説明

撮像装置

【課題】 特異パターンの影響を受けにくい適切なダークシェーディング補正を行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 水平シェーディング補正データを生成する際、システム制御回路50は、予め定められた複数行からなる第一の画像領域のダーク画像を取り込み、そのダーク画像をもとに水平シェーディング補正データを作成する。その後補正データが、水平シェーディング補正に用いるにはふさわしくない補正データとなっていないかを検証し、その検証の結果、水平シェーディング補正データが適切であると判定された場合には、そのまま補正データの生成を完了するが、不適切であると判定された場合には、その補正データに修正を施すか、もしくは別の画像領域から改めて第二の補正データを作成して、補正データの生成を完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、静止画像や動画像を撮像・記録・再生する撮像装置、撮像方法、プログラムおよび記憶媒体に係る撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の撮像装置として、固体メモリ素子を有するメモリカードを記録媒体とし、CCD、CMOS等の固体撮像素子で撮像した静止画像や動画像を記録・再生する電子カメラ等の撮像装置が既に市販されている。
【0003】
この電子カメラのように、CCD、CMOS等の固体撮像素子を用いて撮像する場合、撮像素子を露光しない状態で本撮影と同様に電荷蓄積を行った後に読み出したダーク画像データと、撮像素子を露光した状態で電荷蓄積を行った後に読み出した本撮影画像データとを用いて演算処理することにより、ダークノイズ補正処理を行うことが可能である。この補正処理手段を、ここでは第一の補正手段と呼ぶ。
【0004】
これにより、撮像素子で発生する暗電流ノイズや撮像素子固有の微小なキズによる画素欠損等の画質劣化に対し、撮影した画像データを補正して高品位な画像を得ることができる。
【0005】
特に、暗電流ノイズは、電荷蓄積時間および撮像素子の温度上昇に従って増大するので、長秒時の露光や高温時の露光を行う場合、大きな画質改善効果を得ることができ、電子カメラの使用者にとってダークノイズ補正処理は有益な機能となっている。
【0006】
しかしながら、上記の補正手段を用いた撮像装置では、ダーク画像データを撮影した後に本撮影を行う場合、連写撮影時に撮影駒間隔を一定に揃えることができるが、単写撮影時にダーク画像撮影時間分だけシャッタレリーズタイムラグが大きくなり、貴重なシャッタチャンスを逃すおそれがあった。
【0007】
一方、本撮影を行った後にダーク画像データを撮影する場合、単写撮影時にシャッタレリーズタイムラグを小さくできるが、連写撮影時に1駒目と2駒目の撮影間隔がダーク画像撮影時間分だけ大きくなり、撮影駒間隔を一定に揃えることができないという問題があった。
【0008】
また、長秒時の露光や高温時の露光でないときの撮影条件、環境条件は全く考慮されていなかった。つまり、撮像素子で発生する暗電流ノイズや撮像素子固有の微小なキズによる画素欠損等の画質劣化以外に、回路系ノイズが存在するが、これに対する考慮がなされていなかった。ここで、回路系ノイズとは、センサ内の電源ラインの抵抗成分による電圧不均一や素子ばらつき等で発生するダークオフセットとしての固定パターンノイズである。
【0009】
更に上記の撮像装置は、撮影ごとの変化がない固定パターンノイズの補正に関しては有効であるが、撮影ごとに異なるパターンで発生するランダムなノイズ成分に関しては、補正をすることでむしろ増大させてしまうという問題もあった。これにより、固定パターンノイズ成分よりもランダムノイズの方が支配的な条件下においては、むしろ画質を劣化させる原因となった。
【0010】
また撮影画像データを補正する手段としては、予めダーク画像の水平写像等の補正データを作成しておき、その補正データを用いて撮影した画像データを補正する補正手段がある。この補正手段を、ここでは第二の補正手段と呼ぶ。
【0011】
図15を用いて上記第二の補正手段を説明する。
【0012】
画像撮影において、まず撮像素子を露光しない状態での撮影によりダーク画像の全体もしくは一部(図15−a)を取得し、そのダーク画像を垂直方向に写像をとることで、水平1ラインのダークデータ(図15−b)を作成し、メモリ上に記憶させる。続いて撮像素子を露光した状態での撮影により本画像(図15−c)を取得する。そして、メモリ上に記憶させておいた水平1ラインのダークデータ(図15−b)を展開して得られた補正用画像(図15−d)と本画像(図15−c)との差分画像を生成することで水平ダークシェーディング成分を補正した画像(図15−e)を得ることができる。
【0013】
この第二の補正手段で用いる補正データの生成方法としては、工場の生産工程において予め作成し、メモリ部に格納しておく方法と、撮影直前にダーク画像の一部を取得し、その画像から補正データを生成する方法がある。
【0014】
前者は、1画像の撮影の際に、改めて黒画像の撮像、読出をする必要がないため、一回の撮影に所用する時間が短くてすむ。また前記第一の補正手段使用時のように、ランダムノイズ成分を増大させるようなことも無いという長所をもつ。
【0015】
後者は、補正対象のダークノイズの温度等周辺環境による変化の影響を受けにくく、かつ、黒画像全範囲を用いて補正を行う第一の補正手段と比べて、黒画像の一部分のみを用いるため、一回の撮像に所用する時間が短くてすむという長所をもつ。
【0016】
しかしながら、上記のダーク画像補正データを用いてダーク画像の補正を行う第二の補正方法にも、以下のような問題点があった。
【0017】
即ち、補正データ生成のもととなるダーク画像に高温下の暗電流などによる特異パターン等が存在した場合、生成された補正データにも異常部が存在してしまう怖れがあり、その補正データを用いて画像補正を行うことにより、むしろ画像が悪化する可能性があった。
【0018】
図16及び図17を用いて、上記画像を悪化させる補正例を説明する。
【0019】
図16の補正例は、高温度下や長時間撮影時に撮像素子の周辺回路が発熱することで画面の四隅に暗電流の影響による出力レベルの浮きが発生している場合のものである。この場合のダーク画像は図16−a)のようになる。
【0020】
この画像の第一の領域を用いて水平ダーク補正データを生成した場合、その補正データは図16−b)のようになる。そして、この補正データを用いて元の画像図16−a)を補正すると、図16−c)の画像のように画面左右が沈んだ画像を生成してしまう。
【0021】
図17の補正例は、高温度下や長時間撮影時に大きく成長する点キズもしくは点キズ群が存在する場合のものである。この場合のダーク画像は図17−a)のようになる。
【0022】
この画像の第一の領域を用いて水平ダーク補正データを生成した場合、その補正データは図17−b)のようになる。そして、この補正データを用いて元の画像図17−a)を補正すると、図17−c)の画像のようにキズの上下に沈んだ線(帯)がある画像を生成してしまう。
【特許文献1】特開平8−307775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
そこで本発明は、特異パターンの影響を受けにくい、適切なダークシェーディング補正を行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、
撮影した画像を記録媒体に記録する撮像装置において、非露光状態で撮像を行って第一の画像データを得る第一の撮像モード、および露光状態で撮像を行って第二の画像データを得る第二の撮像モードで撮像可能な撮像手段と、第一の撮像モードで得られた第一の画像データの全体もしくは一部分である第一の領域から第一のシェーディング補正データを生成する第一の補正データ生成手段と、第一のシェーディング補正データが適切なものであるかを判定する補正データ判定手段と、補正データ判定手段により第一の補正データが不適切なものであると判定された場合に、第一のシェーディング補正データを補正する補正データ修正手段と、第一のシェーディング補正データを用いて第二の画像データに対してダークシェーディング補正を施すダークシェーディング補正手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、予め記憶された補正データを選択して補正を行う場合、ダーク画像データを撮影する必要がないので、シャッタレリーズタイムラグを軽減でき、また、レリーズタイムラグによって撮影者がシャッタチャンスを逃すことがなくなる。
【0026】
また、ISO感度、シャッタ秒時といった撮影条件や、周囲温度などの環境条件により、補正すべき量が予め記憶されている補正データと大きく異なることが予想された場合、第1の撮像モードで得られたダーク画像データから新たに生成した水平ダークシェーディング補正データを用いて補正を行うことにより、画質が劣化することを防止できる。
