説明

改良された吸入方法および装置

吸気される空気流を生成するために人が吸入を行う剤投与装置において、その人の呼吸の開始を検出してからプリセット期間が経過した後に、吸気を止めるように人に通知するための信号を生成する。その後の吸気のためのプリセット期間は、通知された後に人が吸気を停止するのにかかる時間に応じて調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧器において信号を生成する方法に関し、また薬剤投与装置に関する。
【0002】
患者の肺に薬剤を投与するために、多くのデバイスが利用可能である。空気圧すなわち噴射タイプの噴霧器は、吸入のためにエアロゾル化した薬剤を供給するのに特に効果的であるが、超音波タイプの噴霧器などの、他のタイプの噴霧器も利用可能である。超音波タイプの噴霧器では、噴霧される薬剤が、圧電性結晶の振動によってメッシュを通して押し出され、そこで、メッシュを通過する液体粒子が、患者によって吸入される空気に混入される。メッシュの寸法は、空気流に入る液体粒子のサイズを決定する。電気流体力学(EHD)噴霧器および毛細管微小噴射噴霧器も知られている。あるいは、薬量計用スペーサを使用することができる。スペーサを使用すると、薬剤は、エアロゾルの形態で、または、パウダー形態の薬剤と共に保持チャンバ内に空気を充填することによって、スペーサの保持チャンバ内に導入される。患者は保持チャンバから呼吸し、それによって、薬剤を含む空気を吸入する。これらのスペーサは、子供または高齢の患者を処置する時、および、一定の薬剤と共に使用するのに、特に効果的である。薬剤は通常、複数回の呼吸にわたって投与される。
【0003】
メッシュタイプの噴霧器の例は、国際公開番号WO 99/63946に示され、EHDおよび毛細管微小噴射噴霧器の例は、それぞれ、国際公開番号WO 00/38770および米国特許番号6119953に見出され、この結果これらの開示の全ては、この参照により本明細書に援用される。
【0004】
空気圧噴霧器は、欧州公開特許公報番号EP 0627266 A2に示され、圧縮空気源からの空気は、噴霧される液体がそこを通って主リザーバから引き出される穴が周囲に配設される排気口の穴から放出される。これらの穴はそれぞれ、排気口の穴の周囲に第二リザーバを形成する溝内にある。偏向バーが、排気口から放出される空気経路を横切って、かつ、該空気経路内に配置され、その結果、空気が排気口から放出されると、偏向バーは、液体出口穴の上部を横切って即座に撓み、それによって、低圧領域が作成され、下にある主リザーバから液体が引き上げられ、その液体が穴から引き出される時に噴霧される。こうして生成される液体粒子は、吸入のために患者に運ばれる。噴霧化は、噴霧器に対して圧縮空気供給源のスイッチを入れたり切ったりすることによってオン/オフされ得る。
【0005】
欧州特許公報番号0910421は、Haloliteという名で製造される噴霧器を開示しており、Haloliteは、肺への堆積量を最大にするために、患者の吸入の最初の半分の間に薬剤を投与する。装置は、患者の吸入の継続時間を測定し、患者の吸入継続時間の平均の2分の1である期間を計算する点で相互作用的である。したがって、装置は、薬剤の投与を患者の吸入プロファイルに一致させることが可能であり、時間とともに生じる患者の吸入継続時間の変化を考慮する。装置は、患者が特定の吸入操作を行うことを必要としない。
【0006】
Akitaシステムと呼ばれる国際公開番号WO98/52633に記載される薬剤投与システムが知られており、エアロゾル化した薬剤が、80%呼吸容量に等しい容積まで、毎分15リットルで、投与される正圧下の空気流によって患者に投与される。呼吸容量は、正常な一回呼気の終わりから最大肺容量までに測定された吸入容積として規定される。システムは、空気が急速に投与されるのを防止する、制御された吸入流を含む。これは、吸入の継続時間を長くする作用を有する。システムは、患者に、吸い込む時、呼吸をホ
ールドする時、および吐き出す時を指示する。そのため、システムは、患者の肺が空気で所定容量まで満たされると、システムが、患者に、或る期間、通常、約5〜9秒の間、息を止めるように命令するように構成される。患者は、その後、呼気するように指示される。この呼吸パターンは、薬剤が完全に投与されるまで繰り返される。こうしたシステムは、肺内での薬剤の滞留時間が比較的長い(この場合、少なくとも5秒、およびほとんどの薬剤の場合、5秒より長い)ため、肺に薬剤の大部分を投与するのに効果的である。結果として、呼気時に、ほとんどの薬剤は、肺内に堆積し肺から排出されない。
【0007】
しかしながら、Akitaシステムは、適切な時点で呼吸ホールドステップを始めることを指示するために、患者の呼吸容量を知らなければならないので、診療所において、最初に、患者についてセットアップされなければならない。患者が異なると、年齢、体のサイズ、および任意の呼吸性疾患の作用を含む種々の要因に応じて、呼吸容量も異なってくる。さらに、患者が、システムの使用中に苦痛を受けないようにするために、呼吸ホールドの継続時間もまた、特定の患者についてカスタマイズされなければならない。呼吸ホールドが長すぎる場合、患者は、こうした苦痛を受けることなく、複数回の呼吸にわたって処置を続けることができないであろう。さらに、患者の症状が変わると、診療所へ別の機会に訪問することで、システムはその症状の変化を考慮するように再構成される必要があるであろう。
【0008】
