説明

撮像領域内の磁性粒子に影響及び/又は磁性粒子を検出する装置及び方法

本発明は、撮像領域28内の磁性粒子に影響及び/又は磁性粒子を検出するための装置100に関し、撮像領域28は磁性粒子を含む関心の対象物の少なくとも一部をカバーする少なくとも一つの関心の撮像副領域を有する。磁性粒子撮像(MPI)の既知の原理を適用する装置100は、フィールドフリーポイント(FFP)を示す既知のフィールドパターンを持つ選択磁場を生成するための選択手段50と、撮像領域28内の磁性粒子の磁化に依存して検出信号を得るための受信手段と、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号を得るため受信手段に含まれる信号受信ユニット140を制御するための制御ユニット150と、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存する粒子分布量を再構成するための再構成ユニット152とを有し、一組の高解像度検出信号は関心の少なくとも一つの撮像副領域の磁化に依存し、一組の低解像度検出信号は少なくとも一つの関心の撮像副領域に隣接して配置される少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する。本発明は、更に、対応する方法だけでなくコンピュータプログラムにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像領域内の磁性粒子に影響及び/又は磁性粒子を検出するための装置及び対応する方法に関する。更に、本発明は、コンピュータ上で前記方法を実行し、装置を制御するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
「Magnetic Particle Imaging(磁性粒子撮像法)」(MPI)は、新進の医学画像モダリティである。MPIの第1のバージョンは二次元画像を作るという点で二次元であった。将来のバージョンは、三次元(3D)となろう。対象物が単一の3D画像のデータ収集の間、著しく変化しないとすると、非静止の対象物の時間依存、すなわち4D画像が3D画像の時間的シーケンスを動画に結合することにより作られる。
【0003】
MPIは、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴撮像法(MRI)のような再構成撮像方法である。従って、関心がある対象物のボリュームのMP画像は、2つのステップで生成される。データ収集と呼ばれる第1のステップは、MPIスキャナを使用して実施される。MPIスキャナは、スキャナのアイソセンターで単一のフィールドフリーポイント(FFP)を持つ、「選択磁場」と呼ばれる傾斜静磁場を生成する手段を持つ。加えて、スキャナは、時間依存の空間的にはほとんど均一な磁場を生成する手段を持つ。実際、この磁場は、「駆動磁場」と呼ばれる小さな振幅で急速に変化する磁場と、「焦点磁場」と呼ばれる大きな振幅でゆっくり変化する磁場とを重畳することにより得られる。時間依存の駆動及び焦点磁場を静的選択磁場に加えることにより、FFPは、アイソセンターを囲んでいる走査ボリュームにわたって、既定のFFP軌跡に沿って移動する。スキャナは、また、一つ以上、例えば3つの受信コイルの装置を持ち、これらのコイルで誘導される電圧を記録できる。データ収集のために、撮像されるべき対象物は、関心がある対象物のボリュームが、走査のボリュームの副セットであるスキャナの撮像領域(Field of View、FOV)により囲まれるように、スキャナ内に置かれる。
【0004】
対象物は、磁性ナノ粒子を含まなければならず、対象物が動物又は患者である場合、斯様な粒子を含む造影剤が、走査の前に動物又は患者に投与される。データ収集の間、MPIスキャナは、走査のボリューム又は少なくとも撮像領域の跡をたどる慎重に選ばれた軌跡に沿って、FFPを進める。対象物中の磁性ナノ粒子は、変化する磁場を経験して、磁化が変化することにより反応する。ナノ粒子の変化磁化は、受信コイルの各々で時間依存の電圧を誘導する。この電圧は、受信コイルと関連する受信器においてサンプリングされる。受信器により出力されるサンプルは、記録され、収集されたデータを構成する。データ収集の細部を制御するパラメータは、走査プロトコルを形成する。
【0005】
画像再構成と呼ばれる画像生成の第2のステップでは、第1のステップで得られるデータから、画像が計算される、すなわち再構成される。画像は、撮像領域内の磁性ナノ粒子の位置依存的な濃度のサンプリングされた近似を表すデータの離散的3Dアレイである。再構成は、適切なコンピュータプログラムを実行するコンピュータにより一般に実施される。コンピュータ及びコンピュータプログラムは、再構成アルゴリズムを実現する。再構成アルゴリズムは、データ収集の数学モデルに基づく。全ての再構成撮像方法と同様に、このモデルは、収集したデータに従って作用する統合されたオペレータであり、再構成アルゴリズムは、可能な限り、モデルの動きをキャンセルしようとする。
斯様なMPI装置及び方法は、これらが任意の検査対象物―例えば人体―を非破壊態様で損傷させずに、高い空間解像度で、検査対象物の表面に接近して、また離れて調べるために使用できるという利点を持つ。
【0006】
斯様な装置及び方法は、広く知られていて、ドイツ特許出願公開公報DE10151778A1、及びGleich、B.及びWeizenecker、J.(2005)、「Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles(磁性粒子の非線形反応を使用した断層撮影撮像)」、nature第435巻、pp.1214―1217に先ず記載されている。その刊行物に説明されている磁性粒子撮像(MPI)のためのシステム及び方法は、小さな磁性粒子の非線形磁化曲線を利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すでに説明されたように、MPIでの空間符号化は関心の対象物上の領域又はフィールドフリーポイントの動きに基づく。これにより、磁性ナノ粒子のスペクトル応答は、FFPまでの距離で変化する。前記スペクトル応答の高いスペクトル成分はFFP経路又は軌跡近傍だけで起こるのに対し、低いスペクトル成分は空間的にむしろ非局在化される。特定の状況において、磁性ナノ粒子のスペクトル応答の非局在化された低いスペクトル成分から生じる課題が発生する。例えば、大きな対象物のサブボリュームだけを符号化する場合や、又は空間符号化プロセスを分けることにより大きな対象物を完全に符号化する場合である。空間符号化プロセスを分けることは、大きな対象物を小さなサブボリュームに分け、各サブボリュームに対して別々に符号化及びサブボリューム画像の再構成を実行し、全体の大きな対象物の全体の画像を得るためサブボリューム画像を結合することを意味する。斯様な状況では、符号化が実行される特定のサブボリュームの外側からの信号が、特定のサブボリューム内に配置されるこれら磁性ナノ粒子から発するスペクトル応答の低周波成分に寄与する。外側からの前記信号は、特定のサブボリュームに対して再構成される粒子分布量における歪曲を導き、従って特定のサブボリュームに対して再構成されるサブボリューム画像の偽信号を導く。FFPの動きに対する磁性ナノ粒子のスペクトル応答が完全に局在化されないので、特に特定のサブボリュームを符号化するため、存在している低周波成分に対して、特定のサブボリュームの外側からの信号が取り上げられてしまう。
【0008】
上述の課題は、また、符号化プロセスの速度を上げるため撮像領域のサブボリュームを除外する場合に起こり、ここで、MPI装置又はMPIスキャナのオペレータに興味がない領域をカバーするようなサブボリュームが除外される。このアプローチは、関心の対象物に加えて、他の対象物が撮像領域によりカバーされる状況に当てはまる。斯様なアプローチを適用する具体例は、心臓検査の分野である。心臓検査では、心臓の部位をカバーする撮像副領域だけが符号化される一方で、例えば肝臓をカバーする撮像副領域は符号化されない。
【0009】
再構成された画像の特定の状況で起こる上述の偽信号のため、既存のMPI装置及び対応する方法は、依然最適ではない。
【0010】
本発明の目的は、再構成される画像の質が改善される、撮像領域内の磁性粒子に影響及び/又は磁性粒子を検出する装置及び対応する方法を提供することにある。特に、低周波成分から生じる再構成された画像の偽信号が回避されるだろう。好ましくは、提案された装置及び方法は、関心の対象物の画像の迅速且つ容易な符号化及び再構成を依然可能にするだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様において、磁性粒子を含む関心の対象物の少なくとも一部をカバーする関心の少なくとも一つの撮像副領域を有する撮像領域内の磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出するための装置であって、高解像度検出モード及び低解像度検出モードを含む少なくとも2つの異なる検出モードを持つ前記装置は、選択手段と駆動手段と受信手段と制御ユニットと再構成ユニットとを有し、前記選択手段は、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度のスペース内にパターンを持つ選択磁場を生成するための選択磁場素子と選択磁場信号生成ユニットとを有し、第1の副ゾーン内では磁性粒子の磁化は飽和せず、第2の副ゾーン内では磁性粒子の磁化は飽和され、前記駆動手段は、前記関心の対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局地的に変化するように、駆動磁場により撮像領域内の少なくとも第1の副ゾーンの空間内の位置を変化させるための駆動磁場コイルと駆動磁場信号生成ユニットとを有し、前記受信手段は、検出信号を取得するための少なくとも一つの受信コイルと少なくとも一つの信号受信ユニットとを有し、前記検出信号は少なくとも第1の副ゾーンの空間内の位置の変化により影響される撮像領域の少なくとも一部内の磁化に依存し、前記制御ユニットは、前記検出モードに従って前記信号受信ユニットを制御し、高解像度検出モードで一組の高解像度検出信号が得られ、低解像度検出モードで一組の低解像度検出信号が得られ、一組の高解像度検出信号は少なくとも一つの関心の撮像副領域の磁化に依存し、一組の低解像度検出信号は少なくとも一つの関心の撮像副領域に隣接して配置される少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存し、前記再構成ユニットは、関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成し、前記粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される、装置が提示される。
【0012】
本発明の他の態様において、高解像度検出モード及び低解像度検出モードで検出できる磁性粒子を含む関心の対象物の少なくとも一部をカバーする少なくとも一つの関心の撮像副領域を有する撮像領域内の磁性粒子に影響し及び/又は磁性粒子を検出するための方法であって、第1の副ゾーンで磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度の空間のパターンを持つ選択磁場を生成するステップと、前記関心の対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局在的に変化するように駆動磁場によって撮像領域内の少なくとも第1の副ゾーンの空間の位置を変えるステップと、磁化が少なくとも第1の副ゾーンの空間の位置の変化により影響され、撮像領域の少なくとも一部の磁化に依存する検出信号を得るステップと、一組の高解像度検出信号が少なくとも一つの関心の撮像副領域の磁化に依存する高解像度検出モードで、一組の高解像度検出信号を得ることを制御するステップと、一組の低解像度検出信号が少なくとも一つの関心の撮像副領域に隣接して配置されている少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する低解像度検出モードで、一組の低解像度検出信号を得ることを制御するステップと、前記関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成するステップとを有し、前記粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される、方法が提示される。
