説明

改善された細胞水和性及び飲用性を与えるために緑茶固形物、電解質及び炭水化物を含有した飲料組成物

本発明は、細胞水和性及び飲用性が緑茶固形物と選択されたレベル及びタイプの電解質及び炭水化物との組合せにより高められた、好ましくは飲料形態の組成物に関する。その組成物は(a)約0.01〜約0.35%フラバノール、(b)約0.01〜約0.3%ナトリウムイオン、(c)約0.005〜約0.08%カリウムイオン、(d)(i)約0.05〜約10.0%フルクトース及び(ii)約0.05〜約10.0%グルコースを供給する約0.1〜約20%炭水化物と、(e)水を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
改善された細胞水和性及び飲用性を与えるために緑茶固形物、 電解質及び炭水化物を含有した飲料組成物 発明の分野 本発明は、細胞水和性及び飲用性(drinkability)が緑茶固形物と選択されたレベル及びタイプの電解質及び炭水化物との組合せにより高められた、好ましくは飲料形態の組成物に関する。
発明の背景 暑い、湿気のある環境中における中度の身体活動、長時間運動又は作業では、発汗及び呼吸によりミネラル及び体液の過剰喪失を起こす。特に暑さの中での運動のような身体活動は、人体で大きな代謝要求を生じる。運動中に生じる熱は発汗中に発散される。
運動中に体から失われた汗は脱水又は低水状態を生じさせることがある。体熱発散及び運動能力の減損も脱水に伴う。水、電解質の喪失及び炭水化物の枯渇が作業能力を損ないうる疲労の第一原因であることは周知である。機能を維持するためには、失われた水、電解質、炭水化物及び他の栄養素を補うことが必要である。
精力的活動のこれら反作用を打ち消す試みが行われた。水の消費は体温及び血液量の維持を助けるが、水は比較的ゆっくり吸収される。身体活動で体から失われた糖、水、必須電解質及び他の成分を組合せた製品が最近開発された。いくつかの周知製品はゲータレード・サースト・クエンチャー

年10月17日付でBoyle らに発行された米国特許第4,874,606号及び1982年3月30日付でKoに発行された米国特許第4,322,407号明細書で記載されている。
再水和(スポーツ)飲料の焦点は、失われた電解質、炭水化物と、脱水で失われた他の必須成分を補給することであった。ほんのわずかだけが、速い細胞水和と体内の水分布を行う、かなえられていない要求と取り組んでいる。細胞要求と取り組んだ飲料処方は、例えば1992年9月15日付でFreglyに発行された米国特許第5,147,650号及び1992年5月19日付でStray-Gundersen に発行された米国特許第5,114,723号明細書で記載されている。
一部のかなえられていない要求に対抗する上で役立つ処方はあるが、多くの市販飲料は満ちたり又は満足感を起こして、そのため再水和に要求される液体の量が飲み干される前に飲むことが止められてしまう。
本明細書で記載された発明は、飲み込みの尚早な中止を避けながら、意外に高い細胞水和を行える新規組成物である。更に、製品のユーザーは、新規組成物が用いられたときに、熱脱水後における疲労レベルの低下及び認識機能の増加を報告している。
本発明の目的は、特に細胞レベルで、体全体にわたる液の分布を容易にさせる飲料組成物を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、渇きをいやす飲料組成物を提供することである。
本発明の更にもう1つの目的は、飲用性の増加した飲料組成物を提供することである。
これら及び他の目的は、以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
本明細書におけるすべてのパーセンテージは、他で指摘されないかぎり重量による。
