説明

支持体、支持体ユニット、及び水耕栽培装置

【課題】比較的重量が大きい植物を、安定して水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持する。
【解決手段】支持体20は、樹木5を支持し、凹形状であり、内部に樹木5が挿設された際、少なくとも一部で樹木5を支持する側部24aを有する支持部24と、平面視で、支持部24の周囲を囲って配されているフロート21と、支持部24とフロート21とを接続する可撓体23とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を支持する支持体、支持体ユニット、及び水耕栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、植物工場などで、水耕栽培により植物が栽培されている。図14は、一般的な水耕栽培装置の構成を表す概略図である。
【0003】
図14に示すように、水耕栽培装置100は、容器101に、培養液102が充填されている。そして、発泡ポリスチレン(EPS)からなる培地103に、培養液102を吸収させ、この培地103で植物104を栽培する。植物104として、草本性植物(以下、草と称する場合がある)を栽培する場合は、このような簡単な装置で水耕栽培することができる。
【0004】
特許文献1には、木本性植物(以下、樹木と称する場合がある)を、土を使用せず栽培する方法が開示されている。
【0005】
図15は、従来の、土を使用せず樹木を栽培する人工育成方法を説明する図である。
【0006】
図15に示すように、栽培する樹木201の根201a及び幹201bを、支持枠202に連結することで、樹木201の根201aが床上の空中に浮いた状態とする。そして、根201aの上部に散水栓207を配し、根201aの下方の床に水槽208を配し、散水栓207と水槽208とを配管209で接続すると共に、配管209の途中にポンプ210を設ける。これにより、散水栓207から根201aに水を散水することができ、また、散水されて水槽208内に落下した水は、ポンプ210により散水栓207に供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6‐169659号公報(1994年6月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的に、水耕栽培で植物を栽培する植物工場では、草本性植物の栽培はなされているが、木本性植物の栽培はなされていない。
【0009】
これは、一般的に、草本性植物は重量が小さく、図14に示した水耕栽培装置100のように簡易な構成で、培地103に立たせて、培養液102上に浮かべることができる一方、木本性植物は重量が大きく、水耕栽培を行うために、土を用いず立たせて支持するには、図15に示したような大掛かりな装置を用いる必要があるためである。
【0010】
また、木本性植物を水耕栽培するには、このように、大掛かりな装置を用いる必要があるので、草本性植物を水耕栽培している装置と、共通の装置で栽培することができない。
【0011】
また、施設園芸等では、木本性植物を、水耕または養液土耕栽培する方法が用いられている。しかし、このような施設園芸では、培土を使用した鉢植え型の栽培方法をとっていることが多い。このように土を用いて栽培する場合、水量や根の状態を確認することが困難であり、さらに、重量が大きく移動に不向きであるといった課題が生じる。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、比較的重量が大きい植物を、安定して水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の支持体は、植物を支持すると共に、浮力を有する植物の支持体であって、凹形状であり、内部に植物が挿設された際、少なくとも一部で当該植物を支持する側部を有する支持部と、平面視で、上記支持部の周囲を囲って配されている第1のフロートと、上記支持部と上記第1のフロートとを接続する可撓体とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記構成により、上記第1のフロートは、上記支持部の周囲を囲って配されているので、上記支持部に挿設された植物を、安定して水面に浮かせることができる。
【0015】
そして、上記構成によると、上記支持部と上記第1のフロートとは、可撓体により接続されているので、上記支持部に植物が挿設されると、当該植物の重量により、上記可撓体が撓む。これにより、上記支持部の側面の少なくとも一部により、上記支持部に挿設された植物に対して、横方向から支持する力が加わる。これにより、上記支持部に挿設された植物を、安定して、水面に立たせて支持することができる。
【0016】
このように、上記構成によると、上記支持部に挿設された植物が、比較的重量が大きくても、安定して水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することができる。
【0017】
また、上記可撓体は、凸形状を有し、上記支持部は、上記可撓体の頭頂部から下方に向けて凹形状となっていることが好ましい。上記構成によると、上記支持部に挿設された植物を、当該支持部の少なくとも一部で安定して支持することができる。
【0018】
また、上記支持部の側部は、内側に向って屈曲した形状となっていることが好ましい。上記構成により、上記支持部に植物が挿設された際、上記屈曲している部分により、当該植物を横方向から支持することができる。このため、上記植物を安定して水面に立たせることができる。
【0019】
また、上記支持部の底部に配されており、開口部が設けられているフロート部と、上記フロート部の開口部に配されており、上記支持部に挿設される植物を設置するための設置部と、からなる第2のフロートを備えていることが好ましい。
【0020】
上記構成によると、上記第2のフロートによって、上記植物に浮力を加えることができるので、上記植物の重量が大きくても、より安定して植物を水面に浮かべることができる。
【0021】
また、上記設置部は、下方に位置する下面より、当該下面の上方に位置する上面の方が面積が大きい円錐台形状であり、上記フロート部の開口部は、上記設置部が嵌合する形状であることが好ましい。
【0022】
上記構成によると、上記フロート部の開口部に上記設置部を挿入するだけで、上記設置部を上記フロート部に配することができるので、簡易であり、利便性が高い支持体を得ることができる。
【0023】
また、水面に浮かべた際、上記第1のフロートに加わる浮力は、上記第2のフロートに加わる浮力より大きいことが好ましい。
【0024】
上記構成によると、より強固に、上記支持体の少なくとも側面の一部で、当該支持体に挿設されている植物を支持することができる。このため、より安定して上記植物を、水面に立たせることができる。
【0025】
また、上記第2のフロートの幅と比べて、上記第1のフロートの幅の方が広いことが好ましい。上記構成により、上記第2のフロートより、第1のフロートに加わる浮力を大きくすることができる。
【0026】
また、上記可撓体及び上記第1のフロートには、上記可撓体の頭頂部から上記第1のフロートの裏面にかけて繋がるスリットが、複数形成されていることが好ましい。
【0027】
上記構成により、上記可撓体及び第1のフロートが変形し易くなる。これにより、上記支持部の側面の少なくとも一部により、上記植物を支持する力が伝わり易くなり、より安定して植物を水面に立たせることができる。
【0028】
また、上記可撓体は、上記第1のフロートと、上記第2のフロートとを平面状に接続することが好ましい。上記構成によると、より浮力を得ることができ、安定して植物を水面に浮かせることができる。
【0029】
また、上記第1のフロートのうち、複数の上記スリットによって区画された領域は取り外し可能となっていることが好ましい。上記構成により上記第1のフロートに加わる浮力を調整することができ、さまざまな種類の植物を水面に安定して浮かせることができる。このため、汎用性が高い支持体を得ることができる。
【0030】
また、平面視したとき、上記第1のフロートは、円形状であることが好ましい。上記構成により、支持体に挿設されている植物に対して均一に浮力を伝えることができる。このため、安定して上記植物を水面に浮かせることができる。
【0031】
また、平面視したとき、上記第1のフロートは、多角形であってもよい。上記構成によると、複数の支持体を、隙間なく、水面に浮かべることができる。これにより、水面下を効率よく遮光及び断熱することができ、植物の根を保護することができる。これにより、上記植物を、良好に育成することができる。
【0032】
また、上記植物は、木本性植物であることが好ましい。上記構成により、木本性植物を、安定して水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することができる。
【0033】
また、本発明の支持体ユニットは、上記支持体と、上記第1のフロートを載置可能な第3のフロートとを備えていることが好ましい。上記構成により、上記支持体に加わる浮力を調整することができ、汎用性を広げることができる。
【0034】
また、本発明の水耕栽培装置は、上記支持体と、培養液が貯留された容器とを備えていることが好ましい。上記構成により、上記支持部に挿設された植物が比較的重量が大きくても、安定して培養液の水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することができる。これにより、比較的重量が重い植物を水耕栽培することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の支持体は、植物を支持すると共に、浮力を有する植物の支持体であり、凹形状であり、内部に植物が挿設された際、少なくとも一部で当該植物を支持する側部を有する支持部と、平面視で、上記支持部の周囲を囲って配されている第1のフロートと、上記支持部と上記第1のフロートとを接続する可撓体とを備えている。
【0036】
これにより、上記支持部に挿設された植物が、比較的重量が大きくても、安定して水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の水耕栽培装置の構成を表す斜視図である。
【図2】樹木が栽培されている第1の実施の形態に係る支持体の構成を表す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る支持体の構成を表す図であり、(a)は支持体の平面図であり(b)は支持体の断面図であり(c)は支持体の側面図である。
【図4】(a)は第2のフロートの構成を表す斜視図であり(b)は第2のフロートの設置部を表す図であり(c)は設置部が樹木の根元を保持する様子を示す図である。
【図5】設置部の変形例を示す図である。
【図6】設置部の変形例を示す図であり(b)は第2のフロートの変形例を示す図である。
【図7】第2のフロートの浮力を増加させることを説明する図である。
【図8】浮力の調整が可能な第2のフロートの構成を表す図である。
【図9】(a)は第2の実施形態に係る支持体の構成を表す断面図であり、(b)は支持体に樹木を挿設した様子を示す図である。
【図10】(a)は第3の実施形態に係る支持体の構成を表す平面図であり、(b)は支持体の断面図であり、(c)は支持体の側面を表す図である。
【図11】(a)は第4の実施形態に係る支持体の構成を表す平面図であり、(b)は支持体を構成を表す断面図である。
