説明

放射性スラッジ移送装置

【課題】スラッジ貯蔵タンク内の放射性スラッジを、安全にしかも確実に移送するための移送装置を提供する。
【解決手段】移送装置本体1と、スラッジに上澄み水を吹き付けてスラッジ貯蔵タンク内にスラッジ液を形成する攪拌機2と、スラッジ液移送手段8と、姿勢制御用フロート15と、制御手段とを備え、攪拌機2、スラッジ液移送手段8、姿勢制御用フロート15および浮力制御用バラストタンク16は、それぞれ移送装置本体1に取り付けられ、攪拌機2は、上澄み水吸引ポンプ3と、スラッジに向けて噴射してスラッジ液を形成する、角度が自在に制御可能な噴射ノズル4とを備え、スラッジ液移送手段8は、スラッジ液吸引ポンプ9を備え、スラッジ液吸引ポンプ9の吸引口9Aは、底部吸引口10と開閉手段13により開閉可能な側部吸引口11とからなり、スラッジ貯蔵タンク内の残留スラッジ液を吸引する際には、開閉手段13により側部吸引口11を閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放射性スラッジ移送装置、特に、スラッジ貯蔵タンクに貯蔵された、放射性物質により汚染された放射性スラッジを、スラッジ貯蔵タンクの点検等のために別のタンクに、安全かつ確実に移送することができる放射性スラッジ移送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の運転に伴って発生するイオン交換樹脂やろ過助材等からなる、放射性物質により汚染された放射性スラッジ(以下、単に、スラッジという。)は、放射能減衰のために一定期間、上澄み水と共にスラッジ貯蔵タンクに貯蔵され、この後、このスラッジ貯蔵タンクから抜き出し、処理工程に移送して処理される。
【0003】
なお、上澄み水は、次の理由により発生する。スラッジをスラッジ貯蔵タンクに移送する場合、スラッジ単独での移送が不可能なために、水等と混合して、流動性を持ったスラッジ液とする必要がある。このようにして形成されたスラッジ液をスラッジ貯蔵タンクに搬送すると、スラッジが沈降してスラッジ上に上澄み水が発生する。上澄み水も放射性物質により汚染されている。
【0004】
このようなスラッジ貯蔵タンクには、高い信頼性が要求されるために、上澄み水の漏洩等のおそれがないか定期的に点検を行い、必要に応じて補修を行う必要がある。タンクの点検等を行うためには、スラッジ貯蔵タンク内を空にする必要がある。このためには、スラッジ貯蔵タンクに貯蔵されたスラッジを別のタンクに移送する必要があるが、この移送作業は、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えて行うことが不可欠である。
【0005】
この問題を解決すべく提案された放射性スラッジ移送装置の一例が特許文献1(特許第4356728号公報)に開示されている。以下、この放射性スラッジ移送装置を従来移送装置といい、図面を参照しながら説明する。
【0006】
図11は、従来移送装置を示す概略構成図である。
【0007】
図11において、T1は、スラッジ31が貯蔵されたスラッジ貯蔵タンク、T2は、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31が移送される別のタンクとしての移送タンク、32は、スラッジ31の上澄み水、33は、空気吹き込み装置であり、空気供給源34、空気パイプ35および空気ノズル36からなっている。空気吹き込み装置33は、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31の上澄み水32に空気を吹き込んで、上澄み水32を局部的に攪拌し、これにより流動性を有するスラッジ液37を形成する。
【0008】
P1は、スラッジ貯蔵タンクT1内に入れられたスラッジ移送ポンプ、P2は、移送タンクT2内に入れられた上澄み水返還ポンプ、38は、スラッジ移送ポンプP1に接続され、移送タンクT2内に至るスラッジ液移送経路、39は、上澄み水返還ポンプP2に接続された上澄み水移送経路、40は、上澄み水移送経路39に接続された上澄み水噴出装置である。上澄み水噴出装置40は、上澄み水移送経路39からの上澄み水32を、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に向けて、上澄み水パイプ41に取り付けられた上澄み水噴出ノズル42から高圧水ジェットとして吹き付ける。
【0009】
上記空気パイプ35、スラッジ液移送経路38、上澄み水移送経路39および上澄み水パイプ41は、何れも、放射線遮蔽手段44により遮蔽された点検孔43からスラッジ貯蔵タンクT1あるいは移送タンクT2に挿入されている。
【0010】
45は、スラッジ貯蔵タンクT1に設置された監視カメラであり、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37の形成状態等を監視する。46は、移送タンクT2内に設置された監視カメラであり、移送タンクT2内の上澄み水32の形成状態等を監視する。47は、制御装置であり、監視カメラ45、46からの映像情報等に基づいて、空気吹き込み装置33、上澄み水噴出装置40、スラッジ液移送経路38および上澄み水移送経路39に取り付けられたバルブB1からB4等を操作して、スラッジ31の移送の一連の作業を制御する。
【0011】
