説明

放射性物質の取扱い

外部ハウジングと内部セルとを有する放射性物質取扱アセンブリである。内部セルには放射性物質格納取扱室が形成されている。内部セルは外部ハウジングの中に取り外し可能な形で設置することができる。また、取扱手段を用いることで、格納取扱室内の放射性物質を、内部セルの外から取り扱うことができる。外部ハウジングおよび内部セルの少なくとも1つは、主に放射能を通さない遮蔽材で成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射性物質の取扱いに関し、より具体的に言えば、放射性物質取扱アセンブリ、および、当該放射性物質取扱アセンブリの操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、放射性物質の安全な取扱い(例:検査および/または処理)を目的とした用途には、遮蔽設備が使用される。こうした設備は通常、放射能を通さない遮蔽材から構成されており、保持/取扱室が形成されている。当該保持/取扱室は放射性物質を格納することができ、内部で放射性物質を検査および/または処理することができる。こうした設備の問題点は、一旦ある種類の放射性物質を取扱室に導入すると、クロス汚染を防ぐための汚染除去を行わない限り、当該取扱室(すなわち設備そのもの)に別の放射性物質を入れて使用することはできない、ということである。そうして、更に、これに関連する問題点として、一般に大量の放射性廃棄物が発生すること以外に、こうした設備の汚染除去作業は通常、非常に時間がかかり、その結果、様々な放射性物質を扱う連続作業(例えば、定型テスト、実験または小規模な放射化学的製造作業)の実行には、許容不可能な過度に長い時間が必要となる。それ以外に、こうした連続作業では設備が複数必要となるため、必然的に、設備やインフラの数は掛け算で増えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許発明第947,074号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、短時間に多数の作業を行うことは、通常大部分の施設にとって能力の限界を超えている。出願人は、本発明の使用で特に上述の問題を軽減できるものと信じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の第1の様態として、外部ハウジングと、外部ハウジング内に着脱可能に設置することのできる、放射性物質用の格納取扱室が形成された内部セルと、内部セルの外から操作して格納取扱室にある放射性物質を取り扱うことができる取扱手段と、を有し、外部ハウジングおよび内部セルの少なくとも一方は、主に放射能を通さない遮蔽材から成ること、を特徴とする放射性物質取扱アセンブリを提供する。
【発明の効果】
【0006】
特に明記しない限り、「取り扱う」または「取扱い」は内部セルの内部に置かれた放射性物質の取扱いおよび/または処理を意味し、「取扱手段」は、これに対応して、上記の取扱いを実施するための手段を意味する。同様に、「格納/取扱室」は、内部セルに形成されて、内部セルが外部ハウジングの内部に設置された状態にある時に、放射性物質の格納と当該放射性物質の上記取扱いとが実施される室のことを指す。
【0007】
「主に」とは、前記外部ハウジングおよび内部セルのうちの少なくとも一方の全ての主要な構成要素(壁など)が、放射能を通さない遮蔽材から成ることを意味する。外部ハウジングは主に放射能を通さない遮蔽材で成ることが好ましい。従って、外部ハウジングの主要な構成部(壁その他)は鉛製とするのがよい。
アセンブリには、複数の内部セルを、外部ハウジング内部から別々に取り外しできる形で含ませることもできる。通常、アセンブリは、当該アセンブリにおいて取扱われる放射性物質の各々に対して1つずつ内部セルを有している。
【0008】
外部ハウジングと内部セルとは相補的な形状を有し、通常、水平方向断面で見て、内部セルは外部ハウジング内に隙間なく収容し、設置することができる。
取扱手段は格納/取扱室の内部に操作手段を有する。以下、当該格納/取扱室は単に「取扱室」と呼ぶ場合もある。そうして、操作手段は、取扱室の内部で操作を実行するために配置されている。操作手段は、一対のトングまたはそれに類似のもので成る。取扱手段は、操作手段を内部セルの壁に接続する装着手段を有する。装着手段は、内部セルの壁に接続する一方で、操作手段の運動が可能になるように構成されている。よりいっそう具体的に言えば、装着手段は可撓性の装着手段(可撓性の覆い(boot)など)とすればよく、密封が実現される形で内部セルの壁に設置され、内部セルの格納清潔性を保つ。そうして、取扱室の内部での取扱手段の運動は、可撓性の装着手段の撓みまたは変形が可能な範囲によって制限される。
【0009】
取扱手段は各々、関連付けられた装着手段に取り外し可能な形で接続することができるので、1つの装着手段で様々な取扱手段を用いることができる。
また、内部セルに(それに伴って取扱室にも)収容スペースを設け、ここに、取り外し可能な形で装着手段に接続できる追加の取扱手段を収容することにしてもよい。
