改良された放出速度を示す生分解性微粒子薬学的処方物
本発明は、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含む微粒子を生成する装置および方法に関する。装置(100)は、その中心にリザーバー(708)を含むスピニングディスク(105)、および平坦な傾斜面を含む。この装置は、必要に応じて、セレーション(712)および/または上記ディスクの回転軸に平行であるディスクの周縁の下の平坦面を含む。本発明はまた、上記スピニングディスク装置を用いて薬理学的に活性な薬剤を含む微粒子を生成する方法に関する。眼科学的に活性な薬剤を含む処方物が提供される。0次放出速度を示す処方物もまた記載される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、すべてが2005年9月7日に出願された米国特許出願番号第11/221,337号;同第11/220,430号;同第11/220,431号;同第11/220,807号;および同第11/220,445号への優先権を主張している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、薬学的に(すなわち、薬理学的に)活性な薬剤の持続放出に関する。詳細には、本発明は、薬学的に活性な薬剤、特に眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロカプセルおよびマイクロスフェアを作製するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
薬理学的に活性な薬剤は、経口的もしくは静脈内のように全身的に、または局所もしくは皮下のように局所的に投与され得る。いずれの場合にも、直ちに代謝され得る用量よりは多くないこれら薬剤の用量を標的位置に送達することがしばしば所望される。なぜなら、その過剰の用量は、使用不能および/または有害であり得るからである。これは、伝統的に、薬剤の規則的な時間間隔での投与を必要とし、これは、面倒であり、そして/または実施不能であり、そしてまた投与における誤りに至り得る。
【0004】
代替として、薬理学的に活性な薬剤の送達システムが開発され、それによって、活性薬剤は、(好ましくは、一貫した持続放出量で)所定の期間に亘って投与される。詳細には、局所的に投与される薬剤について、持続放出は、活性薬剤および1つ以上の薬理学的に不活性な材料を含む微粒子を利用することにより達成されている。微粒子は、「マイクロスフェア」および「マイクロカプセル」に分けられ得、これらは互いとは異なる。マイクロスフェアは、通常、薬物分子がポリマーマトリックス全体に分散される一体形タイプの処方物をいう。その一方、マイクロカプセルは、薬物コアが連続的ポリマー層またはシェルによって取り囲まれるリザーバーデバイスをいう。マイクロカプセルの薬物コアは、薬物自体または薬物を含むマイクロスフェアを含み得る。
【0005】
これら微粒子は、所望の位置に送達され、そして活性薬剤は、延長された期間に亘ってそれから放出される。眼の適用には、これら微粒子は、例えば、設計されたカニューレを用いて後部セグメントへの注入によるか、またはそうでなければ、インプラントとして挿入され送達され得る。
【0006】
マイクロスフェアからの活性薬剤の放出は、ポリマーマトリックスの融解、溶媒和、および/または生分解を含み得る。マイクロカプセルの場合には、活性薬剤は、標的位置に到達するためにシェルを貫通しなければならない。これは、シェルの機械的破壊、融解、溶解、アブレーションおよび/または生分解、および/またはシェルを通る活性薬剤の拡散によって達成され得る。
【0007】
特に、薬学的に活性な薬剤とマトリックスを形成し、そして/またはそれらをカプセル化するポリマーのような生分解性材料が、持続送達システムとして採用され得る。生分解性により、これら材料が、身体中の生理学的条件下で、分解産物が身体によって排出可能であるか、または吸収可能であるように、分解または破壊されることを意味する。生分解性ポリマーの使用は、活性薬剤の放出を制御するためにポリマーの生分解性を利用することにより持続放出を提供し得、それによって送達のより一貫した持続レベルを提供する。
【0008】
先行技術は、微粒子を生成するいくつかの方法を開示し、溶媒抽出、低温キャスティング、コアセルベーション、熱溶融、界面架橋、界面重合、噴霧乾燥、超臨界流体膨張、超臨界流体抗溶媒結晶化、および溶媒蒸発によるものを含む。溶媒抽出は、水不溶性ポリマーを溶解するための有機溶媒の使用を含む。可溶性または分散形態にある薬物がこのポリマー溶液に添加され、そしてこの混合物は、次いで界面活性薬剤を含む水相中で乳化される。有機溶媒は、水相中に拡散し、固形ポリマーマイクロスフェアの沈殿を容易にする。この技術の例は、Ticeらに発行された特許文献1に見出され得る。
【0009】
低温キャスティングとして知られるプロセスは、微粒子を生成するために利用されている。Gombotzらに発行された特許文献2に記載されるこのプロセスでは、ポリマーは、活性薬剤とともに溶媒中に溶解され、活性薬剤は、微粒子の形態で、この溶媒中に溶解されるか、またはこの溶媒中に分散されるかのいずれかであり得る。このポリマー/活性薬剤混合物は、液体非溶媒を含むベッセル中に霧状にされ、そしてポリマー/活性薬剤溶液の凍結点未満の温度で、液化ガスで重層される。冷液化ガスまたは液体がポリマー液滴を直ちに凍結する。この液滴およびポリマーのための非溶媒が暖められると、液滴中の溶媒が解け、そして非溶媒中に抽出され、固化マイクロスフェアを生じる。
【0010】
コアセルベーションは、疎水性ポリマーの均一ポリマー溶液からのポリマーリッチな第2の液体相の小液滴への塩析または相分離に基づく。水性ポリマー溶液が、強い親水性物質または水混和性非溶媒を添加することにより部分的に脱水和または脱溶媒和されるとき、水溶性ポリマーが水中に濃縮され、ポリマーリッチ相を形成する。これは、「単純」コアセルベーションとして知られる。水不溶性薬物粒子が懸濁物またはエマルジョンとして存在する場合、ポリマーリッチ相は薬物粒子表面上に形成され、適切な条件下でカプセルを形成する。「複合」コアセルベーションでは、ポリマーリッチ複合体(コアセルベート)相は、反対の電気荷電の2つの分散された親水性ポリマー(コロイド)間の相互作用によって誘導される。このプロセスは、Greenらに発行された特許文献3を含む多くの特許に記載されている。
【0011】
熱溶融または凝結プロセスは、活性薬剤が、高温で溶融されるポリマーと混合されて説明されている。この混合物は、次いで、遠心分離噴霧器に移され、そして形成された液滴が冷却され、そして収集される。このプロセスは、Koffらに発行された特許文献4に記載されている。あるいは、Mathiowitzらに発行された特許文献5に記載されるように、活性薬剤は、溶融されたポリマーと混合され、そして溶融混合物は、非混和性溶媒中に懸濁され、ポリマーの融点以上に加熱され、そして連続的に撹拌される。一旦、エマルジョンが安定化されると、それは、コア材料が固化されるまで冷却される。
【0012】
界面架橋は、ポリマーがイオンまたは多官能分子によって架橋され得る官能基を所有する場合に採用され得る。Vassiliadesらに発行された特許文献6に記載されるように、例えば、界面架橋によって微粒子を生成することは、油可溶性の多官能性架橋剤を含む水非混和性の油状材料と、ポリマー乳化剤の水溶液とを混合することを含む。水中油型エマルジョンは、乳化剤を含む水性連続相中の微細なエマジョン液滴の形態で分散される多官能性架橋剤を含んで形成され、そして固形のカプセル壁が、多官能性架橋剤による乳化剤の架橋によって形成される。
【0013】
界面重合は、メンブレンを形成するために2つの非混和性物質の界面で重合され得るモノマーを必要とする。Baatzらに発行された特許文献7は、多官能性化合物がコア材料中、または不活性溶媒もしくは溶媒混合物中に溶解され、次いで、コア材料と混合されるカプセル化のためのプロセスを開示する。この均一混合物は、次いで、この多官能性化合物の重合を触媒する材料を含む、それと混和しない液体相、例えば、水中に導入される。
【0014】
別の公知の微粒子プロセスは噴霧乾燥であり、そこでは、粒子のバルクを形成することが意図されるポリマーのような固体形成材料が、適切な溶媒中に溶解され、溶液を形成する。あるいは、材料は、非溶媒中に懸濁され得るか、または乳化され得、懸濁物またはエマルジョンを形成する。活性薬剤が次いで添加され、そしてこの溶液は霧状にされ、そして液滴の微細ミストを形成する。この液滴は、次いで、乾燥チャンバーに入り、そこで、それらは乾燥ガスと接触する。溶媒は、液滴から乾燥ガス中に蒸発され液滴を固化し、それによって粒子を形成する。これら粒子は、次いで、乾燥ガスから分離され、そして収集される。このプロセスは、Chickering、IIIらに発行された特許文献8、およびその中に開示される参考文献に記載される。
【0015】
超臨界流体膨張を用いる微粒子形成は、高められた温度で超臨界流体溶液中に固形材料を急速溶解すること、そして次に比較的低圧の領域にこの溶液を急速に膨張することを含む。これは、収集チャンバー中に放出される分子スプレーを生成する。溶媒は蒸発され、そしてポンプで除去され、そして粒子が集められる。このプロセスの例は、Smithらに発行された特許文献9に記載されている。
【0016】
Bisratらに発行された特許文献10に記載されるような、超臨界抗溶媒結晶化は、活性薬剤、および必要に応じて1つ以上のキャリヤ材料を、第1の溶媒中に溶解すること、この溶液および超臨界または準臨界流体を装置中に導入することを含み、ここで、この流体は、(二酸化炭素のような)抗溶媒および第2の溶媒を含む。形成された本質的に結晶である粒子は、溶媒和形態にある活性薬剤を含む。これら粒子は、超臨界または準臨界状態にある乾燥抗溶媒を用いてさらに乾燥され得る。
【特許文献1】米国特許第4,389,330号明細書
【特許文献2】米国特許第5,019,400号明細書
【特許文献3】米国特許第2,800,457号明細書
【特許文献4】米国特許第3,080,293号明細書
【特許文献5】米国特許第4,898,734号明細書
【特許文献6】米国特許第4,138,362号明細書
【特許文献7】米国特許第4,119,565号明細書
【特許文献8】米国特許第6,308,434号明細書
【特許文献9】米国特許第4,734,451号明細書
【特許文献10】米国特許第6,461,642号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
1つの広く利用されるプロセスは、活性薬剤を含む微粒子を形成するために溶媒蒸発を採用する。溶媒蒸発プロセスでは、活性薬剤およびマトリックス材料は、最終的には温度を上げること、および/または圧力を下げることにより除去される揮発性有機溶媒中に溶解される。溶媒蒸発により微粒子を形成するために最も広く利用される装置は、しばしばスピニングディスクと称される回転するデバイスを取り込む。このスピニングディスクプロセスは、基は、1962年1月2日にG.R.Somerville、Jr.に発行された米国特許第3,015,128号に記載されており、その開示は、このスピニングディスクに関係があるその開示は、本出願の開示と不一致でない程度までその全体が参考として本明細書によって援用される。
【0018】
このスピニングディスク技術の出現以来、この方法および装置の多くの改変が導入されている;しかし、それに付随する種々の問題は解消されていない。例えば、広い粒子サイズ分布がしばしば得られる。重要なことに、この粒子サイズ分布が狭いほど、活性薬剤の用量がより算出可能であり、そして繰り返し可能である。さらに、「純粋な」被覆材料粒子(偽薬粒子)が生成される。これは、偽薬粒子が投与される場合に用量希釈を、または偽薬粒子が活性試薬含有微粒子から分離されなければならない場合にさらなる製造コストを生じる。さらに、微粒子の凝集が生じ、これはさらに、粒子サイズ分布に影響する。必要なのは、狭い粒子サイズ分布、低減された偽薬形成、低減された粒子の凝集、および改善された産物収率を有する微粒子を生成するための装置および方法である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の要旨)
これらの所望の性質を有する微粒子を生成するスピニングディスク装置が提供され、ここで、この装置は、実質的に平坦な傾斜を備える実質的に円滑な環状ディスク面を備える実質的に円形のスピニングディスクを含み、ここで、その外側周縁エッジが第1の直径を規定し、そしてその内側周縁エッジが第2の直径を規定し、そしてここで、この内側周縁エッジによって外接される領域が、上記環状ディスク面の内側周縁エッジによって規定もされるその頂部部分を備えるリザーバーを含み、そしてここで、このリザーバーは、このリザーバーの底と、このリザーバーの頂部部分との間に位置する第3の直径によって部分的に規定され、ここで、この第3の直径が該第2の直径より大きい。このスピニングディスク装置は、上記環状ディクス面の下で、かつその外側周縁エッジに近接する実質的に平坦な面を備え得、ここで、この実質的に平坦な面は、上記スピニングディスクの回転軸に実質的に平行である平面中にある。さらに、上記環状ディスク面の外側周縁エッジは、セレーションを備え得る。
【0020】
上記に記載のスピニングディスク装置を利用して微粒子を生成する方法が提供される。その実施形態では、マイクロスフェアは、活性薬剤をマトリックス材料と合わせ、上記スピニングディスク装置のリザーバーに導入される組成物を形成する工程、およびこの装置を作動し、活性薬剤およびマトリックス材料を含むマイクロスフェアを生成する工程によって生成される。その別の実施形態では、マイクロカプセルを生成する方法がまた、提供され、ここで、マイクロスフェアは、被覆材料と合わせられ、そしてスピニングディスク装置のリザーバーに導入され、そしてその作動が、被覆材料で被覆されたマイクロスフェアを含むマイクロカプセルを生成する。上記活性薬剤は、薬理学的に活性な薬剤およびマトリックスを含み得、そして被覆材料は、生分解性ポリマーを含み得る。
【0021】
生分解性ポリマーおよび眼科学的に活性な薬剤を含む微粒子を含む処方物がまた提供される。この眼科学的に活性な薬剤は、酢酸アネコルタブ;そのアルコール形態、その誘導体、およびその組み合わせを含み得る。実施形態では、上記処方物は、眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアを含む。別の実施形態では、上記処方物は、眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロカプセルを含む。
【0022】
生存生物に導入されるとき、薬理学的に活性な薬剤を実質的に0次速度で放出するマイクロカプセルを含む処方物が提供される。このマイクロカプセルは、生分解性ポリマーを含み、そして約15wt.%より多い薬理学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェア、およびポリマー被覆材料を含む。1つの局面では、実質的に0次速度での上記薬理学的に活性な薬剤の放出は、少なくとも約4週の期間に亘って続く。
【0023】
上記に記載の方法によって調製されるマイクロカプセルが提供され、ここで、これらマイクロカプセルは、生存生物に導入されるとき、薬理学的に活性な薬剤を、実質的に0次速度で放出する。これらのマイクロカプセルは、生分解性ポリマーおよび薬理学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアコア上に生分解性ポリマーを含む。このマイクロスフェアは、約15wt.%より多い上記薬理学的に活性な薬剤を含む。1つの局面では、実質的に0次速度でのこの薬理学的に活性な薬剤の放出は、少なくとも約4週の期間に亘って続く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(詳細な説明)
図1は、本発明の実施形態によるスピニングディスク装置100を描写する。スピニングディスク装置100は、攪拌モーター115に接続ロッド120によって連結されるスピニングディスク105を含む。スピニングディスク105は、代表的には、実質的に円形で、そして約10mmと約300mmとの間の直径を有し得る。以下により詳細に記載されるように、スピニングディスク105は、種々の表面特徴を有し得、そして種々の幾何学的形状を有し得る。攪拌モーター115は、スピニングディスク装置100内でモーター取り付けフレーム125によって支持される。水力、空気力または電気的に駆動され得る攪拌モーター115は、接続ロッド120を経由してスピニングディスク105を回転するよう適合されている。攪拌モーター115は、約60rpm〜約25,000rpmのような種々の速度でスピニングディスク105を回転するよう適合された制御シテスム(図示せず)を含む。
【0025】
スピニングディスク装置100はまた、1つ以上の供給ベッセル135、1つ以上の流体ポンプ140、および流体送達システム145を含むサンプル送達システム130を含む。流体送達システム145は、代表的には、ディスク装置100内で処理されるべき材料がスピニングディスク105上に導入するのに通るチューブを備える。流体ポンプ140は、代表的には、供給ベッセル135からスピニングディスク105に流体を、約0〜約750g/分の流速で流体送達システム145を経由して送達するよう適合されている。供給ベッセル135は、供給ベッセル135中に導入された材料の混合を容易にするよう適合された1つ以上の(攪拌器のような)攪拌手段150を含み、そして、必要に応じて、その中に含まれる材料の温度を制御するよう適合された温度制御システム(図示せず)を含み得る。
【0026】
スピニングディスク105に近接して加熱ユニット155があり、これは、示されるようにスピニングディスク105に接触するか、もしくはそれと一体であり得るか、またはそれに代わって、それに対し、緊密に接触せずにその近傍に配置される。適切な加熱ユニット155は、制限されないで、キャパシタンスヒーター、インピーダンスヒーター、液体循環ヒーター、熱空気ガンなどを含む。
【0027】
スピニングディスク装置100は、スピニングディスク105を取り囲むスペースを密封してシールし、そしてプロセスチャンバー160内の環境を、制御された雰囲気下に維持するよう適合されたガス供給源(図示せず)に作動可能に接続されている。プロセスチャンバー160は、必要に応じてプロセスチャンバー160内の圧力を制御するよう適合された減圧供給源(図示せず)を含み得る。プロセスチャバー160内で維持されるガスの環境は、ガス供給手段(図示せず)によってプロセスチャバー160に供給される空気または特定の不活性ガスまたは複数のガスを含み得る。プロセスチャバー160は、制限されずに、ジャケット付のステンレス鋼のような材料を含む熱的に制御可能な内面を備え得る。それに代わって、またはそれに加え、プロセスチャバー160は、制限されずにプラスチックのような、低い熱伝導度を有する内面を含み得る。1つの実施形態では、利用されるプラスチックは、高密度ポリエチレン(HDPE)であるが、本発明は、この材料に制限されず、そしてその他の類似の適切な材料が採用され得る。
【0028】