このように構成されている従来移送装置によれば、以下のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ1が移送タンクT2内に移送される。
【0012】
先ず、空気吹き込み装置33によって空気をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水に向けて吹き込んで上澄み水を局部的に攪拌する。これによって、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31が粉砕され、スラッジ31上に流動性を有するスラッジ液37が形成される。
【0013】
このようにして、スラッジ液37が形成されたら、このスラッジ液37をスラッジ移送ポンプP1により吸引してスラッジ液移送経路38を通して移送タンクT2に移送する。移送タンクT2内のスラッジ液37は、時間の経過に伴ってスラッジ31と上澄み水32とに分離する。
【0014】
このようにして、移送タンクT2内に上澄み水32が溜まったら、この上澄み水32を上澄み水返還ポンプP2により吸引して上澄み水移送経路39を通して上澄み水噴出装置40に移送する。上澄み水噴出装置40は、上澄み水32を上澄み水パイプ41を通して上澄み水噴出ノズル42からスラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に吹き付ける。これによりスラッジ31が粉砕されてスラッジ液37が形成される。
【0015】
この後、再度、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37をスラッジ移送ポンプP1により吸引してスラッジ液移送経路38を通して移送タンクT2に移送し、そして、移送タンクT2内の上澄み水32をスラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に吹き付ける。
【0016】
以上の操作を繰り返し行うことによって、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31を移送タンクT2内に移送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第4356728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述のように、従来移送装置によれば、以下のような利点がもたらされる。
(1)スラッジ31の移送の一連の作業は、監視カメラ45、46からの映像情報等に基づいて、制御装置47が遠隔操作により行うので、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えることができる。
(2)上澄み水32による高圧水ジェットによりスラッジ31を確実に粉砕することができる。なお、スラッジ31の最初の粉砕は、空気の吹き付けにより行う。
(3)スラッジ31の粉砕に用いる高圧水として、もともとスラッジ貯蔵タンクT1内に溜まっていた上澄み水32を使用するので、放射性廃棄物の量が増加することはない。なお、スラッジ31の粉砕に外部からの水を用いると、その分だけ、放射性廃棄物の量が増加する。
【0019】
しかしながら、従来移送装置は、以下のような問題があった。
(a)空気ノズル36、上澄み水噴出ノズル42およびスラッジ移送ポンプP1は、それぞれ独立してスラッジ貯蔵タンクT1内に設置されているので、これらを一体的に移動することは困難である。従って、例えば、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31の粉砕箇所を変更するような場合、これらをそれぞれ個別に所定の粉砕箇所に移動させる必要があるので、スラッジの移送に時間がかかる。
(b)スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31の最初の粉砕は、空気吹き込み装置33により空気をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水に吹き込んで、上澄み水を局部的に攪拌することにより行うが、空気の吹き込みのみでは、スラッジ31を粉砕しにくく、スラッジ31の粉砕に時間がかかる。
(c)スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31の大部分を移送タンクT2に移送することができるが、スラッジ移送ポンプP1の性能上、どうしてもスラッジ貯蔵タンクT1の底部に少量のスラッジ液37が残留する。従来、この残留スラッジの移送は、人手により行っていたので、被ばくのおそれがあった。
【0020】
従って、この発明の目的は、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えることができると共に放射性廃棄物の量を増加させずにスラッジを移送することができ、しかも、スラッジ貯蔵タンク内の上澄み水中を自在に短時間に移動可能とすることによって、スラッジ貯蔵タンクに貯蔵されているどの場所のスラッジでも確実に効率良く粉砕し、粉砕により形成されたスラッジ液を確実に吸引することができ、この結果、スラッジを短時間に移送することができ、さらに、スラッジ貯蔵タンク内のスラッジを最初に粉砕する段階からスラッジを効率良く確実に粉砕することができるので、この点からもスラッジを短時間に移送することができ、さらに、スラッジ貯蔵タンク内の残留スラッジ液を確実に吸引し、移送タンクに移送することができる放射性スラッジ移送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0022】