アセンブリは、取扱手段のための制御手段を有する場合もある。使用時には、当該制御手段を操作して、取扱室から離れた位置から取扱手段の操作を制御することができる。その「離れた位置」とは、内部セルが外部ハウジング内に設置された状態にある時の、「内部セルから離れた」位置のことである。取扱手段とこれに関連付けられた制御手段とはそれぞれ、内部セルの中、外部ハウジングの上に別々に設けられており、内部セルが外部ハウジング内に設置された状態にある時に、制御手段は、関連付けられた取扱手段に操作的に接続することができる。相補的な取扱手段および制御手段の組については、内部セルおよび外部ハウジングの壁のうち、操作的に隣接した壁に、そして対応する位置に設けるのが好ましい。操作的に隣接した壁とは、内部セルが外部ハウジング内に設置された際に隣接することになる壁のことである。
【0010】
各制御手段は制御棒から成るものとすればよく、当該制御棒の一方の端部は取扱手段に接続されているか、接続が可能であり、制御棒のもう一方の端部は外部ハウジングの外まで延びており、ユーザ用の制御インタフェース(ピストル形グリップなど)が設けられている。制御棒は回動設置手段によって、外部ハウジングの壁に回動可能な形で設置される。そのため、取扱手段に接続されている時には、当該取扱手段の回動運動の方向を決めることができる。理解されるであろうが、制御手段を外部ハウジングに接続する設置部(mountings)についても、放射線不透過材料で成るものとする。通常の場合の設置部は、100mm以上の鉛と同じ放射線遮蔽能力を有する鉛製球形ソケット(ball socket)とすればよい。取扱手段ごとに様々な長さの制御棒を用いることで、取扱室内での操作範囲が様々に異なる取扱手段を実現することができる。やはり、理解されるであろうが、制御棒の長さによっても、関連付けられた取扱手段の取扱室内部での移動可能範囲は制限される。すなわち、取扱手段の操作範囲は、関連付けられた接続部材の変形能力および関連付けられた制御棒の長さによって決定される。
【0011】
アセンブリは2つ以上の取扱手段を有する場合もある。その場合、それら取扱手段は、平面図で見た場合に互いから角度的に隔てられた(angularly spaced)状態になるよう、内部セルに設置される。通常、平面図で見た場合、それら取扱手段の方向は互いに直交する。より具体的には、アセンブリが2つ以上の取扱手段を有する場合、これら取扱手段は、内部セルの壁への各取扱手段の接続点を含んだ接平面間の垂直な交線に関して、角度的に隔てられた状態となる(前記角度的な隔たりは通常90度である)。好ましい構成としては、本アセンブリは、2つの取扱手段を、各々が内部セルの異なる壁に設けられた形で有し、これらの壁は、互いに隣接している場合には当該壁の垂直な交線に関して、互いに隣接していない場合には当該壁を延ばした面の垂直な交線に関して、互いから角度的に隔てられた位置にある(例えば、互いに直交する)。理解されるであろうが、壁における取扱手段の接続点についても、前記交線(実質的に、内部セルの壁への各取扱手段の接続点を含んだ接平面の交線でもある)に関して、実質的に互いに直交する形で隔てられている。
【0012】
また、理解すべきこととして、前述した実施の形態では、角度的に隔てられた取扱手段の各々に関連付けられた制御手段もやはり、関連付けられた取扱手段と同様に、互いに角度的に隔てられた配置となっており、外部ハウジングの壁において、前記角度的に隔てられた取扱手段の位置に対応する位置に、角度的に隔てられた形で配置されている。
アセンブリは外部ハウジングと内部セルとに視界手段を有し、これによって、内部セルが外部ハウジングの内部に設置された状態にある時、取扱室内に格納され取り扱われる放射性物質を目視点検することができる。視界手段は、内部セルおよび外部ハウジングの各々の壁に存在する1以上の窓の形で成り、内部セルが外部ハウジングの内部に設置された状態にある時、これら窓は、アセンブリの外部の位置から取扱室までの視界を提供する。
【0013】
窓の少なくとも1つは、放射線不透過材料で作るのがよい。そうした放射線遮蔽窓には、少なくとも75mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を持たせることとする。ただし、放射線遮蔽窓には、約100mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を持たせるのが好ましい。内部セルの窓は、通常はポリカーボネート製である。
すでに述べたように、アセンブリが、角度的に隔てられた複数の取扱手段と、それらに関連付けられた、角度的に隔てられた複数の制御手段とを有する場合、当該角度的に隔てられた複数の制御手段の間の位置で、窓または他の視界手段が外部ハウジングの壁に設けられる。そうして、当該窓は、内部セルが外部ハウジング内に設置された状態にある時、内部セルの窓を通って取扱室の内部に通じる視界を提供する。すでに述べたように、角度的に隔てられた複数の取扱手段が、角度的に隔てられた複数の壁に設けられる場合、これらの壁は、窓が設けられた接続壁によって接続される。当該接続壁は、前記の角度的に隔てられた複数の壁に対して傾斜している。理解されるであろうが、こうした実施の形態では、角度的に隔てられた壁は互いに隣接することはなく、従って、これら壁から延びた面の垂直な交線に関して角度的に隔てられた位置関係となる。
