説明

撮像装置、起動方法及びプログラム

【課題】操作キーに対応した機能を短時間で起動することのできる撮像装置を提供する。
【解決手段】RECキーおよびPLAYキーを含む特定の操作キーにユーザが触れたことを接触検出部42により検出する。ユーザが特定の操作キーに接触したとき、制御部32は当該キーに対応した起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行し、その後に引き続いてキー入力操作があったときに残り第2の処理を実行する。これにより、キー入力操作から起動完了までの時間を短縮して、当該キーの機能を瞬時に起動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置と、この撮像装置に用いられる起動方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラでは、電源投入後に所定のキー入力操作に伴い、そのキーに対応した機能を所定の手順で起動している。例えば、撮影画像の記録や再生であれば、電源が投入された状態で以下のような手順で起動される。
【0003】
[撮影画像の記録]
1.RECキーオン
2.プログラムロード
3.イニシャライズ
4.レンズ繰り出し
5.レンズイニシャライズ
6.表示系起動
7.LCD起動
8.バックライト起動
9.CCD起動
10.起動完了。
【0004】
[撮影画像の再生]
1.PLAYキーオン
2.プログラムロード
3.イニシャライズ
4.表示系起動
5.LCD起動
6.バックライト起動
7.起動完了。
【0005】
このように、従来のデジタルカメラでは、RECキーやPLAYキーなどの操作キーが入力されたときに初めて、所定の手順に従って当該キーに対応した機能を起動している。このため、実際にその機能が使用可能な状態になるまでに時間がかかり、ユーザにストレスを与えると共に、撮影時であればシャッターチャンスを逃してしまうなどの不具合があった。
【0006】
ここで、上述したような起動時間の問題を解決するために、デジタルカメラにおいて、複数のCPUを制御部として備え、これらのCPUに起動に関わる各処理を分散して行う方法が知られている。例えば、特許文献1では、メインCPUとサブCPUといった2つのCPUを持ち、メインCPUの初期設定動作に並行してサブCPUがアクチュエータの駆動処理を行うことが開示されている。
【特許文献1】特開2004−5320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1のように複数のCPUに各処理を分散して行う方法では、部品点数が増加し、その分のコストがかかるといった問題がある。
【0008】
また、複数のCPUに各処理を分散させても、これらの処理はキー入力があったときに初めて実行されるため、キー入力から起動完了までに時間を要することになる。この場合、起動プロセスの中には、ある処理が終わらないと、次の処理に移行できないものもあるため、分散による時間短縮はあまり期待できない。
【0009】
本発明は前記のような点に鑑みなされたもので、操作キーに対応した機能を短時間で起動することのできる撮像装置、起動方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出する第1の検出手段と、この第1の検出手段による接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段による検出結果を受けて予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行し、前記第2の検出手段による検出結果を受けて残りの第2の処理を実行する起動制御手段とを具備して構成される。
【0011】
このような構成によれば、操作者が装置本体上の特定部分に接触したときに事前処理として第1の処理が実行されるので、その後に引き続いてキー入力操作があったときに残り第2の処理を実行して短時間で起動処理を完了することができる。
【0012】
本発明の請求項2は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記装置本体に所定の機能を起動操作するための特定の操作キーを備え、前記第1の検出手段は、操作者が前記特定の操作キーに触れたことを検出し、前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段による接触検出後にユーザが前記特定の操作キーを入力操作したことを検出することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、操作者が装置本体上の特定の操作キーに触れたときに第1の処理を実行し、その後に引き続いて当該操作キーを入力操作したときに残りの第2の処理を実行することで起動時間の短縮化が図られる。
【0014】
本発明の請求項3は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記装置本体に操作者が手で支持するための支持部材と、所定の機能を起動操作するための特定の操作キーとを備え、前記第1の検出手段は、操作者が前記支持部材に触れたことを検出し、前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段による接触検出後に操作者が前記特定の操作キーを入力操作したことを検出することを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、操作者が装置本体上の支持部材に触れたときに第1の処理を実行し、その後に引き続いて操作キーを入力操作したときに残りの第2の処理を実行することで起動時間の短縮化が図られる。
【0016】
本発明の請求項4は、前記請求項2または3記載の撮像装置において、前記特定の操作キーは、電源オフの状態で撮影モードを起動操作するための撮影キーであることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、特定の操作キーとして、電源オフの状態で撮影モードを起動操作するための撮影キーを備えることで、電源オフの状態から瞬時に撮影モードを起動することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5は、前記請求項2または3記載の撮像装置において、前記特定の操作キーは、電源オフの状態で再生モードを起動操作するための再生キーであることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、特定の操作キーとして、電源オフの状態で電源オフの状態で再生モードを起動操作するための再生キーを備えることで、電源オフの状態から瞬時に再生モードを起動することが可能となる。
