入り込む距離を変更することができるので、夾雑物が多いときは調節部材(56)を操作して弾発部材(10)の伸縮幅を長くし、繰出溝(4)の奥部まで清掃部材(6)を入り込ませ、繰出溝(4)から夾雑物を除去して種子の繰出量を一定量に保つことができるので、播種精度が向上する。
【0019】
また、繰出溝(4)夾雑物が溜まりにくいときは調節部材(56)を操作して弾発部材(10)の伸縮幅を短くすることにより、繰出回転体(5)と清掃部材(6)が接触しにくくなるので、清掃部材(6)の過度の摩耗を防止することができ、清掃部材(6)交換の周期が長くなり、耐久性が向上する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の効果に加えて、清掃部材(6)を正方形に構成したことにより、清掃作用部の一辺が摩耗しても、90°位相を変えると摩耗していない清掃作用部を繰出し溝に接触させることができるので、清掃部材(6)の耐久性が向上する。
【0021】
さらに、正方形であれば、位相を変えることにより4回まで使うことができるので、清掃部材(6)を交換する周期が長くなり、さらに耐久性が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、第2取付部材(83)と、第2取付部材(83)を上方に付勢する第2弾発部材(84)を設けて構成したことにより、清掃部材(6)が繰出回転体(5)の回転に合わせて繰出溝(4)に自動的に出入りする構成となるため、清掃部材(6)が繰出回転体(5)の回転を妨げることなく繰出溝(4)から夾雑物を除去することができるので、繰出溝(4)に夾雑物が蓄積して容量が減ることが防止され、播種精度が向上する。
【0022】
また、第2取付部材(83)を連結部材(81)の下部に設けたことにより、繰出回転体(5)から種子が繰り出される際に飛散する夾雑物が清掃部材上下動機構(C)に降りかかることを防止できるので、播種作業後に清掃部材上下動機(C)の掃除に手間がかからず、作業者の労力が軽減される。
【0023】
そして、連結部材(81)に形成した切欠部(82)の内部に清掃部材(6)を設けたことにより、清掃部材(6)を繰出回転体(5)及び繰出溝(4)に接触させることができるので、夾雑物の除去が適切に行なわれて繰出溝(4)の容量が減ることが防止され、播種精度が向上する。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、繰出回転体(5)の繰出溝(4)の左右幅を調節する溝幅調節部材(91)を繰出回転体(5)の外周部に設けたことにより、作業者は作業条件に合わせて播種量を容易に調節することができるので、種子の播き過ぎや不足が防止される。
【0025】
また、清掃部上下動機構(C)で上方に付勢する清掃部材(6)を繰出溝(4)の左右幅方向に複数配置したことにより、溝幅調節部材(91)で溝幅を変更しても、溝幅調節部材(91)に接触しない部分の清掃部材(6)は上方回動して繰出溝(4)に入り込むことができるので、溝幅を調節した繰出溝(4)の内部に蓄積する夾雑物が除去され、種子の播種量が安定して播種精度が向上する。
【0026】
請求項7に記載の発明の効果は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、監視部材(12)が繰出溝(4)内に残る種子を検出すると、報知部材(60)が作動する構成としたことにより、作業者は繰出溝(4)の詰まりを視認することができるので、繰出溝(4)の詰まり方に合わせて作業を継続するか、作業を中断して詰まりの除去作業を行うかを選択するでき、作業能率の向上や播種精度の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】播種機の側面図
【図2】播種機の播種制御のブロック図
【図3】播種機の播種装置部の側面図
【図4】送風装置の要部拡大図
【図5】播種機の繰出装置の要部側面断面図
【図6】播種機の繰出装置の要部側面断面図
【図7】播種機の繰出制御部のブロック図
【図8】監視装置による繰出ロールの溝詰まり検知のフローチャート