[1] 一方のタンクに上澄み水と共に貯蔵されたスラッジを、他方のタンクに移送する放射性スラッジ移送装置において、移送装置本体と、前記スラッジに前記上澄み水を吹き付けて前記一方のタンク内にスラッジ液を形成する攪拌機と、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送するスラッジ液移送手段と、姿勢制御用フロートと、浮力制御用バラストタンクと、前記攪拌機、前記スラッジ液移送手段および前記浮力制御用バラストタンクを遠隔操作する制御手段とを備え、前記攪拌機、前記スラッジ液移送手段、前記姿勢制御用フロートおよび前記浮力制御用バラストタンクは、それぞれ前記移送装置本体に取り付けられ、前記攪拌機は、前記上澄み水を吸引する上澄み水吸引ポンプと、前記上澄み水を前記一方のタンク内のスラッジに向けて噴射して前記スラッジ液を形成する、ノズル角度が自在に制御可能な噴射ノズルとを備え、前記スラッジ液移送手段は、前記スラッジ液を吸引し、前記他方のタンクに移送するスラッジ液吸引ポンプを備え、前記スラッジ液吸引ポンプの吸引口は、底部吸引口と開閉手段により開閉可能な側部吸引口とからなり、前記一方のタンク内の残留スラッジ液を吸引する際には、前記開閉手段により前記側部吸引口を閉鎖することに特徴を有するものである。
【0023】
[2] 前記[1]に記載の放射性スラッジ移送装置において、前記攪拌機は、前記上澄み水吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を空気と共に噴射することに特徴を有するものである。
【0024】
[3] 一方のタンクに上澄み水と共に貯蔵されたスラッジを、他方のタンクに移送する放射性スラッジ移送装置において、移送装置本体と、前記スラッジに前記上澄み水を吹き付けて前記一方のタンク内にスラッジ液を形成すると共に、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送する撹拌・移送手段と、姿勢制御用フロートと、浮力制御用バラストタンクと、前記撹拌・移送手段および前記浮力制御用バラストタンクを遠隔操作する制御手段とを備え、前記撹拌・移送手段、前記姿勢制御用フロートおよび前記浮力制御用バラストタンクは、それぞれ前記移送装置本体に取り付けられ、前記撹拌・移送手段は、前記上澄み水を吸引する吸引ポンプと、前記吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を前記スラッジに噴射してスラッジ液を形成する、ノズル角度が自在に制御可能な噴射ノズルと、流路切替用バルブとを備え、前記吸引ポンプの吸引口は、底部吸引口と開閉手段により開閉可能な側部吸引口とからなり、前記噴射ノズルから前記上澄み水を噴射する際には、前記流路切替用バルブを前記噴射ノズル側に切り替え、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送する際には、前記流路切替用バルブをスラッジ液移送側に切り替え、前記一方のタンク内の残留スラッジ液を吸引する際には、前記開閉手段により前記側部吸引口を閉鎖することに特徴を有するものである。
【0025】
[4] 前記[3]に記載の放射性スラッジ移送装置において、前記撹拌・移送手段は、前記吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を空気と共に噴射することに特徴を有するものである。
【0026】
[5] 前記[1]から前記[4]の何れか1つに記載の放射性スラッジ移送装置において、前記開閉手段は、前記吸引口に沿って移動可能な、前記側部吸引口と同径の開口が形成された筒体からなっていることに特徴を有するものである。
【0027】
[6] 前記[1]から前記[5]の何れか1つに記載の放射性スラッジ移送装置において、前記噴射ノズルは、前記移送装置本体の四隅に取り付けられていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、以下のような効果がもたらされる。
(1)スラッジの粉砕から移送までの操作は、全て遠隔操作により行えるので、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えることができる。
(2)上澄み水を循環使用することにより、放射性廃棄物の量を増加させずにスラッジを移送することができる。
(3)スラッジの粉砕から移送までを行う装置が全て移送装置本体に取り付けられているので、放射性スラッジ移送装置の小型化が図れる。
(4)スラッジ貯蔵タンク内の上澄み水中を自在に短時間に移動可能であるので、スラッジ貯蔵タンクに貯蔵されているどの場所のスラッジでも確実に効率良く粉砕し、粉砕により形成されたスラッジ液を確実に吸引することができる。この結果、スラッジを短時間に移送することができる。
(5)最初の段階からスラッジを上澄み水の吹き付けにより粉砕することができるので、スラッジを短時間に確実に粉砕することができ、この結果、スラッジを短時間に移送することができる。
