説明

撮像装置

【課題】 撮像素子の受光面を保持部材に対して所定の位置に容易かつ確実に固定することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮影レンズ4を介した被写体光を撮像する撮像素子2と、前記撮影レンズ4を保持する保持部材10と、前記撮像素子2を固定する基板6とを備え、前記保持部材10と前記基板6とは、前記撮像素子2の受光面2aが前記保持部材10に対して所定の位置に配置された状態で半田12により固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気基板に実装される撮像素子の実装面の裏面に対向する開口を有し、該開口中に接着剤を添着することにより撮像素子に固着される固定部材を備えた撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−227673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像装置においては、撮像素子の受光面が、撮影レンズ等を保持する保持部材に対して所定の位置に配置される必要がある。しかしながら、例えばボール半田等で撮像素子を実装した電気基板を保持部材に固定する場合、電気基板に対する撮像素子の位置に個体差があるため、撮像素子の受光面を保持部材に対して所定の位置に配置するのが困難な場合があった。また、例えば紫外線硬化型の接着剤を用いて撮像素子を保持部材に固定する場合、接着剤の耐熱温度が低いため、撮像素子等の発熱体からの発熱等により接着剤が軟化し、撮像素子の受光面の保持部材に対する位置が所定の位置からずれる場合があった。
【0005】
本発明の目的は、撮像素子の受光面を保持部材に対して所定の位置に容易かつ確実に固定することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、撮影レンズを介した被写体光を撮像する撮像素子と、前記撮影レンズを保持する保持部材と、前記撮像素子を固定する基板とを備え、前記保持部材と前記基板とは、前記撮像素子の受光面が前記保持部材に対して所定の位置に配置された状態で半田により固着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像装置によれば、撮像素子の受光面を保持部材に対して所定の位置に容易かつ確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係る撮像装置を構成する撮像素子の保持機構の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る撮像装置について説明する。本実施の形態に係る撮像装置は、撮影レンズ4(図1参照)を透過した被写体光を撮像する撮像素子2(図1参照)、撮像素子2から出力された撮像信号から画像データを生成する画像処理部(図示せず)、画像処理部において生成された画像データを記録する記録部(図示せず)、記録部に記録された画像データに基づく画像を表示する表示部(図示せず)、及びユーザーが指示内容を手動入力するための操作部(図示せず)等を備えて構成されている。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る撮像装置を構成する撮像素子2の保持機構の構成を示す断面図である。図1に示すように、CCDまたはCMOS等により構成される撮像素子2は、撮影レンズ4を透過した被写体光を受光する受光面2aを備えており、受光面2aは、撮像素子2の撮影レンズ4側の面2bと平行に形成されている。また、撮像素子2は、例えばガラスエポキシ基板等の電気基板6にボール半田(図示せず)により固定及び接続されている。
【0011】
撮影レンズ4は、鏡筒8内に収容保持されており、鏡筒8は、保持部材10に保持及び固定されることにより撮像装置に装着される。保持部材10には、矩形状の撮像素子2より大きい矩形状の開口部10aが設けられており、開口部10aには、撮像素子2が設置される。即ち、撮像素子2は、図1に示すように、撮像素子2の右側面を開口部10a内の基準面10bに、撮像素子2の紙面奥の側面(図示せず)を開口部10a内の紙面奥の基準面(図示せず)に接触させて配置されることにより、開口部10a内において受光面2a内における所定の位置に配置される。即ち、開口部10a内の基準面は、撮像素子2の所定の側面を接触させて配置した場合に、撮影レンズ4を透過した被写体光の中心部が受光面2aの中心部に入射するように形成されている。
【0012】
また、撮像素子2の受光面2aは、撮影レンズ4の光軸を法線とする面と平行な面上に配置される。即ち、撮影レンズ4が保持部材10により保持された際に、保持部材10の撮影レンズ4が装着される側の面10cは、撮影レンズ4の光軸を法線とする面と平行となるように形成されている。したがって、図1に示すように、撮像素子2の撮影レンズ4側の面2bと保持部材10の面10cとが同一面上に配置されることにより、受光面2aは、撮影レンズ4の光軸を法線とする面と平行な面上に配置される。
【0013】
また、撮像素子2の受光面2aは、保持部材10に対して撮影レンズ4の光軸方向における所定の位置に配置される。即ち、撮像素子2の面2bと保持部材10の面10cとが同一面上に配置された場合に、撮影レンズ4を透過した被写体光が受光面2a上に結像するように、撮影レンズ4は、予め位置調整されている。
【0014】
そして、受光面2aが保持部材10に対して所定の位置に配置されるように、撮像素子2を保持部材10の基準面に接触させ、撮像素子2の面2bと保持部材10の面10cとを同一面上に配置させたとき、図1に示すように、保持部材10と電気基板6との間に隙間が生じる。したがって、半田12により保持部材10と電気基板6とを固着することにより、受光面2aを保持部材10に対する所定の位置に固定する。なお、半田12の材料を電気基板6に撮像素子2を固定しているボール半田の材料と同一にすることにより、電気基板6への撮像素子2の取付けと、保持部材10と電気基板6との固着を同時に行うことができる。
【0015】
この実施の形態に係る撮像装置によれば、撮像素子2の受光面2aを保持部材10に対して所定の位置に容易かつ確実に固定することができる。即ち、従来の撮像装置では、例えばボール半田等で撮像素子を実装した電気基板を保持部材に固定し、撮影レンズを介した被写体光が撮像素子の受光面上に結像するようにスペーサ等の調整部材を用いて、撮影レンズと受光面との位置調整を行っていた。しかしながら、この調整部材を用いた撮影レンズと受光面との位置調整に多大な時間を要していた。また、電気基板に対する撮像素子の位置が安定しないため、撮像素子の受光面が撮影レンズの光軸を法線とする面に対して傾くことがあり、この傾きを調整部材により補正することができなかった。しかしながら、この実施の形態では、受光面2aを所定の位置に配置した後に電気基板6と保持部材10とを半田12により固着するため、調整部材を用いる必要もなく、受光面2aを所定の位置に容易かつ確実に固定することができる。
【0016】
また、従来の撮像装置では、例えば紫外線硬化型の接着剤を用いて撮像素子を保持部材に固定していたが、接着剤の耐熱温度が低く、撮像素子等の発熱体からの発熱等により接着剤が軟化し、撮像素子の受光面の保持部材に対する位置が所定の位置からずれる場合があった。しかしながら、この実施の形態では、紫外線硬化型の接着剤より耐熱温度の高い半田12を用いて電気基板6と保持部材10とを固着しているため、発熱により受光面2aの位置がずれることはない。また、紫外線硬化型の接着剤を用いて撮像素子を保持部材に固定する場合、撮像素子を実装する基板として質量の軽いフレキシブル基板が用いられる。この場合には、フレキシブル基板への絶縁処理を施す必要があること等から、各部品を適切な位置に配置するのに多くのスペースを要し、撮像装置のサイズが大きくなっていた。しかしながら、この実施の形態に係る撮像装置によれば、紫外線硬化型の接着剤を用いて撮像素子を保持部材に固定する従来の撮像装置と比較してコンパクトな装置を作製することができる。
【0017】
なお、この実施の形態においては、受光面2aが保持部材10に対して撮影レンズ4の光軸方向における所定の位置に配置されるように、撮像素子2の面2bと保持部材10の面10cとを同一面上に配置させているが、撮像素子2の面2bと保持部材10の面10cとを同一面上に配置させる必要はなく、撮像素子2の面2bと保持部材10の面10cとが互いに平行となるような面上に配置されていればよい。
【符号の説明】
【0018】
2…撮像素子、4…撮影レンズ、6…電気基板、8…鏡筒、10…保持部材、12…半田。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを介した被写体光を撮像する撮像素子と、
前記撮影レンズを保持する保持部材と、
前記撮像素子を固定する基板と、を備え、
前記保持部材と前記基板とは、前記撮像素子の受光面が前記保持部材に対して所定の位置に配置された状態で半田により固着されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記半田の材料は、前記基板に前記撮像素子を固定するボール半田の材料と同一であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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