【0013】
本発明の更に他の態様に置いて、コンピュータプログラムがコンピュータで実施されるとき、上記方法のステップを実施するために上記装置をコンピュータが制御するためのプログラムコード手段を有する、コンピュータプログラムが提示される。
【0014】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項で定められている。方法の請求項及びコンピュータプログラムの請求項は、装置の請求項及び従属請求項に規定されたのと同様の及び/又は同一の好ましい実施例を持つと理解されるべきである。
【0015】
本発明は、2つの組の検出信号を得るというアイデアに基づく。関心の少なくとも一つの撮像副領域の磁化に依存する一組の高解像度検出信号と、関心の少なくとも一つの撮像副領域に隣接して配置されている少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する一組の低解像度検出信号とである。検出信号の両方の組に依存して、関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づけている粒子分布量が、再構成される。粒子分布量は、最後にコンピュータに送信されてモニタに表示される。
【0016】
一組の高解像度検出信号は、粒子分布量、従って画像が再構成される関心の特定の撮像副領域に配置される磁性ナノ粒子のスペクトル応答を特徴づける。従って、一組の高解像度検出信号は、粒子分布量を再構成するために、よって、関心の特定の撮像副領域を表す画像を再構成するために必要とされる適当なデータを含む。しかしながら、すでに説明されたように、このデータは、高解像度検出信号の低周波成分の寄与のため、歪曲がある。前記寄与は、関心の特定の撮像副領域の外側から生じる。従って、一組の低解像度検出信号が得られることになる。一組の低解像度検出信号は、関心の特定の撮像副領域と隣接する少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する。よって、一組の低解像度検出信号は、上述した歪曲を排除するために使用できるデータを含む。一組の低解像度検出信号又は低解像度データは、特定の撮像副領域と隣接する複数の撮像副領域に配置される磁性ナノ粒子のスペクトル応答を特徴づける。従って、低解像度データは、検出された高解像度検出信号又は高解像度データを正しく割り当てるために使用できる。よって、高解像度データの歪曲は排除され、結果的に、関心の特定の撮像副領域に対して再構成される画像の偽信号を回避することになる。関心の特定の撮像副領域を囲んでいる領域が隣接撮像副領域により符号化されるので、高解像度検出信号又は高解像度データは正しく割り当てられる。換言すれば:低解像度検出信号又は低解像度データに基づいて、高解像度検出信号又は高解像度データに含まれる低周波成分が、関心の特定の撮像副領域から、又は隣接撮像副領域から生じるかを識別することが可能である。従って、隣接撮像副領域から生じている低周波成分、よって関心の特定の撮像副領域に対して再構成される画像の偽信号が除去できる。
【0017】
一組の低解像度検出信号又は低解像度データが再構成された画像の偽信号を除去するために使われるので、除去のために必要とされるデータを決定するために必要な付加的な時間はあまり大きくない。低解像度検出モードでは、検出信号は、非常に速く得られる。従って、提案された装置及び方法は、関心の対象物の画像の迅速且つ容易な符号化及び再構成を依然可能にする。
【0018】
好ましい実施例によると、駆動磁場信号生成ユニットは、規定された軌跡に沿って第1の副ゾーンの空間の位置を変え、制御ユニットは、検出モードに従って駆動磁場信号生成ユニットを制御し、高解像度検出モードで空間の位置が高解像度軌跡に沿って変化し、低解像度検出モードで空間の位置が低解像度軌跡に沿って変化する。すでに説明されたように、MPIで、検査された対象物の画像を再構成するために必要なナノ粒子の磁化の変化は、慎重に選ばれた軌跡に沿ってFFPを動かすことにより達成される。従って、特にMPI装置又はスキャナの解像度を調整又は設定するための主な自由度として、軌跡を使用することは、簡単且つ効果的なアプローチである。好適には、駆動磁場信号生成ユニットの他にも、焦点磁場信号生成ユニット及び/又は選択磁場信号生成ユニットが、規定された軌跡に沿って第1の副ゾーンの空間の位置を変えるために適合されている。
【0019】
前の手法の他の実施例において、規定された軌跡は、閉リサジュ曲線の形状を持ち、軌跡の第1の密度を持つ第1の閉リサジュ曲線が低解像度軌跡として使われ、軌跡の第2の密度を持つ第2のリサジュ曲線が高解像度軌跡として使われ、軌跡の第1の密度が軌跡の第2の密度より低い。同時に閉リサジュ曲線を用いると、一方では粒子分布量、よって関心の対象物の画像を再構成することに関して、他方ではMPI装置又はスキャナの解像度を設定することに関して、最善の結果が得られることがわかった。その上、閉リサジュ曲線は、規定された満足な関心の撮像副領域をカバーし、従って検出信号の信頼性が高い捕捉を確実にする。更に、リサジュ曲線は、容易に生成できる。例えば、駆動磁場コイルが少なくとも2対の駆動磁場コイルを有する場合、駆動磁場信号生成ユニットは、第1の駆動磁場周波数を持つ第1の正弦波駆動磁場電流で第1の対の駆動磁場コイルと、第2の駆動磁場周波数を持つ第2の正弦波駆動磁場電流で第2の対の駆動磁場コイルとを制御することに適している。閉リサジュ曲線を受信するために、駆動磁場周波数の周波数比率は、有理数でなければならない。好適には、両方の駆動磁場周波数は、周波数比率(N+1)/Nに関係がある。このことにより、低解像度検出モードで使用されるリサジュ曲線に対する周波数比率は、高解像度検出モードで使用されるリサジュ曲線に対する周波数比率より大きい。軌跡の密度は、軌跡の単一のライン間に存在する距離を表す。
【0020】
もちろん、駆動磁場周波数は、閉リサジュ曲線の軌跡の密度を変化させるため、従って、MPI装置又はスキャナの解像度を設定するための唯一のパラメータではない。好適には、閉リサジュ曲線の軌跡の密度を変化させるための他のパラメータとして、正弦波駆動磁場電流の時間的反応を特徴づけるか又は影響している位相位置が使用できる。このことにより、単独のパラメータとして又は軌跡の密度を変化させるための駆動磁場周波数に付加的なパラメータとして、位相位置を使用することが考えられる。特に、軌跡の密度が位相位置を使用することより駆動磁場周波数を使用して、効果的に変化できるので、位相位置が付加的に使用される。従って、位相位置が第2のパラメータと考えられる場合、駆動磁場コイルの第1の対は、第1の駆動磁場周波数及び第1の位相位置を持つ第1の正弦波駆動磁場電流で制御され、駆動磁場コイルの第2の対は、第2の駆動磁場周波数及び第2の相位置を持つ第2の正弦波駆動磁場電流で制御される。
【0021】
駆動磁場周波数及び位相位置の少なくとも1つを使用して閉リサジュ曲線の軌跡の密度を変化させることに関する上述の説明は、平面内の2Dリサジュ曲線を参照している。もちろん、上述の説明は、3Dフィールド内の3Dリサジュ曲線にも適用できる。この場合、駆動磁場信号生成ユニットは、第1の駆動磁場周波数及び第1の位相位置を持つ第1の正弦波駆動磁場電流で駆動磁場コイルの第1の対を制御し、第2の駆動磁場周波数及び第2の位相位置を持つ第2の正弦波駆動磁場電流で駆動磁場コイルの第2の対を制御し、第3の駆動磁場周波数及び第3の位相位置を持つ第3の正弦波駆動磁場電流で駆動磁場コイルの第3の対を制御することに適している。3つの駆動磁場周波数で、例えば、第1の駆動磁場周波数及び第2の駆動磁場周波数は、第1の周波数比率N/(N−1)により関係され、第2の駆動磁場周波数及び第3の駆動磁場周波数は、第2の周波数比率(N+1)/Nにより関係され、ここで、N―1は第1の駆動磁場周波数に割り当てられ、Nは第2の駆動磁場周波数に割り当てられ、N+1は第3の駆動磁場周波数に割り当てられる。もちろん3つの正弦波駆動磁場電流全てに対して、個々の位相位置はゼロでもよい。
【0022】
他の実施例によると、選択磁場信号生成ユニットは、規定された勾配強度を示す選択磁場を生成し、前記制御ユニットは、検出モードに従って前記選択磁場生成ユニットを制御し、前記低解像度検出モードで第1の勾配強度を示す第1の選択磁場が生成され、前記高解像度検出モードで、第2の勾配強度を示す第2の選択磁場が生成され、第1の勾配強度は第2の勾配強度より小さい。この手法で、2つの目標が追求される。第1に、MPI装置又はスキャナの解像度が影響を受け、ここで、小さな勾配強度は結果的に低解像度になり、大きな勾配強度は結果的に高解像度になる。第2に、MPIスキャナを走査するボリュームが影響を受け、ここで、小さな勾配強度は結果的に拡大した走査ボリュームになり、領域の拡大のため、FFPが移動する規定された軌跡がカバーできる。よって、小さな勾配強度を選択することは、結果的に低解像度となるだけでなく、拡大した走査ボリュームにもなる。以下の理由のため、この組合せは有利である。低解像度検出モードで得られる一組の低解像度検出信号が、画像が再構成される関心の指定された撮像副領域の外側から生じている低周波寄与により生じる再構成された画像の偽信号を除去するために使われる。関心の特定の撮像副領域の境界域に配置されるナノ粒子の磁化の変化から生じている低周波寄与が、正常な大きさの走査ボリュームの代わりに、拡大した走査ボリュームを使用して非常によく得られることは、容易に理解可能である。MPI装置又はスキャナの解像度を変化させるか又は設定することに関して、FFPが移動する軌跡を修正し、同時に選択磁場の勾配強度を修正することが特に有利である。
【0023】
走査ボリュームを変化させるための他のパラメータは駆動磁場の強度、従って振幅であり、大きな駆動磁場振幅は、結果的に拡大した走査ボリュームになる。好適には、駆動磁場振幅を変化させ、選択磁場の勾配強度を変化させることは、走査ボリュームを変化させるために組み合わされる。
【0024】
好ましい実施例によると、撮像領域は多くの撮像副領域を有し、駆動磁場信号生成ユニットは、個々の撮像副領域の空間広さを基本的に定める空間広さを持つ規定された軌跡に沿って第1の副ゾーンの空間の位置を変え、装置は、多数の撮像副領域に含まれる任意の撮像副領域上に第1の副ゾーンを合焦させるための焦点磁場を生成するための焦点磁場信号生成ユニット及び焦点磁場コイルを有する焦点手段を更に有する。この手法は、対象物の検査を可能にし、従って規定された軌跡により特定された走査ボリュームより大きい対象物に対する画像の再構成を可能にする。このことにより、手順は、以下の通りとなる。一組の検出信号が得られる関心の特定の撮像副領域に従って、対応する焦点磁場は、関心の特定の撮像副領域に第1の副ゾーンを焦点合わせして生成される。その後、第1の副ゾーン又はFFPは、関心の特定の撮像副領域内の規定された軌跡に沿って移動する。検出信号の捕捉が完了した後、焦点磁場は、次に検出信号が得られる関心の撮像副領域に、第1の副ゾーン、従って規定された軌跡が合焦されるように修正される。前述の説明は、隣接撮像副領域にも適用できる。関心の撮像副領域の場合、高解像度検出信号が、高解像度軌跡を使用して得られる。隣接撮像副領域の場合、低解像度検出信号が、低解像度軌跡を使用して得られる。
【0025】
