説明

改良されたボードビンディング

ビンディング、特にスノーボードビンディングは、ベースプレートと、ヒール・クレイドル支持要素と、トゥ・クレイドル支持要素と、ベースプレートの一方の側部に連結された長部と他方の側部に連結された短側部とを有するインステップ・ストラップ装置と、インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置と、インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置とトゥ・クレイドル支持要素とを連結する可撓性リンク機構とを備える。開放位置では、トゥ・クレイドル支持要素は自由に移動することができ、閉鎖位置では、可撓性リンク機構がトゥ・クレイドル支持要素を引っ張るため、足がトゥ・クレイドル支持要素と、ヒール・クレイドル支持要素と、インステップ・ストラップ装置との間に固定される。この閉鎖位置において、インステップ・ストラップ装置の互いに保持された部分は、可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、閉鎖装置を通して、これらの部分の間に作用する力によって、足を確実に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦面に足を保持するためのビンディングに関する。より詳細には、本発明は、任意の通常のソフトブーツまたは足で使用することができる、雪および他の表面に乗るために使用されるボードに足を保持するためのビンディングに関する。概して、ビンディングは、ボードの平坦面に足を保持するために使用することができ、そのボードの反対側は、ボードが、雪、水または空気といった支持界面に対して摺動または滑走するように、もしくはボードにローラが装備されている場合は固体支持面上を回転するように使用されるのを可能にするように適合されている。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、発明者アルノー・ムスカテリ(Arnaud Muscatelli)により2005年11月30日に同時に出願された「調整可能なヒール・カップフレームを備えたビンディング(Binding With Adjustable Heel−Cup Frame)」と題する米国特許出願第60/740,753号明細書を相互参照し、その内容は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
過去十年間、スノーボードの人気はますます高まってきた。乗り手の足をボードの上に保持するビンディングは、安全、快適さおよび操作性を確実にするために重要な役割を果たす。
【0004】
スノーボードのためのもっとも普及している従来のソフトビンディングは、2ストラップシステムを使用する。そこでは、乗り手のブーツは、スノーボードに締結される板の上に配置され、つま先に亙って締結される第1ストラップと、足の甲に亙って締結される第2ストラップとによって適所に保持される。このタイプのシステムには以下の欠点がある。すなわち、乗り手の足に、2つのストラップを手によって締結しなければならず、ビンディングを閉鎖するために、乗り手は、かがむ必要があり、しばしばグローブを外す必要がある。この従来のシステムは、閉鎖張力を「記憶」しない「ラチェット・ラダー」閉鎖手段を使用する。
【0005】
ダウンヒルスキービンディングで一般的な「ステップイン」特性を有するスノーボードビンディングを作製する試みがなされてきた。たとえば、一般的な「ステップイン」システムは、ブーツの底に固定された対応する機構にロックすることができるクリップ機構を有するベースプレートを使用する。このタイプの「ステップイン」には、以下の欠点がある。すなわち、ビンディングの機構がブーツの機構と嵌合しなければならないため、特定のビンディングを対応するブーツとしか使用することができない。さらに、ボードへの取付の面積がより小さく、ブーツの本底が結合機構の一部を含み、ブーツの上をストラップ支持体が横切らないため、足および足首に支持を提供するために、ブーツはいくつかの部分に亙って剛性に作製されなければならない。これにより、ブーツは快適でなくなる。剛性ブーツはまた、スノーボード操縦があまり正確でないため、それほど普及していない。
【0006】
別のタイプの「ステップイン」システムも提案されており、それは、「ステップイン」システムの利便性を2ストラップで達成可能な制御レベルと組み合わせようとするものであり、「バックイン(BACK−IN)」システムと呼ばれる。一例は、足がビンディングに上部ではなく後部から入る(後に適所に留まる)以外は、2ストラップビンディングと類似するフロー(Flow)/K2ビンディングシステムである。足の大部分を覆いストラップによって固定される単一ウェビングが、乗り手のブーツを押し下げる。バックインビンディングには、以下の欠点がある。すなわち、ハイバックが剛性であるために剛性が増大し、従来の柔軟な2ストラップビンディングに比較して、ブーツに亙る全体の感触および圧力配分が粗くなる。
【0007】
他のスノーボードビンディングシステムに関する以下の開示が提案されており、それらについて以下のように簡単に要約することができる。
【0008】
米国特許公報(特許文献1)は、一方のブーツのためのビンディングが、別のブーツのためのビンディングに、一方のブーツに異常な負荷がかかった場合に両方のブーツが外れるのを可能にする引張手段を介してケーブルによって連結される、スノーボードビンディングシステムを開示している。
【0009】
米国特許公報(特許文献2)は、ベースプレートとベースプレートから突出するサイドプレートとを備えた支持構造を有するスノーボードビンディングを開示している。サイドプレートに、単一のインステップ要素を保持するテンションケーブルが取り付けられている。インステップ要素は、ブーツのつま先領域から少なくともその足の甲領域まで延在する。テンションケーブルのための単一引張装置が、ヒール要素の枢動位置から独立している。