【0027】
さらに、予め記憶される補正データを1次元の補正データとすることで、処理が簡便になると同時に、補正データを記憶するためのメモリが少なくて済む。
【0028】
このように、シャッタレリーズタイムラグの原因となるダーク画像の撮影を極力減らしつつ、画質の劣化を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の撮像装置、撮像方法、プログラムおよび記憶媒体の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の撮像装置は電子カメラに適用される。
【実施例】
【0030】
図1は実施の形態における電子カメラの構成を示すブロック図である。図において、100は画像処理装置である。12は撮像素子14の露光量を制御する絞り機能を有したシャッタである。14は光学像を電気信号に変換する撮像素子である。
【0031】
レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線は、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130およびシャッタ12を通じて一眼レフ方式により導かれた撮像素子14上に光学像として結像する。
【0032】
16は撮像素子14から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子14、A/D変換器16およびD/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22およびシステム制御回路50によって制御される。
【0033】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータあるいはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理回路20は必要に応じて撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づき、システム制御回路50が露光(シャッタ)制御部40および測距制御部42を制御するためのTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理およびEF(フラッシュ調光)処理を行う。また、画像処理回路20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0034】
尚、本実施形態では、測距制御部42および測光制御部46を専用に備えているので、システム制御回路50は、測距制御部42および測光制御部46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行わない構成としてもよい。
【0035】
また、測距制御部42および測光制御部46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、さらに、画像処理回路20を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行う構成としてもよい。
【0036】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30および圧縮・伸長回路32を制御する。
【0037】
A/D変換器16からのデータは、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいは直接、メモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24あるいはメモリ30に書き込まれる。
【0038】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器である。28はTFT方式のLCDからなる画像表示部である。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28に表示される。撮像された画像データを画像表示部28で逐次表示する場合、電子ファインダ機能を実現することが可能である。また、画像表示部28はシステム制御回路50の指示にしたがって表示のON/OFFを任意に行うことが可能であり、表示をOFFにした場合、画像処理装置100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0039】
30は撮影された静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を有している。したがって、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能である。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
【0040】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)などにより画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理あるいは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0041】
40は測光制御部46からの測光情報に基づいて絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながらシャッタ12を制御するシャッタ制御部である。42はAF(オートフォーカス)処理を行うための測距制御部であり、レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線を絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130および測距用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。
【0042】
44は温度計であり、撮影環境における周囲温度を検出する。温度計が撮像素子(センサ)14内にある場合、センサの暗電流をより正確に予想することが可能である。
【0043】
46はAE(自動露出)処理を行うための測光制御部であり、レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130および測光用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。測光制御部46はフラッシュ部48と連携することにより、EF(フラッシュ調光)処理機能も有する。48はフラッシュ部であり、AF補助光の投光機能およびフラッシュ調光機能を有する。
【0044】
尚、前述したように、撮像素子14によって撮像された画像データを用いて画像処理回路20により演算された演算結果に基づき、システム制御回路50が露光(シャッタ)制御部40、絞り制御部340、測距制御部342に対し、ビデオTTL方式を用いた露出制御およびAF(オートフォーカス)制御を行うことが可能である。
【0045】
また、測距制御部42による測定結果と、撮像素子14によって撮像された画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて、AF(オートフォーカス)制御を行うようにしてもよい。さらに、測光制御部46による測定結果と、撮像素子14によって撮像された画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて露出制御を行うようにしてもよい。
【0046】
50は画像処理装置100全体を制御するシステム制御回路であり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリである。54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などで動作状態やメッセージなどを表示する液晶表示装置、スピーカなどを有する表示部であり、画像処理装置100の操作部近辺の視認し易い単数あるいは複数箇所に設置されている。表示部54は、LCD、LED、発音素子などの組合わせにより構成されている。また、表示部54の一部の機能は光学ファインダ104内に設けられている。
【0047】
表示部54の表示内容のうち、LCDなどに表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマ表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200、210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示などがある。
【0048】
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示などがある。