前の手法の他の実施例では、制御ユニットは、第1の撮像副領域から第2の撮像副領域まで第1の副ゾーンを連続的に移動させるため焦点磁場信号生成ユニットを制御する。この手法は、第1の副ゾーン又はFFPを移動する焦点磁場を変更する間、従って1つの撮像副領域から他の撮像副領域へ規定された軌跡を変更する間、焦点磁場が相当な過渡状態現象を示さないという利点を持つ。このアプローチに対する代わりに、いわゆるマルチステーションアプローチが使用できる。マルチステーションアプローチでは、最初、撮像副領域の第1のセットが、撮像副領域の第1のセットに含まれる1つの撮像副領域から他の撮像副領域へ第1の副ゾーンを連続的に動かすことにより走査され、撮像副領域の第1のセットに含まれる全ての撮像副領域が走査された後、撮像副領域の第2のセットが、撮像副領域の第2のセットに含まれる1つの撮像副領域から他の撮像副領域へ第1の副ゾーンを連続的に動かすことにより走査され、撮像副領域の第2のセットに含まれる全ての撮像副領域が走査された後、撮像副領域の他のセットが走査され等である。マルチステーションアプローチは、以下の利点を持つ。一組の撮像副領域に含まれ、従って整合的である幾つかの撮像副領域がこの単一の一組の撮像副領域に対して順に走査されるので、粒子分布量は、すぐに再構成できる。第1の上述のアプローチでは、一組の撮像副領域に対する粒子分布量を再構成するために必要とされる撮像副領域が走査される時間が長く経過する。もちろん、連続的に第1の副ゾーンを動かすことが、一つの撮像副領域から他の撮像副領域へ第1の副ゾーンを動かすことに必ずしも結果としてなる必要はない。撮像副領域構造にかかわりなく、連続的に第1の副ゾーンを動かすことができる。例えば、第1の副ゾーンが、撮像領域、又はライン毎に関心の幾つかの撮像副領域を有する関心の撮像領域を、走査するために連続的に動かすことが考えられ、ここで、単一のラインは幾つかの撮像副領域を有する。
【0026】
他の実施例によると、撮像領域は多くの関心の撮像副領域を有し、一組の低解像度検出信号が全ての撮像副領域の磁化に依存する。これは、一回の走査が完全に撮像領域をカバーする、従って撮像領域に含まれる全ての撮像副領域をカバーして行われるように、焦点磁場信号生成ユニット及び駆動磁場信号生成ユニットを制御することにより達成される。換言すれば、撮像領域全体は、速い低解像度走査によりカバーされる。単一の撮像副領域は、個々の撮像副領域領域上で第1の副ゾーン又はFFPを移動するために駆動磁場を使用して符号化される。好適には、駆動磁場は、高い駆動磁場周波数及び低い駆動磁場振幅を持つ。撮像副領域を動かすことは、焦点磁場を用いて達成され、移動はステップ毎に又は連続的に進行してもよい。好適には、焦点磁場は、低い焦点磁場周波数及び高い焦点磁場振幅を持つ。この手法は、1回の走査で、各単一の撮像副領域内のナノ粒子又は磁性粒子の空間分布が記録されるという利点を持つ。このように、高解像度データ内の上述の歪曲を排除するために必要な低解像度データが、利用できる。よって、任意の撮像副領域が、必要に応じて隣接撮像副領域として考慮できる。このことにより、隣接撮像副領域として考慮される必要がある具体的撮像副領域が、関心の対象物をカバーする関心の撮像領域内にあるか又は撮像領域外にあるか問題でなくなる。
【0027】
他の実施例によると、撮像領域は多くの関心の撮像副領域を有し、一組の高解像度検出信号が全ての関心の撮像副領域の磁化に依存する。これは、また、一回の走査が完全に撮像領域をカバーする、従って撮像領域に含まれる全ての撮像副領域をカバーして行われるように、焦点磁場信号生成ユニット及び駆動磁場信号生成ユニットを制御することにより達成される。一組の低解像度検出信号に対応する上述の説明によると、関心の単一の撮像副領域は、駆動磁場を使用して符号化され、関心の撮像副領域の移動は、焦点磁場を用いて達成される。この手法は、1回の走査で、関心の各単一の撮像副領域内の磁性ナノ粒子の空間分布が記録されるという利点を持つ。よって、関心の撮像副領域ごとの高解像度データが利用できる。
【0028】
好ましい実施例によると、制御ユニットは、最初に一組の低解像度検出信号及び次に一組の高解像度検出信号を得るため受信ユニットと駆動磁場信号生成ユニットとを制御する。この手法によると、速い低解像度走査は、高解像度走査の前に行われる。低解像度走査に関して、また高解像度走査に関して、各場合について関連する全ての撮像副領域が考えられる場合、全撮像領域の速い低解像度走査は、関心の撮像領域の高解像度走査の前に行われる。通常、関心の撮像領域は、撮像領域のサブボリュームである。事前になされる低解像度走査のため、後続の高解像度走査に関して関心があるであろう情報が利用できる。例えば、これは、外の環境に適している高解像度走査を実施可能にし、結果的に、高解像度走査で得られる高解像度検出信号のより良好な質となるか又は時間の節約になる。好適には、駆動磁場信号生成ユニットの他にも、焦点磁場信号生成ユニット及び/又は選択磁場信号生成ユニットは、最初に一組の低解像度検出信号及びその後一組の高解像度検出信号が得られるような適切なやり方で、制御ユニットにより制御される。
【0029】
好ましい実施例によると、撮像領域が多くの撮像副領域を有し、再構成ユニットは、各々が関心の撮像領域に含まれる少なくとも一つの隣接撮像副領域及び/又は少なくとも一つの関心の撮像副領域を識別するための撮像副領域識別ユニットを有する。好適には、関心の撮像副領域及び/又は隣接撮像副領域は、低解像度走査で得られる一組の低解像度検出信号に依存して識別される。特に適合された概観走査を行うことも、考えられる。低解像度走査と比較して、概観走査は、低い解像度を持ち、従って、より少ない時間で実行できる。撮像副領域の識別は、撮像副領域識別ユニット、従ってMPI装置により自動的に行われる。撮像副領域は、対象物情報、より正確に言うと関心の対象物に関する情報に依存して識別される。このことにより、低解像度走査の場合、低解像度検出信号が評価される。例えば、撮像副領域が匹敵する低解像度検出信号挙動を示している他の撮像副領域と整合的である場合、当該撮像副領域は関心の撮像副領域であるとみなせる。補足的に、他の情報が、関心の撮像副領域を識別するために使用できる。検査されるべき対象物の種類がそれ自体既知である場合、既定の情報が考慮される。例えば、斯様な既定の情報は、原則、検査されるべき対象物の形状又は検査されるべき対象物を識別するのに適している他の特定の特性を表すか又は特徴づけてもよい。既定の情報を考慮することは、例えば人体の一部、例えば、心臓は検査される場合に、適用可能である。
【0030】
好適には、関心の全ての撮像副領域、従って関心の撮像領域が識別される。よって、高解像度走査が関心の撮像領域に限定されるので、高解像度検出信号の時間節約の捕捉を可能にする高解像度走査が実行されて、撮像領域内の関心の撮像領域が識別される。好適には、関心の撮像領域の外に配置されていて、他の対象物をカバーしている撮像副領域は、隣接撮像副領域として識別される。他の対象物は、関心の対象物と整合的でないか又は関心の対象物のすぐ近くにあるがその対象物とは分けられた対象物を表す。隣接撮像副領域を識別することは、計算パワーの節約を助け、粒子分布量を再構成することに関して、他の対象物をカバーしていない隣接撮像副領域は考慮されない。撮像副領域を識別することは、低解像度走査が高解像度走査の前に行われる場合、特に有利である。
【0031】
加えて、一組の低解像度検出信号に依存して、粒子分布量は再構成できる。この量は、モニタ上に関心の対象物を示すために使用でき、MPI装置のオペレータが、撮像副領域識別ユニットにより識別される関心の撮像領域を修正可能にする。オペレータは、また、位置決めのため、特に撮像領域に関して患者を配置するため表示される対象物を使用する。関心の対象物のアウトラインを単独で表すか又は特徴づける、従って完全な対象物を示す代わりに、このアウトラインを単独で示す量を再構成することも考えられる。
【0032】
再構成ユニットが撮像副領域識別ユニットを有しない場合、一組の低解像度検出信号に依存して粒子分布量を再構成することは考えられ、この量は、関心の対象物又は少なくともこの対象物のアウトラインをモニタに表示するために使われる。この場合、関心の撮像領域を定めて、関心の対象物を配置することは、オペレータにより手動でなされる。
【0033】
上述の説明は、他のモダリティからの解剖学的情報が利用できない場合、一組の低解像度検出信号が、患者の位置決めのため、及び高解像度走査で走査されるべき関心の領域を定めるために使用できることを示す。
【0034】
他の実施例によると、制御ユニットは、インターリーブ(交番)態様で一組の低解像度検出信号及び一組の高解像度検出信号を得るため受信ユニットと駆動磁場信号生成ユニットとを制御する。これは、検出信号の両方のセットを得るための非常に時間節約的なアプローチである。例えば、インターリーブ態様で検出信号の両方のセットを得ることが、以下のように可能である。第1の撮像副領域に対して、低解像度走査及び高解像度走査を有する2つの走査が続いて行われる。原則として、両方の走査は任意の順序で行うことができるが、好適には低解像度走査が最初に行われ、高解像度走査が続く。この順序は、例えば外の環境への高解像度走査の適合を可能にする。低解像度検出信号及び高解像度検出信号を得ることが第1の撮像副領域に対して完了された後、低解像度走査及び高解像度走査が第2の撮像副領域に対して行われ、第3の撮像副領域に対する走査が続く等である。好適には、検出信号の両方のセットを得ることは、行毎に又は列ごとに実行され、低解像度走査又は高解像度走査は行又は列の全ての撮像副領域に対して行われ、次の行又は列の全ての撮像副領域に対しての次の低解像度走査又は高解像度走査が後続する。好適には、特定の撮像副領域に対して行われる低解像度走査は、単に特定の撮像副領域をカバーするだけではなく、また、特定の撮像副領域に隣接している隣接撮像副領域もカバーする。従って、低解像度走査は、また、特定の撮像副領域を囲む領域もカバーする。
【0035】
他の実施例によると、一組の高解像度検出信号が高解像度検出信号の多数のサブセットを有し、各サブセットが個々の関心の撮像副領域に割り当てられ、一組の低解像度検出信号が低解像度検出信号の多数のサブセットを有し、各サブセットが個々の隣接撮像副領域に割り当てられ、再構成ユニットが特定の関心の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を再構成し、個々の粒子分布量は、特定の関心の撮像副領域に割り当てられる高解像度検出信号のサブセットと、特定の関心の撮像副領域と隣接する隣接撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットとに依存する。結果的に、粒子分布量は、多くの個々の粒子分布量の合成である。この手法は、再構成された粒子分布量の歪曲、及び再構成された画像の偽信号の最適な除去を確実にする。これは、低周波寄与の元であると認められる関心の特定の撮像副領域と隣接している全ての隣接撮像副領域を好適に考慮することにより達成される。
【0036】
他の実施例によると、装置は、装置の低解像度システム機能を特徴づける第1の組のシステムデータと、装置の高解像度システム機能を特徴づける第2の組のシステムデータとを格納するための記憶ユニットを更に有する。一般に、一組のシステムデータは、実際の手法が粒子分布量を再構成するために使用される一組の検出信号を決定するために実行される前に、タイムリな較正手法を実行することにより得られる。前記較正手法で、いわゆるシステム機能が決定される。前記システム機能は、検査される対象物に含まれる磁性粒子の空間位置と、周波数反応、従って受信手段で得られる検出信号との間の関係を確立する。前記システム機能は、本質的にMPIスキャナの特性、特にロードされていないコイルにより生成されるフィールドの特性、及び使用される造影剤の特性を記述する。較正手法は、コイル及び造影剤のセットアップのために一度は、なされなければならない。すでに述べたように、MPI装置又はスキャナは、高解像度検出モード及び低解像度検出モードを持つ。両方の検出モードにおいて、異なる軌跡が、検出信号を得るために使われる。従って、システムデータの2つの異なるセットが決定される必要がある。第1の較正手法で、低解像度軌跡を使用して、第1の組のシステムデータと、第2の較正手法で、高解像度軌跡を使用して、第2の組のシステムデータとが決定される。あるいは、システムデータの組を決定するための較正手法を実行する代わりに、これらのデータは、例えばモデルベースのアプローチを使用して計算されることもできる。システムデータの組を計算することは、較正手法を実行することによりシステムデータの組を測定することより時間がかからない。特に装置の低解像度システム機能を特徴づけている第1の組のシステムデータのために、システムデータの組を計算することは、可能である。
【0037】
すでに説明されたように、MPIシステムを用いて検査されるべき対象物は磁性粒子を含まなければならない。対象物が動物又は患者である場合、前記磁性粒子は、斯様な磁性粒子を含む造影剤を投与することにより対象物、すなわち体内に入る。よって、体内の磁性粒子の分布は、造影剤の分布とみなすこともできる。
【0038】
上述の説明及び以下の説明において、用語「サブボリューム」及び「撮像副領域」は、同義的に使われる。同じことが、用語「ボリューム」及び「撮像領域」を含む他の複合用語、例えば「関心のボリューム」及び「関心の撮像領域」にも当てはまる。これは、用語「撮像領域」が3次元対象物だけを必ずしも意味するというわけではない。また、用語「撮像領域」は、2次元の対象物もカバーする。
【0039】
本発明のこれら及び他の態様は、これ以降説明される実施例を参照して明らかに説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、MPI装置の第1実施例を示す。
【図2】図2は、図1に示すような装置により作られる選択磁場パターンの例を示す。
【図3】図3は、MPI装置の第2の実施例を示す。
【図4】図4は、本発明によるMPI装置のブロック図を示す。
【図5】図5は、z方向の中心線に沿った1DFFP動きに対する異なる高調波での理想的なシステム機能応答を例示する図を示す。
【図6】図6は、撮像領域内に含まれる平面を模式的に示す。
【図7】図7は、本発明によるMPI方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の詳細が説明される前に、磁性粒子撮像法の基本が、図1乃至図4を参照して詳細に説明されるだろう。特に、医学診断法のためのMPIスキャナの2つの実施例が説明されるだろう。データ収集の略式の説明も与えられる。2つの実施例間の類似点及び相違点が指摘されるだろう。
【0042】
図1に示されるMPIスキャナの第1実施例10は、同軸平行円形コイルの3つの主要な対12、14、16を持ち、各対は図1に図示されるように配置されている。これらのコイル対12、14、16は、駆動磁場及び焦点磁場だけでなく選択磁場を生成するのに役立つ。3つのコイル対12、14、16の軸18、20、22は、相互に直交で、MPIスキャナ10のアイソセンター24と称される単一ポイントで交差する。加えて、これらの軸18、20、22は、アイソセンター24に取付けられる3Dデカルトのx―y―z座標系の軸として役立つ。垂直軸20はy軸に指名され、x軸及びz軸は水平軸である。コイル対12、14、16は、それらの軸にちなんで名づけられている。例えば、yコイル対14は、スキャナの上部及び底部のコイルにより形成されている。その上、正(負)のy座標を持つコイルはyコイル(yコイル)と呼ばれ、残りのコイルも同様である。
【0043】
スキャナ10は、これらのコイル12、14、16の各々を通じて何れかの方向に既定の時間に依存する電流を導くようにセットできる。このコイルの軸に沿って見るとき、電流がコイルの周りを時計回りに流れる場合、それは正とみなされ、反時計回りに負とみなされる。静の選択磁場を生成するために、正の定電流Iがzコイルを流れ、電流−Iがzコイルを流れるようになされる。zコイル対16は、このとき逆平行の円形コイル対として作用する。
【0044】
一般に勾配磁場である選択磁場は、磁力線50により図2に表される。選択磁場は、選択磁場を生成するzコイル対16の(例えば水平)z軸22の方向に実質的に一定の勾配を持ち、この軸22上のアイソセンター24で値0に達する。この選択磁場のフィールドフリーポイント(図2に個別には示されていない)から始まって、磁力線50により特徴づけられる選択磁場の磁場強度は、磁場のフィールドフリーポイントから距離が増大するにつれて3つ全ての空間方向に増大する。アイソセンター24周りの点線により示される第1の副ゾーンすなわち領域52において、磁場強度はあまりにも小さいので、その第1の副ゾーン52に存在する粒子の磁化は飽和しないが、第2の副ゾーン54(領域52の外側)に存在する粒子の磁化は飽和状態にある。スキャナの撮像領域28(FOV)の第1の副ゾーン52は、好ましくは空間的にコヒーレントな領域である。同じことが、第1の副ゾーン52に含まれる磁場のフィールドフリーポイントに当てはまる。第1の副ゾーン52は、点状領域、ライン又は平坦な領域でもよい。第2の副ゾーン54(すなわち第1の副ゾーン52外のスキャナの撮像領域28の残りの部分)において、選択磁場の磁場強度は、磁性粒子を飽和状態に保つために十分に強い。
【0045】
撮像領域28内の2つの副ゾーン52、54の位置を変えることにより、撮像領域28の(全体的な)磁化は変化する。撮像領域28の磁化又は磁化により影響される物理的パラメータを測定することにより、撮像領域28の磁性粒子の空間分布に関する情報が得られる。撮像領域28の2つの副ゾーン52、54の相対的な空間位置を変えるために、他の磁場、すなわち駆動磁場、及び適用できる場合、焦点磁場は、撮像領域28又は少なくとも撮像領域28の一部の磁力線50により特徴づけられる選択磁場に重畳される。
【0046】
駆動磁場を生成するために、時間依存的な電流Iは、xコイル12両方を流れ、時間依存的な電流Iはyコイル14両方を流れ、時間依存的な電流Iはzコイル16両方を流れるようになされる。よって、3つのコイル対の各々は、平行な円形のコイル対として作用する。同様に、焦点磁場を生成するために、時間依存的な電流Iはxコイル12両方を流れ、電流Iはyコイル14両方を流れ、電流Iはzコイル16両方を流れるようになされる。
【0047】
zコイル対16が特別である点に留意されたい。zコイル対16は、駆動磁場及び焦点磁場のその役割だけでなく、選択磁場も生成する。z±コイルを流れる電流は、I+I+Iである。残りの2つのコイル対12、14を流れる電流は、I+Iであり、k=1、2である。これらのジオメトリ及び左右対称のため、3つのコイル対12、14、16は、よくデカップリングされている。これが所望されている。
【0048】
逆平行の円形のコイル対により生成されるので、選択磁場はz軸の周りに回転対称であり、そのz成分はzにおいてほとんど線形であり、アイソセンター24周りの大きなボリュームにおいてx及びyから独立している。特に、選択磁場は、アイソセンターで単一のフィールドフリーポイント(FFP)を持つ。対照的に、平行の円形のコイル対により生成される駆動磁場及び焦点磁場への寄与は、アイソセンター24の周りの大きなボリュームにおいて空間的にほとんど均一であり、それぞれのコイル対の軸と平行である。3つ全ての平行した円形のコイル対により共同で生成される駆動磁場及び焦点磁場は、空間的にほとんど均一であって、或る最大まで任意の強度、及び方向を与えられる。駆動磁場及び焦点磁場は、時間依存でもある。焦点磁場と駆動磁場との違いは、焦点磁場が時間的にゆっくり変化して大きな振幅を持つのに対し、駆動磁場が急速に変化して小さな振幅を持つということである。これらの磁場を異なって扱う物理的及び生医学的理由がある。大きな振幅で急速に変化する磁場は、生成するのが難しく、患者に危険であろう。
【0049】
MPIスキャナ10は、平行の円形コイルの少なくとも一つの他の対を持ち、好ましくはx軸、y軸及びz軸に沿ってまた配置される平行の円形コイルの3つの他の対を持つ。図1に示されていないこれらのコイル対は、受信コイルとして役立つ。駆動磁場及び焦点磁場のためのコイル対12、14、16のように、これら受信コイル対の1つを流れる一定電流により生成される磁場は、それぞれのコイル対の軸に平行であり、撮像領域内で空間的にほとんど均一である。受信コイルは、よくデカップリングされていると想定される。受信コイル内に誘導される時間依存的な電圧は、増幅されて、このコイルに取付けられる受信器によりサンプリングされる。より正確に言うと、この信号の巨大なダイナミックレンジに対処するために、受信器は、受信信号と基準信号との間の差をサンプリングする。受信器の伝達関数は、DCから、予想される信号レベルが雑音レベルより下に低下するポイントまでゼロではない。
【0050】
図1に示されるMPIスキャナ10は、z軸22に沿って、すなわち選択磁場の軸に沿って円筒形中孔26を持つ。全てのコイルは、この中孔26の外側に配置される。データ収集のために、関心がある患者のボリューム、撮像される(又は処置される)患者(又は対象物)のそのボリューム、スキャナが撮像できるコンテンツを持つスキャナのボリュームが、スキャナの撮像領域28により囲まれるように、中孔26に置かれる。患者(又は対象物)は、例えば、患者テーブル上に配置される。撮像領域28は、立方体、ボール又はシリンダのような中孔26の内部の幾何学的に単純なアイソセントリックのボリュームである。立体的撮像領域28が、図1に図示される。
【0051】
第1の副ゾーン52のサイズは、一方では選択磁場の勾配の強度に依存し、他方では飽和のために必要とされる磁場の磁場強度に依存している。80A/mの磁場強度での磁性粒子の充分な飽和及び50x10A/mに達する選択磁場の磁場強度の(特定の空間方向における)勾配のために、粒子の磁化が飽和していない第1の副ゾーン52は、(特定の空間方向において)約1mmの寸法を持つ。
【0052】
関心がある患者のボリュームは、磁性ナノ粒子を含んでいると想定する。特に、例えば、腫瘍の治療及び/又は診断治療の前に、磁性粒子は、例えば患者(対象物)のボディに注入されるか又は、例えば経口的に、患者に投与される磁性粒子を有する液体によって、関心があるボリューム内に位置される。磁性粒子を有する液体は、造影剤と呼ばれている。
【0053】
磁性粒子の実施例は、例えば、5nmの厚さを持ち、例えば、鉄―ニッケル合金(例えば、パーマロイ)から成る軟磁層を具備する例えばガラスの例えば球面板を有する。この層は、例えば、化学的及び/又は物理的に攻撃的な環境、例えば酸から粒子を保護する被覆層によって覆われている。斯様な粒子の磁化の飽和のために必要とされる選択磁場50の磁場強度は、様々なパラメータ、例えば粒子の直径、被覆層のための使用される磁気材料及び他のパラメータに依存している。
【0054】
例えば10μmの直径の場合、(1mTの磁束密度にほぼ対応する)ほぼ800A/mの磁場が、このとき必要とされるが、100μmの直径の場合、80A/mの磁場で十分である。低い飽和磁化を持つ物質の被覆が選択されるとき、又は層の厚みが減少するとき、更により小さな値が得られる。一般に使用できる磁性粒子は、商品名Resovistで市場で利用可能である。
【0055】
一般に使用可能な磁性粒子及び粒子構成の更なる詳細のために、欧州特許EP1304542、国際特許公開公報WO2004/091386、WO2004/091390、WO2004/091394、WO2004/091395、WO2004/091396、WO2004/091397、WO2004/091398の対応する部分がここで参照され、本願に組み込まれる。同様に、これらの文献で広くMPI方法の多くの詳細が見つけられる。
【0056】
データ収集は、時間tで始まり、時間tで終わる。データ収集の間、x、y及びzコイル対12、14、16は、位置及び時間依存的な磁場、印加磁場を生成する。これは、コイルを流れる適切な電流を導くことにより達成される。実質的に、駆動磁場及び焦点磁場は、撮像領域のスーパーセット(上位集合)を走査するボリュームをたどる予め選択されたFFP軌跡に沿ってFFPが移動するよう周辺に選択磁場をプッシュする。印加磁場は、患者内の磁性ナノ粒子を方向づける。印加磁場が変化するにつれて、磁化が非線形ではあるが印加磁場に反応して、結果として生じる磁化もまた変化する。変化する印加磁場と変化する磁化との和は、x軸に沿って受信コイル対の端子間に時間依存的な電圧Vを誘導する。関連する受信器は、この電圧を信号S(t)に変換し、サンプリングして出力する。
【0057】
駆動磁場変動の周波数帯域以外の(より高い周波数にシフトされた)他の周波数帯域において第1の副ゾーン52に位置される磁性粒子から信号を受信又は検出することが、有利である。これは、磁化特性の非線形性の結果としてスキャナの撮像領域28内の磁性粒子の磁化の変化により、駆動磁場周波数の高調波の周波数成分が発生するので、可能である。
【0058】
図3は、MPスキャナ30の第2の実施例を示す。図1に図示された第1の実施例のように、MPIスキャナ30の第2の実施例は、3つの円形及び相互に直交するコイル対32、34、36を持つが、これらのコイル対32、34、36は選択磁場及び焦点磁場だけを生成する。再び選択磁場を生成するzコイル36が、強磁性材料37で満たされている。この実施例30のz軸42は垂直に配置される一方で、x軸及びy軸38、40は水平に配置される。スキャナの中孔46は、x軸38と平行であり、よって選択磁場の軸42と直交する。中孔46は撮像領域28を含む。駆動磁場は、x軸38に沿ったソレノイド(図示せず)と、2本の残りの軸40、42に沿ったサドルコイル(図示せず)の対とにより生成される。これらのコイルは、中孔を形成するチューブ周りを巻回する。駆動磁場コイルは受信コイルとしても役立つ。受信コイルにより取り上げられた信号は、印加磁場により生じる寄与を抑制する高域フィルタを通って送られる。
【0059】
斯様な実施例の2、3の典型的パラメータを与える:選択磁場Gのz勾配はG/μ=2.5T/mの強度を持ち、ここで、μは真空誘電率である。生成された選択磁場は、時間にわたって全く変化しないか、又は好ましくはほぼ1Hzとほぼ100Hzとの間で比較的ゆっくり変化する。駆動磁場の時間的周波数スペクトルは、25kHz周辺(最高ほぼ100kHz)で狭い帯域に集中する。受信信号の有効な周波数スペクトルは、50kHzと1MHz(最終的には、ほぼ10MHzまで)との間にある。中孔は、120mmの直径を持つ。中孔46に嵌まる最大の立方体は、120mm/√2≒84mmのエッジ長さを持つ。
【0060】
上記実施例に示されるように、様々な磁場は、同じコイル対のコイルにより、及びこれらのコイルに適切に生成された電流を供給することにより生成できる。しかしながら、特に高いSN比を持つ信号補間の目的で、時間的に一定(又は準一定)の選択磁場及び時間的に可変の駆動磁場及び焦点磁場が別々のコイル対により生成されるとき、有利である。一般に、ヘルムホルツタイプのコイル対は、例えば、無線周波数(RF)コイル対が関心の領域の上下に位置され、前記RFコイル対が時間的に可変の磁場を生成できるオープン磁石(オープンMRI)を具備する磁気共鳴装置の分野から一般に知られているこれらのコイルに対して使用できる。従って、斯様なコイルの構成は、本願明細書で更に詳述される必要はない。
【0061】
選択磁場の生成のための代わりの実施例では、永久磁石(図示せず)が使用できる。斯様な(対向する)永久磁石(図示せず)の2つの極の間の空隙に、図2に示されている、すなわち、対向する極が同じ極性を持つときのと同様の磁場が形成される。他の代わりの実施例では、選択磁場は、少なくとも一つの永久磁石及び少なくとも一つのコイルの混合により生成できる。
【0062】
図4は、本発明によるMPI装置100の通常のブロック線図である。装置100では、少なくとも一つの電磁量が決定できる。前記電磁量は、磁性粒子を含む対象物の電磁特性を特徴づける。対象物は、人間又は動物のボディでもよい。ボディの場合、電磁量は、前記ボディに含まれる生物組織の電磁特性を特徴づける。磁性粒子撮像及び上述された磁気共鳴撮像法の一般的原理は、特に明記しない限り、有効であり、この実施例にも適用できる。
【0063】
装置100は、磁性粒子を検出するための少なくとも2つの異なる検出モードを持ち、高解像度検出モード及び低解像度検出モードを含む。本発明に関して、制御ユニット150は、適切な検出モードを選択し、対応する制御信号を生成する。それにもかかわらず、装置100のオペレータが彼の要求に従って検出モードを選択する、例えば入力装置158を使用することにより選択する可能性が存在するだろう。しかし、これが本発明の基本的なポイントでないので、このことは更に説明されないだろう。
【0064】
図4に示される装置100の実施例は、所望の磁場を生成するための一組の様々なコイルを有する。最初に、コイル及びMPIモードでのこれらの機能が説明されるだろう。
【0065】
上述の(勾配)選択磁場を生成するため、好ましくはコイル素子の少なくとも一つの対を有する選択磁場(SF)コイル116のセットを有する選択手段が供給される。選択手段は、更に、選択磁場信号生成ユニット110を有する。好ましくは、別々の生成サブユニットが、選択磁場コイルのセット116の各コイル素子(又はコイル素子の各対)に対して供給される。前記選択磁場信号生成ユニット110は、制御可能な選択磁場電流源112(一般にアンプを含む)と、所望の方向に選択磁場の勾配強さを個別に設定するために、それぞれの区域フィールドコイル素子に選択磁場電流を供給するフィルタユニット114とを有する。好ましくは、DC電流が供給される。選択磁場コイル素子が対向コイルとして(例えば撮像領域の対向側に)配置される場合、対向コイルの選択磁場電流は、好ましくは反対方向に向けられる。前記選択手段で、図2に示されるように、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン52及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーン54が撮像領域28内に形成されるように、選択磁場は、その磁場強度の空間内にパターンを持つ。
【0066】
選択磁場信号生成ユニット110は、制御ユニット150により制御される。制御ユニット150は、選択磁場の全ての空間断片の勾配強度の和及び磁場強度の和が事前に決められたレベルに維持されるように、好ましくは選択磁場電流生成ユニット110を制御する。そうすることで、制御ユニット150は、検出モードに従って、選択磁場生成ユニット110を制御し、低解像度検出モードでは、第1の勾配強度を示す第1の選択磁場と、高解像度検出モードでは、第2の勾配強度を示す第2の選択磁場とが生成される。第1の勾配強度は、第2の勾配強度より小さい。このことにより、2つの効果が使われる。選択磁場の小さな勾配強度は、結果的に低解像度になり、走査の拡大したボリュームになる。主として、選択磁場信号生成ユニット110に含まれる選択磁場電流源112は、制御ユニット150により制御される。
【0067】
焦点磁場の生成のために、装置100は、更に、対向して配置された焦点磁場コイル素子の3つの対126a、126b、126cを好ましくは有する焦点磁場(FF)コイルのセットを有する、焦点手段を有する。前記焦点磁場は、動作の領域の空間内の位置を変えるために、一般に使われる。換言すれば、焦点手段は、撮像領域28に含まれる任意の撮像副領域に第1の副ゾーン52を合焦可能にする。よって、規定された軌跡だけが個々の撮像副領域の空間広さを基本的に定める限られた空間広さを持つにもかかわらず、対象物を検査し、従って規定された軌跡により特定された走査ボリュームより大きい対象物のための画像を再構成することが可能である。
【0068】
焦点磁場コイルは、好ましくは焦点磁場コイルの前記セットの各コイル素子(又はコイル素子の少なくとも各対)に対して別々の焦点磁場信号生成サブユニットを有する、焦点磁場信号生成ユニット120により制御される。前記焦点磁場信号生成ユニット120は、焦点磁場電流源122(好ましくは電流アンプを有する)と、焦点磁場を生成するために用いられるコイル126a、126b、126cの前記サブセットのそれぞれのコイルへ焦点磁場電流を供給するためのフィルタユニット124とを有する。焦点磁場電流ユニット120は、また、制御ユニット150により制御される。主として、焦点磁場信号生成ユニット120に含まれる焦点磁場電流源122は、制御ユニット150により制御される。制御ユニット150が、撮像領域28に含まれる第1の撮像副領域から第2の撮像副領域へ第1の副ゾーン52を連続的に移動させるための焦点磁場信号生成ユニット120を制御するために調整されることが考えられる。さもなければ、第1の副ゾーンは、マルチステーションアプローチで移動する。
【0069】
駆動磁場の生成のために、装置100は、更に、好ましくは対向して配置された駆動磁場コイル素子の3つの対136a、136b、136cを有する駆動磁場(DF)コイルのサブセットを有する駆動手段を有する。駆動磁場コイルは、好ましくは駆動磁場コイルの前記セットの各コイル素子(又はコイル素子の少なくとも各対)に対する別々の駆動磁場信号生成サブユニットを有する駆動磁場信号生成ユニット130により制御される。前記駆動磁場信号生成ユニット130は、駆動磁場電流源132(好ましくは電流アンプを含む)とそれぞれの駆動磁場コイルへ駆動磁場電流を供給するためのフィルタユニット134とを有する。駆動磁場電流源132は、AC電流を生成するために適合され、また、制御ユニット150により制御される。前記駆動手段で、撮像領域28の2つの副ゾーン52、54の空間の位置は、駆動磁場によって変えられるので、対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局在的に変化する。主として、駆動磁場信号生成ユニット130に含まれる駆動磁場電流源132は、制御ユニット150により制御される。
【0070】
駆動磁場信号生成ユニット130は、規定された軌跡に沿って第1の副ゾーン52の空間の位置を変えるように調整されている。この際、制御ユニット150は、検出モードに従って駆動磁場信号生成ユニット130を制御するように調整されていて、高解像度検出モードで、空間の位置は高解像度軌跡に沿って変化し、低解像度検出モードで、空間の位置は低解像度軌跡に沿って変化する。規定された軌跡は、閉リサジュ曲線の形状を持ち、軌跡の第1の密度を持つ第1の閉リサジュ曲線が低解像度軌跡として使われ、軌跡の第2の密度を持つ第2のリサジュ曲線が高解像度軌跡として使われる。軌跡の第1の密度は、軌跡の第2の密度より低い。
【0071】
規定された軌跡に沿ってFFPを移動させるために、又は規定された軌跡に沿って第1の副ゾーン52の空間の位置を変えるために、一連の様々な電流が、駆動磁場コイル136a、136b、136cに流れなければならない。2Dリサジュ曲線の場合、駆動磁場コイル136a、136b、136cのうちの2つが、正弦波駆動磁場電流で制御される。2Dリサジュ曲線は、2直交高調駆動磁場の重ね合せにより生成される。例えば、x軸の方向に駆動磁場を生成する第1の駆動磁場コイルと、y軸の方向に駆動磁場を生成する第2の駆動磁場コイルとが制御される。第1の駆動磁場コイルは、I=I^sin(ωt)という式を持つ第1の駆動磁場電流で制御され、ここで、I^は第1の駆動磁場振幅であり、ωは第1の駆動磁場周波数である。第2の駆動磁場コイルは、I=I^sin(ωt)という式を持つ第2の駆動磁場電流で制御され、ここで、I^は第2の駆動磁場振幅であり、ωは第2の駆動磁場周波数である。閉リサジュ曲線を受信するために、両方の駆動磁場周波数の周波数比率は、有理数でなければならない。好適には、両方の駆動磁場周波数は、周波数比率条件ω/ω=(N+1)/Nを満たす。閉2Dリサジュ曲線は、xy平面内にある。もちろん、任意の他の平面に適当な閉2Dリサジュ曲線が、対応する駆動磁場コイルに流れる適当な電流により生成されてもよい。好適には、xy平面に存在している2Dリサジュ図形は、適当な焦点磁場を作ることによりz方向に移動され、結果的に3D軌跡になる。
【0072】
低解像度検出モードで使用される閉リサジュ曲線に対する周波数比率は、高解像度検出モードで使用される閉リサジュ曲線に対する周波数比率より大きい。例えば、以下の周波数比率が選択される。低解像度検出モードで使用されるリサジュ曲線に対してω/ω=11/10が選択され、高解像度検出モードで使用されるリサジュ曲線に対してω/ω=51/50が選択される。もちろん、任意の他の好ましい周波数比率も選択できる。
【0073】
信号検出のために、装置100は、更に、受信コイル148と、受信コイル148により検出される信号を受信する信号受信ユニット140とを有する受信手段を有する。信号受信ユニット140は、受信した検出信号をフィルタリングするためのフィルタユニット142を有する。このフィルタリングの目的は、他の干渉信号から2つの部分領域52、54の位置の変化により影響される検査領域内の磁化により生じる測定された値を分けることにある。この目的のため、フィルタユニット142は、例えば、受信コイル148が動作される時間的周波数より小さいか、又はこれらの時間的周波数の2倍より小さい時間的周波数を持つ信号が、フィルタユニット142を通らないように設計される。その後、信号は、アンプユニット144を介してADコンバータ146(ADC)へ送信される。ADコンバータ146により生じるデジタル信号は、再構成ユニット152(画像処理ユニットとも呼ばれる)へ供給される。このように、受信手段で、検出信号が得られる。前記検出信号は、撮像領域28内の磁化に依存し、当該磁化は、第1及び第2の副ゾーン52、54の空間内の位置の変化により影響され、前記検出信号は、再構成ユニット152へデジタル形式で転送される。
【0074】
前記再構成ユニットは、処理されるべき検出信号が受信手段で得られるときの第1の部分領域52が検査領域内でとるそれぞれの位置からの検出信号であって、信号受信ユニット140から受信される検出信号から、磁性粒子の空間分布を再構成する。再構成ユニット152は、制御ユニット150から位置を得る。最後に、磁性粒子の再構成された空間分布は、制御ユニット150を介して、モニタ156に空間分布を表示するコンピュータ154へ送信される。このように、検査領域の撮像領域内の磁性粒子の分布を示す画像が表示できる。よって、再構成ユニット152で、検査されるべき対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量は、検出信号に依存して決定される。粒子分布量は、制御ユニット150を介してコンピュータ154へ転送される。
【0075】
更に、入力装置158、例えばキーボードが具備されている。従って、ユーザは、所望の方向の最高解像度を設定可能であり、次にモニタ156上で、動作領域のそれぞれの画像を受信する。最高解像度が必要である重要な方向がユーザにより最初に設定される方向から逸脱する場合、ユーザは、改良された撮像解像度を持つ他の画像を作るために手動で方向を依然変えることができる。この解像度改良プロセスは、制御ユニット150及びコンピュータ154により自動的に動作できる。この実施例の制御ユニット150は、ユーザによりスタート値として自動的に推定されるか又は設定される第1の方向に勾配フィールドを設定する。コンピュータ154により比較される受信画像の解像度が最大で、それぞれもはや改善されなくなるまで、勾配フィールドの方向がステップ毎に変化する。従って、最も重要な方向は、可能な最大解像度を受信するためにそれぞれ自動的に適合されて見つけられる。
【0076】
装置100は、更に、装置の低解像度システム機能を特徴づける第1の組のシステムデータと装置の高解像度システム機能を特徴づける第2の組のシステムデータとを格納するための記憶ユニット162を有する。システムデータの2つの組は、MPI装置100が動作できる2つの異なる検出モードのため、格納されなければならない。システムデータの両方の組の各々は、実際の手法が粒子分布量を再構成するための検出信号を得るために実行される前に、タイムリな較正手法を実行することにより得られる。再構成ユニット152は、撮像領域28内の関心の撮像副領域及び/又は隣接撮像副領域を識別するための撮像副領域識別ユニット160を含む。それで、高解像度走査が実行される撮像領域28内の関心の撮像領域を定めることが可能である。
【0077】
本発明によると、制御ユニット150は、検出モードに従って信号受信ユニット140を制御するように調整されている。高解像度検出モードでは、一組の高解像度検出信号が得られ、一組の高解像度検出信号は関心の少なくとも一つの撮像副領域の磁化に依存し、低解像度検出モードでは、一組の低解像度検出信号が得られ、一組の低解像度検出信号は関心の少なくとも一つの撮像副領域に隣接して配置されている少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する。受信ユニット140を制御することは、例えばフィルタユニット142の周波数特性を調整し、及び/又は増幅ユニット144の増幅特性を調整し、及び/又はADコンバータ146のサンプリング特性を検出モードに調整することを意味する。再構成ユニット152で、関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量が再構成され、ここで、粒子分布量は一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される。
【0078】
受信ユニット140の他にも、駆動磁場信号生成ユニット130及び選択磁場生成ユニット110は、検出モードに従って制御ユニット150により制御される。
【0079】
コンピュータ154上で、コンピュータプログラムは実行され、ここで、前記コンピュータプログラムは、本発明による方法のステップを実施するために装置100をコンピュータ154が制御するためのプログラムコード手段を有する。
【0080】
図5は、z方向に向けられた第1の副ゾーン52又はFFPの垂直線軌跡に対するシステム機能応答の空間的拡大を示す。具体的には、選択された高調波から抽出される中心1D及び2Dスライスが示される。システム機能は、検査されるべき対象物に含まれる磁性粒子の空間位置と周波数応答、従って受信手段で得られる検出信号との関係を確立する。見てわかるように、システム機能応答は完全に局在化されていない。低周波で、特に1乃至3次の高調波で、応答、従って感知できる領域がかなり横断的に拡張される一方、より高い周波数で、特に12次及び25次の高調波で、応答、従って感知できる領域がFFPの動きのライン近くに位置される。低周波成分の非局在化は、高解像度検出信号が獲得した信号である特定の撮像副領域の外からの信号が取り上げられる理由である。特定の撮像副領域を囲む領域が他の撮像副領域により符号化されない場合、取り上げられる信号は正しく割り当てられない。取り上げられる信号により生じる一組の高解像度検出信号の歪曲は、結果的に再構成された画像の厳しい偽信号になる。
【0081】
図6は、2D撮像領域170が撮像領域28に含まれる平面を表す2D撮像領域170を模式的に示す。2D撮像領域170は、行及び列に配置される多くの撮像副領域から成る。明確にするため、行は文字AからIでラベルをつけられ、列は番号1〜6でラベルをつけられる。従って、各単一の撮像副領域は、「A1」で始まり「I6」で終わる文字と番号との組で識別できる。
【0082】
2D撮像領域170は、装置100で検査されるべき対象物である関心の対象物172をカバーする。関心の対象物172の少なくとも一部をカバーする2D撮像領域170のこれらの撮像副領域は、関心の撮像副領域と呼ばれる。関心の撮像副領域は、関心の撮像領域174を形成する。本実施例では、関心の撮像副領域は、撮像副領域C2、C3、C4、C5、D2、D3、D4、D5、E2、E3、E4及びE5である。装置100で、一組の高解像度検出信号は、前記関心の撮像副領域の磁化に依存して得られる。
【0083】
関心の対象物172の他に、2D撮像領域170は、他の対象物176もカバーする。他の対象物176に対して、一組の高解像度検出信号は得られない。
【0084】
関心の対象物172に対応する一組の高解像度検出信号は、関心の撮像領域174のための高解像度走査を行うことにより得られる。高解像度検出信号のサブセットが最初に得られる関心の特定の撮像副領域によると、関心の特定の撮像副領域、本例では撮像副領域D3上に第1の副ゾーン52を合焦させる対応する焦点磁場が生成される。その後、第1の副ゾーン52又はFFPは、関心の特定の撮像副領域D3内の規定された軌跡178に沿って移動される。特定の撮像副領域D3に対する高解像度検出信号のサブセットの捕捉が完了された後、焦点磁場は、第1の副ゾーン52が高解像度検出信号のサブセットが次に得られる関心のその撮像副領域、この場合は撮像副領域D4に合焦されるように変更される。焦点磁場の変更、従って撮像副領域D3から撮像副領域D4へ第1の副ゾーン52を動かすことが、矢印180により示される。焦点磁場を修正し、規定された軌跡に沿った第1の副ゾーン52又はFFPを移動させるステップは、関心の全ての撮像副領域に対して、高解像度検出信号のそれぞれのサブセットが得られるまで、交互に繰り返される。
【0085】
図6に示される軌跡178は、単なる例示である。軌跡178のコースは、例えば閉リサジュ曲線を生成するための駆動磁場コイル136a、136b、136cを流れる駆動磁場電流の周波数比率について制限する影響を持たない。
【0086】
関心の撮像領域174に対して得られる一組の高解像度検出信号は、粒子分布量を再構成するため、よって関心の対象物172を表す画像を再構成するために必要とされる適当なデータを含む。しかしながら、このデータは、高解像度検出信号の低周波成分の寄与のため、歪曲される。前記寄与は、関心の特定の撮像副領域の外から、すなわち、特定の撮像副領域と隣接している隣接撮像副領域から生じる。このことにより、関心の撮像領域174の外に配置される隣接撮像副領域が問題になるだけでなく、また、関心の撮像領域174内に配置される隣接撮像副領域が問題になる。例えば、関心の特定の撮像副領域E4に対して、撮像副領域D3、D4、D5、E3、E5、F3、F4及びF5は、低周波成分の前記寄与に関する隣接撮像副領域である。よって、関心の特定の撮像副領域E4に対して、8つの隣接撮像副領域、すなわち、4つの直交隣接撮像副領域D4、E3、E5及びF4と、4つの斜めの隣接撮像副領域D3、D5、F3及びF5が存在する。特定の撮像副領域が2D撮像領域170の端又は2D撮像領域170の角に位置される場合、隣接撮像副領域の数は少ない。2次元撮像領域に関して、直交隣接撮像副領域が関心の特定の撮像副領域と共通の端を持つのに対し、斜めの隣接撮像副領域は関心の特定の撮像副領域と共通の角を持つだけである。特定の撮像副領域E4と隣接している撮像副領域が矢印182で示されるが、明確にするため、隣接する直交撮像副領域だけがマークされる。これは、制限する影響を全く持たない。
【0087】
高解像度検出信号又は高解像度データの歪曲を排除するために必要な低解像度データ又は低解像度検出信号の組は、低解像度検出モードで得られる。一組の低解像度検出信号は、完全な2D撮像領域170、従ってこのフィールドに含まれる全ての撮像副領域をカバーする単一の走査で得られる。それにもかかわらず、適切な走査を行うことにより隣接撮像副領域に対してだけ低解像度検出信号を得ることも考えられる。このような適当な走査は、例えば関心の撮像領域174及び関心の撮像領域174を直接囲む撮像副領域をカバーする。一組の高解像度検出信号は、関心の完全な撮像領域174、従ってこの撮像領域に含まれる関心の全ての撮像副領域をカバーする単一の走査で得られる。
【0088】
一組の高解像度検出信号は、高解像度検出信号の多くのサブセットを有し、各サブセットは、関心の個々の撮像副領域に割り当てられている。一組の低解像度検出信号は、低解像度検出信号の多くのサブセットを有する。低解像度検出信号が完全な2D撮像領域170をカバーする走査で得られるので、一組の低解像度検出信号は各撮像副領域に対する低解像度検出信号のサブセットを有する。よって、関心の任意の特定の撮像副領域に対して、一組の低解像度検出信号は、いずれにせよ、関心の特定の撮像副領域と隣接している対応する隣接撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットを含む。
【0089】
再構成ユニット152は、関心の特定の撮像副領域に割り当てられる高解像度検出信号のサブセットと、関心の特定の撮像副領域と隣接しているそれらの隣接撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットとに依存して、関心の特定の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を再構成するように調整されている。結果的に、粒子分布量は、多くの個々の粒子分布量の合成である。関心の撮像副領域E4が特定の撮像副領域であるとする場合、この特定の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を決定するため、特定の撮像副領域E4に対して得られる高解像度検出信号のサブセット及び隣接撮像副領域D3、D4、D5、E3、E5、F3、F4及びF5に対して得られる低解像度検出信号のサブセットが考慮される。よって、個々の粒子分布量を決定するために、直交隣接撮像副領域及び斜めの隣接撮像副領域が考慮される。代わりに、直交隣接撮像副領域だけを考慮に入れることも考慮される。この手法では、粒子分布量を再構成するために必要とされる時間は少なくなる。この場合、前述の例では、隣接撮像副領域D4、E3、E5及びF4だけが考慮される。
【0090】
上述されたように、粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して決定される。一組の低解像度検出信号は全ての関心の撮像副領域に対して低解像度検出信号の割り当てられたサブセットを含まない場合でさえ、このアプローチは、結果的に適切な結果になり、実際、関心の撮像副領域が全くない場合でも、低解像度検出信号の割り当てられたサブセットが存在し、従って、関心の撮像領域を囲む撮像副領域に割り当てられる低解像度信号のサブセットだけは存在する。図6に基づいて、関心の撮像領域174を囲む撮像副領域は、少なくとも撮像副領域B1、B2、B3、B4、B5、B6、C1、C6、D1、D6、E1、E6、F1、F2、F3、F4、F5及びF6である。もちろん、関心の撮像領域174に含まれない他の任意の撮像副領域も、周囲撮像副領域である。
【0091】
低解像度検出信号のサブセットが欠けている場合、粒子分布量は、反復的なアプローチを使用して再構成される。この反復的なアプローチは、関心の2つの撮像副領域を持つ配列に対して以下に説明される。これは、制限する影響を全く持たない。もちろん、反復的なアプローチは、任意の数の関心の撮像副領域を持つ配列に適用できる。
【0092】
第1の反復的なステップにおいて、関心の2つの撮像副領域の1つに対して、個々の粒子分布量は、関心の他の撮像副領域内の磁性粒子の空間分布がゼロであるという仮定の下で再構成される。この再構成された個々の粒子分布量は、関心の1つの撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットに対する近似値である。第2の反復的なステップにおいて、この再構成された個々の粒子分布量が、関心の他の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を再構成するために使われる。この再構成された個々の粒子分布量は、関心の他の撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットに対する近似値である。この再構成された個々の粒子分布量が、1つの撮像副領域に対する他の個々の粒子分布量を再構成するために使われる。これを数回を繰り返すことは、結果的に高品質の粒子分布量になる。
【0093】
この点で、マルチステーションアプローチ及び撮像副領域を走査するための他のアプローチが説明されるだろう。この目的のため、完全な2D撮像領域170をカバーする走査で低解像度検出信号を得ることが考えられる。これは、制限する影響を全く持たない。以下の説明は、他の任意の組の撮像副領域に対しても有効である。マルチステーションアプローチを実行して、例えば6組の撮像副領域が走査された。撮像副領域A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3を含む第1の組の撮像副領域で開始し、撮像副領域D1、D2、D3、E1、E2、E3、F1、F2、F3を含む第2の組の撮像副領域が続き、撮像副領域G1、G2、G3、H1、H2、H3、I1、I2、I3を含む第3の組の撮像副領域が続き、撮像副領域A4、A5、A6、B4、B5、B6、C4、C5、C6を含む第4の組の撮像副領域が続き、撮像副領域D4、D5、D6、E4、E5、E6、F4、F5、F6を含む第5の組の撮像副領域が続き、撮像副領域G4、G5、G6、H4、H5、H6、I4、I5、I6を含む第6の組の撮像副領域が続く。第1の副ゾーンが一の撮像副領域から他の撮像副領域へ連続的に移動するアプローチで、撮像副領域が、例えば以下の順序で走査される:A1、A2、A3、A4、A5、A6、B6、B5、B4、B3、B2、B1、C1、C2、C3、C4、C5、C6、D6、D5、...I6。
【0094】
図6の具体例のため、2D撮像領域170、関心の撮像領域174及び関心の対象物172に関する上述の説明は、2D構造に関してなされている。しかしながら、これらの説明は、3Dフィールド及び対象物に対してもしかるべく有効である。3次元の撮像領域に関して、直交隣接撮像副領域が関心の特定の撮像副領域と共通する表面を持つのに対し、斜めの隣接撮像副領域は、関心の特定の撮像副領域と共通の端を持つだけである。
【0095】
関心の撮像副領域として識別された撮像副領域は、関心の撮像領域を形成する。しかしながら、関心の撮像領域内に含まれる関心の撮像副領域は、同時に隣接撮像副領域である。例えば、関心の特定の撮像副領域E4に関して、関心の撮像副領域D3、D4、D5、E3及びE5は、隣接撮像副領域である。
【0096】
好適には、関心の特定の撮像副領域に隣接して配置され、関心の対象物の少なくとも一部又は他の対象物の少なくとも一部をカバーする撮像副領域だけが、隣接撮像副領域として識別される。この手法は、結果的に粒子分布量の再構成の時間節約となる。しかしながら、これは、本発明に対する制限する影響を持たない。もちろん、関心の特定の撮像副領域に隣接して配置される任意の撮像副領域は、この隣接撮像副領域が関心の対象物の一部又は他の対象物の一部をカバーするかどうかに関係なく、隣接撮像副領域として識別できる。
【0097】
更にまた、関心の特定の撮像副領域のすぐ近くに配置される撮像副領域が、隣接撮像副領域として識別できるだけでなく、また関心の特定の撮像副領域から離れて遠くに配置されているが、他の対象物の少なくとも一部をカバーしている撮像副領域も隣接撮像副領域として識別できる。例えば、関心の特定の撮像副領域E4に関して、更に、撮像副領域G3、G4及びG5は、隣接撮像副領域として識別できる。同じことが、関心の特定の撮像副領域から更に離れて遠くに配置されている関心の撮像副領域にも当てはまる。例えば、関心の特定の撮像副領域E4に関して、関心の撮像副領域C4は、隣接撮像副領域として識別できる。関心の特定の撮像副領域から更に離れて遠くに配置されている隣接撮像副領域を考慮することは、結果的に高品質の粒子分布量となる。
【0098】
図7は、本発明による方法の実施例のフローチャートを示す。ステップ200では、低解像度検出モードに対する第1のシステム機能を決定するための第1の較正手法が実行される。システムデータの対応する第1の組が、記憶ユニット162に保存される。ステップ202では、高解像度検出モードに対する第2のシステム機能を決定するための較正手法が実行される。また、システムデータの対応する第2の組が記憶ユニット162に保存される。
【0099】
ステップ204では、一組の低解像度検出信号は、完全な撮像領域28、従ってこの撮像領域に含まれる全ての撮像副領域をカバーする単一の走査で得られる。この目的のために、撮像領域28は、図6に図示されるように、多くの平面に副分割される。これら多くの平面は、図6と関連して説明されたように走査される。低解像度検出信号の得られた組が、検査されるべき対象物を位置付け、関心の撮像領域174をプランニングするために使われる。これは、自動的に又は装置100のオペレータにより与えられる入力に基づいてなされる。
【0100】
ステップ206では、一組の高解像度検出信号が、完全な関心の撮像領域174をカバーする単一の走査で得られる。関心の撮像領域174も多くの平面に副分割され、撮像領域28を走査することと関連して説明されたように走査のアプローチがしかるべく使われる。図7の具体例によると、最初に、一組の低解像度検出信号と、その後一組の高解像度検出信号とが得られる。これは、本発明に対して制限する影響を全く持たない。もちろん、制御ユニット150は、一組の低解像度検出信号及び一組の高解像度検出信号をインターリーブ態様で得るため受信ユニット140と駆動磁場信号生成ユニット130とを制御するように適合できる。
【0101】
ステップ208では、粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される。この目的のため、
=G・C (1)
で始まる以下のアプローチが使われる。式(1)において、Sは獲得した高解像度検出信号を表し、Gは高解像度検出モードに対するシステム機能を表わし、Cは関心の対象物172内の磁性粒子の空間分布を表す未知の粒子分布量であり、ここで、Cは隣接撮像副領域から生じる低周波寄与により歪曲される。Sは、高解像度検出信号の多くのサブセットを有し、各サブセットは関心の個々の撮像副領域に割り当てられている。これは、本発明について制限する影響を全く持たない。もちろん、Sは、撮像領域に含まれる撮像副領域が存在するのと同程度のサブセットを有する。適切なやり方で、Cは、個々の撮像副領域に割り当てられる個々の粒子分布量を有する。これらの説明は、以下に使用される対応する変数又は量にもあてはまる。
【0102】
式(1)は、以下のように書き直せる。
=G・C+G・C (2)
は関心の対象物172内の磁性粒子の空間分布を表す未知の粒子分布量であり、ここで、隣接撮像副領域から発する低周波寄与から生じる歪曲が排除される。Cは、前記低周波寄与により生じる粒子分布量Cの量を表す。Cが低周波での磁性粒子の空間分布を表すので、Gにより表される低解像度検出モードに対するシステム機能が用いられる。システム機能Gは、粒子分布量が再構成される領域に隣接する領域からの低解像度濃度情報を表す。
【0103】
未知の粒子分布量Cは、例えばチーホノフ正則化を使用して以下の式を解くことにより決定できる。

(3)
【0104】
しかしながら、用語Gは、依然未知である。この未知の用語は、一組の低解像度検出信号を決定するため低解像度走査を行うことにより決定できる。式(1)によると、以下のアプローチが使用できる。
=G・C (4)
ここで、Sは得られた低解像度検出信号を表し、Cは関心の対象物172内の磁性粒子の空間分布を表す未知の粒子分布量である。Cは、また、隣接撮像副領域から生じる寄与により歪曲されている。
【0105】
原則として、未知の粒子分布量Cは、例えばチーホノフ正則化を使用して以下の式を解くことにより決定できる。

(5)
【0106】
しかしながら、式(3)を使用してCを決定するために、歪曲された粒子分布量Cでなく歪曲が排除された粒子分布量Cが必要である。検出信号の他の組がS再構成に含まれる歪曲を排除するのに利用できないので、式(5)を使用した粒子分布量が繰り返しなされ、結果的に歪曲が可能な限り良く排除された修正された粒子分布量

になる。この修正された粒子分布量は、Cに対する適切な近似値である。粒子分布量を再構成することは、単一の特定の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を再構成することを意味し、ここで、粒子分布量は個々の粒子分布量の合成である。従って、撮像領域に含まれる撮像副領域に対して、特に撮像領域に含まれる全ての撮像副領域に対して、個々の粒子分布量は、繰り返し再構成される。
【0107】
第1の繰り返しステップでは、個々の粒子分布量が再構成されるそれぞれの撮像副領域と隣接する隣接撮像副領域内の磁性粒子の空間分布がゼロであると仮定した。従って、Sに含まれ、隣接撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号の特定のサブセットが、ゼロに設定される。第1の繰り返しステップの結果は、近似された個々の粒子分布量である。近似された個々の粒子分布量は、第1の修正された粒子分布量

に合成される。この第1の修正された粒子分布量が、第2の繰り返しステップの基である低解像度検出信号の修正された組として使用できる。更なる繰り返しステップが続く。適切な曲線適合方法を用いて、粒子分布量の繰り返し再構成は、修正された粒子分布量に対する要求された質が達成される頃に止められる。最後に、この結果が修正された粒子分布量

である。この修正された粒子分布量を使用して、低解像度検出信号の修正された組が、以下の式によって決定できる。

(6)
【0108】
式(6)を使用して、式(3)は以下のように書ける。

(7)
【0109】
式(7)は、例えばチーホノフ正則化を使用して解くことができ、結果的にCになる。
【0110】
前述の繰り返しアプローチは、低解像度検出信号が隣接撮像副領域に対して存在する状況に対して説明されているが、このアプローチは、高解像度検出信号が隣接撮像副領域に対して存在する状況に対しても適切なやり方で適用できる。
【0111】
代わりのアプローチでは、式(4)が式(3)に挿入され、結果的に以下の式となる。

(8)
【0112】
例えばチーホノフ正則化を使用して式(8)を解くことは、結果的に、上述の理由のために式(7)を使用して決定される粒子分布量と同じ質ではない粒子分布量になる。
【0113】
式(1)乃至(8)に基づくアプローチは、一組の低解像度検出信号、一組の高解像度検出信号及び粒子分布量に対する趣旨で主に説明される。これは、制限する影響を全く持たない。検出信号の両方のセットが各場合に検出信号のサブセットを有し、粒子分布量が多くの個々の粒子分布量の合成であるので、これらの説明は、検出信号の前記サブセット及び前記個々の粒子分布量に対してもしかるべく有効である。
【0114】
ステップ210では、再構成された粒子分布量が表示される。
【0115】
単に焦点磁場を付与することにより一組の低解像度検出信号を得ることも可能である。
【0116】
本発明は、図面及び前述の説明において例示され詳述されてきたが、斯様な図例及び説明は、図示的又は例示的であって、限定的ではないと考慮されるべきであり、本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他のバリエーションは、図面、開示内容及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求された本発明を実施する際の当業者により、理解でき遂行できる。
【0117】
請求項において、「を有する」という語は、他の要素又はステップを除外しないし、不定冠詞「a」、又は「an」は複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットは、請求項において引用される幾つかのアイテムの機能を成し遂げてもよい。特定の手法が相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手法の組合せを有利に使用できないことを示すものではない。
【0118】
請求項内の何れの参照符号も、範囲を制限するものとして解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粒子を含む関心の対象物の少なくとも一部をカバーする関心の少なくとも一つの撮像副領域を有する撮像領域内の磁性粒子に影響を与える及び/又は磁性粒子を検出するための装置であって、高解像度検出モード及び低解像度検出モードを含む少なくとも2つの異なる検出モードを持つ前記装置は、選択手段と駆動手段と受信手段と制御ユニットと再構成ユニットとを有し、前記選択手段は、低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度のスペース内にパターンを持つ選択磁場を生成するための選択磁場素子と選択磁場信号生成ユニットとを有し、第1の副ゾーン内では磁性粒子の磁化は飽和せず、第2の副ゾーン内では磁性粒子の磁化は飽和され、前記駆動手段は、前記関心の対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局地的に変化するように、駆動磁場により撮像領域内の少なくとも第1の副ゾーンの空間内の位置を変化させるための駆動磁場コイルと駆動磁場信号生成ユニットとを有し、前記受信手段は、検出信号を取得するための少なくとも一つの受信コイルと少なくとも一つの信号受信ユニットとを有し、前記検出信号は少なくとも第1の副ゾーンの空間内の位置の変化により影響される撮像領域の少なくとも一部内の磁化に依存し、前記制御ユニットは、前記検出モードに従って前記信号受信ユニットを制御し、高解像度検出モードで一組の高解像度検出信号が得られ、低解像度検出モードで一組の低解像度検出信号が得られ、一組の高解像度検出信号は少なくとも一つの関心の撮像副領域の磁化に依存し、一組の低解像度検出信号は少なくとも一つの関心の撮像副領域に隣接して配置される少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存し、前記再構成ユニットは、関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成し、前記粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される、装置。
【請求項2】
前記駆動磁場信号生成ユニットは、規定された軌跡に沿って第1の副ゾーンの空間の位置を変え、前記制御ユニットは、前記検出モードに従って前記駆動磁場信号生成ユニットを制御し、前記高解像度検出モードで前記空間の位置が高解像度軌跡に沿って変化し、前記低解像度検出モードで前記空間の位置が低解像度軌跡に沿って変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記規定された軌跡が、閉リサジュ曲線の形状を持ち、軌跡の第1の密度を持つ第1の閉リサジュ曲線が低解像度軌跡として使われ、軌跡の第2の密度を持つ第2のリサジュ曲線が高解像度軌跡として使われ、軌跡の第1の密度が軌跡の第2の密度より低い、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記選択磁場信号生成ユニットは、規定された勾配強度を示す選択磁場を生成し、前記制御ユニットは、前記検出モードに従って前記選択磁場生成ユニットを制御し、前記低解像度検出モードで第1の勾配強度を示す第1の選択磁場が生成され、前記高解像度検出モードで、第2の勾配強度を示す第2の選択磁場が生成され、第1の勾配強度は第2の勾配強度より小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
撮像領域は多くの撮像副領域を有し、前記駆動磁場信号生成ユニットは、個々の撮像副領域の空間広さを基本的に定める空間広さを持つ規定された軌跡に沿って第1の副ゾーンの空間の位置を変え、前記装置は、多数の撮像副領域内に含まれる任意の撮像副領域上に第1の副ゾーンを合焦させるための焦点磁場を生成するための焦点磁場信号生成ユニット及び焦点磁場コイルを有する焦点手段を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、第1の撮像副領域から第2の撮像副領域まで第1の副ゾーンを連続的に移動させるため焦点磁場信号生成ユニットを制御する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
撮像領域は多くの撮像副領域を有し、一組の低解像度検出信号が全ての撮像副領域の磁化に依存する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
撮像領域は多くの関心の撮像副領域を有し、一組の高解像度検出信号が全ての関心の撮像副領域の磁化に依存する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御ユニットが、最初に一組の低解像度検出信号及び次に一組の高解像度検出信号を得るため前記受信ユニットと前記駆動磁場信号生成ユニットとを制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
撮像領域が多くの撮像副領域を有し、前記再構成ユニットは、各々が関心の撮像領域に含まれる少なくとも一つの隣接撮像副領域及び/又は少なくとも一つの関心の撮像副領域を識別するための撮像副領域識別ユニットを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記制御ユニットが、インターリーブ態様で一組の低解像度検出信号及び一組の高解像度検出信号を得るため前記受信ユニットと前記駆動磁場信号生成ユニットとを制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一組の高解像度検出信号が高解像度検出信号の多数のサブセットを有し、各サブセットが個々の関心の撮像副領域に割り当てられ、一組の低解像度検出信号が低解像度検出信号の多数のサブセットを有し、各サブセットが個々の隣接撮像副領域に割り当てられ、前記再構成ユニットが特定の関心の撮像副領域に対する個々の粒子分布量を再構成し、前記個々の粒子分布量は、特定の関心の撮像副領域に割り当てられる高解像度検出信号のサブセットと、特定の関心の撮像副領域と隣接する隣接撮像副領域に割り当てられる低解像度検出信号のサブセットとに依存する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
装置の低解像度システム機能を特徴づける第1の組のシステムデータと、装置の高解像度システム機能を特徴づける第2の組のシステムデータとを格納するための記憶ユニットを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
高解像度検出モード及び低解像度検出モードで検出できる磁性粒子を含む関心の対象物の少なくとも一部をカバーする少なくとも一つの関心の撮像副領域を有する撮像領域内の磁性粒子に影響し及び/又は磁性粒子を検出するための方法であって、第1の副ゾーンで磁性粒子の磁化が飽和しない低い磁場強度を持つ第1の副ゾーン及び磁性粒子の磁化が飽和する高い磁場強度を持つ第2の副ゾーンが撮像領域内に形成されるように、磁場強度の空間のパターンを持つ選択磁場を生成するステップと、前記関心の対象物に含まれる磁性粒子の磁化が局在的に変化するように駆動磁場によって撮像領域内の少なくとも第1の副ゾーンの空間の位置を変えるステップと、磁化が少なくとも第1の副ゾーンの空間の位置の変化により影響され、撮像領域の少なくとも一部の磁化に依存する検出信号を得るステップと、一組の高解像度検出信号が少なくとも一つの関心の撮像副領域の磁化に依存する高解像度検出モードで、一組の高解像度検出信号を得ることを制御するステップと、一組の低解像度検出信号が少なくとも一つの関心の撮像副領域に隣接して配置されている少なくとも一つの隣接撮像副領域の磁化に依存する低解像度検出モードで、一組の低解像度検出信号を得ることを制御するステップと、前記関心の対象物の少なくとも一部内の磁性粒子の空間分布を特徴づける粒子分布量を再構成するステップとを有し、前記粒子分布量は、一組の高解像度検出信号及び一組の低解像度検出信号に依存して再構成される、方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムがコンピュータで実施されるとき、請求項14に記載の方法のステップを実施するために請求項1に記載の装置をコンピュータが制御するためのプログラムコード手段を有する、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504358(P2013−504358A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528470(P2012−528470)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053684
【国際公開番号】WO2011/030247
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】