【図12】(a)は第5の実施形態に係る支持体ユニットの構成を表す断面図であり、(b)は支持体ユニットのフロートを構成を表す平面図であり、(c)は支持体ユニットのフロートを表す断面図である。
【図13】(a)は第5の実施形態に係る支持体の構成を表す平面図であり、(b)は支持体の構成を表す断面図である。
【図14】一般的な水耕栽培装置の構成を表す概略図である。
【図15】従来の、土を使用せず樹木を栽培する人工育成方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔実施の形態1〕
図1から図8を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0039】
まず、図1を用いて、本発明に係る水耕栽培装置10の構成について説明する。
【0040】
図1は、水耕栽培装置10の構成を表す斜視図である。水耕栽培装置10は、容器1と、容器1に貯留された培養液2と、培養液2の水面に浮かべられた培地3及び支持体20とを備えている。
【0041】
培地3は、例えば板状であり、一例として発泡ポリスチレン(EPS)からなる。培地3では、草(草本性植物)4が栽培されている。草4は、比較的、重量が軽いので、培地3は板形状であっても、培養液2の水面に浮かべることができる。
【0042】
支持体20は、樹木5を支持すると共に、浮力を有するものである。支持体20も培養液2の水面に浮いている。支持体20では、比較的重量が重い植物である樹木(木本性植物)5が栽培されている。
【0043】
支持体20は、植物工場で広く採用されている湛液式養液栽培(DFT)に導入することができるように、樹木5を安定して支持すると共に、水面に浮かべることが可能なフロート式の支持体である。
【0044】
樹木5は、草4より重量が重く、また、草4より高さが高い植物である。樹木5は、本実施の形態では、比較的コンパクトな(またはコンパクトに育成された)樹木、又は若木であるものとする。
【0045】
次に、図2〜図4を用いて支持体20の構成について説明する。まず、図2、図3を用いて、支持体20の全体構成について説明する。
【0046】
図2は、樹木5が栽培されている支持体20の構成を表す断面図である。図3は支持体20の構成を表す図であり、(a)は支持体20の平面を表し、(b)は支持体20の断面を表し、(c)は支持体20の側面を表している。
【0047】
支持体20は、平面視したとき、円形状となっている。支持体20は、フロート(第1のフロート)21と、フロート(第2のフロート)22と、可撓体23とを備えている。
【0048】
可撓体23は、上方に向って突出する凸形状を有している。そして、可撓体23は、頭頂部から下方に向けて突出する凹形状となっており、内部に樹木5を挿設するための支持部24を有している。支持部24は可撓体23により、フロート21と接続されている。なお、支持部24は、可撓体23の一部構成であり、可撓体23の凹形状の部分である。
【0049】
フロート21は、支持部24に挿設されている樹木5に浮力を与えると共に、支持部24に安定して樹木5を支持させるためのものである。
【0050】
フロート21は、一例として、発泡ポリスチレンからなり、内部に空間が設けられており、当該空間に空気が充填されている。
【0051】
なお、フロート21は、培養液2より比重が軽く、培養液2の水面に浮く材料から構成されていればよい。
【0052】
フロート21を構成する材料は、例えば、発泡ポリスチレン以外にも、比重が小さい他の発泡樹脂、又は、例えば内部に充填されている空気を密閉することができる樹脂容器(例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)のタンク)、安価なポリスチレン等を用いてもよい。
【0053】
フロート21は、内径より内側が開口している円形状(輪形状)となっている。そして、フロート21は、平面視したとき、支持部24を囲って配されている。
【0054】
このようにフロート21は、支持部24に挿設した樹木5の幹5aの周囲を囲うので、樹木5を安定して培養液2の水面に立つように支持すると共に、樹木5を培養液2に浮かべることができる。
【0055】
フロート21は、円形状であることが好ましい。樹木5に対して、周囲からより均一に浮力を与えることができるためである。なお、平面視したときのフロート21の形状は、円形状に限定されるものではなく、例えば、多角形など、樹木5の周囲を囲む形状であればよい。
【0056】
フロート22は、支持部24の底部24bの裏面に配されている。フロート22は、支持部24に挿設される樹木5を直接するためのものであると共に、樹木5に対して、樹木5の根元から浮力を加えるためのものである。
【0057】
支持部24に挿入された樹木5の根元が、フロート22により保持されることで、樹木5は、支持部24内に挿設される。
【0058】
フロート22は、フロート21と離間しており、フロート21で囲まれた円の中心部に配されている。フロート22には、樹木5の根を通すための貫通孔が設けられている。なお、フロート22の具体的な構成は後述する。
【0059】
可撓体23は、支持部24とフロート22とを接続すると共に、支持部24により、樹木5の幹5aを横方向から支持するためのものである。
【0060】
可撓体23は、フロート21の内径より内側部分を覆っている。可撓体23は、フロート21の上面(底面の逆側面)から上方に延伸すると共に、上方に向うにつれ、次第に、平面視したときに円の中心方向に向う方向に延伸する構成となっている。
【0061】
支持部24の側部24aは、内側に向って屈曲した形状となっている。すなわち、支持部24の側部24aは、内側に向って突出した屈曲部分を有する。
【0062】
また、支持部24は、底部分である底部24bを有している。底部24bには開口部が形成されている。そして、支持部24に挿入された樹木5の幹5aは、底部24bに形成された開口部を貫通している。
【0063】
このように、可撓体23は、凸形状を有し、支持部24は、可撓体23の頭頂部から下方に向けて凹形状となっている。これにより、支持部24に挿設された樹木5を、支持部24の少なくとも一部の側部24aで安定して支持することができる構成となっている。
【0064】
可撓体23は、可撓性を有する材料からなり、例えば、金属や、発泡ポリスチレンなどの樹脂材料からなる。
【0065】
支持部24の側部24aは、内側に向って屈曲した形状となっているので、支持部24に樹木5が挿設された際、屈曲している部分が樹木5の幹5aと当接し易くなっている。これにより、樹木5の幹5aを横方向から確実に支持することができる。このため、樹木5を安定して培養液2の水面に立たせることができる。なお、側部24aは、必ずしも屈曲した形状でなくともよい。
【0066】
次に、図4(a)〜(c)を用いてフロート22の構成について説明する。
【0067】
図4(a)はフロート22の構成を表す斜視図であり、(b)はフロート22の設置部26を表す図であり、(c)は設置部26が樹木5の根元を保持する様子を示す図である。
【0068】
図4(a)に示すように、フロート22は、支持部24の底部24bの裏面に配されている。
【0069】
フロート22は、フロート部25と、設置部26とから構成されている。フロート部25には開口部が形成されている。
【0070】
フロート部25は、例えば、発泡ポリスチレンなどから構成することができる。また、フロート部25は、培養液2に対して浮力を有する材料から構成すればよく、発泡ポリスチレン以外にも、比重が小さい他の発泡樹脂、又は、例えば内部に充填されている空気を密閉することができる樹脂容器(例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)のタンク)、安価なポリスチレン等を用いてもよい。
【0071】
設置部26は、支持部24に挿設される樹木5を設置するためのものである。設置部26は、フロート部25に設けられた開口部に嵌め込まれて設けられている。
【0072】
設置部26は下方に突出する半球状の凹形状となっている。設置部26の一部は、フロート部25から下方に突出している。
【0073】
図4(b)に示すように、設置部26は網目構造(あみかご型)となっており、フレーム26a及び複数のフレーム26bを有している。
【0074】
フレーム26aは、円形状を有している。複数のフレーム26bのそれぞれは、円形状のフレーム26aにおける、互いに離間する複数箇所から、下方に向うにつれ互いの距離が近づくように伸び、1点で接触している。このように、複数のフレーム26b間は網目となっている。
【0075】
図4(c)に示すように、凹形状の設置部26内に樹木5の根元が配されることで、支持部24に挿入された樹木5は設置される。設置部26の複数のフレーム26bで、樹木5の根元は保持される。
【0076】
フロート22には、樹木5の重量が直接加わるため、特にフロート22の設置部26は、フロート部25や、周囲のフロート21と異なる材料を有することが好ましい。
【0077】
例えば、設置部26はステンレス等の金属材料からなり、フロート部25は浮力を確保するため発泡樹脂から構成されている一方、周囲のフロート21は、十分な浮力を確保するために、発泡樹脂もしくはPPタンクから構成されていることが好ましい。
【0078】
または、例えば、設置部26を強度の高いポリウレタンで構成し、フロート部25及びフロート21を安価なポリスチレンなどから構成してもよい。なお、この場合、フロート部25もポリスチレンから構成してもよい。
【0079】
このように、フロート22の設置部26は、複数の網目を備えた凹形状となっている。このため、樹木5の根5bの先端は、フレーム26b間の網目から外部へ伸長し、培養液2に浸される。
【0080】
そして、フロート22は、支持部24の底部24bの裏面に配されており、開口部が設けられているフロート22と、フロート22の開口部に配されており、支持部24に挿設される樹木5を設置するための設置部26とからなる。このように、支持体20は、フロート22によって、樹木5に浮力を加えることができるので、樹木5の重量が大きくても、より安定して樹木5を培養液2の水面に浮かべることができる。
【0081】
また、樹木5を安定して支持するために、セラミクスや樹脂などからなる培地27を設置部26内に充填してもよい。
【0082】
このように支持体20は、凹形状であり、内部に樹木5が挿設された際、少なくとも屈曲している部分が樹木5の幹5aと当接することで、幹5aを横方向から支持する側部24aを有する支持部24と、平面視で、支持部24の周囲を囲って配されているフロート21と、支持部24とフロート21とを接続する可撓体23とを備えている。
【0083】
これによると、フロート21は、支持部24の周囲を囲って配されているので、支持部24に挿設された樹木5を、安定して培養液2の水面に浮かせることができる。
【0084】
そして、支持部24とフロート21とは、可撓体23により接続されているので、支持部24に樹木5が挿設されると、挿設された樹木5の重量により、可撓体23が撓む。これにより、支持部24の側部24aの少なくとも一部である屈曲している部分により、支持部24に挿設された樹木5に対して、横方向から支持する力が加わる。
【0085】
このため、支持部24に挿設された樹木5を、安定して、培養液2の水面に立たせて支持することができる。
【0086】
このように、支持体20によると、支持部24に挿設された樹木5が、草2より重量が大きくても、安定して培養液2の水面に浮かべると共に、水面に立たせて支持することができる。このため、樹木5を、草2が栽培されている、同じ水耕栽培装置10で水耕栽培することができる。