【0020】
本発明の請求項6は、前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記起動制御手段は、前記第1の検出手段による接触検出後の経過時間を計時する計時手段と、この計時手段によって前記所定の時間が計時されるまでの間に前記第2の検出手段によってキー入力操作が検出されなかった場合に起動処理を解除する起動解除手段とを有することを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、装置本体上の特定部分に対する接触を検出した後に所定時間経過してもキー入力操作が検出されなかった場合に起動処理が解除されるので、操作者が誤って特定部分を触れてしまった場合などに対処することができる。
【0022】
本発明の請求項7は、前記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置において、前記起動制御手段は、前記第1の処理の実行中に前記第2の検出手段によってキー入力操作が検出された場合にその検出情報を保持する保持手段と、この保持手段に保持された検出情報に基づいて前記第1の処理の終了後に直ちに前記第2の処理に移行する処理実行手段とを有することを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、第1の処理の実行中にキー入力操作が検出された場合にその第1の処理の終了後に直ちに第2の処理に移行することで、第1の処理の終了後に行うべきキー入力操作の検出処理を省いて起動時間の短縮化を図ることができる。
【0024】
本発明の請求項8は、前記請求項2、4または5記載の撮像装置において、前記起動制御手段は、前記特定の操作キーに対応した前記第1の処理の実行中に前記第2の検出手段によって別の操作キーの入力操作が検出された場合にその検出情報を保持する保持手段と、この保持手段に保持された検出情報に基づいて前記第1の処理の終了後に前記別の操作キーに対応した残りの処理を実行する処理実行手段とを有することを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、特定の操作キーに対応した第1の処理の実行中に別の操作キーを検出した場合にその第1の処理の終了後に前記別の操作キーに対応した残りの処理を実行することで、操作者が最終的に入力操作した操作キーに対応した機能を速やかに起動することができる。
【0026】
本発明の請求項9に係る起動方法は、撮像装置に備えられた所定の機能を起動するための起動方法であって、操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出するステップと、前記特定部分に対する接触が検出されたときに、予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行するステップと、前記特定部分に対する接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出するステップと、前記キー入力操作が検出されたときに、前記起動処理の中の残りの第2の処理を実行するステップとを有することを特徴とする。
【0027】
このような起動方法によれば、前記各ステップに従った処理を実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【0028】
本発明の請求項10に係るプログラムは、撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行される、所定の機能を起動するためのプログラムであって、前記コンピュータに、操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出する機能と、前記特定部分に対する接触が検出されたときに、予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行する機能と、前記特定部分に対する接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出する機能と、前記キー入力操作が検出されたときに、前記起動処理の中の残りの第2の処理を実行する機能とを実現させることを特徴とする。
【0029】
したがって、コンピュータが前記各機能を実現するためのプログラムを実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、操作者が装置本体上の特定部分を接触したときに事前処理として第1の処理を実行しておき、その後に引き続いてキー入力操作があったときに残り第2の処理を実行することで、操作キーに対応した機能を短時間で起動するができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の外観構成を示す図であり、図1(a)は主に前面の構成、同図(b)は主に背面の構成を示す斜視図である。
【0033】
このデジタルカメラ1は、略矩形の装置本体2の前面に、撮影レンズ3、セルフタイマランプ4、光学ファインダ窓5、ストロボ発光部6などを有し、上面の(ユーザにとって)右端側には電源キー7及びシャッタキー8などが設けられている。電源キー7は、電源のオン/オフ毎に操作するキーであり、シャッタキー8は、撮影時に撮影タイミングを指示するキーである。
【0034】
また、装置本体2の前面の一端側にはグリップ9が設けられている。このグリップ9は、ユーザが装置本体2を右手で筐体右側面側から把持した場合に右手中指、薬指、及び小指が確実に該筐体を把持できるように配設された帯状突起である。
【0035】
装置本体2の背面には、RECキー10、PLAYキー11、光学ファインダ12、メニュー(MENU)キー13、リングキー14、セット(SET)キー15、表示部16などが設けられている。
【0036】