【図9】(a)播種機の繰出装置の要部側面断面図、(b)清掃ブラシ上下動機構の平面図
【図10】(a)フロート部の要部背面図、(b)フロート部の平面図
【図11】播種機の別構成例を示す要部側面断面図
【図12】(a)溝成形器を着けた後輪の要部側面図、(b)溝成形器を着けた後輪の一部の正面図、(c)溝成形器の正面図
【図13】別構成例の播種機の繰出装置を示す要部正面断面図
【図14】清掃ブラシの平面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1で示すとおり、機体の前後方向の略中央部に作業者が搭乗する作業座席31を設け、該作業座席31の前方に機体を操作するハンドル34を設け、該ハンドル34の操作によって左右方向に操舵される左右一対の前輪1,1を設け、機体の後部左右両側にリアファイナルケース21,21を設け、該リアファイナルケース21,21に設ける車軸22,22に左右一対の後輪2,2を軸着する。そして、前記作業座席31の下部にエンジンカバー30を設け、該エンジンカバー30の内部にエンジン23を設け、該エンジン23によって駆動して走行する、乗用の四輪駆動式の走行車体3を構成する。
【0029】
該走行車体3の後方に、昇降シリンダ40の伸縮によって昇降回動されるリフトリンク機構41を設け、該リフトリンク機構41を介して、圃場に種子を播く播種装置9を連結する。また、前記走行車体3の前側下部には、ミッションケース24及び油圧無段変速装置26を設け、該ミッションケース24及び油圧無段変速装置26には、前記エンジン23からベルト伝動によって駆動力を伝達する。
【0030】
前記ミッションケース24の下側部の左右両側部には、夫々フロントアクスルケース27,27が設けられ、該左右のフロントアクスルケース27,27の端部に、前記左右の前輪1,1を軸着する。そして、作業座席31及びハンドル34の下方で且つ周囲に、作業者が移動するフロアステップ35を設け、該フロアステップ35の前側に、前記ハンドル34や各種運転操作用の操作レバー等を配置するステアリングポスト32を配置する。
【0031】
前記ミッションケース24の後部には、機体後方に向かって出力伝動する左右の後輪ドライブシャフト28,28を設け、該後輪ドライブシャフト28,28からリアファイナルケース21,21に駆動力を伝動して後輪2,2を駆動回転させる構成とする。これに加えて、ミッションケース24には、前記播種装置9に駆動力を供給するPTO軸29を設け、機体後部に設けるリアフレーム42の上部に設ける施肥装置33、並びに前記播種装置9などに駆動力を伝動する構成とする。
【0032】
前記播種装置9の下部には、圃場面を滑走して均すフロート8を設ける。該フロート8は、圃場面の深浅により上下回動し、上方回動量または下方回動量が一定以上になると油圧バルブ(図示省略)を作動させて前記昇降シリンダ40を伸縮作動させ、前記リフトリンク機構41を上下動させて播種装置9の播種高さを変更する、播種作業位置の左右方向中央部に設けるセンターフロート8aと、該センターフロート8aの左右両側で圃場面を滑走しながら均す左右のサイドフロート8b,8bで構成する。該左右のサイドフロート8b,8bは、センターフロート8aの前端部よりも後側に配置する。
【0033】
本例では、図2で示すとおり、センターフロート8a及び左右のサイドフロート8b,8bのそれぞれの左右両側位置に播種を行なう、六条分の播種形態を示している。
そして、図1及び図3で示すとおり、前記センターフロート8a及び左右のサイドフロート8b,8bを支持する播種フレーム36を左右方向に亘って設け、該播種フレーム36の上部に六条分の種子を一条ごとに貯留する種子ホッパ43と、該種子ホッパ43から送り出される種子を所定量ずつ受けて圃場に繰り出す各条の繰出装置7と、該繰出装置7から繰り出された種子を落下案内する播種筒44と、播種筒44内に風を送り込んで種子を圃場面に高速で送る送風機37等を配置して、播種装置9を構成する。
【0034】