【0087】
また、可撓体23は、上方に突出した凸形状を有し、支持部24は、可撓体23の頭頂部から下方に向けて突出した凹形状となっているので、支持部24に挿設された樹木5を、支持部24の側部24aの屈曲した部分で、少なくとも安定して支持することができる。
【0088】
さらに、支持体20では、フロート21、フロート部25、及び可撓体23を、例えば、発泡ポリスチレンなど、不透明な材料から構成することで、支持体20を全体的に不透明な材料から構成することが好ましい。支持体20は、培養液2の水面を覆うので、培養液2への光の侵入を妨げ、培養液2内での藻類の発生を抑制することができる。これにより、培養液2で、樹木5を良好に育成することができる。
【0089】
また、フロート21、フロート部25、及び可撓体23を、例えば、発泡ポリスチレンなど、断熱効果の高い材料から構成することで、支持体20を全体的に断熱効果の高い材料から構成することが好ましい。支持体20は、培養液2の水面を覆うので、樹木5の根5b圏の温度変化を小さくすることができる。
【0090】
また、フロート21は、平面視で円形状であることが好ましい。これにより、支持体20に挿設されている樹木5に対して均一に浮力を伝えることができ、安定して樹木5を水面に浮かせることができる。
【0091】
(フロート22の変形例)
フロート22の設置部26は、図5に示すような設置部36であってもよい。図5は設置部26の変形例である設置部36を示す図である。
【0092】
図5に示すように設置部36は下方に突出する半球状の凹形状となっている。設置部36は、設置部26のように複数のフレームから構成されるのではなく、設置部36の側面に複数の貫通孔36aが形成されている。
【0093】
設置部36によると、樹木5は、設置部36の側面で樹木5の根元が保持されると共に、設置部36の側面に設けられた複数の貫通孔36aから根5bを外部に伸長させ、培養液2に浸すことができる。
【0094】
なお、設置部26と同様に、設置部36も、フロート部25に設けられた開口部に、一部が下方に突出するように嵌め込まれることで、フロート22が構成される。
【0095】
設置部36は、強度を確保すると共に、設置部36によっても浮力を確保するために、周囲のフロート21より相対的に発泡倍率が低い発泡樹脂からなる一方、周囲のフロート21及びフロート部25は、十分な浮力を確保するために、設置部36より相対的に発泡倍率が高い発泡樹脂からなることが好ましい。これにより、樹木5を保持するための十分な強度及び浮力を確保することができる。
【0096】
また、樹木5を安定して支持するために、セラミクスや樹脂などからなる培地27を設置部36内に充填してもよい。
【0097】
さらに、設置部26及びフロート22は、図6(a)(b)に示す構成であってもよい。
【0098】
図6(a)は設置部26の変形例を示す図であり、(b)はフロート22の変形例を示す図である。
【0099】
図6(a)に示すように、設置部46は、下方に位置する下面より、当該下面の上方に位置する上面の方が面積が大きい円錐台形状である。そして、設置部46の側面は、上面側から下面側にかけて互いの距離が近づくように傾斜している。
【0100】
図6(b)に示すように、設置部46内には、上面から下面にかけての貫通孔が形成されており、この設置部46の貫通孔に、樹木5の根元が配される。これにより、設置部46の貫通孔の上面からは樹木5の幹5aが突出し、貫通孔の下面からは樹木5の根5bが突出する。
【0101】
設置部46の側面には、上面側から下面側にかけて繋がると共に、内部の貫通孔に続くスリットが設けられている。このスリットから、設置部46内の貫通孔に樹木5を入れたり、設置部46外に樹木5を出したりすることができる。
【0102】
フロート部25には、設置部46が嵌合する形状の貫通孔である開口部25aが形成されている。
【0103】
すなわち、フロート部25の開口部25aは、下方に位置する下面より、当該下面の上方に位置する上面の方が面積が大きい円錐台形状である。そして、フロート部25の開口部25a内の側面は、上面側から下面側にかけて互いの距離が近づくように傾斜している。
【0104】
フロート部25の開口部25aの上方から、設置部46を嵌め込むことで、樹木5の重さにより、設置部46の側面と、開口部25a内のフロート部25の側面とが係合し、樹木5を支える摩擦力が発生する。これにより、樹木5を保持することができる。
【0105】
このフロート部25と設置部46とによってフロート22は構成されている。
【0106】
このように、フロート22によると、設置部46は、下方に位置する下面より、下面の上方に位置する上面の方が面積が大きい円錐台形状であり、フロート部25の開口部25aは、設置部46が嵌合する形状となっている。このため、フロート部25の開口部25aに設置部46を挿入するだけで、設置部46をフロート部25に配することができるので、簡易であり、利便性が高い支持体20を得ることができる。
【0107】
設置部46は、一例として、シリコーンゴム等のゴムから構成し、フロート部25は発泡樹脂からなることが好ましい。これにより、設置部46は、フロート部25の開口部25a内の側面に対して大きな摩擦力を発生させることができ、重い樹木5を十分に保持することができると共に、浮力を確保することができる。さらに、周囲のフロート21を発泡樹脂から構成することで、十分な浮力を確保することができる。
【0108】
(浮力の調整について)
また、支持体20のフロート22を、図7、図8に示す構成とし、浮力を調整するようにしてもよい。
【0109】
支持体20で栽培している樹木5は、栽培していくにつれて増加する重量の増加量も草2より大きい。このため、支持体20は、樹木5の成長に合せて浮力を増加させることができる構成とすることが好ましい。