【0014】
そこで以下のことが考えられる。すなわち、アセンブリが角度的に隔てられた複数の取扱手段と、それに関連付けられた、角度的に隔てられた複数の制御手段とを有し、窓が角度的に隔てられた複数の制御手段の間の位置で外部ハウジングの壁に設けられている場合、本アセンブリのオペレータは、使用時、角度的に隔てられた複数の制御手段の間で、隣接するこれら制御手段の間の傾斜した壁に設けられた窓から、これら角度的に隔てられた制御手段を用いて、角度的に隔てられた取扱手段を操作する。
【0015】
1つの取扱手段または2つ以上の他の取扱手段と、それらに関連付けられた制御手段とは、内部セルおよび外部ハウジングにおいて異なる高さに配置することもできる。そうすると、取扱手段とこれに関連付けられた制御手段とは、垂直方向に互いから隔てられた状態となる。本発明の好適な実施の形態では、角度的に隔てられた取扱手段と、これらに関連付けられた、角度的に隔てられた制御手段とは、垂直方向に互いに隔てられた状態となっている。
【0016】
内部セルには、材料(特に非放射性の材料)を取扱室に出し入れするために、取扱室アクセス手段を設ける場合もある。
通常、取扱室アクセス手段は、2重ドアアセンブリ(すなわち内側/外側ドアアセンブリ)から成り、取扱室への材料の導入中または取り出し中に取扱室の清潔性が脅かされないようになっている。より具体的に言えば、内部セルには、1以上のDouble Porte de Transfert Etanche(「DPTE」)(登録商標)を設ければよい。通常、内部セルは、サイズの異なる2つのDPTEポートを備える。本発明の好適な実施の形態では、内部セルは、1個以上の105−DPTEポートと1個以上の270−DPTEポートとを備える。
【0017】
DPTEポートの内側ドアは、取扱手段で操作または駆動される。通常、DPTEポートは、内部セルの中の1以上の取扱手段の操作範囲内に配置される。よって、DPTEポートの内側ドアは、当該内側ドアを操作範囲内に含む取扱手段によって操作することができる。本発明の好適な実施の形態では、1以上のDPTEポートは、その向きが、1以上の取扱手段の向きと垂直な(すなわち直交する)位置関係となるよう設けられている。よって、1以上のDPTEポートが設けられるのは、内部セルの壁のうち、関連付けられた取扱手段が設けられている壁に向き合った壁となる。
【0018】
DPTEポートを備えた内部セルの使用時、当該DPTEポートのドアを開ける際には、放射性物質を取扱室の中に入れておき、ドアから放射線ビームが出て行かないようにするのが好ましい。言い換えると、使用時にDPTEドアを開ける場合は、通常その前に放射性物質を取扱室の内部に置いて、当該放射性物質がDPTEポートと一直線上に並ばないようにする。
【0019】
内部セルには、また、セルの底部から取扱室に材料(特に放射性物質)をロード(出し入れ)するための底部ロードポートと、取扱室の内部から底部ロードポートを閉じて密封する封鎖手段とが設けられている。本発明の技術分野において知られる通り、ロードポートは、取扱室にロードしようとする放射性物質を格納した容器またはポットが当該ロードポートに収容または連結される、という形に構成される。封鎖手段は蓋の形とすることができる。その場合、当該蓋は、取扱室の内部からのみ操作することができる。蓋は取扱手段で操作すればよい。
【0020】
外部ハウジングは、底部ロードポートアクセス手段を備える場合もある。底部ロードポートアクセス手段は、内部セルが外部ハウジングで設置された状態にある時、内部セルの底部ロードポートと共に、アセンブリの外から当該底部ロードポートへのアクセスを提供する。底部ロードポートアクセス手段は、外部ハウジングの底の開口部とすることができ、当該開口部の位置は、内部セルの底部ロードポートに操作的に対応した位置とする。また、当該底部ロードポートアクセス手段には、遮蔽スロット/ストッパ(以下、「鍵」と呼ぶ)の形で取り外し可能なカバーを設けてもよい。当該鍵は、外部ハウジングの外からの操作や取り外しが可能である。鍵は、内部セルが外部ハウジングの中に設置された状態にある時には、底部ロードポートの蓋に接続可能であり、接続された状態においては、底部ロードポートの蓋を閉状態でロックして開かないようにする。これにより、容器またはポットが底部ロードポートに収容または連結されていない時に、底部ロードポートの蓋が不注意で開けられてしまう事態を内部セルの内部から防ぐ。鍵は通常、差し込みピン装着部によってポートの蓋に嵌められるか、差し込まれる。鍵は、放射線を通さないか遮蔽する材料で作られており、当該材料は、例えば50mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を有するものとする。従って、当該鍵は、通常の閉状態では、底部ロードポートに対して必要な放射線遮蔽を実現する。
【0021】
更なる放射線遮蔽を実現するために、放射線遮蔽材(例えば鉛製リング)から成る部材を滑車に組み入れてもよい。当該リングは、蓋から鍵が外された時、底部ロードポートに対して更なる放射線遮蔽を実現する。