【0010】
(特許文献3)は、トゥストラップとインステップ・ストラップとがケーブルによってかかとの後方に位置するレバーに連結され、それによりトゥストラップおよびインステップ・ストラップに対する張力を制御することができる、スノーボードビンディングを開示する。
【0011】
(特許文献4)は、トゥストラップアセンブリとアンクルストラップアセンブリとがケーブルによって引張装置に連結され、引張装置が、乗り手がトゥストラップアセンブリおよびアンクルストラップアセンブリの両方を締付するために引くことができるループ状ハンドルで終端する、スノーボードビンディングを開示する。
【0012】
(特許文献5)は、トゥストラップとアンクルストラップとがケーブルシステムによって連結され、ストラップの一方が、トゥストラップとアンクルストラップとを同時に締付するためにストラップラダーと協働するラチェット・爪タイプ閉鎖部を有する、スノーボードビンディングを開示する。閉鎖部をより作動させるかまたは作動させないことにより、2つのストラップに対する張力が増大するかまたは低減する。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,190,311号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0113392号明細書
【特許文献3】EP 0 836 869−A2
【特許文献4】国際公開第97/31687号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/049156号パンフレット
【特許文献6】米国特許仮出願第60/740,753号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した最後の3つのタイプのスノーボードビンディングでは、トゥストラップおよびアンクルストラップはともに、ケーブルにより張力下で保持される。これは、保持力が十分に分散せず、かつ、ケーブルが破断した場合、乗り手のブーツが危険な状態でスノーボードから急に離れる可能性があることから危険である可能性があるため、望ましくない。
【0015】
特にスノーボードに適合されるビンディングであって、従来の最良の2ストラップシステムの所望の特徴、特にインステップ・ストラップによって提供される支持および安全性と、適当に調整されたトゥストラップアセンブリによって提供される優れた制御とを提供し、通常のソフトブーツに受け入れられ、そのためスノーボードの快適さおよびより優れた制御を確実にし、ソフトブーツをステップイン機能でビンディングに配置することに関して便利であり、またブーツを適当に固定しかつブーツを解放するためにも便利である、ビンディングが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
簡単に述べると、本発明の一態様によれば、互いに反対側の2つの面を有する平坦面の第1面に足を保持するためのボードビンディングであって、前記平坦面の第2面が、前記第2面が接触する他の表面の上を摺動するように使用される、ビンディングであって、
ベースプレートと、
ベースプレートに締結されたヒール・クレイドル支持(heel−cradling)要素と、
ベースプレートに締結され、かつビンディングに配置された足に対して前後に移動することができる、トゥ・クレイドル支持(toe−cradling)要素と、
ベースプレートの一方の側部に連結された第一部分と、ベースプレートの他方の側部に連結された第二部分とを有するインステップ・ストラップ装置と、
インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置であって、インステップ・ストラップ装置の前記第一部分および前記第二部分が開放しているかまたは容易に開放できる開放位置と、前記第一部分および前記第二部分が互いに堅固に保持される閉鎖位置とを有する閉鎖装置と、
インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置とトゥ・クレイドル支持要素とを連結する可撓性リンク機構であって、
−閉鎖装置が開放位置にあるとき、トゥ・クレイドル支持要素が自由に前後に移動することができ、
−閉鎖装置が閉鎖位置にあるとき、可撓性リンク機構がトゥ・クレイドル支持要素に張力を伝達することにより、それを、ビンディングにおける足のつま先部分の周囲に適合するように後方に移動させ、それにより、足がトゥ・クレイドル支持要素と、ヒール・クレイドル支持要素と、インステップ・ストラップ装置との間で固定される
ように構成される可撓性リンク機構と
を備え、
閉鎖装置が閉鎖位置にあるとき、インステップ・ストラップ装置の互いに保持された第一部分および第二部分が、可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、閉鎖装置を通して第一部分と第二部分との間に作用する力により、閉鎖したインステップ・ストラップ装置内に足を確実に保持するビンディングが提供される。
【0017】
本発明の別の態様に従って、互いに反対側の2つの面を有する平坦面の第1面に足を保持するためのボードビンディングに嵌合されるように適合された、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置であって、前記平坦面の第2面が、第2面が接触する他の表面の上を摺動するように使用され、前記ビンディングが、ベースプレートと、ベースプレートに締結されたヒール・クレイドル支持要素と、ベースプレートに締結されかつビンディングに配置された足に対して前後に移動することが可能なトゥ・クレイドル支持要素とを備える、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置であり、