前記センターフロート8a及びサイドフロート8b,8bの下部には、播種後の種子が風などで移動することを防止する直線状の溝を圃場に切る左右一対の作溝器19,19を設ける。センターフロート8aの作溝器19,19はセンターフロート8aの後側寄りに設け、サイドフロート8b,8bの作溝器19,19はサイドフロート8b,8bの前側寄りに設け、全ての作溝器19,19が左右方向に略一直線状に並ぶ構成とする。
【0035】
該播種装置9の前側には、図1で示すとおり、前記センターフロート8aと左右のサイドフロート8b,8bの前側部の圃場面に接触し、圃場面の凹凸を回転力で均らして平坦にする整地ロータ38を配置する。該整地ロータ38は、センターフロート8aの前側を整地するセンターロータ38aと、該センターロータ38aの左右両側に前端部を接続する左右のロータ伝動ケース38c,38cと、該左右のロータ伝動ケース38c,38cの後端側に接続する左右のサイドフロート8b,8bの前側を整地するサイドロータ38b,38bで構成する。そして、前記左右のロータ伝動ケース38c,38cの左右どちらか一側と、同じ側の前記リアファイナルケース21の間にロータ伝動軸39を設ける。
【0036】
前記整地ロータ38は、播種装置9と共にリフトリンク機構41の上下動に伴い昇降される構成とする。なお、整地ロータ38は、独立して上下位置を変更する構成としても良い。
【0037】
上記構成により、圃場面の凹凸を整地ロータ38及びフロート8で平坦に均した圃場面に播種することができるので、播種装置9の播種筒44の下端部と圃場面の距離が近くなり過ぎ、播種した際に跳ねた圃場の土が播種筒44内に入り込むことを防止できるので、入り込んだ土に種子が引っ付いて播種されなくなることが防止され、播種精度が向上する。
【0038】
また、播種筒44内に入り込んだ土を除去する作業が不要となるので、作業者の労力が軽減されると共に、メンテナンス性が向上する。
そして、播種筒44の下端部と圃場面の距離が離れ過ぎ、種子が設定よりも広範囲に播種されることを防止できるので、設定量の種子を設定範囲内に播種することができ、作物の生育が安定すると共に、播種が直線状に行なわれるので、生育中の農薬や肥料散布等の管理作業や収穫作業の能率が向上する。
【0039】
さらに、センターフロート8aをサイドフロート8b,8bよりも機体前側に配置したことにより、圃場の深浅の検出位置が機体前側に寄るため、播種装置9が圃場の深浅に合った高さに移動してから種子の繰り出しを行うことができるので、播種精度が向上する。これに加えて、センターフロート8の前側の左右幅を広く取ることができるので、圃場の深浅の検出精度が向上する。
【0040】
図3で示すとおり、前記播種装置9は、回転周面に複数の繰出溝4…を形成した繰出ロール5と、該繰出ロール5の回転周面に接触して繰出ロール5及び繰出溝4…を清掃する清掃ブラシ6を設けて構成する、種子ホッパ43から落下する種子を設定量ずつ繰り出す繰出装置7を、前記種子ホッパ43と播種筒44の上下間に、各条ごとに内装する。
【0041】
各繰出装置7の播種筒44の下端部は、センターフロート8a及びサイドフロート8b,8b上の案内板45の内側部に臨ませて配置し、前記作溝器19,19が圃場面に形成する播種溝内に的確に案内する構成とする。
【0042】
また、該各案内板45…の上部には、播種筒44の前側からエアノズル46を臨ませて配置し、送風機37からエアダクト47を経て送風し、該エアノズル46から送風して播種溝への種子の落下投入力を助長して的確な播種を行わせる構成とする。
【0043】
そして、該清掃ブラシ6を繰出ロール5の回転周面に向かって付勢する清掃ブラシ上下動機構Cと、繰出溝4から種子が繰り出されて次の種子を受けるまでの非繰出作用部で繰出ロール5の繰出側周面に噴風する送風装置Bと、該送風装置Bの送風位置よりも回転方向上手側に、繰出溝4の内部を監視して挟雑物を検出する監視装置12を、播種装置9に設ける。
【0044】
なお、播種装置9で播種する種子は、種子の発芽及び成長に必要な栄養分や酸素等を供給する成長促進剤や、種子が鳥獣による食害に遭うことを防止する鉄粉でコーティングすることが多い。しかしながら、これらのコーティング剤は乾燥や振動により崩れやすく、剥離したコーティング剤が繰出溝4に蓄積して、繰出溝4の容量を減らしてしまい、設定どおりの施肥作業が妨げられる問題がある。