発明の要旨 本発明は: (a)約0.01〜約0.35%フラバノール (b)約0.01〜約0.3%ナトリウムイオン (c)約0.005〜約0.08%カリウムイオン (d)(i)約0.05〜約10.0%フルクトース (ii)約0.05〜約10.0%グルコース を供給する約0.1〜約20%炭水化物、及び (e)水を含んでなる液体組成物と、 (a)約0.1〜約3.5%フラバノール (b)約0.1〜約3.0%ナトリウムイオン (c)約0.05〜約0.8%カリウムイオン (d)(i)約0.5〜約50%フルクトース (ii)約0.5〜約50%グルコース を供給する約1.0〜約95%炭水化物を含んでなるドライ組成物に関する。
水及びミネラルの喪失で脱水されたヒト又は動物細胞をこれら組成物の摂取により速く再水和させる方法も記載されている。この製品は粉末又は錠剤として投与できる。
具体的な説明定義 本明細書で用いられる“含む”という用語は、様々な成分が本発明の飲料で併用しうることを意味する。したがって、“から本質的になる”及び“からなる”という用語は含むという用語に包含される。
本明細書で用いられる“飲用性”という用語は、1回の飲用時で飲み干される飲料の容量を意味する。飲用性の高まった飲料は、満ちたり又は満足感なしに多量飲み尽くしうる。
本明細書で用いられる“渇きをいやす”という用語は、ヒト消化器系に水を速く運べて、それを体全体及び細胞中に分布させる飲料の生理学的能力に関する。
本明細書で用いられる“飲料組成物”という用語は、シングルストレングスであって、すぐ飲める組成物を意味する。
本明細書で用いられる“飲料濃縮物”とは、液体形態である濃縮物に関する。
濃縮物は、水で再調製又は希釈されたときに、飲用しうる飲料組成物を提供できるように通常処方される。組成物は本質的にドライなミクスチャーの形態で作ることもできる。本質的にドライなミクスチャーは粉末又は錠剤の形態である。これらの組成物は“ドライ組成物”として本明細書では称される。
本明細書で用いられる“茶物質”という用語は、例えばカメリア・シネンシス(Camellia sinensis)及びカメリア・アサイミカ(Camellia assaimica)を含むカメリア属から得られる物質、新鮮収集茶葉、収集直後に乾燥された新鮮茶葉、乾燥前に存在する酵素を不活化させるように熱処理された新鮮茶葉、未発酵茶、発酵茶、即席緑発酵茶、部分発酵茶葉及びこれらの葉の水性抽出物を含めた茶に関する。茶物質は茶葉、それらの抽出物、茶植物茎及び他の関連植物物質である。
茶植物のフィランタス(Phyllanthus)属、カテチュー・ガムビア(Catechu gambir)又はウンカリア(Uncaria)科のメンバーも使用できる。未発酵、部分発酵及び発酵茶の混合物も使用できる。
本明細書で用いられる“茶固形物”という用語は、茶物質から抽出された固形物に関する。本組成物に用いられる茶物質は、未酸化未重合フラバノールを含有していなければならない。
本明細書で用いられる“茶抽出物”という用語は、茶物質の抽出から得られた水溶液に関する。これはフラバノールと、存在するカフェインを含有している。
“茶抽出物”という用語には、濃縮又は乾燥された水溶液も包含する。
本明細書で用いられる“フラバノール”又は“カテキン”とは、主にカテキン、エピカテキン及びそれらの誘導体を意味する。これらの誘導体には糖塩、糖エステル及び他の食用の生理学上利用できる誘導体がある。緑茶固形物はこれらのフラバノールを含有している。黒茶、果実及び他の天然源もこれらのフラバノールを含有しているが、もっと少ない。好ましいフラバノールはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン及び没食子酸エピガロカテキンである。
本明細書におけるすべてのパーセンテージは、他で指摘されないかぎり重量による。
飲料組成物 本明細書で記載された飲料組成物は、熱誘導脱水に付された個体で水に関する脱水後の認識機能を改善して、それからの回復時間を短縮させることが示された。特に、本発明はフラバノールを含んでいて、細胞再水和性を有意に高める。
本発明の飲料組成物が投与されたときにおける運動又は環境暴露に対する体の生理学的応答は、体が液体を飲まないか、水だけを飲むか、又は水に加えて電解質及び糖源を含有した市販飲料を飲んだときの応答と比較してかなり高められている。記載された新規飲料組成物の細胞水和長所は、マルチ‐フリーケンシー・バイオ‐インピーダンス・スペクトロスコピー(Multi-frequency Bio-Impedance Spectroscopy)を用いて明確に測定できる。
中度〜精力的な活動に従事した個体により失われた体液及び電解質の補給は、軽快で効率的な筋肉機能が維持されたいならば必須である。体は発汗でその温度を調節しているため、水及び電解質が失われる。筋肉の中度〜精力的な使用を要する作業、運動又は何らかの活動を行った及び/又は体の水及び電解質の喪失のある個体は、喪失された体液及び電解質の速やかな補給を要する。
本発明の飲料組成物は、運動選手のような激しい活動に関わる人々により消費される。それは、特に暑い環境下で精力的作業を行う人々、あるいは何らかの病気又は疾患の結果として体液及び電解質の喪失をうけた人々にも消費される。本発明の飲料組成物は、エネルギー及び/又は水について正常な食餌要求への補給物として、どんな人々に消費されてもよい。
本発明の飲料組成物は、消費者による直接消費用のシングルストレングス飲料として製造及び販売される。製品は、本発明のすべての要求を満たす飲料を作るために水で希釈されるシロップ、水性濃縮物、ドライ粉末又は顆粒の形態でもよい。一方、製品は水と共に摂取される錠剤の形態でもよい。
フラバノール 本発明の飲料組成物中で重要な成分はフラバノールである。フラバノールは様々な植物(例えば、果実、野菜、花)に存在する天然物質である。本発明で用いられるフラバノールは、当業者に周知のいずれか適切な方法により、果実、野菜、緑茶又は他の天然源から抽出できる。例えば、酢酸エチル又は塩素化溶媒での抽出は緑茶からフラバノール又はカテキンを単離する1つの手法であり、それらは合成又は他の適切な化学的方法により製造してもよい。カテキン、エピカテキン及びそれらの誘導体を含めたフラバノールは市販されている。
フラバノールは単一植物又は植物の混合物から抽出してよい。好ましいフラバノールは植物、例えば緑茶及び関連植物の抽出により得られる。多くの果実、野菜及び花はフラバノールを含有しているが、もっと少ない。フラバノールを含有した植物は当業者に知られている。茶植物とカテチュー・ガムビア又は(ウンカリア科)の他のメンバーの抽出から得られる最も一般的なフラバノールの例は、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキンである。
本発明の飲料組成物中におけるフラバノールの好ましい供給源は緑茶である。
緑茶及び特に緑茶中に存在するフラバノールは、飲料中に配合されたとき、観察された高い細胞再水和性に関与していると考えられる。
フラバノールは茶抽出物の形でもよい。茶抽出物は、未酸化フラバノールが特定範囲内に入るかぎり、未発酵茶、発酵茶、部分発酵茶及びそれらの混合物の抽出から得られる。好ましくは、茶抽出物は未発酵及び部分発酵茶の抽出から得られる。最も好ましい茶抽出物は緑茶から得られる。温及び冷抽出物の双方が本発明で用いられる。茶抽出物を得る上で適した方法は周知である。例えば、1990年6月に発行されたTsaiの米国特許第4,935,256号、1987年7月に発行されたLunderの米国特許第4,680,193号及び1987年5月26日付で発行されたCreswickの米国特許第4,668,525号明細書参照。茶抽出物を得る上で特に好ましい方法は、例えば1994年1月10日付で出願された同時継続出願第08/178,702号明細書で記載されている。
本発明の飲用しうる飲料は、約0.01〜約0.35%の未酸化未重合フラバノール、好ましくは約0.02〜約0.2%、同等に好ましくは約0.025〜約0.1%、最も好ましくは約0.03〜約0.075%の未酸化未重合フラバノールを含んでいる。
カフェイン 飲用しうる飲料は、未酸化未重合フラバノールに加えて、約0.0〜約0.04%のカフェイン、好ましくは約0.01〜約0.03%、最も好ましくは約0.013〜約0.02%のカフェインを含有していることが好ましい。カフェインの総量には、茶抽出物、香味料及び他の成分中に天然で存在するカフェインの量と、加えられたカフェインを含んでいる。
電解質 主な生理電解質の中にはカリウム及びナトリウムがある。本発明の電解質及びイオン成分はそれらの対応水溶性及び無毒性塩から通常得られるが、必ずではない。それらはフルーツジュース及び茶抽出物中にも存在する。他で指摘されないかぎり、飲料中における電解質又はイオン成分の量は最終の飲用しうる飲料組成物中に存在するものに基づいている。電解質濃度はイオンだけのであり、塩ではない。可溶性の低い塩の一部は、本発明で有用であるためには、水又は酸性pHを有する水に“溶解”されねばならない。
カリウムイオン成分は、塩化物、炭酸、硫酸、酢酸、炭酸水素、クエン酸、リン酸、リン酸水素、酒石酸、ソルビン酸塩等又はそれらの混合物のような塩により、あるいは加えられたフルーツジュース又は茶の成分として供給できる。カリウムイオンは、少くとも約0.005〜約0.08%、好ましくは約0.01〜約0.06%、最も好ましくは約0.02〜約0.04%の量で本発明の飲用しうる飲料組成物中に存在することが好ましい。
同様に、ナトリウムイオン成分は、塩化物、炭酸、炭酸水素、クエン酸、リン酸、リン酸水素、酒石酸、安息香酸塩等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩から、あるいは加えられたフルーツジュース又は茶の成分として得られる。ナトリウム濃度は浸透圧による水の吸収を容易にさせる上で十分低いが、体から腸に水を浸透圧吸引しないものであることが、本発明では重要である。これを行うために必要なナトリウムの濃度は、血漿ナトリウムの場合よりも低いことが好ましい。ナトリウムイオンは、少くとも約0.01〜約0.3%、好ましくは約0.02〜約0.2%、更に好ましくは約0.04〜約0.15%の量で本発明の飲用しうる飲料組成物中に存在する。
カリウム及びナトリウムイオンに加えて、組成物は約0.01〜約0.10%、好ましくは約0.03〜約0.1%、最も好ましくは約0.05〜約0.09%の塩化物イオンを更に含有することができる。塩化物イオン成分は塩化ナトリウム又は塩化カリウムのような塩で供給できる。カルシウム及びマグネシウムのような他のイオンも加えてよい。これらのイオンも塩として供給してよい。存在するイオンの総レベルには、加えられたイオン添加量と共に、飲料中に天然で存在する量を含む。例えば、塩化ナトリウムが加えられるならば、その量のナトリウムイオン及びその量の塩化物イオンも、それに応じて各イオンの総量に含まれる。
炭水化物 本発明の飲料は可溶性炭水化物も含有している。炭水化物とは、甘味料とエネルギー源である。本飲料で使用の炭水化物を選択する場合、選択されるレベルは十分な胃排出及び腸吸収速度を有効にさせることが重要である。炭水化物はグルコース及びフルクトースの混合物でも、あるいは消化管で加水分解するか又はグルコース及びフルクトースを形成する炭水化物であってもよい。
本明細書で用いられる“炭水化物”という用語は、単糖、オリゴ糖、複合多糖又はそれらの混合物に関する。単糖にはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。本発明の飲用しうる飲料組成物に用いられるグルコースの量は、好ましくは約0.05〜約10%、更に好ましくは約1.
0〜約5.0%、最も好ましくは約1.5〜約3%である。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。好ましくは、飲用しうる飲料中に存在するフルクトースの量は約0.05〜約10%、好ましくは約1.0〜約5%、最も好ましくは約1.5〜約3%である。本組成物はこれら2種の糖、及び/又は体内でこれらの糖を形成する炭水化物(即ち、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ)を含有していなければならない。炭水化物の重要なクラスは二糖である。二糖の例は、ショ糖又はテンサイ糖として知られるスクロースである。好ましくは、本発明の飲用しうる飲料組成物中に存在するスクロースの量は、約1〜約20%、更に好ましくは約2.0〜約10.0%、最も好ましくは約3〜約6%である。
望ましい全炭水化物レベルは約0.01〜約20%、好ましくは約0.5〜約15%、最も好ましくは約3〜約6%である。
本発明に使用できる複合炭水化物の1つはマルトデキストリンである。マルトデキストリンは長さがいくつかのグルコース単位からなる複合炭水化物分子の形である。それらはコーンスターチの制御的加水分解により作られたスプレードライ炭水化物成分である。マルトデキストリンのデキストロース当量(“D.E.
”)はデンプンポリマー加水分解の程度の良い指標を与える。飲用しうる飲料組成物に用いられるマルトデキストリンの量は、0〜約10%、好ましくは約1〜約4%である。好ましいマルトデキストリンはDE20以内のものである。
本発明の好ましい炭水化物は、要求が様々である必要な燃料価を供給できるエネルギー源を与えるフルクトース及びグルコースの組合せから構成される。スクロースは消化管でフルクトース及びグルコースに加水分解されるため、フルクトース及びグルコースの供給源として用いることができる。これら糖の各々は体の細胞により完全に利用しうるエネルギー食品である。
本発明で用いられる全炭水化物は、飲用しうる飲料組成物の全重量の約0.1〜約20%の量であることが好ましい。炭水化物の総量には、フルーツジュース又は茶抽出物中に天然で存在するものだけでなく、加えられた炭水化物も含む。
炭水化物誘導体、多価アルコール、例えばグリセロールも、甘味源を供給して、それが容易に吸収されて体全体に分布されるようにエネルギーを供給するために、本発明で用いてよい。しかしながら、グリセロールの存在は本発明の利点を出す上で必須ではない。所望ならば、約0.1〜約15%、好ましくは約6〜約10%グリセロールの量が本発明で使用できる。
ダイエット飲料の場合には、ノンカロリー甘味料が少くとも約0.1%炭水化物と一緒に使用できる。このような甘味料の例にはアスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルフェーム‐K、L‐アスパルチル‐L‐フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味料、Brennan ら(1983年)の米国特許第4,411,925号明細書で開示されたようなL‐アスパルチル‐D‐アラニンアミド、Brennan ら(1983年)の米国特許第4,399,163号明細書で開示されたようなL‐アスパルチル‐D‐セリンアミド、Brand (1982年)の米国特許第4,338,346号明細書で開示されたL‐アスパルチル‐ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味料、Rizzi(1983年)の米国特許第4,423,029号明細書で開示されたL‐アスパルチル‐1‐ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味料、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族化合物等がある。ルオ・ハン・グオ(Luo Han Guo)ジュース、ステビノシド及び他の天然源の甘味料も使用できる。
他の成分 他の副成分も本発明の飲料中に含有させることができる。このような成分には、天然及び合成香味料、天然及び合成着色料、保存剤、酸味料、ガム、乳化剤、油及びビタミンがある。
香味料 香味料は嗜好性を高めるために本発明の飲料組成物で勧められる。天然又は合成香味料が本発明で使用できる。香味料はフルーツジュース、フルーツフレーバー、植物フレーバー又はそれらの混合物から選択できる。特に、フルーツジュースと一緒に茶フレーバー、好ましくは緑茶又は黒茶フレーバーの組合せが魅力的な味を有している。好ましいジュースはリンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、グァバ、ラズベリー及びチェリーである。シトラスジュース、好ましくはグレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリンと、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース、又はそれらの混合物が最も好ましい。好ましい天然フレーバーはジャスミン、カミルレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等である。