本発明の第一の態様によると、吸入される空気流を生成するために人が吸入を行う噴霧器において信号を生成する方法は、吸入の開始を検出するステップと、呼吸の開始の検出からプリセット期間が経過した後に吸入を止めるように人に通知するステップと、人が、通知された後に吸入を停止するのにかかる時間に応じて、その後の吸入のためにプリセット期間を調整するステップとを含む。
【0009】
噴霧器を使用する人に応答するために、プリセット期間は、吸入を停止するのにかかった時間が第一閾値時間を越える場合に増加し、吸入を停止するのにかかった時間が第二閾値時間より小さい場合に減少してもよい。第一閾値時間は通常、第二閾値時間以上である。第一閾値時間は好ましくは約0.5秒である。第一閾値時間は、0.25〜0.75秒の範囲であってもよく、好ましくは、0.35〜0.65秒の範囲であり、最も好ましくは、0.45〜0.55秒の範囲にあってもよい。
【0010】
第二閾値時間は、好ましくは約0.3秒である。第二閾値時間は、−0.2〜0.5秒の範囲であってもよく、好ましくは、0〜0.4秒の範囲であり、最も好ましくは、0.25〜0.35秒の範囲にあってもよい。
【0011】
本方法は、好ましくは、吸入の終了を検出するステップと、吸入期間および呼気期間を計算するステップと、を更に含む。したがって、これによって、必要な計算の全てを行うことが可能になる。本方法は、呼気に対する吸入の(I:E)比を計算し、呼気に対する吸入の比が第三閾値より大きい場合、プリセット期間を増加させるステップを含んでもよい。この場合、第三閾値時間は好ましくは、約1である。本方法はまた、I:E比を計算し、I:E比が第四閾値より小さい場合、プリセット期間を開示することができるステップを含んでもよい。この場合、第四閾値時間は好ましくは、約3分の1である。
【0012】
噴霧器は、薬剤を投与するのに使用される前に上述した方法を使用してセットアップされることができることが理解されるであろう。あるいは、セットアップを同時に行うことができ、噴霧器は、吸入される空気流の少なくとも一部の中にエアロゾル化した物質を投与するステップをさらに含む。エアロゾル投与は通常、吸入を止めるように人に通知する前に止められる。エアロゾル投与は、好ましくは、人に通知する前の、少なくとも1秒で、最も好ましくは、人に通知する前の、少なくとも2秒で止められる。
【0013】
人が信号に応答して吸入を停止するのにかかる時間は、患者が苦痛を受けているか否かについての良好な示度であることがわかったため、プリセット期間が、患者に関連する要求、および患者の特定の要求に対応するように調整され得る。これは、診療所を訪問する必要なく行われることができる。たとえば、人が、吸入を停止するのに比較的長い時間がかかる場合、それは、呼吸の開始の検出に続くプリセット期間を長くする可能性があるということを示している。逆に、人が、吸入を止めるように通知された後すぐに吸入を止める場合、または、止めるように通知される前に吸入を止める場合、それは、プリセット期間の継続時間が長すぎるということを示している。したがって、プリセット期間は、それに応じて調整され得る。
【0014】
本発明の第二の態様によると、エアロゾル化した薬剤を人の吸入される空気流内に投与するように構成された薬剤投与装置は、吸入される空気流を検出する空気流センサと、人に信号を与えるように構成された通知デバイスと、空気流センサによって検出された吸入される空気流に基づいて、通知デバイスの動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、それによって、コントローラは、通知デバイスに、吸入の検出に続くプリセット期間後に吸入を止めるように人に通知させ、通知された後、人が吸入を停止するのにかかる時間に応じて、その後の吸入用のプリセット期間を調整する。
【0015】
薬剤投与装置は、好ましくは、装置を流れる吸入される空気流の速度を制限するための空気流調整器を備える。
【0016】
通知デバイスは、音声デバイス、視覚デバイス、および振動デバイスのうちの任意の1つまたは複数であってもよい。音声デバイスは、トーンまたはブザーを放出し、視覚デバイスは、LCDスクリーンなどのスクリーン、または、おそらくLEDの形態の簡易光を含むことができる。振動デバイスは、装置を振動させることによって人に通知することができ、それによって、吸入を停止するように人に通知する。
【0017】
さらに、コントローラは好ましくは、プリセット期間を計算するように構成された計算器を含む。コントローラは、マイクロプロセッサを使用して形成されてもよい。
【0018】
ここで、図面を参照して例として本発明を説明する。
【0019】
「実験」
本出願の導入部に記載されるAkitaおよびHaloliteシステムは、患者が放射性同位元素標識されたエアロゾルを供給される実験で使用された。エアロゾルは、実験のシンチグラフィーによる評価を可能にするために、放射性同位元素標識された。本システムは、製造業者の推奨に従って使用された。サイドストリーム噴霧器(プロファイル・レスパラトリ・システムズ・リミテッド(Profile Respiratory Systems Ltd)、Bognor
Regis 英国)および鼻クリップが使用された。Akitaシステムは、5〜9秒の呼吸ホールドで、80%呼吸容量に等しい容積まで、毎分15リットルで、吸入用の正圧の空気流を供給した。コンピュータスクリーンは、必要とされる吸入継続時間および呼吸ホールド用の休止について患者にフィードバックした。Akitaシステムの場合、吸入の開始時に、コンピュータスクリーンは、患者が吸入すべき期間の数値カウントダウンを表示する。その期間の終わりで、人は、呼吸を止めなければならず、一方、コンピュータスクリーンは、患者が呼気することを許可されるまでの時間の更なるカウントダウンを表示する。Haloliteシステムの場合、患者は、吸入を開始する時、吸入を停止する時、または、呼吸ホールドを実行する時を人に指示するフィードバックが無い状態で、自然に吸い込み吐き出す。実際、Haloliteを使用すると、人が、ゆっくりとくつろいで呼吸することが意図されるため、呼吸ホールド期間は存在しないことになる。しかしなが
ら、呼吸が終わる前に噴霧が停止するため、患者が依然として吸入しているが、エアロゾルが患者の肺に達していない期間が存在する。この期間は、本明細書では、「エアロゾルホールド時間」と呼ばれる。これは、噴霧が、全吸入相中に起こり、患者が呼吸ホールドを始めると停止するだけであるAkitaシステムと対照的である。したがって、エアロゾルホールド時間および呼吸ホールド時間は、多少異なるが、エアロゾルが肺内に滞留する最小期間を規定するという同じ作用を有する。呼吸ホールド後、被検者は、エアロゾルをトラップするために、フィルタを通して呼気する。
【0020】
2.5mlの噴霧器の充填量からTc−DTPAの0.4mlの設定量を投与するのに、5〜12分の処置時間が必要とされた。
【0021】
患者のシンチグラフィーによる評価は、どれだけの量の放射性同位元素標識エアロゾルが患者の肺内に残ったかを特定するために実行された。両方のシステムからの結果は、患者の呼吸パラメータに関して分析された。実験結果は、図1および図2に示される。図1では、肺内での薬剤の総滞留時間が、投与された総エアロゾルのパーセンテージとしての総肺堆積量に対してプロットされる。総滞留時間と共に肺堆積量が増加することが、見てはっきりとわかるであろう。たとえば、2秒の総滞留時間は、エアロゾルの30%未満が肺内に堆積していることをもたらす可能性があり、一方、滞留時間の4秒への倍増は、通常、40%超の総肺堆積量を示すであろう。総滞留時間が12秒に達するまでに、肺堆積量は、投与されたエアロゾルの約3分の2に達する。
【0022】
図2は、エアロゾルホールド時間(Haloliteシステム)および呼吸ホールド時間(Akitaシステム)が、呼気されたフィルタ部分に対してプロットされるグラフである。呼気された部分は、エアロゾルホールド時間の増加と共に減少する。約1秒のエアロゾルホールド時間について、呼気された損失は15〜20%の範囲にあるが、エアロゾルホールド時間が2秒に増加する場合、損失が10%に減ることが示される。エアロゾルホールド時間が増加すると、エアロゾルが肺内により長く堆積する。その理由は、このサイズの粒子についての主要な堆積方法が沈殿であり、時間依存性があるためである。
【0023】
この実験の総合的な結論は、エアロゾルが、肺内に長く滞留すればするほど、総肺堆積量が多くなることである。これは、吸入に続いて患者が呼吸をホールドすることによって、および患者の総吸入時間を増加することによって達成され得る。
【0024】
「装置について」
ここで、図3を参照すると、通路3内の2で全体が示されるエアロゾルを生成するメッシュタイプの噴霧器1である薬剤投与装置が示される。通路3は、空気が通路に入る入口4を有し、その対向端5において、通路3を通過する空気は、マウスピースなど(図示せず)に導かれる。噴霧器1の動作中、エアロゾル2は、マウスピースへ向かう空気流に混入される。噴霧は、メッシュ板6の領域を振動させるようにホーン8を駆動する超音波振動子7を使用することによって、メッシュ板6を薬剤を無理に通過させることによって起こる。ホーン8は、メッシュ板6の背面に接近して配置され、超音波振動子7によって振動させられ、それによって、エアロゾル2が、メッシュ板6の前面から生成される。エアロゾル2内に噴霧される物質は、メッシュ板6の背面と流体接触し、この物質が、振動ホーン8によってメッシュ板6の穴を通して押し出される。
【0025】
各処置中に、噴霧される物質の一定量が、メッシュ板6の上に配置されたリザーバ9内に貯蔵され、噴霧される物質をメッシュ板6の背面に供給する。流体センサ10が、リザーバ9とメッシュ板6の間に配置され、それによって、噴霧される物質が実質的に全てエアロゾル化すると、このエアロゾル化が検出され、その結果、超音波振動子7が処置の終わりでスイッチを切られる。
【0026】
噴霧を行うのに電力が必要とされるため、噴霧器に電力供給するのに電源11が使用される。電子コントローラ12は超音波振動子7を制御し、それによって、たとえば、流体センサ10が噴霧されるべき液体が残っていないことを検知すると、超音波振動子7がスイッチを切られる。さらに、患者の呼吸が測定され、患者の呼吸パターンの吸入の部分の間にだけ噴霧が起こるように、より複雑な制御デバイスを使用することができる。
【0027】
空気流調整器13が通路3内に配置される。これは、図4により詳細に示され、図4から、空気が通路3に入る場合にそこを通過しなければならない開口を画定する内部縁15(点線で示す)を有するフレーム14を調整器13が含むことが見てわかるであろう。弾性フラップ16が、フレーム14内に配置される開口の前に配置され、フレーム14にあるリブ17が、フラップ16が開口を完全に閉じることを防止するスペーサの役割を果たす。フラップ16は通常、弾性シリコーン材料でできている。これが意味することは、開口を通過し、次にフラップ16に当たる、調整器13を通る任意の空気流によって、フラップ16がフレーム14から離れるように撓み、空気が比較的自由に通過することが可能になるということである。しかしながら、反対側を通過する空気流によって、フラップ16が閉じることになり、開口は厳しく制限されることになり、制限された空気流が通過することになる。フラップの弾性の性質は、フレーム14の反対側での圧力差が大きくなればなるほど、空気流に対する抗力がより大きくなる傾向がある。したがって、この空気流調整器は、空気がマウスピースに向かって通路3を通過するその流量を制限する。
【0028】
噴霧器はまた、通路3を通る空気流の方向と空気流の速度の両方を測定することができる空気流検出器18を含む。この実施形態では、空気流検出器18は、通路3内に配置されることが示されるが、種々の他の位置に、たとえマウスピース内であっても配置することができるであろう。検出器18は、温度センサ、圧力センサ、マイクロフォンタイプのセンサ、または、空気流によって撓む機械式センサなどの、種々の異なるタイプの検出器のうちの任意の検出器であってもよい。使用されるセンサのタイプは、本発明では重要な要素ではない。
【0029】
ここで、この噴霧器の基本動作が述べられるであろう。最初に、患者は、噴霧される物質の一定量をリザーバ9に注ぐであろう。リザーバ9は、必要とされる物質の適切な量を正確に保持するような大きさに作られている。患者は、次に、マウスピースを通して息を吸い込み吐き出すことを始めることができる。吸入が開始すると、空気流検出器18は、吸入の開始を検出し、電子制御部12は、超音波振動子7を振動させ、それによって、ホーン8を駆動して、噴霧される物質がエアロゾル化される。物質がエアロゾル化されると、リザーバ9が空になり、物質の液面が流体センサ10より下に下がると、電子制御部12は、超音波振動子のスイッチを切る。
【0030】
吸入中に、空気流調整器13は、通路3を通過して、患者へ向かう空気の速度を調整するように動作し、それによって、患者の吸入相を長くする。患者が吸入を停止すると、空気流検出器18は、これを検出し、次の吸入相が検出されるまで、電子制御部12が、ホーン8を駆動する超音波振動子7を停止させるであろう。あるいは、電子制御部12は、たとえば、患者の吸入相の最初の50%の間、超音波振動子を駆動するだけであるように構成されるであろう。これを達成するために、空気流検出器18によって測定された前の数回の吸入の吸入継続時間が、平均化される必要があり、この平均化された継続時間の半分が、電子制御部12によって、超音波振動子7にホーン8を駆動させて、物質を噴霧させる期間となることになる。もちろん、噴霧は、吸入相の、60%、70%、80%、または、任意の他の適当な部分の間に起こってもよい。
【0031】
呼気中に、呼気された空気は、マウスピースの出口から排出されるか、あるいは、通路
3上に空気流調整器13の方に戻って流れ、空気流調整器13は、空気が自由に排出されるように開くであろう。空気流検出器18をできる限りマウスピースに接近して配置することが好ましく、呼気された空気がマウスピースの出口から排出される場合、空気流検出器18をマウスピース内に配置することが通常適切であるであろう。
【0032】
同様に、空気流調整器13は、患者に導出される空気流を制限するような、デバイス内の任意の場所に配置されてもよい。しかしながら、空気流調整器13は、エアロゾルが吸入中に生成される地点の上流に配置されることが好ましい。こうして、エアロゾルは、空気流調整器13によって生じる制限によって、空気流から取り除かれないようになる。
【0033】
図5は、ブロック図の形態での噴霧器の配置構成を示す。図5から、1つのブロックは、図3に示す空気流検出器18を指す。検出器18からの出力は、プロセッサ20を通り、プロセッサ20は、エアロゾル発生器22および患者通知デバイス23を制御する。プロセッサ20は、図3に示す電子制御部12、ならびに、他の要素を含むであろう。エアロゾル発生器22は、図3に示す噴霧器1内の、メッシュ板6、超音波振動子7、ホーン8、およびリザーバ9を組み合わせたものを指す。患者通知デバイス23は図3には示されないが、一定の呼吸操作を実行する時に、患者に対する信号を生成する、ある形態のデバイスである。1つの配置構成によれば、このデバイスは、特定の操作を実行する時を通知するために、噴霧器1を静かに振動するようにさせる振動デバイスである可能性がある。あるいは、このデバイスは、操作を実行する時を患者に通知するために、音を使用する音声デバイスであり得る。このデバイスは、光である視覚信号またはLCDスクリーンに基づいて、特定の操作を実行するように、患者が通知される視覚デバイスである可能性さえある。通知デバイス23はこれらのシステムを組み合わせたものである可能性がある。図5に示すブロックの動作は、図6を参照してデバイスの全体の動作を述べる時に、より明らかになるであろう。
【0034】
「例1」
図6は、図3に示す薬剤投与装置の動作の1つの方法を示すフロー図である。この方法が、他のタイプの噴霧器にも適用でき、超音波メッシュタイプ噴霧器に関連する動作に限定されないことが理解されるべきである。
【0035】
第一ステップは、プロセッサ20が、空気流検出器18から流量を読み取ることである。人が吸入を依然として開始していない場合、ボックス62は、「いいえ」を返し、プロセッサ20は、エアロゾル発生器22が噴霧しているか否かを問う。噴霧している場合、プロセッサ20は、エアロゾル発生器22が動作するのを停止させ、「開始」に戻り、噴霧していない場合、プロセッサ20は、人が呼気を開始したか否かを判断するために空気流検出器18を読み取る。呼気を開始していない場合、プロセッサ20は再び、「開始」に戻る。人が呼気を開始した場合、プロセッサ20は、後でパルス長を計算するために、呼気開始時間を記憶する。この計算の詳細は、本明細書において後で説明される。一旦記憶が行われると、プロセッサ20は「開始」に戻る。
【0036】
プロセッサ20が空気流検出器18から流量を読み取る時に(61)、人が吸入を開始すると、人が吸入していることが検出され(62)、プロセッサは、次に、それが吸入の開始であるか否かを問う(67)。それが吸入の開始である場合、プロセッサ20は、エアロゾル発生器22が噴霧し始めるようにさせる(68)。プロセッサ20は、その後、前の吸入データおよび吸入と吸入の間の時間に基づいて、目標呼吸長を更新する(69)。これは、本明細書において後でさらに説明されるが、目標呼吸長は、吸入の開始から、吸入を停止するように人が通知される瞬間までの期間である。目標呼吸長が更新されると、噴霧時間は、通常、目標呼吸長が終了する前の或る時間に終了するように設定され、人が吸入し、上気道内に留まる空気の最後の部分が、浪費されることになるエアロゾルを含
まないようにする。これにより、人が自分の呼吸をホールドする必要無しに、1〜2秒の領域で適切なエアロゾルホールド時間が提供される。噴霧時間の計算は、本明細書において後で述べられる。噴霧が行われると、その時点までに投与された投与量についての運転中の計算が行われ、投与量が更新される。目標投与量に依然として達していなかったとすると、プロセッサは「開始」に戻る。患者が、ちょうど吸入し始めると、空気流検出器18によって供給される流量は、人が依然として吸入していることを示す。そして、フローチャートを通る最後のループが、吸入の開始であること示すため、今度は吸入の開始ではなく、プロセッサ20は、その後、噴霧時間の終了に達したか否かを計算する。噴霧時間の終了に達しなかったとすると、投与される運転中の総投与量が更新され、目標投与量に達しなかったとすると、プロセッサ20は、「開始」に戻る。噴霧時間の終了に達すると、噴霧は停止し、プロセッサ20は、その後、フィードバック時間に達したかどうかを問う(75)。患者が吸入を終了する前の、通常、事前の1〜2秒の間で、噴霧を停止することが意図されるため、フィードバック時間に達したボックスが、いいえを返す可能性がある。投与量はボックス72で更新され、プロセスは開始に戻る。フィードバック時間に達すると、人はフィードバック信号で通知され、プロセッサは開始に戻る。人へのフィードバック信号は、吸入を停止するようにという人への指示である。この信号は、振動、音声、または、視覚によってもよい。万一、噴霧時間の終了に達する前に患者が呼気する場合、噴霧は停止する(ボックス63/64)。ここで、患者は、フィードバック時間に達するまで吸入し続ける(ボックス75)。
【0037】
通知デバイス23によってフィードバック信号が生成されると、人は、素早く吸入を停止すべきであるが、人が反応するのにかかる短い期間の間、吸入し続ける可能性がある。したがって、プロセッサ20によるフローチャートを通る次のいくつかの回路には、患者が依然として吸入していることが検出される。人が実際に吸入を停止すると、特徴付けられた信号から、人が吸入を停止するのにかかった時間が測定される。さらに、吸入と吸入の間の時間もまた測定される。
【0038】
このプロセスは、噴霧器のスイッチが切られ、患者が停止するように指示された時に、目標投与量に達するまで、各呼吸について繰り返される。噴霧器はまた、それ自体でスイッチを切る。しかしながら、目標呼吸長に関する情報は、将来の動作のために保持される。
【0039】
図7は、この装置を使用した、2つの吸入の間の人の呼吸パターンを示すグラフである。吸入中、空気流調整器13により吸入流量は制限され、したがって、グラフは、吸入相の平坦な上部を示す。計算された目標吸入長が示され(T)、その終了時に、患者は、呼気するように通知される。図7のグラフ上のT1と表示された期間は、人が実際に呼気を開始するのにかかる時間である。呼気は、吸入相と同じようには制限されないため、流量は非常に深いトラフであることが、グラフを見るとわかる。呼気が起こっている、流量が負である期間は、T2で示される。これらの期間は共に、図6を参照して述べた方法を使用して測定される。
【0040】
T1およびT2が通常あるべき長さ、ならびに、目標吸入長が変わるべき時、および目標吸入長が変わるべき程度を確立するために、本発明についてのある試験が行われた。
【0041】
「例2」
この例では、図3〜図5に述べたデバイスを使用して、人の吸入継続時間が制御される。各吸入においてエアロゾル投与を最大にするための吸入継続時間が得られる。実際、許容可能な最大吸入時間は、約9秒、すなわち、呼吸容量の70〜80%である。2秒の呼吸ホールド期間の代わりに、呼吸操作のこの部分は、吸入相の終わりの噴霧をしない期間として吸入相内に組み込まれる。吸入流量は、空気流調整器13によって制限されて、2
50ml/秒の最大吸入流量が得られる。
【0042】
人の呼吸容量を測定することが可能であるが、短い吸入長で始め、患者の以前の呼吸への対処方法に従って、その後の呼吸長を調整することが、まさに好ましい。人の吸入容量を測定することにより、装置の観点と、セットアップ中に人が行なわねばならないことの観点の両方から、複雑さが増大する。そのため、目標吸入長を、次の処置まで引き継ぐことができる。こうして、最初のいくつかの処置の後で、目標吸入継続時間は、その人に適切なレベルまで増加することが予想される。このデバイスの適応的な性質によって、患者の症状が悪化した結果としてもがき始める場合、目標吸入長の自動的な増加または減少が可能になる。人は、吸入時間を最大にする方法を学ぶにつれて、全体の処置時間を減らすことが可能となる。
【0043】
この例では、初期の目標吸入長は、2秒のエアロゾルホールド期間を含む、3秒の最小値に設定される。これは、エアロゾルが、吸入の最初の1秒の間に投与され、2番目または3番目の1秒の間には投与されないことを意味する。3秒期間の終わりに通知デバイス23は、呼気するように患者に通知し、目標吸入長の終了と実際の呼気の開始の間の時間遅延が測定される。目標吸入長の終了と実際の呼気の開始の間の遅延が、第一プリセット閾値より大きい場合、患者は、目標吸入容積が小さ過ぎることがわかり、吸入時間の増加によって対処されることが予想される。遅延が、第一閾値と異なる場合がある第二プリセット閾値より小さい場合、患者は、目標吸入容積が大き過ぎることがわかり、目標吸入容積は低減される。
【0044】
さらに、吸入と吸入の間の時間が、最後の吸入時間より短い場合(たとえば、I:Eが1より大きい場合)、患者は、次の吸入に達したいと強く思う場合があり、目標吸入長が十分に長くないことが示唆される。吸入と吸入の間の時間が吸入時間の3倍を越える場合、患者は、吸入と吸入の間に休息を取る必要があり、目標吸入長が長過ぎることが考えられる。目標吸入長は、それに応じて調整され得る。
【0045】
実験中、目標吸入長の終了と目標吸入長より長い呼気の開始との間の遅延がそれを超えて増えるべきである第一閾値期間が約0.5秒であることがわかった。目標吸入長がそれを下回って減るべきである第二閾値が約0.3秒であることがわかった。第一閾値は、0.25〜0.75秒の範囲、好ましくは、0.35〜0.65秒の範囲、最も好ましくは、0.45〜0.55秒の範囲のどこかであってよい。第二閾値は、−0.2〜0.5秒の範囲、好ましくは、0〜0.4秒の範囲、最も好ましくは、0.25〜0.35秒の範囲にあってよい。
【0046】
目標吸入長の終了と呼気の開始の間の遅延が、閾値の範囲外に入る場合、その後の呼吸の目標吸入長は、適切であれば、通常、わずか10%だけ、好ましくは、わずか5%だけ、最も好ましくは、わずか2%だけ増減されることになるが、最適な変化の場合は、1%〜2%の間で増減されることになる。
【0047】
I:Eを計算した結果、標準範囲外であった場合、たとえば、I:Eが、1より大きいか、または、3分の1より小さい場合、目標吸入長は、適切であれば、通常、わずか10%だけ、好ましくは、わずか5%だけ、最も好ましくは、わずか2%だけ増減されることができるが、最適な変化の場合は、1%〜2%の間で増減されることができる。もちろん、この例では、目標吸入長は、I:E比が1より大きいか、または3分の1より小さい時に調整されるが、これらは、適切であることがわかっている値の例に過ぎず、本明細書は、これらの値に限定されない。
【0048】
図6を参照して述べた方法を使用して設定される噴霧時間の設定が参照される。これを
さらに拡張すると、噴霧は、パルスの形態で起こることが理解されるべきであり、パルスは、この場合、吸入の開始の検出によって始まり、目標吸入長の終了前に停止する。この例では、エアロゾルホールド期間は2秒に設定されたため、これは、噴霧パルス長が1秒になることを意味する。しかしながら、人が、3秒の目標吸入長が短過ぎると思うと、目標吸入長は、数呼吸の期間にわたって延ばされ、その増加は全て、噴霧パルス長の増加に変換される。噴霧パルスが長ければ長いほど、より多くの薬剤を1呼吸当たりに投与することができ、処置がより速やかに終了する。
【0049】
「例3」
実験では、3人が、上述した種々の閾値が異なる療法を受けた。3人の被検者は、デバイスを使用して10回の連続した処置を与えられた。処置のうちのそれぞれについて、目標吸入長は、最初、2秒のエアロゾルホールド期間(吸入相の最後の2秒)を含む、3秒の最小値に設定された。第一の被検者の場合、第一閾値は0.25秒に設定され、第二閾値は−0.05秒に設定された(すなわち、患者が通知される前の0.05秒)。第二の被検者は、デバイスを、0.60秒の第一閾値と、0.3秒の第二閾値に設定された。第三の被検者は、デバイスを、0.50秒の第一閾値と、0.20秒の第二閾値に設定された。
【0050】
結果は、図8および図9にプロットされる。被検者1は、5回の処置の間に9秒の最大目標吸入長に達したことが図8を見るとわかるであろう。3人の被検者は全て、10回の処置の間に目標吸入長に達し、また、目標吸入長は、患者の症状を考慮するように、処置ごとに適応することが見てわかる。各処置の継続時間は、目標吸入長が増加すると大幅に減少することも図9を見るとわかる。患者は、処置時間が短いと、ずっとうまく処置に対応する傾向がある。これらの3人の患者は、彼らの呼吸容量の70、76、112%に達し、システムが、呼吸容量を個別に測定する必要なしに、また、それらをデバイスにプログラムしないで、エアロゾル投与を最大にするのに、非常に有効であることが示された。
【0051】
図3および図4に示した装置を使用するこれらの例では、装置は、処置中の人の呼吸パターンに適応する。これは、装置が適切な調整を行うことになるため、処置療法を装置にプログラムしてもらうために人が診療所に通う必要がないことを意味する。これは、最初の数回の処置にわたって処置時間が減少することに表れる。これには、病院および診療所によって要求される資源を著しく減らすという利益が存在する。
【0052】
「例4」
装置を使用して、セットアップ期間中に任意の薬剤を投与することなく人に適応することができる。これは、薬剤投与のためにデバイスを使用する前に、人が、少ない回数のセットアップ期間を使って、デバイスに習熟し、デバイスを、最初の処置で処置時間が最小になるような状況にする可能性があることを意味する。図10は、図6に示すものと同じであるが、噴霧されるいずれの物質も投与しない状態での、装置のセットアップの方法を示すフローチャートである。フィードバック信号は、それぞれの目標吸入の終わりでやはり与えられ、目標呼吸長は、患者が吸入を停止するのにかかる時間を考慮して、それぞれの呼吸後に更新される。
【0053】
最初に、デバイスをセットアップする人は、噴霧器のスイッチを入れることになるが、その人は処置を受けるのではなく、デバイスをセットアップするという理由で、リザーバを補充しないであろう。空のリザーバがセットアッププロセスを妨げないようなセットアップモードにデバイスを切り換えることが必要である場合がある。吸入が開始されると、空気流検出器18は、吸入の開始を検出するが、デバイスが、セットアップ中であり、患者に薬剤を投与しないため、電子制御部は、超音波振動子7を振動させないようにする。吸入中、空気流調整器13は、通路3を通過する空気の速度を調整するように動作し、そ
れによって、患者の吸入相を長くする。吸入が一旦停止すると、空気流検出器18は停止を検出する。
【0054】
図10のフローチャートから、第一ステップは、プロセッサが、空気流検出器18から流量を読み取ることである。人が、依然として吸入を始めていない場合、「吸入」と表示されたボックスで示すステップは、「いいえ」を返し、プロセッサは、その後、人が呼気を開始したか否かを問うことになる。開始していない場合、プロセッサは、「開始」に戻ることになる。人が呼気を開始した場合、プロセッサ20は、後でパルス長を計算するために、呼気開始時間を記憶することになる。
【0055】
プロセッ20が空気流検出器18から流量を読み取る時に人が吸入を開始すると、人が、吸入していることが検出されるため、プロセッサは、その後、吸入の開始か否かを問うことになる。吸入の開始である場合、目標呼吸長が更新され、フィードバック時間が設定されることになる。プロセッサは、その後「開始」に戻る。人が吸入し始めたばかりであるため、空気流検出器18によって供給される流量は、フローチャートを通る最後のループが、吸入の開始であることを示したため、人が依然として吸入していることを示すことになる。プロセッサ20は、その後、目標呼吸長に達したか否かを計算することになる。再び、目標呼吸長に達していないとすると、プロセッサ20は、「開始」に戻る。しかしながら、目標呼吸長の終わりに達した場合、患者は、フィードバック信号で通知され、プロセッサは「開始」に戻る。人へのフィードバック信号は、人が吸入を停止するための指示である。
【0056】
通知デバイス23によってフィードバック信号が生成されると、人は、素早く吸入を停止すべきであるが、人が反応するのにかかる短い期間の間、吸入し続ける可能性がある。したがって、プロセッサ20によるフローチャートを通る次の2、3の回路は、患者が依然として吸入していることを見出す。人が実際に吸入を停止すると、人がフィードバック信号に従うのを止めるのにかかった時間が測定される。さらに、吸入と吸入間の時間もまた測定される。
【0057】
上述した計算は、目標呼吸長を変更する必要があるか否かを判断するために実行され、目標呼吸長は、人が次の呼吸時に吸入を開始する時に、それに応じて更新される。複数回のセットアップ動作後、噴霧器は、目標呼吸長が最適呼吸長に非常に近い状態で、処置に使用され得る。そのため、まさに最初の薬剤の投与から、人は、セットアップ期間のおかげで、処置時間が短くなる利益を得る。
【0058】
図3および図5に示すデバイスでは、メッシュタイプの噴霧器が使用されるが、他のタイプの噴霧器が、同様に適切である場合があることが理解されるであろう。重要なことは、患者の実際の呼吸パターンに対する目標吸入長の適応である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】肺内での薬剤の全滞留時間が、肺内に堆積する薬剤のパーセンテージに対してプロットされるグラフである。
【図2】呼気したフィルタ部分に対してエアロゾルホールド/呼吸ホールド時間をプロットするグラフである。
【図3】本発明による噴霧器を示す略図である。
【図4】図3の噴霧器の空気流調整器の斜視図である。
【図5】図3の噴霧器で、噴霧器が制御される方法、および、患者が通知される方法を示すブロック図である。
【図6】薬剤投与と、患者の呼吸パターンを考慮するデバイスの調整の両方がその間に起こる噴霧器の動作の方法を示すフロー図である。
【図7】流量が時間に対してプロットされた、図3のデバイスを使用した、患者の呼吸パターンを示すグラフである。
【図8】3人の被検者によって実行された処置回数に対してプロットされた目標吸入長を示すグラフである。
【図9】3人の被検者のそれぞれについての、処置回数に対してプロットされた処置時間を示すグラフである。
【図10】薬剤を投与する前に、デバイスの動作が人に対して最適化される、図3のデバイスの動作の第二の方法を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入される空気流を生成するために人が吸入を行う薬剤投与装置において信号を生成する方法であって、
吸入の開始を検出するステップと、
前記呼吸の開始の検出からプリセット期間が経過した後に吸入を止めるように前記人に通知するステップと、
前記人が、通知された後に吸入を停止するのにかかる時間に応じて、その後の吸入のための前記プリセット期間を調整するステップと、を含むことを特徴とする信号を生成する方法。
【請求項2】
前記プリセット期間は、吸入を停止するのにかかった時間が第一閾値時間を越える場合に増加されることを特徴とする請求項1に記載の信号を生成する方法。
【請求項3】
前記第一プリセット期間は、吸入を停止するのにかかった時間が第二閾値時間より短い場合に減少されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号を生成する方法。
【請求項4】
前記第一閾値時間は前記第二閾値時間以上であることを特徴とする請求項3に記載の信号を生成する方法。
【請求項5】
前記第一閾値時間は約0.5秒であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の信号を生成する方法。
【請求項6】
前記第一閾値時間は0.25〜0.75秒の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の信号を生成する方法。
【請求項7】
前記第一閾値時間は0.35〜0.65秒の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の信号を生成する方法。
【請求項8】
前記第一閾値時間は0.45〜0.55秒の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の信号を生成する方法。
【請求項9】
前記第二閾値時間は約0.3秒であることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の信号を生成する方法。
【請求項10】
前記第二閾値時間は−0.2〜0.5秒の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の信号を生成する方法。
【請求項11】
前記第二閾値時間は0〜0.4秒の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の信号を生成する方法。
【請求項12】
前記第二閾値時間は0.25〜0.35秒の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の信号を生成する方法。
【請求項13】
吸入の終了を検出するステップと、吸入期間および呼気期間を計算するステップとを更に含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の信号を生成する方法。
【請求項14】
I:E比を計算し、I:E比が第三閾値より大きい場合、前記プリセット期間を増加さ
せるステップを更に含むことを特徴とする請求項13に記載の信号を生成する方法。
【請求項15】
前記第三閾値は約1であることを特徴とする請求項14に記載の信号を生成する方法。
【請求項16】
I:E比を計算し、I:E比が第四閾値より小さい場合、前記プリセット期間を減少させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項13から請求項15のいずれかに記載の信号を生成する方法。
【請求項17】
前記第四閾値は約3分の1であることを特徴とする請求項16に記載の信号を生成する方法。
【請求項18】
エアロゾル化した物質を前記吸入される空気流の少なくとも一部の中に投与するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれかに記載の信号を生成する方法。
吸入を止めるように前記人に通知する前にエアロゾル投与を止めるステップを更に含むことを特徴とする請求項18に記載の信号を生成する方法。
【請求項19】
エアロゾル投与は、前記人に通知する前の少なくとも1秒で止められることを特徴とする請求項19に記載の信号を生成する方法。
【請求項20】
エアロゾル投与は、前記人に通知する前の少なくとも2秒で止められることを特徴とする請求項19に記載の信号を生成する方法。
【請求項21】
エアロゾル化した薬剤を人の吸入される空気流内に投与するように構成された薬剤投与装置であって、
前記吸入される空気流を検出する空気流センサと、
前記人に通知するように構成された通知デバイスと、
前記空気流センサによって検出された前記吸入される空気流に基づいて、前記通知デバイスの動作を制御するように構成されたコントローラと、を備え、それによって、前記コントローラは、前記通知デバイスに、吸入の検出に続くプリセット期間後に吸入を止めるように前記人に通知させ、通知された後、前記人が吸入を停止するのにかかる時間に応じて、その後の吸入用の前記プリセット期間を調整することを特徴とする薬剤投与装置。
【請求項22】
前記装置を流れる前記吸入される空気流の速度を制限するための空気流調整器を更に備えることを特徴とする請求項22に記載の薬剤投与装置。
【請求項23】
前記薬剤をエアロゾル化させて前記吸入される空気流内に入れるエアロゾル発生器をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の薬剤投与装置。
【請求項24】
前記通知デバイスは、音声デバイス、視覚デバイス、および振動デバイスのうちの任意の1つまたは複数であることを特徴とする請求項22から請求項24のいずれかに記載の薬剤投与装置。
【請求項25】
前記コントローラは、前記プリセット期間を計算するように構成された計算器を含むことを特徴とする請求項22から請求項25のいずれかに記載の薬剤投与装置。
【請求項26】
前記コントローラはマイクロプロセッサによって形成されることを特徴とする請求項22から請求項26のいずれかに記載の薬剤投与装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−506150(P2006−506150A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552902(P2004−552902)
【出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005048
【国際公開番号】WO2004/045689
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(505186485)プロファイル レスパラトリー システムズ リミテッド (3)