RECキー10は、ダイレクトオン機能付きの撮影キーであり、電源オフの状態からダイレクトに撮影モードを起動することができる。なお、撮影モードには、静止画モードと動画モードがあり、その繰り替えはメニューキー13の操作により行う。通常は静止画モードがデフォルト設定されており、RECキー10の押下により静止画モードが瞬時に起動され、静止画の撮影が可能な状態となる。PLAYキー11は、ダイレクトオン機能付きの再生キーであり、電源オフの状態からダイレクトに再生モードを起動することができる。このPLAYキー11の押下により電源オフの状態から再生モードが瞬時に起動され、静止画あるいは動画の再生が可能な状態となる。
【0037】
前記シャッタキー8は、これらの撮影モードに共通に使用される。すなわち、静止画モードでは、シャッタキー8が押下されたときのタイミングで静止画の撮影が行われる。動画モードでは、シャッタキー8が押下されたときのタイミングで動画の撮影が開始され、シャッタキー8が再度押下されたときにその動画の撮影が終了する。
【0038】
リングキー14は、上下左右各方向への項目選択用のキーが一体に形成されたものであり、このリングキー14の中央に位置するセットキー15は、その時点で選択されている項目を設定する際に操作する。
【0039】
表示部16は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成されるもので、撮影モード時には電子ファインダとしてスルー画像のモニタ表示を行う一方で、再生モード時には選択した画像等を再生表示する。
【0040】
なお、図示はしないがデジタルカメラ1の底面には、記録媒体として用いられるメモリカードを着脱するためのメモリカードスロットや、外部のパーソナルコンピュータ等と接続するためのシリアルインタフェースコネクタとして、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等が設けられている。
【0041】
図2はデジタルカメラ1の電子回路構成を示すブロック図である。
【0042】
このデジタルカメラ1には、前記撮影レンズ3を構成する図示せぬフォーカスレンズおよびズームレンズを含むレンズ光学系22がモータ21の駆動により光軸方向に所定の範囲内で移動可能に設けられており、その光軸後方に撮像素子であるCCD(charge coupled device)23が配設されている。このCCD23は、撮影レンズ3を通して入力される被写体の各部位からの光を受光し、その光の強度に応じた電気信号を出力する。
【0043】
基本モードである記録モード時において、CCD23がタイミング発生器(TG)24、ドライバ25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。このCCD23の光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路26でサンプルホールドされ、A/D変換器27でデジタルデータに変換される。
【0044】
そして、カラープロセス回路28において、画素補間処理及びγ補正処理を含む画像処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号U,V(Cb,Cr)が生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ29に出力される。
【0045】
DMAコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する輝度信号Y及び色差信号U,Vを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29内部のバッファに書き込み、DRAMインタフェース(I/F)30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送を行う。
【0046】
制御部32は、デジタルカメラ1全体の制御を行うものであり、CPUと、このCPUで実行される動作プログラムを記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAMなどを含むマイクロコンピュータにより構成される。なお、この制御部32には検出情報記憶部32aが設けられているが、これについては後に説明する。
【0047】
制御部32は、前記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してDRAM31より読み出し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34に書き込む。
【0048】
デジタルビデオエンコーダ35は、前記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ33を介してVRAM34より定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部16に出力する。
【0049】
表示部16は、上述した如く撮影時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、起動時にバックライト39によって表示画面が照らされる。この表示部16は、デジタルビデオエンコーダ35からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラ33から取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
【0050】
このように、表示部16にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、例えば静止画撮影を行いたいタイミングでシャッタキー8を押下操作すると、トリガ信号が発生する。
【0051】
制御部32は、このトリガ信号に応じて、その時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0052】
この記録保存の状態では、制御部32がDRAM31に書き込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出して、JPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路37に書き込み、このJPEG回路37でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0053】