【0045】
図3、図5、図6、図9で示すとおり、前記走行車体3を走行しながら繰出ロール5を回転することにより、この繰出ロール5の各繰出溝4…に種子ホッパ43から供給される種子を投入し、繰出ロール5が回転して繰出溝4が落下位置に到達すると、繰出溝4に投入された所定量の種子が重力により落下し、播種筒44に繰り出されて圃場に播種される。
【0046】
そして、繰出ロール5が回転して非繰出作用部に移動し、種子を繰り出し終えた繰出溝4が繰出ロール5の下方に設けた清掃ブラシ6に接触すると、繰出ロール5に接触している清掃ブラシ6が清掃ブラシ上下動機構Cの付勢力により繰出溝4内に入り込み、繰出溝4の奥部に残っている種子や、種子を被覆していた成長促進剤や鉄粉の残滓を掻き取り掃除する。
【0047】
また、図6〜図8で示すように、清掃ブラシ6よりも回転方向下手側の非接触作用部に、種子の繰り出し後に繰出溝4内に種子が残っているかどうか、及びコーティング剤等の粉末が蓄積しているかいないかを監視する監視装置12を設ける。該監視装置12はCCDカメラ等の撮影装置で構成し、走行車体3に設けるハンドルポスト32に撮影した映像を表示するディスプレイ(図示省略)を設ける構成とすると、作業者が視覚的に繰出溝4の状態を把握することができるので、蓄積している夾雑物の量から作業を続行するか夾雑物の除去を行なうかの判断が可能となるため、作業能率や播種精度が向上する。また、繰出溝4の内部を確認するためだけに播種装置9を分解する必要がなく、作業能率がさらに向上する。
【0048】
上記により、播種作業をしながら各繰出溝4…の内部の清掃を行えるため、繰出溝4の容量が大幅に変わることが防止され、種子が設定どおりに播種されるので、播種精度が向上する。
【0049】
また、清掃ブラシ6が清掃ブラシ上下動機構Cによって上方に付勢されて繰出ロール5に常時接触していることにより、種子ホッパ43から送り出される種子と共に降り注ぐ、剥離したコーティング剤の粒子を除去することができるので、作業後に繰出ロール5の清掃を行なう必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0050】
そして、清掃ブラシ6は、繰出ロール5の回転周面に形成した繰出溝4が通過する際には、清掃ブラシ上下動機構Cによって清掃ブラシ6を先端部が繰出溝4の内部に接触するまで移動させることができるので、繰出溝4の奥部に残る夾雑物を確実に除去することができ、メンテナンス性が向上すると共に、繰出溝4の容量が変わることが防止され、播種精度が向上する。
【0051】
また、図3、図5、図6、図9で示すとおり、前記繰出ロール5は、機体左右方向に沿うロール軸13に軸着されている。そして、前記繰出ロール5を軸受するロールケース48の上側の供給口49には、種子ホッパ43の開口部を臨ませ、該供給口49の下側の排出口50に、直下方向の播種筒44を連通させて設ける。さらに、前記ロールケース48の内部には、前記供給口49の繰込側に繰出溝4に投入された種子の上面を塞ぐ擦切ブラシ51を設け、前記繰出溝4の回転外周部を覆い種子の飛散を防止すると共に、繰出溝4から脱落した種子を案内する案内カバー52を設ける。
【0052】
前記擦切ブラシ51は、下端縁を繰出ロール5の回転周面に接近させて、繰出溝4に投入された所定粒数の種子量を計量するように摺り切るものであり、該擦切ブラシ51の裏側に支持片53を設けて前記ロールケース48に取り付ける。該支持片53は、擦切ブラシ51を可撓自在に支持して、正確な播種量を維持するものである。
【0053】
そして、図5で示すとおり、前記清掃ブラシ6は、案内カバー52の終端部から適宜間隔を空けて排出口50側に設けるブラシアーム54の端部に取り付ける。該ブラシアーム54は、清掃ブラシ6を有する側の端部を繰出ロール5の回転周面側に接近移動させて配置し、前記ロールケース48の下部側とブラシアーム54の間に、ブラシアーム54の端部を繰出ロール5側に弾発させるスプリング10を設ける。
【0054】