(6)残留スラッジ液を吸引する際には、吸引ポンプの側部吸引口を閉鎖することによって、底部吸引口から残留スラッジ液を吸引することができるので、スラッジ貯蔵タンク内の残留スラッジ液を確実に吸引し、移送タンクに移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の放射性スラッジ移送装置を示す正面図である。
【図2】この発明の放射性スラッジ移送装置を示す平面図である。
【図3】この発明の放射性スラッジ移送装置を示す右側面図である。
【図4】この発明の放射性スラッジ移送装置における吸引ポンプの吸引口を示す分解正面図である。
【図5】側部吸引口を開放した状態を示す正面図である。
【図6】側部吸引口を閉鎖した状態を示す正面図である。
【図7(1)】この発明の放射性スラッジ移送装置によりスラッジを粉砕・撹拌している状態を示す正面図であり、(a)は、上澄み水の水面からスラッジを粉砕し、撹拌している状態を示す図、(b)は、上澄み水の水面を移動している状態を示す図、(c)壁際のスラッジを上澄み水の水面から粉砕し、撹拌している状態を示す図、(d)は、壁際のスラッジを潜水しながら傾斜姿勢により粉砕し、撹拌している状態を示す図である。
【図7(2)】この発明の放射性スラッジ移送装置によりスラッジを粉砕・撹拌している状態を示す正面図であり、(e)は、潜水しながら水平姿勢により一方の噴射ノズルを下に向けてスラッジを粉砕し、撹拌している状態を示す図、(f)は、壁際のスラッジを潜水しながら水平姿勢により粉砕し、撹拌している状態を示す図、(g)は、潜水しながら水平姿勢により噴射ノズルを傾斜させてスラッジを粉砕し、撹拌している状態を示す図、(h)は、壁際のスラッジを潜水しながら傾斜姿勢により粉砕し、撹拌している別の状態を示す図である。
【図8】この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す正面図である。
【図9】この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す平面図である。
【図10】この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す右側面図である。
【図11】従来移送装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この発明の放射性スラッジ移送装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、この発明の放射性スラッジ移送装置を示す正面図、図2は、この発明の放射性スラッジ移送装置を示す平面図、図3は、この発明の放射性スラッジ移送装置を示す側面図である。なお、スラッジ貯蔵タンクT1、移送タンクT2、スラッジ31、上澄み水32、スラッジ液37は、図11の従来移送装置を示す概略構成図におけると同様である。
【0032】
図1から図2において、1は、移送装置本体であり、一方のタンクとしてのスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液が流れるスラッジ液流路6が内部に形成されている。
【0033】
2は、移送装置本体1に取り付けられた攪拌機であり、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31に、他方のタンクとしての移送タンクT2内の上澄み水32を吹き付けて、スラッジ貯蔵タンクT1内にスラッジ液37を形成する。
【0034】
攪拌機2は、移送タンクT2内の上澄み水32の吸引口3Aを有する上澄み水吸引ポンプ3と、上澄み水32をスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31に向けて噴射して、スラッジ31を粉砕し、撹拌して、スラッジ液37を形成する噴射ノズル4とを備えている。
【0035】
噴射ノズル4は、エジェクターノズルからなり、移送装置本体1の四隅に下方に向けて取り付けられている。なお、上澄み水32を空気と共に噴射ノズル4からスラッジ31に向けて吹き付ければ、スラッジ31の粉砕と撹拌効果がさらに向上する。
【0036】
噴射ノズル4は、可撓性に富むホース5の先端部に取り付けられ、ホース5は、移送装置本体1内に形成されたスラッジ液流路6を経由して攪拌機用吸引ポンプ3の排出口3Bに接続されている。噴射ノズル4とホース5の上端部との間には、シリンダ7A、7Bが取り付けられている。シリンダ7Aは、噴射ノズル4を図1中、矢印で示すように左右方向にホース5を介して傾斜させることによって、放射性スラッジ移送装置を図1中、左右方向に移動させる機能を有している。シリンダ7Bは、噴射ノズル4を図3中、矢印で示すように左右方向にホース5を介して傾斜させることによって、放射性スラッジ移送装置を図3中、左右方向に移動させる機能を有している。
【0037】
従って、シリンダ7A、7Bの傾斜角度をそれぞれ制御することによって、放射性スラッジ移送装置は、スラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32(図11のスラッジ貯蔵タンクT1には、図示せず)中を自在に移動することができる。放射性スラッジ移送装置の移動態様の詳細は、後述する。攪拌機用吸引ポンプ3およびシリンダ7A、7Bは、スラッジ貯蔵タンクT1外から制御手段(図示せず)により遠隔操作可能になっている。