そして得た符号データを該JPEG回路37から読み出して1画像のデータファイルとして記録用のメモリ38に書き込む。このメモリ38としては、予め本体に内蔵されたフラッシュメモリ等の内部メモリの他に、記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカードなどを含む。1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリ38への全圧縮データの書込み終了に伴って、制御部32はCCD23からDRAM31への経路を再び起動する。
【0054】
制御部32には、さらにUSBインタフェース(I/F)40、ストロボ駆動部41が接続される。USBインタフェース40は、USBコネクタを介して有線接続されるパーソナルコンピュータ等の他の情報端末装置との間で画像データ、その他の送受を行う場合の通信制御を行う。ストロボ駆動部41は、撮影時に図示せぬストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部32からの制御に基づいてストロボ発光部6を閃光駆動する。
【0055】
なお、前記キー入力部36は、上述したシャッタキー8の他に、電源キー7、RECキー10、PLAYキー11、メニューキー13、リングキー14、セットキー15などから構成され、それらのキー操作に伴う信号は直接制御部32へ送出される。さらに、本実施形態にあっては、RECキー10およびPLAYキー11のそれぞれに対し、ユーザが接触したことを検出するための接触検出部42が配設されている。この接触検出部42については、後に図3および図4を参照して説明する。
【0056】
また、静止画像ではなく動画像の撮影時においては、シャッタキー8が押下操作されたときに、上述したJPEG回路37によりmotion−JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの手法により撮影動画をデータ圧縮してメモリ38へ記録する。再度シャッタキー8が操作されると、動画データの記録を終了する。
【0057】
一方、基本モードである再生モード時には、制御部32がメモリ38に記録されている画像データを選択的に読み出し、JPEG回路37で記録モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で、圧縮されている画像データを伸長する。そして、この伸長した画像データをDRAMインタフェース30を介してDRAM31に保持させた上で、このDRAM31の保持内容をVRAMコントローラ33を介してVRAM34に記憶させ、このVRAM34より定期的に画像データを読み出してビデオ信号を発生し、表示部16で再生出力させる。
【0058】
選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合には、その動画データを構成する複数フレームの静止画データを時系列の順で順次再生して表示し、すべての静止画データの再生を終了した時点で、例えば、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画データを表示するなどを行う。
【0059】
次に、RECキー10とPLAYキー11の構成について、RECキー10を例にして説明する。
【0060】
図3はRECキー10の構成を示す図である。なお、PLAYキー11についても同様の構成である。
【0061】
RECキー10はボタンスイッチからなり、装置本体2の所定の場所にキートップ51を露出させて図示せぬ付勢機構を介して押下自在に取り付けられている。ユーザがこのRECキー10のキートップ51の部分に触れて押下すると、その下面に配設された復帰型ボタンスイッチ52がオンするようになっている。装置本体2内に組み込まれた制御部32では、この復帰型ボタンスイッチ52のオン信号を当該キーの入力信号として検出している。
【0062】
なお、RECキー10およびPLAYキー11に限らず、各種操作キーの下面には前記同様の復帰型ボタンスイッチ52が配設されており、これらの操作キーの押下に伴ってキー入力信号が出力される。この部分が図2のキー入力部36に相当する。
【0063】
ここで、特定の操作キーであるRECキー10およびPLAYキー11については、ユーザが接触したことを検出するための接触検出部42が設けられている。
【0064】
すなわち、図3に示すように、RECキー10(PLAYキー11も同様)には抵抗53を介して所定電圧を有する電源Vccが接続されており、装置本体2はアース接続されている。RECキー10および装置本体2はそれぞれ導電性部材で形成されている。
【0065】
通常状態(キー入力待ち状態)では、図示せぬ付勢機構によりRECキー10のキートップ51が装置本体2から突出しており、RECキー10と装置本体2とが接触した状態にある。したがって、接触検出部42には、抵抗53の値によって定まる電圧信号が入力されることになる。
【0066】
一方、ユーザの指がRECキー10のキートップ51に触れると、その分の抵抗値が増えるので、接触検出部42には非接触状態とは異なる電圧信号が入力されることになる。接触検出部42は、このような電圧の変化から接触の有無を検出し、その検出信号を制御部32に出力する。
【0067】
図4はRECキー10を入力操作した状態を示す図である。
【0068】
図4(a)に示すように、ユーザがRECキー10(PLAYキー11も同様)のキートップ51を押し下げると、RECキー10は装置本体2から離間し、接触検出部42には電源Vccの電圧信号が入力される。この状態で、さらにキートップ51を押し付けると、同図(b)に示すように、復帰型ボタンスイッチ52がオン動作する。制御部32では、この復帰型ボタンスイッチ52のオン信号を入力することで、RECキー10が入力操作されたものと判断する。
【0069】
次に、このデジタルカメラ1の起動処理について、特定の操作キーであるRECキー10を操作した場合とPLAYキー11を操作した場合に分けて説明する。なお、以下の各フローチャートで示される処理は、デジタルカメラ1に搭載されたマイクロコンピュータ(CPU)である制御部32がROM等に記録されたプログラムを読み込むことにより実行される。