プロセスチャバー160は、上記に記載の材料を備える内面を含む円錐底タンクを含み得る。スピニングディスク装置100は、さらに、プロセスチャバー160に作動可能に接続されるサンプル収集システム165を含み得る。適切なサンプル収集システム165は、制限されずにサイクロンセパレーターを含む。サンプル収集システム165に作動可能に接続される排出システム170が存在し得、これは、1つ以上のフィルーター175、1つ以上のブロワー180、1つ以上の空気流れ制御バルブ185、および1つ以上のベント190を含み得る。サンプル収集システム165を備えるサイクロンセパレーターはまた、制限されずに、ジャケット付のステンレス鋼のような熱的に制御可能な内面、および/または制限されずにプラスチックのような低い熱伝導度を有する面を備え得る。1つの実施形態では、利用されるプラスチックは、高密度ポリエチレン(HDPE)であるが、本発明は、この材料に制限されず、そしてその他の類似の適切な材料が採用され得る。
【0029】
さらに、以下により詳細に記載されるように、サンプル収集システム165は、連続的に稼動され得る。その中で生成される微粒子と接触するスピニングディスク装置100の面は、制限されないで、プロセスチャバー160の面を含み、そしてサンプル収集システム165は、粒子凝集を低減するために温度制御デバイス(図示せず)によって熱的に制御され得る。
【0030】
図2〜6は、先行技術の技術工学によるスピニングディスクを描写する。図2は、(Somerville、Jr.に発行された)米国特許第3,015,128号に開示されるような実質的に平坦なスピニングディスクを示し、これによって、微粒子が、その中心に近接するスピニングディスク215の面223上にライン221を通って材料を導入することにより生成される。スピニングディスク215は、それに作動可能に連結されたモーター(図示せず)を用いて駆動シャフト217によって回転され、それによって、スピニングディスク215の面223上に導入された材料を、スピニングディスク215の周縁エッジ224に向かって面223に沿って放射状に外方へ押し、そこで、これら材料は、ランダムな点から外方に運ばれ、そしてそれによって、別個の粒子228に分離される。
【0031】
図3は、(Leeに発行された)米国特許第4,256,677号に開示されるような、その周縁の周りに歯を含む先行技術のスピニングディスクを示す。その中に描写されるように、材料は、出口317を通って、その周縁の周りに歯320を含む回転ディスク321の面上に供給される。出口317は、それによって導入される材料がその周縁近傍に歯のあるディスク321と接触するように配置される。歯のあるディスク321は、出口317を経由する材料の導入に対して凸状であり、そして歯のあるディスク321の周縁エッジに近接して配置された加熱要素324を用いて加熱される。先に記載されたような従来のスピニングディスク方法を用い、微粒子がそれによって生成される。
【0032】
図4A〜4Cは、(Sparksらに発行された)米国特許第4,675,140号に開示されるような、凹状の幾何学的形状を有する先行技術のスピニングディスクを描写する。図4Aは、角度をなすスピニングディスク490を示し、その上に、溶融または溶解された被覆材料421およびコア材料427が導入され、これらは、固形粒子または液体液滴を含み得る。先に記載されるような従来のスピニングディスク方法を用い、液体被覆層427aをもつコア粒子427、および過剰の不使用被覆材料421の液滴421aを含む微粒子が、それによって生成される。図4Bは、放物線スピニングディスク492を示し、そして図4Cは、S字形スピニングディスク494を示し、これらは、上記に記載のように微粒子を形成する。
【0033】
図5は、(Dorianらに発行された)米国特許第5,643,594号に開示されるような、カップ形状回転部材を有する先行技術のスピニング装置を示す。その中に開示されるように、カップ512は、導管またはチューブ519を経由して、被覆ポリマーの溶液中の粒子の懸濁物の供給混合物518を受容する。このカップ512は混合チャンバー520を含み、これは、上方にそれる円錐形状の側壁522に延び、そしてこれは、上部リムまたはエッジ525に終結する。このカップ512は、先に記載のような従来のスピニングディスク方法を採用することにより、ほぼ水平の軌道に沿って、ビーズ514を放射状に外方へ射出するよう設計されている。
【0034】
図6は、Johnson、D.E.ら、「A New Method for Coating Glass Beads for Use In Gas Chromatography of Chloropromazine and Its Metabolites」、J.Gas Chrom.、3、345〜47(1965)に記載されるような従来の先行技術スピニング装置(「従来ディスク」)を示し、このスピニングディスクに関係しているその開示は、本出願中の開示と不一致でない程度までその全体が参考として本明細書によって援用される。その中に描写される従来ディスクは、ディスク面がその中心から周縁までS字状に湾曲する凹面状の幾何学的形状を含む。以下に論議されるように、本発明の特徴および利点を一般に開示する目的のために、上記で引用された参考文献に記載される従来ディスクは、比較のための標準を構成する。
【0035】
図7は、本発明の1つの実施形態を包含するスピニングディスクを描写する。スピニングディスク105は、実質的に平滑な環状面706を含み、本明細書でその上がスピニングディスク105の頂部面として規定される。スピニングディスク105は、外側周縁エッジ707を備える。スピニングディスク105はまた、スピニングディスク105の内側周縁エッジ709によって部分的に規定され、そしてその中心に配置されるリザーバー708を含む。リザーバー708は、約5mmと約20mmとの間であり得る垂直移動量H1を有する。直径D3は、リザーバー708の最大幅を規定し、その一方、直径D2は、リザーバー708の最小幅を規定する。直径D3は、約1mm〜約20mmの範囲にあり得る。直径D2は、約1mm〜約20mmの範囲にあり得る。この直径D2は、直径D3が配置されるよりもリザーバー708の開放端部により近く配置される。すなわち、リザーバー708は、少なくとも、開口部より下の特定断面積より狭い開口部を有する。この幾何学的形状は、リザーバー708の頂部にリップ710を生成する。
【0036】
環状面706は、約10mmと約300mmとの間であり得る直径D1を有する。環状面706は、約2゜〜約85゜、好ましくは約5゜〜約45゜、そしてより好ましくは約15゜〜約30゜の範囲であり得る固定された角度αを規定する平坦な傾斜を備える。スピニングディスク105のさらなるオプションの特徴は、外側周縁エッジ707に近接する環状面706の下でディスク回転軸に実質的に平行である、実質的に平坦な面711である。この実質的に平坦な面711は、長さが約1mm〜約10mmの範囲であり得る。この幾何学的形状を有する面711を含めることは、ディスク機械加工プロセスの間に再定着し、およびふるえ(chatter)を有意に低減することを補助する第2の関連面を提供することによって、より正確に機械加工するディスク105を支援する。
【0037】
スピニングディスク105は、金属または合成材料のような、その仕様に合致するよう製作され得る任意の適切な材料から構成され得る。特定の実施形態では、スピニングディスク105は、304または316ステンレス鋼から製作されたが、本発明は、これら材料を含むディスクに制限されない。環状面706およびリザーバー708の面は、鏡仕上げに研磨および磨き上げられ得るが、当業者は、スピニングディスクの面特徴がその性能に影響し、そして所望の結果を達成するために最適化され得ることを理解する。
【0038】
図8に示されるように、スピニングディスク105は、必要に応じて、外側周縁エッジ707を備えるセレーション(「歯」)712を含み得る。歯712は、約145゜〜約10゜、好ましくは約105゜〜約15゜、そしてより好ましくは約65゜〜約20゜の範囲の範囲であり得る角度βを規定し得る。しかし、当業者は、この角度βがスピニングディスクの性能に影響し得、そして所望の結果を達成するために最適化し得ることを理解し得る。歯712は、約0μmと約5,000μmとの間の水平移動量D4を規定し得る。
【0039】
図1、7および8に記載される装置は、本発明の実施形態に従って微粒子を生成するために採用され得る。1つの局面では、この装置は、マイクロスフェアを生成するために利用される。実施形態では、これらマイクロスフェアは、生分解性ポリマーを含む溶液中に薬理学的に活性な薬剤を分散することにより生成される。図1を再び参照して、この溶液は、生分解性ポリマーおよび溶媒を供給ベッセル135に導入することにより調製される。適切な生分解性ポリマーは、制限されないで、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、(Sterotex KおよびSterotex NFのような)トリグリセリド類、ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組み合わせを含む。適切な溶媒は、この生分解性ポリマーが溶解する任意の材料を含む。このような溶媒は、制限されないで、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、およびそれらの組み合わせを含む。揮発性のより少ない溶媒が本発明に従って用いられ得るが、より低い沸点の溶媒が採用され得ることが本発明の特定の特徴である。
【0040】
薬理学的に活性な薬剤は、供給ベッセル135中へのその導入による結果として上記生分解性ポリマー溶液中に分散される。本発明を有意利用するために用いられ得る適切な薬理学的に活性な薬剤は、制限されないで、眼科学的に活性な薬剤、血管形成インヒビター、抗炎症剤(ステロイド系および非ステロイド系)、チロシンキナーゼインヒビター、抗感染剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤、および抗真菌剤)、抗アレルギー剤(例えば、抗ヒスタミン剤および肥満細胞安定化剤)、シクロオキシゲナーゼインヒビター(例えば、CoxIおよびCoxIIインヒビター)、鬱血除去剤、抗緑内障剤(例えば、アドレナリン作用薬、β−アドレナリン作用遮断薬、α−アドレナリン作用アゴニスト、副交感神経作用薬、コリンエステラーゼインヒビター、炭酸脱水酵素インヒビター、およびプロスタグランジンアナログ)、ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター、γ−アミノ酪酸およびそれらの誘導体(GabapentinおよびPregabalinを含む)、抗酸化剤、栄養補助剤、類嚢胞黄斑浮腫の処置のための薬剤(例えば、非ステロイド抗炎症剤)、加齢黄斑変性症(ARMD)の処置のための薬剤(例えば、血管形成インヒビターおよび栄養補助剤)、ヘルペス感染およびサイトメガロウイルス(CMV)眼感染の処置のための薬剤、増殖性硝子体網膜症(例えば、代謝拮抗剤および線維素溶解剤)、創傷調節剤(例えば、成長因子)、代謝拮抗剤、神経保護薬物(例えば、エリプロジル)、眼の後部セグメントの疾患または状態(例えば、ARMD、脈絡膜新血管形成(CNV)、網膜症、網膜炎、ブドウ膜炎、黄斑浮腫、および緑内障)の処置のための抗血管新生ステロイド、およびそれらの組み合わせを含む。本発明での使用に適切な1つの薬理学的に活性な薬剤は、眼科学的に活性な薬剤、酢酸アネコルタブ(4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン−21−アセテート)であり、これはまたそのアルコール形態(4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン)、またはその他のプロドラッグ誘導体形態で利用され得る。
【0041】
一旦、薬理学的に活性な薬剤、生分解性ポリマー、および溶媒を含む分散物または溶液が調製されると、この分散物は、流体ポンプ140および流体送達システム145を用いて回転するスピニングディスク105の上面に移される。この分散物は、スピニングディスク105上にその任意の部分(環状面706を含む)に導入され得るけれども、この分散物がリザーバー708中に導入され得ることが本発明の特徴である。マイクロスフェア製造の前および製造の全体で、プロセスチャンバー160は、この分散物から溶媒の制御された蒸発を行う条件に維持される。これは、(加熱ユニット155を用いて)環状面706およびリザーバー708の温度、ならびに(図示されてはいない減圧供給源を用いて)プロセスチャンバー160の温度および/または圧力を、溶媒の蒸発速度がマイクロスフェアの生成を増加するように制御することにより達成される。当業者は、溶媒蒸発(そしてこれ故、マイクロスフェア生成)における温度および圧力の影響を認識し、そして条件が所望の材料を生成するように最適化され得ることを理解する。
【0042】
分散物または溶液のリザーバー708中への導入に際し、回転するスピニングディスク105からこの分散物に移される遠心力は、この分散物を、リザーバー708の内面を上方に液体の膜として押す。この液体の膜がスピニングディスク105の環状面706の平坦な角度をなす部分上に外側周縁エッジ707に向かって外方に進行する前に、それは、リザーバー708のリップ710を横切らなければならない。このリップ710がリザーバー708と、外側周縁エッジ707に延びる環状面706の平坦な角度をなす部分との間に配置されることが本発明の特徴である。一旦、液体の膜がリップ710を超えて進行したなら、分散物は、溶媒がそれから蒸発により除去されるにつれてより粘性になる。スピニングディスク105の回転速度が、当業者によって、分散物の組成およびプロセスチャンバー160の環境条件を予期して、所望のマイクロスフェア生成を達成するために最適化され得ることが理解される。
【0043】
分散物または溶液中の材料は、外側周縁エッジ707を超えて回転により押され、およびスピニングディスク105のエッジから制御可能に射出されることによって霧状にされ得る。霧状にされた材料がプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、その固化が、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアの形成を生じる。このように生成されたマイクロスフェアは、サンプル収集システム165を用いて収集される。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロスフェアがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロスフェアは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約55wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0044】
本発明の別の実施形態では、マイクロスフェアは、本発明の装置を採用する((Koffに発行された)米国特許第3,080,293号に一般に開示されるような)熱溶融プロセスを用いて生成される。この実施形態では、生分解性ポリマーは供給ベッセル135に導入され、そしてその中で溶融または部分的に溶融される。一旦、生分解性ポリマーが、所望の溶融または部分的に溶融された状態で存在すると、上記の薬理学的に活性な薬剤がそれに導入される。先に記載のように、この分散物は、次いで、流体送達システム145を経由して回転するスピニングディスク105のリザーバー708に導入され得る。遠心力がこの分散物を、液体の膜がリザーバー708の内面を上方に、そしてリザーバー708のリップ710を超えて押す。この分散物は、それが外側周縁エッジ707方向へ外方に伝播するとき、環状面706の温度によって溶融または部分的溶融状態に維持され得る。この分散物は、スピニングディスク105から回転により射出され、そしてそれがプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、マイクロスフェアとして凝結する。このように生成されたマイクロスフェアは、サンプル収集システム165を用いて収集され得る。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロスフェアがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロスフェアは、約0.0001wt.%〜約75wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約45wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0045】
本発明のさらなる実施形態では、マイクロスフェアは、薬理学的に活性な薬剤以外のコア材料を含んで生成され得る。従って、本発明の装置は、持続放出材料がインビボで薬理学的または病態的な応答を引き起こさない、生存生物中への導入のために適切なマイクロスフェアを生成するために採用され得る。このような材料は、制限されないで、色素、放射活性化合物、イメージング剤(imaging agent)、量子ドット、造影剤剤、およびそれらの組み合わせを含む。さらに、本発明に従って生成されるマイクロスフェアは、エクスビボで生理学的活性でないように設計される。例は、制限されないで、紫外線ブロックまたは吸収化合物、脱臭剤または制汗剤、緩和剤、化粧品およびそれらの組み合わせを含む。さらに、本発明に従って生成されるマイクロスフェアは、生分解性ポリマー以外のマトリックス材料を含み得る。適切な材料は、制限されないで、ワックス、脂質、オイル、ゴム、樹脂、セルロース、スターチ、非生分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせを含む。
【0046】
本発明の別の局面では、被覆されたマイクロスフェアを含むマイクロカプセルが生成され得る。マイクロカプセルの形成は、本発明の装置を利用してマイクロスフェアにオーバーコートを付与することを含む。実施形態では、本発明によるマイクロカプセル生成は、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーマトリックスを含むマイクロスフェアに生分解性オーバーコートを付与することを含む。この実施形態では、被覆材料および溶媒を含む溶液が、供給ベッセル135中に調製され得る。適切な溶媒は、被覆材料は溶解するが、マイクロスフェアは実質的に不溶である任意の材料を含む。このような溶媒は、制限されないで、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、およびそれらの組み合わせを含む。より揮発性でない溶媒が本発明に従って用いられ得るが、より低い沸点の溶媒が採用され得ることが本発明の特徴である。マイクロカプセル形成のために利用される溶媒は、マイクロスフェアマトリックスから活性薬剤の有意な量を抽出し得ない溶媒であることがまた本発明の特徴である。適切な被覆材料は、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸−グリコール酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、(Sterotex KおよびSterotex NFのような)トリグリセリド類、ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組み合わせを含む。
【0047】
薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアは、被覆材料溶液中に分散され得る。従って形成された分散物は、流体送達システム145を経由してスピニングディスク105のリザーバー708中に、マイクロスフェア生成を参照して先に記載されたように導入され得る。上記に記載のように、回転するスピニングディスク105から分散物に移される遠心力は、この分散物をリザーバー708の内面の上方にリップ710を超える液体の膜として押し得る。上記に記載のように、一旦、液体の膜がリップ710を超えて伝播したなら、この分散物は、溶媒が蒸発によりそれから除去されるときより粘性になる。スピニングディスク105の回転速度は、分散物の組成およびプロセスチャンバー160の環境状態を予期して所望のマイクロカプセル生成を達成するために最適化され得ることは当業者によって理解され得る。
【0048】
分散物中の材料は、外側周縁エッジ707を超えて回転により押され、そしてスピニングディスク105から射出されることによって霧状にされ得る。霧状にされた材料がプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、その固化が、マイクロスフェアコアの上に生分解性被覆の外層を含むマイクロカプセルの形成を生じる。このように生成されたマイクロカプセルは、サンプル収集システム165を用いて収集される。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロカプセルがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.002vol.%〜約96vol.%の被覆、好ましくは約0.003vol.%〜約50vol.%の被覆、そしてより好ましくは約0.004vol.%〜約5vol.%の被覆を有する。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約50wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0049】
さらなる実施形態では、本発明の装置を利用するマイクロカプセル化は、熱溶融プロセスを含み得る。この実施形態では、生分解性ポリマー被覆材料は供給ベッセル135中に導入され、そしてその中で溶融または部分的に溶融される。一旦、被覆材料が、所望の溶融または部分的に溶融された状態で存在すると、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアがそれに導入される。先に記載のように、この分散物は、次いで、流体送達システム145を経由して回転するスピニングディスク105のリザーバー708に導入され得る。遠心力がこの分散物を、液体の膜がリザーバー708の内面を上方に、そしてリザーバー708のリップ710を超えるように押す。この分散物は、それが外側周縁エッジ707方向へ外方に伝播するとき、環状面706の温度によって溶融または部分的溶融状態に維持され得る。この分散物は、スピニングディスク105から回転により射出され、そしてそれがプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、マイクロカプセルとして凝結する。このように生成されたマイクロカプセルは、サンプル収集システム165を用いて収集され得る。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロカプセルがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.002vol.%〜約96vol.%の被覆を有する。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約50wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0050】
本発明の実施形態は、本明細書に記載される装置を利用するマイクロカプセル生成を包含する。本発明に従ってマイクロカプセルを生成するために採用されるマイクロスフェアは、上記に開示されるような本明細書に開示される装置を用いて生成され得るか、または別の適切なプロセスにより生成され得る。さらに、本発明に従ってカプセル化されるマイクロスフェアは、本明細書中で先に記載されたマイクロスフェアのような、生理学的に活性でない活性試薬、および/または生分解性ポリマーを含まないマトリックス材料を含み得る。さらなる実施形態では、マイクロカプセル生成が本発明に従って達成され得、それによって被覆材料は、生分解性ポリマーを含まない。適切な材料は、制限されないで、ワックス、脂質、油、ゴム、樹脂、セルロース、スターチ、生分解性でないポリマー、およびそれらの組み合わせを含む。
【0051】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すために提供される。当業者は、この実施例に開示される方法は、本発明の単に代表的な例示の実施形態に従うことを理解すべきである。しかし、当業者は、現在の開示を考慮して、多くの変更が記載される特定の実施形態でなされ得、そしてなお本発明の思想および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果を得ることを認識すべきである。
【0052】
(実施例1)
上記に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、60:40アセトン/塩化メチレン中の312gの8%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)50:50溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、9.7gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約120g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約48〜50℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。収率88%(30.6g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0053】
(比較例1)
上記の実施例1に比較され得る例では、ステンレス鋼プロセスチャンバー160が、プラスチックの熱伝導性のより少ない材料に代わって用いられた。そこでは、60:40アセトン/塩化メチレン中の250gの8%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)50:50溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、7.8gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約125g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、48〜50℃のステンレス鋼プロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。マイクロスフェアは、ステンレス鋼プロセスチャンバー160の側面上で凝集し、そして別個のマイクロスフェアは回収されなかった。
【0054】
(実施例2)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の200gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)90:10溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、6.7gの酢酸アネコルタブを添加した。得られる分散物を、約180g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約4,000〜5,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率90%(15.0g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0055】
(実施例3)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の200gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)90:10溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.5gのポリエチレングリコール(PEG400)および3.5gの酢酸アネコルタブを添加した。得られる分散物を、約200g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約4,000〜5,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率77%(10.8g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0056】
(実施例4)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の100gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.56gのイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−[3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ]−1−プロピル]シクロペンチル]−5−ヘプタノエートを添加した。得られる溶液を、約85g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率56%(3.09g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0057】
(実施例5)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の489gの4.5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)85:15溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.396gの5−フルオロウリジン(5−FUD)を添加した。得られる溶液を、約55g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率70%(15.55g)マイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0058】
(実施例6)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、90:10のアセトン/酢酸エチル中の100gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.56gのイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−[(1E,3R)−[3−ヒドロキシ−4−[(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)オキシ]−1−ブテニル]シクロペンチル]−5−ヘプタノエートを添加した。得られる溶液を、約71g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約46℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率68%(3.8g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0059】
(実施例7)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、42.7gのトリグリセリド(Abitec Corp.、Janesville、WIから入手可能なSterotex NF)を約90〜95℃の温度の供給ベッセル135中で溶融した。この溶融材料に、15.0gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約50〜60g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約7,500〜8,500rpmの速度で回転する、約76mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。スピニングディスク105を、約90〜100℃の温度で維持した。マイクロスフェアは、22〜28℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、熱溶融物の冷却により形成された。収率80%(46.5g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。このように形成されたマイクロスフェアの一部にオーバーコートが付与された。これは、60:40のアセトン/酢酸エチル中の100gのポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25の5%溶液を供給ベッセル中に調製し、そして次に、20.0gのマイクロスフェアを分散することによって達成された。得られる分散物を、約120g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3000〜4000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、約45〜50℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の除去により形成された。収率71%(17.9g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて回収された。
【0060】
上記に記載された実施例では、利用されたスピニングディスク105は、外側周縁エッジ707に近接する環状面706の下でディスク回転軸に実質的な平行である、実質的に平坦な面711、およびこの外側周縁エッジ707上に配置された歯712を含んだ。この幾何学的形状を有する面711を含めることは、下面可変性を有し、そしてそれ故、回転の間に減少したぐらつきを示すディスクの生成を容易にする。製作された従来ディスクは、水平および垂直変位を有し、これは、回転の間に測定可能な「ぐらつき」を生じたが、流体流速、流体密度、ティスク回転速度、および当業者に公知のその他の変数のようなパラメーターを最適化することにより、狭い粒子サイズ分布を提供するように「調整」し得た。しかし、従来ディスク操作はそのように最適化できたが、これらの最適処理条件は、極度に狭く、そしてこれら条件の範囲外の処理は、著しくより広いサイズ分布を生じた。比較して、実質的に平坦な面711を含めて従来ディスクを製作することは、垂直および水平変位を約5〜10μmまで減少し、そしてこのディスクは、操作の間の振動の顕著に減少したレベルを示した。実施された研究は、より低い振動レベルが、広い範囲の操作条件に亘り従来の「ぐらつく」ディスクと比較して減少した粒子サイズ変動性を生じたことを示す。
【0061】
実施されたさらなる研究は、本明細書に開示されるスピニングディスク105の設計を有するディスクで同じ現象が生じることを示した。実質的に平坦な面711を含めることなく、そして約38μmのディスク変動性を有して調製されたスピニングディスク105は、実質的に平坦な面711を備え、そして約7.6μmの面変動を有する類似のディスク105よりきびしい粒子サイズ分布を示した。しかし、上記従来ディスクについて観察された性能に類似して、種々の操作条件に亘る一般的変動性は、実質的に平坦な面711なくして製作された類似のディスク105についてより、実質的に平坦な面711を備えるスピニングディスク105についてより低かった。理論によって拘束されるべきではないが、ディスク振動のないことは、より良好な制御された粒子破壊がディスク表面上で起こることを可能にし、より狭い粒子サイズ分布を生じると考えられる。
【0062】
ディスク周縁における粒子形成は、一様に間隔を置かれた錐形先端または錐体の存在によって影響され得ることが知られる。例えば、Babu、S.R.「Analysis of Drop Formation at Conical Tips」、J.Colloid Interface Sci.、116[2]、350〜372(1987)を参照のこと。スピニングディスク105中にセレーションまたは歯712を含めることは、粒子サイズ分布を大いに狭くする。歯712ありおよびなしで、実質的に平坦な面711を備えるスピニングディスク105を用いて生成された微粒子の粒子サイズ分布を比較して行われた研究は、前者の粒子サイズ分布が後者よりかなり狭いことを示す。この結果は、必ずしも予期されないものではないが、驚くべきことは、「歯のある」スピニングディスク105で達成される粒子サイズ変動性における減少の大きさである。
【0063】
実質的に平坦な面711またはその等価物を含めた歯のないスピニングディスクの各々について、スピニングディスク105は、従来ディスクによって生成された粒子集団より広く平均で72%の粒子分布を生成した。歯のあるスピニングディスク105は、最も狭い粒子サイズ分布を生成し、これは、従来ディスクによって生成される粒子サイズ分布より小さく平均で58%であった。図9は、250μmの平均直径を有する粒子の仮定の集団を比較することにより説明される粒子サイズ分布曲線をグラフにより示す。図9でグラフ900によって示されるように、従来ディスクによって生成される粒子は、約75〜1000μmのサイズの範囲であり(曲線901)、歯のないスピニングディスク105によって生成される粒子は、約25〜2,500μmのサイズの範囲であり(曲線902)、そして歯のあるスピニングディスク105からの粒子は、約175〜500μmのサイズの範囲である(曲線903)。
【0064】
ディスク湿潤は、微粒子形成に影響する別の因子であり、そしてそれ故、微粒子形成に対するその影響を決定するための研究を実施した。スピニングディスク105は任意の適切な材料から製作され得るけれども、本明細書中に開示される微粒子生成例は、ステンレス鋼ディスクを用いて実施された。ステンレス鋼ディスク面は、高い自由エネルギーを有し、制限された湿潤状態に至ることが予期される。304ステンレス鋼から作製された従来のディスク面を、最初、石鹸水でそれを洗浄し、次いで、それを水の後でアセトンで洗浄し、そして最後に60℃で空気中でこのディスクを1時間乾燥することにより調整した。このディスクは、次いで、窒素下で貯蔵された。このベースラインに対して、ディスク面を、TergitolTM TMN−100界面活性剤(Dow Corporation、Midland、MIから入手可能)、メタノール、および水を含む種々の材料で処理した。接触角度測定は、このディスク表面への種々のプロセス溶液の付与に際してなされ、そして観察が、スピニングディスクの回転の間に流体がディスク表面を横切って流れた間に行われた。
【0065】
これらの研究は、反復可能な微粒子形成が、ディスク表面を横切る流体流れがその十分な湿潤化を達成するとき、より容易に達成されることを示す。これらの結果は、一般に、スピニングディスク上で霧状にされるべきプロセス溶液の液体表面張力が、きれいな乾燥ステンレス鋼ディスクの表面湿潤化を確実にするために約40ダイン/cmより小さいことが必要であることを示す。あるいは、ディスク表面自由エネルギーは、特定の吸着低エネルギー種によるか、またはディスクを、元来低い自由エネルギーの材料から製作することにより低減され得る。
【0066】
低減された粒子サイズ変動が本発明の1つの目的であるけれども、別の目的は、マイクロカプセル形成の間に生成される「純粋」な殻材料粒子(サテライトまたは偽薬粒子)の減少である。当業者は、オーバーコーティングプロセスで用いられるポリマー溶液の粘度を操作することにより、生成されるサテライト粒子の量を低減し得ることを知る。しかし、ポリマー溶液粘度を増加することは、特定の点で、マイクロスフェア凝集に至る(複数のマイクロスフェアをオーバーコートし、1つの大きなマイクロカプセルを形成する)。マイクロカプセルを生成するために本発明の装置を用いることにより、代表的には、より低いレベルの偽薬粒子が形成され、そしてより均一でより厚い被覆が付与され得る。実質的に平坦な面711を備える歯のあるスピニングディスク105を用いるマイクロカプセル形成は、従来ディスクを用いるプロセス(図12および13)と比較して、顕著に低減されたレベルのサテライト粒子を含むマイクロカプセルを生成し得る(図10および11)。偽薬粒子における減少は、マイクロカプセルの改善された収率に変えられる。さらに、上記で注記したように、より均一でより厚い被覆が、従来ディスクと比較して本発明の装置を用いて付与され得る(図11対図13)。
【0067】
本発明の別の利点は、低減された粒子凝集である。上記に記載のように、スピニングディスク105の設計は、狭い粒子分布を有する微粒子の生成を可能にするけれども、生成および回収された微粒子の凝集は、取り扱いにおいて問題を引き起こす。熱で制御され、そして/または低い熱伝導度の面のような上記に記載の設計特徴は、粒子凝集を減少する。
【0068】
本発明の装置は、通常の回分様式の微粒子の製造とは反対に連続的に操作され得る。以下は、3日の連続操作の例として与えられる。約400kgの塩化メチレン中の5%ポリカプロラクトンを供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、6.67kgの酢酸アネコルタブ(25%有効荷重)を添加し、そして得られる分散物を、約90g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、プラスチック(HDPE)プロセスチャンバー160の内側で、約42〜45℃の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。収率93%(24.8kg)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0069】
本発明のさらなる利点は、生成されたマイクロカプセルが、それによって改善された活性薬剤放出特性を示すことである。本発明の実施形態では、酢酸アネコルタブを活性薬剤として含むマイクロスフェアおよびマイクロカプセルが、本明細書中に開示される方法に従って調製された。生成された微粒子は、18〜25kGyの線量レベルでγ線照射に曝すことによって滅菌された。その活性薬剤放出速度を測定するために、約5.0mgの微粒子を、約50mLの5%ドデシル硫酸ナトリウム/リン酸(SDS/PBS)緩衝液溶液の溶液を含むガラス瓶中に秤量した。このサンプル瓶を次いで37℃の振盪水浴中に置いた。種々の時間間隔で、100μLのアリコートを分析のために取り出し、そして等容量の5%SDS/PBS溶液で置き換えた。
【0070】
図14でグラフによって示されるように、高い有効荷重(>20wt.%活性薬剤)のマイクロカプセル処方物は、ほぼ0次放出で、そしてマイクロスフェア処方物と比較して減少したバースト放出を提供する。図14では、グラフ1400は、本発明によって生成され、そして37℃で5%SDS/PBS中で維持された種々の微粒子から放出される活性薬剤酢酸アネコルタブの量を示す。曲線1401は、23.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロカプセル(グリセリドマトリックスを含むマイクロスフェアを覆うPLGA 75:25被覆)の放出プロフィールを示す。曲線1402は、23.5wt.%の活性薬剤を含むマイクロカプセル(グリセリドマトリックスを含むマイクロスフェアを覆うPLGA 75:25被覆)の放出プロフィールを示す。曲線1403は、PLGA 75:25/PEG(95:5)および23.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1404は、PLGA 75:25/PEG(95:5)および25.7wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1405は、PLGA 50:50/PEG(95:5)および25.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1406は、PLGA 50:50/PEG(95:5)および24.6wt.%の活性薬剤を含む非滅菌マイクロスフェアの放出プロフィールを示す。低い有効荷重を含むマイクロカプセルおよびマイクロスフェアは、0次放出を示し得るが、約15%を超える有効荷重で、特にカプセル化された薬剤が放出媒体中に高度に可溶性である場合に、マイクロスフェアおよびマイクロカプセルが、代表的には、大部分の活性薬剤を非常に迅速に(<1日)放出する。>20%活性薬剤負荷をもつ本発明のマイクロカプセルは、インビトロで迅速な初期放出を示さず、むしろ4週まで遅い0次放出を示す。(図14中の曲線1401&1402を参照のこと)。放出速度の制御は、迅速な初期放出が、活性薬剤を浪費し得るか、または受容者に毒性があり、より悪い場合、非常に重要な処方の要素である。
【0071】
本明細書で参照されるすべての特許および刊行物は、参考として本明細書中に先に援用されていない範囲まで、本出願における開示と不一致でない範囲までそれらの全体が参考として本明細書によって援用される。特定の上記に記載の構造、機能、および上記に記載の実施形態の操作は、本発明を実施するためには必ずしも必要ではなく、そして例示の実施形態または複数の実施形態の完全さのために単に説明中に含められることか理解される。さらに、上記に記載され参照される特許および刊行物中に提示される特定の構造、機能、および操作が本発明と組み合わせて実施され得るが、それらはその実施に必須ではないことが理解される。それ故、本発明が、添付の請求項によって規定されるような本発明の思想および範囲から実際に逸脱することなく詳細に記載されるのと他用で実施され得ることが理解されるべきである。
【0072】
従って、請求項は、本発明の真の範囲内に入る任意のこのような改変または実施形態を包含することが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明、およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面と組み合わせて考慮し、上記の説明への参照がここでなされる。
【図1】図1は、本発明の実施形態によるスピニングディスク装置を概略的に示す。
【図2】図2は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図3】図3は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図4】図4A、4Bおよび4Cは、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図5】図5は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図6】図6は、先行技術による従来のスピニングディスクを概略的に示す。
【図7】図7は、本発明の実施形態によるスピニングディスクの側面図を概略的に示す。
【図8】図8は、図7に描写されるスピニングディスクの1つの実施形態の平面図を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明のスピニングディスクおよび従来のスピニングディスクで生成された微粒子の推定の集団を比較することにより生成された粒子サイズ分布曲線を示す。
【図10】図10は、本発明の1つの実施形態によって生成されたまマイクロカプセルの拡大画像であり、ここで、低減された数の偽薬粒子が形成されていることを示す。
【図11】図11は、本発明の1つの実施形態によって生成されたマイクロカプセルの拡大画像であり、ここで、このマイクロカプセルは改善された被覆均一性を表すことを示す。
【図12】図12は、従来のスピニングディスクを用いて生成されたマイクロカプセルの拡大画像を示す。
【図13】図13は、従来のスピニングディスクを用いて生成されたマイクロカプセルの別の拡大画像を示す。
【図14】図14は、本発明によって生成される種々の微粒子からの経時的に放出される活性薬剤の量を描写するグラフを示す。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、すべてが2005年9月7日に出願された米国特許出願番号第11/221,337号;同第11/220,430号;同第11/220,431号;同第11/220,807号;および同第11/220,445号への優先権を主張している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、薬学的に(すなわち、薬理学的に)活性な薬剤の持続放出に関する。詳細には、本発明は、薬学的に活性な薬剤、特に眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロカプセルおよびマイクロスフェアを作製するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
薬理学的に活性な薬剤は、経口的もしくは静脈内のように全身的に、または局所もしくは皮下のように局所的に投与され得る。いずれの場合にも、直ちに代謝され得る用量よりは多くないこれら薬剤の用量を標的位置に送達することがしばしば所望される。なぜなら、その過剰の用量は、使用不能および/または有害であり得るからである。これは、伝統的に、薬剤の規則的な時間間隔での投与を必要とし、これは、面倒であり、そして/または実施不能であり、そしてまた投与における誤りに至り得る。
【0004】
代替として、薬理学的に活性な薬剤の送達システムが開発され、それによって、活性薬剤は、(好ましくは、一貫した持続放出量で)所定の期間に亘って投与される。詳細には、局所的に投与される薬剤について、持続放出は、活性薬剤および1つ以上の薬理学的に不活性な材料を含む微粒子を利用することにより達成されている。微粒子は、「マイクロスフェア」および「マイクロカプセル」に分けられ得、これらは互いとは異なる。マイクロスフェアは、通常、薬物分子がポリマーマトリックス全体に分散される一体形タイプの処方物をいう。その一方、マイクロカプセルは、薬物コアが連続的ポリマー層またはシェルによって取り囲まれるリザーバーデバイスをいう。マイクロカプセルの薬物コアは、薬物自体または薬物を含むマイクロスフェアを含み得る。
【0005】
これら微粒子は、所望の位置に送達され、そして活性薬剤は、延長された期間に亘ってそれから放出される。眼の適用には、これら微粒子は、例えば、設計されたカニューレを用いて後部セグメントへの注入によるか、またはそうでなければ、インプラントとして挿入され送達され得る。
【0006】
マイクロスフェアからの活性薬剤の放出は、ポリマーマトリックスの融解、溶媒和、および/または生分解を含み得る。マイクロカプセルの場合には、活性薬剤は、標的位置に到達するためにシェルを貫通しなければならない。これは、シェルの機械的破壊、融解、溶解、アブレーションおよび/または生分解、および/またはシェルを通る活性薬剤の拡散によって達成され得る。
【0007】
特に、薬学的に活性な薬剤とマトリックスを形成し、そして/またはそれらをカプセル化するポリマーのような生分解性材料が、持続送達システムとして採用され得る。生分解性により、これら材料が、身体中の生理学的条件下で、分解産物が身体によって排出可能であるか、または吸収可能であるように、分解または破壊されることを意味する。生分解性ポリマーの使用は、活性薬剤の放出を制御するためにポリマーの生分解性を利用することにより持続放出を提供し得、それによって送達のより一貫した持続レベルを提供する。
【0008】
先行技術は、微粒子を生成するいくつかの方法を開示し、溶媒抽出、低温キャスティング、コアセルベーション、熱溶融、界面架橋、界面重合、噴霧乾燥、超臨界流体膨張、超臨界流体抗溶媒結晶化、および溶媒蒸発によるものを含む。溶媒抽出は、水不溶性ポリマーを溶解するための有機溶媒の使用を含む。可溶性または分散形態にある薬物がこのポリマー溶液に添加され、そしてこの混合物は、次いで界面活性薬剤を含む水相中で乳化される。有機溶媒は、水相中に拡散し、固形ポリマーマイクロスフェアの沈殿を容易にする。この技術の例は、Ticeらに発行された特許文献1に見出され得る。
【0009】
低温キャスティングとして知られるプロセスは、微粒子を生成するために利用されている。Gombotzらに発行された特許文献2に記載されるこのプロセスでは、ポリマーは、活性薬剤とともに溶媒中に溶解され、活性薬剤は、微粒子の形態で、この溶媒中に溶解されるか、またはこの溶媒中に分散されるかのいずれかであり得る。このポリマー/活性薬剤混合物は、液体非溶媒を含むベッセル中に霧状にされ、そしてポリマー/活性薬剤溶液の凍結点未満の温度で、液化ガスで重層される。冷液化ガスまたは液体がポリマー液滴を直ちに凍結する。この液滴およびポリマーのための非溶媒が暖められると、液滴中の溶媒が解け、そして非溶媒中に抽出され、固化マイクロスフェアを生じる。
【0010】
コアセルベーションは、疎水性ポリマーの均一ポリマー溶液からのポリマーリッチな第2の液体相の小液滴への塩析または相分離に基づく。水性ポリマー溶液が、強い親水性物質または水混和性非溶媒を添加することにより部分的に脱水和または脱溶媒和されるとき、水溶性ポリマーが水中に濃縮され、ポリマーリッチ相を形成する。これは、「単純」コアセルベーションとして知られる。水不溶性薬物粒子が懸濁物またはエマルジョンとして存在する場合、ポリマーリッチ相は薬物粒子表面上に形成され、適切な条件下でカプセルを形成する。「複合」コアセルベーションでは、ポリマーリッチ複合体(コアセルベート)相は、反対の電気荷電の2つの分散された親水性ポリマー(コロイド)間の相互作用によって誘導される。このプロセスは、Greenらに発行された特許文献3を含む多くの特許に記載されている。
【0011】
熱溶融または凝結プロセスは、活性薬剤が、高温で溶融されるポリマーと混合されて説明されている。この混合物は、次いで、遠心分離噴霧器に移され、そして形成された液滴が冷却され、そして収集される。このプロセスは、Koffらに発行された特許文献4に記載されている。あるいは、Mathiowitzらに発行された特許文献5に記載されるように、活性薬剤は、溶融されたポリマーと混合され、そして溶融混合物は、非混和性溶媒中に懸濁され、ポリマーの融点以上に加熱され、そして連続的に撹拌される。一旦、エマルジョンが安定化されると、それは、コア材料が固化されるまで冷却される。
【0012】
界面架橋は、ポリマーがイオンまたは多官能分子によって架橋され得る官能基を所有する場合に採用され得る。Vassiliadesらに発行された特許文献6に記載されるように、例えば、界面架橋によって微粒子を生成することは、油可溶性の多官能性架橋剤を含む水非混和性の油状材料と、ポリマー乳化剤の水溶液とを混合することを含む。水中油型エマルジョンは、乳化剤を含む水性連続相中の微細なエマジョン液滴の形態で分散される多官能性架橋剤を含んで形成され、そして固形のカプセル壁が、多官能性架橋剤による乳化剤の架橋によって形成される。
【0013】
界面重合は、メンブレンを形成するために2つの非混和性物質の界面で重合され得るモノマーを必要とする。Baatzらに発行された特許文献7は、多官能性化合物がコア材料中、または不活性溶媒もしくは溶媒混合物中に溶解され、次いで、コア材料と混合されるカプセル化のためのプロセスを開示する。この均一混合物は、次いで、この多官能性化合物の重合を触媒する材料を含む、それと混和しない液体相、例えば、水中に導入される。
【0014】
別の公知の微粒子プロセスは噴霧乾燥であり、そこでは、粒子のバルクを形成することが意図されるポリマーのような固体形成材料が、適切な溶媒中に溶解され、溶液を形成する。あるいは、材料は、非溶媒中に懸濁され得るか、または乳化され得、懸濁物またはエマルジョンを形成する。活性薬剤が次いで添加され、そしてこの溶液は霧状にされ、そして液滴の微細ミストを形成する。この液滴は、次いで、乾燥チャンバーに入り、そこで、それらは乾燥ガスと接触する。溶媒は、液滴から乾燥ガス中に蒸発され液滴を固化し、それによって粒子を形成する。これら粒子は、次いで、乾燥ガスから分離され、そして収集される。このプロセスは、Chickering、IIIらに発行された特許文献8、およびその中に開示される参考文献に記載される。
【0015】
超臨界流体膨張を用いる微粒子形成は、高められた温度で超臨界流体溶液中に固形材料を急速溶解すること、そして次に比較的低圧の領域にこの溶液を急速に膨張することを含む。これは、収集チャンバー中に放出される分子スプレーを生成する。溶媒は蒸発され、そしてポンプで除去され、そして粒子が集められる。このプロセスの例は、Smithらに発行された特許文献9に記載されている。
【0016】
Bisratらに発行された特許文献10に記載されるような、超臨界抗溶媒結晶化は、活性薬剤、および必要に応じて1つ以上のキャリヤ材料を、第1の溶媒中に溶解すること、この溶液および超臨界または準臨界流体を装置中に導入することを含み、ここで、この流体は、(二酸化炭素のような)抗溶媒および第2の溶媒を含む。形成された本質的に結晶である粒子は、溶媒和形態にある活性薬剤を含む。これら粒子は、超臨界または準臨界状態にある乾燥抗溶媒を用いてさらに乾燥され得る。
【特許文献1】米国特許第4,389,330号明細書
【特許文献2】米国特許第5,019,400号明細書
【特許文献3】米国特許第2,800,457号明細書
【特許文献4】米国特許第3,080,293号明細書
【特許文献5】米国特許第4,898,734号明細書
【特許文献6】米国特許第4,138,362号明細書
【特許文献7】米国特許第4,119,565号明細書
【特許文献8】米国特許第6,308,434号明細書
【特許文献9】米国特許第4,734,451号明細書
【特許文献10】米国特許第6,461,642号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
1つの広く利用されるプロセスは、活性薬剤を含む微粒子を形成するために溶媒蒸発を採用する。溶媒蒸発プロセスでは、活性薬剤およびマトリックス材料は、最終的には温度を上げること、および/または圧力を下げることにより除去される揮発性有機溶媒中に溶解される。溶媒蒸発により微粒子を形成するために最も広く利用される装置は、しばしばスピニングディスクと称される回転するデバイスを取り込む。このスピニングディスクプロセスは、基は、1962年1月2日にG.R.Somerville、Jr.に発行された米国特許第3,015,128号に記載されており、その開示は、このスピニングディスクに関係があるその開示は、本出願の開示と不一致でない程度までその全体が参考として本明細書によって援用される。
【0018】
このスピニングディスク技術の出現以来、この方法および装置の多くの改変が導入されている;しかし、それに付随する種々の問題は解消されていない。例えば、広い粒子サイズ分布がしばしば得られる。重要なことに、この粒子サイズ分布が狭いほど、活性薬剤の用量がより算出可能であり、そして繰り返し可能である。さらに、「純粋な」被覆材料粒子(偽薬粒子)が生成される。これは、偽薬粒子が投与される場合に用量希釈を、または偽薬粒子が活性試薬含有微粒子から分離されなければならない場合にさらなる製造コストを生じる。さらに、微粒子の凝集が生じ、これはさらに、粒子サイズ分布に影響する。必要なのは、狭い粒子サイズ分布、低減された偽薬形成、低減された粒子の凝集、および改善された産物収率を有する微粒子を生成するための装置および方法である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の要旨)
これらの所望の性質を有する微粒子を生成するスピニングディスク装置が提供され、ここで、この装置は、実質的に平坦な傾斜を備える実質的に円滑な環状ディスク面を備える実質的に円形のスピニングディスクを含み、ここで、その外側周縁エッジが第1の直径を規定し、そしてその内側周縁エッジが第2の直径を規定し、そしてここで、この内側周縁エッジによって外接される領域が、上記環状ディスク面の内側周縁エッジによって規定もされるその頂部部分を備えるリザーバーを含み、そしてここで、このリザーバーは、このリザーバーの底と、このリザーバーの頂部部分との間に位置する第3の直径によって部分的に規定され、ここで、この第3の直径が該第2の直径より大きい。このスピニングディスク装置は、上記環状ディクス面の下で、かつその外側周縁エッジに近接する実質的に平坦な面を備え得、ここで、この実質的に平坦な面は、上記スピニングディスクの回転軸に実質的に平行である平面中にある。さらに、上記環状ディスク面の外側周縁エッジは、セレーションを備え得る。
【0020】
上記に記載のスピニングディスク装置を利用して微粒子を生成する方法が提供される。その実施形態では、マイクロスフェアは、活性薬剤をマトリックス材料と合わせ、上記スピニングディスク装置のリザーバーに導入される組成物を形成する工程、およびこの装置を作動し、活性薬剤およびマトリックス材料を含むマイクロスフェアを生成する工程によって生成される。その別の実施形態では、マイクロカプセルを生成する方法がまた、提供され、ここで、マイクロスフェアは、被覆材料と合わせられ、そしてスピニングディスク装置のリザーバーに導入され、そしてその作動が、被覆材料で被覆されたマイクロスフェアを含むマイクロカプセルを生成する。上記活性薬剤は、薬理学的に活性な薬剤およびマトリックスを含み得、そして被覆材料は、生分解性ポリマーを含み得る。
【0021】
生分解性ポリマーおよび眼科学的に活性な薬剤を含む微粒子を含む処方物がまた提供される。この眼科学的に活性な薬剤は、酢酸アネコルタブ;そのアルコール形態、その誘導体、およびその組み合わせを含み得る。実施形態では、上記処方物は、眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアを含む。別の実施形態では、上記処方物は、眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロカプセルを含む。
【0022】
生存生物に導入されるとき、薬理学的に活性な薬剤を実質的に0次速度で放出するマイクロカプセルを含む処方物が提供される。このマイクロカプセルは、生分解性ポリマーを含み、そして約15wt.%より多い薬理学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェア、およびポリマー被覆材料を含む。1つの局面では、実質的に0次速度での上記薬理学的に活性な薬剤の放出は、少なくとも約4週の期間に亘って続く。
【0023】
上記に記載の方法によって調製されるマイクロカプセルが提供され、ここで、これらマイクロカプセルは、生存生物に導入されるとき、薬理学的に活性な薬剤を、実質的に0次速度で放出する。これらのマイクロカプセルは、生分解性ポリマーおよび薬理学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアコア上に生分解性ポリマーを含む。このマイクロスフェアは、約15wt.%より多い上記薬理学的に活性な薬剤を含む。1つの局面では、実質的に0次速度でのこの薬理学的に活性な薬剤の放出は、少なくとも約4週の期間に亘って続く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(詳細な説明)
図1は、本発明の実施形態によるスピニングディスク装置100を描写する。スピニングディスク装置100は、攪拌モーター115に接続ロッド120によって連結されるスピニングディスク105を含む。スピニングディスク105は、代表的には、実質的に円形で、そして約10mmと約300mmとの間の直径を有し得る。以下により詳細に記載されるように、スピニングディスク105は、種々の表面特徴を有し得、そして種々の幾何学的形状を有し得る。攪拌モーター115は、スピニングディスク装置100内でモーター取り付けフレーム125によって支持される。水力、空気力または電気的に駆動され得る攪拌モーター115は、接続ロッド120を経由してスピニングディスク105を回転するよう適合されている。攪拌モーター115は、約60rpm〜約25,000rpmのような種々の速度でスピニングディスク105を回転するよう適合された制御シテスム(図示せず)を含む。
【0025】
スピニングディスク装置100はまた、1つ以上の供給ベッセル135、1つ以上の流体ポンプ140、および流体送達システム145を含むサンプル送達システム130を含む。流体送達システム145は、代表的には、ディスク装置100内で処理されるべき材料がスピニングディスク105上に導入するのに通るチューブを備える。流体ポンプ140は、代表的には、供給ベッセル135からスピニングディスク105に流体を、約0〜約750g/分の流速で流体送達システム145を経由して送達するよう適合されている。供給ベッセル135は、供給ベッセル135中に導入された材料の混合を容易にするよう適合された1つ以上の(攪拌器のような)攪拌手段150を含み、そして、必要に応じて、その中に含まれる材料の温度を制御するよう適合された温度制御システム(図示せず)を含み得る。
【0026】
スピニングディスク105に近接して加熱ユニット155があり、これは、示されるようにスピニングディスク105に接触するか、もしくはそれと一体であり得るか、またはそれに代わって、それに対し、緊密に接触せずにその近傍に配置される。適切な加熱ユニット155は、制限されないで、キャパシタンスヒーター、インピーダンスヒーター、液体循環ヒーター、熱空気ガンなどを含む。
【0027】
スピニングディスク装置100は、スピニングディスク105を取り囲むスペースを密封してシールし、そしてプロセスチャンバー160内の環境を、制御された雰囲気下に維持するよう適合されたガス供給源(図示せず)に作動可能に接続されている。プロセスチャンバー160は、必要に応じてプロセスチャンバー160内の圧力を制御するよう適合された減圧供給源(図示せず)を含み得る。プロセスチャバー160内で維持されるガスの環境は、ガス供給手段(図示せず)によってプロセスチャバー160に供給される空気または特定の不活性ガスまたは複数のガスを含み得る。プロセスチャバー160は、制限されずに、ジャケット付のステンレス鋼のような材料を含む熱的に制御可能な内面を備え得る。それに代わって、またはそれに加え、プロセスチャバー160は、制限されずにプラスチックのような、低い熱伝導度を有する内面を含み得る。1つの実施形態では、利用されるプラスチックは、高密度ポリエチレン(HDPE)であるが、本発明は、この材料に制限されず、そしてその他の類似の適切な材料が採用され得る。
【0028】
プロセスチャバー160は、上記に記載の材料を備える内面を含む円錐底タンクを含み得る。スピニングディスク装置100は、さらに、プロセスチャバー160に作動可能に接続されるサンプル収集システム165を含み得る。適切なサンプル収集システム165は、制限されずにサイクロンセパレーターを含む。サンプル収集システム165に作動可能に接続される排出システム170が存在し得、これは、1つ以上のフィルーター175、1つ以上のブロワー180、1つ以上の空気流れ制御バルブ185、および1つ以上のベント190を含み得る。サンプル収集システム165を備えるサイクロンセパレーターはまた、制限されずに、ジャケット付のステンレス鋼のような熱的に制御可能な内面、および/または制限されずにプラスチックのような低い熱伝導度を有する面を備え得る。1つの実施形態では、利用されるプラスチックは、高密度ポリエチレン(HDPE)であるが、本発明は、この材料に制限されず、そしてその他の類似の適切な材料が採用され得る。
【0029】
さらに、以下により詳細に記載されるように、サンプル収集システム165は、連続的に稼動され得る。その中で生成される微粒子と接触するスピニングディスク装置100の面は、制限されないで、プロセスチャバー160の面を含み、そしてサンプル収集システム165は、粒子凝集を低減するために温度制御デバイス(図示せず)によって熱的に制御され得る。
【0030】
図2〜6は、先行技術の技術工学によるスピニングディスクを描写する。図2は、(Somerville、Jr.に発行された)米国特許第3,015,128号に開示されるような実質的に平坦なスピニングディスクを示し、これによって、微粒子が、その中心に近接するスピニングディスク215の面223上にライン221を通って材料を導入することにより生成される。スピニングディスク215は、それに作動可能に連結されたモーター(図示せず)を用いて駆動シャフト217によって回転され、それによって、スピニングディスク215の面223上に導入された材料を、スピニングディスク215の周縁エッジ224に向かって面223に沿って放射状に外方へ押し、そこで、これら材料は、ランダムな点から外方に運ばれ、そしてそれによって、別個の粒子228に分離される。
【0031】
図3は、(Leeに発行された)米国特許第4,256,677号に開示されるような、その周縁の周りに歯を含む先行技術のスピニングディスクを示す。その中に描写されるように、材料は、出口317を通って、その周縁の周りに歯320を含む回転ディスク321の面上に供給される。出口317は、それによって導入される材料がその周縁近傍に歯のあるディスク321と接触するように配置される。歯のあるディスク321は、出口317を経由する材料の導入に対して凸状であり、そして歯のあるディスク321の周縁エッジに近接して配置された加熱要素324を用いて加熱される。先に記載されたような従来のスピニングディスク方法を用い、微粒子がそれによって生成される。
【0032】
図4A〜4Cは、(Sparksらに発行された)米国特許第4,675,140号に開示されるような、凹状の幾何学的形状を有する先行技術のスピニングディスクを描写する。図4Aは、角度をなすスピニングディスク490を示し、その上に、溶融または溶解された被覆材料421およびコア材料427が導入され、これらは、固形粒子または液体液滴を含み得る。先に記載されるような従来のスピニングディスク方法を用い、液体被覆層427aをもつコア粒子427、および過剰の不使用被覆材料421の液滴421aを含む微粒子が、それによって生成される。図4Bは、放物線スピニングディスク492を示し、そして図4Cは、S字形スピニングディスク494を示し、これらは、上記に記載のように微粒子を形成する。
【0033】
図5は、(Dorianらに発行された)米国特許第5,643,594号に開示されるような、カップ形状回転部材を有する先行技術のスピニング装置を示す。その中に開示されるように、カップ512は、導管またはチューブ519を経由して、被覆ポリマーの溶液中の粒子の懸濁物の供給混合物518を受容する。このカップ512は混合チャンバー520を含み、これは、上方にそれる円錐形状の側壁522に延び、そしてこれは、上部リムまたはエッジ525に終結する。このカップ512は、先に記載のような従来のスピニングディスク方法を採用することにより、ほぼ水平の軌道に沿って、ビーズ514を放射状に外方へ射出するよう設計されている。
【0034】
図6は、Johnson、D.E.ら、「A New Method for Coating Glass Beads for Use In Gas Chromatography of Chloropromazine and Its Metabolites」、J.Gas Chrom.、3、345〜47(1965)に記載されるような従来の先行技術スピニング装置(「従来ディスク」)を示し、このスピニングディスクに関係しているその開示は、本出願中の開示と不一致でない程度までその全体が参考として本明細書によって援用される。その中に描写される従来ディスクは、ディスク面がその中心から周縁までS字状に湾曲する凹面状の幾何学的形状を含む。以下に論議されるように、本発明の特徴および利点を一般に開示する目的のために、上記で引用された参考文献に記載される従来ディスクは、比較のための標準を構成する。
【0035】
図7は、本発明の1つの実施形態を包含するスピニングディスクを描写する。スピニングディスク105は、実質的に平滑な環状面706を含み、本明細書でその上がスピニングディスク105の頂部面として規定される。スピニングディスク105は、外側周縁エッジ707を備える。スピニングディスク105はまた、スピニングディスク105の内側周縁エッジ709によって部分的に規定され、そしてその中心に配置されるリザーバー708を含む。リザーバー708は、約5mmと約20mmとの間であり得る垂直移動量H1を有する。直径D3は、リザーバー708の最大幅を規定し、その一方、直径D2は、リザーバー708の最小幅を規定する。直径D3は、約1mm〜約20mmの範囲にあり得る。直径D2は、約1mm〜約20mmの範囲にあり得る。この直径D2は、直径D3が配置されるよりもリザーバー708の開放端部により近く配置される。すなわち、リザーバー708は、少なくとも、開口部より下の特定断面積より狭い開口部を有する。この幾何学的形状は、リザーバー708の頂部にリップ710を生成する。
【0036】
環状面706は、約10mmと約300mmとの間であり得る直径D1を有する。環状面706は、約2゜〜約85゜、好ましくは約5゜〜約45゜、そしてより好ましくは約15゜〜約30゜の範囲であり得る固定された角度αを規定する平坦な傾斜を備える。スピニングディスク105のさらなるオプションの特徴は、外側周縁エッジ707に近接する環状面706の下でディスク回転軸に実質的に平行である、実質的に平坦な面711である。この実質的に平坦な面711は、長さが約1mm〜約10mmの範囲であり得る。この幾何学的形状を有する面711を含めることは、ディスク機械加工プロセスの間に再定着し、およびふるえ(chatter)を有意に低減することを補助する第2の関連面を提供することによって、より正確に機械加工するディスク105を支援する。
【0037】
スピニングディスク105は、金属または合成材料のような、その仕様に合致するよう製作され得る任意の適切な材料から構成され得る。特定の実施形態では、スピニングディスク105は、304または316ステンレス鋼から製作されたが、本発明は、これら材料を含むディスクに制限されない。環状面706およびリザーバー708の面は、鏡仕上げに研磨および磨き上げられ得るが、当業者は、スピニングディスクの面特徴がその性能に影響し、そして所望の結果を達成するために最適化され得ることを理解する。
【0038】
図8に示されるように、スピニングディスク105は、必要に応じて、外側周縁エッジ707を備えるセレーション(「歯」)712を含み得る。歯712は、約145゜〜約10゜、好ましくは約105゜〜約15゜、そしてより好ましくは約65゜〜約20゜の範囲の範囲であり得る角度βを規定し得る。しかし、当業者は、この角度βがスピニングディスクの性能に影響し得、そして所望の結果を達成するために最適化し得ることを理解し得る。歯712は、約0μmと約5,000μmとの間の水平移動量D4を規定し得る。
【0039】
図1、7および8に記載される装置は、本発明の実施形態に従って微粒子を生成するために採用され得る。1つの局面では、この装置は、マイクロスフェアを生成するために利用される。実施形態では、これらマイクロスフェアは、生分解性ポリマーを含む溶液中に薬理学的に活性な薬剤を分散することにより生成される。図1を再び参照して、この溶液は、生分解性ポリマーおよび溶媒を供給ベッセル135に導入することにより調製される。適切な生分解性ポリマーは、制限されないで、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、(Sterotex KおよびSterotex NFのような)トリグリセリド類、ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組み合わせを含む。適切な溶媒は、この生分解性ポリマーが溶解する任意の材料を含む。このような溶媒は、制限されないで、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、およびそれらの組み合わせを含む。揮発性のより少ない溶媒が本発明に従って用いられ得るが、より低い沸点の溶媒が採用され得ることが本発明の特定の特徴である。
【0040】
薬理学的に活性な薬剤は、供給ベッセル135中へのその導入による結果として上記生分解性ポリマー溶液中に分散される。本発明を有意利用するために用いられ得る適切な薬理学的に活性な薬剤は、制限されないで、眼科学的に活性な薬剤、血管形成インヒビター、抗炎症剤(ステロイド系および非ステロイド系)、チロシンキナーゼインヒビター、抗感染剤(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤、および抗真菌剤)、抗アレルギー剤(例えば、抗ヒスタミン剤および肥満細胞安定化剤)、シクロオキシゲナーゼインヒビター(例えば、CoxIおよびCoxIIインヒビター)、鬱血除去剤、抗緑内障剤(例えば、アドレナリン作用薬、β−アドレナリン作用遮断薬、α−アドレナリン作用アゴニスト、副交感神経作用薬、コリンエステラーゼインヒビター、炭酸脱水酵素インヒビター、およびプロスタグランジンアナログ)、ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター、γ−アミノ酪酸およびそれらの誘導体(GabapentinおよびPregabalinを含む)、抗酸化剤、栄養補助剤、類嚢胞黄斑浮腫の処置のための薬剤(例えば、非ステロイド抗炎症剤)、加齢黄斑変性症(ARMD)の処置のための薬剤(例えば、血管形成インヒビターおよび栄養補助剤)、ヘルペス感染およびサイトメガロウイルス(CMV)眼感染の処置のための薬剤、増殖性硝子体網膜症(例えば、代謝拮抗剤および線維素溶解剤)、創傷調節剤(例えば、成長因子)、代謝拮抗剤、神経保護薬物(例えば、エリプロジル)、眼の後部セグメントの疾患または状態(例えば、ARMD、脈絡膜新血管形成(CNV)、網膜症、網膜炎、ブドウ膜炎、黄斑浮腫、および緑内障)の処置のための抗血管新生ステロイド、およびそれらの組み合わせを含む。本発明での使用に適切な1つの薬理学的に活性な薬剤は、眼科学的に活性な薬剤、酢酸アネコルタブ(4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン−21−アセテート)であり、これはまたそのアルコール形態(4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン)、またはその他のプロドラッグ誘導体形態で利用され得る。
【0041】
一旦、薬理学的に活性な薬剤、生分解性ポリマー、および溶媒を含む分散物または溶液が調製されると、この分散物は、流体ポンプ140および流体送達システム145を用いて回転するスピニングディスク105の上面に移される。この分散物は、スピニングディスク105上にその任意の部分(環状面706を含む)に導入され得るけれども、この分散物がリザーバー708中に導入され得ることが本発明の特徴である。マイクロスフェア製造の前および製造の全体で、プロセスチャンバー160は、この分散物から溶媒の制御された蒸発を行う条件に維持される。これは、(加熱ユニット155を用いて)環状面706およびリザーバー708の温度、ならびに(図示されてはいない減圧供給源を用いて)プロセスチャンバー160の温度および/または圧力を、溶媒の蒸発速度がマイクロスフェアの生成を増加するように制御することにより達成される。当業者は、溶媒蒸発(そしてこれ故、マイクロスフェア生成)における温度および圧力の影響を認識し、そして条件が所望の材料を生成するように最適化され得ることを理解する。
【0042】
分散物または溶液のリザーバー708中への導入に際し、回転するスピニングディスク105からこの分散物に移される遠心力は、この分散物を、リザーバー708の内面を上方に液体の膜として押す。この液体の膜がスピニングディスク105の環状面706の平坦な角度をなす部分上に外側周縁エッジ707に向かって外方に進行する前に、それは、リザーバー708のリップ710を横切らなければならない。このリップ710がリザーバー708と、外側周縁エッジ707に延びる環状面706の平坦な角度をなす部分との間に配置されることが本発明の特徴である。一旦、液体の膜がリップ710を超えて進行したなら、分散物は、溶媒がそれから蒸発により除去されるにつれてより粘性になる。スピニングディスク105の回転速度が、当業者によって、分散物の組成およびプロセスチャンバー160の環境条件を予期して、所望のマイクロスフェア生成を達成するために最適化され得ることが理解される。
【0043】
分散物または溶液中の材料は、外側周縁エッジ707を超えて回転により押され、およびスピニングディスク105のエッジから制御可能に射出されることによって霧状にされ得る。霧状にされた材料がプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、その固化が、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアの形成を生じる。このように生成されたマイクロスフェアは、サンプル収集システム165を用いて収集される。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロスフェアがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロスフェアは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約55wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0044】
本発明の別の実施形態では、マイクロスフェアは、本発明の装置を採用する((Koffに発行された)米国特許第3,080,293号に一般に開示されるような)熱溶融プロセスを用いて生成される。この実施形態では、生分解性ポリマーは供給ベッセル135に導入され、そしてその中で溶融または部分的に溶融される。一旦、生分解性ポリマーが、所望の溶融または部分的に溶融された状態で存在すると、上記の薬理学的に活性な薬剤がそれに導入される。先に記載のように、この分散物は、次いで、流体送達システム145を経由して回転するスピニングディスク105のリザーバー708に導入され得る。遠心力がこの分散物を、液体の膜がリザーバー708の内面を上方に、そしてリザーバー708のリップ710を超えて押す。この分散物は、それが外側周縁エッジ707方向へ外方に伝播するとき、環状面706の温度によって溶融または部分的溶融状態に維持され得る。この分散物は、スピニングディスク105から回転により射出され、そしてそれがプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、マイクロスフェアとして凝結する。このように生成されたマイクロスフェアは、サンプル収集システム165を用いて収集され得る。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロスフェアがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロスフェアは、約0.0001wt.%〜約75wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約45wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0045】
本発明のさらなる実施形態では、マイクロスフェアは、薬理学的に活性な薬剤以外のコア材料を含んで生成され得る。従って、本発明の装置は、持続放出材料がインビボで薬理学的または病態的な応答を引き起こさない、生存生物中への導入のために適切なマイクロスフェアを生成するために採用され得る。このような材料は、制限されないで、色素、放射活性化合物、イメージング剤(imaging agent)、量子ドット、造影剤剤、およびそれらの組み合わせを含む。さらに、本発明に従って生成されるマイクロスフェアは、エクスビボで生理学的活性でないように設計される。例は、制限されないで、紫外線ブロックまたは吸収化合物、脱臭剤または制汗剤、緩和剤、化粧品およびそれらの組み合わせを含む。さらに、本発明に従って生成されるマイクロスフェアは、生分解性ポリマー以外のマトリックス材料を含み得る。適切な材料は、制限されないで、ワックス、脂質、オイル、ゴム、樹脂、セルロース、スターチ、非生分解性ポリマーおよびそれらの組み合わせを含む。
【0046】
本発明の別の局面では、被覆されたマイクロスフェアを含むマイクロカプセルが生成され得る。マイクロカプセルの形成は、本発明の装置を利用してマイクロスフェアにオーバーコートを付与することを含む。実施形態では、本発明によるマイクロカプセル生成は、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーマトリックスを含むマイクロスフェアに生分解性オーバーコートを付与することを含む。この実施形態では、被覆材料および溶媒を含む溶液が、供給ベッセル135中に調製され得る。適切な溶媒は、被覆材料は溶解するが、マイクロスフェアは実質的に不溶である任意の材料を含む。このような溶媒は、制限されないで、メタノール、エタノール、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、およびそれらの組み合わせを含む。より揮発性でない溶媒が本発明に従って用いられ得るが、より低い沸点の溶媒が採用され得ることが本発明の特徴である。マイクロカプセル形成のために利用される溶媒は、マイクロスフェアマトリックスから活性薬剤の有意な量を抽出し得ない溶媒であることがまた本発明の特徴である。適切な被覆材料は、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸−グリコール酸(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、(Sterotex KおよびSterotex NFのような)トリグリセリド類、ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組み合わせを含む。
【0047】
薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアは、被覆材料溶液中に分散され得る。従って形成された分散物は、流体送達システム145を経由してスピニングディスク105のリザーバー708中に、マイクロスフェア生成を参照して先に記載されたように導入され得る。上記に記載のように、回転するスピニングディスク105から分散物に移される遠心力は、この分散物をリザーバー708の内面の上方にリップ710を超える液体の膜として押し得る。上記に記載のように、一旦、液体の膜がリップ710を超えて伝播したなら、この分散物は、溶媒が蒸発によりそれから除去されるときより粘性になる。スピニングディスク105の回転速度は、分散物の組成およびプロセスチャンバー160の環境状態を予期して所望のマイクロカプセル生成を達成するために最適化され得ることは当業者によって理解され得る。
【0048】
分散物中の材料は、外側周縁エッジ707を超えて回転により押され、そしてスピニングディスク105から射出されることによって霧状にされ得る。霧状にされた材料がプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、その固化が、マイクロスフェアコアの上に生分解性被覆の外層を含むマイクロカプセルの形成を生じる。このように生成されたマイクロカプセルは、サンプル収集システム165を用いて収集される。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロカプセルがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.002vol.%〜約96vol.%の被覆、好ましくは約0.003vol.%〜約50vol.%の被覆、そしてより好ましくは約0.004vol.%〜約5vol.%の被覆を有する。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約50wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0049】
さらなる実施形態では、本発明の装置を利用するマイクロカプセル化は、熱溶融プロセスを含み得る。この実施形態では、生分解性ポリマー被覆材料は供給ベッセル135中に導入され、そしてその中で溶融または部分的に溶融される。一旦、被覆材料が、所望の溶融または部分的に溶融された状態で存在すると、薬理学的に活性な薬剤および生分解性ポリマーを含むマイクロスフェアがそれに導入される。先に記載のように、この分散物は、次いで、流体送達システム145を経由して回転するスピニングディスク105のリザーバー708に導入され得る。遠心力がこの分散物を、液体の膜がリザーバー708の内面を上方に、そしてリザーバー708のリップ710を超えるように押す。この分散物は、それが外側周縁エッジ707方向へ外方に伝播するとき、環状面706の温度によって溶融または部分的溶融状態に維持され得る。この分散物は、スピニングディスク105から回転により射出され、そしてそれがプロセスチャンバー160の底に落ちるとき、マイクロカプセルとして凝結する。このように生成されたマイクロカプセルは、サンプル収集システム165を用いて収集され得る。約1μm〜約2,500μmの直径を有するマイクロカプセルがこのプロセスによって生成され得る。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.002vol.%〜約96vol.%の被覆を有する。このように生成されたマイクロカプセルは、約0.0001wt.%〜約99wt.%の活性薬剤、好ましくは約0.001wt.%〜約50wt.%の活性薬剤、そしてより好ましくは約0.01wt.%〜約30wt.%の活性薬剤を含み得る。
【0050】
本発明の実施形態は、本明細書に記載される装置を利用するマイクロカプセル生成を包含する。本発明に従ってマイクロカプセルを生成するために採用されるマイクロスフェアは、上記に開示されるような本明細書に開示される装置を用いて生成され得るか、または別の適切なプロセスにより生成され得る。さらに、本発明に従ってカプセル化されるマイクロスフェアは、本明細書中で先に記載されたマイクロスフェアのような、生理学的に活性でない活性試薬、および/または生分解性ポリマーを含まないマトリックス材料を含み得る。さらなる実施形態では、マイクロカプセル生成が本発明に従って達成され得、それによって被覆材料は、生分解性ポリマーを含まない。適切な材料は、制限されないで、ワックス、脂質、油、ゴム、樹脂、セルロース、スターチ、生分解性でないポリマー、およびそれらの組み合わせを含む。
【0051】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を示すために提供される。当業者は、この実施例に開示される方法は、本発明の単に代表的な例示の実施形態に従うことを理解すべきである。しかし、当業者は、現在の開示を考慮して、多くの変更が記載される特定の実施形態でなされ得、そしてなお本発明の思想および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果を得ることを認識すべきである。
【0052】
(実施例1)
上記に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、60:40アセトン/塩化メチレン中の312gの8%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)50:50溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、9.7gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約120g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約48〜50℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。収率88%(30.6g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0053】
(比較例1)
上記の実施例1に比較され得る例では、ステンレス鋼プロセスチャンバー160が、プラスチックの熱伝導性のより少ない材料に代わって用いられた。そこでは、60:40アセトン/塩化メチレン中の250gの8%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)50:50溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、7.8gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約125g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、48〜50℃のステンレス鋼プロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。マイクロスフェアは、ステンレス鋼プロセスチャンバー160の側面上で凝集し、そして別個のマイクロスフェアは回収されなかった。
【0054】
(実施例2)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の200gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)90:10溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、6.7gの酢酸アネコルタブを添加した。得られる分散物を、約180g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約4,000〜5,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率90%(15.0g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0055】
(実施例3)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の200gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)90:10溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.5gのポリエチレングリコール(PEG400)および3.5gの酢酸アネコルタブを添加した。得られる分散物を、約200g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約4,000〜5,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率77%(10.8g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0056】
(実施例4)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の100gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.56gのイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5R)−5−クロロ−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−[3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ]−1−プロピル]シクロペンチル]−5−ヘプタノエートを添加した。得られる溶液を、約85g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率56%(3.09g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0057】
(実施例5)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、アセトン中の489gの4.5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)85:15溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.396gの5−フルオロウリジン(5−FUD)を添加した。得られる溶液を、約55g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約45℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率70%(15.55g)マイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0058】
(実施例6)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、90:10のアセトン/酢酸エチル中の100gの5%ポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25溶液を供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、0.56gのイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−[(1E,3R)−[3−ヒドロキシ−4−[(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)オキシ]−1−ブテニル]シクロペンチル]−5−ヘプタノエートを添加した。得られる溶液を、約71g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約5,500rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。高密度ポリエチレン(HDPE)の内面を備えるプロセスチャンバー160を利用して、マイクロスフェアは、約46℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、アセトンの蒸発除去によって形成された。収率68%(3.8g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0059】
(実施例7)
本明細書に記載のマイクロスフェア製造プロセスの1つの実施形態で、42.7gのトリグリセリド(Abitec Corp.、Janesville、WIから入手可能なSterotex NF)を約90〜95℃の温度の供給ベッセル135中で溶融した。この溶融材料に、15.0gの酢酸アネコルタブを添加し、そして得られる分散物を、約50〜60g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約7,500〜8,500rpmの速度で回転する、約76mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。スピニングディスク105を、約90〜100℃の温度で維持した。マイクロスフェアは、22〜28℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、熱溶融物の冷却により形成された。収率80%(46.5g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。このように形成されたマイクロスフェアの一部にオーバーコートが付与された。これは、60:40のアセトン/酢酸エチル中の100gのポリラクチド−コ−グリコリド(PLGA)75:25の5%溶液を供給ベッセル中に調製し、そして次に、20.0gのマイクロスフェアを分散することによって達成された。得られる分散物を、約120g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3000〜4000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、約45〜50℃のプロセスチャンバー160の出口温度で、溶媒の除去により形成された。収率71%(17.9g)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて回収された。
【0060】
上記に記載された実施例では、利用されたスピニングディスク105は、外側周縁エッジ707に近接する環状面706の下でディスク回転軸に実質的な平行である、実質的に平坦な面711、およびこの外側周縁エッジ707上に配置された歯712を含んだ。この幾何学的形状を有する面711を含めることは、下面可変性を有し、そしてそれ故、回転の間に減少したぐらつきを示すディスクの生成を容易にする。製作された従来ディスクは、水平および垂直変位を有し、これは、回転の間に測定可能な「ぐらつき」を生じたが、流体流速、流体密度、ティスク回転速度、および当業者に公知のその他の変数のようなパラメーターを最適化することにより、狭い粒子サイズ分布を提供するように「調整」し得た。しかし、従来ディスク操作はそのように最適化できたが、これらの最適処理条件は、極度に狭く、そしてこれら条件の範囲外の処理は、著しくより広いサイズ分布を生じた。比較して、実質的に平坦な面711を含めて従来ディスクを製作することは、垂直および水平変位を約5〜10μmまで減少し、そしてこのディスクは、操作の間の振動の顕著に減少したレベルを示した。実施された研究は、より低い振動レベルが、広い範囲の操作条件に亘り従来の「ぐらつく」ディスクと比較して減少した粒子サイズ変動性を生じたことを示す。
【0061】
実施されたさらなる研究は、本明細書に開示されるスピニングディスク105の設計を有するディスクで同じ現象が生じることを示した。実質的に平坦な面711を含めることなく、そして約38μmのディスク変動性を有して調製されたスピニングディスク105は、実質的に平坦な面711を備え、そして約7.6μmの面変動を有する類似のディスク105よりきびしい粒子サイズ分布を示した。しかし、上記従来ディスクについて観察された性能に類似して、種々の操作条件に亘る一般的変動性は、実質的に平坦な面711なくして製作された類似のディスク105についてより、実質的に平坦な面711を備えるスピニングディスク105についてより低かった。理論によって拘束されるべきではないが、ディスク振動のないことは、より良好な制御された粒子破壊がディスク表面上で起こることを可能にし、より狭い粒子サイズ分布を生じると考えられる。
【0062】
ディスク周縁における粒子形成は、一様に間隔を置かれた錐形先端または錐体の存在によって影響され得ることが知られる。例えば、Babu、S.R.「Analysis of Drop Formation at Conical Tips」、J.Colloid Interface Sci.、116[2]、350〜372(1987)を参照のこと。スピニングディスク105中にセレーションまたは歯712を含めることは、粒子サイズ分布を大いに狭くする。歯712ありおよびなしで、実質的に平坦な面711を備えるスピニングディスク105を用いて生成された微粒子の粒子サイズ分布を比較して行われた研究は、前者の粒子サイズ分布が後者よりかなり狭いことを示す。この結果は、必ずしも予期されないものではないが、驚くべきことは、「歯のある」スピニングディスク105で達成される粒子サイズ変動性における減少の大きさである。
【0063】
実質的に平坦な面711またはその等価物を含めた歯のないスピニングディスクの各々について、スピニングディスク105は、従来ディスクによって生成された粒子集団より広く平均で72%の粒子分布を生成した。歯のあるスピニングディスク105は、最も狭い粒子サイズ分布を生成し、これは、従来ディスクによって生成される粒子サイズ分布より小さく平均で58%であった。図9は、250μmの平均直径を有する粒子の仮定の集団を比較することにより説明される粒子サイズ分布曲線をグラフにより示す。図9でグラフ900によって示されるように、従来ディスクによって生成される粒子は、約75〜1000μmのサイズの範囲であり(曲線901)、歯のないスピニングディスク105によって生成される粒子は、約25〜2,500μmのサイズの範囲であり(曲線902)、そして歯のあるスピニングディスク105からの粒子は、約175〜500μmのサイズの範囲である(曲線903)。
【0064】
ディスク湿潤は、微粒子形成に影響する別の因子であり、そしてそれ故、微粒子形成に対するその影響を決定するための研究を実施した。スピニングディスク105は任意の適切な材料から製作され得るけれども、本明細書中に開示される微粒子生成例は、ステンレス鋼ディスクを用いて実施された。ステンレス鋼ディスク面は、高い自由エネルギーを有し、制限された湿潤状態に至ることが予期される。304ステンレス鋼から作製された従来のディスク面を、最初、石鹸水でそれを洗浄し、次いで、それを水の後でアセトンで洗浄し、そして最後に60℃で空気中でこのディスクを1時間乾燥することにより調整した。このディスクは、次いで、窒素下で貯蔵された。このベースラインに対して、ディスク面を、TergitolTM TMN−100界面活性剤(Dow Corporation、Midland、MIから入手可能)、メタノール、および水を含む種々の材料で処理した。接触角度測定は、このディスク表面への種々のプロセス溶液の付与に際してなされ、そして観察が、スピニングディスクの回転の間に流体がディスク表面を横切って流れた間に行われた。
【0065】
これらの研究は、反復可能な微粒子形成が、ディスク表面を横切る流体流れがその十分な湿潤化を達成するとき、より容易に達成されることを示す。これらの結果は、一般に、スピニングディスク上で霧状にされるべきプロセス溶液の液体表面張力が、きれいな乾燥ステンレス鋼ディスクの表面湿潤化を確実にするために約40ダイン/cmより小さいことが必要であることを示す。あるいは、ディスク表面自由エネルギーは、特定の吸着低エネルギー種によるか、またはディスクを、元来低い自由エネルギーの材料から製作することにより低減され得る。
【0066】
低減された粒子サイズ変動が本発明の1つの目的であるけれども、別の目的は、マイクロカプセル形成の間に生成される「純粋」な殻材料粒子(サテライトまたは偽薬粒子)の減少である。当業者は、オーバーコーティングプロセスで用いられるポリマー溶液の粘度を操作することにより、生成されるサテライト粒子の量を低減し得ることを知る。しかし、ポリマー溶液粘度を増加することは、特定の点で、マイクロスフェア凝集に至る(複数のマイクロスフェアをオーバーコートし、1つの大きなマイクロカプセルを形成する)。マイクロカプセルを生成するために本発明の装置を用いることにより、代表的には、より低いレベルの偽薬粒子が形成され、そしてより均一でより厚い被覆が付与され得る。実質的に平坦な面711を備える歯のあるスピニングディスク105を用いるマイクロカプセル形成は、従来ディスクを用いるプロセス(図12および13)と比較して、顕著に低減されたレベルのサテライト粒子を含むマイクロカプセルを生成し得る(図10および11)。偽薬粒子における減少は、マイクロカプセルの改善された収率に変えられる。さらに、上記で注記したように、より均一でより厚い被覆が、従来ディスクと比較して本発明の装置を用いて付与され得る(図11対図13)。
【0067】
本発明の別の利点は、低減された粒子凝集である。上記に記載のように、スピニングディスク105の設計は、狭い粒子分布を有する微粒子の生成を可能にするけれども、生成および回収された微粒子の凝集は、取り扱いにおいて問題を引き起こす。熱で制御され、そして/または低い熱伝導度の面のような上記に記載の設計特徴は、粒子凝集を減少する。
【0068】
本発明の装置は、通常の回分様式の微粒子の製造とは反対に連続的に操作され得る。以下は、3日の連続操作の例として与えられる。約400kgの塩化メチレン中の5%ポリカプロラクトンを供給ベッセル135中に調製した。この溶液に、6.67kgの酢酸アネコルタブ(25%有効荷重)を添加し、そして得られる分散物を、約90g/分の速度で、流体送達システム145を経由して、約3,000〜4,000rpmの速度で回転する、約76.2mmの直径を有するスピニングディスク105のリザーバー708中に移した。マイクロスフェアは、プラスチック(HDPE)プロセスチャンバー160の内側で、約42〜45℃の出口温度で、溶媒の蒸発除去によって形成された。収率93%(24.8kg)のマイクロスフェアが、サイクロンセパレーターを用いて自由に流動する粉末として回収された。
【0069】
本発明のさらなる利点は、生成されたマイクロカプセルが、それによって改善された活性薬剤放出特性を示すことである。本発明の実施形態では、酢酸アネコルタブを活性薬剤として含むマイクロスフェアおよびマイクロカプセルが、本明細書中に開示される方法に従って調製された。生成された微粒子は、18〜25kGyの線量レベルでγ線照射に曝すことによって滅菌された。その活性薬剤放出速度を測定するために、約5.0mgの微粒子を、約50mLの5%ドデシル硫酸ナトリウム/リン酸(SDS/PBS)緩衝液溶液の溶液を含むガラス瓶中に秤量した。このサンプル瓶を次いで37℃の振盪水浴中に置いた。種々の時間間隔で、100μLのアリコートを分析のために取り出し、そして等容量の5%SDS/PBS溶液で置き換えた。
【0070】
図14でグラフによって示されるように、高い有効荷重(>20wt.%活性薬剤)のマイクロカプセル処方物は、ほぼ0次放出で、そしてマイクロスフェア処方物と比較して減少したバースト放出を提供する。図14では、グラフ1400は、本発明によって生成され、そして37℃で5%SDS/PBS中で維持された種々の微粒子から放出される活性薬剤酢酸アネコルタブの量を示す。曲線1401は、23.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロカプセル(グリセリドマトリックスを含むマイクロスフェアを覆うPLGA 75:25被覆)の放出プロフィールを示す。曲線1402は、23.5wt.%の活性薬剤を含むマイクロカプセル(グリセリドマトリックスを含むマイクロスフェアを覆うPLGA 75:25被覆)の放出プロフィールを示す。曲線1403は、PLGA 75:25/PEG(95:5)および23.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1404は、PLGA 75:25/PEG(95:5)および25.7wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1405は、PLGA 50:50/PEG(95:5)および25.8wt.%の活性薬剤を含むマイクロスフェアの放出プロフィールを示す。曲線1406は、PLGA 50:50/PEG(95:5)および24.6wt.%の活性薬剤を含む非滅菌マイクロスフェアの放出プロフィールを示す。低い有効荷重を含むマイクロカプセルおよびマイクロスフェアは、0次放出を示し得るが、約15%を超える有効荷重で、特にカプセル化された薬剤が放出媒体中に高度に可溶性である場合に、マイクロスフェアおよびマイクロカプセルが、代表的には、大部分の活性薬剤を非常に迅速に(<1日)放出する。>20%活性薬剤負荷をもつ本発明のマイクロカプセルは、インビトロで迅速な初期放出を示さず、むしろ4週まで遅い0次放出を示す。(図14中の曲線1401&1402を参照のこと)。放出速度の制御は、迅速な初期放出が、活性薬剤を浪費し得るか、または受容者に毒性があり、より悪い場合、非常に重要な処方の要素である。
【0071】
本明細書で参照されるすべての特許および刊行物は、参考として本明細書中に先に援用されていない範囲まで、本出願における開示と不一致でない範囲までそれらの全体が参考として本明細書によって援用される。特定の上記に記載の構造、機能、および上記に記載の実施形態の操作は、本発明を実施するためには必ずしも必要ではなく、そして例示の実施形態または複数の実施形態の完全さのために単に説明中に含められることか理解される。さらに、上記に記載され参照される特許および刊行物中に提示される特定の構造、機能、および操作が本発明と組み合わせて実施され得るが、それらはその実施に必須ではないことが理解される。それ故、本発明が、添付の請求項によって規定されるような本発明の思想および範囲から実際に逸脱することなく詳細に記載されるのと他用で実施され得ることが理解されるべきである。
【0072】
従って、請求項は、本発明の真の範囲内に入る任意のこのような改変または実施形態を包含することが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明、およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面と組み合わせて考慮し、上記の説明への参照がここでなされる。
【図1】図1は、本発明の実施形態によるスピニングディスク装置を概略的に示す。
【図2】図2は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図3】図3は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図4】図4A、4Bおよび4Cは、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図5】図5は、先行技術によるスピニングディスクを概略的に示す。
【図6】図6は、先行技術による従来のスピニングディスクを概略的に示す。
【図7】図7は、本発明の実施形態によるスピニングディスクの側面図を概略的に示す。
【図8】図8は、図7に描写されるスピニングディスクの1つの実施形態の平面図を概略的に示す。
【図9】図9は、本発明のスピニングディスクおよび従来のスピニングディスクで生成された微粒子の推定の集団を比較することにより生成された粒子サイズ分布曲線を示す。
【図10】図10は、本発明の1つの実施形態によって生成されたまマイクロカプセルの拡大画像であり、ここで、低減された数の偽薬粒子が形成されていることを示す。
【図11】図11は、本発明の1つの実施形態によって生成されたマイクロカプセルの拡大画像であり、ここで、このマイクロカプセルは改善された被覆均一性を表すことを示す。
【図12】図12は、従来のスピニングディスクを用いて生成されたマイクロカプセルの拡大画像を示す。
【図13】図13は、従来のスピニングディスクを用いて生成されたマイクロカプセルの別の拡大画像を示す。
【図14】図14は、本発明によって生成される種々の微粒子からの経時的に放出される活性薬剤の量を描写するグラフを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセルを含む処方物であって、該マイクロカプセルが:
(A)マイクロスフェアを含むコア材料であって、該マイクロスフェアが、
(i)生分解性ポリマー;および
(ii)該マイクロスフェアの約15wt.%より多くを構成する薬理学的に活性な薬剤を含む、コア材料;および
(B)生分解性ポリマーを含む被覆材料、を含み、
ここで、該マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それらが実質的に0次速度で薬理学的に活性な薬剤を放出するように構成される、処方物。
【請求項2】
実質的に0次速度である前記薬理学的に活性な薬剤の放出が、少なくとも約2週間の期間に亘って続く、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項4】
前記マイクロカプセルが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項5】
前記マイクロカプセルが、約0.003vol.%と約50vol.%との間を構成する被覆を有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項6】
前記薬理学的に活性な薬剤が:
血管形成インヒビター;
抗炎症剤;
チロシンキナーゼインヒビター;
抗感染剤;
抗アレルギー剤;
シクロオキシゲナーゼインヒビター;
鬱血除去剤;
抗緑内障剤;
ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター;
γ−アミノ酪酸およびその誘導体;
抗酸化剤;
栄養補助剤;
類嚢胞黄斑水腫の処置のための薬剤;
年齢関連黄斑変性の処置のための薬剤;
ヘルペス感染の処置のための薬剤;
サイトメガロウイルス眼感染の処置のための薬剤;
増殖性硝子体網膜症の処置のための薬剤;
創傷調節剤;
代謝拮抗剤;
神経保護薬物;
抗血管新生ステロイド;および
それらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項7】
前記薬理学的に活性な薬剤が、前記マイクロスフェアの約20wt.%より多くを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
マイクロスフェアおよび被覆材料を含むマイクロカプセルであって:
(A)該マイクロスフェアが、該マイクロスフェアの約15wt.%より多くを構成する生分解性ポリマーおよび薬理学的に活性な薬剤を含み;
(B)該被覆材料が、生分解性ポリマーを含み;
(C)該マイクロカプセルが:
(i)該マイクロスフェアを含む材料を該被覆材料と合わせ、該マイクロスフェアおよび該被覆材料を含む組成物を形成する工程、
(ii)該組成物をスピニングディスク装置に導入する工程であって、該スピニングディスク装置が:
(a)実質的に円滑な環状ディスク面であって、ここで
(I)該環状ディスク面が、内側周縁エッジおよび外側周縁エッジを有し、ここで、該外側周縁エッジが該環状ディスク面の第1の直径を規定し、
(II)該環状ディスク面が、該内側周縁エッジによって外接される領域によって規定される第2の直径を有し、ここで、該内側周縁エッジによって外接される領域が、該スピニングディスクの中心部分に実質的に配置され、そして
(III)該内側周縁エッジと該外側周縁エッジとの間の環状ディスク面が、実質的に平坦な傾斜を備える、環状ディスク面、および
(b)該環状ディスク面の内側周縁エッジによって外接される領域中に配置されるリザーバーであって、ここで、
(I)該リザーバーが、該環状ディスク面の内側周縁エッジによって規定されるその頂部部分を備え、そして
(II)該リザーバーが、該リザーバーの底と、該リザーバーの頂部部分との間に位置する第3の直径によって部分的に規定され、ここで、該第3の直径が該第2の直径より大きいリザーバーを備える実質的に円形のスピニングディスクを備え、ここで、該組成物を該装置に導入する工程が、該組成物を該リザーバーに導入することを含む、工程、および
(iii)該被覆材料を含む被覆を有するマイクロスフェアを含むマイクロカプセルを生成するための該装置を作動する工程、を包含するプロセスによって調製される、マイクロカプセル、および
(D)該マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それが実質的に0次速度で該薬理学的に活性な薬剤を放出するように構成される、マイクロカプセル。
【請求項9】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載の処方物。
【請求項10】
前記薬理学的に活性な薬剤が:
血管形成インヒビター;
抗炎症剤;
チロシンキナーゼインヒビター;
抗感染剤;
抗アレルギー剤;
シクロオキシゲナーゼインヒビター;
鬱血除去剤;
抗緑内障剤;
ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター;
γ−アミノ酪酸およびその誘導体;
抗酸化剤;
栄養補助剤;
類嚢胞黄斑水腫の処置のための薬剤;
年齢関連黄斑変性の処置のための薬剤;
ヘルペス感染の処置のための薬剤;
サイトメガロウイルス眼感染の処置のための薬剤;
増殖性硝子体網膜症の処置のための薬剤;
創傷調節剤;
代謝拮抗剤;
神経保護薬物;
抗血管新生ステロイド;および
それらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
前記薬理学的に活性な薬剤が、眼科学的に活性な薬剤を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項12】
前記マイクロカプセルが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項13】
前記マイクロカプセルが、約0.003vol.%と約50vol.%との間を構成する被覆を有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項14】
前記環状ディスク面の外側周縁エッジが、セレーションを備える、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項15】
前記スピニングディスクが、前記環状ディスク面の下で、かつその外側周縁エッジに近接する実質的に平坦な面を備え、ここで、該実質的に平坦な面が、該スピニングディスクの回転軸に実質的に平行である平面にあり、そしてここで、該実質的に平坦な面が、約1mmと約10mmとの間の長さを有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項16】
前記スピニングディスク装置がプロセスチャンバーを備え、ここで、該プロセスチャンバーが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み;そしてここで、該プロセスチャンバーが、円錐底タンクを備え、ここで、該円錐底タンクが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項17】
前記スピニングディスク装置がサイクロンセパレーターを備えるサンプル収集システムを備え、ここで、該サイクロンセパレーターが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項18】
前記リザーバーの第3の直径が、該リザーバーの底に近接して配置される、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項19】
前記マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、前記薬理学的に活性な薬剤が、少なくとも約2週間の期間に亘り、実質的に0次速度で放出されるように処方される、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項20】
微粒子を含む処方物であって、ここで、該微粒子が:
(A)生分解性ポリマー;および
(B)眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアを含み、ここで、該眼科学的に活性な薬剤が、酢酸アネコルタブ、酢酸アネコルタブのアルコール形態、その誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、処方物。
【請求項21】
前記微粒子が、本質的にマイクロスフェアからなる、請求項20に記載の処方物。
【請求項22】
前記微粒子が:
(A)マイクロスフェアを含むコア材料;および
(B)該コア材料を被覆するための被覆材料であって、ここで、該被覆材料が第2の生分解性ポリマーを含み、ここで、該第2の生分解性ポリマーが:
(i)マイクロスフェアを含む生分解性ポリマー、
(ii)該マイクロスフェアを含む生分解性ポリマーとは異なる生分解性ポリマー、および
(iii)それらの組み合わせからなる群から選択される、被覆材料、を含むマイクロカプセルから本質的になる、請求項20に記載の処方物。
【請求項23】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項20に記載の処方物。
【請求項24】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項21に記載の処方物。
【請求項25】
前記マイクロスフェア中の眼科学的に活性な薬剤の含量が、実質的に約0.001wt.%と約50wt.%との間である、請求項21に記載の処方物。
【請求項26】
前記マイクロスフェアが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項21に記載の処方物。
【請求項27】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項22に記載の処方物。
【請求項28】
前記マイクロスフェア中の眼科学的に活性な薬剤の含量が、実質的に約0.001wt.%と約50wt.%との間である、請求項22に記載の処方物。
【請求項29】
前記マイクロスフェアが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項22に記載の処方物。
【請求項30】
前記マイクロスカプセルが、約0.003wt.%と約50wt.%との間を含む被覆を有する、請求項22に記載の処方物。
【請求項31】
前記マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それらは実質的に0次速度で眼科学的に活性な薬剤を放出し、ここで実質的に0次速度での眼科学的に活性な薬剤の該放出が、少なくとも約2週間の期間に亘り続くように構成される、請求項22に記載の処方物。
【請求項1】
マイクロカプセルを含む処方物であって、該マイクロカプセルが:
(A)マイクロスフェアを含むコア材料であって、該マイクロスフェアが、
(i)生分解性ポリマー;および
(ii)該マイクロスフェアの約15wt.%より多くを構成する薬理学的に活性な薬剤を含む、コア材料;および
(B)生分解性ポリマーを含む被覆材料、を含み、
ここで、該マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それらが実質的に0次速度で薬理学的に活性な薬剤を放出するように構成される、処方物。
【請求項2】
実質的に0次速度である前記薬理学的に活性な薬剤の放出が、少なくとも約2週間の期間に亘って続く、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項4】
前記マイクロカプセルが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項5】
前記マイクロカプセルが、約0.003vol.%と約50vol.%との間を構成する被覆を有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項6】
前記薬理学的に活性な薬剤が:
血管形成インヒビター;
抗炎症剤;
チロシンキナーゼインヒビター;
抗感染剤;
抗アレルギー剤;
シクロオキシゲナーゼインヒビター;
鬱血除去剤;
抗緑内障剤;
ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター;
γ−アミノ酪酸およびその誘導体;
抗酸化剤;
栄養補助剤;
類嚢胞黄斑水腫の処置のための薬剤;
年齢関連黄斑変性の処置のための薬剤;
ヘルペス感染の処置のための薬剤;
サイトメガロウイルス眼感染の処置のための薬剤;
増殖性硝子体網膜症の処置のための薬剤;
創傷調節剤;
代謝拮抗剤;
神経保護薬物;
抗血管新生ステロイド;および
それらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項7】
前記薬理学的に活性な薬剤が、前記マイクロスフェアの約20wt.%より多くを含む、請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
マイクロスフェアおよび被覆材料を含むマイクロカプセルであって:
(A)該マイクロスフェアが、該マイクロスフェアの約15wt.%より多くを構成する生分解性ポリマーおよび薬理学的に活性な薬剤を含み;
(B)該被覆材料が、生分解性ポリマーを含み;
(C)該マイクロカプセルが:
(i)該マイクロスフェアを含む材料を該被覆材料と合わせ、該マイクロスフェアおよび該被覆材料を含む組成物を形成する工程、
(ii)該組成物をスピニングディスク装置に導入する工程であって、該スピニングディスク装置が:
(a)実質的に円滑な環状ディスク面であって、ここで
(I)該環状ディスク面が、内側周縁エッジおよび外側周縁エッジを有し、ここで、該外側周縁エッジが該環状ディスク面の第1の直径を規定し、
(II)該環状ディスク面が、該内側周縁エッジによって外接される領域によって規定される第2の直径を有し、ここで、該内側周縁エッジによって外接される領域が、該スピニングディスクの中心部分に実質的に配置され、そして
(III)該内側周縁エッジと該外側周縁エッジとの間の環状ディスク面が、実質的に平坦な傾斜を備える、環状ディスク面、および
(b)該環状ディスク面の内側周縁エッジによって外接される領域中に配置されるリザーバーであって、ここで、
(I)該リザーバーが、該環状ディスク面の内側周縁エッジによって規定されるその頂部部分を備え、そして
(II)該リザーバーが、該リザーバーの底と、該リザーバーの頂部部分との間に位置する第3の直径によって部分的に規定され、ここで、該第3の直径が該第2の直径より大きいリザーバーを備える実質的に円形のスピニングディスクを備え、ここで、該組成物を該装置に導入する工程が、該組成物を該リザーバーに導入することを含む、工程、および
(iii)該被覆材料を含む被覆を有するマイクロスフェアを含むマイクロカプセルを生成するための該装置を作動する工程、を包含するプロセスによって調製される、マイクロカプセル、および
(D)該マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それが実質的に0次速度で該薬理学的に活性な薬剤を放出するように構成される、マイクロカプセル。
【請求項9】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載の処方物。
【請求項10】
前記薬理学的に活性な薬剤が:
血管形成インヒビター;
抗炎症剤;
チロシンキナーゼインヒビター;
抗感染剤;
抗アレルギー剤;
シクロオキシゲナーゼインヒビター;
鬱血除去剤;
抗緑内障剤;
ホスファチジル−イノシトールキナーゼインヒビター;
γ−アミノ酪酸およびその誘導体;
抗酸化剤;
栄養補助剤;
類嚢胞黄斑水腫の処置のための薬剤;
年齢関連黄斑変性の処置のための薬剤;
ヘルペス感染の処置のための薬剤;
サイトメガロウイルス眼感染の処置のための薬剤;
増殖性硝子体網膜症の処置のための薬剤;
創傷調節剤;
代謝拮抗剤;
神経保護薬物;
抗血管新生ステロイド;および
それらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
前記薬理学的に活性な薬剤が、眼科学的に活性な薬剤を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項12】
前記マイクロカプセルが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項13】
前記マイクロカプセルが、約0.003vol.%と約50vol.%との間を構成する被覆を有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項14】
前記環状ディスク面の外側周縁エッジが、セレーションを備える、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項15】
前記スピニングディスクが、前記環状ディスク面の下で、かつその外側周縁エッジに近接する実質的に平坦な面を備え、ここで、該実質的に平坦な面が、該スピニングディスクの回転軸に実質的に平行である平面にあり、そしてここで、該実質的に平坦な面が、約1mmと約10mmとの間の長さを有する、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項16】
前記スピニングディスク装置がプロセスチャンバーを備え、ここで、該プロセスチャンバーが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み;そしてここで、該プロセスチャンバーが、円錐底タンクを備え、ここで、該円錐底タンクが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項17】
前記スピニングディスク装置がサイクロンセパレーターを備えるサンプル収集システムを備え、ここで、該サイクロンセパレーターが、熱によって制御可能な材料、低熱伝導度材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項18】
前記リザーバーの第3の直径が、該リザーバーの底に近接して配置される、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項19】
前記マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、前記薬理学的に活性な薬剤が、少なくとも約2週間の期間に亘り、実質的に0次速度で放出されるように処方される、請求項8に記載のマイクロカプセル。
【請求項20】
微粒子を含む処方物であって、ここで、該微粒子が:
(A)生分解性ポリマー;および
(B)眼科学的に活性な薬剤を含むマイクロスフェアを含み、ここで、該眼科学的に活性な薬剤が、酢酸アネコルタブ、酢酸アネコルタブのアルコール形態、その誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、処方物。
【請求項21】
前記微粒子が、本質的にマイクロスフェアからなる、請求項20に記載の処方物。
【請求項22】
前記微粒子が:
(A)マイクロスフェアを含むコア材料;および
(B)該コア材料を被覆するための被覆材料であって、ここで、該被覆材料が第2の生分解性ポリマーを含み、ここで、該第2の生分解性ポリマーが:
(i)マイクロスフェアを含む生分解性ポリマー、
(ii)該マイクロスフェアを含む生分解性ポリマーとは異なる生分解性ポリマー、および
(iii)それらの組み合わせからなる群から選択される、被覆材料、を含むマイクロカプセルから本質的になる、請求項20に記載の処方物。
【請求項23】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項20に記載の処方物。
【請求項24】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項21に記載の処方物。
【請求項25】
前記マイクロスフェア中の眼科学的に活性な薬剤の含量が、実質的に約0.001wt.%と約50wt.%との間である、請求項21に記載の処方物。
【請求項26】
前記マイクロスフェアが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項21に記載の処方物。
【請求項27】
前記生分解性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−グリコール酸、ポリカプロラクトン、トリグリセリド類、ポリエチレングリコール、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエステル、セルロース誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項22に記載の処方物。
【請求項28】
前記マイクロスフェア中の眼科学的に活性な薬剤の含量が、実質的に約0.001wt.%と約50wt.%との間である、請求項22に記載の処方物。
【請求項29】
前記マイクロスフェアが、実質的に約1μmと約2,500μmとの間の直径を有する、請求項22に記載の処方物。
【請求項30】
前記マイクロスカプセルが、約0.003wt.%と約50wt.%との間を含む被覆を有する、請求項22に記載の処方物。
【請求項31】
前記マイクロカプセルが、生存生物に導入されるとき、それらは実質的に0次速度で眼科学的に活性な薬剤を放出し、ここで実質的に0次速度での眼科学的に活性な薬剤の該放出が、少なくとも約2週間の期間に亘り続くように構成される、請求項22に記載の処方物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−507845(P2009−507845A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530171(P2008−530171)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/034722
【国際公開番号】WO2007/030545
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【出願人】(508069888)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/034722
【国際公開番号】WO2007/030545
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【出願人】(508069888)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]