【0038】
8は、移送装置本体1に取り付けられたスラッジ液移送手段であり、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37を移送タンクT2内に移送する。スラッジ液移送手段8は、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37を吸引し、移送タンクT2内に移送するスラッジ液吸引ポンプ9を備えている。
【0039】
図4に示すように、スラッジ液吸引ポンプ9の吸引口9Aは、底部吸引口11と側部吸引口11とからなっている。図5および図6に示すように、側部吸引口10は、側部吸引口11の外側に、シリンダ12により上下動自在に取り付けられた筒状開閉手段13により開閉可能になっている。開閉手段13には、側部吸引口11と同径の開口13Aが側部吸引口11と同位置に形成されている。
【0040】
図5に示すように、シリンダ12により開閉手段13を上下方向に移動させて、開閉手段13の開口13Aの位置とスラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11の位置とをずらせば、側部吸引口11が閉鎖され、底部吸引口10のみが開放されるので、残留スラッジ液37を効率良く吸引することが可能となる。シリンダ12により開閉手段13を上下方向に移動させて、開閉手段13の開口13Aの位置とスラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11の位置とを合致させれば、底部吸引口10および側部吸引口11からのスラッジ液37の吸引が可能となる。なお、開閉手段13を回転させることによって、スラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11を開閉しても良い。
【0041】
スラッジ液吸引ポンプ9の排出口9Bは、スラッジ液移送用配管14に接続されていて、スラッジ液37は、スラッジ液移送用配管14を経由して移送タンクT2内に移送される。スラッジ液吸引ポンプ9およびシリンダ11は、スラッジ貯蔵タンクT1外から前記制御手段により遠隔操作可能になっている。
【0042】
15は、移送装置本体1内の上部に取り付けられた姿勢制御用フロートである。姿勢制御用フロート15は、スラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中において、放射性スラッジ移送装置が転倒することを防止する機能を有している。
【0043】
16は、姿勢制御用フロート15の両側の移送装置本体1に取り付けられた浮力制御用バラストタンクである。浮力制御用バラストタンク16の底部は、開放され、浮力制御用バラストタンク16には、空気配管17を経由して空気が注入されるようになっている。浮力制御用バラストタンク16内への空気の注入量を制御することによって、放射性スラッジ移送装置は、スラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中を自在に浮上したり潜水することができる。従って、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されているどの場所のスラッジ31でも確実に効率良く粉砕し、粉砕により形成されたスラッジ液37を確実に吸引することができる。この結果、スラッジ31を短時間に移送タンクT2に移送することができる。浮力制御用バラストタンク16内への空気の注入量の制御は、前記制御手段により遠隔操作可能になっている。
【0044】
上述したように、攪拌機2およびスラッジ液移送手段8が移送装置本体に取り付けられているので、放射性スラッジ移送装置の小型化が図れる。
【0045】
このように構成されている、この発明の放射性スラッジ移送装置によれば、以下のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ1が移送タンクT2内に移送される。
【0046】
図7(a)に示すように、浮力制御用バラストタンク16のバラストを制御して、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32の水面に浮上させ、この状態で、上澄み水吸引ポンプ3によって吸引したスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32を、噴射ノズル4からスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31に向けて吹き付ける。これによって、スラッジ31が粉砕され、撹拌されることによって、スラッジ液37が形成される。このようにして形成されたスラッジ液37は、スラッジ液吸引ポンプ9によって吸引され、スラッジ液移送用配管14を経由して移送タンクT2内に移送される。このとき、シリンダ12により開閉手段13を、スラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11と開閉手段13の開口13Aとが合致する位置に移動させておき、図6に示すように、底部吸引口10および側部吸引口11の両方からスラッジ液37が吸引されるようにする。
【0047】