【0070】
図5はデジタルカメラ1に設けられたRECキー10操作により撮影モードを起動する場合の動作を示すフローチャートである。
【0071】
今、デジタルカメラ1の電源がオフされており、制御部32が待機状態にあるものとする(ステップA11)。この状態で、ユーザの指がRECキー10に触れたことが接触検出部42により検出されると(ステップA12のYes)、制御部32は、これに引き続いてRECキー10の入力操作があったか否かを判断する(ステップA13)。ここでのキー入力操作とは、図4で説明したように、ユーザがRECキー10を復帰型ボタンスイッチ52の位置まで押下操作することを言う。
【0072】
ここで、ユーザがRECキー10に接触後、直ぐに入力操作したとすると(ステップA13のYes)、制御部32は、通常のキー入力操作があったものと判断し、以下のような手順で撮影モードの起動処理を実行する(ステップA14〜A21)。
【0073】
1.プログラムロード
2.イニシャライズ
3.表示系起動
4.LCD起動
5.CCD起動
6.レンズ繰り出し
7.レンズイニシャライズ
8.バックライト起動。
【0074】
前記1〜8の処理のうち、「プログラムロード」とは、起動に必要なプログラムをROM等から読み込むことである。「イニシャライズ」とは、各種初期設定を行うことである。「表示系起動」とは、表示系のシステム起動することであり、メモリの展開などが含まれる。「LCD起動」とは、LCDである表示部16を表示可能状態にすることである。つまり、「表示系起動」はソフト的な起動動作、「LCD起動」はハード的な起動動作であり、これらの後に最終的に「バックライト起動」を行うことでユーザが表示画面を視認できる状態となる。「CCD起動」とは、撮像素子であるCCD23を起動することである。「レンズ繰り出し」とは、装置本体2から撮影レンズ3を繰り出して撮影可能な状態にすることである。「レンズイニシャライズ」とは、撮影レンズ3を構成するフォーカスレンズやズームレンズなどのレンズ光学系22を初期位置に位置決めすることである。「バックライト起動」とは、表示部16の表示画面を背面から照らすバックライト39を起動することである。
【0075】
一方、ユーザがRECキー10に接触後、直ぐに入力操作しなかった場合には(ステップA13のNo)、制御部32は、図示せぬ内部タイマを起動して経過時間の計測を開始する(ステップA22)。そして、その間に、制御部32は当該RECキー10に対応した起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理として前記1〜5までの処理を実行する(ステップA23〜A27)。これらの処理1〜5は、事前に実行可能であると共に、処理的に時間を要するものである。
【0076】
前記第1の処理の実行後、制御部32は、ユーザがRECキー10に触れてからn秒(例えば10秒)経過したか否かを判断する(ステップA28)。前記n秒の経過時間は、予め固定的に設定しておいても良いし、ユーザが任意に設定できるようにしても良い。ユーザが任意に設定する場合には、例えばメニューキー13の操作により図示せぬメニュー画面を表示し、その中の「経過時間設定」といった項目を選択するなどして行う。
【0077】
ここで、ユーザがRECキー10に触れてからn秒が経過するまでの間にRECキー10が入力操作されなかった場合には(ステップA28のYes)、制御部32は、ここでの起動処理を解除して待機状態に戻る(ステップA29)。これにより、例えばユーザが誤ってRECキー10に触れてしまった場合などにおいて、いつまでも起動準備状態(つまり第1の処理を終えた状態)でいることを回避することができる。
【0078】
一方、ユーザがRECキー10に触れてからn秒が経過するまでの間にRECキー10が入力操作された場合には(ステップA30のYes)、制御部32は、前記第1の処理に続く残りの第2の処理として、前記6〜8までの処理を実行する(ステップA31〜A33)。
【0079】
このように、電源オフの状態でユーザがRECキー10に触れたときに事前処理(第1の処理)を行い、引き続きRECキー10が入力操作されたときに残りの処理(第2の処理)を行うことで、実際にキー入力操作があったときに短時間で起動処理を完了して、瞬時に撮影可能な状態にすることができる。
【0080】
また、PLAYキー11の操作により再生モードを起動する場合も同様であり、キータッチのタイミングで事前処理を行っておくことで、起動時間の短縮化を図ることができる。図6にその処理動作を示す。
【0081】
図6はデジタルカメラ1に設けられたPLAYキー11の操作により再生モードを起動する場合の動作を示すフローチャートである。
【0082】
今、デジタルカメラ1の電源がオフされており、制御部32が待機状態にあるものとする(ステップB11)。この状態で、ユーザの指がPLAYキー11に触れたことが接触検出部42により検出されると(ステップB12のYes)、制御部32は、これに引き続いてPLAYキー11の入力操作があったか否かを判断する(ステップB13)。ここでのキー入力操作とは、図4で説明したように、ユーザがPLAYキー11を復帰型ボタンスイッチ52の位置まで押下操作することを言う。
【0083】
ここで、ユーザがPLAYキー11に接触後、直ぐに入力操作したとすると(ステップB13のYes)、制御部32は、通常のキー入力操作があったものと判断し、以下のような手順で再生モードの起動処理を実行する(ステップB14〜B18)。
【0084】
1.プログラムロード
2.イニシャライズ
3.表示系起動
4.LCD起動
5.バックライト起動。
【0085】
一方、ユーザがPLAYキー11に接触後、直ぐに入力操作しなかった場合には(ステップB13のNo)、制御部32は、図示せぬ内部タイマを起動して経過時間の計測を開始する(ステップB19)。そして、その間に、制御部32は当該PLAYキー11に対応した起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理として前記1〜4までの処理を実行する(ステップB20〜B23)。これらの処理1〜4は、事前に実行可能であると共に、処理的に時間を要するものである。
【0086】