【0049】
さらに、表示部54の表示内容のうち、LED等に表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電表示などがある。
【0050】
また、表示部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマ通知ランプ等がある。このセルフタイマ通知ランプはAF補助光と共用してもよい。
【0051】
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、不揮発性メモリとしてEEPROMなどが用いられる。この不揮発性メモリ56には、各種パラメータやISO感度などの設定値、設定モード、および水平ダークシェーディング補正を行う際に用いる1次元補正データが格納される。この1次元補正データは、生産工程において、調整時に作成されて書き込まれるか、もしくは、電源投入時や実際の撮影直前に作成されて書き込まれる。この1次元補正データの作成方法としては、先に図15を用いて説明したとおり、例えばダーク撮影を行って得られた画像の全体ないし複数行分を射影演算することにより、水平1ライン分のデータとする方法等が考えられる。
【0052】
尚、補正データとしては、生産工程もしくは実際の撮影直前において撮像されたダーク画像をそのまま2次元データとして記憶したものでもよい。しかし、撮像素子によっては垂直方向の固定パターンノイズが小さく、水平方向の補正のみ行えば済むようなものがある。
【0053】
ここで、固定パターンノイズの発生要因としては、撮像素子の回路系からの信号読出し時に画素部の信号が最終出力段に至る読出し経路の差(ばらつき)が大きい。図2は水平および垂直方向における固定パターンノイズの混入を示す図である。水平方向の固定パターンノイズは、図中、垂直ラインaの読出し経路と垂直ラインbの読出し経路との差に依存する。また、垂直方向の固定パターンノイズは、図中、水平ラインcの読出し経路と水平ラインdの読出し経路との差に依存する。例えば、図2に示すように、各水平ラインが読出し回路を共有し、かつ回路レイアウトの工夫などにより各水平ラインの信号を共通読出し回路に転送する際に混入するノイズが小さい撮像素子の場合、垂直方向の固定パターンノイズが小さく補正する必要がない。このような撮像素子を用いる撮像装置では、水平方向の1次元の補正データを用いて本画像を補正することにより、固定パターンノイズを除去することができる。
【0054】
60、62、64、66、68および70はシステム制御回路50の各種動作指示を入力するための操作部であり、スイッチ、ダイヤル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置などの単数あるいは複数の組み合わせで構成される。これら操作部の詳細を以下に示す。
【0055】
60はモードダイアルスイッチであり、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッタ速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モードなどの各機能撮影モードを切り替えて設定可能である。
【0056】
62はシャッタスイッチ(SW1)であり、シャッタボタン(図示せず)の操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュ調光)処理などの動作開始を指示する。
【0057】
64はシャッタスイッチ(SW2)であり、シャッタボタン(図示せず)の操作完了でONとなる。このシャッタスイッチ(SW2)64は、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200、201に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0058】
66は再生スイッチであり、撮影モード状態で撮影した画像をメモリ30あるいは記録媒体200、210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。
【0059】
68は単写/連写スイッチであり、シャッタスイッチSW2を押した場合、1コマの撮影を行って待機状態とする単写モードと、シャッタスイッチSW2を押している間、連続して撮影を行い続ける連写モードとを設定可能である。
【0060】
69はISO感度設定スイッチであり、撮像素子14あるいは画像処理回路20におけるゲインの設定を変更することによりISO感度を設定できる。
【0061】
70は各種ボタンやタッチパネルなどからなる操作部であり、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマ切替ボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、パノラマモード等の撮影および再生を実行する際に各種機能の選択および切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影および再生を実行する際に各種機能の決定および実行を設定する決定/実行ボタン、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチ、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため、あるいは撮像素子の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチ、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定可能な再生スイッチ、シャッタスイッチSW1を押した際にオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦した場合、その合焦状態を保ち続けるワンショットAFモードとシャッタスイッチSW1を押している間、連続してオートフォーカス動作を続けるサーボAFモードとを設定可能なAFモード設定スイッチなどがある。
【0062】
また、上記プラスボタンおよびマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0063】
72は電源スイッチであり、画像処理装置100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定可能である。また、画像処理装置100に接続されたレンズユニット300、外部ストロボ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定可能である。
【0064】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などから構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、その検出結果およびシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部に供給する。
【0065】
82および84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池などの一次電池、NiCd電池、NiMH電池、Li電池などの二次電池、ACアダプタなどからなる電源部である。
【0066】
90および94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインターフェース、92および96はメモリカードやハードディスクなどの記録媒体との接続を行うコネクタ、98はコネクタ92、96に記録媒体200、210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知部である。
【0067】
尚、本実施形態では、記録媒体を取り付けるインターフェースおよびコネクタが2系統装備されているが、記録媒体を取り付けるインターフェースおよびコネクタは単数あるいは任意の数の系統数装備されていてもよい。また、異なる規格のインターフェースおよびコネクタとして、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの規格に準拠したものを用いてもよい。
【0068】
さらに、インターフェース90、94、コネクタ92、96をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカード、モデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHSなどの通信カードなどの各種通信カードを接続することより、他のコンピュータやプリンタなどの周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を相互に転送することが可能である。
【0069】