さらに、該スプリング10を嵌合するスプリングロッド55には、前記ブラシアーム54の端部を嵌合させ、これらブラシアーム54とスプリング10との間にナット56を設けるこのナット56を回動することにより、これらブラシアーム54とスプリング10との間の間隔を変更調節して、ブラシアーム54の上下位置、及び清掃ブラシ6の弾発力を調節する清掃ブラシ上下動機構Cを構成している。
【0055】
繰出ロール5に形成した繰出溝4…の奥部まで清掃する清掃ブラシ6を、スプリング10の弾発力によって下方から付勢することにより、繰出ロール5の回転周面に接触して表面に付着した夾雑物を除去しながら、繰出溝4が清掃ブラシ6を通過する際には、下方から付勢される清掃ブラシ6を繰出溝4の奥部に接触させて蓄積した種子や夾雑物を除去することができるので、繰出溝4の容量が変化することがなく、播種量が設定した量で維持されるため、播種精度が向上する。
【0056】
加えて、繰出溝4の内部を掃除する労力が軽減される。
また、ナット56を回転させてスプリング10の張力を変更することができるので、播種条件によって繰出溝4の深さや繰出ロール5の径を変えても清掃ブラシ6の先端部を接触させることができ、繰出溝4や繰出ロール5の清掃精度が向上する。
【0057】
さらに、清掃ブラシ6の先端部と繰出溝4及び繰出ロール5の接触圧が高過ぎ、清掃ブラシ6の摩耗が早過ぎる場合や、繰出溝4及び繰出ロール5に擦過傷が生じる場合は、スプリング10の付勢力を弱めて接触圧を下げることができるので、部材の摩耗や破損が生じにくくなり、耐久性が向上する。
【0058】
上記構成の別例として、図9(a)(b)で示すとおり、前記ロールケース48の左右両側下部に支持プレート80,80を設け、該支持プレート80,80の左右間に蓋板81を設ける。該蓋板81の機体前部には切欠部82を形成し、蓋板81を平面視でコの字状に形成する。
【0059】
そして、前記蓋板81の下面で且つ切欠部82の左右両側に、前後方向に長いL字形状の取付板85,85をボルト86でそれぞれ固定し、該左右の取付板85,85の左右間に回動軸87を取り付ける。また、該回動軸に複数の回動支持プレート(回動支持部)83…を上下回動自在に設け、該回動支持プレート83…の基部側に回動支持プレート83…を上方に付勢するトルクスプリング84をそれぞれ回動軸86に配置する。該回動支持プレート83の基部側には、トルクスプリング84が入り込む二又形状の間隔部を形成する。
【0060】
さらに、前記回動支持プレート83…の前端部に、清掃ブラシ6をそれぞれ設け、該複数の清掃ブラシ6…の上端部を切欠部82の左右幅内で且つ上方に突出する配置として、清掃ブラシ上下動機構Cを構成しても良い。
【0061】
なお、回動支持プレート83…の前端部以外は、前記蓋板81の下方に位置する構成となる。また、回動支持プレート83の清掃ブラシ6を取り付ける側には、隣接する回動支持プレート83及び取付板85の間に空間部が形成される、プレート切欠部83a…を形成する。
【0062】
このとき、図13で示すとおり、前記繰出ロール5の外周面に、繰出溝4の左右幅を調節する幅調節ロール91を設け、該幅調節ロール91の雄螺子溝を切った調節回転軸92を、雌螺子溝を切ったロール軸13と螺子溝同士を合わせて設ける。前記幅調節ロール91は、繰出ロール5とは別に調節回転軸92の回転により該調節回転軸92に沿って左右方向に移動する基部と、該基部に対して回動自在で且つ基部と共に左右方向に移動する突子部を備えている。該突子部は、繰出ロール5の繰出溝4に嵌り、繰出ロール5と一体で回転する。
【0063】
これに加えて、該調節回転軸92の雄螺子溝を切っていない側に、調節駆動モータ93を設ける構成とする。
上記構成により、複数の回動支持プレート83…がトルクスプリング84…によって上方に付勢され、複数の清掃ブラシ6…の先端部が繰出ロール5の表面に常時接触しているため、繰出ロール5の表面に接触して夾雑物を除去することができるので、作業者の掃除が不要となり、作業者の労力が軽減されると共に、メンテナンス性が向上する。
【0064】
