説明

支持取着具

【課題】同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能な支持取着具を提供する。
【解決手段】取着部5は、棒材に当接する当接部3と、棒材に対して当接部3と相反する方向から当接部3と共に棒材を挟持する挟持部4とを備え、当接部3と挟持部4とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成され、当接部3は、棒材に取着した状態で、棒材と支持具本体2との間に他の支持取着具10の挟持部4が入り込む空間を形成すべく支持具本体2から突出して形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の天井や壁から伸び出しているボルト材、より一般的には棒材に取着される取着部と、配線・配管材などの支持対象物を支持する支持部を有する支持具本体とを備えた支持取着具に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート建築物の裏天井には、ボルト材が下方に伸び出すように設けられ、このボルト材に配線・配管材が支持取着具で配置支持され、このボルト材の更に下方には、各部屋の本天井を形成する天井材が取り付けられるようになっている。
【0003】
このような二重天井内で用いられる支持取着具としては、特許文献1及び2に記載されたものがあり、図8(a)、(b)は、それらの本発明の支持取着具の背景技術を示す斜視図である。
【0004】
図8(a)の支持取着具20は、特許文献1に記載されたものであり、複数段の庇状で支持対象物である長尺材W5を受ける支持部11を備えた支持具本体12と、棒材であるボルト材B5に軸方向の位置固定可能に取り着けられる取着部15とを備え、上下に複数段で長尺材W5を支持することができる。
【0005】
しかし、この支持取着具20では、ボルト材B5の軸方向の同じ位置に更に支持取着具20を増設したい、という要請に応えることができなかった。
【0006】
図8(b)の支持取着具30、40は、特許文献2に記載されたものであり、それぞれ支持部21、31、支持具本体22、32、及び、取着部25、35を備え、左右一対でボルト材B6の軸方向の同じ位置に取り着けできるものである。
【0007】
しかし、これらの支持取着具30、40は、一方30と他方40とが異なるものであり、ボルト材B6の軸方向の同じ位置に支持取着具を増設しようとする場合は、別の種類のものを用意しなければならなかった。
【0008】
【特許文献1】特開2007−32656号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−5339号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能な支持取着具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の支持取着具は、支持対象物を支持する支持部を有する支持具本体と、棒材に取着可能な取着部とを備えた支持取着具であって、前記取着部は、前記棒材に当接する当接部と、前記棒材に対して前記当接部と相反する方向から該当接部と共に棒材を挟持する挟持部とを備え、
前記当接部と挟持部とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成され、前記当接部は、棒材に取着した状態で、棒材と前記支持具本体との間に他の支持取着具の挟持部が入り込む空間を形成すべく前記支持具本体から突出して形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の支持取着具は、請求項1に従属し、狭持部に対して、支持部に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の支持取着具は、請求項1または2に従属し、当接部と同じ側に同じだけ突出する補助当接部と、該当接部とを、挟持部を挟むように設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の支持取着具は、請求項1から3のいずれかに従属し、挟持部は、取着される棒材の軸方向に、少なくとも棒材の直径より大きい間隔で離間して一対設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の支持取着具は、請求項4に従属し、当接部は一対の挟持部の間に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の支持取着具は、請求項5に従属し、一対の挟持部に一方が取着する棒材に対して、開口する方向と、他方が開口する方向が相互に反対であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の支持取着具によれば、支持対象物を支持する支持部を有する支持具本体と、棒材に取着可能な取着部とを備えた支持取着具であって、前記取着部は、前記棒材に当接する当接部と、前記棒材に対して前記当接部と相反する方向から該当接部と共に棒材を挟持する挟持部とを備え、