104は光学ファインダであり、撮影レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132を介して導き、光学像として結像させて表示することが可能である。これにより、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用することなく、光学ファインダ104だけを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設けられている。
【0070】
110は通信部であり、RS232C、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信などの各種通信機能を有する。112は通信部110により画像処理装置100を他の機器と接続するコネクタ、もしくは無線通信を行う場合のアンテナである。
【0071】
120はレンズマウント106内で画像処理装置100をレンズユニット300と接続するためのインターフェースである。122は画像処理装置100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。124はレンズマウント106および/またはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かを検知するレンズ着脱検知部である。
【0072】
コネクタ122は画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信だけでなく、光通信、音声通信などを伝達する構成としてもよい。
【0073】
130、132はミラーであり、撮影レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって光学ファインダ104に導く。ミラー132はクイックリターンミラーの構成にしてもハーフミラーの構成にしてもどちらでもよい。
【0074】
200はメモリカードやハードディスクなどの記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスクなどから構成される記録部202、画像処理装置100とのインターフェース204、および画像処理装置100との接続を行うコネクタ206を有している。210は、記録媒体200と同様、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、画像処理装置100とのインターフェース214、および画像処理装置100との接続を行うコネクタ216を有している。
【0075】
300は交換レンズタイプのレンズユニットである。306はレンズユニット300を画像処理装置100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続する各種機能が含まれている。
【0076】
310は撮影レンズ、312は絞りである。320はレンズマウント306内でレンズユニット300を画像処理装置100と接続するためのインターフェースである。322はレンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続するコネクタである。
【0077】
コネクタ322は画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電流が供給され、あるいは電流を供給する機能を備えている。また、コネクタ322は電気信号だけでなく、光信号、音声信号などを伝達する構成としてもよい。
【0078】
340は測光制御部46からの測光情報に基づいて、シャッタ12を制御するシャッタ制御部40と連携しながら、絞り312を制御する絞り制御部である。342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御する測距制御部である。344は撮影レンズ310のズーミングを制御するズーム制御部である。350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路である。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリやレンズユニット300固有の番号などの識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
【0079】
上記構成を有する電子カメラの動作について説明する。図3および図4は画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは不揮発メモリ56などの記憶媒体に格納されており、メモリ52にロードされてシステム制御回路50内のCPUによって実行される。
【0080】
電池交換などの電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、画像処理装置100の各部に対して必要な所定の初期設定を行う(ステップS101)。システム制御部50は、電源スイッチ72の設定位置を判別し、電源スイッチ72が電源OFFに設定されているか否かを判別する(ステップS102)。
【0081】
電源スイッチ72が電源OFFに設定されている場合、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数などを含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源制御部80により画像表示部28を含む画像処理装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ステップS102の処理に戻る。
【0082】
一方、電源スイッチ72が電源ONに設定されていた場合、システム制御回路50は電源制御部80により電池などの電源86の残容量や動作状況が画像処理装置100の動作に問題があるか否かを判別する(ステップS104)。問題があると判別された場合、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後(ステップS105)、ステップS102の処理に戻る。
【0083】
一方、電源86に問題がないと判別された場合、システム制御回路50はモードダイアルスイッチ60の設定位置を判断し、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されているか否かを判別する(ステップS106)。モードダイアルスイッチ60がその他のモードに設定されている場合、システム制御回路50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS107)、実行後にステップS102の処理に戻る。
【0084】
一方、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されている場合、記録媒体200、201が装着されているか否かの判断、記録媒体200、201に記録された画像データの管理情報の取得、および記録媒体200、201の動作状態が画像処理装置100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判別する(ステップS108)。問題があると判別された場合、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後(ステップS105)、ステップS102の処理に戻る。
【0085】
システム制御回路50は表示部54を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態の表示を行う(ステップS112)。ここで、画像表示部28の画像表示スイッチがONである場合、画像表示部28を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態を表示するようにしてもよい。
【0086】
システム制御回路50はシャッタスイッチSW1が押されているか否かを判別し(ステップS121)、シャッタスイッチSW1が押されていない場合、ステップS102の処理に戻る。一方、シャッタスイッチSW1が押されている場合、システム制御回路50は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッタ速度を決定する測距・測光処理を行う(ステップS122)。測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。この測距・測光処理の詳細については、後述する。
【0087】
