説明

改善されたウレアーゼ阻害作用を有する製剤及びこれらの製剤を含有する尿素含有肥料

本発明は、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有し、改善されたウレアーゼ阻害作用を有する製剤、並びにこれらの製剤を含む尿素含有肥料に関する。さらに、本発明は、これらの製剤の製造方法、尿素含有肥料の施肥の際のこれらの製剤の使用並びに農業又は園芸におけるこれらの製剤を含む尿素含有肥料の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有し、改善されたウレアーゼ阻害作用を有する製剤、並びにこれらの製剤を含む尿素含有肥料に関する。さらに、本発明は、これらの製剤の製造方法、尿素含有肥料の施肥の際のこれらの製剤の使用並びに農業又は園芸におけるこれらの製剤を含む尿素含有肥料の使用に関する。
【0002】
世界的に、施肥に使用される窒素の大部分が、尿素もしくは尿素含有肥料の形で使用され、さらにその量は増えている。しかしながら、尿素自体は、吸収されないか又は殆ど吸収されない窒素形態である、それというのも、尿素は土壌中に遍在している酵素ウレアーゼによって相対的に迅速にアンモニア及び二酸化炭素に加水分解されるからである(Mobley, H.L.T., Island, M.D., Hausinger, R.P. (1995) Molecular biology of microbial ureases, Microbiol. Rev. 59, 452-480)。その際に、状況によっては気体アンモニアは大気中へ放出され、これはついで土壌中で植物のためにもはや利用可能でなく、それによって施肥の有効性は低下される。
【0003】
尿素含有肥料の使用の際に、尿素含有肥料を、尿素の酵素的開裂を低下させることができるか又は阻害することができる物質と共に適用することによって、窒素利用を改善できることは知られている(Kiss, S., Simihaian, M. (2002) Improving Efficiency of Urea Fertilizers by Inhibition of Soil Urease Activity, ISBN 1-4020-0493-1, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, The Netherlands)。最も効く公知のウレアーゼ阻害剤には、N−アルキルチオリン酸トリアミド及びN−アルキルリン酸トリアミドが属し、これらは例えば欧州特許(EP)第0 119 487号明細書に記載されている。これらのウレアーゼ阻害剤の大規模な使用は、それらの相対的に高い製造コストによってもしくは必要とされる施用量が高すぎたことによって、これまで妨げられていた。
【0004】
本発明の課題は、尿素又は尿素含有肥料の施肥の際にウレアーゼ阻害剤を使用する際の窒素利用を改善することにあった。さらなる課題は、ウレアーゼ阻害剤の必要とされる施用量を低下させることにあった。
【0005】
意外なことに、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する製剤の使用の際に、尿素又は尿素含有肥料の適用後の気体アンモニア損失が、同じ量の個々の(チオ)リン酸トリアミドの適用の場合よりも、より著しく縮小されることができることが目下見出された。前記課題はそれに応じて、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有し、改善されたウレアーゼ阻害作用を有する製剤によって解決される。
【0006】
それゆえ、本発明の対象は、一般式(I)
12N−P(X)(NH22 (I)
[式中、
Xは、酸素又は硫黄を表し、
1は、C1〜C10−アルキル基、C3〜C10−シクロアルキル基、C6〜C10−アリール基又はジアルキルアミノカルボニル基を表し、かつ
2は、水素を表すか、又は
1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって5又は6員の飽和又は不飽和のヘテロ環式基を形成し、前記ヘテロ環式基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される場合によりさらに1又は2個の別のヘテロ原子を有していてよい]で示される構造を有し、基R1又はR2の1つが少なくとも相違する、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する製剤である。
【0007】
アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル及びイソデシルである。シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロオクチルであり、アリール基は、例えば、フェニル又はナフチルである。ヘテロ環式基R12N−の例は、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基又はイミダゾリル基である。
【0008】
そのような化合物は、例えば欧州特許(EP)第0 119 487号明細書、国際公開(WO)第00/58317号及び欧州特許(EP)第1 183 220号明細書から、ウレアーゼ阻害剤として知られている。
【0009】
N−アルキルチオリン酸トリアミド(ここでX=S及びR2=H)及びN−アルキルリン酸トリアミド(ここでX=O及びR2=H)が特に好ましい。
【0010】
そのようなウレアーゼ阻害剤の製造は、例えば、知られた方法に従って、塩化チオホスホリル、第一級アミン又は第二級アミン及びアンモニアから行われることができ、これらは例えば米国特許(US)第5,770,771号明細書に記載されている。この場合に、第一工程において塩化チオホスホリルを、第一級アミン又は第二級アミン1当量と塩基の存在で反応させ、生成物を引き続き過剰量のアンモニアと、反応させて最終生成物に変換する。
【0011】
本発明による製剤は、基R1又はR2の少なくとも1つが相違していなければならない一般式(I)の少なくとも2つの異なる誘導体を含有する。例えば、本発明による製剤は、作用物質であるN−n−ブチルチオリン酸トリアミド(NBTPT)及びN−n−プロピルチオリン酸トリアミド(NPTPT)を含有する。各々の個々の作用物質は、その際に、全作用物質量を基準として、少なくとも0.01質量%及び多くとも99.99質量%で、前記製剤中に含まれている。好ましくは、個々の作用物質は20〜40質量%もしくは60〜80質量%の量で含まれている。
【0012】
N−n−ブチルチオリン酸トリアミド(NBTPT)を作用物質の1つとして含有する製剤が好ましい。別の作用物質の少なくとも1つは、好ましくは、N−シクロヘキシルリン酸トリアミド、N−ペンチルリン酸トリアミド、N−イソブチルリン酸トリアミド及びN−プロピルリン酸トリアミド及びN−シクロヘキシルチオリン酸トリアミド、N−ペンチルチオリン酸トリアミド、N−イソブチルチオリン酸トリアミド及びN−プロピルチオリン酸トリアミドからなる群から選択される誘導体である。全作用物質量をその都度基準として、40〜95質量%、極めて特に好ましくは60〜80質量%の量でNBTPTを含有する製剤が特に好ましい。
【0013】
チオリン酸トリアミドは周知のように、相応するリン酸トリアミドに相対的に容易に加水分解される。水分は通例、完全に排除されることができないので、チオリン酸トリアミド及び相応するリン酸トリアミドは、しばしば相互の混合物で存在する。"(チオ)リン酸トリアミド"という概念は、故に本明細書において、純粋なチオリン酸トリアミドもしくはリン酸トリアミドだけでなく、それらの混合物も意味する。
【0014】
本発明による製剤は、純粋な作用物質混合物からなっていてよく、又は液体又は固体の配合物の形で存在していてもよい。液体配合物は、作用物質混合物に加えてさらに溶剤、例えば水、アルコール、グリコール又はアミン並びにそれらの混合物を約1〜約80質量%の量で含有していてよい。(チオ)リン酸トリアミドの適した液体配合物の例は、国際公開(WO)第97/22568号に見出され、これに関連して全面的に取り入れられる。固体配合物は、作用物質混合物に加えて、さらに添加剤、例えば充填剤、結合剤又は造粒助剤、例えば石灰、セッコウ、二酸化ケイ素又はカオリナイトを、約1〜約95質量%の量で含有していてよい。本発明による製剤は、作用物質混合物に加えて、溶剤又は溶剤混合物及び添加剤も同時に含んでいてよく、並びに懸濁液として存在していてよい。
【0015】
少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する本発明による製剤の製造は、例えば、2つ又はそれ以上の別個に合成された個々の作用物質を混合することによって、行われることができる。他の可能性は、前記の合成の第一工程において少なくとも2つの第一級アミン及び/又は第二級アミンの混合物を使用して、アンモニアとの反応後に、第二工程において生成物として少なくとも2つの(チオ)リン酸トリアミドの混合物を直接得ることにある。それゆえ、本発明のさらなる対象は、少なくとも2つの別個に合成された(チオ)リン酸トリアミドの混合によるか又は塩化チオホスホリルと少なくとも2つの異なる第一級アミン及び/又は第二級アミンの混合物と及び引き続きアンモニアとの反応による、改善されたウレアーゼ阻害作用を有する製剤の製造方法であり、それによって本発明による組成を有する生成物が直接得られる。こうして、例えば2つの第一級アミン、例えばn−ブチルアミン及びn−プロピルアミンの混合物と塩化チオホスホリルとの反応及び引き続きアンモニアとの反応によってNBTPT及びNPTPTの混合物が直接得られることができる。双方の生成物の生じる量比はその際に、双方のアミンの反応速度が匹敵しうる場合には、使用されるアミンの各々の量比に通例対応する。
【0016】
本発明のさらなる対象は、一般式(I)による構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する本発明による製剤を含む尿素含有肥料である。
【0017】
尿素含有肥料は、とにかくまず尿素自体であると理解されるべきである。これは、市場で通常の肥料品質において少なくとも90%の純度を有し、かつ例えば結晶形で、造粒されて、圧縮されて、小球にされて又は粉砕されて、存在していてよい。それに加えて、尿素と、1つ又はそれ以上の別の窒素肥料、例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、シアナミド、ジシアンジアミド又は硝酸カルシウムとの混合物並びに緩効性肥料、例えば尿素−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−アセトアルデヒド縮合物又は尿素−グリオキサール縮合物も含まれているべきである。さらに、窒素に加えてさらに少なくとも1つの別の栄養素、例えばリン、カリウム、マグネシウム、カルシウム又は硫黄を含有する尿素含有の配合肥料(Mehrnaehrstoffduenger)も含まれている。それに加えて、微量元素であるホウ素、鉄、銅、亜鉛、マンガン又はモリブデンも含まれていてよい。そのような尿素含有の配合肥料は同様に、造粒されて、圧縮されて、小球にされて、粉砕されて又は結晶混合物として、存在していてよい。そのうえ、液体の尿素含有肥料も、例えば硝酸アンモニウム−尿素溶液又はまた水肥も含まれている。尿素含有肥料は、そのうえさらに1つ又はそれ以上の別の作用物質、例えば硝化阻害剤、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、成長調節剤、ホルモン、フェロモン又は他の植物保護剤又は土壌助剤を、0.01〜20質量%の量で含有していてよい。
【0018】
本発明による肥料は、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを別個に又は少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有している製剤を、液体の形又はまた固体の形で尿素含有肥料と混合するか又はこれらの尿素含有肥料中へ、相応する肥料混合物もしくは泥状物(Maische)又は溶融物に添加されることによって造粒して、圧縮して又は小球にして導入することによって得ることができる。それに加えて、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミド又は少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する製剤はしかしまた、既に完成した尿素含有肥料のグラニュール、圧縮物又は小球の表面上に、例えば噴霧、粉付け又は含浸によって施与されることもできる。これは、別の助剤、例えば接着促進剤(Haftungsvermittlern)又は被覆材料の使用下にも行われることができる。この施与の実施のために適した装置は、例えば円板(Teller)、トロンメル、ミキサー又は流動床装置であり、しかしまた施与は、コンベヤーベルトもしくはそれらの投下位置で又は固体の空気コンベヤーを用いて行われることもできる。
【0019】
本発明による肥料中に含まれている(チオ)リン酸トリアミドの全量は、含まれている尿素をその都度基準として、通例、0.001〜0.5質量%、好ましくは0.01〜0.3質量%、特に好ましくは0.02〜0.2質量%の範囲内である。
【0020】
本発明のさらなる対象は、尿素含有肥料の施肥の際の、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有するこれらの製剤の使用である。この使用は、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する前記の尿素含有肥料の使用によってだけでなく、相応する尿素含有肥料の適用の前又は後に農業的に又は園芸的に利用される平地上への本発明による製剤の別個の適用によっても行われることができる。そのうえ、本発明による製剤は、水肥用の添加剤として又は例えばにおい低下のための例えば動物ケージ(Tierstaellen)又は柵の処理のためにも使用されることができる。
【0021】
本発明のさらなる対象は、農業又は園芸における、一般式(I)による構造を有する少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する製剤を含む尿素含有肥料の使用である。
【0022】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものである。
【実施例】
【0023】
個々に及び組合せでの(チオ)リン酸トリアミドの有効性を、Fenn & Kissel ((1973) Ammonia volatilization from surface applications of ammonium compounds on calcareous soils. Soil Sci. Soc. Am. J. 37, 855-859)の方法に従って、尿素又は尿素含有肥料からのアンモニア揮発損失の縮小へのそれらの影響について試験した。尿素の施肥後のアンモニア揮発損失が特に際立っている3つの異なる土壌を使用した。これらの土壌は、>6.5の相対的に高いpH値及び/又は低い塩基緩衝作用によって特徴付けられている。低い塩基緩衝作用によって、生じるアンモニアにより、水酸化アンモニウム形成との平衡で尿素粒状物の周囲で土壌溶液のpH値が上昇し、このことはその側でNH3 + H2O ←→ NH4+ + OH-間の平衡を気体アンモニアの形成(Gunsten)にシフトさせる。インキュベーション容器あたり、乾燥土壌200gを、完全脱塩水5.4mlで湿潤させ、尿素1.087g(尿素態N 500mgに相当)を粒状物として適用した。尿素含有溶液を試験する場合には、土壌200gを、ウレアーゼ阻害剤もしくはこれらの組合せを有するか又は有しない、尿素1.630g(尿素態N 750mgに相当)を含有する尿素含有水溶液で湿らせた。この溶液を、ピペットを用いて一滴ずつ土壌表面上に分配して適用した。異なる割合での個々の物質として又は組合せでの(チオ)リン酸トリアミドの量は、尿素を基準として、常に均一に0.125%(w/w)であった。インキュベーションを、20℃(18〜22℃)で恒温恒湿室中で行った。酸トラップ中に捕集されたアンモニアを、Continuous Flow Analyzer(Bran + Luebbe社)を用いて当業者に公知の方法に従ってアンモニウムとして定量した。
【0024】
土壌特性:
【表1】

【0025】
結果:
第1〜4表には、個々に及びNBTPTとのその都度組合せで(チオ)リン酸トリアミドを添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後のNH3損失が示されている。NBTPTの作用は、NBTPTの20〜40質量割合が、NcHTPT、NPenTPT、NiBTPT又はNPTPTによって置き換えられる場合に明らかに改善されることが分かる。
【0026】
第4、9及び10表は、3つの異なる土壌への作用物質組合せNBTPT及びNPTPTを用いる類似した調査についての結果を示している。本発明による組合せの改善された作用は、3つ全ての土壌について明らかになる。
【0027】
第5〜8表は、尿素溶液を用いる類似の調査の結果を表している。ウレアーゼ阻害剤を用いないアンモニア損失の水準が、粒状尿素の場合よりも低く、かつ試験系列に応じて尿素として施肥された窒素量の11〜28%弱に相当するのに対して、粒状尿素の場合にそれらのアンモニア損失が約39%であったことが分かる。このことはそれゆえ、尿素溶液が土壌中へ浸透しており、かつそこで負に帯電した土壌成分が、アンモニウムイオンをますます平衡NH3←→NH4+から取り除いたことが説明されうる。アンモニア損失の大きさを決定する別の因子は、空気移動である。また、これは土壌表面よりも土壌中でより少ない。
【0028】
相互の(チオ)リン酸トリアミドの作用パターン及び溶液からもアンモニア損失を縮小する特別な有効性は、NBTPT量の20〜40質量%がNPenTPT、NiBTPT又はNPTPTによって置き換えられる場合に、ここでも識別されることができた。
【0029】
第11及び12表は、NBTPT及びN,N−ジ−n−ブチル−チオリン酸トリアミド(第11表)もしくはNBTPT及びN,N−ジ−イソブチル−チオリン酸トリアミド(第12表)の本発明によらない作用物質組合せ物を有する比較試験の結果を示している。これらの混合物の場合に作用改善は生じない。
【0030】
第1表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN−シクロヘキシルチオリン酸トリアミド(NcHTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表2】

【0031】
第2表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN−ペンチルチオリン酸トリアミド(NPenTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表3】

【0032】
第3表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN−イソブチルチオリン酸トリアミド(NiBTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表4】

【0033】
第4表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN−プロピルチオリン酸トリアミド(NPTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表5】

【0034】
第5表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNcHTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表6】

【0035】
第6表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNPenTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表7】

【0036】
第7表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNiBTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表8】

【0037】
第8表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNPTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表9】

【0038】
第9表:
ハノーファーの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNPTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表10】

【0039】
第10表:
フランスの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びNPTPT及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、粒状尿素の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表11】

【0040】
第11表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN,N−ジ−n−ブチル−チオリン酸トリアミド(NNDBTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表12】

【0041】
第12表:
リンブルガーホフの土壌の場合の、ウレアーゼ阻害剤NBTPT及びN,N−ジ−イソブチル−チオリン酸トリアミド(NNDiBTPT)及びそれらの組合せ物を添加しない及び添加した、30%尿素溶液の10日間のインキュベーション後の窒素揮発損失
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
12N−P(X)(NH22 (I)
[式中、
Xは、酸素又は硫黄を表し、
1は、C1〜C10−アルキル基、C3〜C10−シクロアルキル基、C6〜C10−アリール基又はジアルキルアミノカルボニル基を表し、かつ
2は、水素を表すか、又は
1及びR2は、これらが結合している窒素原子と一緒になって5又は6員の飽和又は不飽和のヘテロ環式基を形成し、前記ヘテロ環式基は窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される場合によりさらに1又は2個の別のヘテロ原子を有していてよい]で示される構造を有し、基R1又はR2の1つが少なくとも相違する、少なくとも2つの異なる(チオ)リン酸トリアミドを含有する製剤。
【請求項2】
(チオ)リン酸トリアミドが、N−アルキル(チオ)リン酸トリアミド及び/又はN−アルキルリン酸トリアミドである、請求項1記載の製剤。
【請求項3】
(チオ)リン酸トリアミドの1つがN−n−ブチルチオリン酸トリアミドである、請求項1又は2のいずれか1項記載の製剤。
【請求項4】
N−n−ブチルチオリン酸トリアミドに加えてさらに、N−シクロヘキシルリン酸トリアミド、N−ペンチルリン酸トリアミド、N−イソブチルリン酸トリアミド及びN−プロピルリン酸トリアミド及びN−シクロヘキシルチオリン酸トリアミド、N−ペンチルチオリン酸トリアミド、N−イソブチルチオリン酸トリアミド及びN−プロピルチオリン酸トリアミドからなる群から選択される少なくとも1つの誘導体を含有する、請求項3記載の製剤。
【請求項5】
N−n−ブチルチオリン酸トリアミドの含量が、製剤中に含まれている全ての(チオ)リン酸トリアミドの全質量を基準として40〜95質量%である、請求項4記載の製剤。
【請求項6】
少なくとも2つの(チオ)リン酸トリアミドを互いに混合するか、
又は塩化チオホスホリルを少なくとも2つの異なる第一級アミン及び/又は第二級アミンの混合物と及び引き続きアンモニアと反応させることを特徴とする、請求項1記載の製剤の製造方法。
【請求項7】
尿素含有肥料の施肥の際の、請求項1記載の製剤の使用。
【請求項8】
請求項1記載の製剤を含むことを特徴とする、尿素含有肥料。
【請求項9】
(チオ)リン酸トリアミドの全含量が、含まれている尿素を基準として、0.001〜0.5質量%である、請求項8記載の尿素含有肥料。
【請求項10】
農業又は園芸における、請求項8記載の尿素含有肥料の使用。

【公表番号】特表2009−526728(P2009−526728A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554732(P2008−554732)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051143
【国際公開番号】WO2007/093528
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】