前記当接部と挟持部とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成され、前記当接部は、棒材に取着した状態で、棒材と前記支持具本体との間に他の支持取着具の挟持部が入り込む空間を形成すべく前記支持具本体から突出して形成されているので、棒材に既に取着された支持取着具の挟持部用空間に、同じ支持取着具の挟持部が入り込むことができて、同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能となる。
【0017】
請求項2記載の支持取着具によれば、請求項1の効果に加え、狭持部に対して、支持部に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部を設けたので、支持部で受けた支持対象物の荷重をしっかりと負担することができる。
【0018】
請求項3記載の支持取着具によれば、請求項1または2の効果に加え、当接部と同じ側に同じだけ突出する補助当接部と、該当接部とを、挟持部を挟むように設けたので、支持部で受けた支持対象物の荷重をよりしっかりと負担することができる。
【0019】
請求項4記載の支持取着具によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加え、挟持部は、取着される棒材の軸方向に、少なくとも棒材の直径より大きい間隔で離間して一対設けられているので、棒材に対する支持取着具の取着方向の一致性を良くすることができる。
【0020】
請求項5記載の支持取着具によれば、請求項4の効果に加え、当接部は一対の挟持部の間に設けられているので、棒材にひとつだけ支持取着具を取り着けた場合でも、支持取着具が棒材に対してガタつくことがない。
【0021】
請求項6記載の支持取着具によれば、請求項4または5の効果に加え、一対の挟持部に一方が取着する棒材に対して、開口する方向と、他方が開口する方向が相互に反対であるので、支持取着具を棒材に対してひねり動作で取着でき、取着がしやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【実施形態1】
【0023】
図1は、本発明の支持取着具の一例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図、(f)は(e)のAA矢視断面図である。
【0024】
この支持取着具10は、二重天井内のボルト材のような棒材に配線・配管材のような支持対象物を配置・支持させるのに用いられるもので、支持対象物を支持する支持部1を有する支持具本体2と、棒材に取着可能な取着部5とを備えたものである。
【0025】
取着部5は、前記棒材に当接する当接部3と、前記棒材に対して当接部3と相反する方向から該当接部3と共に棒材を挟持する挟持部4とを備え、当接部3と挟持部4とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成されている。
【0026】
ここで、この支持取着具10では、この当接部3が、棒材に取着した状態で、棒材と支持具本体2との間に他の支持取着具10の挟持部4が入り込む空間(以下、「挟持部用空間H」という。)を形成すべく支持具本体2から突出して形成されていることを特徴とする。
【0027】
支持部1は、上向きのC字状の支持受け部1aと、この支持受け部1bの開口部分を、素材の弾性変形により開閉する支持フタ部1bとを備えている、これらの支持受け部1aと支持フタ部1bとの基部が支持具本体2に一体化され、結合されている。
【0028】
当接部3は、支持具本体2に対して支持部1とは反対側に設けられ、この支持取着具10を取り着けるべき棒材に接触するもので、上述の挟持部用空間Hを形成するように、この例では、ボルト材である棒材B(図3参照)側に支持具本体2から突出し、また、この棒材Bの外周面に対応した弧状凹面3aを備えている。
【0029】
なお、当接部3と支持具本体2とは、とにかく、挟持部用空間Hを形成するような組み合わせになっておればよく、当接部の棒材に当接する部分を支持具本体の棒材当接部分として、逆に挟持部の支持具本体側が、他の挟持部が入り込むように凹んでいるとするような構成であってもよい。
【0030】
また、当接部3を棒材Bから見た図1(c)から解るように、突起部分である当接部3の図1(c)の左上と右下部分は、弧状の面取り部3bとなっており、その分だけ挟持部用空間Hの面積が広くなっている。
【0031】
挟持部4は、当接部3に接触した状態の棒材Bを抱き抱えるような形状で支持具本体2から突出形成されている。この例では、当接部3が上下方向の真ん中に有り、挟持部4はこの当接部3を挟むように上下一対で設けられ、その開口端4aは、上下の挟持部4がそれぞれ相互に反対方向に開口するように設けられている。
【0032】
これら上下一対の挟持部間の間隔D(図1(f))は、取着される棒材Bの軸方向に、少なくとも棒材Bの直径より大きい間隔で離間している。このようにすると、後述もするように、棒材Bに対する支持取着具10の方向の一致性を良くすることができる。
【0033】
また、当接部3の弧状凹面3aの表面と挟持部4の内表面との間の間隔E(図1(e)参照)は、ここに取り着けられるべき棒材Bの外径より小さくなっており、その素材の弾性変形による弾性力によりしっかりと棒材Bを掴むことができる。
【0034】
また、この支持取着具10は、支持具本体2に対して当接部3と同じ側に同じだけ突出し、同じ弧状凹面6aを有した補助当接部6を備え、この補助当接部6と当接部3とを、下の挟持部4を挟むように設けた点も特徴とする。この作用効果についても後述するが、このようにすると、支持部1で受けた支持対象物の荷重をよりしっかりと負担することができる。
【0035】
更に、この支持取着具10は、図1(e)、(f)に明示するように、挟持部4の棒材Bに当接する内面に、この例ではボルト材である棒材Bのネジ谷部分にはまり込むような線条突起7を上下の挟持部4の当接部3側端部分に設けている。この線条突起7はボルト材である棒材Bのネジ谷部分にはまり込んで、支持取着具10が棒材Bの軸方向に移動しないようにしっかり位置決めするものである。
【0036】
なお、支持取着具10の素材は、成形性が良く、強度のある合成樹脂が良く、具体的には、ポリアセタールが良いが、これに限定されない。
【0037】
図2は、本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図である。これより既に説明した部分と同じ部分には同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0038】
この支持取着具10Aは、図1の支持取着具10に比べ、支持部1Aが、より小さい支持対象物を支持するためのより小型の支持受け部1cと支持フタ部1dとを備えている点が異なっているが、他の部分は共通する。
【0039】
図3(a)〜(d)は、図1の支持取着具の使用方法を順に示す斜視図、(e)は(d)のB矢視図、(f)は(d)の当接部横断面図である。
【0040】
まず、本発明の支持取着具10をボルト材である棒材Bに当接部3を接触させ、挟持部4の開口端4aの当接部3側端がそれぞれ接触するような状態、図3(a)に示すように、棒材Bに対して傾けた状態で接触させる。
【0041】
この状態で図3(a)で矢印Fで示した方向に力を加えると、支持取着具10の上下の挟持部4は素材の弾性により弾性変形して、それぞれの内側に棒材Bを収容して、当接部3と協働し、支持取着具10は、図3(b)に示すように棒材Bにしっかりと位置決め固定される。
【0042】
この状態で、挟持部4は、当接部3を挟んで、棒材Bの外径より大きい間隔Dで設けられているので、支持取着具10の棒材への取り着け方向と、棒材Bの軸方向とを良く一致させることができる。
【0043】
また、補助当接部6が支持部1で支持される支持対象物(この場合は、配線・配管材)Wの荷重を負担することができ、支持対象物Wの荷重負担をよりしっかりすることができ、また、支持対象物Wによる支持取着具10の傾きあるいは倒れをより小さくすることができる。
【0044】
また、仮に補助当接部6が無かったとしても、真ん中の当接部3に対して、上下一対の挟持部4で棒材Bを抱き込んでいるので、このように棒材Bに一つだけ、支持取着具10を取り着けた場合でも、支持取着具10が棒材Bに対してガタつくようなことがなく、しっかり取り着けられる。
【0045】
ここで、この支持取着具10は、当接部3が挟持部用空間Hを形成するように突出しているので、図3(c)に示すように、同じ支持取着具10を、棒材Bに対して、すでに取着された支持取着具10と反対側から反対方向に傾けるようにして接触させ、先の方向Fとは逆方向F′ねじ込むようにすると、図3(d)に示すように、棒材Bに対して軸方向の同じ位置に対向するように取り着けることができる。
【0046】
図3(e)を見ると、それぞれ相手方の挟持部用空間Hに挟持部4が嵌まり込んでいるのが解る。つまり、挟持部用空間Hを形成する当接部3とここに入り込む挟持部4との組み合わせで、この支持取着具10は、棒材Bに対して同じ軸方向位置に一対で取り着け可能なのである。
【0047】
図3(f)を見ると、左右の支持取着具の当接部3が棒材Bにしっかりと接触しており、支持部1への荷重を棒材Bに当接することで、負担していることが解る。
【0048】
こうして、この支持取着具10によれば、同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能となる。
【0049】
図4(a)、(b)は、図1、2の支持取着具を組み合わせた使用方法を示す斜視図、(c)は図1の支持取着具の他の使用方法を示す斜視図である。
【0050】
本発明の支持取着具10、10Aは、図4(a)、(b)に示すように、取着部5を共通のものとすれば、支持部1、1Aが異なるものであっても、同じ棒材Bの軸方向の同じ位置に取り着けることができる。
【0051】
また、本発明の支持取着具10は、図4(c)に示すように、支持部1が荷重を下方向に受けるようにと、荷重を上方向に受けるようにとに棒材Bの軸方向の同じ位置に取り着けることもできる。
【0052】
通常、このような取り着け方はしないが、一方側の支持対象物の荷重方向が異なる場合にも、本発明の支持取着具は、棒材に対して同じ軸方向位置で取り着け可能なものである。
【0053】
また、この支持取着具10のように、当接部3を真ん中に挟むように、上下の挟持部4で挟むように、また、上下の挟持部4の開口方向を棒材Bに対向する方向とする、棒材へのひねりで取着できるので、取り着けが為やすい。
【0054】
加えて、このひねり取り着けの際、当接部3には、面取り部3bが設けられているので、二つ目の支持取着具10の取り着けの際に、当接部3の角部分が取り着けの障害となることがない。
【実施形態2】
【0055】
図5は、本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図である。
【0056】
この支持取着具10Bは、図1の支持取着具10に比べ、取着部5Aの挟持部4が上方しかなく、下方には挟持部4がなく、その分、当接部3Aが長くなっている点が異なっている。この当接部3Aは、上の挟持部4と協働して、支持部1に作用する支持対象物の荷重を負担するものである。
【0057】
つまり、この支持取着具10Bは、狭持部4に対して、支持部1に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部3Aを設けたものであり、このような構成であっても、図1の支持取着具10と同様に棒材Bの軸方向の位置に、左右一対で同じものを位置決め固定することができる。
【0058】
また、この支持取着具10Bでは、当接部3Aがより長いので、支持部1への支持対象物の荷重をより良く負担することができる。
【0059】
この当接部3Aの長さは、この例のように長くしなくともよく、図1の支持取着具10と同じ程度の長さであってもよく、また、その際、上の挟持部4との間に、もともとの当接部3Aの有った部分に挟持部用空間が出来るように離間させて設けるようにしてもよく、いずれの場合でも、支持部1への支持対象物の重量をしっかり受け止めることができる。
【実施形態3】
【0060】
図6は、本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図である。
【0061】
この支持取着具10Cは、図1の支持取着具10に比べ、取着部5Bの挟持部4Aが上方しかないが、その長さが下方の挟持部4分をつなげた長さとなっており、当接部3は、その分、より下方に設けられている点が異なっている。
【0062】
この支持取着部10Cにおいても、当接部3は、上の挟持部4と協働して、支持部1に作用する支持対象物の荷重を負担するものである。
【0063】
つまり、この支持取着具10Cも、狭持部4に対して、支持部1に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部3を設けたものであり、このような構成であっても、図1の支持取着具10と同様に棒材Bの軸方向の位置に、左右一対で同じものを位置決め固定することができる。
【0064】
加えて、挟持部4の長さが、図1の支持取着具10と上下の挟持部4を加えた長さと同様な長さであるので、棒材Bを長い長さで抱き込み、しっかりと位置決め固定することができる。
【実施形態4】
【0065】
図7は、本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図である。
【0066】
この支持取着具10Dは、図1の支持取着具10に比べ、取着部5Cの挟持部4Bが当接部の位置、つまり、上下方向の真ん中に有り、その両側に挟持部4Bを挟むように当接部3Bが、設けられている点が異なっている。
【0067】
この支持取着部10Dにおいても、下の当接部3Bは、真ん中の挟持部4Bと協働して、支持部1に作用する支持対象物の荷重を負担するものである。
【0068】
つまり、この支持取着具10Dも、狭持部4に対して、支持部1に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部3を設けたものであり、このような構成であっても、図1の支持取着具10と同様に棒材Bの軸方向の位置に、左右一対で同じものを位置決め固定することができる。
【0069】
加えて、当接部3Bは上下に離間した状態で棒材Bに接触し、中央の挟持部4Bと協働して、棒材Bを挟み込み、位置決め固定するので、棒材Bの軸方向と支持取着具10Dとの取り着け方向をより良く一致させることができる。
【0070】
なお、上述した実施形態1〜4は、いずれも、以下の点で共通している。
1)支持対象物を支持する支持部を有する支持具本体と、棒材に取着可能な取着部とを備えた支持取着具である。
【0071】
2)前記取着部は、前記棒材に当接する当接部と、前記棒材に対して前記当接部と相反する方向から該当接部と共に棒材を挟持する挟持部とを備えている。
【0072】
3)前記当接部と挟持部とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成されている。
【0073】
4)前記当接部は、棒材に取着した状態で、棒材と前記支持具本体との間に他の支持取着具の挟持部が入り込む空間を形成すべく前記支持具本体から突出して形成されている。
そして、このような構成により、この支持取着具は、同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能なものである。
【0074】
なお、本発明の支持取着具の取着対象の棒材は、例示したボルト材に限定されず、異形棒鋼や、角棒鋼、丸棒鋼なども含まれるものである。また、支持対象物には、例示した配線・配管材に限定されず、それ以外の長尺材や、長尺でない物で懸架、保持、把持の必要な物も含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の支持取着具は、同じものでありながら、棒材の軸方向の同じ位置に増設可能なことが要請される産業上の分野に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の支持取着具の一例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図、(f)は(e)のAA矢視断面図
【図2】本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図
【図3】(a)〜(d)は、図1の支持取着具の使用方法を順に示す斜視図、(e)は(d)のB矢視図、(f)は(d)の当接部横断面図
【図4】(a)、(b)は、図1、2の支持取着具を組み合わせた使用方法を示す斜視図、(c)は図1の支持取着具の他の使用方法を示す斜視図
【図5】本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図
【図6】本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図
【図7】本発明の支持取着具の他例を示すもので、(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図、(d)はその裏面図、(e)は(a)の挟持部拡大図
【図8】(a)、(b)は、本発明の支持取着具の背景技術を例示する斜視図
【符号の説明】
【0077】
1、1A 支持部
1a、1c 支持受け部
1b、1d 支持フタ部
2 支持具本体
3〜3B 当接部
3a 弧状凹面
4〜4B 挟持部
4a 開口端
5〜5C 取着部
6 補助当接部
10〜10D 支持取着具
B 棒材
D 挟持部間の間隔
H 挟持部用空間
W 支持対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物を支持する支持部を有する支持具本体と、棒材に取着可能な取着部とを備えた支持取着具であって、
前記取着部は、前記棒材に当接する当接部と、前記棒材に対して前記当接部と相反する方向から該当接部と共に棒材を挟持する挟持部とを備え、
前記当接部と挟持部とは、取着される棒材の軸方向において異なる位置に配置されるように形成され、
前記当接部は、棒材に取着した状態で、棒材と前記支持具本体との間に他の支持取着具の挟持部が入り込む空間を形成すべく前記支持具本体から突出して形成されていることを特徴とする支持取着具。
【請求項2】
狭持部に対して、支持部に支持対象物を支持した際に、その支持対象物の重量が作用する側に、当接部を設けたことを特徴とする請求項1記載の支持取着具。
【請求項3】
当接部と同じ側に同じだけ突出する補助当接部と、該当接部とを、挟持部を挟むように設けたことを特徴とする請求項1または2記載の支持取着具。
【請求項4】
挟持部は、取着される棒材の軸方向に、少なくとも棒材の直径より大きい間隔で離間して一対設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の支持取着具。
【請求項5】
当接部は一対の挟持部の間に設けられていることを特徴とする請求項4記載の支持取着具。
【請求項6】
一対の挟持部に一方が取着する棒材に対して、開口する方向と、他方が開口する方向が相互に反対であることを特徴とする請求項4または5記載の支持取着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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