前記第1の処理の実行後、制御部32は、ユーザがPLAYキー11に触れてからn秒(例えば10秒)経過したか否かを判断する(ステップB24)。前記n秒の経過時間は、予め固定的に設定しておいても良いし、ユーザが任意に設定できるようにしても良い。ユーザが任意に設定する場合には、例えばメニューキー13の操作により図示せぬメニュー画面を表示し、その中の「経過時間設定」といった項目を選択するなどして行う。
【0087】
さらに、例えばRECキー10に対する経過時間は10秒、PLAYキー11に対する経過時間は20秒といったように、操作キー毎に経過時間を個別に設定することでも良い。
【0088】
ここで、ユーザがPLAYキー11に触れてからn秒が経過するまでの間にPLAYキー11が入力操作されなかった場合には(ステップB24のYes)、制御部32は、ここでの起動処理を解除して待機状態に戻る(ステップB25)。これにより、例えばユーザが誤ってPLAYキー11に触れてしまった場合などにおいて、いつまでも起動準備状態(つまり第1の処理を終えた状態)でいることを回避することができる。
【0089】
一方、ユーザがPLAYキー11に触れてからn秒が経過するまでの間にPLAYキー11が入力操作された場合には(ステップB26のYes)、制御部32は、前記第1の処理に続く残りの第2の処理として、前記5の処理(バックライト起動)を実行する(ステップB27)。
【0090】
このように、電源オフの状態でユーザがPLAYキー11に触れたときに事前処理(第1の処理)を行い、引き続きPLAYキー11が入力操作されたときに残りの処理(第2の処理)を行うことで、前記RECキー10の操作時と同様に、実際にキー入力操作があったときに短時間で起動処理を完了して、瞬時に再生可能な状態にすることができる。
【0091】
(変形例1)
ところで、事前処理である第1の処理は比較的時間を要するため、その実行中にキー入力操作が割り込む可能性がある。例えば、RECキー10に対応した第1の処理に3秒かかるとすると、その3秒間の処理中にユーザがRECキー10を入力操作(押下操作)する場合である。このような場合、前記実施形態のように第1の処理の終了後にキー入力操作があったか否かを判断してから第2の処理に移行するのでは、無駄な時間がかかってしまう。そこで、第1の処理の実行中にキー入力操作があった場合には、そのことを記憶しておき、第1の処理の終了後に直ちに第2の処理に移行することで、時間短縮を図るものとする。
【0092】
図7にその具体的な処理動作を示す。図7はRECキー10を例にした場合の起動処理の変形例1を示すフローチャートである。
【0093】
今、ユーザがRECキー10に触れたことで、事前処理である第1の処理が実行されているものとする(ステップC11)。この第1の処理には、既に説明したように「プログラムロード」、「イニシャライズ」、「表示系起動」、「LCD起動」、「CCD起動」が含まれる。
【0094】
ここで、制御部32は、前記第1の処理の実行中にRECキー10の入力操作があったか否かを検出する(ステップC12)。その結果、RECキー10の入力操作があった場合には(ステップC12のYes)、制御部32はそのことを示す検出情報を検出情報記憶部32aに保持しておく(ステップC13)。
【0095】
そして、第1の処理の終了後(ステップC14のYes)、制御部32は、検出情報記憶部32aに検出情報が保持されていれば、直ちに第2の処理を実行する(ステップC15)。この第2の処理には、既に説明したように「レンズ繰り出し」、「レンズイニシャライズ」、「バックライト起動」が含まれる。
【0096】
このように、RECキー10に対応した第1の処理の実行中にRECキー10が入力操作された場合には、第1の処理の終了後に直ちに第2の処理が実行されるので、不要な処理を省いて、より早く撮影モードを起動することができる。
【0097】
なお、PLAYキー11についても同様である。すなわち、PLAYキー11に対応した第1の処理の実行中にPLAYキー11が入力操作された場合には、そのことを記憶しておくことで、第1の処理の終了後に直ちに第2の処理を実行する。これにより、不要な処理を省いて、より早く再生モードを起動することができる。
【0098】
(変形例2)
前記変形例1は、第1の処理の実行中に同じ操作キーが入力操作された場合を想定したものであったが、変形例2では、別の操作キーが入力操作された場合を想定する。すなわち、例えばRECキー10に対応した第1の処理の実行中に、PLAYキー11が入力操作された場合である。
【0099】
図8にその具体的な処理動作を示す。図8はRECキー10を例にした場合の起動処理の変形例2を示すフローチャートである。
【0100】
今、ユーザがRECキー10に触れたことで、事前処理である第1の処理が実行されているものとする(ステップD11)。この第1の処理には、既に説明したように「プログラムロード」、「イニシャライズ」、「表示系起動」、「LCD起動」、「CCD起動」が含まれる。
【0101】
ここで、制御部32は、前記第1の処理の実行中にRECキー10とは別の操作キーによる入力操作があったか否かを検出する(ステップD12)。その結果、別の操作キーによる入力操作があった場合には(ステップD12のYes)、制御部32はそのことを示す検出情報を検出情報記憶部32aに保持しておく(ステップD13)。
【0102】
そして、第1の処理の終了後(ステップD14のYes)、制御部32は、検出情報記憶部32aに検出情報が保持されていれば、前記別の操作キーに対応した残りの処理を実行する(ステップD15)。すなわち、前記別の操作キーがPLAYキー11であれば、残りの処理として「バックライト起動」のみを実行することになる。
【0103】
このように、RECキー10に対応した第1の処理の実行中に別の操作キーが入力操作された場合には、第1の処理の終了後に直ちにその操作キーに対応した残りの処理を実行することで迅速な起動を実現できる。
【0104】
なお、これはPLAYキー11に対応した第1の処理を実行中でも同様である。すなわち、PLAYキー11に対応した第1の処理の実行中にRECキー10が入力操作された場合には、そのことを記憶しておくことで、第1の処理の終了後に直ちにRECキー10に対応した残りの処理を実行する。この場合には、RECキー10に対応した残りの処理として、PLAYキー11に対応した第1の処理にはなかった「CCD起動」を含めて、「レンズ繰り出し」、「レンズイニシャライズ」、「バックライト起動」といった処理が実行されることになる。
【0105】
また、前記第1の実施形態では、特定の操作キーとしてRECキー10とPLAYキー11を想定して説明したが、例えば電源キー7を特定の操作キーとして含め、ユーザが電源キー7に触れたときに各機能に共通の第1の処理を実行し、その後に例えばRECキー10やPLAYキー11などの別の操作キーが入力操作された場合に当該操作キーに対応した第2の処理を実行するような構成も可能である。
【0106】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0107】
前記第1の実施形態では、ユーザが特定の操作キーに接触したことを検出することで、事前処理としての第1の処理を実行するものとしたが、第2の実施形態では、ユーザが装置本体2上の特定の部材を触れたときに事前処理としての第1の処理を実行し、その後に操作キーに対応した第2の処理を実行する。前記装置本体2上の特定の部材とは、具体的には装置本体2の前面に設けられたグリップ9のことである。
【0108】
図9に示すように、このグリップ9はユーザが装置本体2の片手で支持する場合の支持部材として利用される部分である。このグリップ9を導電性部材で形成し、例えば図3と同様の方法でユーザが接触したことを検出するものとする。
【0109】
図10は第2の実施形態としてのデジタルカメラ1の起動処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示される処理についても、デジタルカメラ1に搭載されたマイクロコンピュータ(CPU)である制御部32がROM等に記録されたプログラムを読み込むことにより実行される。
【0110】
今、デジタルカメラ1の電源がオフされており、制御部32が待機状態にあるものとする(ステップE11)。この状態で、ユーザの指が装置本体2上の特定部材であるグリップ9に触れたことが検出されると(ステップE12のYes)、制御部32は、図示せぬ内部タイマを起動して経過時間の計測を開始する(ステップE13)。
【0111】
そして、その間に、制御部32は事前処理である第1の処理を実行する(ステップE14)。この場合の第1の処理としては、各機能に共通の処理を実行するものとする。具体的には、「プログラムロード」、「イニシャライズ」、「表示系起動」、「LCD起動」などである。
【0112】
前記第1の処理の実行後、制御部32は、ユーザがグリップ9に触れてからn秒(例えば10秒)経過したか否かを判断する(ステップE15)。前記n秒の経過時間は、予め固定的に設定しておいても良いし、ユーザが任意に設定できるようにしても良い。ユーザが任意に設定する場合には、例えばメニューキー13の操作により図示せぬメニュー画面を表示し、その中の「経過時間設定」といった項目を選択するなどして行う。
【0113】
ここで、ユーザがグリップ9に触れてからn秒が経過するまでの間に何らかのキー入力操作がなかった場合には(ステップE15のYes)、制御部32は、ここでの起動処理を解除して待機状態に戻る(ステップE16)。これにより、例えばユーザが無意識にグリップ9に触れていた場合などにおいて、いつまでも起動準備状態(つまり第1の処理を終えた状態)でいることを回避することができる。
【0114】
一方、ユーザがグリップ9に触れてからn秒が経過するまでの間に何らかのキー入力操作があった場合には(ステップE17のYes)、制御部32は、前記第1の処理に続く第2の処理として、当該キーに対応した処理を実行する(ステップE18)。この場合、共通処理である前記第1の処理に含まれていない残りの処理を第2の処理として実行することになる。
【0115】
例えばRECキー10が入力操作された場合であれば、第1の処理にはなかった「CCD起動」を含めて、「レンズ繰り出し」、「レンズイニシャライズ」、「バックライト起動」といった処理が実行されることになる。また、PLAYキー11が入力操作された場合には「バックライト起動」といった処理が実行されることになる。
【0116】
このように、ユーザがグリップ9に触れたときに事前処理(第1の処理)を行い、その後に何らかのキーが入力操作されたときに残りの処理(第2の処理)を行うことでも、前記第1の実施形態と同様に、実際にキー入力操作があったときに短時間で起動処理を完了することができる。
【0117】
なお、ここではユーザがグリップ9に触れたときに事前処理(第1の処理)を行う構成としたが、グリップ9に限らず、装置本体2上の他の部分での接触を検出して前記同様の処理を行うことでも良い。
【0118】
また、本発明は、デジタルカメラに限らず、例えばデジタルムービなどを含む撮像装置の他、装置本体上に機能起動用の操作キーを備えている電子機器であれば、そのすべてに適用可能である。
【0119】
要するに、本発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各画実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の外観構成を示す図であり、図1(a)は主に前面の構成、同図(b)は主に背面の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は同実施形態におけるデジタルカメラの電子回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3は同実施形態におけるデジタルカメラに設けられたRECキーの構成を示す図である。
【図4】図4は同実施形態におけるデジタルカメラに設けられたRECキーを入力操作した状態を示す図である。
【図5】図5は同実施形態におけるデジタルカメラのRECキーの操作により撮影モードを起動する場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は同実施形態におけるデジタルカメラのPLAYキーの操作により再生モードを起動する場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は同実施形態におけるデジタルカメラのRECキーを例にした場合の起動処理の変形例1を示すフローチャートである。
【図8】図8は同実施形態におけるデジタルカメラのRECキーを例にした場合の起動処理の変形例2を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明の第2の実施形態として、デジタルカメラの装置本体のグリップ部分を掴んだ状態を示す斜視図である。
【図10】図10は本発明の第2の実施形態としてのデジタルカメラの起動処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0121】
1…デジタルカメラ、2…装置本体、3…撮影レンズ、4…セルフタイマランプ、5…光学ファインダ窓、6…ストロボ発光部、7…電源キー、8…シャッタキー、9…グリップ、10…撮影モードキー、11…再生モードキー、12…光学ファインダ、13…メニュー(MENU)キー、14…リングキー、15…セット(SET)キー、16…表示部、21…モータ、22…レンズ光学系、23…CCD、24…タイミング発生器(TG)、25…ドライバ、26…サンプルホールド回路(S/H)、27…A/D変換器、28…カラープロセス回路、29…DMAコントローラ、30…DRAMインタフェース(I/F)、31…DRAM、32…制御部、32a…検出情報記憶部、33…VRAMコントローラ、34…VRAM、35…デジタルビデオエンコーダ、36…キー入力部、37…JPEG回路、38…メモリ、39…バックライト、40…USBインタフェース(I/F)、41…ストロボ駆動部、42…接触検出部、51…キートップ、52…復帰型ボタンスイッチ、53…抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出する第1の検出手段と、
この第1の検出手段による接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果を受けて予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行し、前記第2の検出手段による検出結果を受けて残りの第2の処理を実行する起動制御手段と
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記装置本体に所定の機能を起動操作するための特定の操作キーを備え、
前記第1の検出手段は、操作者が前記特定の操作キーに触れたことを検出し、
前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段による接触検出後にユーザが前記特定の操作キーを入力操作したことを検出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記装置本体に操作者が手で支持するための支持部材と、所定の機能を起動操作するための特定の操作キーとを備え、
前記第1の検出手段は、操作者が前記支持部材に触れたことを検出し、
前記第2の検出手段は、前記第1の検出手段による接触検出後に操作者が前記特定の操作キーを入力操作したことを検出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記特定の操作キーは、電源オフの状態で撮影モードを起動操作するための撮影キーであることを特徴とする請求項2または3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記特定の操作キーは、電源オフの状態で再生モードを起動操作するための再生キーであることを特徴とする請求項2または3記載の撮像装置。
【請求項6】
前記起動制御手段は、
前記第1の検出手段による接触検出後の経過時間を計時する計時手段と、
この計時手段によって前記所定の時間が計時されるまでの間に前記第2の検出手段によってキー入力操作が検出されなかった場合に起動処理を解除する起動解除手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記起動制御手段は、
前記第1の処理の実行中に前記第2の検出手段によってキー入力操作が検出された場合にその検出情報を保持する保持手段と、
この保持手段に保持された検出情報に基づいて前記第1の処理の終了後に直ちに前記第2の処理に移行する処理実行手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記起動制御手段は、
前記特定の操作キーに対応した前記第1の処理の実行中に前記第2の検出手段によって別の操作キーの入力操作が検出された場合にその検出情報を保持する保持手段と、
この保持手段に保持された検出情報に基づいて前記第1の処理の終了後に前記別の操作キーに対応した残りの処理を実行する処理実行手段と
を有することを特徴とする請求項2、4または5記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像装置に備えられた所定の機能を起動するための起動方法であって、
操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出するステップと、
前記特定部分に対する接触が検出されたときに、予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行するステップと、
前記特定部分に対する接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出するステップと、
前記キー入力操作が検出されたときに、前記起動処理の中の残りの第2の処理を実行するステップと
を有することを特徴とする起動方法。
【請求項10】
撮像装置に搭載されたコンピュータによって実行される、所定の機能を起動するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
操作者が装置本体上の特定部分に接触したことを検出する機能と、
前記特定部分に対する接触が検出されたときに、予め設定された起動処理の中で事前に実行可能な第1の処理を実行する機能と、
前記特定部分に対する接触検出後に引き続いてキー入力操作があったことを検出する機能と、
前記キー入力操作が検出されたときに、前記起動処理の中の残りの第2の処理を実行する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−157374(P2006−157374A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343925(P2004−343925)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】