そして、繰出溝4が複数の清掃ブラシ6…を設けた位置を通過する際は、トルクスプリング84…の付勢力により清掃ブラシ6…の先端部が繰出溝4の奥部に接触させられるため、繰出溝4に蓄積する種子や夾雑物を除去することができ、繰出溝4の容量が減少することが防止され、播種精度が向上する。
【0065】
また、回動支持プレート83…の上部を蓋板81で覆い、蓋板81の前端側の切欠部82から清掃ブラシ6…を上方に突出させて回動支持プレート83…に設けたことにより、繰出溝4から除去された種子や夾雑物が回動支持プレート83に降り注ぐことを防止できるので、回動支持プレート83…の掃除に要する労力が軽減されてメンテナンス性が向上する。
【0066】
特に、回動支持プレート83と回動軸86、及びトルクスプリング84の間には、回動動作時にコーティング剤の粒子が入り込みやすいため、蓋板81で粒子の降り注ぎを防止することにより、回動支持プレート83の上下動が正常に行なわれ、種子や夾雑物の除去が確実になる。コーティング剤の中には金属や樹脂に対して高い腐食性を持つものがあるので、細かい隙間に入り込むことを防止する本構成であれば、播種装置9の耐久性も向上する。
【0067】
さらに、複数の清掃ブラシ6…は切欠部82よりも上方に突出しているので、清掃ブラシ6…の先端部が摩耗して交換が必要になった際、作業者は交換対象の清掃ブラシ6を引き上げて外すことができるので、交換作業の能率が向上する。この清掃ブラシ6は、回動支持プレート83の端部に取付穴を形成し、その取付穴に挿し込む構成とする。
【0068】
また、各清掃ブラシ6…を取り付けた回動支持プレート83…を別々に回動させることができるので、幅調節ロール91を用いて繰出ロール5の繰出溝4の左右幅を変更した際、繰出溝4の繰出作用部には従来通り清掃ブラシ6が奥部まで入り込んで種子や夾雑物を除去すると共に、幅調節ロール91に覆われた部分の清掃ブラシ6は幅調節ロール91の表面に接触する構成となり、繰出溝4の左右幅を変更しても清掃ブラシ6…が奥部まで入り込むため、種子や夾雑物の蓄積が防止されて、播種精度が向上する。
【0069】
清掃ブラシ6が繰出溝4の左右幅方向に亘って1つ設けられる構成や、複数に分けられた清掃ブラシ6…が連動して回動する構成では、幅調節ロール91を用いて繰出溝4の左右幅を変えてしまうと、幅調節ロール91に当たるだけで繰出溝4の奥部に入り込むことができなくなり、繰出溝4の内部に種子や夾雑物が蓄積されてしまい、播種量が設定量と異なり、播種精度が低下する。
【0070】
なお、清掃ブラシ6は、図14で示すとおり、複数のブラシ毛が正方形に配置される構成とすると、繰出溝4や繰出ロール5に接触して一面が摩耗しても、90度または180度角度を変えて摩耗していない面を取り付けることにより、4回まで使うことができるので、耐久性が向上する。
【0071】
図3、図4で示すとおり、前記繰出ロール5よりも機体後側にダクト室57を形成し、該ダクト室57の内部に繰出ロール5の非繰出作用部の回転周面及び繰出溝4に送風する送風装置Bを設ける。該送風装置Bは、一側端部に設けたスプロケット59がPTO軸29からの駆動力を受けると回転する送風ダクト11を前記繰出ロール5のロール軸13と略平行位相に設け、該送風ダクト11には、前記送風機37で起風した風を送り出す複数の送風穴14…を螺旋状に形成し、送付ダクト11の回転周面に、複数の吹出穴16…を左右方向に等間隔に形成した外周ダクト17を回転不能に設けて構成する。
【0072】
送風装置Bは、前記送風ダクト11が回転して送風穴14が吹出穴16と重合すると、繰出ロール5の繰出溝4に微細な粒子を除去する清掃風を送り出す構成とする。
上記構成により、清掃ブラシ6の先端部が接触しても除去できない、非常に細かい粒子が繰出溝4内に残っていても、送風穴14及び吹出穴16で収束した流速の非常に速い空気を送り込むことによって、繰出溝4の外に吹き飛ばすことができるので、繰出溝に夾雑物が残ることが防止され、メンテナンス性が大幅に向上する。
【0073】
また、残った微細な粒子が繰出ロール5を腐食させることを防止できるので、耐久性が向上する。