放射線源またはサンプル材料の入った容器を放射性物質取扱アセンブリの内部セルに安全に出し入れする目的で、容器ロード用アセンブリ(底部ロードポートアクセス手段から底部ロードポートに容器を連結するための容器移動手段を有するもの)を、外部ハウジングに設置してもよい。容器移動手段を操作させることで、当該容器移動手段に載せた容器またはポットを、放射性物質取扱アセンブリの外から、外部ハウジングの底部ロードポートアクセス手段を経て、内部セルの底部ロードポートに移動させることができる。通常、容器移動手段は、上に載せられた容器を支持すると共に、当該容器をロードポートアクセス手段と一直線上に並ぶ位置に移動させる、という構成になっている。容器移動手段は更に、ロードポートアクセス手段と一直線上に(すなわち垂直方向に)並ぶ位置に容器を移動させるように構成されている。理解されるであろうが、上述したように、容器は「ポット」と呼ぶ場合もあり、これは本発明の分野において一般的な呼び名である。
【0022】
容器移動手段は滑車を有し、これは外部ハウジングから吊り下げられた軌道に支持されている。通常、滑車には容器が載せられるが、これに加え、底部ロードポートアクセス手段の鍵が当該底部ロードポートアクセス手段から取り外される時には、当該鍵を載せるように構成されている。1つの実施の形態では、滑車の上には鍵容器が設けられている。鍵が底部ロードポートアクセス手段から取り外される際、取り外された鍵はこの鍵容器に収容される。そうして、使用時に、鍵を取り外す際、鍵容器は底部ロードポートおよびロードポートアクセス手段と一直線上に並ぶ位置に置かれ、それによって、取り外された鍵を収容することができる。また、滑車は、鍵が底部ロードポートアクセス手段から取り外されて鍵容器に格納(stow)された時点では、ロードポートと一直線上に並ぶ位置にしか容器を移動させることができないようにする構成となっている。通常、鍵が閉位置またはロック位置にある時、滑車と鍵の間の空間的関係は、鍵によって滑車の水平方向移動が防止される、というものになる(これは、例えば、鍵容器に形成されたリセスの中に鍵の一部が入り込む状態となることで実現される)。
【0023】
ロード用アセンブリは、閉状態にある底部ロードポートに向けて容器を持ち上げる持ち上げ手段を有する場合がある。持ち上げ手段をロード用アセンブリに備え付ける構成としてもよい。持ち上げ手段は、機械的レバーまたは滑車システム、あるいは、油圧ピストンなどの軸方向駆動(drive)手段とすることができる。ロード用アセンブリについては、さらに、底部ロードポートの非常に近い所定の高さ(ただし底部ロードポートにまだ連結はされない高さ)に位置づけられた時、その時にだけ容器の蓋を開けるように構成すれば、放射線被爆は防止され、取扱室の清潔性は持ち上げ操作および連結操作の間を通じて保たれる。
【0024】
容器は、水平方向に摺動するプレートによって開けられる。当該プレートは、持ち上げ方向を横切る形でロード用アセンブリに設置されており、その設置位置は上記の所定の高さである。摺動プレートは通常、容器の蓋よりも直径の大きい周縁クランプ手段および開口を有する。これらを用いて、使用時、摺動プレートは蓋をクランプするが、そこで容器をわずかに降ろすと、容器から蓋が取り外される。その後、開けられた容器は、底部ロードポートへの連結位置まで持ち上げられる。通常は、その後に底部ロードポートの蓋がセルの内部から開けられ、容器内部の放射線源またはサンプル材料はアクセス可能となる。
【0025】
また、ロード用アセンブリによって、直径の異なる容器を底部ロードポートに連結できるようにすることもできる。1つの実施の形態では、これは、固有の直径を有する容器ごとに、サイズ合わせ用外側スペーサリング/スリーブ(放射線不透過材料で製造されたものが好ましい)を持ち上げ手段に設置し、当該スペーサリング/スリーブに容器を収容する、というやり方で実現される。当該外側スペーサリング/スリーブは、外径が一定であって、底部ロードポート開口部だけでなく、持ち上げ手段のキャリッジにも合う形状に作られている。リング/スリーブは、容器を隙間なく囲む形で装着することができ、容器の蓋が取り外された時には、容器およびスペーサリングは、内部セルの底部ローダポートに、放射線漏れを生じない形で連結される。
【0026】
内部セルはさらに、取扱室に通じる1以上の通気入口と、取扱室から出る1以上の排気出口とを備える。通気入口および排気出口には、それぞれ、吸排気フィルタを設けてもよい。本発明の好適な実施の形態で、入口および出口は各々、2つのフィルタ要素から成るフィルタ構成部を備えており、これら要素の一方は内部セルの内側に置かれ、もう一方の要素は内部セルの外側(内部セルと外部ハウジングとの間の空間)に設けられる。こうした構成によれば、内部セルの交換だけでなく、フィルタの供給および交換も、取扱室の清潔性を損なうことなく実行することができる。フィルタ構成部の位置については、内側のフィルタ要素の各々が1以上の取扱手段と一直線上に並ぶように、または、当該取扱手段の操作範囲に入るように決めるのが好ましい。そうすれば、各フィルタ構成部のうち内側のフィルタ要素の供給および交換を、取扱室の内部から、取扱手段を用いて実行することができ、その際に取扱室の清潔性が損なわれることはない。
【0027】
内部セルの入口フィルタ構成部は、対応する供給用アクセス手段を、外部ハウジングの開口部の形で有し、当該開口部は、放射線を通さないプラグまたはストッパによって遮蔽されており、その結果、入口およびそれに関連するフィルタ構成部からの放射線の放射は防止される。ストッパは取り外し可能であるため、外側の入口フィルタ要素は前記アクセス手段から交換することができる。
【0028】
排気出口および出口フィルタ構成部もまた、外側の排気フィルタ要素の交換のために、供給用アクセス手段を有するが、これは、通常、鉛製のプラグまたはストッパにより、入口側のプラグまたはストッパの場合と類似の様態で遮蔽されており、これによって出口からの放射線の放射は防止される。排気出口のフィルタ構成部の外側フィルタ要素は、排出ラインによって換気システム(本発明の放射性物質取扱アセンブリが設置される研究室その他の現場が備えているもの)に接続することもできる。排気ラインは通常、供給用アクセス手段のプラグを通り、取扱室から排気出口までの間に放射線がプラグから漏れることはない。好適な実施の形態では、これは、特別に設計されたボイド(通常は迷路チャネルまたは迷宮チャンネルの形をしたもの)に沿ってプラグを通過するように排気ラインを導くことで実現される。よって、排気ラインを常に簡単に通すことができる一方で、プラグからの放射線漏出は防止される。
【0029】
使用時、排気出口から換気システムへの空気の流出によって、取扱室内には低圧が生じる。そうすると、外部ハウジング内の空気のうち内部セルの外にあって当該内部セルを囲んでいる空気の一部が、通気の形で内部セルに引き込まれる。その結果、外部ハウジングの外からも空気が引き込まれるため、外部ハウジングの外から内部セルの中に、汚染されていない空気の正味の(net)流入が生じる。
【0030】
既に述べたように、外部ハウジングの壁は放射線を通さない、または放射線を遮蔽する材料(鉛など)で作られている。外部ハウジングについては、鉛製の壁、床、屋根パネルから成り、これらパネルは連結された鉛製レンガまたは中実(solid)の鉛製平板で作られ、高い清潔性を有する支持フレームに支持されている、という構成にするのが好ましい。
【0031】
内部セルについては、ステンレス鋼で作られた壁を有するものとしてもよい。
外部ハウジングの放射線遮蔽能力は、その壁については、50mm以上の鉛に匹敵する。
ハウジングの隣接する壁同士が交わる部分には放射線放射の危険がある。当該部分のように放射線遮蔽の弱い箇所や開口部(本発明の技術分野で一般に「ビーム経路」と呼ばれるもの)については、放射線ビームが通過してしまうことがあるからである。よって、追加の放射線遮蔽を施すことも考えられる。
【0032】
また、外部ハウジングがキャリッジを備える構成とし、当該キャリッジに内部セルを載せて運び、外部ハウジングから出し入れする構成にしてもよい。その場合は、外部ハウジング内で、内部セルを安定化用の設置設備(mountings)に固定することにより、キャリッジ上で内部セルを安定させることができる。
外部ハウジングには更に、その内部へのアクセスを可能にするアクセス手段を設けてもよい。より具体的に言えば、内部セルを外部ハウジングに挿入する際に当該内部セルを通すための主要(またはメイン)ドアを、外部ハウジングに設ける。本発明の好適な実施の形態では、 外部ハウジングの当該ドアは、摺動の形で垂直方向に移動可能な落し戸であり、その操作はバランスウェイト(counterweight arrangement)によって制御すればよい。
【0033】
外部ハウジングにはまた、複数の補助的ドアを設けることもできる。これは、外部ハウジングの中に設置される内部セルが有するDPTEポートへのアクセスを提供するものである。従って、外部ハウジングにおける補助的ドアの設置位置は、外部ハウジング内に内部セルが設置された時に、当該内部セルの有するDPTEポートの位置に一致するように決めておくのが好ましい。本発明の好適な実施の形態では、少なくとも1つのDPTEポート(通常は270−DPTEポート)が、内部セルの壁のうち、外部ハウジングのメインドアに操作的に隣接する壁に設けられている。これにより、メインドアからDPTEポートへのアクセスが可能となる。
【0034】
外部ハウジングのドアの放射線遮蔽能力は、少なくとも50mmの鉛に匹敵するものとする。
内部セルには、取扱手段に加えて、電気、ガス、真空、水、圧縮空気などの付加的な供給物を取扱室に入れるための接続手段を設けることにしてもよい。こうした接続手段については、接続中であれ切り離し中であれ、付加的な供給物を取扱室に入れる作業のために取扱室の清潔性を損なうような事態を起こさないように構成するのが好ましい。上記のような供給のための接続手段は、1つの壁に設けるのが好ましく、その1つの壁とは、DPTEポートが設けられた壁とするのが好ましい。こうした接続手段を備えた実施の形態では、DPTEポートは270−DPTEポートとするのが好ましく、これを設ける内部セルの壁については、外部ハウジングのメインドアに操作的に隣接した壁とするのが好ましい。