【0110】
図7はフロート22の浮力を増加させることを説明する図である。
【0111】
図7のフロート22は、図6(a)(b)で示したように、円錐台形状を有する設置部46と、設置部46と嵌合する形状の開口部25aが形成されたフロート部25とからなる。
【0112】
そして、フロート22が浮かぶ培養液2の水面に、フロート部25より厚さを厚くし、フロート部25より浮力が大きいフロート部29を有する支持体20を、予め準備する。
【0113】
このフロート部29には、設置部46と嵌合する形状の開口部29aが形成されている。
【0114】
フロート部25に配されている設置部46は、嵌合する形状の開口部25aに嵌め込まれているだけなので、取り外すことができる。
【0115】
このため、樹木5の成長に伴い、フロート22の浮力を増加させる必要が生じたとき、設置部46を、フロート部25の開口部25aから抜き取り、フロート部25より浮力が大きいフロート部29の開口部29aに嵌め込む。これにより、樹木5の成長に合せてフロート22の浮力を増加させることができる。
【0116】
このように、図7のフロート22によると、設置部46と嵌合する形状の開口部を有するフロート部に嵌め込むことで、浮力の調整を行うことができるので、樹木5の成長に合せて、簡単に、浮力が調整できる、利便性が高い支持体20を得ることができる。
【0117】
図8は、浮力の調整が可能なフロート22の構成を表す図である。
【0118】
図8のフロート22は、フロート部25と、設置部46と、複数のエアーバッグ28とを備えている。
【0119】
設置部46は、図6(a)(b)及び図7で示したように、上面より下面の方が面積が小さい円錐台形状を有し、フロート部25には設置部46と嵌合する形状の開口部25aが形成されている。さらに、フロート部25には、開口部25aの周囲の複数箇所に、開口部25bが形成されている。
【0120】
エアーバッグ28は、エアーバッグ本体28aと、コック28bとを備えている。エアーバッグ本体28aは、開口部25bを貫通して配されている。エアーバッグ本体28aの空気の注入口はフロート部25の上面(支持部24内に位置する側の面)から突出して配されており、当該注入口と、フロート部25の上面との間に配されたコック28bによって、エアーバッグ本体28aは密閉されている。エアーバッグ本体28a内に空気を入れたり、内部の空気を減らしたりするとき、コック28bを開ける。
【0121】
このエアーバッグ本体28a内に空気を注入することで、エアーバッグ28は、フロート部25の下面(支持部24の外に位置する側の面)側からフロート部25に対して浮力を与えることができる。
【0122】
エアーバッグ本体28aは、例えば、ポリエチレンやポリビニルアルコール、またはポリエステル繊維など、伸縮性の材料から構成することができる。
【0123】
このように、樹木5が挿入されたフロート部25の開口部25aの周囲に、円周上に、複数のエアーバッグ28を配し、エアーバッグ28内のエアーの量を調整することで、樹木5の成長に合せて、フロート22の浮力を調整することができる。このため、利便性が高く、簡易な構成で浮力の調整が可能な支持体20を構成することができる。
【0124】
〔実施の形態2〕
次に、図9(a)(b)を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0125】
図9(a)は第2の実施形態に係る支持体50の構成を表す断面図であり、(b)は支持体50に樹木5を挿設した様子を示す図である。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0126】
支持体50は、支持体20のフロート21に替えて、フロート(第1のフロート)51を備えている点で、支持体20と相違する。
【0127】
支持体50は、培養液2の水面に浮かべた際、フロート51に加わる浮力(図9(b)の矢印B)は、フロート22に加わる浮力(図9(b)の矢印A)より大きい構成となっている。
【0128】
具体的には、フロート22の幅と比べて、フロート51の幅の方が広くなっている。これにより、支持体50は、フロート22より、フロート51に加わる浮力を大きくしている。
【0129】
さらに、支持体50では、培養液2に浮かべた際、フロート51の底面より、フロート22の底面の方が低くなるように構成されている。
【0130】
このように、支持体50は、培養液2の水面に浮かべた際、フロート51に加わる浮力(図9(b)の矢印B)は、フロート22に加わる浮力(図9(b)の矢印A)より大きい。
【0131】
これにより、樹木5の重量が加わると、可撓体23がより撓み、側部24aから樹木5の幹5aに加わる力が大きくなり、より強固に、樹木5を支持することができる。このため、より安定して樹木5を、培養液2の水面に立たせることができる。
【0132】
〔実施の形態3〕
次に、図10(a)(b)を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0133】
図10(a)は第3の実施形態に係る支持体60の構成を表す平面図であり、(b)は支持体60の断面図であり、(c)は支持体60の側面を表す図である。
【0134】
なお、説明の便宜上、前記実施の形態1、2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0135】
支持体60は、支持体20の可撓体23及びフロート21に替えて、可撓体63及びフロート(第1のフロート)61を備えている。支持体60の他の構成は支持体20と同様である。
【0136】
可撓体63は、可撓体23に複数のスリット60aが形成された構成である。また、フロート61も、フロート21に複数のスリット60aが形成された構成である。
【0137】
このように、支持体60では、可撓体63及びフロート61には、可撓体63の頭頂部からフロート61の裏面にかけて繋がるスリット60aが、複数形成されている。
【0138】
平面視したとき、複数のスリット60aは、フロート22から、外側に向かって放射状
に形成されている。
【0139】
このように、支持体60には、複数のスリット60aが形成されているので、培養液2の水面に浮かべた際、可撓体63及びフロート61が変形し易くなる。これにより、可撓体63に設けられた支持部64の側部64aの屈曲している部分により、支持部64に挿設されている樹木5を支持する力が伝わり易くなり、より安定して樹木5を、培養液2の水面に立たせることができる。
【0140】
また、支持体60を全体的に遮光材料から構成することで、支持体60に覆われる樹木5の根5b近傍を遮光することができる。さらに、スリット60aの幅を小さくすることで、スリット60aを透過する光を最小限にとどめ、根5b近傍の藻類の発生を抑制することができる。
【0141】
〔実施の形態4〕
次に、図11(a)(b)を用いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0142】
図11(a)は第4の実施形態に係る支持体70の構成を表す平面図であり、(b)は支持体70を構成を表す断面図である。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜3にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0143】
支持体70は、支持体20の可撓体23及びフロート21に替えて、可撓体73及びフロート(第1のフロート)71を備えている。支持体70の他の構成は支持体20と同様である。
【0144】
可撓体73は、板状の中央部分が上方に突出した形状である。この可撓体73の周縁部分がフロート71であり、可撓体73とフロート71とは一体形成されている。
【0145】
可撓体73の中央部分であって上方に突出している凸形状の頭頂部から下方に向けて凹形状となっている支持部74を有している。
【0146】
そして、支持部74の底部74bに、上面より下面の方が面積が小さい円錐台形状の設置部46が、当該形状と嵌合する開口部に嵌め込まれることで配されている。
【0147】
支持部74に挿設された樹木5は、設置部46で根元が保持され、また、支持部74の側部74aで、幹5aが支持されることで、培養液2の水面に立つように支持されている。
【0148】
設置部46を、培養液2に対して浮力を有すると共に、強度を有する、例えば、発泡密度が低い発泡材料から構成することで、支持部74に挿設された樹木5を支持すると共に、根元から浮力を加えることができる。すなわち、設置部46をフロートとして機能させることができる。
【0149】
支持体70では、可撓体73は、フロート71と、設置部46とを平面状に接続している。すなわち、支持体70の裏面は平面形状となっている。これによると、支持体70の裏面により、より浮力を得ることができ、安定して樹木5を培養液2の水面に浮かせることができる。
【0150】
また、平面視で、支持体70は四角形状となっている。これにより、複数の支持体70を、隙間なく、培養液2の水面に浮かべることができる。このため、支持体70を、遮光材料及び断熱材料から構成することで、水面下を効率よく遮光及び断熱することができ、気温(室温)が変化しても、培養液2の温度変化を抑えることができる。これにより、樹木5の根5b圏の温度を安定化させ、樹木5の栄養分・水分吸収を助けることができるので、樹木5を、良好に育成することができる。
【0151】
なお、支持体70は、四角形以外の多角形状であってもよい。
【0152】
〔実施の形態5〕
次に、図12(a)〜(c)、図13(a)(b)を用いて、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0153】
図12(a)は第5の実施形態に係る支持体ユニット80の構成を表す断面図であり、(b)はフロート81を構成を表す平面図であり、(c)はフロート81を表す断面図である。
【0154】
支持体ユニット80は、支持体20と、一又は複数のフロート(第3のフロート)81を備えている。
【0155】
フロート81は、支持体20のフロート21を載置可能に構成されているフロートである。
【0156】
フロート81は、上面にフロート21を載置するための載置部82と、係合部83とを備えている。
【0157】
フロート81は、平面視で円形状を有しており、内径より内側が開口している。係合部83は、載置部82の上面内側に突出して配されている。フロート81に支持体20を載置した際、係合部83は、支持体20の内側面と係合する。
【0158】
また、フロート81は、他のフロート81を載置できる構成となっており、係合部83は、載置された他のフロート81の内側面と係合する。
【0159】
フロート81は、発泡ポリスチレンから構成することができる。また、フロート81を構成する材料は、例えば、発泡ポリスチレン以外にも、比重が小さい他の発泡樹脂、又は、例えば内部に充填されている空気を密閉することができる樹脂容器(例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)のタンク)、安価なポリスチレン等を用いてもよい。
【0160】
このように、支持体ユニット80は、支持体20と、支持体20のフロート21を載置可能なフロート81とを備えているので、支持体20に加わる浮力を調整することができる。
【0161】
このため、支持体20に加わる浮力や、浮力により生じる支持力を調整することができるので、さまざまな植物に対応することが可能である。
【0162】
また、培養液2の水面下に浸っている深さを調整することができるので、根5bの一部を空気中に露出することができる。
【0163】
ここで、木本性植物では根5bの酸素要求量が多い場合がある。このため、空気中に露出している根5bの量を最適化し、根5bが十分に呼吸できるようにすることで、樹木5の育成を良好に保つことができる。
【0164】
図13(a)は第5の実施形態に係る支持体60の構成を表す平面図であり、(b)は支持体60の構成を表す断面図である。
【0165】
図13(a)に示す支持体60は、図10(a)〜(c)に示した支持体60と同様に、放射状の複数のスリット60aが形成されている。そして、さらに、フロート61のうち、複数のスリット60aによって区画された領域は取り外し可能となっている。
【0166】
これにより、フロート61に加わる浮力を調整することができ、さまざまな種類の植物を水面に安定して浮かせることができる。
【0167】
また、円周上で浮力の偏りを作り出すことができるので、傾いて育成された植物などにも対応することができる。このため、汎用性が高い支持体60を得ることができる。
【0168】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、比較的重い植物を水面に浮かせるための支持体、支持ユニット及び水耕栽培装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0170】
2 培養液
5 樹木
10 水耕栽培装置
20 支持体
21 フロート(第1のフロート)
22 フロート(第2のフロート)
23 可撓体
24 支持部
24a 側部
24b 底部
25 フロート部
25a 開口部
26 設置部
28 エアーバッグ
29 フロート部
29a 開口部
36 設置部
36a 貫通孔
46 設置部(設置部、第2のフロート)
50 支持体
51 フロート(第1のフロート)
60 支持体
60a スリット
61 フロート(第1のフロート)
63 可撓体
64 支持部
64a 側部
70 支持体
71 フロート(第1のフロート)
73 可撓体
74 支持部
74a 側部
74b 底部
80 支持体ユニット
81 フロート(第3のフロート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を支持すると共に、浮力を有する植物の支持体であって、
凹形状であり、内部に植物が挿設された際、少なくとも一部で当該植物を支持する側部を有する支持部と、
平面視で、上記支持部の周囲を囲って配されている第1のフロートと、
上記支持部と上記第1のフロートとを接続する可撓体とを備えていることを特徴とする植物の支持体。
【請求項2】
上記可撓体は、凸形状を有し、
上記支持部は、上記可撓体の頭頂部から下方に向けて凹形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の支持体。
【請求項3】
上記支持部の側部は、内側に向って屈曲した形状を有することを特徴とする請求項2に記載の支持体。
【請求項4】
上記支持部の底部に配されており、開口部が設けられているフロート部と、
上記フロート部の開口部に配されており、上記支持部に挿設される植物を設置するための設置部と、からなる第2のフロートを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の支持体。
【請求項5】
上記設置部は、下方に位置する下面より、当該下面の上方に位置する上面の方が面積が大きい円錐台形状であり、
上記フロート部の開口部は、上記設置部が嵌合する形状であることを特徴とする請求項4に記載の支持体。
【請求項6】
水面に浮かべた際、上記第1のフロートに加わる浮力は、上記第2のフロートに加わる浮力より大きいことを特徴とする請求項4又は5に記載の支持体。
【請求項7】
上記第2のフロートの幅と比べて、上記第1のフロートの幅の方が広いことを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の支持体。
【請求項8】
上記可撓体及び上記第1のフロートには、上記可撓体の頭頂部から上記第1のフロートの裏面にかけて繋がるスリットが、複数形成されていることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の支持体。
【請求項9】
上記可撓体は、上記第1のフロートと、上記第2のフロートとを平面状に接続することを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の支持体。
【請求項10】
上記第1のフロートのうち、複数の上記スリットによって区画された領域は取り外し可能となっていることを特徴とする請求項8に記載の支持体。
【請求項11】
平面視したとき、上記第1のフロートは、円形状であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の支持体。
【請求項12】
平面視したとき、上記第1のフロートは、多角形であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の支持体。
【請求項13】
上記植物は、木本性植物であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の支持体。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の支持体と、
上記第1のフロートを載置可能な第3のフロートとを備えていることを特徴とする支持体ユニット。
【請求項15】
請求項1〜13の何れか1項に記載の支持体と、
培養液が貯留された容器とを備えていることを特徴とする水耕栽培装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate