説明

改良されたゴブ形状のための最適化されたスクープ

【課題】剪断機構によって形成されたガラスゴブを受け取るための最適化されたスクープが開示され、このスクープは、それを通過するガラスゴブが改良されたガラスゴブ形状を有し、ガラスゴブ長の増加は無視できる程度で、速度は以前から知られているスクープの速度と同等以上であることを可能にする最適な軌道を提供する。
【解決手段】最適化されたスクープは、より均一な円柱状のガラスゴブを生成し、ドッグボーン構成をなくすようにガラスゴブ形状を向上させる。最適化されたスクープの軌道は、ガラスゴブの流出速度を高め、かつガラスゴブに加えられる力を最小限にするように最適化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に、剪断機構によって供されたガラスの溶融ゴブを溶融ガラス流から、ガラス容器を作るための個別セクション型(IS)マシンのパリソン金型に供給するための装置に関し、より詳細には、剪断機構によって形成されたガラスゴブを受け取って、最適な軌道(trajectory)を提供し、それを通過するガラスゴブが確実に最適で均一なゴブ形状を有するようにするためのスクープに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ガラス容器は、3つの異なる過程、すなわち、バッチハウス、ホットエンド、およびコールドエンドを有する製造工程において作られる。バッチハウスは、ガラスの原料(典型的には、砂、ソーダ灰、石灰石、長石、カレット(粉砕されたリサイクルガラス)およびその他の原料)が準備されてバッチ内へ混ぜ込まれる場所である。ホットエンドは、バッチ材料を溶かして溶融ガラスにし、当業界でガラス「ゴブ」と呼ばれる溶融ガラスの分離した区分を成形装置に分配して、そこでガラス容器に成形して、不均一な冷却によって生じる応力によってガラス容器が弱くなるのを防止するためにガラス容器を焼きなます。コールドエンドは、ガラス容器が許容可能な品質であることを保証するために、ガラス容器を検査する。
【0003】
[0003]典型的には、製造工程のホットエンドの成形部分は、それぞれが1つ、2つ、3つ、または4つの容器を同時に作る能力を有する、同一のセクションを5〜20セクション含む、個別セクション型すなわちIS型の成形マシンで行われている。ホットエンドは加熱炉で始まり、この炉の中でバッチ材料は溶かされて溶融ガラスになり、炉から溶融ガラス流がフィーダボウルを通って複数の出口に流れ出す。ISマシンの各セクションは、同時に動作する1組、2組、3組、または4組の成形装置を有するので、炉の1つ、2つ、3つ、または4つの出口は、これらのそれぞれの組の成形装置に溶融ガラス流を同時に供する。溶融ガラス流のそれぞれが剪断機構によって切断されて、ゴブと呼ばれる均一なガラスの区分になり、重力によって落下して、スクープ、トラフ、およびデフレクタによってISマシンのセクション内にあるそれぞれのブランク(すなわちパリソン)金型に導かれる。
【0004】
[0004]各組のブランク金型では、金属プランジャを使用してガラスゴブをブランク金型へ押し込むか、またはガラスゴブを下からブランク金型へブローするかのいずれかによって、パリソンと呼ばれる容器の素形材(pre−container)が形成される。次いで、パリソンが逆さにされて第2の金型すなわち吹き込み成形用金型に移され、そこでパリソンが完成ガラス容器の形状にブロー成形される。次に、ブロー成形されたパリソンは、把持してブローステーションから取り外すのに十分なほど堅固になるまで、吹き込み成形用金型内で冷却される。
【0005】
[0005]本発明の一般的な対象目的は、ガラスゴブをセクション内の成形装置に分配する装置にある。この装置は、典型的には、スクープ、トラフ、およびデフレクタを含む。このような装置は、たとえばMeyerの米国特許第5,549,727号において教示されている。同特許は本特許出願の譲受人に譲渡されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。スクープは、垂直に落下するガラスゴブを剪断機構の下の位置で受け取り、ガラスゴブの軌道を、スクープの第1端すなわち入口端における垂直に落下する軌道からスクープの第2端すなわち出口端におけるある角度をなす軌道に方向を変えるように湾曲している。
【0006】
[0006]ガラスゴブは、スクープの第2端すなわち出口端から、スクープの第2端すなわち出口端とほぼ揃えられ、かつ上向きで下方向に傾斜したほぼ垂直なトラフの第1端すなわち上端に入って、このトラフの第2端すなわち下端を出る。場合によっては、スクープの上端は、ガラスゴブが確実にスクープ内に捕捉されるようにするために、スクープに入るガラスゴブより広い。トラフの第2端すなわち下端から、ガラスゴブは、下向きの湾曲したデフレクタの上端に入り、デフレクタの第2端すなわち下端において垂直な落下物に方向を変えられ、そこからガラスゴブはブランク金型に向けられる。デフレクタの上端は、トラフの第2端すなわち出口端とほぼ揃えられる。トラフは、その上向きの側面上で開いている略U字状の断面形状を有するが、デフレクタはその下向きの側面内で開いているほぼ逆U字状の断面形状を有する。
【0007】
[0007]本発明の具体的な対象目的は、このガラスゴブ分配装置の第1要素すなわちスクープにある。良好なガラスゴブをブランク金型に分配することが非常に重要であり、スクープの設計が、ガラスゴブがスクープを通過するときのガラスゴブの形状に対して直接的に影響を与えることが当業者には理解されるであろう。良好なガラスゴブは均一な形状を有するべきであり、ブランク金型にとって適切な長さであるべきである。さらに、ガラスゴブをブランク金型に深く載せるために、ゴブが高速であること、ならびにガラスゴブが適切な形状にされることが必要とされる。低品質または低速のガラスゴブから良好なガラス容器を作ることは不可能である。
【0008】
[0008]ガラスゴブは、ガラス流においてゴブフィーダーのオリフィスから落ちる溶融ガラスから形成される。このガラス流は重力により下方向に落下し、剪断機構によって切断されて均一なガラスゴブになる。ゴブフィーダーのオリフィス26から下方向に流れる溶融ガラスは流動性が非常に高いので、ガラス流が重力によって落ちるとき、ガラス流はその途中で、ガラスゴブが剪断機構によって切断される点より下で分離し始める。ガラスゴブの形状は、ゴブフィーダー内にある「ニードル」の揺動運動によっても影響を受け、ニードルは下方向に動くときに溶融ガラスをゴブフィーダー内のオリフィスから押し出す傾向があり、上方向に動くときにガラスをオリフィス内へ引き上げる傾向がある。これにより、拡幅した上部および下部と狭窄した中間部を有するガラスゴブが生成され、その形状は当業界で「ドッグボーン」形状と呼ばれる。
【0009】
[0009]ガラスゴブがスクープ内へ堆積されてスクープ、トラフ、およびデフレクタを通過してブランク金型内へ落下する間、ガラスゴブは、この供給システムに供されるときにガラスゴブの形状が変化した状態から回復しないことが明らかになされた。従来、ガラスゴブはこの供給システムである程度形状を回復できると一般的に信じられていたが、本発明者らは、これは事実でないことを明らかにした。しかし、本発明者らは、この供給システムで行われるガラスゴブのあらゆる成形加工はブランク金型に供給されるガラスゴブの形状に影響を及ぼすことを明らかにした。
【0010】
[0010]ただし、従来、この供給システムでのガラスゴブの成形加工が試みられたが、このような成形加工によりガラスゴブのスピードが重大な悪影響を受ける、すなわちガラスゴブ供給システムでのガラスゴブのスピードが低下する結果になるという事実のせいで、どれも成功しなかった。ガラスゴブが確実にブランク金型内で深く載るために、ガラスゴブが高いゴブ速度を確実に有するようにすることが必要である。ブランク金型に供給されるときにガラスゴブのスピードが減少することによって、パリソンの品質に悪影響が及び、したがって、このような不完全なパリソンがブロー成形されると完成ガラス容器の品質が悪影響を受ける。これは、深刻な悪影響である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,549,727号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
[0011]したがって、ガラスゴブがスクープを通過するときのガラスゴブ形状を改良することが望ましいことは明らかである。ただし、このようなガラスゴブ形状の改良は、ガラスゴブ供給システムにおけるガラスゴブのスピードを著しく減少させることなく、スクープ内で達成されなければならない。したがって、このようなスクープ内のガラスゴブ形状の改良は、スクープからのガラスゴブの十分な流出速度を維持しながら達成される限り、より均一な円柱状のガラスゴブを生成するようにガラスゴブ形状を向上させ、それによってドッグボーン形状(ならびに他の任意の不均一なゴブ形状)をなくすべきである。さらに、ガラスゴブを著しく延長することなく、ガラスゴブ形状の改良がスクープ内で達成されることも望ましい。
【0013】
[0012]本発明の最適化されたスクープはまた、耐久性があって長持ちする構造でなければならず、また、その動作寿命の全期間にわたって、ユーザがメンテナンスを行う必要がほとんどまたはまったくないべきである。本発明の最適化されたスクープの市場へのアピールを高めるために、安価な構造であって、それによって最も広範な市場可能性をもたらす構造にもするべきである。最後に、本発明の最適化されたスクープの上記の利点のすべてを、実質的に関連する欠点を何ら生じさせることなく実現させることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0013]上記の背景技術の欠点および制限は、本発明によって克服される。本発明では、ガラスゴブの速度を実質的に犠牲にすることなく、最適化された形状をガラスゴブに与えながら、ガラスゴブを通過させるようにスクープを最適化するために、スクープの構成に2つの基本的な変更が加えられる。第1の変更は、ガラスゴブが最適化されたスクープを通過するときにガラスゴブをより円柱状の形状に成形加工することを容易にするために、最適化されたスクープに緩やかなテーパを設けることである。第2の変更は、ガラスゴブが最適化されたスクープを通過するときにガラスゴブの速度を増加させるために、最適化されたスクープ内の最適なガラスゴブ軌道を提供することである。
【0015】
[0014]したがって、新しい最適化されたスクープの対象目的は、ガラスゴブの速度を犠牲にすることなく、最適な形状を有するガラスゴブを提供することである。最適化されたスクープの最適な軌道は、ガラスゴブをほんのわずか長くしながらガラスゴブのスピードを既存のスクープのスピードより増加させるように選択される。最適化されたスクープの断面形状は緩やかにテーパが付けられ、最適化されたスクープに供給されるガラスゴブの最大直径部よりわずかに小さい下端を有する。既存のスクープは、ガラスゴブが確実にスクープによって捕捉されるように支援するために収束効果をもたらすように、上端においてラッパ状に広がった開口を利用しているが、本発明の最適化されたスクープによって利用されるようにテーパを付けられていない。本発明の最適化されたスクープは、ガラスゴブをわずかに押し出すようにテーパを付けられており、したがって望ましい形状を得る。これにより、最適化されたスクープは、ガラスゴブをより円柱状の形状に成形加工することができ、最適化されたスクープは次に、ガラスゴブをトラフ内の適切な着陸ゾーンに導く。(トラフ内のガラスゴブの着陸が変動すると、ガラスゴブが奇妙な形状になるので、最終的には、ガラス容器に欠陥が生じる結果になる。)
[0015]最適化されたスクープの断面形状の上端から下端にテーパを付けることによって達成される減少した断面にガラスゴブを強制的に通過させることによって、ガラスゴブの重量および粘度が一定のままである限り、ガラスゴブは再現性の高い長さに押し出し可能であることが本発明者らによって明らかにされた。このような構成の他の利点は、ガラスゴブは最適化されたスクープを「さまよう」ことができないことである(高速ビデオから、場合によっては、ガラスゴブはスクープを、スキーのスラローム競技のように実際に回転して下ることが明らかにされた)。
【0016】
[0016]最適化されたスクープのこの断面設計によって、不均一なガラスゴブがゴブフィーダーからスクープに供されることによる、または以前から知られているスクープ設計を通過するときのガラスゴブの通過(さまようこと)による、ガラスゴブの変化を大幅に減少させることができる。最適化されたスクープの改良された断面形状により、ガラスゴブのスピードをごくわずかに減少させながら、同時にガラスゴブ形状を改良し、トラフに供給されるガラスゴブの変化を減らすことが可能である。最適化されたスクープの別の効果は、ガラスゴブのドッグボーン構成がなくなることである。
【0017】
[0017]最適化されたスクープの減少された断面形状によって、最適化されたスクープを通過するガラスゴブの速度がわずかに減少されることが理解されるであろうが、本発明の最適化されたスクープは、この速度減少を最小限にすることが可能であり、実際に、固有のスクープ軌道設計を利用することによって最適化されたスクープを通過するガラスゴブの速度を(以前から知られているスクープ設計と比べて)わずかに増加させることができる。選択された半径を有する湾曲を使用する、以前から知られているスクープと違って、本発明の最適化されたスクープは、ベジェ曲線を使用して、最適化されたスクープの軌道を定義する。(ベジェ曲線は良く知られており、数式によって定義された曲線である。)
[0018]ベジェのパラメータ化によって、不連続点および曲率の反転をうまく回避する、最適化されたスクープの全体的に模範的な(well behaved)外形が生成される。ベジェ曲線を使用することにより、最適化されたスクープの固有の外形を非常に迅速に作成することも可能になる。本発明の最適化されたスクープは、好ましくは、連続的な、単調に減少する(極小値がない)軌道を有し、曲率の符号反転を有さない。その要件は制御点を使用するベジェのパラメータ化によってすべて満たされる。ベジェ曲線の制御点を修正することによって、スクープを最適化するためにスクープの異なる構成が作成されモデル化されることができる。加えて、湾曲によって生じるスクープ内のガラスゴブに加えられる垂直力(normal force)の滑らかな増減を維持するためにスクープ設計にかかる垂直力の負荷分析を実施することによって、ガラスゴブにかかるこのような垂直力の影響を最小限にすることもできる。
【0018】
[0019]したがって、本発明は、ガラスゴブが最適化されたスクープを通過するときのガラスゴブ形状を改良する最適化されたスクープを教示することが分かるであろう。ガラスゴブ形状の改良は、ガラスゴブ供給システムを通過するときのガラスゴブのスピードを著しく減少させることなく、最適化されたスクープで達成される。したがって、最適化されたスクープからの十分な流出速度を維持するように、最適化されたスクープの最適化された軌道によりガラスゴブのスピードの著しい減少を防ぎながら、最適化されたスクープ内のガラスゴブ形状の改良によって、ガラスゴブ形状は、より均一に円柱状のガラスゴブを生成し、ドッグボーン形状をなくすように強化される。さらに、ガラスゴブ形状の改良は、ガラスゴブを著しく長くすることなく、最適化されたスクープにおいて達成される。
【0019】
[0020]本発明の最適化されたスクープは、耐久性があって長持ちする構造であり、また、その動作寿命の全期間にわたって、ユーザがメンテナンスを行う必要がほとんどまたはまったくない。本発明の最適化されたスクープは、その市場へのアピールを高め、それによって最も広範な市場可能性をもたらすために、安価な構造である。最後に、本発明の最適化されたスクープの上記の利点および目的のすべては、実質的に関連する欠点を何ら生じさせることなく実現される。
【0020】
[0021]本発明の上記およびその他の利点は、図面を参照することにより最も良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】[0022]スクープ、トラフ、およびデフレクタを示す、ガラスゴブをパリソン金型に供するための一般的なガラスゴブ供給システムの側面図である。
【図2】[0023]従来のガラスゴブ供給システムのスクープによって供されるガラスゴブの構成を示す側面図である。
【図3】[0024]その頂端から底端へのテーパを示す、本発明の最適化されたスクープの上および片側からの、最適化されたスクープの等角図である。
【図4】[0025]その上端での最適化されたスクープの断面形状を示す、図3に示された最適化されたスクープの上端の平面図である。
【図5】[0026]その下端での最適化されたスクープの断面形状を示す、図3および図4に示された最適化されたスクープの下端の平面図である。
【図6】[0027]最適化されたベジェ曲線によって定義されたスクープ軌道を示す、図3および図4に示された最適化されたスクープの断面図である。
【図7】[0028]流体冷却通路を囲むように溶着されたカバーの前の、図3に示された最適化されたスクープ内にある流体冷却通路を示す分解底面図である。
【図8】[0029]ベジェ曲線を定義する4つの制御点を示すベジェ曲線の例である。
【図9】[0030]図3から図7に示された最適化されたスクープのスクープ軌道を最適化するためのベジェ曲線群である。
【図10】[0031]ガラスゴブが最適化されたスクープに入るときのいくつかの異なる初速度に関する、図3から図5に示された最適化されたスクープを通過するガラスゴブに加えられる垂直力を示す一連のプロットである。
【図11】[0032]本発明の最適化されたスクープによって供されるガラスゴブの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0033]本発明の例示的な実施形態を説明する前に、ガラスゴブをI.S.マシンに供するために使用される一般的なガラスゴブ供給システムにおけるスクープの位置および機能を簡単に説明することは有用である。図1を参照すると、このようなガラスゴブ供給システムが、重力によるゴブフィーダー22からパリソン金型24へのガラスゴブ20の供給を示す概略図で示されている。溶融ガラスは、ゴブフィーダー22の底面にあるオリフィス26を通ってゴブフィーダー22を出て、概略的に示されているガラスゴブ剪断機構28によって切断されて、一連のガラスゴブ20を形成する。
【0023】
[0034]ガラスゴブ20は下方向に落下して、ガラスゴブ20を垂直な軌道から斜めの軌道に方向を変えるように湾曲したスクープ30の頂端に入り、スクープ30の底端から、傾斜したトラフ32の上端に入る。トラフ32の下端から、ガラスゴブ20は、ガラスゴブ20を斜めの軌道からパリソン金型24の上で垂直の軌道に方向を変えるように湾曲したデフレクタ34の頂端内に向けられる。デフレクタ34の下端から、ガラスゴブ20が落下して、パリソン金型24の開いている頂部側面に入る。
【0024】
[0035]次に図2を参照すると、従来のガラスゴブ供給システムのスクープ30から供されるガラスゴブ20が示されている。ガラスゴブ20は拡幅した下部40ならびに拡幅した上部42を有し、それらの間に、狭窄した中間部44があることが分かるであろう(分かりやすくするため、ガラスゴブ20の狭窄した中間部44の狭窄度はやや誇張されている)。ゴブフィーダー22のオリフィス26(図1に示される)から流れ出る溶融ガラスは流動性が非常に高いので、ガラスゴブ20(図1に示す)が重力によって落ちるとき、その途中で分離し始めて、当業界で「ドッグボーン」形状と呼ばれる、図1に示された形状をもたらす。このドッグボーン形状は、ガラスゴブ剪断機構において存在し、従来のガラスゴブ供給システムを通るときガラスゴブ20によって維持され、不適切なゴブがパリソン金型24(図1に示される)内に載る1つの原因である。
【0025】
[0036]次に図3から図7を参照すると、本発明の教示により構築された最適化されたスクープ50が示されている。このスクープは上端52と下端54とを有し、それらの間に滑らかな湾曲部56が延びる。最適化されたスクープ50は、最適化されたスクープ50の上端52が最適化されたスクープ50への入口の役割を果たすように取り付けられ、重力によって垂直に落下して最適化されたスクープ50の上端52に入るガラスゴブ(図3から7に示されず)を受け取る。最適化されたスクープ50の湾曲部56は、ガラスゴブが、ガラスゴブをトラフ32(図1に示される)に適切な軌道で供給する最適化されたスクープ50の下端54において、最適化されたスクープ50を水平線に対して鋭角で出るように、ガラスゴブの軌道を修正する(例を挙げると、その角度は約30度とすることができるが、任意のガラスゴブ供給システムに対応するために必要に応じて変化させてよい)。
【0026】
[0037]最適化されたスクープ50の断面形状は、略凹状で(二次元的な意味において)、好ましくはU字状であり、U字状の底面は好ましくは半円状で、この半円の上にある最適化されたスクープ50の対向する側面58および60は好ましくは、最適化されたスクープ50の湾曲部56に沿って基本的に平行である。これらの特性は、本発明の教示から逸脱することなく、やや変化することができる(したがって、よりV字状の形状も潜在的に含むことができる)ことに留意されたい。U字状の半円状底面の幅は、好ましくは最適化されたスクープ50の湾曲部56に沿って、最適化されたスクープ50の上端52における最大幅から最適化されたスクープ50の下端54における最小幅に変化し、それによって、最適化されたスクープ50の湾曲部56の長さに沿ってテーパを付けられた幅を生じさせる。
【0027】
[0038]最適化されたスクープ50は、最適化されたスクープ50の上端52にある取付フランジ62を有し、この取付フランジ62は、最適化されたスクープ50をガラスゴブ供給システムの適切な所に支持するために使用されている。取付フランジ62内にあるのは冷却流体入口64と冷却流体出口66であり、これらは冷却流体を最適化されたスクープ50内に導き、ここから出すために使用される。64と66は、逆にするように望まれる場合は、そのようにすることもできることに留意されたい。
【0028】
[0039]最適化されたスクープ50内にあり、その下側から目に見える(図7に最も良く示される)のは、最適化されたスクープ50のほぼ全長に延びる2つの平行な冷却チャネル68および70である。最適化されたスクープ50の上端52近くの冷却チャネル68の端部は冷却流体入口64と流体連通し、最適化されたスクープ50の上端52近くの冷却チャネル70の端部は冷却流体出口66と流体連通する。冷却チャネル68および70はV字状リブ72によって分離される。冷却チャネル68および70は、最適化されたスクープ50の下端54の近くにあるチャネル74によって互いに接続される。
【0029】
[0040]曲面パネル76は、冷却チャネル68の上に配置され、冷却チャネル68を囲むように最適化されたスクープ50の上に所定の位置に溶着される。同様に、曲面パネル78は、冷却チャネル70の上に配置され、パネル78を囲むように最適化されたスクープ50の上に所定の位置に溶着される。したがって、水またはいくつかの他の冷却流体は、溶融ガラスゴブが最適化されたスクープ50を過熱するのを防ぐために、最適化されたスクープ50の内部の冷却チャネル68および70を通ってポンプ圧送されることができることが当業者には理解されよう。
【0030】
[0041]最適化されたスクープ50は、アルミニウム、ステンレス鋼、またはチタンからなる単一片(パネル76および78を除く)に機械加工されることができる。ステンレス鋼およびチタンはコーティングなしで使用することができるが、アルミニウムは、ガラスゴブがアルミニウムの表面に固着することを防ぐために、Praxair Surface Technologies, Inc.から入手可能な材料などの市販のセラミック材料のプラズマ溶射を必要とする。チタンは、基本的にステンレス鋼と同じ特性を有するが、また、重量が著しく減少されていることを特徴とする。
【0031】
[0042]ここで主に図3および図6を参照すると、好ましい一実施形態では、U字状の半円状底面の幅は、最適化されたスクープ50の湾曲部56に沿って、最適化されたスクープ50の上端52における最大幅から最適化されたスクープ50の下端54における最小幅まで直線的に変化する。最適化されたスクープ50の下端54における幅は、最適化されたスクープ50がそれを通過するガラスゴブを成形加工するために機能するために、ガラスゴブ20の拡幅した下部40(図2に示される)およびガラスゴブ20の拡幅した上部42(図2に示される)におけるガラスゴブの最大直径より小さくなるように選択される。
【0032】
[0043]たとえば、いずれも約32ミリメートルの直径を有するガラスゴブ20の拡幅した下部40(図2に示される)およびガラスゴブ20の拡幅した上部42(図2に示される)と、約30ミリメートルの直径を有するガラスゴブ20の狭窄した中間部44(図2に示される)とを有するガラスゴブの場合、最適化されたスクープ50の下端54での幅は、ガラスゴブ20の狭窄した中間部44とほぼ同じサイズ、すなわち約30ミリメートルとなるように選択される。この例の場合、最適化されたスクープ50の上端52での幅は、約46.5ミリメートルとすることができる。
【0033】
[0044]当業者は、これらの寸法が、本発明の精神から逸脱することなく、著しく変化されうることを理解するであろうが、ガラスゴブを大幅に長くすることなくガラスゴブをより円柱状の形状に押し出すために、最適化されたスクープ50の下端54の幅が、ガラスゴブ20の拡幅した下部40とガラスゴブ20の拡幅した上部42の少なくとも1つの幅よりわずかに小さくなければならないことは重要である。最適には、最適化されたスクープ50のテーパリングおよび最適化されたスクープ50の下端54の幅は、ガラスゴブを過度に長くしたり最適化されたスクープ50を通るガラスゴブの通過スピードを著しく減少させたりすることなく、最適化されたスクープ50を通過するガラスゴブの形状を最適化するように選択されるべきである。典型的には、ガラスゴブは、このように実施することによって何ら重大な欠点を生じさせることなく、約20パーセントも長くすることができる。
【0034】
[0045]最適化されたスクープ50の湾曲部56におけるテーパリング断面の使用によって改良されたガラスゴブ形状を得ることは非常に有益だが、これは必ず、最適化されたスクープ50を通過するときのガラスゴブのスピードが少なくともある程度低下するという結果になることが当業者には理解されよう。したがって、ガラスゴブが最適化されたスクープ50を出るときの考えられうる最高のガラスゴブの通過スピードを得るために、最適化されたスクープ50の上端52と最適化されたスクープ50の下端54の間の最適化されたスクープ50の湾曲部56に対する最適化された曲率をもたらすことが望ましく、また有益である。最適化されたスクープ50の湾曲部56のこの曲率は滑らかで、かつ不連続点および曲率の反転を回避するものでなければならない。
【0035】
[0046]最適化されたスクープ50の上端52と最適化されたスクープ50の下端54の間にある最適化されたスクープ50の湾曲部56のこのような最適化された曲線を容易にする有利な手段がベジェ曲線を用いることであることが発見された。本発明の最適化されたスクープ50によって使用される手法では、ベジェ曲線は、図8に示されるような、最適化されたスクープ50の軌道を表すために使用される。具体的には、4つの制御点(合計8つの調整可能なパラメータのために、それぞれ2つの座標を有する)が、それを通るガラスゴブの軌道を定義する最適化されたスクープ50の湾曲を生成するために使用される。これらの制御点の2つ(制御点1および制御点4)はそれぞれ、最適化されたスクープ50の始点および終点であり、それらは(それによって、調整可能なパラメータの数を8、すなわち残る2つの制御点のそれぞれのための2つの座標に減らすために)固定される。他の2つの制御点(制御点2および制御点3)は、最適化されたスクープ50の湾曲の全体的な形状を変更するために変化することができる。
【0036】
[0047]ガラスゴブが重力により垂直に落下して、最適化されたスクープ50に入るので、制御点2は縦軸に沿って制御点1の下にある。ガラスゴブが最適化されたスクープ50を(図1に示されるトラフ32に向かって)離れる軌道が、水平軸に対して測定される鋭角θによって定義されるので、制御点3は、水平軸から鋭角θで変位する線に沿う。それぞれの軸に対する制御点2および制御点3の位置を制限することによって、制御点を調整できるのは2つのパラメータに限定される。それぞれの軸上で制御点2および制御点3の相対位置を変化させることによって、湾曲の全体的形状または最適化されたスクープ50の軌道が変化することができる。この曲線は、以下の式によって与えられる。
【0037】
p(z)=(1−z)+3(1−z)zc+3(1−z)z+z、ここで0≦z≦1
[0048]その結果得られる軌道は常に、制御点1と制御点2の間に延びる線に制御点1で接し、常に、制御点4と制御点3の間に延びる線に制御点4で接する。制御点1から制御点2までの線の長さが増加するにつれて、軌道はその初期勾配を維持し、制御点1から制御点2までの線への「固着」(stick)が長くなる傾向がある。同様に、制御点4から制御点3までの線の長さが増加されるにつれて、軌道は、制御点4から制御点3までの線にほぼ接するのが早くなり、制御点4から制御点3までの線への「固着」が早くなる傾向がある。
【0038】
[0049]制御点2および制御点3の許容可能な選択を適切に制限することによって、制御点1と制御点4を結ぶ曲線が模範的であるようにすることができる。具体的には、制御点2および制御点3が移動可能な量は、曲率が符号を変更する点を越えて制御点2および制御点3を移動させないことによって制限される。制御点2がその縦軸と、出口角を定義する制御点4および制御点3を含む線との交点より上に保たれる場合、曲率は符号を変更させない。制御点3が、出口角を定義する制御点4および制御点3を含む線と、制御点1より下の縦軸との交点の右に移動することができない場合、曲率は符号を変更させない。
【0039】
[0050]次に図9を参照すると、最適化されたスクープ50のための6つの考えられる例示的な軌道が示されている。最適化されたスクープ50のための最適な軌道は、ガラスゴブの伸長を許容可能な範囲内に維持しながら最適化されたスクープ50からのガラスゴブの流出速度を最適化する軌道である。これらの軌道の形状(trajectory profile)のそれぞれに関して数値流体力学と呼ばれる数学的解析を実施することによって、これらの異なる軌道の形状のそれぞれがガラスゴブの流出速度およびガラスゴブの伸長に及ぼす影響を求めることができる。いくつかの異なる軌道の形状は良く似たガラスゴブの流出速度を有することができ、最適な軌道の形状を特定する他の手段を追求してもよい。
【0040】
[0051]最適な軌道の形状を特定するこのような一代替方法は垂直力解析を使用することであり、その例が図10に示されている。この解析は、所定の速度でスクープに入るガラスゴブにかかる垂直荷重(normal load)を求めるものである。その目的は、垂直力の滑らかな増減を維持しながら、最適化されたスクープ50を通過するガラスゴブに加えられる、滑らかで一貫した垂直力パターンとピーク時の最小限の垂直荷重を確実にすることである。垂直力を緩やかに増減させた場合、最適化されたスクープ50の湾曲がガラスゴブ形状に及ぼす影響は小さくなるはずである。垂直力を最小限にした場合、ガラスゴブと最適化されたスクープ50の間の摩擦が小さくなると予想されるはずであり、これは、ガラスゴブの変形、スピード、および伸長に及ぼす影響が最小限であることを意味する。
【0041】
[0052]図10は最適化されたスクープ50の軌道の形状を示し、3つの曲線は、垂直力を(ガラスゴブが最適化されたスクープ50に入るときの)3つの異なるガラスゴブの初速度に関する最適化されたスクープ50上の所与の点として示す。向心力は以下の式によって計算され、式中、mはガラスゴブの質量、vはガラスゴブの速度、およびrは特定の点における最適化されたスクープ50の曲率の半径である。
【0042】
【数1】

[0053]ガラスゴブが、最適化されたスクープ50の湾曲を進むにつれて、向心力が増加し、そのためガラスゴブが伸長する。(こういうわけで、ガラスゴブの伸長を引き起こすのはガラスゴブにかかる向心力であるので、ガラスゴブの伸長は、スクープおよびデフレクタ上のみで見られ、トラフ上では見られない。)この垂直力解析手法を適用することによって、数値流体力学の結果に基づいて選定された軌道の形状を検証することができる。最適化されたスクープ50のための最適な軌道は、ガラスゴブが受ける最大の垂直力を許容可能なレベルに低下させながら、向心力の滑らかな増加を有する。ベジェ曲線の生成およびこの垂直力解析手法を用いることによって生成される最適化されたスクープ50の最適な軌道は、数値流体力学解析との一致を示すように決定される。以前から知られているスクープと比べて、最適化されたスクープ50は、速度の著しい損失がなく(おそらく速度はわずかに増加する)、ガラスゴブ形状が大幅に改良され、ガラスゴブ長の増加は無視できる程度である、というすばらしい結果を示す。
【0043】
[0054]したがって、本発明の好ましい実施形態の上記の詳細な説明から、ガラスゴブが最適化されたスクープを通過するときのガラスゴブ形状を改良する最適化されたスクープを教示することが理解されよう。ガラスゴブ形状の改良は、ガラスゴブ供給システムにおけるガラスゴブのスピードを著しく減少させることなく、最適化されたスクープにおいて達成される。したがって、最適化されたスクープ内のガラスゴブ形状の改良は、最適化されたスクープからの十分な流出速度を維持しながら、より均一な円柱状のガラスゴブを生成するようにガラスゴブ形状を向上させ、ドッグボーン形状をなくす。さらに、ガラスゴブ形状の改良は、ガラスゴブを著しく長くすることなく、最適化されたスクープにおいて達成される。
【0044】
[0055]本発明の最適化されたスクープは、耐久性があって長持ちする構造であり、その動作寿命の全期間にわたって、ユーザがメンテナンスを行う必要がほとんどまたはまったくない。本発明の最適化されたスクープはまた、その市場へのアピールを高め、それによって最も広範な市場可能性をもたらすために、安価な構造である。最後に、本発明の最適化されたスクープの上記の利点および目的のすべては、実質的に関連する欠点を何ら生じさせることなく実現される。
【0045】
[0056]本発明の最適化されたスクープの上述の説明を、特定の実施形態およびその適用例に関して図示し説明してきたが、それらは例示および説明を目的して提示されたものであり、本発明を網羅すること、または本発明を開示されている特定の実施形態および適用例に限定することを意図するものではない。本発明の精神または範囲を逸脱することなく、本明細書において説明された本発明に対して多くの変更、修正、変形、または改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。本発明の原理およびその実際的な適用例の最良の例示を提供し、それにより当業者が種々の実施形態で、および企図される特定の使用に適している種々の修正を加えて本発明を利用できるようにするために、特定の実施形態および適用例を選定し説明した。したがって、このような変更、修正、変形、および改変はすべて、添付の特許請求の範囲が公平に、法的に、かつ公正に権利を与えられる範囲に従って解釈されるときに、これらの特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内に含まれると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0046】
20 ガラスゴブ
22 ゴブフィーダー
24 パリソン金型
26 オリフィス
28 剪断機構
30 スクープ
32 トラフ
34 デフレクタ
40 下部
42 上部
44 中間部
50 最適化されたスクープ
52 上端
54 下端
56 湾曲部
58 側面
60 側面
62 取付フランジ
64 冷却流体入口
66 冷却流体出口
68 冷却チャネル
70 冷却チャネル
72 リブ
74 チャネル
76 曲面パネル
78 曲面パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力の影響を受けて垂直に落下してスクープに入る溶融ガラスのゴブを、後続ゴブ供給装置によりパリソン金型に供給するためのある角度をなす軌道においてスクープからゴブを受け取る前記後続ゴブ供給装置に搬送するためのスクープであって、
重力の影響を受けて前記ゴブが垂直に落下して入る前記スクープの入口端と、
前記ゴブが前記後続ゴブ供給装置に供給するためのある角度をなす軌道に向けられる前記スクープの出口端と、
前記スクープの前記入口端と前記スクープの前記出口端の間にある前記スクープの湾曲部とを備え、
前記スクープが、前記スクープの前記入口端において第1の幅を、および前記スクープの前記出口端において第2の幅を有する略凹状の断面形状を有し、前記第2の幅が、前記スクープの前記入口端に入るゴブの最大直径部分より小さい、スクープ。
【請求項2】
前記スクープの前記湾曲部が、ゴブが前記スクープの前記出口端で前記スクープを水平線に対して鋭角で出るように、前記ゴブの前記軌道を修正するように構成される、請求項1に記載のスクープ。
【請求項3】
前記鋭角が約30度である、請求項2に記載のスクープ。
【請求項4】
前記スクープが、略U字状である断面形状を有する、請求項1に記載のスクープ。
【請求項5】
前記スクープの前記U字状の断面形状が、半円状底面と、前記半円状底面の上にほぼ平行な対向する側面とを有する、請求項4に記載のスクープ。
【請求項6】
前記スクープの前記U字状の断面形状が、前記スクープの前記入口端から前記スクープの前記出口端まで前記スクープの前記湾曲部に沿ってテーパを付ける幅を有する、請求項4に記載のスクープ。
【請求項7】
前記スクープの前記U字状の断面形状が、ゴブを過度に長くしたり前記スクープを通過するときのゴブの通過スピードを著しく減少させたりすることなく、前記スクープを通過する前記ゴブの形状を最適化するように選択された、前記スクープの前記湾曲部に沿ってテーパを付けられた幅を有する、請求項6に記載のスクープ。
【請求項8】
前記スクープの前記U字状の断面形状が、前記スクープの前記入口端から前記スクープの前記出口端まで前記スクープの前記湾曲部に沿って直線的にテーパが付いた幅を有する、請求項6に記載のスクープ。
【請求項9】
前記ゴブが、垂直に落下して前記スクープの前記入口端に入るときに「ドッグボーン」構成を有し、その頂端および底端近くにおいてより大きな直径と、その中間部においてより小さな直径とを有し、前記第2の幅が、その前記頂端および前記底端近くにおける前記ガラスゴブの前記より大きな直径の少なくとも1つより小さい、請求項1に記載のスクープ。
【請求項10】
前記スクープの前記入口端にある、前記スクープをガラスゴブ供給システムの適切な所に支持するように構成された取付フランジをさらに備える、請求項1に記載のスクープ。
【請求項11】
前記スクープの内側にある冷却チャネルであって、それを通して冷却流体を循環させることによって冷却を提供するための冷却チャネルをさらに備える、請求項1に記載のスクープ。
【請求項12】
前記スクープが、アルミニウム、ステンレス鋼、およびチタンからなる群から選択される材料で作製される、請求項1に記載のスクープ。
【請求項13】
前記スクープの前記湾曲部の湾曲が滑らかで、ゴブが前記スクープを通過するときの考えられうる最高の前記ゴブの通過スピードを得るために不連続点および曲率の反転を回避する、請求項1に記載のスクープ。
【請求項14】
前記スクープの前記湾曲部の湾曲がベジェ曲線によって定義される、請求項1に記載のスクープ。
【請求項15】
前記ベジェ曲線が、ゴブの伸長を許容可能な範囲内に維持しながら前記スクープの前記出口端からの前記ゴブの流出速度を最大限にするように最適化される、請求項14に記載のスクープ。
【請求項16】
前記ベジェ曲線が、垂直力の滑らかな増減を維持しながら、前記スクープを通過するゴブに加えられる、滑らかで一貫した垂直力パターンとピーク時の最小限の垂直荷重を確実にするように、垂直力解析の使用によって最適化される、請求項14に記載のスクープ。
【請求項17】
前記ベジェ曲線がそれぞれの終点cおよびcならびにそれぞれの制御点cおよびcを有し、前記スクープの前記湾曲部を定義する曲線が式
p(z)=(1−z)+3(1−z)zc+3(1−z)z+z、ここで0≦z≦1
によって定義される、請求項14に記載のスクープ。
【請求項18】
スクープであって、溶融ガラスのゴブを、前記ゴブが重力の影響を受けて垂直に落下して入るスクープの入口端から、前記ゴブが、前記ゴブをパリソン金型に供給する後続ゴブ供給装置に供給するためのある角度をなす軌道に向けられるスクープの出口端に搬送するためのスクープにおいて、
重力の影響を受けて前記ゴブが垂直に落下して入る前記スクープの入口端と、
前記ゴブが前記後続ゴブ供給装置に供給するためのある角度をなす軌道に向けられる前記スクープの出口端と、
前記スクープの前記入口端と前記スクープの前記出口端の間にある前記スクープの湾曲部とを備え、前記スクープの前記湾曲部の湾曲がベジェ曲線によって定義され、
前記スクープが、前記スクープの前記出口端における第2の幅まで直線的にテーパが付いた第1の幅を前記スクープの前記入口端に有する略U字状の断面形状を有し、前記第2の幅が、前記スクープの前記入口端に入るゴブの最大の直径部分より小さい、スクープ。
【請求項19】
重力の影響を受けて垂直に落下する溶融ガラスのゴブを、前記ゴブをパリソン金型に供給する後続ゴブ供給装置に搬送するためのスクープであって、
重力の影響を受けて前記ゴブが垂直に落下して入る入口端と、
前記ゴブが前記後続ゴブ供給装置に供給するためのある角度をなす軌道に向けられる出口端と、
前記入口端と前記出口端の間にある湾曲部とを備え、
前記スクープが、ゴブをより円柱状の形状に成形加工するように構成される、スクープ。
【請求項20】
重力の影響を受けて垂直に落下してスクープに入る溶融ガラスのゴブを、後続ゴブ供給装置によりパリソン金型に供給するためのある角度をなす軌道において前記スクープからゴブを受け取る前記後続ゴブ供給装置に搬送するための方法であって、
前記ゴブが重力の影響を受けて垂直に落下して前記スクープの入口端に入るように前記ゴブを送るステップと、
前記スクープの前記入口端と前記スクープの出口端の間にある前記スクープの湾曲部を通して前記ゴブを導くステップであって、前記スクープが、前記スクープの前記入口端において第1の幅を、および前記スクープの前記出口端において第2の幅を有する略U字状の断面形状を有し、前記第2の幅が、前記スクープの前記入口端に入るゴブの最大直径部分より小さい、ステップと、
前記ゴブを、前記スクープの前記出口端から、前記後続ゴブ供給装置へのある角度をなす軌道に向けるステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−162433(P2011−162433A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−24636(P2011−24636)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(598152242)エムハート・グラス・ソシエテ・アノニム (49)