なお、移送タンクT2内に移送されたスラッジ液37は、時間の経過に伴ってスラッジ31と上澄み水32とに分離する。この後、移送タンクT2内の上澄み水32は、スラッジ貯蔵タンクT1に移送され、再度、上述のようにスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31に向けて吹き付けられる。
【0048】
このようにして、この発明の放射性スラッジ移送装置によれば、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ1を移送タンクT2に、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑え、しかも、上澄み水32を循環使用することにより、放射性廃棄物の量を増加させずにスラッジを移送することができる。
【0049】
スラッジ貯蔵タンクT1内の残留スラッジ液37を吸引し、移送タンクT2に移送するには、シリンダ12により開閉手段13を上下方向に移動させて、開閉手段13の開口13Aの位置とスラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11の位置とをずらして、側部吸引口11を閉鎖し、底部吸引口10のみを開放する。これによって、スラッジ貯蔵タンクT1内の残留スラッジ液37を確実に吸引し、移送タンクT2に移送することができる。
【0050】
図7(b)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32の水面に浮上させた状態で、水平移動させるには、一方の噴射ノズル4を外側に傾斜させ、他方の噴射ノズル4を下向きにして、両方の噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。なお、一方の噴射ノズル4とは、図中、左側のノズルであり、他方の噴射ノズル4とは、図中、右側のノズルである(以下、同様)。これにより、放射性スラッジ移送装置は、図中、左から右方向に移動する。
【0051】
図7(c)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32の水面に浮上させた状態で、スラッジ貯蔵タンクT1の壁際のスラッジ31を粉砕し、撹拌するには、一方の噴射ノズル4を下向きにし、他方の噴射ノズル4を外側に傾斜させて、両方の噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、放射性スラッジ移送装置を上澄み水32の水面に浮上させた状態で壁際のスラッジ31を粉砕し、撹拌することができる。
【0052】
図7(d)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中に傾斜姿勢で潜水させた状態でスラッジ貯蔵タンクT1の壁際のスラッジ31を粉砕し、撹拌するには、浮力制御用バラストタンク16のバラストを制御して、放射性スラッジ移送装置を上澄み水32中に潜水させる。そして、他方の噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、放射性スラッジ移送装置は、壁側に傾くので、一方の噴射ノズル4が下向きになるように一方の噴射ノズル4を外側に傾斜させて、一方の噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、放射性スラッジ移送装置が上澄み水32中に傾斜姿勢で潜水した状態で、壁際のスラッジ31と壁から離れたスラッジ31とを粉砕し、撹拌することができる。
【0053】
図7(e)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中に垂直姿勢で潜水させた状態でスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31を粉砕し、撹拌するには、一方および他方の噴射ノズル4を共に下向きにし、両噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、澄み水32中に垂直姿勢で潜水した状態で、スラッジ31を粉砕し、撹拌することができる。
【0054】
図7(f)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中に垂直姿勢で潜水させた状態で、スラッジ貯蔵タンクT1の壁際のスラッジ31を粉砕するには、一方の噴射ノズル4を下向きにし、他方の噴射ノズル4を外側に傾斜させて、両噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、放射性スラッジ移送装置を澄み水32中に垂直姿勢で潜水させた状態で、壁際のスラッジ31と壁から離れたスラッジ31とを粉砕し、撹拌することができる。
【0055】
図7(g)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中に垂直姿勢で潜水させた状態で、スラッジ貯蔵タンクT1のスラッジ31を粉砕し、撹拌するには、一方および他方の噴射ノズル4を外側に傾斜させ、両噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、スラッジ31を広範囲で粉砕し、撹拌することができる。
【0056】
図7(h)に示すように、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32中に傾斜姿勢で潜水させた状態で、スラッジ貯蔵タンクT1の壁際のスラッジ31を粉砕するには、下向きにした一方および他方の噴射ノズル4から上澄み水32を噴射させる。これにより、放射性スラッジ移送装置は、壁方向に傾斜し、スラッジ31を広範囲で粉砕し、撹拌することができる。
【0057】
次に、この発明の他の放射性スラッジ移送装置について、図面を参照しながら説明する。
【0058】
図8は、この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す正面図、図9は、この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す平面図、図10は、この発明の他の放射性スラッジ移送装置を示す右側面図である。
【0059】
この発明の他の放射性スラッジ移送装置は、図1から図3に示した、この発明の放射性スラッジ移送装置において、スラッジ貯蔵タンクT1のスラッジ31の粉砕および撹拌と、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37の移送とを1つの吸引ポンプにより行うことものである。図1から図3におけると同一番号のものは同一物を示し、説明は、省略する。
【0060】
すなわち、この発明の他の放射性スラッジ移送装置は、図1から図3に示した、この発明の放射性スラッジ移送装置において、撹拌機2をなくし、スラッジ液移送手段8を撹拌・移送手段18とし、流路切替用バルブ19を新たに設けたものである。
【0061】
撹拌・移送手段18は、上澄み水32を吸引し、噴射ノズル4からスラッジ31に向けて吹き付けてスラッジ31を粉砕し、撹拌する機能と、スラッジ液37を吸引して、移送タンクT2に移送する機能とを備えている。
【0062】
流路切替用バルブ19は、噴射ノズル4から上澄み水32を噴射する際に、流路を噴射ノズル4側に切り替え、一方、スラッジ液37を移送タンクT2に移送する際に、流路をスラッジ液移送用配管14側に切り替える。
【0063】
なお、この発明の他の放射性スラッジ移送装置において、スラッジ液吸引ポンプ9は、上澄み水32とスラッジ液37の両方を吸引するので、単に、吸引ポンプという。
【0064】
このように構成されている、この発明の他の放射性スラッジ移送装置によれば、以下のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ1が移送タンクT2内に移送される。
【0065】
図7に示すように、浮力制御用バラストタンク16のバラストを制御して、放射性スラッジ移送装置をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32の水面に浮上させ、この状態で、流路切替用バルブ19により流路を噴射ノズル4側に切り替える。そして、吸引ポンプ9によって吸引したスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水32を、噴射ノズル4からスラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ31に向けて吹き付ける。これによって、スラッジ31が粉砕され、撹拌されることによって、スラッジ液37が形成される。
【0066】
このようにして、スラッジ貯蔵タンクT1内にスラッジ液37が形成されたら、流路切替用バルブ19により流路をスラッジ液移送用配管14側に切り替える。そして、吸引ポンプ9によってスラッジ液37を吸引し、スラッジ液移送用配管14を経由して移送タンクT2に移送する。このとき、シリンダ12により開閉手段13を、スラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11と開閉手段13の開口13Aとが合致する位置に移動させておき、図6に示すように、底部吸引口10および側部吸引口11の両方からスラッジ液37が吸引されるようにする。
【0067】
このようにして、この発明の他の放射性スラッジ移送装置によれば、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ1を移送タンクT2に、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑え、しかも、上澄み水を循環使用することにより、放射性廃棄物の量を増加させずにスラッジを移送することができる。
【0068】
スラッジ貯蔵タンクT1内に残留するスラッジ液37を吸引し、移送タンクT2に移送するには、シリンダ12により開閉手段13を上下方向に移動させて、開閉手段13の開口13Aの位置とスラッジ液吸引ポンプ9の側部吸引口11の位置とをずらして、側部吸引口11を閉鎖し、底部吸引口10のみを開放する。これによって、スラッジ貯蔵タンクT1内に残留するスラッジ液37を確実に吸引し、移送タンクT2に移送することができる。
【0069】
この発明の他の放射性スラッジ移送装置においても、図7の(b)から(h)に示したように、スラッジを粉砕し、撹拌することができる。
【符号の説明】
【0070】
T1:スラッジ貯蔵タンク
T2:移送タンク
1:移送装置本体
2:撹拌機
3:上澄み水吸引ポンプ
3A:吸引口
3B:排出口
4:噴射ノズル
5:ホース
6:スラッジ液流路
7A:シリンダ
7B:シリンダ
8:スラッジ液移送手段
9:スラッジ液吸引ポンプ
10:底部吸引口
11:側部吸引口
12:シリンダ
13:開閉手段
13A:開口
14:スラッジ液移送用配管
15:姿勢制御用フロート
16:浮力制御用バラストタンク
17:空気配管
18:撹拌・移送手段
19:流路切替用バルブ
31:スラッジ
32:上澄み水
33:空気吹き込み装置
34:空気供給源
35:空気パイプ
36:空気ノズル
37:スラッジ液
38:スラッジ液供給経路
39:上澄み水供給経路
40:上澄み水噴出手段
41:上澄み水パイプ
42:上澄み水噴出ノズル
43:点検孔
44:放射線遮断手段
45:監視カメラ
46:監視カメラ
47:制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のタンクに上澄み水と共に貯蔵されたスラッジを、他方のタンクに移送する放射性スラッジ移送装置において、
移送装置本体と、前記スラッジに前記上澄み水を吹き付けて前記一方のタンク内にスラッジ液を形成する攪拌機と、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送するスラッジ液移送手段と、姿勢制御用フロートと、浮力制御用バラストタンクと、前記攪拌機、前記スラッジ液移送手段および前記浮力制御用バラストタンクを遠隔操作する制御手段とを備え、前記攪拌機、前記スラッジ液移送手段、前記姿勢制御用フロートおよび前記浮力制御用バラストタンクは、それぞれ前記移送装置本体に取り付けられ、前記攪拌機は、前記上澄み水を吸引する上澄み水吸引ポンプと、前記上澄み水を前記一方のタンク内のスラッジに向けて噴射して前記スラッジ液を形成する、ノズル角度が自在に制御可能な噴射ノズルとを備え、前記スラッジ液移送手段は、前記スラッジ液を吸引し、前記他方のタンクに移送するスラッジ液吸引ポンプを備え、前記スラッジ液吸引ポンプの吸引口は、底部吸引口と開閉手段により開閉可能な側部吸引口とからなり、前記一方のタンク内の残留スラッジ液を吸引する際には、前記開閉手段により前記側部吸引口を閉鎖することを特徴とする放射性スラッジ移送装置。
【請求項2】
前記攪拌機は、前記上澄み水吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を空気と共に噴射することを特徴とする、請求項1に記載の放射性スラッジ移送装置。
【請求項3】
一方のタンクに上澄み水と共に貯蔵されたスラッジを、他方のタンクに移送する放射性スラッジ移送装置において、
移送装置本体と、前記スラッジに前記上澄み水を吹き付けて前記一方のタンク内にスラッジ液を形成すると共に、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送する撹拌・移送手段と、姿勢制御用フロートと、浮力制御用バラストタンクと、前記撹拌・移送手段および前記浮力制御用バラストタンクを遠隔操作する制御手段とを備え、前記撹拌・移送手段、前記姿勢制御用フロートおよび前記浮力制御用バラストタンクは、それぞれ前記移送装置本体に取り付けられ、前記撹拌・移送手段は、前記上澄み水を吸引する吸引ポンプと、前記吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を前記スラッジに噴射してスラッジ液を形成する、ノズル角度が自在に制御可能な噴射ノズルと、流路切替用バルブとを備え、前記吸引ポンプの吸引口は、底部吸引口と開閉手段により開閉可能な側部吸引口とからなり、前記噴射ノズルから前記上澄み水を噴射する際には、前記流路切替用バルブを前記噴射ノズル側に切り替え、前記スラッジ液を前記他方のタンクに移送する際には、前記流路切替用バルブをスラッジ液移送側に切り替え、前記一方のタンク内の残留スラッジ液を吸引する際には、前記開閉手段により前記側部吸引口を閉鎖することを特徴とする放射性スラッジ移送装置。
【請求項4】
前記撹拌・移送手段は、前記吸引ポンプにより吸引された前記上澄み水を空気と共に噴射することを特徴とする、請求項3に記載の放射性スラッジ移送装置。
【請求項5】
前記開閉手段は、前記吸引口に沿って移動可能な、前記側部吸引口と同径の開口が形成された筒体からなっていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1つに記載の放射性スラッジ移送装置。
【請求項6】
前記噴射ノズルは、前記移送装置本体の四隅に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から5の何れか1つに記載の放射性スラッジ移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7(1)】
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【図7(2)】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−145395(P2012−145395A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2912(P2011−2912)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000204000)太平電業株式会社 (30)