【0035】
外部ハウジングについては、放射線検知/放射線監視装置を収容するための室を備えることとしてもよい。当該室は、50mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を有した放射線遮蔽材から成るものとする。また、内部セルについても、放射線検知/放射線監視装置を備える構成とすることができる。
外部ハウジングには、内部セル照明手段を設けてもよい。当該照明手段は、内部セルの窓から光を当該内部セルに提供するものである。当該照明手段は、照明ソケットに入った電気照明の形を取るものとし、1つずつ、ベース部に設置される。当該ベース部は、50mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を有する放射線遮蔽材で作られており、外部ハウジングの屋根を通して放射線を漏出させない様態で外部から装着される、プラグまたはスロットの形をしたものとする。
【0036】
本アセンブリには、1以上のアラームなどの形で警報手段を設けてもよい。当該1以上のアラームは、放射線検知および/または監視装置との組み合わせで動作し、アセンブリから許容できないレベルの放射線放射があった場合にそれを通知する、という構成にすればよい。また、換気システムとの組み合わせで動作する別のアラームによって、通気が行われない場合や通気空気流が不充分な場合にそれを通知するようにしてもよい。
【0037】
更に、本発明の第2の様態として、内部で放射性物質を取扱うことを目的とした、本発明の第1の様態による放射性物質取扱アセンブリの操作方法であって、放射性物質取扱アセンブリの外部ハウジングに内部セルを挿入する処理と、外部ハウジングの外部の位置から内部セルの格納取扱室の内部の放射性物質を取扱う処理と、外部ハウジングから内部セルを取り外す処理と、を有する操作方法を提供する。
【0038】
また、当該操作方法は、初期または第1の内部セルを外部ハウジングから取り外した後に第2の内部セルを外部ハウジングに挿入し、第2の内部セルの格納取扱室の内部の第2の異なる放射性物質を取扱う処理を有むこととしてもよく、その場合の第2の放射性物質は、初期または第1の放射性物質とは異なる(例えば、第1の放射性物質とは異なる放射線放射特性を有する放射背物質とする)。
【0039】
本方法は更に、第1および第2の放射性物質とは異なる第3およびそれ以降の放射性物質を、それぞれ第3およびそれ以降の内部セルに入れて供給する処理を含み、その場合、当該第3およびそれ以降の内部セルは、外部ハウジングに順番にロードまたは挿入される。
本発明の好ましい実施の形態では、本方法は、アセンブリにおいて同じ内部セルで類似の放射性物質を取り扱う処理と、アセンブリにおいて異なる放射性物質を各々別の内部セルにおいて取り扱う処理と、を含むこととしてもよい。
【0040】
本方法については、内部セルを外部ハウジングに挿入した後で、当該内部セルに関連する放射性物質をロードする処理を含むことにしてもよい。あるいは、内部セルを外部ハウジングに挿入する前に、当該内部セルに関連する放射性物質をロードする処理を含むことにしてもよい。
本方法については、内部セルを外部ハウジングから取り外す前に、当該内部セルから関連する放射性物質を取り除く処理を、更に含むことにしてもよい。あるいは、内部セルを外部ハウジングから取り外した後で、当該内部セルから関連する放射性物質を取り除く処理を、更に含むことにしてもよい。
【0041】
内部セルが外部ハウジングから取り外された後、放射性物質を当該内部セルに出し入れする処理は、当該材料が低強度放射線しか発しない「柔らかい(soft)」放射体であって、内部セルの遮蔽能力で充分に封じ込めができる場合に、特に効果的である。
本方法については、外部ハウジングから内部セルが取り外されてから、別の内部セルが挿入されるまでに、当該外部ハウジングの汚染除去を行う処理を更に含むこととしてもよい。
【0042】
本方法については、外部ハウジングから内部セルを取り外した後に、当該内部セルの汚染除去を行う処理を更に含むこととしてもよい。
本方法については、外部ハウジングから内部セルを取り外した前または後に、清潔性を維持する目的で、当該内部セルを密封する処理を更に含むこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による放射性物質取扱アセンブリを組立後の状態で示す正面図である。
【図2】図1の取扱アセンブリを示す一方向からの側面図である。
【図3】図1、2の取扱アセンブリを示す背面図である。
【図4】図1乃至3の取扱アセンブリを示す別の方向からの側面図である。
【図5】図1乃至4の取扱アセンブリを示す水平方向断面図である。
【図6】図1乃至5の取扱アセンブリを示す分解斜視図である。
【図7】図1乃至6の取扱アセンブリの容器ロード用アセンブリを示す部分切り欠き側面図であり、放射線遮蔽材で成る部分を網掛けで示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図面において、参照番号10は、本発明による放射性物質取扱アセンブリの全体を示している。