この後ステップS123〜S128において、水平ダークシェーディング補正にう使用する補正データの選択を行う。まず、カメラの設定感度を判別する。すなわち、ISO感度設定スイッチ69による設定感度がISO800未満であるか否かを判別する(ステップS123)。この判別理由は、ISO800未満では、露光量が少なくなるので、撮像素子で発生する暗電流ノイズや、撮像素子固有の微小なキズによる画素欠損等による画質劣化が目立つためである。尚、本実施形態では、ISO800としたが、ISO1600等、別の設定感度でもよいことは勿論である。そして、ISO800以上である場合、ステップS127の処理に移行し、一方、ISO800未満である場合、さらに、設定感度がISO400未満であるか否かを判別する(ステップS124)。
【0088】
ISO400未満である場合、ステップS128の処理に移行し、一方、ISO400以上である場合、温度計44により計測される周囲温度Tempが28℃未満であるか否かを判別する(ステップS125)。28℃未満である場合、ステップS128の処理に移行し、一方、28℃以上である場合、シャッタ時間Tvが1秒未満であるか否かを判別する(ステップS126)。1秒未満である場合、ステップS128の処理に移行し、一方、1秒以上である場合、ステップS127の処理に移行する。
【0089】
尚、ステップS124〜S126の条件判定では、しきい値として、ISO400、28℃、1秒という値を設定しているが、撮像素子14の特性によっては、それぞれ適当な値であってもよいことは勿論である。
【0090】
ここで、暗電流ノイズは電荷蓄積時間や撮像素子の温度上昇にしたがって増大するので、長秒時の露光や高温時の露光を行う場合、予め記憶されている補正データでは、補正しきれない場合がある。そのため、本撮影時と同じ環境下で撮影されたダーク画像を用いて補正データを生成しなおさなければならない。
【0091】
したがって、ステップS124〜S126のいずれの条件も満たしていない場合、改めて補正データを作成する(ステップS127)。この補正データの生成の詳細については、後述する。
【0092】
また、ステップS116〜S118の処理において、いずれかの条件を満たしている場合、予め生産工程にて生成しておいた補正データを使用して問題ないないと判断できるため、該当する水平一次元補正データを垂直方向に実際の画像と同数のライン数だけ繰り返しメモリ30の所定領域に展開する(ステップS128)。
【0093】
ステップS128では、システム制御回路50は、水平ダークシェーディング補正に用いられる1次元補正データを不揮発性メモリ56から読み出し、メモリ30の所定領域に、この1次元データを垂直方向に実際の画像と同数のライン数だけ繰り返し展開する。この補正データの展開終了後、ステップS129の処理に移行する。水平ダークシェーディング補正データによる本画像の補正方法は図15で示したとおりである。
【0094】
そして、シャッタスイッチSW2が押されているか否かを判別し(ステップS129)、シャッタスイッチSW2が押されていない場合、シャッタスイッチSW1が離されたか否かを判別し(ステップS130)、シャッタスイッチSW1が離されるかシャッタスイッチSW2が押されるまでステップS129およびステップS130の処理を繰り返す。ステップS130でシャッタスイッチSW1が離された場合、ステップS102の処理に移行する。
【0095】
一方、ステップS129でシャッタスイッチSW2が押された場合、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別する(ステップS131)。メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後(ステップS132)、ステップS102の処理に戻る。
【0096】
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
【0097】
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS131の処理で判断することになる。
【0098】
一方、ステップS131でメモリ30に撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域があると判別された場合、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する(ステップS133)。この撮影処理の詳細については、後述する。
【0099】
ステップS133の撮影処理を終えると、システム制御回路50は、ステップS123で展開した水平ダークシェーディング補正データあるいはステップS127で新たに生成された水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行うことにより、撮像素子14の暗電流ノイズ等を打ち消すダーク補正演算処理を行う(ステップS134)。
【0100】
このように、水平ダークシェーディング補正データを用いて補正演算処理を行う場合、撮像素子14で発生する水平方向の暗電流ノイズや固定パターンノイズによる画質劣化に対し、補正を行うことができる。
【0101】
ステップS134の水平ダークシェーディング補正を終えると、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データの一部をメモリ制御回路22を介して読み出して現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
【0102】
そして、システム制御回路50は、メモリ制御回路22、必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出し、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う(ステップS135)。
【0103】
システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う(ステップS136)。
【0104】
そして、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する(ステップS137)。この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
【0105】
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
【0106】
以上により、撮影に関する一連の処理が終了する。
【0107】
図5はステップS122における測距・測光処理手順を示すフローチャートである。測距・測光処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
【0108】
システム制御回路50は、撮像素子14、測距制御部42および測距制御部342を用いて、AF(オートフォーカス)処理を開始する(ステップS201)。
【0109】
システム制御回路50は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、測距用サブミラー(図示せず)を介して、測距制御部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、測距(AF)が合焦と判断されるまで、測距制御部342を用いて撮影レンズ310を駆動しながら、測距制御部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行する(ステップS202、S203)。
【0110】
ステップS203で測距(AF)が合焦と判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点の中から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する(ステップS204)。
【0111】
つづいて、システム制御回路50は、測光制御部46を用いてAE(自動露出)処理を開始する(ステップS205)。システム制御回路50は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132および測光用レンズ(図示せず)を介して、測光制御部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、露出(AE)が適正と判断されるまで露光(シャッタ)制御部40を用いて測光処理を行う(ステップS206、S207)。
【0112】
ステップS207で露出(AE)が適正であると判断された場合、システム制御回路50は、測光データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
【0113】
尚、ステップS206の測光処理で検出した露出(AE)結果と、モードダイアルスイッチ60によって設定された撮影モードとに応じて、システム制御回路50では絞り値(Av値)およびシャッタ速度(Tv値)が決定される。
【0114】
ここで、決定されたシャッタ速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定し、この決定された同じ電荷蓄積時間で撮影処理およびダーク取り込み処理をそれぞれ行う。