フルーツジュースは、フラバノールと他の成分が加えられるベースとして存在するか、あるいは香味料として用いられる。香味料として用いられるとき、フルーツジュースは飲料の約0.5〜約50重量%、更に好ましくは約5.0〜約30%の量で存在する。この濃度は飲料のシングルストレングスに基づいている。
フルーツフレーバー、植物フレーバー、茶フレーバー及びそれらの混合物も香味料として使用できる。特に好ましいフルーツフレーバーはオレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。シトラスフレーバー以外にも、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等のような様々な他のフルーツフレーバーが使用できる。これらのフルーツフレーバーはフルーツジュース及び香油のような天然源から誘導しても、又は合成してもよい。
香味料には、様々なフレーバーのブレンド、例えばレモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。所望であれば、香味料中のフレーバーはエマルジョン小滴中に形成されて、その後飲料ドリンクに分散される。これらの小滴は水の場合よりも低い比重を通常有していて、分離相を形成するため、比重調整剤(曇化剤としても作用できる)がエマルジョン小滴を飲料に分散させておくために使用できる。このような比重調整剤の例は、臭素化植物油(BVO)及び樹脂エステル、特にエステルガムである。液体飲料での比重調整及び曇化剤の使用について更に記載する、L.F.Green,Developments in Soft Drinks Technology,Vol.1(Applied Science Publishers Ltd.1978),pp.87-93参照。典型的には、香味料は濃縮物又は抽出物として、あるいは合成香味エステル、アルコール、アルデヒド、テルペン、セスキテルペン等の形で慣習的に入手できる。典型的には、このような香味料は飲料の約0.001〜約2重量%、好ましくは約0.02〜約0.09%の量で加えられる。
着色料 所望であれば、着色料も本発明の飲用しうる飲料組成物又は飲料濃縮物中に加えることができる。食品用に承認された可溶性着色料であれば、本発明に利用できる。
保存剤 所望であれば、ソルビン酸、安息香酸、ヘキサメタホスフェート及びその塩のような保存剤も、本発明の飲用しうる飲料組成物又は飲料濃縮物中に加えることができる。
酸味料 しかも、所望であれば、組成物は酸味料を含有できる。これは飲料ドリンクに常用されるリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸等のような食用酸を表している。酸味料の量は4.6以下のpHを維持するために用いられる。好ましくは、飲料は約2.5〜約4.0のpHを有している。これは飲料を微生物から安全に守ることができる。
有機及び無機食用酸も飲料のpHを調整するために用いてよい。酸はそれらの非解離形で、あるいはそれらの各塩、例えばリン酸水素カリウム又はナトリウム、リン酸二水素カリウム又はナトリウム塩として存在できる。好ましい酸は、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸又はそれらの混合物を含めた食用有機酸である。最も好ましい酸はクエン酸及びリンゴ酸である。
酸味料は飲料成分を安定化させる酸化防止剤としても役立つ。常用される酸化防止剤の例には、アスコルビン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及びそれらの塩があるが、それらに限定されない。
ガム、乳化剤、油 ガム、乳化剤、油もテクスチャー及び不透明の目的で飲料中に含有させることができる。典型的成分にはグアーガム、キサンタンガム、アルギネート、カルボキシメチルセルロース(CMC)、モノ‐ジグリセリド、レシチン、デンプン、ペクチン、果肉、綿実油及び植物油がある。
ビタミン 飲料組成物は、ビタミンが飲料組成物の必須要素と化学的及び物理的に適合するように、U.S.RDAの0〜約150%のビタミンを更に含むことができる。好ましくは、ビタミンA、C及びEが加えられる。D及びBのような他のビタミンも加えてよい。
ミネラル 追加ミネラルも本発明の飲料又はドライ組成物に加えることができる。組成物は、ミネラルが本発明の機能及び必須要素と化学的及び物理的に適合するように、U.S.RDAの0〜約150%のミネラルを含むことができる。好ましいミネラルはカルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛である。特に好ましいミネラルはマグネシウム、リン及び鉄である。
飲料製造 飲用しうる飲料組成物はすべての成分を一緒にミックスすることにより製造される。混合物は水に溶解され、すべての成分が溶解するまで機械スターラーで撹拌される。用いられるのであれば、保存剤が次に添加できる。次いで混合液は酸味料で望ましいpHに調整できる。
シングルストレングスフルーツジュースも本発明の飲料組成物を製造するために用いてよい。フルーツジュース又はフルーツジュース濃縮物は、フラバノール及び電解質が加えられる液体ベースとして用いることができる。フルーツジュース又はフルーツジュース濃縮物中に存在する炭水化物、水、電解質等は、本明細書で請求の範囲に記載された総量の中に含まれる。
シングルストレングス飲料を作る際には、飲料濃縮シロップが最初に形成できる。濃縮形の液体飲料を製造する1つの方法は、飲用しうる飲料組成物の製造に用いられる所要容量以下の水で始めることである。もう1つの方法は、最終的に製造される飲用しうる飲料組成物を部分的に脱水して、存在する水及び他の揮発性液体の一部だけを除去することである。脱水は真空下の蒸発のような周知操作に従い行える。濃縮物は比較的濃厚なシロップ状液体の形態である。シロップは、典型的には飲料濃縮物に適切な成分(即ち、糖、電解質、エマルジョン)を加えることにより形成される。次いでシロップは最終飲料又は最終飲料濃縮物を形成するために水とミックスされる。水:シロップの重量比は、典型的には約2:1(3×シロップ)〜約5:1(6×シロップ)である。
固形物は本質的にドライな粉末又は錠剤の形態であってもよい。ドライ形は、その後で、最終の飲用しうる飲料組成物を作るために適量の水で再調製されるか、あるいは本明細書で記載されたレベルの成分をデリバリーするために適量の水と一緒に飲まれる。
二酸化炭素は、炭酸飽和させるために、飲料濃縮物とミックスされる水に又は飲用しうる飲料組成物中に導入することができる。次いで炭酸飲料組成物は適切な容器に貯蔵して、密封できる。L.F.Green,Developments in Soft Drinks Technology,Vol.1(Applied Science Publishers Ltd.1978),pp.102-107 参照。
ドライミクスチャー 飲料組成物の本質的にドライなミクスチャーは、適切な量及び比率ですべての必要なドライ成分を一緒にブレンドすることにより製造できる。一方、最終的に製造された飲用しうる飲料組成物も、飲料組成物の本質的にドライなミクスチャーを得るために脱水してよい。粉末、顆粒又は錠剤として本質的にドライなミクスチャーは、その後で、最終飲用飲料を作るために適量の炭酸又は非炭酸水に溶解しても、あるいは水と一緒に飲んでもよい。
本質的にドライな形態には錠剤、カプセル、顆粒及びバルク粉末がある。錠剤は適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色料、香味料、流動誘導剤及び溶融剤を含有していてもよい。本発明のドライ形態を処方するために用いられる適切なキャリア及び賦形剤は、1975年9月2日付で発行されたRober の米国特許第3,903,297号明細書で記載されている。本発明の方法で有用なドライ形態を作るための技術及び組成は下記文献で記載されている:7 Modern Pharmaceutics,Chapters 9 及び10(Banker 6 Rodes,editors,1979);Liberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets(1981);Ansel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2nd Edition(1976)
典型的なドライ粉末は、約0.1〜約3.5%フラバノール、約0.1〜約3.0%ナトリウムイオン、約0.05〜約0.8%カリウムイオン、約0.5〜約50%フルクトース及び約0.5〜約50%グルコースを含んでなる。所望であれば、約1〜約95%スクロースがフルクトース及びグルコースの代わりに使用できるが、その理由はスクロースが体内でフルクトース及びグルコースに加水分解されるからである。ドライ粉末中における諸成分の現実的濃度は、希釈の量又は消費される水の量に依存する。
下記例は本発明を説明するために示され、いずれかにそれを制限するためではない。
例I 飲用しうる飲料組成物は下記成分を混合することにより製造する:

例II 飲料組成物は下記成分をブレンドすることにより製造する:

例III 湿度75%で約105°F(約41℃)の温度に約1時間暴露された健常人は、例Iに従い製造された飲料835ccを消費できる。細胞内区画の膨張はキシトロン(Xitron)4000bスペクトロメーター(Xitron Technologies,Inc.)
と共にマルチ‐フリーケンシー・バイオ‐インピーダンス・スペクトロスコピーを用いて測定できる。この種類の測定では、本発明の組成物が炭水化物及び電解質を含有した市販飲料と比較したときに細胞内水区画を有意に膨張させうることを示す。膨張は、消費された現実容量が人が熱暴露中に発汗で失った量とほぼ等しいとき、典型的に顕著となる。差異は統計学的に有意である(p=0.051)

細胞内水区画の膨張

例IV 各人が1日当たり一定距離(5〜8k)を走ることで規則的に運動しているボランティア被験者5例に、続けて4日間にわたり通常の毎日のランの終了時に4種の異なる飲料のうち1種を与える。飲料は例IIに従い製造された飲料、水、市販炭水化物‐電解質飲料1(CE‐1)又は市販炭水化物‐電解質飲料2(CE‐2)である。飲料消費の順序は各被験者について別々にランダム化する。被験者には運動後30分間欲しいだけ各飲料を飲ませる。すべての飲料は水以外ライムフレーバーである。例IIによる飲料は、水及び双方のCE飲料よりも大きな容量で消費される。
運動後の平均飲料容量消費(cc)

【特許請求の範囲】
1. (a)0.01〜0.35%フラバノール (b)0.01〜0.3%ナトリウムイオン (c)0.005〜0.08%カリウムイオン (d)(i)0.05〜10.0%フルクトース (ii)0.05〜10.0%グルコース を供給する0.1〜20%炭水化物、及び (e)水を含んでなる流体組成物。
2. ナトリウムイオンが0.02〜0.2%であり、カリウムイオンが0.
01〜0.06%であり、炭水化物が2〜10%であって、1〜5%フルクトース及び1〜5%グルコースを供給する、請求項1に記載の組成物。
3. 0.01〜0.04%カフェイン、好ましくは0.013〜0.03%カフェインを更に含んでいる、請求項1又は2に記載の組成物。
4. フラバノール濃度が0.02〜0.095%である、請求項1、2又は3に記載の組成物。
5. 0.05〜0.09%塩化物イオンを更に含んでいる、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
6. (a)0.03〜2.1%フラバノール (b)0.03〜1.8%ナトリウムイオン (c)0.015〜0.48%カリウムイオン (d)(i)0.15〜50.0%フルクトース (ii)0.15〜50.0%グルコース を供給する0.3〜70%炭水化物、及び (e)30〜70%水を含んでなる、シロップ形態の濃縮物。
7. (a)0.1〜3.5%フラバノール (b)0.1〜3%ナトリウムイオン (c)0.05〜0.8%カリウムイオン (d)(i)0.5〜50%フルクトース及び (ii)0.5〜50%グルコース を供給する1.0〜95%炭水化物を含んでなるドライ組成物。
8. 組成物が錠剤形態である、請求項7に記載の組成物。
9. 0.01〜0.04%カフェイン及び0.03〜0.1%塩化物イオンを更に含んでいる、請求項6、7又は8に記載の組成物。
10. 0.013〜0.02%カフェイン及び0.03〜0.1%塩化物イオンを更に含んでいる、請求項6、7又は8に記載の組成物。

【公表番号】特表平10−501407
【公表日】平成10年(1998)2月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−500997
【出願日】平成7年(1995)5月23日
【国際出願番号】PCT/US95/06508
【国際公開番号】WO95/33385
【国際公開日】平成7年(1995)12月14日
【出願人】
【氏名又は名称】ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー