説明

支持体

【課題】プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【解決手段】支持体10は、被支持物であるチューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を貼着保持し、被支持物の支持状態で下端部22がチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方に位置する静置面200に接触する台紙本体13と、被支持物の支持状態で台紙本体13の前面19から下向きに傾斜して前方に延び、重心対応位置P2より前方に位置する静置面200に接触する脚部片14を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に関し、より詳しくは、前面に被支持物が貼着される台紙を備え、被支持物の自立を支持する支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品が外側から見えるように包装した所謂ブリスターパックは、例えば、乾電池、電球等の小型電気製品、歯ブラシ、カミソリ、化粧品類など様々な商品について多く使用されている。一般的に、ブリスターパックは、商品の大きさや形状に合わせて成形され後面側に開口を有するプラスチックシートの成形体(以下、プラスチックケースとする)と、当該成形体の後面開口をカバーする台紙とから構成されている。
【0003】
一般的に、ブリスターパックは、吊り下げ陳列されることが多いが、商品棚等に自立させて陳列可能な形態も幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、台紙と、塩化ビニル樹脂等を真空成形したプラスチックケースとを備え、プラスチックケースの下端面に、自立させて陳列することを可能にする陳列用脚部が2ヶ所に設けられたスライド式ブリスターパックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007‐137443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたブリスターパックは、商品棚等に自立させて陳列することが可能である。しかしながら、従来のブリスターパックは、商品の形状、脚部の形状に合わせて予め成形されたプラスチックケースを備えるので、組み立てる前でも嵩高く、輸送性が悪いという問題が指摘されている。また、成形体としての剛性を確保するためにプラスチックケースの薄肉化が困難であり、材料コストや環境負荷の軽減等の観点から改良の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、プラスチックケースを使用することなく、被支持物の良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする支持体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支持体は、前面に被支持物が保持される台紙を備え、被支持物の支持状態で、台紙の下端部が被支持物の後方に位置する静置面に接触する支持体において、被支持物の支持状態で、台紙の前面から下向きに傾斜して前方に延び、静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする。
当該構成によれば、台紙の下端部および脚部片の先端部が静置面に接触し、プラスチックケースを使用しなくても、被支持物を安定して自立させることが可能になる。即ち、台紙が支持体の後脚、脚部片が支持体の前脚として機能する。また、脚部片は、台紙の前面から下向きに傾斜して前方に延びるので、被支持物の前方を広く覆わず、本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0008】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、台紙の下端部から所定長さ上方に設けられる根元部と、被支持物の重心に対応する静置面上の位置よりも前方の静置面に接触する先端部と、を有することが好ましい。
当該構成によれば、より安定した自立形態を実現することができる。脚部片は、特に支持体の後方から前方に向かって作用する力をより効果的に受容することができ、被支持物を支持した支持体が前方へ転倒することをより高度に防止することができる。
【0009】
また、本発明に係る支持体において、脚部片は、被支持物が挿入される挿入開口と、挿入開口の周縁部であって、被支持物の支持状態で被支持物の後方に当接する後方当接部と、を有することが好ましい。
当該構成によれば、後方当接部が被支持物の後方に当接しているため、支持体を前傾させるような力が加わった場合であっても、脚部片が上方に浮き上がらず、特に前方への転倒をより高度に防止することができる。即ち、脚部片が上方に浮き上がろうとしても、後方当接部が被支持物の後方にあたっているから、脚部片は上方に向かって動くことができない。換言すると、脚部片は、被支持物によって下方に押さえ付けられているから、上方に浮き上がることを防止できる。
【0010】
また、上記後方当接部を有する構成において、脚部片は、挿入開口の周縁部に、被支持物の支持状態で被支持物の前方に当接する前方係合部を有することが好ましい。
当該構成によれば、後方当接部により脚部片の上方への浮き上がりを防止できると共に、前方係合部が被支持物の前方に当接していることから、脚部片が被支持物の前方に引っ掛った状態となる。ゆえに、脚部片が前方に延びた状態を維持し易くなる。
【0011】
また、本発明に係る支持体において、台紙の前面に固定され、熱収縮により被支持物を包装する熱収縮性フィルムを備え、熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持される構成とすることができる。
【0012】
また、本発明に係る支持体において、台紙は、前面に被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、台紙本体の下端から上方に切り込まれ、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、台紙本体と脚部片との境界位置に形成される折り曲げ部と、を有し、被支持物を支持状態において、切断線と折り曲げ部とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられる構成とすることができる。
当該構成によれば、1枚の台紙に切断線および折り曲げ部を形成し、切断線と折り曲げ部とに囲まれた脚部片を折り曲げるという簡便な方法によって、台紙本体、被支持物の後方に位置する静置面に接触する台紙本体の下端部および脚部片が構成されるので、支持体の生産性がより向上すると共に、輸送性にも優れる。
【0013】
また、本発明に係る支持体において、台紙は、前面に被支持物が保持される台紙本体上部と、脚部片とを含み、脚部片は、台紙の下部全体を前方に折り曲げて形成される表面部と、折り曲げた台紙を後方に折り返して形成され、当該表面部の裏側に重ね合わせられる裏面部と、を有する構成とすることができる。
当該構成によれば、1枚の台紙の下部を折り曲げるという簡便な方法によって、台紙本体および脚部片が構成されるので、支持体の生産性がより向上すると共に、輸送性にも優れる。さらに、脚部片は、台紙が重ね合わされた積層構造を有するので、その剛性を向上させることができ、脚部片が前方に延びた状態をより維持し易くなる。
また、当該構成において、脚部片の裏面部から延出して台紙本体上部の後面に接合される接合部と、裏面部に切断線を切り込むことで形成され接合部から下方に延びて被支持物の後方に位置する静置面に接触する台紙本体下部とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る支持体は、プラスチックケースを使用することなく、従来のブリスターパックと同様に良好なディスプレイ性を発現し、被支持物の安定した自立を可能にする。本発明に係る支持体によれば、プラスチックケースを使用しないため、被支持物を支持する前において嵩張らず、輸送性を向上させることができ、また、材料コストや環境負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図2】図1に示す支持体の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態である支持体を示す平面図であって、折り畳み形態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態である支持体において、被支持物の支持形態を作製する過程を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態である支持体の変形例を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態である支持体を示す平面図であって、脚部片が折り畳まれた形態を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態である支持体を示す側面図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態である支持体を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態である支持体を示す斜視図である。
【図10】本発明の第5実施形態である支持体を示す斜視図であって、被支持物の支持形態を示す図である。
【図11】図10に示す支持体の側面図である。
【図12】図10に示す支持体の背面図である。
【図13】図10に示す支持体の台紙の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を用いて、本発明に係る支持体の実施形態について以下説明する。なお、図1〜5は、第1実施形態である支持体10を、図6,7は、第2実施形態である支持体30を、図8は、第3実施形態である支持体40を、図9は、第4実施形態である支持体50を、図10〜13は、第5実施形態である支持体60を、それぞれ示す図である。
【0017】
また、以下の実施形態では、被支持物として、チューブ状容器100を例示するが、本発明に係る支持体の被支持物はこれに限定されない。図1に示すように、チューブ状容器100は、内容物が充填されている容器本体101と、注出部と、注出部に着脱自在に取り付け可能なキャップ部102とから構成されており、容器本体101およびキャップ部102に沿った方向(長手方向)に細長く、前後対称、左右対称の形状を有している。容器本体101は、柔軟性のある円筒中空状に形成され、その一端部に注出部が形成され、他端部は熱溶着により偏平状に閉塞されている。キャップ部102は、容器本体101よりも直径が小さく、先端側に向かって縮径した略円柱形状を有する。なお、支持体10において、チューブ状容器100は、キャップ部102を鉛直下方に向け、長手方向が鉛直方向に沿うように支持されている。
【0018】
また、以下の実施形態では、支持体は、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させるものとして説明する。即ち、静置面200とは、支持体に支持されるチューブ状容器100が自立する面を意味する。静置面200としては、例えば、店頭で商品が並べられる一般的な商品棚やテーブル等の平坦な面が例示できる。或いは、緩やかな曲面や多少の凹凸がある面であってもよい。なお、支持体に支持されるチューブ状容器100は、静置面200に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
【0019】
なお、本明細書では、被支持物が貼着支持される台紙の面を前面と定義し、当該前面を基準として前方、後方の用語を用いる。また、支持体等の前後に略沿った方向である前後方向、鉛直方向に略沿った方向である上下方向、上下方向に略直交する方向である幅方向又は横方向等の用語を用いる。また、上下方向および前後方向に沿った長さを単に長さと称し、幅方向又は横方向に沿った長さを幅と称することがある。但し、これらの方向を示す用語は、支持体の構成を説明するために用いるものであって、支持体の構成要素と、方向との関係を限定するものではない。例えば、本発明に係る支持体は、台紙の後面が商品棚等の前方に向いて陳列されることがあってもよい。
【0020】
<第1実施形態>
図1〜図5を用いて、第1実施形態である支持体10について以下説明する。まず初めに、図1〜図3を用いて、支持体10の構成を説明する。
【0021】
図1および図2は、支持体10にチューブ状容器100が支持されて、支持体10によって静置面200上に自立している状態を示す図である。なお、同図に示す例では、チューブ状容器100が静置面200に接触しない状態で支持されている。
図1および図2に示すように、支持体10は、チューブ状容器100を支持して静置面200に自立させる機能を有し、チューブ状容器100を包装する熱収縮性フィルム11と、熱収縮性フィルム11が貼着された台紙12とから構成される。そして、台紙12は、前面19にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム11を貼着するための貼着部21を有する台紙本体13と、台紙本体13の前面19から前方に延びる脚部片14とで構成されている。
【0022】
なお、詳しくは後述するが、台紙12には、台紙本体13と脚部片14とを分離する2本の切断線15と、台紙本体13と脚部片14との境界位置を決める折り曲げ罫線16とが形成され、各線で囲まれた部分である脚部片14を折り曲げ罫線16で前方に折り曲げることで、図1および図2に示す被支持物の支持状態が得られる。ここで、支持状態とは、チューブ状容器100を支持して、静置面200上に自立させる状態を意味し、当該状態における支持体10の形態を支持形態又は自立形態と称する。
【0023】
熱収縮性フィルム11は、台紙本体13の貼着部21に貼着され、熱収縮により被支持物であるチューブ状容器100を包装する部材である。熱収縮性フィルム11は、上下両端が開口し、熱収縮前においてチューブ状容器100が挿入可能な筒状体として貼着部21に貼着されている。この熱収縮性フィルム11の筒状体は、チューブ状容器100と同等の長さを有し、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体に密着する。勿論、チューブ状容器100の先端および末端に折れ込む長さにしてもよい(図7参照)。また、熱収縮性フィルム11の筒状体には、その上下方向に沿って図1,2では図示しないセンターシール部17(図3参照)と、ミシン目線18とが設けられている。
【0024】
熱収縮性フィルム11は、例えば、フィルムの両端をテトラヒドロフラン(THF)等の有機溶剤を用いて接合(センターシール)して筒状にされる。このとき形成される接合部がセンターシール部17であり、チューブ状容器100の後方に位置する部分に、筒状体の上下方向に沿って形成される。また、筒状体は、熱収縮性フィルム11の主延伸方向が周方向となるように形成される。
【0025】
なお、ミシン目線18は、熱収縮性フィルム11を切断するための切断補助線であって、熱収縮性フィルム11からチューブ状容器100を取り出そうとするときに切断される。一般的に、ミシン目線18は、列状に並んだ複数の微小な貫通孔から構成されており、例えば、チューブ状容器100の前方に位置する部分に形成することができる。図1に示す例では、筒状体の上部を残して筒状体の上下方向に沿って形成されているが、筒状体の全長にわたって形成されていてもよい。また、ミシン目線18の形成位置は、商品デザイン等を阻害しないよう、チューブ状容器100の側方、後方に設けるのが好ましい。
【0026】
熱収縮性フィルム11を構成する樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系、ポリスチレン系(PS)、並びにポリ乳酸(PLA)、ポリアミド、およびポリ塩化ビニル等の樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのうち、適切な収縮応力と高い透明性を有することから、ポリエステル系、ポリオレフィン系、およびポリスチレン系のフィルムが好ましく、ポリエステル系フィルムが特に好ましい。また、これらの樹脂を2種以上混合した樹脂混合物を含むフィルムを用いることもできるし、2種以上のフィルムを積層した積層フィルムを用いることもできる。
【0027】
熱収縮性フィルム11は、優れた熱収縮特性を発現するために、少なくとも一方向に延伸された一軸延伸フィルムであって、筒状体の周方向に熱収縮するフィルムが好ましいが、筒状体の長さ方向にも熱収縮する二軸延伸フィルムであってもよい。熱収縮性フィルム11の熱収縮率としては、主延伸方向に対して、20〜80%(90℃の温水に10秒間浸漬)であることが好ましく、30〜80%であることが特に好ましい。
【0028】
熱収縮性フィルム11の厚みとしては、特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは15〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。また、熱収縮性フィルム11としては、チューブ状容器100に施された印刷が見えるように、無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、着色された樹脂フィルム、或いは商品名やデザイン等を表示するための印刷層が形成された樹脂フィルムを用いることもできる。
【0029】
台紙12は、上記のように、台紙本体13と、脚部片14とで構成されるシート状の部材であって、熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100を保持し、チューブ状容器100の自立を支持する部材である。図1に示す例では、2本の切断線15と折り曲げ罫線16とが台紙12に形成されることで、1つの台紙12から台紙本体13と脚部片14とが構成されている。なお、脚部片14を折り曲げ易くするために、台紙本体13と脚部片14との境界位置に形成される折り曲げ部としては、折り曲げ罫線16だけでなく、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。また、切断線15としては、台紙本体13と脚部片14とを容易に分離することができれば特に限定されず、例えば、切込み、ハーフカット線、ミシン目線等を用いることができる。
【0030】
台紙12を構成するシートの具体例としては、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム11と同様の樹脂等からなる樹脂製シートや紙材を主基材とするシートを用いることができる。一般的には、紙材を主基材とするシートが用いられる。紙材を主基材とするシートは、例えば、紙のみからなる厚紙や紙製シートに各種樹脂をコーティング又は樹脂製シートを張り合わせた合成紙等が挙げられる。なお、以下では、台紙12は、紙材を主基材とするシートから構成されるものとして説明する。
【0031】
台紙12の厚みとしては、脚部片14の剛性や加工性を考慮して設定されることが好ましく、少なくとも脚部片14がチューブ状容器100の重量等により途中で折れ曲がることなく、チューブ状容器100を十分に支持できる程度の厚みに設定される。台紙12の厚みは、それを構成するシートによっても多少異なるが、例えば、0.2〜2mm程度の厚みが好ましく、0.5〜1.5mm程度の厚みがより好ましい。
【0032】
台紙本体13は、互いに平行な前面19および後面20を有する平坦なシートである。台紙本体13は、チューブ状容器100が貼着される部分であると共に、支持体10の後脚として機能する部分でもあり、チューブ状容器100を貼着するための貼着部21と、チューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する下端部22とを有する。また、台紙本体13には、上端部近傍の幅方向の中央部に、吊り下げ孔23が設けられている。この吊り下げ孔23は、店頭で吊り下げ陳列されるときに、ハンガー棒等が通される貫通孔である。
【0033】
台紙本体13の形状としては、例えば、平面形状が略矩形形状であって、チューブ状容器100のサイズよりも大きな上下方向および幅方向の長さを有し、チューブ状容器100の後方を完全に覆う形状とすることができる。また、台紙本体13は、下部の幅方向の中央部に凹状部が形成されている。この凹状部は、脚部片14に対応するものであり、2本の切断線15および折り曲げ罫線16により形成されている。
【0034】
貼着部21は、台紙本体13の前面19の一部に設けられている。図1に示す例では、前面19の幅方向の中央部であって、折り曲げ罫線16よりやや上方から上下方向の中間位置まで、上下方向に細長い領域に設けられている。貼着部21は、上記のように、チューブ状容器100が包装された熱収縮性フィルム11を貼着する機能を有し、例えば、前面19の形成予定位置に接着剤を塗布する、或いは両面粘着テープ等を貼着することで形成される。なお、以下では、貼着部21は、接着剤の塗布により形成されるものとして説明する。
【0035】
貼着部21を形成する接着剤は、熱収縮性フィルム11との接着強度が強く、チューブ状容器100等の荷重に耐えて、流通・陳列過程における長時間の接着状態を維持できる接着剤であれば種々の接着剤を使用することができる。接着剤の例示としては、エラストマー系接着剤、熱可塑性樹脂系接着剤、およびホットメルト接着剤等が挙げられ、特に加熱塗工でき、常温で粘着性を有するホットメルト接着剤が好適である。なお、接着強度は、接着剤の種類だけでなく、接着剤の塗布面積や各種添加物等によっても調整することができ、被支持物の重量等に応じて適宜調整できる。
【0036】
下端部22は、被支持物の支持状態、即ち支持体10の支持形態で、台紙本体13の下端に位置する部分であって、前面19の貼着部21に貼着されたチューブ状容器100の後方に位置する静置面200に接触する部分である。台紙本体13の下部には、その幅方向の中央部に、脚部片14に対応する上記凹状部が形成されており、下端部22は、その凹状部の両側に分かれて存在する。また、凹状部の両側に位置する各下端部22は、互いに等しい幅を有すると共に、平坦な静置面200に隙間なく接触可能な凹凸のない平坦な形状(直線形状)を有している。なお、下端部22は、平坦な静置面200に対して、幅(W)×台紙本体13の厚み(T)に相当する接触面積を有し、W又はTを調整することで接触面積を適宜変更することができる。
【0037】
なお、図示しないが、台紙本体13の前面19および後面20には、一般的に、商品名(チューブ状容器100に充填された商品の名称)やデザイン、商品説明等を表示するための印刷が施される。
【0038】
脚部片14は、被支持物の支持状態で、台紙本体13の前面19から下向きに傾斜して前方に延び、静置面200に接触する部分であって、支持体10の前脚として機能する部分である。図1に示す例において、脚部片14は、その外郭平面形状が略正方形であるロの字状の片であって、根元部24と、先端部25と、チューブ状容器100のキャップ部102が挿入される挿入開口26と、挿入開口26の周縁部である開口周縁部27のうち、キャップ部102の後方に当接する後方当接部27bとを有する。
【0039】
また、脚部片14は、台紙本体13の下部において幅方向の中央部に設けられる。また、自立性や意匠性の観点から、台紙本体13および脚部片14の幅方向の中心は、概ね一致するように設計されることが好ましい。さらには、台紙本体13の貼着部21、吊り下げ孔23、脚部片14、および脚部片14の挿入開口26は、それぞれの幅方向の中心が、概ね一致するように設計されることが好ましいが、被支持物の支持位置により変更可能である。
【0040】
なお、以下では必要により、脚部片14の挿入開口26以外の部分を脚部と称して説明する。即ち、脚部が、根元部24、先端部25、および後方当接部27bを有すると言うことができる。
【0041】
根元部24は、被支持物の支持状態で、脚部片14の後方端に位置する部分であって、台紙本体13との接合部分である。即ち、根元部24は、脚部の付け根であり、台紙本体13の下端部22から所定長さ上方に設けられている。所定長さとしては、図1に示す例では、キャップ部102の長さよりもやや長めに設定することができる。当該所定長さ、即ち根元部24が設けられる上下方向に対する位置は、被支持物の種類等に応じて任意に設定できるが、ディスプレイ性や自立性の観点から、上下方向の中間位置よりも下方であることが好ましい。
【0042】
先端部25は、被支持物の支持状態で、脚部片14の前方端に位置する部分であって、静置面200に接触する部分である。即ち、先端部25は、脚部の先端であり、台紙本体13の下端部22よりも前方の静置面200に接触する。そして、図2に示すように、先端部25は、チューブ状容器100の重心P1に対応する静置面200上の位置P2よりも前方の静置面200に接触することが好ましい。即ち、脚部片14の根元部24から先端部25までの長さ(以下、単に長さとも称する)は、先端部25が重心対応位置P2よりも前方に延びるように設定されることが好ましい。
【0043】
ここで、チューブ状容器100の重心P1に対応する静置面200上の位置P2とは、重心P1から鉛直方向に下ろした線と静置面200とが交わる位置であり、以下、重心対応位置P2と称する。なお、重心P1の位置は、被支持物によって異なり、ゆえに、重心対応位置P2も被支持物によって異なるので、脚部片14の長さは、被支持物にとって適切な長さに適宜変更することが好ましい。
【0044】
挿入開口26は、被支持物の支持状態で、キャップ部102が挿入可能な大きさを有する、脚部片14を厚み方向に貫通した貫通孔である。より詳しくは、挿入開口26の幅は、例えば、キャップ部102の直径(D;キャップ部102の最大直径)よりもやや長目(同等以上)に設定される。また、挿入開口26の長さ(L)は、例えば、L≧D/cosθの式に基づいて設定することができる。ここで、θは、脚部片14と静置面200とのなす角度である。
【0045】
また、挿入開口26は、脚部片14の挿入開口26以外の部分である脚部が、キャップ部102を両側から挟んで前方に延びる形状となるように形成されることが好ましく、図1に示すように、脚部がキャップ部102の全周囲、即ちキャップ部102の両側および前後を囲む形状となるように形成されることがより好ましい。ゆえに、挿入開口26は、少なくとも脚部片14の幅方向の両側を残して幅方向の中央部に形成されることが好ましく、脚部片14の長さ方向(前後方向)および幅方向の中央部に形成されることがより好ましい。
【0046】
図1に示す例では、挿入開口26の形状は、略正方形であり、開口周縁部27がキャップ部102の全周囲を囲むように形成されているが、後述の各実施形態に示すように、種々の形状とすることができる。例えば、脚部片の形状がコの字となるように、脚部片の幅方向の一方端から切り込まれた挿入開口とすることもできる。この場合、脚部は、キャップ部102の片側で前方に延びる形状となる。
【0047】
後方当接部27bは、開口周縁部27のうち、被支持物の支持状態でキャップ部102の後方に当接する部分である。即ち、後方当接部27bは、キャップ部102の後方に位置する開口周縁部27(以下、後方縁部とする)の一部であって、より詳しくは、後方縁部の中央部およびその近傍に位置する。なお、支持体10において、後方縁部は、脚部片14の幅方向に沿って延びた直線形状を有し、略円柱形状のキャップ部102が略正方形状の挿入開口26の中心に挿入されている。
【0048】
図1に示す例では、開口周縁部27のうち後方縁部のみにキャップ部102に当接する後方当接部27bが存在するが、例えば、開口周縁部27において、キャップ部102の前方に位置する前方縁部、側方に位置する側方縁部に、キャップ部102と当接する当接部が存在するように、挿入開口26が形成されてもよい。なお、前方縁部に当接部が設けられる場合には、後方当接部27bと異なった有利な作用効果を支持体に提供する(後述の実施形態2参照)。
【0049】
ここで、図3を用いて、支持体10の構成をさらに説明する。
【0050】
図3は、支持体10の折り畳み形態を示す平面図である。折り畳み形態とは、脚部片14が前方に折り曲げられておらず、台紙本体13と脚部片14とが同一平面上に配置されて折り畳まれた形態を意味する。なお、図3において、熱収縮性フィルム11は、熱収縮前の状態であり、符号に( )を付して熱収縮後の状態と区別する。
【0051】
図3に示すように、熱収縮性フィルム(11)は、センターシール部17を有し、チューブ状容器100が挿入可能な筒状体として、台紙本体13の前面19に設けられた貼着部21に貼着されている。熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その直径がチューブ状容器100の最大直径よりも大きく、また、その長さがチューブ状容器100の長さとほぼ同じであり、熱収縮により先端および末端を除くチューブ状容器100の全体を覆う。また、チューブ状容器100は、キャップ部102の先端が静置面200に接触しない状態で支持されるから、熱収縮性フィルム(11)の筒状体は、その下端が台紙本体13の下端部22からやや上方の位置となるように、貼着部21に貼着されている。
【0052】
台紙12は、その平面形状が略矩形形状であって、長手方向の一方端の中央部のみが長手方向に沿って延出した形状を有している。なお、この延出部を含む一方端が、支持形態において支持体10の下端となり静置面200に接触する部分、即ち台紙本体13の下端部22および脚部片14の先端部25となる。より詳しくは、延出部の先端が先端部25に、延出部の両側部分が下端部22にそれぞれ対応する。
【0053】
台紙12には、延出部の側辺の延長線上に沿って、台紙12の上方に切り込まれた2本の切断線15と、2本の切断線15の上端をつなぎ、台紙12の幅方向に沿った折り曲げ罫線16とが形成されている。そして、台紙12において、延出部と、2本の切断線15および折り曲げ罫線16に囲まれた部分とを足した部分が脚部片14となり、脚部片14以外の部分が台紙本体13となる。即ち、台紙12には、台紙本体13の下端部22から上方に切り込まれ台紙本体13と脚部片14とを分離する2本の切断線15と、台紙本体13と脚部片14との境界位置に形成される折り曲げ罫線16とが形成されている。図1および図2に示す被支持物の支持形態は、この脚部片14を前方に折り曲げることで得られる。
【0054】
脚部片14は、台紙12の下端から延出する延出部の大きさ、切断線15の長さおよび形成位置等を調整することによって、その大きさや台紙本体13に対する位置を適宜変更できる。例えば、切断線15の長さを長くすれば、脚部片14の長さが長くなり、2本の切断線15の間隔を広くすれば、脚部片14の幅が長くなる。なお、脚部片14は、上記のように、その幅方向の中心が台紙本体13の幅方向の中心と一致することが好ましいから、2本の切断線15は、台紙12の側端部からの長さがそれぞれ等しい位置に形成されることが好ましい。
【0055】
次に、上記構成を備える支持体10の作用効果について説明する。
【0056】
図1および図2に示すように、支持体10は、熱収縮性フィルム11で包装されたチューブ状容器100を台紙本体13の貼着部21で貼着して支持する。そして、支持体10は、台紙本体13の下端部22がチューブ状容器100の後方の静置面200に、脚部片14の先端部25がチューブ状容器100の前方の静置面200にそれぞれ接触する。即ち、台紙本体13が支持体10の後脚、脚部片14が支持体10の前脚として、それぞれ機能し、チューブ状容器100が静置面200に接触していない形態であっても、その重量を分散して安定した自立状態を実現する。
【0057】
また、支持体10において、脚部片14の先端部25は、チューブ状容器100の重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触し、且つ台紙本体13の下端部22もチューブ状容器100の重心対応位置P2よりも後方の静置面200に接触する。さらに、先端部25および下端部22は、チューブ状容器100の前後において、チューブ状容器100の両側の静置面200に接触する。したがって、支持体10は、前後方向および横方向のいずれから力を受けても、その力を十分に受容することができ、支持体10の転倒を高度に防止することができる。
【0058】
また、脚部片14は、チューブ状容器100の後方に当接する後方当接部27bを有するので、支持体10を前傾させるような力が加わった場合であっても、脚部片14が上方に浮き上がって先端部25が静置面200から離れることを防止でき、特に前方への前傾や転倒をより高度に防止することができる。即ち、脚部片14は、被支持物であるチューブ状容器100によって下方に押さえ付けられている状態であり、脚部片14が上方に浮き上がろうとしても、後方当接部27bがチューブ状容器100のキャップ部102の後方にあたっているから、脚部片14は上方に向かって動くことができない。
【0059】
また、脚部片14は、台紙本体13の下部から下向きに傾斜して前方に延び、チューブ状容器100の前方を広く覆うことがないので、プラスチックケースを使用したブリスターパックと同様の優れたディスプレイ性を備える。
【0060】
次に、図4を用いて、支持体10の支持形態を作製する手順を説明する。
【0061】
図4は、折り畳み形態から支持形態を作製する過程を示す側面図である。図4(a)は、折り畳み形態を、図4(d)は、支持形態を、それぞれ示す図である。
まず初めに、図4(a)に示す折り畳み形態において、台紙本体13の貼着部21に貼着された熱収縮性フィルム(11)の筒状体の内部に、開放された上端又は下端からチューブ状容器100を挿入する。このとき、キャップ部102が脚部片14側となるようにチューブ状容器100を挿入し、図4(b)に示す状態の支持体10を得る。
【0062】
続いて、熱収縮性フィルム(11)を熱収縮させて、チューブ状容器100を包装する。図4(c)に示すように、熱収縮性フィルム11は、先端および末端を除く全体を覆ってチューブ状容器100に密着し、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11を介してチューブ状容器100が貼着された状態の支持体10が得られる。なお、熱収縮性フィルム11の熱収縮処理は、例えば、所定温度に設定された熱風トンネルを用いて行うことができる。
【0063】
最後に、脚部片14を折り曲げ罫線16で前方に折り曲げることによって、図4(d)に示す支持体10の支持形態が得られる。より詳しくは、脚部片14の挿入開口26をキャップ部102に通して、挿入開口26の後方縁部がキャップ部102に当接するまで折り曲げる。
【0064】
ここで、図5を用いて、支持体10の変形例である支持体10xについて、支持体10と異なる部分を説明する。
【0065】
図5は、支持体10xの折り畳み形態を示す平面図であって、図3に対応する図である。なお、図5では、支持体10と異なる構成要素の符号にxを付する。
図5に示すように、支持体10xにおいて、台紙12xは、その平面形状が矩形形状であって、幅方向の中央部のみが延出した延出部を有していない。一方、台紙12xに形成される2本の切断線15xは、いずれもL字状に切り込まれ、台紙12xの上下方向だけでなく幅方向に沿っても形成される。なお、切断線15xにおいて、台紙本体13の幅方向に沿った部分が下端部22と脚部片14xとの境界線となり、その部分の長さによって下端部22の幅が決定される。
【0066】
図5に示す例では、脚部片14xは、先端部25を含む先端側部分の幅が台紙本体13の幅と同一幅となった、先端側部分のみが幅広の形状を有している。このような構成とすれば、脚部片14xの静置面200に対する接触面積が増加するので、自立形態の安定性向上に寄与する。また、脚部片14xの面積を広くすることで、脚部片14xの前面を、商品名やデザイン等を表示するための印刷面として有効に利用することができる。
【0067】
なお、上記では、上下方向に沿って互いに平行な直線状の切断線15(図3参照)、およびL字状の切断線15x(図5参照)を例示したが、切断線は曲線状等であってもよく、また、2本の切断線の間隔が下方に向かって徐々に広がったハの字状等に形成されたものであってもよい。
【0068】
また、上記では、台紙本体13の前面19に熱収縮性フィルム11に包装されたチューブ状容器100を保持するために、貼着部21を例示したが、保持手段としてはこれに限定されず、例えば、台紙本体13に熱収縮性フィルム11を引っ掛ける切り込み部を形成してチューブ状容器100を保持することもできる。
【0069】
<第2実施形態>
図6および図7を用いて、第2実施形態である支持体30について以下説明する。なお、以下では、第1実施形態である支持体10の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0070】
図6は、支持体30の折り畳み状態を示す平面図、図7は、支持体30に、チューブ状容器100が支持されて、静置面200に自立展示されている状態を示す側面図であり、それぞれ、図3および図2に対応する図である。
図6および図7に示すように、支持体30は、支持体10と同様に、熱収縮性フィルム31と、台紙32とから構成され、台紙32は、台紙本体34と、脚部片35とで構成されている。
【0071】
図6に示すように、熱収縮性フィルム(31)は、センターシール部17に加えて、エンドシール部33を有する。エンドシール部33は、熱収縮性フィルム(31)の筒状体の上端開口を塞ぐための接合部であって、筒状体の幅方向に沿って上端に形成される。また、熱収縮性フィルム(31)の筒状体の長さは、支持体10の熱収縮性フィルム(11)よりも長く、その下端部分が台紙本体13の下端部22から延出するように貼着部36に貼着されている。
【0072】
台紙本体34は、貼着部36が設けられる部分に舌片37が設けられ、また、貼着部36が設けられる領域が上下方向に長くなった点で、支持体10の台紙本体13と異なる。舌片37は、台紙本体34の幅方向および上下方向の中央部に形成され、上下方向に沿って細長い形状を有する。舌片37は、例えば、その平面形状が矩形形状であって、台紙本体34とつながる下辺部に折り曲げ罫線が形成されて、当該下辺部で前方に折り曲げ可能な片である。なお、貼着部36は、舌片37の下辺部を越えた下部領域まで設けることができる。
【0073】
脚部片35は、挿入開口38の形状が、チューブ状容器100のキャップ部102の形状に対応した円弧部分を有する点で、支持体10の脚部片14と異なる。脚部片35は、脚部片14と同様に、キャップ部102の後方に当接する後方当接部39bを有するが、その形状がキャップ部102に沿った円弧形状であることを特徴とする。また、脚部片35は、キャップ部102の前方の一部にも当接する前方係合部39fを有する。
【0074】
図7に示すように、支持体30の支持形態は、支持体10の支持形態と同様に、脚部片35の先端部25と、台紙本体34の下端部22とが、それぞれ重心対応位置P2の前後に接触して、安定した自立状態を提供する点において共通する。
【0075】
一方、以下の点において、支持体30と支持体10とは相違する。まず、チューブ状容器100のキャップ部102が静置面200に接触した状態で支持されている。そして、熱収縮性フィルム31が、容器本体101の末端を覆い、静置面200に接触するキャップ部102の先端部の周縁に掛かって装着される。また、熱収縮性フィルム31の熱収縮により、舌片37が前方に引っ張られて前傾し、台紙本体34の全体が前傾することを防止している。即ち、舌片37は、熱収縮性フィルム31の熱収縮による支持体30の形状変化を防止して、安定な自立形態を維持する機能を有する。
【0076】
また、脚部片35の後方当接部39bは、キャップ部102の形状に沿って、その後方に隙間なく当接するから、脚部片35の浮き上がりを十分に抑制して前方への転倒防止に寄与する。さらに、脚部片35の前方係合部39fは、キャップ部102の前方に当接するから、脚部片35はキャップ部102から自然に外れることがなく、脚部片35の折り曲げ形状を維持することができる。
【0077】
<第3実施形態>
図8を用いて、第3実施形態である支持体40について以下説明する。
【0078】
図8は、支持体40の台紙41を示す斜視図であって、静置面200に自立させた状態を示す図である。
図8に示すように、支持体40において、台紙41は、台紙本体42と、脚部片14とから構成されている。なお、支持体40は、支持体10と同様に、熱収縮性フィルム11を備えることができるが、熱収縮性フィルム11を備えずに、台紙本体42の貼着部21に直接、被支持物を貼着して支持することもできる。
【0079】
台紙本体42は、後方に折れ曲がる後方脚部片43を有する点で、支持体10の台紙本体13と異なる。また、台紙本体42には、吊り下げ孔23が設けられていない。台紙本体42は、貼着部21が設けられる平坦な平坦部46と、後方脚部片43とを備え、後方脚部片43は、脚部片14の両側に設けられている。後方脚部片43は、台紙本体42の幅方向に沿って形成された折り曲げ罫線44で、折り曲げ罫線44の下方に位置する部分が後方に折り曲げられて形成されている。したがって、支持体40は、台紙本体42の下端部45が、貼着部21が設けられる平坦部46を延長したときに接触する静置面200の位置よりも後方の静置面200に接触する。
【0080】
また、台紙41は、折り畳み形態において、その平面形状が矩形形状であり、一部のみが延出した延出部を有さず、台紙本体42の下端部45と脚部片14の先端部25とが同一直線上に並んで配置されている点で、支持体10の台紙12と異なる。支持体40は、台紙本体42の下部に、後方に折り曲げられる後方脚部片43を備えるので、脚部片14が折り畳み形態で台紙41から延出していなくても、貼着部21が設けられる平坦部46を鉛直方向に沿って真直ぐ配置することが可能である。
【0081】
<第4実施形態>
図9を用いて、第4実施形態である支持体50について以下説明する。
【0082】
図9は、支持体50の台紙51および脚部台紙52を示す斜視図であって、静置面200に自立させた状態を示す図である。
図9に示すように、支持体50は、被支持物の貼着部21を有する台紙51と、脚部台紙52とから構成されている。なお、支持体50は、支持体10と同様に、熱収縮性フィルム11を備えることができるが、熱収縮性フィルム11を備えずに、台紙51の貼着部21に直接、被支持物を貼着して支持することもできる。
【0083】
台紙51は、脚部片14、および台紙本体13における脚部片14に対応する凹状部、吊り下げ孔23を有さない平坦なシートである点で、支持体10の台紙12および台紙本体13と異なる。そして、台紙51には、その前面53の下方に、脚部台紙52が接合されている。一方、台紙51の前面53には、台紙本体13と同様に、貼着部21が設けられており、被支持物を貼着することができる。
【0084】
脚部台紙52は、台紙51とは別の台紙であって、接合部54と、2本の脚部片55とを備えている。接合部54は、台紙51の前面53に接合される部分であり、且つ2本の脚部片55を連結する部分である。接合部54は、例えば、その後面に、貼着部21を構成する接着剤や粘着テープが設けられ、前面53の貼着部21よりやや下方に接合される。そして、接合部54の両側に脚部片55の根元部56が接続されている。
【0085】
2本の脚部片55は、途中においても互いに連結されておらず、それぞれ独立して前方に折り曲げることができ、根元部56には、台紙12と同様の折り曲げ罫線16を形成することができる。2本の脚部片55は、図示しない被支持物を両側から挟むように、被支持物の大きさに対応する間隔をあけてそれぞれ設けられている。図9に示す例では、2本の脚部片55の長さは、互いに等しく、先端部57が接触する静置面200の前後方向の位置も略同一であるが、一方の脚部片55を他方より長くすることも可能である。或いは、一方の脚部片55を備えず、被支持物の片側だけから延びる脚部片55を備えた構成とすることも可能である。
【0086】
<第5実施形態>
図10〜13を用いて、第5実施形態である支持体60について以下説明する。
【0087】
図10は、支持体60にチューブ状容器100が支持されて、支持体60によって静置面200上に自立している状態を示す図である。図11は、図10に示す支持体60の側面図であり、図12は、図10に示す支持体60の背面図である。なお、ここで示す例では、チューブ状容器100が静置面200に接触しない状態で支持されているが、チューブ状容器100は静置面200に接触していてもよい。
【0088】
図10に示すように、支持体60は、熱収縮性フィルム11と、台紙61とから構成される。台紙61は、その下部全体を折り曲げ罫線65で前方に折り曲げ、折り曲げた部分をその中途部から後方に折り返して脚部片63を形成する点で、支持体10の台紙12と異なる。具体的に、台紙61は、チューブ状容器100が貼着される部分である台紙本体上部62と、脚部片63と、支持体60の後脚として機能する部分である台紙本体下部64と、後面接合部79とから構成されている。なお、図10に示す例では、台紙本体上部62および脚部片63と、台紙本体下部64とが1枚の台紙から構成されているが、例えば、別の台紙を準備し、その別台紙を台紙本体上部62の後面67に接合することで、台紙本体下部64としてもよい。
【0089】
台紙本体上部62は、支持体10の台紙本体13と同様に、その平面形状が上下方向に長い矩形形状であり、前面66にチューブ状容器100を包装した熱収縮性フィルム11を貼着するための貼着部21を有する。また、台紙本体上部62と脚部片63との境界位置には、全幅にわたって幅方向に折り曲げ罫線65が形成されている。即ち、台紙本体上部62の下端からは、台紙本体上部62と同じ幅の脚部片63が前方に向かって延びている。
【0090】
脚部片63は、下端部80より所定長さ上方に位置する根元部68から下向きに傾斜して前方に延び、図11に示すように、先端部69が重心対応位置P2よりも前方の静置面200に接触する。そして、脚部片63は、台紙61の下部全体を前方に折り曲げて形成される表面部70と、折り曲げた台紙61を後方に折り返して形成され表面部70の裏側に重ね合わせられる裏面部71とから構成されている。即ち、脚部片63は、台紙を重ね合わせて、剛性を高めた積層構造を有する。
【0091】
また、脚部片63には、幅方向の中央部に、略正方形状の挿入開口72が形成されている。そして、挿入開口72の後方縁部には、キャップ部102の後方に当接して脚部片63の浮き上がりを防止するための後方当接部73が設けられている。また、挿入開口72の前方縁部にも、キャップ部102の前方に当接して挿入開口72からキャップ部102が抜けることを防止するための前方係合部74が設けられている。挿入開口72の形状はこの構成に限定されず、例えば、後方当接部を有さない形状、またはキャップ部の側方にも当接する当接部を有する形状等であってもよい。
【0092】
また、脚部片63は、途中で折れ曲がった形状を有し、具体的には、チューブ状容器100よりも前方に位置する先端部分が、挿入開口72の両側に形成される第1折り曲げ罫線75で下方に折り曲げられている。図10に示す例において、前方係合部74は、後方当接部73の方向に向かって湾曲し、両側の第1折り曲げ罫線75をつなぐように形成されている。脚部片63の先端部分が第1折り曲げ罫線75で下方に折り曲げられると、前方係合部74が脚部片63の先端部分の傾斜角度に沿って上方に延び、キャップ部102の前方に当接するようになる。
【0093】
表面部70は、上方に向いた面を有する部分であって、ここには、後方当接部73および前方係合部74を有するように挿入開口72が形成される。また、表面部70には、第1折り曲げ罫線75が形成されると共に、表面部70と裏面部71との境界位置に、第2折り曲げ罫線76が形成されている。なお、第2折り曲げ罫線76が形成される表面部70と裏面部71との境界位置が脚部片63の先端部69となる。
【0094】
裏面部71は、下方に向いた面を有し、表面部70の裏側に重ね合わされる部分であって、第2折り曲げ罫線76で台紙61を後方に折り返すことで形成される。なお、裏面部71は、表面部70の形状に適合した形状を有する。詳しくは後述するが(図13参照)、裏面部71には、表面部70と重ね合わされたときに、挿入開口72に対応する位置に開口82および台紙本体下部64が形成されている。また、裏面部71には、第1折り曲げ罫線75に対応する位置に第3折り曲げ罫線77が、折り曲げ罫線65に対応する位置に第4折り曲げ罫線78が、それぞれ形成されている。
【0095】
後面接合部79は、裏面部71の第4折り曲げ罫線78の形成位置から上方に向かって延出し、台紙本体上部62の後面67に回り込んで、後面67に接合される部分である。後面接合部79と後面67との間には、例えば、接着剤が塗布される、或いは両面粘着テープ等が貼着される。接着剤や両面粘着テープとしては、特に限定されず、例えば、貼着部21と同様の接着剤を用いることができる。この後面接合部79によって、支持体60の後脚として下方に延びる台紙本体下部64を安定化させることができる。
【0096】
なお、表面部70と裏面部71とは、適宜接着剤等で接合することができ、特に先端部分や挿入開口72の周辺部分は互いに接合されていることが好ましい。
【0097】
台紙本体下部64は、裏面部71に切断線81(図13参照)を切り込むことで形成され、図11に示すように、後面接合部79から下方に延びて重心対応位置P2よりも後方に位置する静置面200に接触する部分である。図12に示すように、台紙本体下部64は、被支持物の支持状態で静置面200に接触する下端部80が直線状に形成され、下方に向かって幅が広くなった台形形状を有している。また、台紙本体下部64と後面接合部79との間には、折り曲げ罫線は形成されない。なお、ここで例示する台紙本体下部64の形状は、幅方向の両側を除く部分に形成された幅広の台形形状であるが、例えば、幅方向の中央部のみに形成されるものであってもよく、切断線81の形成位置、長さ等を変更して任意に調整することができる。
【0098】
次に、図13を用いて、支持体60の構成をさらに説明する。
【0099】
図13は、図10に示す支持体60の台紙61の展開図であり、熱収縮性フィルム11を省略したものである。図13に示すように、台紙61は、展開形態の平面外郭形状が矩形形状であって、長手方向の上方から順に、折り曲げ罫線65、第1〜第4折り曲げ罫線75〜78が幅方向に沿って形成されている。なお、折り曲げ罫線65の形成位置が脚部片63の根元部68となり、第2折り曲げ罫線76の形成位置が脚部片63の先端部69となる。また、折り曲げ罫線65と第2折り曲げ罫線76との間が表面部70である。そして、第2折り曲げ罫線76よりも下方が裏面部71であり、裏面部71の一部に切断線81が切り込まれて台紙本体下部64が形成される。
【0100】
また、表面部70には、後方当接部73および前方係合部74を有するように形成された挿入開口72が設けられている。そして、裏面部71には、挿入開口72に対応するように、挿入開口72と同一幅の開口82が第2折り曲げ罫線76から台紙本体下部64の下端部80を形成する切断線81の形成位置にわたって設けられている。裏面部71において、切断線81に囲まれた台紙本体下部64の部分は、第4折り曲げ罫線78が折り曲げられる(図13の紙面の奥側に)ことで、開口82とつながった台形形状の開口となり、キャップ部102が脚部片63を挿通することが可能になる。
【0101】
なお、本発明に係る支持体は、上記第1〜第5実施形態を適宜組み合わせた形態とすることが可能である。例えば、第1実施形態の熱収縮性フィルム11の筒状体(図3等参照)を、第2実施形態(図6等参照)に適用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
10 支持体、11 熱収縮性フィルム、12 台紙、13 台紙本体、14 脚部片、15 切断線、16 折り曲げ罫線、17 センターシール部、18 ミシン目線、19 前面、20 後面、21 貼着部、22 下端部、23 吊り下げ孔、24 根元部、25 先端部、26 挿入開口、27 開口周縁部、27b 後方当接部、33 エンドシール部、37 舌片、39f 前方係合部、43 後方脚部片、44 本体折り曲げ罫線、46 平坦部、52 脚部台紙、54 接合部、62 台紙本体上部、64 台紙本体下部、70 表面部、71 裏面部、75 第1折り曲げ罫線、76 第2折り曲げ罫線、77 第3折り曲げ罫線、78 第4折り曲げ罫線、79 後面接合部、82 開口、100 チューブ状容器、101 容器本体、102 キャップ部、200 静置面、P1 重心、P2 重心対応位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に被支持物が保持される台紙を備え、
被支持物の支持状態で、台紙の下端部が被支持物の後方に位置する静置面に接触する支持体において、
被支持物の支持状態で、台紙の前面から下向きに傾斜して前方に延び、静置面に接触する脚部片を備えることを特徴とする支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の支持体において、
脚部片は、
台紙の下端部から所定長さ上方に設けられる根元部と、
被支持物の重心に対応する静置面上の位置よりも前方の静置面に接触する先端部と、
を有することを特徴とする支持体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支持体において、
脚部片は、
被支持物が挿入される挿入開口と、
挿入開口の周縁部であって、被支持物の後方に当接する後方当接部と、
を有することを特徴とする支持体。
【請求項4】
請求項3に記載の支持体において、
脚部片は、挿入開口の周縁部に、被支持物の前方に当接する前方係合部を有することを特徴とする支持体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の支持体において、
台紙の前面に固定され、熱収縮により被支持物を包装する熱収縮性フィルムを備え、
熱収縮性フィルムを介して、被支持物が台紙の前面に保持されることを特徴とする支持体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1に記載の支持体において、
台紙は、
前面に被支持物が保持される台紙本体と、脚部片とから構成され、
台紙本体の下端から上方に切り込まれ、台紙本体と脚部片とを分離する切断線と、
台紙本体と脚部片との境界位置に形成される折り曲げ部と、
を有し、被支持物を支持状態において、切断線と折り曲げ部とに囲まれた脚部片が折り曲げ部で前方に折り曲げられることを特徴とする支持体。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1に記載の支持体において、
台紙は、前面に被支持物が保持される台紙本体上部と、脚部片とを含み、
脚部片は、
台紙の下部全体を前方に折り曲げて形成される表面部と、
折り曲げた台紙を後方に折り返して形成され、当該表面部の裏側に重ね合わせられる裏面部と、
を有することを特徴とする支持体。
【請求項8】
請求項7に記載の支持体において、
脚部片の裏面部から延出して、台紙本体上部の後面に接合される接合部と、
裏面部に切断線を切り込むことで形成され、接合部から下方に延びて被支持物の後方に位置する静置面に接触する台紙本体下部と、
を備えることを特徴とする支持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−20762(P2012−20762A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159458(P2010−159458)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】