【0115】
ステップS206の測光処理で得られた測定データにより、システム制御回路50はフラッシュが必要であるか否かを判別し(ステップS208)、フラッシュが必要である場合、フラッシュフラグをセットし、充電が完了するまでフラッシュ部48を充電する(ステップS209、S210)。そして、フラッシュ部48の充電が完了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
【0116】
図6および図7はステップS133における撮影処理手順を示すフローチャートである。この撮影処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
【0117】
システム制御回路50は、ミラー130をミラー駆動部(図示せず)によってミラーアップ位置に移動させ(ステップS301)、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された測光データに従い、絞り制御部340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動する(ステップS302)。
【0118】
システム制御回路50は、撮像素子14の電荷クリア動作を行った後(ステップS303)、撮像素子14の電荷蓄積を開始し(ステップS304)、シャッタ制御部40によってシャッタ12を開き(ステップS305)、撮像素子14の露光を開始する(ステップS306)。
【0119】
そして、フラッシュフラグによりフラッシュ部48が必要であるか否かを判別し(ステップS307)、必要である場合、フラッシュ部48を発光させる(ステップS308)。
【0120】
システム制御回路50は、測光データにしたがって撮像素子14の露光終了を待ち(ステップS309)、露光が終了すると、シャッタ制御部40によってシャッタ12を閉じ(ステップS310)、撮像素子14の露光を終了する。
【0121】
システム制御回路50は、絞り制御部340によって絞り312を開放の絞り値まで駆動し(ステップS311)、ミラー130をミラー駆動部(図示せず)によってミラーダウン位置に移動させる(ステップS312)。
【0122】
設定した電荷蓄積時間が経過したか否かを判別し(ステップS313)、設定した電荷蓄積時間が経過した場合、システム制御回路50は撮像素子14の電荷蓄積を終了した後(ステップS314)、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介してメモリ30の所定領域に撮影画像データを書き込む(ステップS315)。一連の処理を終了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
【0123】
図8はステップS127における水平シェーディング補正データ生成手順についての1つの実施例を説明するフローチャートである。
【0124】
システム制御回路50は、予め定められた複数行からなる補正データ生成用画像領域を設定し(ステップS501)、その領域内のダーク画像を取り込み(ステップS502)、そのダーク画像をもとに水平シェーディング補正データを作成する(ステップS503)。ダーク画像の取り込みに関する詳細は、後述する。
【0125】
その後ステップS503にて作成された補正データが、ステップS501で設定された画像領域内に存在する異常出力部の影響で、水平シェーディング補正に用いるにはふさわしくない補正データとなっていないかを検証する(ステップS504)。この補正データの検証に関する詳細は、後述する。
【0126】
ステップS504の検証の結果、ステップS503で生成された水平シェーディング補正データが適切であると判定された場合には(ステップS505)、そのまま補正データの生成を完了し、不適切であると判定された場合には、ステップS504における補正データの検証時に抽出された、補正データの異常部を、その前後の補正データ値を用いて補間するなどの、補正データの修正を施し(ステップS506)、補正データの生成を完了する。
【0127】
図9はステップS127における水平シェーディング補正データ生成手順についての別の実施例を説明するフローチャートである。
【0128】
システム制御回路50は、予め定められた複数行からなる、第一の画像領域を設定し(ステップS601)、その領域内のダーク画像を取り込み(ステップS602)、そのダーク画像をもとに第一の水平シェーディング補正データを作成する(ステップS603)。ダーク画像の取り込みに関する詳細は、後述する。
【0129】
その後ステップS603にて作成された第一の補正データが、ステップS601で設定された第一の画像領域内に存在する異常出力部の影響で、水平シェーディング補正に用いるにはふさわしくない補正データとなっていないかを検証する(ステップS604)。この補正データの検証に関する詳細は、後述する。
【0130】
ステップS604の検証の結果、ステップS603で生成された第一の補正データが適切であると判定された場合には(ステップS605)、そのまま補正データの生成を完了する。
【0131】
一方、ステップS603で生成された第一の補正データが不適切であると判定された場合には、現在生成されている補正データがどの画像領域から生成されたものであるかを判定するステップS606に進み、このステップにおいて、現在の補正データが第一の画像領域から生成されたものであるという判定を受けて(ステップS606)、補正データ生成の画像領域が第二の画像領域に変更される(ステップS607)。
【0132】
その後、第二の画像領域について、第一の補正データ生成時と同様の手順がステップS602〜S604において行われ、第二の補正データの生成及び検証が施される。
【0133】
第二の補正データが適切であると判定された場合には(ステップS605)、そのまま補正データの生成を完了し、不適切であると判定された場合も、ステップ606において現在の補正データが第二の画像領域から生成されたものであるという判定を受けて(ステップS606)、そのまま補正データの生成を完了する。
【0134】
以上、図9のフローチャートを用いて説明した水平シェーディング補正データ生成手順において、補正データ生成に使用する画像領域は2つだけとしたが、勿論本発明においては、3つ以上の領域から最も適切な補正データを選出するような手順としても良い。
【0135】
図10はステップS502およびステップS602におけるダーク取り込み処理手順を示すフローチャートである。システム制御回路50は、撮像素子14の電荷クリア動作を行った後(ステップS401)、シャッタ12が閉じた状態で撮像素子14の電荷蓄積を開始する(ステップS402)。
【0136】
設定した所定の電荷蓄積時間が経過したか否かを判別する(ステップS403)。電荷蓄積時間が経過した場合、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積を終了した後(ステップS404)、撮像素子14から予め定められた数行分の電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に画像データ(ダーク画像データ)を書き込む(ステップS405)。この後、本処理を終了して補正データ生成の処理に復帰する。
【0137】
図11はステップS504及びS604における水平シェーディング補正データ検証手順についての1つの実施例を説明するフローチャートである。
【0138】
システム制御回路50は、補正データの平均値を算出し(ステップS701)、続けて最大値、最小値も算出する(ステップS702,S703)。
【0139】
ステップS702で算出した補正データの最大値とステップS701で算出した補正データの平均値の差を算出し、その値が予め定められた所定値(例えば1000LSB)以上であるかどうかを検証する(ステップS704)。所定値以下であった場合には、続けてステップS701で算出した補正データの平均値とステップS703で算出した補正データの最小値の差を算出し、その値が予め定められた所定値(例えば100LSB)以上であるかどうかを検証する(ステップS705)。ステップ705の判定結果が所定値以下であった場合は、ステップS706に移行し、該補正データは補正に適切(OK)と判定する。ステップS704,ステップ705の判定結果がどちらか一方でも所定値以上であった場合にはステップS707に移行し、該補正データは補正には不適切(NG)と判定する。ステップS706,ステップS707の結果補正データの適不適が決定したところで、本処理を終了して補正データ生成の処理に復帰する。
【0140】
図12はステップS504及びS604における水平シェーディング補正データ検証手順についての別の実施例を説明するフローチャートである。
【0141】
システム制御回路50は、まず、補正データに対し、隣接するデータの差分を算出しその値を並べることで微分補正データを作成する(ステップS801)。
【0142】
次に微分補正データの平均値を算出し(ステップS802)、続けて最大値、最小値も算出する(ステップS803,S804)。
【0143】
ステップS803で算出した微分補正データの最大値とステップS802で算出した微分補正データの平均値の差を算出し、その値が予め定められた所定値(例えば100LSB)以上であるかどうかを検証する(ステップS804)。所定値以下であった場合には、続けてステップS802で算出した微分補正データの平均値とステップS803で算出した微分補正データの最小値の差を算出し、その値が予め定められた所定値(例えば100LSB)以上であるかどうかを検証する(ステップS805)。ステップ805の判定結果が所定値以下であった場合は、ステップS806に移行し、該補正データは補正に適切(OK)と判定する。ステップS804,ステップ805の判定結果がどちらか一方でも所定値以上であった場合にはステップS807に移行し、該補正データは補正には不適切(NG)と判定する。ステップS806,ステップS807の結果補正データの適不適が決定したところで、本処理を終了して補正データ生成の処理に復帰する。
【0144】
この微分補正データを用いた補正データの検証は、先に図11を用いて説明した補正データそのものの値を用いた検証に比べ、補正データの差分化をしなければならない分、計算量が多くなるという短所があるが、水平シェーディング補正によって補正可能な単調な水平シェーディングの影響を除去できるため、より精度の高い異常点検出が可能であるという長所を有する。
【0145】
以上、図11、図12のフローチャートを用いて説明した水平シェーディング補正データ検証手順において、補正データの代表値として平均値を使用したが、本発明はこれに限定されず、例えば中央値(メディアン)等を使用しても良い。また、両補正データ検証手順においても、最大値と平均値、最小値と平均値の差をもとに補正データの検証を行うと説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば最大値と最小値の差が所定値以上の場合に補正データが不適切であると判定するような検証手順でも良い。更には差分値ではなく補正データもしくは微分補正データの中に絶対値が予め定められた所定範囲外となるものが存在した場合には、補正データが不適切であると判定するような検証手順でもよい。
【0146】
図13及び図14を用いて、本実施形態の撮像装置による補正例を説明する。
【0147】
図13の補正例は、図16を用いて従来の補正を説明した際に使用した画像を補正する場合のものである。この場合のダーク画像は図13−aのようになる。
【0148】
この画像の第一の領域を用いて水平ダーク補正データを生成した場合、その補正データは図13−b1のようになる。この第一の補正データが適切であるかを判定するために補正データの微分を作成すると図13−b2のようになる。この微分補正データを検証すると、最小値と平均値の差が所定値以上であることから、補正データ生成領域に異常点が存在したと判定され、この第一の領域を用いて作成された第一の補正データは補正に不適切であると判定される。そこで第二の領域を用いて改めて第二の補正データ(図13−c1)及び微分補正データ(図13−C2)を生成する。この微分補正データは最大値と最小値の差が所定範囲内のため、第二の補正データは補正に適していると判定される。
【0149】
そして、この第二の補正データを用いて元の画像図13−aを補正することで、図13−dの画像のように異常点以外は正常な補正が施された画像が得られる。
【0150】
図14の補正例は、図17を用いて従来の補正を説明した際に使用した画像を補正する場合のものであるが、これも図13の補正例同様に、異常点の存在しない第二の領域から第二の補正データを生成することで、図14−dの画像のように異常点以外は正常な補正が施された画像が得られる。
【0151】
以上のように、本実施形態の撮像装置では、高温時、長時間撮影時、高ISO感度撮影時等の厳しい撮影環境下において、画面内に異常出力部が発生してしまった場合でも、水平シェーディング補正用の補正データが補正に適切であるかを検証する処理手順を行うことによって、異常部の影響を受けた誤った補正データを用いたシェーディング補正を施してしまうことを回避でき、すなわち、様々な条件下で適切なダークシェーディング補正を行った最良の画像を生成することが可能である。
【0152】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これら実施の形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0153】
例えば、上記実施形態では、水平ダークシェーディング補正を行う場合、補正データをメモリ30に展開していたが、この展開処理を行わずに、撮像素子14から画像データを取り込みながら順次、本画像から補正データを減算していくように補正することも可能である。
【0154】
また、本実施形態では、水平ダークシェーディング補正データの展開処理(S128)は、シャッタスイッチSW1が押された後に行われるとしたが、カメラの電源投入時に補正データが展開されるようにしてもよい。
【0155】
また、同様に、水平ダークシェーディング補正データの生成処理(S127)も、シャッタスイッチSW1が押された後に行われるとしたが、例えば、撮影時のレリーズタイムラグを少なくするために、カメラの電源投入時に補正データを生成し、ISO感度や撮影モードなど各種設定が切り換えられた時に補正データを再生成するようなシーケンスにしてもよいし、例えば、より撮影の瞬間と同じ条件で補正を行うために、シャッタスイッチSW2が押された後の実際の撮像直前に補正データが生成されるようなシーケンスにしてもよい。
【0156】
また、本実施形態では、撮影環境が通常の時は、工場で予め取得しメモリ30に記録しておいた補正データを用いて水平シェーディング補正を行い、高温時や長秒時及び高ISO感度時にはダーク画像から補正データを作成して補正を行うシーケンスとしたが、更に高温,長秒,高ISO感度時等の、一次元のシェーディング補正だけでは良好な画像が得られないような撮影環境下においては、撮影した本画像から一枚の黒画像をそのまま差分する、いわゆる黒引きを行うようなシーケンスを行ってもよい。
【0157】
さらに、補正データは水平方向の1次元データであるとしたが、垂直方向の1次元データあるいは2次元データであっても構わない。また、2次元の画像全体のデータでなくとも、図9に示すように、水平・垂直それぞれ方向の1次元データを両方記憶しておき、補正データの展開処理(S123)では、水平方向の1次元データを展開する際、垂直方向の1次元データを用いてライン毎に補正量を加減することで、水平・垂直両方向のダークシェーディングを補正することができる。図9は垂直・水平両方向の1次元データを用いた本画像の補正を示す図である。この場合、さらに、垂直方向に関しては、1次元の補正データとして記憶しなくても、数式として記憶しておき、水平方向の1次元データを展開する際、この数式を適用して垂直方向のダークシェーディングを補正するようにしてもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、本撮影処理の電荷蓄積時間とダーク取り込み処理の電荷蓄積時間を等しくする場合を示したが、暗電流ノイズ等を補正するのに十分なデータが得られる範囲内であればよく、異なる電荷蓄積時間としてもよい。
【0159】
さらに、ステップS502、S602のダーク取り込み処理動作の実行中、撮影動作を行うことができないので、表示部54および/または画像表示部28によって、画像処理装置100がビジー状態にあることを示す画像や音声を報知するようにしてもよい。
【0160】
また、本実施形態では、ミラー130をミラーアップ位置、ミラーダウン位置を移動して撮影動作を行う場合を示したが、ミラー130をハーフミラーの構成として、移動せずに撮影動作を行うようにしてもよい。
【0161】
さらに、記録媒体200、210は、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等だけでなく、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD−R、CD−RW等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていてもよい。さらには、記録媒体200、210がメモリカードとハードディスク等が一体となった複合媒体であってもよい。この場合、複合媒体から一部が着脱自在な構成であってもよい。
【0162】
上記実施形態では、記録媒体200、210は画像処理装置100と分離しており、任意に接続可能なものであるとしたが、いずれかあるいは全ての記録媒体が画像処理装置100に固定されたままであってもよい。また、画像処理装置100に、記録媒体200、210が単数あるいは複数の任意の個数接続可能な構成であってもよい。
【0163】
また、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをシステムあるいは装置に供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。この場合、プログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラム自体およびそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0164】
上記実施形態では、図3〜図5および図6〜図10のフローチャートに示すプログラムコードは記憶媒体であるROMに格納されている。プログラムコードを供給する記憶媒体としては、ROMに限らず、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、不揮発性のメモリカードなどを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本実施形態における電子カメラの構成を示すブロック図である。
【図2】水平および垂直方向における固定パターンノイズの混入を示す図である。
【図3】本実施形態の撮影動作処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の図3につづく撮影動作処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の測距・測光処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の撮影処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態の図6につづく撮影処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の1つの水平シェーディングデータ生成処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の別の水平シェーディングデータ生成処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態のダーク取り込み処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の1つの水平シェーディングデータ検証処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の別の水平シェーディングデータ検証処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態の1つの画像の補正例を説明する図である。
【図14】本実施形態の別の画像の補正例を説明する図である。
【図15】水平ダークシェーディング補正データによる本画像の補正を示す図である。
【図16】従来例の1つの画像の補正例を説明する図である。
【図17】従来例の別の画像の補正例を説明する図である。
【符号の説明】
【0166】
14 撮像素子
44 温度計
50 システム制御回路
56 不揮発性メモリ
60 モードダイアル
62 シャッタスイッチSW1
64 シャッタスイッチSW2
100 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影した画像を記録媒体に記録する撮像装置において、非露光状態で撮像を行って第一の画像データを得る第一の撮像モード、および露光状態で撮像を行って第二の画像データを得る第二の撮像モードで撮像可能な撮像手段と、第一の撮像モードで得られた第一の画像データの全体もしくは一部分である第一の領域から第一のシェーディング補正データを生成する第一の補正データ生成手段と、第一のシェーディング補正データが適切なものであるかを判定する補正データ判定手段と、補正データ判定手段により第一の補正データが不適切なものであると判定された場合に、第一のシェーディング補正データを補正する補正データ修正手段と、第一のシェーディング補正データを用いて第二の画像データに対してダークシェーディング補正を施すダークシェーディング補正手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記補正データ判定手段は、その補正データの最大値と最小値の差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記補正データ判定手段は、その補正データの最大値及び最小値と平均値との差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記補正データ判定手段は、その補正データの最大値及び最小値と中央値との差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記補正データ判定手段は、その補正データの隣接する出力値同士の差分値の最大値と最小値の差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記補正データ判定手段は、その補正データの隣接する出力値同士の差分値の最大値及び最小値と平均値との差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記補正データ判定手段は、その補正データの隣接する出力値同士の差分値の最大値及び最小値と中央値との差が所定値以上の場合にその補正データは不適切であると判定することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記補正データ修正手段は、前記第一の補正データにおける不適切な部分を検出する補正データ異常部検出手段を有し、前記補正データ異常部検索手段により検出された異常部の部分をその前後のデータから近似式で補間して補正データを補正することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記補正データ異常部検出手段は、出力値が予め定められた数値範囲外となる箇所を不適切な部分として検出することを特徴とする、請求項8記載の撮像装置。
【請求項10】
前記補正データ異常部検出手段は、補正データ全体の平均値との差が所定値以上となる箇所を不適切な部分として検出することを特徴とする、請求項8記載の撮像装置。
【請求項11】
前記補正データ異常部検出手段は、補正データ全体の中央値との差が所定値以上となる箇所を不適切な部分として検出することを特徴とする、請求項8記載の撮像装置。
【請求項12】
前記補正データ異常部検出手段は、補正データの隣接する2つの出力値の差分値が所定値以上となる箇所及びその周辺部分を不適切な部分として検出することを特徴とする、請求項8記載の撮像装置。
【請求項13】
前記補正データ修正手段は、第一の撮像モードで得られた第一の画像データにおいて第一の領域とは異なる第二の領域から第二のシェーディング補正データを作成する第二の補正データ生成手段と、該第二の補正データを前記第一の補正データと置き換えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項14】
前記補正データ修正手段は、前記補正データ判定手段により第一の補正データが不適切であると判定された場合に、前記第一の撮像モードにより再度第一の画像データを撮り直し、前記第一の補正データ生成手段は改めて第一の画像データから、第一の補正データを生成しなおすことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項15】
前記補正データ生成手段は、該撮像装置生産工程において予め補正データを生成しておくことを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項16】
前記補正データ生成手段は、該撮像装置の電源投入時に補正データを生成することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項17】
前記補正データ生成手段は、該撮像装置の各種撮像条件が設定もしくは変更された時に補正データを生成することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。
【請求項18】
前記補正データ生成手段は、該撮像装置による撮像の直前に補正データを生成することを特徴とする、請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−108878(P2006−108878A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290235(P2004−290235)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】