ベースプレートの一方の側部に連結可能な第一部分と、ベースプレートの他方の側部に連結可能な第二部分とを有するインステップ・ストラップ装置と、
インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置であって、使用時、インステップ・ストラップ装置の前記第一部分および前記第二部分が開放しているかまたは容易に開放できる開放位置と、前記第一部分および前記第二部分が互いに堅固に保持される閉鎖位置とを有する閉鎖装置と、
インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置をトゥ・クレイドル支持要素に連結する可撓性リンク機構であって、使用時、
−閉鎖装置が開放位置にあるとき、トゥ・クレイドル支持要素が自由に前後に移動することができ、
−閉鎖装置が閉鎖位置にあるとき、可撓性リンク機構が、トゥ・クレイドル支持要素に張力を伝達することにより、それを、ビンディングにおける足のつま先部分の周囲に適合するように後方に移動させることができ、それにより、足がトゥ・クレイドル支持要素と、ヒール・クレイドル支持要素と、インステップ・ストラップ装置との間で固定される
ように構成される可撓性リンク機構と
を備え、
使用時、閉鎖装置が閉鎖位置にあるとき、インステップ・ストラップ装置の互いに保持された第一部分および第二部分が、可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、閉鎖装置を通して前記第一部分と前記第二部分との間に作用する力により、閉鎖したインステップ・ストラップ装置内に足を確実に保持することができる、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置が提供される。
【0018】
さらに、閉鎖装置が閉鎖位置にあるとき、インステップ・ストラップ装置の互いに保持された第一部分および第二部分は、可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、閉鎖装置を通して上記第一部分と第二部分との間に作用する力により、閉鎖したインステップ・ストラップ装置内に足を確実に保持する。このように、本発明によるビンディングは、従来の最良の2ストラップシステムの望ましい特徴のすべてを提供し、特に、インステップ・ストラップ装置は、確実な支持および安全性を提供する。好ましい実施形態では、本発明のビンディングは、スノーボードビンディングとして使用され、その場合、乗り手はブーツを着用する。ビンディングは、通常のソフトブーツにも受け入れられ、そのため、スノーボードの快適さおよびより優れた制御が保証される。ビンディングは、可撓性リンク機構により、ステップイン機能でビンディングに足/ブーツを配置することに関し便利である。また、インステップ・ストラップ装置とトゥ・クレイドル支持要素との間に足/ブーツを適当に固定するため、かつ足/ブーツを開放するためにも便利である。
【0019】
インステップ・ストラップ装置の閉鎖部が、可撓性リンク機構によって加えられる張力から独立しているという事実により、インステップ・ストラップ装置の確実なストラッピングが保証され、トゥ・クレイドル支持要素を、より軽い張力で足のつま先部分に対して保持することができる。そして、各部分はその目的を最適に遂行し、すなわち、インステップ・ストラップ装置は足の主な保持を提供し(総保持力の約70〜80%を占める)、トゥ・クレイドル支持要素は、主に案内/安定化機能を実行する。したがって、スノーボードの乗り手の制御が最適化される。さらに、可撓性リンク機構は、足の主な固定に寄与しないため、軽量材料から作製されることが可能である。可撓性リンク機構が破断した場合であっても、足は、インステップ・ストラップ装置によって適所に堅固に保持され続ける。
【0020】
このように、本発明により、可撓性リンク機構を有する以前のスノーボードビンディングシステムにおいて固有である安全性問題および保持力の不十分な分散が回避される。
【0021】
本発明によるビンディングは、2ストラップタイプの既存のビンディングと完全に互換性があり、完成したビンディングとして提供されてもよく、または既存の2ストラップビンディングに後付けされるように適合された、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置として提供されてもよい。
【0022】
既存のビンディングに後付けされる場合、この結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置により、上で概説した利点のすべてを提供する本発明によるビンディングがもたらされる。
【0023】
本発明は、添付図面に関連して、以下の詳細な説明からより完全に理解されよう。
【0024】
本発明を、その好ましい実施形態に関連して説明するが、本発明をその実施形態に限定するようには意図されていないことが理解されよう。それどころか、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲内に含まれ得るような代替形態、変更形態および等価形態すべてを包含することが意図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明では、ブーツに使用されるビンディングであって、スノーボードおよびウェイクボードを含むボードの表面に足が留まる必要があり、乗り手は素足であってもよい、ビンディングが提供される。
【0026】
明細書および添付の特許請求の範囲において「足」という場合、それは、足が露出している場合と、足が履物、特にスノーボードビンディングの場合はブーツによって覆われている場合とを含む。
【0027】
好ましい実施形態では、インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置は、第一部分に枢動可能に取り付けられたレバーと、第二部分に摺動可能に取り付けられたコネクタと、コネクタの摺動を制限するための第二部分の当接部とを備える。閉鎖装置の閉鎖位置では、レバーが、コネクタを当接部に対して引くことにより、インステップ・ストラップ装置を閉鎖し、閉鎖装置の開放位置では、コネクタが、上記第二部分上を摺動することが可能になる。
【0028】
このコネクタは、金属製であることが好ましいループの形態の部品であってもよく、インステップ・ストラップ装置の第二部分に摺動可能に取り付けられる平行な側部を有し、ループは、第一部分に面しかつレバーと係合するように適合される一端と、第二部分がベースプレートと連結される場所に面する反対端とを有し、この反対端は、ループの摺動を制限するように当接部に当接することができ、ループの上記反対端には可撓性リンク機構が連結される。力の伝達を最大限にするために、当接部は、ループの上記反対端の、ループの両側に傾斜する対応する部分に係合する、傾斜した当接面を有する。レバーは、閉鎖装置が閉鎖位置にあるときにインステップ・ストラップ装置のサイズを調整するように、コネクタと選択的に係合する、一続きの複数の凹部を有してもよい。このタイプの閉鎖は、既知であり、乗り手が正確な適合を提供する特定の凹部を選択することにより、サイズが「記憶」によって設定されるのを可能にする。この「記憶」タイプの閉鎖は、「ラチェット・ラダー」タイプ閉鎖とは対照的であり、後者は、ラチェットが、記憶ではなく感触によって設定され得る位置でラダーと係合するまで、使用者によって引っ張られる。
【0029】
インステップ・ストラップ装置の第一部分は、足の甲に亙って適合する長部であってもよく、第二部分は短側部であってもよい。レバーは、足の甲に亙って適合する第一部分の自由端に隣接して摺動可能に連結されてもよく、レバーは、第一部分の自由端に近接する部分の上に位置するまで、第二部分から離れる方向に枢動することにより、閉鎖位置まで移動可能である。
【0030】
ビンディングは、レバーを閉鎖位置において解放可能に保持する安全ロックを含むことが好ましい。
【0031】
ビンディングの可撓性リンク機構は、通常、鋼またはアラミド繊維から作製されることが好ましい少なくとも1つのケーブルを含む。このケーブルを部分的に被覆してもよい。
【0032】
一実施形態では、トゥ・クレイドル支持要素は、ベースプレートの一方の側部にのみ枢動可能に固定され、それにより、トゥ・クレイドル支持要素は、枢動することによりベースプレート上を前後に移動することができる。この場合、可撓性リンク機構は、ビンディングの一方の側部のみに沿って、インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置からトゥ・クレイドル支持要素の自由端まで延在すればよい。このように、可撓性リンク機構を、短いケーブルで構成することができる。
【0033】
本発明によるビンディングのヒール・クレイドル支持要素は、平面図において略U字型のヒール・カップフレームを備え、このヒール・カップフレームは、ヒール・カップフレームの位置の長手方向調整を可能にするようにベースプレートの両側に連結されたサイドアームを有する。インステップ・ストラップ装置の第一部分および第二部分を、ヒール・カップフレームの2つのアームの両側に連結してもよい。
【0034】
ヒール・クレイドル支持要素のアームは、ベースプレートの面に対して30°までの角度で傾斜することが好ましい。長手方向長さ調整と組み合わせて、これにより、有利に、乗り手のブーツのサイズに比例して自動高さ調整が可能になる。
【0035】
後付け可能な結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置は、ビンディングに配置された足に対して前後に移動することができるように、ベースプレートに締結されるように適合された、トゥ・クレイドル支持要素をさらに備えてもよく、このトゥ・クレイドル支持要素は、可撓性リンク機構に連結されるように適合される。トゥ・クレイドル支持要素は、ベースプレートの一方の側部にのみ固定されるように適合されることが好ましく、それによりトゥ・クレイドル支持要素は、その固定端を中心に枢動することによりベースプレート上で前後に移動することができ、可撓性リンク機構は、ビンディングの一方の側部のみに沿って、インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置からトゥ・クレイドル支持要素の自由端まで延在するように適合される。
【0036】
後付け可能な結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置は、インステップ・ストラップ装置の閉鎖装置の上述した特徴のすべてを組み込むことができる。
【0037】
すべての実施形態において、ビンディングは、乗り手が自身のサイズおよび技能に従って設定を選択することができるように完全に調整可能である。乗り手がビンディングに足を入れる度に調整を行う必要がないように、閉鎖装置を、乗り手が選択した設定で固定することができることが特に好ましい。
【0038】
ここで、本発明の詳細な説明に対する図面を参照する。図1に示すスノーボードビンディングは、ベースプレート10と、ベースプレート10に締結されたヒール・クレイドル支持要素20のヒール・カップフレームと、ベースプレート10に締結されたトゥ・クレイドル支持要素30と、インステップ・ストラップ装置40と、インステップ・ストラップ装置40のための閉鎖装置50と、閉鎖装置50とトゥ・クレイドル支持要素30とを連結する可撓性リンク機構65とを備える。可撓性リンク機構65は、36においてトゥ・クレイドル支持要素に取り付けられる。そして、それは、有利には可撓性リンク機構65を案内する管または部分的管であってもよい伝達要素60内を通る。伝達要素60を出た後、可撓性リンク機構65は、プーリであってもよい案内要素70の周囲を通る。
【0039】
ベースプレート10およびヒール・クレイドル支持要素20の詳細は、図4〜図6を参照して後に説明する。
【0040】
続けて図1を参照すると、トゥ・クレイドル支持要素30は、ビンディングに配置される足に対して前後に移動することができる。このために、トゥ・クレイドル支持要素30は、ベースプレート10の前端に適合される横方向支持体32内に摺動可能に適合する穿孔ストラップ34上に取り付けられる。ストラップ34の穿孔により、使用者は、通常通りにトゥ・クレイドル支持要素30の中央合わせを調整することができる。
【0041】
説明した実施形態では、トゥ・クレイドル支持要素30は、ベースプレート30の一方の側部(図1には示さない側部)にのみ枢動可能に固定され、それにより、自由に枢動することができるときに枢動することにより、ベースプレート10上を前後に移動することができる。図示するように、可視ストラップ34の自由端は、36において、可撓性リンク機構65の一端に連結される。
【0042】
インステップ・ストラップ装置40は、ベースプレート10の一方の側部(図1に示す方の反対側)に連結された主第一部分42と、ベースプレート10の可視の側部に連結された第2短側部44とを有する。主部42は、足の甲領域に亙り、短側部44の端部と相接しかつそれとオーバラップしてもよい自由端46まで延在する。
【0043】
インステップ・ストラップ装置40のための閉鎖装置50は、主部42に枢動可能に取り付けられたレバー51と、短側部44に摺動可能に取り付けられたコネクタ54と、コネクタ54の摺動を制限する短側部44の当接部48とを備える。閉鎖装置50の閉鎖位置では、レバー51は、コネクタ54を当接部48に対して引くことによりインステップ・ストラップ装置40を閉鎖し、閉鎖装置50の開放位置では、コネクタ54は短側部44上を摺動することができる(図3参照)。
【0044】
図1および図3に示すように、コネクタ54は、金属製であることが好ましいループの形態の部品であってもよく、短側部44上に摺動可能に取り付けられる平行な側部を有し、ループは、主部42(図1および図2)に面しかつレバー51(図1および図2参照)と係合するように適合される突出端56と、短側部44がベースプレート10に連結される場所に面する反対端59とを有する。ループ54のこの端部59は、ループ54の摺動を制限するように当接部48に当接することができる(図1参照)。ループ54のこの端部59に、可撓性リンク機構65が連結される。力の伝達を最大限にするために、当接部48は、ループの端部59の、ループ54の両側に傾斜する対応する部分が係合するために、傾斜し/湾曲した当接面を有する。
【0045】
閉鎖装置50のレバー51は、ピボット52により、主部42の自由端46(図2参照)の近くに枢動可能に取り付けられる。レバー51は、主部42に面している内側において、閉鎖装置50が閉鎖位置にあるときにインステップ・ストラップ装置のサイズを調整するために、ループ状コネクタ54の突出端56と選択的に係合する一続きの複数の凹部56を有する。このタイプの「記憶」閉鎖は既知であり、記憶ではなく感触で設定され得る「ラチェット・ラダー」タイプ閉鎖とは対照的である。
【0046】
再び図1および図2を参照すると、安全ロック58が、レバー51を、その閉鎖位置においてインステップ・ストラップ装置40の主部42に対して平坦に解放可能に保持する。ロック58を移動させることにより、乗り手は、レバー41を引き出すことができ、それにより可撓性リンク機構65が緩み、そのため、トゥ・クレイドル支持要素30は自由に外側に枢動することができ、乗り手のブーツのビンディングからの取外しが容易になる。レバー51がロック位置まで戻るように移動すると、ロック58は自動的にレバー51の端部の上に留まり、それをロックした状態で保持する。
【0047】
このため、インステップ・ストラップ装置40のための閉鎖装置50は、インステップ・ストラップ装置40の部分42、44が開放している(図3)かまたは容易に開放できる開放位置と、部分42、44が互いに堅固に保持されている閉鎖位置(図1)とを有する。
【0048】
閉鎖装置50とトゥ・クレイドル支持要素30とを連結する可撓性リンク機構65は、以下のように構成される。
−閉鎖装置50が開放位置にあるとき、トゥ・クレイドル支持要素30は自由に前後に移動することができ、ブーツの容易な挿入および取外しが可能となり、
−閉鎖装置50が閉鎖位置にあるとき、可撓性リンク機構65はトゥ・クレイドル支持要素30に張力を伝達することにより、それを後方に移動させてビンディングにおける足のつま先部分の周囲に適合させ、それによって、足はトゥ・クレイドル支持要素30と、ヒール・クレイドル支持要素20と、インステップ・ストラップ装置40との間に固定される。
【0049】
閉鎖装置50が閉鎖位置にあるとき、インステップ・ストラップ装置40の互いに保持された部分42、44は、可撓性リンク機構65において張力を維持する必要とは無関係に、閉鎖装置50を通して部分42、44の間に作用する力により、閉鎖したインステップ・ストラップ装置40内に足を確実に保持する。
【0050】
上述したように、ビンディングは、従来の最良の2ストラップシステムの望ましい特徴のすべてを提供し、特にインステップ・ストラップ装置40は、確実な支持および安全性を提供する。ビンディングは、通常のソフトブーツに受け入れられるため、スノーボードの快適さおよびより優れた制御が確実になる。ビンディングは、可撓性リンク機構65のために、ステップイン機能によってビンディングに足/ブーツを配置することに関して便利である。また、足/ブーツをインステップ・ストラップ装置40とトゥ・クレイドル支持要素30との間に適当に固定するために、かつ足/ブーツを解放するためにも便利である。
【0051】
上述したように、開放するトゥ・クレイドル支持要素30の側は、ビンディングの、インステップ・ストラップ装置40の短側部44と同じ側に位置する。これは、使用者が閉鎖装置50を作動するためにレバー51の端部にアクセス可能な側と同じ側であり、インステップ・ストラップ装置40が開放する側と同じ側である。ビンディングの開放機能のすべてが同じ側に位置することにより、ビンディングの開閉とブーツの挿入および取外しにおける最大の利便性が保証される。
【0052】
インステップ・ストラップ装置40の閉鎖は、可撓性リンク機構65によって加えられる張力とは無関係であり、インステップ・ストラップ装置40の確実なストラッピングを保証し、そこでは、トゥ・クレイドル支持要素30は、より軽い(事前に調整された)張力で足のつま先部分に対して保持される。そして、各部分は、その目的を最適に遂行する。インステップ・ストラップ装置40は、足の主な保持を提供し、トゥ・クレイドル支持要素30は主に案内機能を実行する。したがって、スノーボードの乗り手の制御が最適化される。可撓性リンク機構65は、足の主な固定には寄与せず、軽量材料から作製されることが可能である。可撓性リンク機構65が破断した場合であっても、足は、インステップ・ストラップ装置40により適所に堅固に保持され続ける。
【0053】
上述したビンディングは、2ストラップタイプの既存のビンディングと互換性があり、完全なビンディングとして提供されてもよく、または上述したように既存の2ストラップビンディングに後付されるように適合される、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置として提供されてもよい。
【0054】
ビンディングの可撓性リンク機構65は、通常、鋼またはアラミド繊維から作製されることが好ましい少なくとも1つのケーブルを含む。このケーブルは、部分的に被覆されてもよく、ビンディングの一方の側において短い距離に沿って延在すればよい。可撓性リンク機構のケーブルを、ビンディングのベースプレート10またはその取付具に設けられた凹部に収容してもよく、それにより、ビンディング内にありそのため見えないように隠され衝撃から保護される等の可撓性リンク機構のための案内経路が提供される。かかる案内経路の2つの例を図1および図1Aに示す。可撓性リンク機構は一方の側のみにあればよいが、ベースプレート10およびその取付具は、いずれの側にも収容するための凹部を有することが好都合である。このように、ビンディングを、乗り手の前方の足または後方の足に対して「汎用」にすることができる。
【0055】
別法として、特に後付けの場合、可撓性リンク機構65を、適当なクリップを用いてビンディングの外部に取り付けてもよい。
【0056】
図1〜図3は、使用の用意ができている、ビンディングとその取付具とを示す。図4〜図6は、ベースプレート10およびヒール・クレイドル支持アセンブリのヒール・カップフレーム20を詳細に示す。
【0057】
ここで図6を参照すると、ヒール・カップフレーム20は、平面図において概してU字型であるプラスチック材料の一体成形部品であり、湾曲したヒール・クレイドル支持部23によって連結される、間隔が空けられた(平行なまたはわずかに広がっている)アーム22を有する。アーム22は、ベースプレート10の両側に亙って適合する。ヒール・カップフレーム20は、その後方の湾曲したヒール・クレイドル支持部23において、たとえば調整可能なヒール・ピース28(図1)およびハイバック29(図1)を含むあらゆる従来のヒール支持アセンブリを支持する。
【0058】
続けて図6を参照すると、ヒール・カップフレーム20のアーム22は、逆U字型の下方に開放した長手方向溝の形態の中空断面を有する。
【0059】
ここで、図5を参照する。ベースプレート10は、アーム22の長手方向溝が密接嵌合して摺動可能に係合する、間隔が空けられた長手方向のガイドレール12を有し、逆U字断面の側部は、かろうじて摺動を可能にする程度の作用でレール12の側部に対して密接嵌合する。他の嵌合断面も可能である。
【0060】
再び図6を参照する。締結手段は、アーム22をガイドレール12上の任意の選択された位置で保持するねじ25である。これら締結ねじ25は、アーム22およびレール12(図5)内に嵌合され、アーム22の頂部の上方からアクセス可能である。
【0061】
図示する実施形態では、ガイドレール12(図5)の頂部は、ベースプレート10の面に対して30°までの角度で傾斜し、そのため、ヒール・カップフレーム20のアーム22(図6)は、ベースプレート19の面に対して30°までの角度で傾斜した状態で保持される。この角度は、アーム22およびレール12の長手方向長さ調整と組み合わされて、乗り手のブーツのサイズに比例する便利な自動高さ調整を提供する。
【0062】
レール12およびアーム22(図6)は、ビンディングの正面に向かってわずかに広がってもよく、それは、それらが後方に向かって間が狭まることにより、ブーツヒールに対し最良の構造上の適合を提供することを意味する。このわずかな広がり/狭まりは、アームの摺動を妨害することなく依然として可能であり、それは、使用されるプラスチック材料の弾性および低摩擦により可能である。
【0063】
再び図6を参照する。締結手段は、各アーム22およびレール12(図5)に対し、アーム22の頂部の開口部26とレール12の長手方向スロット18とを貫通する単一のねじ25を含む。ねじ25は、レール12の下方でTナット15と係合する。ねじの軸に沿ってかつその周囲に緩衝材を配置してもよい。
【0064】
ねじ25の上端は、細長いワッシャ27によってアーム22の頂部に支持され、ワッシャ27は、アーム22の前方部分に向かうより後方部分に向かって少なくとも約2倍長く延在する。このワッシャ27は、アーム22の頂部の長い部分に亙ってねじの押下げ効果を分散させ、より低い支持点の周辺に強いモーメントを提供する。その結果、単一のねじ25で、非常に強固な支持を保証することが可能である。このように固定されたヒール・カップフレーム20を、故障の危険なしに大きい力に晒させることが可能である。
【0065】
レール12の頂部とアーム22の下方に開放した長手方向溝の内側頂部とは、ヒール・カップフレーム20を適所に保持するための協働するセレーション14(図5においてレール12に対して示す)を有する。セレーション14の幅は、異なる基準に従ってすべてのブーツサイズに適合するように漸進的な長手方向調整を設定するように選択される。長さ調整を容易にするだけではなく、セレーション14は、ねじ25によって達成される優れたロック効果にも寄与する。
【0066】
ヒール・カップフレーム20のアーム22は、図1および図3に示すようなインステップ・ストラップ装置の両端部42/44を受容する開口24を有する。これら開口24は、湾曲したヒール・クレイドル支持部23と締結手段(ねじ25およびそれらの開口部26)との間に位置する。
【0067】
アーム22およびベースプレート10の側部はまた、ケーブル(図1および図1A)等の可撓性リンク機構65を受容する経路を画定する開口部も有する。可撓性リンク機構は一方の側にのみあればよいが、ベースプレート10およびその取付具は、リンク機構をいずれの側にも収容するための凹部を有することが好都合である。このように、ビンディングを、乗り手の前方の足または後方の足に対して「汎用」であるように作製してもよい。
【0068】
ベースプレート10の前方部分は、その両側において、トゥ・クレイドル支持要素20(図1)の端部32を受容する開口16を有する。
【0069】
ヒール・クレイドル支持要素/フレームおよびその調整性のさらなる詳細は、「調整可能なヒール・カップフレームを備えたビンディング(Binding with Adjustable Heel−Cup Frame)」と題する代理人整理番号AD7321、米国特許公報(特許文献6)の関連特許出願に示されている。
【0070】
したがって、本発明によれば、上に示した目的および利点を十分に満足する改良されたビンディングが提供されたことが明らかである。本発明を、その特定の実施形態に関連して説明したが、当業者には、多くの代替形態、変更形態および変形形態が明らかとなることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にあるかかるすべての代替形態、変更形態および変形形態を包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明によるスノーボードビンディングの一実施形態の略側面図である。
【図1A】一変形の詳細を示す、図1に対応する部分図である。
【図2】インステップ・ストラップ装置の閉鎖部材のレバーの略断面図である。
【図3】インステップ・ストラップ装置の主本体を省いた、開放状態のビンディングを示す図1に対応する図である。
【図4】本発明によるスノーボードビンディングのベースプレートおよびヒール・カップフレームの一実施形態の略側面図である。
【図5】ベースプレートの斜視図である。
【図6】ベースプレート上に配置されたヒール・カップフレームの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボードの平坦面に足を保持するためのボードビンディングであり、前記ボードの反対側が、前記ボードが摺動、回転または滑走するように使用されるのを可能にするように適合されるビンディングであって、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに締結されたヒール・クレイドル支持要素と、
前記ベースプレートに締結され、かつ当該ビンディングに配置された足に対して前後に移動することができるトゥ・クレイドル支持要素と、
前記ベースプレートの一方の側部に連結された第一部分と、前記ベースプレートの他方の側部に連結された第二部分とを有するインステップ・ストラップ装置と、
前記インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置であって、前記インステップ・ストラップ装置の前記第一部分および前記第二部分が開放しているかまたは容易に開放できる開放位置と、前記第一部分および前記第二部分が互いに堅固に保持される閉鎖位置とを有する閉鎖装置と、
前記インステップ・ストラップ装置の前記閉鎖装置と前記トゥ・クレイドル支持要素とを連結する可撓性リンク機構であって、
−前記閉鎖装置が前記開放位置にあるとき、前記トゥ・クレイドル支持要素が自由に前後に移動することができ、
−前記閉鎖装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記可撓性リンク機構が前記トゥ・クレイドル支持要素に張力を伝達することにより、それを、当該ビンディングにおける足のつま先部分の周囲に適合するように後方に移動させ、それにより、前記足が前記トゥ・クレイドル支持要素と、前記ヒール・クレイドル支持要素と、前記インステップ・ストラップ装置との間で固定される
ように構成される可撓性リンク機構と
を具備し、
前記閉鎖装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記インステップ・ストラップ装置の前記互いに保持された第一部分および第二部分が、前記可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、前記閉鎖装置を通して前記第一部分と前記第二部分との間に作用する力により、前記閉鎖したインステップ・ストラップ装置内に足を確実に保持することを特徴とするビンディング。
【請求項2】
前記インステップ・ストラップ装置のための前記閉鎖装置が、前記第一部分に枢支可能に取り付けられたレバーと、前記第二部分に摺動可能に取り付けられたコネクタと、前記コネクタの摺動を制限する前記第二部分の当接部とを備え、前記閉鎖装置の前記閉鎖位置において、前記レバーが、前記コネクタを前記当接部に対して引くことにより前記インステップ・ストラップ装置を閉鎖し、前記閉鎖装置の前記開放位置において、前記コネクタが前記第二部分において摺動することが可能であることを特徴とする請求項1に記載のビンディング。
【請求項3】
前記コネクタが、前記第二部分に摺動可能に取り付けられた平行な側部を有するループの形態の部品であり、前記ループが、前記第一部分に面しかつ前記レバーと係合するように適合された一端と、前記第二部分の前記ベースプレートとの連結部に面する反対端とを有し、前記反対端が、前記ループの摺動を制限するように前記当接部と当接することが可能であり、前記可撓性リンク機構が前記ループの前記反対端に連結されることを特徴とする請求項2に記載のビンディング。
【請求項4】
前記当接部が、前記ループの前記反対端の、前記ループの両側に傾斜している対応する部分が係合するために、傾斜した当接面を有することを特徴とする請求項2に記載のビンディング。
【請求項5】
前記レバーが、前記閉鎖装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記インステップ・ストラップ装置のサイズを調整するために、前記コネクタと選択的に係合するための一続きの複数の凹部を備えることを特徴とする請求項2に記載のビンディング。
【請求項6】
前記インステップ・ストラップ装置の前記第一部分が、足の甲に亙って適合する長部であり、前記第二部分が短側部であり、前記レバーが、前記足の甲に亙って適合する前記第一部分の自由端に隣接して枢動可能に連結され、前記レバーが、前記第一部分の自由端に近接する部分の上に位置するようになるまで、前記第二部分から離れる方向に枢動することにより、前記閉鎖位置まで移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のビンディング。
【請求項7】
前記レバーを閉鎖位置に解放可能に保持する安全ロックを具備することを特徴とする請求項2に記載のビンディング。
【請求項8】
前記トゥ・クレイドル支持要素が、前記ベースプレートの一方の側部にのみ枢動可能に固定され、それにより前記トゥ・クレイドル支持要素が、枢動することによって前記ベースプレート上を前後に移動することが可能になることを特徴とする請求項1に記載のビンディング。
【請求項9】
平面図において略U字型のヒール・カップフレームを具備し、前記ヒール・カップフレームが、前記ヒール・カップフレームの位置の長手方向調整を可能にするように前記ベースプレートの両側に連結された、間隔が空けられたアームを有し、前記インステップ・ストラップ装置の前記第一部分および前記第二部分が、両側において前記ヒール・カップフレームの前記2つのアームに連結されることを特徴とする請求項1に記載のビンディング。
【請求項10】
互いに反対側の2つの面を有する平坦面の第1面に足を保持するためのボードビンディングに嵌合されるように適合された、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置であって、前記平坦面の第2面が、第2面が接触する他の表面の上を摺動するように使用され、前記ビンディングが、ベースプレートと、前記ベースプレートに締結されたヒール・クレイドル支持要素と、前記ベースプレートに締結されかつ前記ビンディングに配置された足に対して前後に移動することが可能なトゥ・クレイドル支持要素とを備え、
前記結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置が、
前記ベースプレートの一方の側部に連結可能な第一部分と、前記ベースプレートの他方の側部に連結可能な第二部分とを有するインステップ・ストラップ装置と、
前記インステップ・ストラップ装置のための閉鎖装置であって、使用時、前記インステップ・ストラップ装置の前記第一部分および前記第二部分が開放しているかまたは容易に開放できる開放位置と、前記第一部分および前記第二部分が互いに堅固に保持される閉鎖位置とを有する閉鎖装置と、
前記インステップ・ストラップ装置の前記閉鎖装置を前記トゥ・クレイドル支持要素に連結する可撓性リンク機構であって、使用時、
−前記閉鎖装置が前記開放位置にあるとき、前記トゥ・クレイドル支持要素が自由に前後に移動することができ、
−前記閉鎖装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記可撓性リンク機構が前記トゥ・クレイドル支持要素に張力を伝達することにより、それを、前記ビンディングにおける足のつま先部分の周囲に適合するように後方に移動させることができ、それにより、前記足が前記トゥ・クレイドル支持要素と、前記ヒール・クレイドル支持要素と、前記インステップ・ストラップ装置との間で固定される
ように構成される可撓性リンク機構と
を具備し、
使用時、前記閉鎖装置が前記閉鎖位置にあるとき、前記インステップ・ストラップ装置の前記互いに保持された第一部分および第二部分が、前記可撓性リンク機構において張力を維持する必要とは無関係に、前記閉鎖装置を通して前記第一部分と前記第二部分との間に作用する力により、前記閉鎖したインステップ・ストラップ装置内に足を確実に保持することができることを特徴とする、結合されたインステップ・ストラップ装置および閉鎖装置。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−518067(P2009−518067A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543487(P2008−543487)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/046005
【国際公開番号】WO2007/064889
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【出願人】(508161713)ニデッカー ソシエテ アノニム (2)
【Fターム(参考)】