前記各フロート8に設けた作溝器19,19で形成した播種溝を、該作溝器19,19よりも後方に左右方向に回動自在に設ける覆土板62,62で埋める際、圃場の土質によっては覆土板62,62が土を上手く運べず、播種溝がそのまま残されて種子が剥き出しのまま放置されてしまい、養分不足や気温の変化で発芽不良や生育不良が発生する問題がある。
【0074】
上記問題を解消すべく、図10(a)(b)で示すとおり、前記各フロート8の底面で且つ前記作溝器19,19の側方に、前後方向に亘って盛土溝20,20を形成する構成とする。
【0075】
そして、前記左右の覆土板62,62の回動支点上にそれぞれ調節リンクアーム65を回動自在に設け、該左右の調節リンクアーム65,65の連結部に調節ワイヤー64の基部を設け、該調節ワイヤー64の端部を、駆動すると調節ワイヤー64を引いて、または緩めて左右の調節リンクアーム65,65を左右方向に回動させて左右の覆土板62,62を連動して左右回動させて覆土板62,62の作用幅を調節する調節モータ63に繋ぐ構成とする。
【0076】
なお、調節モータ63一つで六条分の作溝器62…を調節する構成としてもよいが、二条につき一つの調節モータ63を設ける構成とすると、二条単位で覆土板62,62の作用幅を調節することができるので、種子の覆土がより確実に行なわれる。
【0077】
上記構成により、作溝器19,19で圃場に播種溝を切る際に左右に盛り上げられた土が盛土溝20,20に入り込み、直線状に圃場面に盛り上げられるため、覆土板62,62で播種溝を埋める土が確保でき、種子が土に覆われるので養分不足や気温の変化で発芽不良や生育不良を起こすことが防止される。
【0078】
また、調節モータ63に調節ワイヤー64を連結し、この調節ワイヤー64が調節モータ63に引かれる、または弛められると調節リンクアーム65,65が回動して覆土板62,62を調節する構成としたことにより、作業者は播種装置9の傍に降りて覆土板62,62の調節をする必要がなく、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0079】
図6〜図8で示すとおり、前記CCDカメラ等の撮影装置で構成する監視装置12は、前記繰出溝4の内部を撮影し(ステップS1)、その撮影した映像をコントローラ61が画素数等により解析し、繰出溝4の内部に種子や夾雑物があると判断すると、該コントローラ61は報知装置60を作動させる。
【0080】
該報知装置60は、ハンドルポスト32に設ける報知ランプ60bを点灯させたり、ブザー60aから所定の警報信号を発信させたりする装置とするとよい(S2)。前記監視装置12は、前記ロールケース48の排出口50における繰出ロール5の回転方向の終端部に配置する。
【0081】
次に、主として図12(a)(b)(c)に基づいて、前記後輪2のスポーク66間に、走行土壌面の後輪2回転走行跡に、V字状断面形態のV溝を形成する溝成形器67を着脱可能に設けたもので、後輪2走行跡に溝切り作用を行って、作業抵抗を軽減して、簡単な構成とする。溝成形器67は板金製とし、前後のスポーク66間に位置して配置して、取付具68でスポーク66等に取付ける。
【0082】
該溝成型器67の外周部には左右両側に傾斜する溝開板69を形成し、この溝開板69の両横側から内側へ逆傾斜に折返えす土案内板70を形成して、左右対象状の形態にしている。
【0083】
この溝成形器67の外周縁71は、三角頂縁に形成されて、後輪2に取付けた状態では、この後輪2の回転外径よりも小径に形成されると共に、前記溝成形器67の横幅を後輪2のラグ72の横幅よりも広くして形成している。
【0084】
次に、主として図11に基づいて、前記播種筒44の下端開口縁75の外周に回転自在に嵌合する回転羽根76を設け、この回転羽根76を前記ノズル46から噴射される噴風によって駆動回転させて、この開口縁75部から播種筒44内への雨水等の浸入を防止する。
【0085】
回転羽根76は、この播種筒44の開口縁75外周面に形成したリング溝77に嵌合させて回転自在のリング78に設けられて、前記ノズル46から噴射される噴風圧によって回転される風車形態である。
【0086】
該リング78の下端部にはスクレーパ79を形成し、開口縁75の内周面に沿って回転して、水滴や、付着する種子等を掻き落とすので、播種筒44内に水や土が付着することが防止され、種子が播種筒44内に残ることが防止される。
【0087】
加えて、作業者が播種筒44内の水や土を除去する作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
【符号の説明】
【0088】
1 前輪
2 後輪
3 車体
4 繰出溝
5 繰出ロール(繰出回転体)
6 清掃ブラシ(清掃部材)
7 繰出装置
9 播種装置
10 スプリング(弾発部材)
11 送風ダクト(送風部材)
12 監視装置
14 送風穴
16 吹出穴
17 外周ダクト(外周送風部材)
54 ブラシアーム(取付部材)
56 ナット(調節部材)
60 報知装置(報知部材)
80 支持プレート(支持部材)
81 蓋板(連結部材)
82 切欠部
83 回動支持プレート(第2取付部材)
84 トルクスプリング(第2弾発部材)
B 送風装置
C 清掃ブラシ上下動機構(清掃部材上下動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪(1)と後輪(2)を備える走行車体(3)の後部に、回転周面に繰出溝(4)を形成した繰出回転体(5)と、該繰出回転体(5)の回転周面に接触する清掃部材(6)で構成した播種装置(9)を設けた播種機において、
前記繰出回転体(5)の回転に合わせて清掃部材(6)を上下動させる清掃部材上下動機構(C)を設け、前記繰出回転体(5)が種子を繰り出してから次の種子を受けるまでの非繰出作用部で繰出溝(4)に送風する送風装置(B)を設けると共に、非繰出作用部で前記繰出回転体(5)の繰出溝(4)を監視する監視装置(12)を設けたことを特徴とする播種機。
【請求項2】
前記送風装置(B)は、風が送り出される送風穴(14)を螺旋状に複数形成した回転自在な送風部材(11)と、前記送風部材(11)の回転周面に回転不能に設ける吹出穴(16)を左右方向に等間隔に形成した外周送風部材(17)で構成し、該送風穴(14)と吹出穴(16)が重合すると風が送り出される構成としたことを特徴とする請求項1記載の播種機。
【請求項3】
前記繰出回転体(5)よりも下方に回動自在な取付部材(54)と、該取付部材(54)を上方に付勢する弾発部材(10)と、該弾発部材(10)の弾発力を調節する調節部材(56)を設けて前記清掃部材上下動機構(C)を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の播種機。
【請求項4】
前記清掃部材(6)を正方形に構成したことを特徴とする請求項3記載の播種機。
【請求項5】
回動自在な第2取付部材(83)と、該第2取付部材(83)を繰出回転体(5)側に付勢する第2弾発部材(84)を設けて前記清掃部材上下動機構(C)を構成し、前記第2取付部材(83)に支持部材(80)を設け、該支持部材(80)に切欠部(82)を形成した連結部材(81)を設け、前記第2取付部材(83)の端部で且つ切欠部(82)の内部に清掃部材(6)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の播種機。
【請求項6】
前記繰出回転体(5)の繰出溝(4)の左右幅を調節する溝幅調節部材(91)を繰出回転体(5)の外周部に設け、前記清掃部材上下動機構(C)で上方に付勢する清掃部材(6)を繰出溝(4)の左右幅方向に複数配置したことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の播種機。
【請求項7】
前記監視部材(12)が繰出溝(4)内に残る種子を検出すると、報知部材(60)が作動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の播種機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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