本アセンブリは、外部ハウジング12と内部セル14(図4、5、6にやや詳細に示してある)とで成る。内部セル14は軌道(図示せず)上を移動し、取り外し可能な形で外部ハウジング12内部に設置される。前記軌道により、内部セル14の外部ハウジング12への挿入は容易に行える。内部セル14は、外部ハウジング12の中では、当該外部ハウジング12内部に設けられた固定(anchoring)用/安定化用の設置設備(図示せず)に結合されるため、トラック上で安定した状態に置かれる。
【0045】
内部セル14は、ステンレス鋼製であり、格納/取扱室16が形成されている(以下、単に「取扱室16」と呼ぶ場合もある)。使用時、当該格納/取扱室16には、アセンブリ10で取扱おうとする(またはアセンブリ10に供給しようとする)放射性物質が格納される。内部セル14はポリカーボネート製の窓22を備えており、当該窓は内部セル14の傾斜した上壁を成している。
【0046】
図5が最も明瞭に示しているように、内部セルと外部ハウジングとは水平方向断面において相補的な形状を有する。より具体的に言えば、内部セル14および外部ハウジング12は、それぞれ2つの側壁18a、18cと20a、20c、2つの端壁18b、18dと20b、20d、そして、1つの傾斜壁18e、20eを有する。よって、内部セル14が外部ハウジング内に設置された状態にある時、側壁18a、20a、側壁18c、20c、端壁18b、20b、端壁18d、20d、そして傾斜壁18e、20eは互い隣接する位置にある。
【0047】
外部ハウジング12の側壁20a、20c、端壁20b、20dそして傾斜壁20eは鉛製であり、通常、鉛製ブロックまたは中実の鉛製平板が連結され、清潔性(integrity)の高い支持フレームに支持された形で作られている。外部ハウジング12はさらに、鉛製の床および鉛製の屋根を有する。
窓24が外部ハウジング12の傾斜した側壁20eに設けられており、当該窓は100mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を有し、内部セルの窓22を通って取扱室16の内部に通じる視界を提供する。
【0048】
取扱手段はトング26の形をしており、可撓性の覆い30によって内部セル14の壁18b、18cにつながれている。複数の相補型制御手段28は、それぞれ制御棒28.1およびピストルグリップ型ユーザインタフェース28.2を有し、鉛製球形ソケット32によって外部ハウジング12の壁20b、20cにつながれている。当該鉛製球形ソケット32により、制御手段28を、壁20b、20cにおいて回動および軸方向摺動の形で移動させることができる。壁18bのトング26は、壁18cのトング26とは異なる高さにある。
【0049】
制御手段28の制御棒28.1は、関連するトング26に、操作的に取り外し可能な形で接続されており、トング26のクランプ動作はピストルグリップ28.2の操作によって制御され、トング26の移動方向は、ソケット32における制御棒28.1の回動および摺動によって決まる。
トング26およびそれらに関連する制御手段28は、それぞれ、内部セルの壁18b、18c、隣接する外部ハウジングの壁20b、20cに配置されている。これらの壁18b、18cおよび20b、20cの向きは、壁18b、18c、20b、20cから延ばした面「P」が交わる垂直な交線「l1」、「l2」に関して互いに直交する向きとなっている。従って、2つずつあるトング26およびそれに関連付けられた可撓性の覆い30、そして制御手段28は、事実上直交するか、おおよそ交差する向きとなっている。
【0050】
内部セル14は、2つのDPTEポート(270−DPTEポート34.1および105−DPTEポート34.2)を備えており、これらはそれぞれ、内部セル14の側壁18d、18aに設けられている。DPTEポート34.1、34.2は、それぞれ、内部セル14の側壁18bにある取扱手段26、18cにある取扱手段26と一直線上に並んでいる。
【0051】
外部ハウジング12の端壁20dは、上部ドアパネル36aと下部ドアパネル36bとから成るスライドドア構成であり、これらドアパネルは 摺動可能な形でトラック38に並んで設置されている。トラック38は、外部ハウジング12を支持する清潔性の高い支持フレーム39の一部を成している。ドアパネル36a、36bは、滑車(図示せず)上を走る一対の接続ケーブルによって制御されるが、その制御によって、両パネル36a、36bの重さが釣り合うと共に、両パネル36a、36bは近づく方向または遠ざかる方向に摺動の形で容易に移動できるので、外部ハウジング12の内部への選択的なアクセスが可能となる。
【0052】
内部セル14は、蓋42によって閉じられた底部ローダポート40を有し、当該蓋42は、取扱室16の内部からのみ操作することができる。ポート40は、放射性材料および他の材料をロードして取扱室16に出し入れするためのものであり、放射性物質容器(通常はポット45の形をしたもの)が、当該ポート40に収容または連結される構成となっている。
【0053】
外部ハウジング12は、下部ローダポートアクセス手段41(図7)を備えており、内部セル14が外部ハウジング12内に設置された状態にある時には、当該ポートアクセス手段41を通して、外部ハウジング12の外から内部セル14のポート40にアクセスすることができる。ポートアクセス手段41は、 外部ハウジング12の鉛製の床に設けられた開口部の形を取り、当該開口部は、取り外し可能な鉛製遮蔽カバーまたはスロット(以下、鍵43と呼ぶ)によって閉じられる。当該鍵43は、開口部を塞いでいる時には、差し込みピン装着部43.1によって底部ローダポート40の蓋42に接続されている。よって、蓋に接続された状態にある時、鍵は蓋42を所定位置に固定して開かないようにしている。つまり、鍵43は、ポート40の通常の閉状態においては、蓋42をロックしている。鍵43は、ハンドル46.5で操作することができる。鍵43のうち部分43.2は鉛製であり、そのため、蓋42と嵌合した状態にある時には、底部ローダポート40および底部ローダポートアクセス手段41に対して放射線遮蔽機能を果たす。
【0054】
外部ハウジング12は更に、容器ロード用アセンブリ46を備え、当該アセンブリ46は滑車46.2を有する。滑車46.2は外部ハウジング12に接続された水平方向軌道46.3に支持されている。滑車46.2は容器移動手段46.1を備え、これは滑車46.2の一方の端に設置されている。また、滑車46.2は、もう一方の端部に底部ロードポート鍵容器46.4を備えている。滑車46.2の両端のうち鍵容器46.4が設置されている方の端部には、鉛製リング46.6が備えられている(断面のみが見える)。当該鉛製リングは、鍵43が蓋42から外される際に、追加の放射線遮蔽を提供する。容器移動手段46.1は、キャリッジ44.4から成る持ち上げ機構44を有し、当該キャリッジは、容器移動手段46.1上の垂直柱44.1に摺動可能な形で設置されたスリーブ44.3に接続されている。使用時、ポット45を載せたキャリッジ44.4は、滑車44.2上を走る一対の接続ケーブル(図示せず)により垂直方向に移動させることができ、移動時には、ポートアクセス手段41を挟んで内部セル14のポート40と一直線上に並んだ状態となっている。
【0055】
通常の閉位置またはロック位置(図示せず)にある時の鍵43は、蓋42に設けられた差し込みピン装着部(図示せず)と、相補的な差し込みピン装着部43.1によって嵌合している。閉位置またはロック位置では、鍵43の一部が、容器46.4に形成されたリセスの内部に入り込んでいる。そのため、鍵43が蓋42と嵌合した状態にある時、移動手段46.1およびポット45を載せた滑車46.2は水平方向に移動することはできず、滑車46.2は事実上所定位置にロックされる。よって、滑車46.2によるポット45の移動が可能なのは、蓋42から鍵43を取り外し(すなわち、ネジを緩めて)、図7に示すように滑車46.2に付いた容器46.4に収納する、という手順で鍵43のロックが解除された時であり、その際も、滑車46.2はポット45を、ポート40と一直線上に並ぶ所定位置に移動させることしかできない。鍵43が収納された後、滑車46.2は横にスライド移動させられ、ポット45をポート40と一直線上に並ぶ位置に運ぶ。
【0056】
ロード用アセンブリ46はさらに、横方向または水平方向にスライドするプレート46.5を備え、これを操作してポット45の蓋45.1を取り外すことができる。使用時、持ち上げ機構44が、蓋45.1(同様に放射線を通さない、または遮蔽する材料で成り、いまだ閉状態にある)の付いたポット45を、ポート40に向けて持ち上げる。蓋45.1が、水平方向スライドプレート46.5(滑車46.2にこれを横切る形で設置されている)と同じ高さに位置づけられると、スライドプレート46.5の有するクランプ機構(図示せず)が蓋45.1をクランプしてポット45から取り外し、ポット45の口が開かれる。開かれたポット45はその後更に、ポート40に連結される連結位置まで持ち上げられる。ポット45が連結位置にある時、ポット45の上面は通常、取扱室16内での底部ロードポート40の縁と実質的に同じ高さ、または、縁を若干上回る高さになる。好ましい構成として、蓋42は、ポット45がこの位置にある時に内部セル14の内側からのみ開けることができ、それによってポット45内の放射性材料またはサンプル材料へのアクセスが可能となる。この構成では、ポット45内部の発生源または他の放射性物質からのいかなる放射能漏れも回避され、加えて、材料の意図しない漏出や、取扱室16内部の汚染された器材がポート40を通って落下する事態も回避される。
【0057】
ロード用アセンブリ46は更に、直径の異なるポットをポート40に連結できるように構成されている。最大許容直径よりも直径が小さいポット45については、それぞれに、サイズ合わせ用の外側スペーサリング/スリーブ45.2が備えられている。当該外側スペーサリング/スリーブ45.2は、好ましい構成として、やはり放射線を通さない材料で作られており、ポート開口部40ならびにキャリッジ44.4の外径及び形状に一致する外径及び形状を有している。この構成では、スペーサ45.2がポット45の周囲に隙間なく装着されるため、蓋45.1が取り外されても、ポット45およびスペーサ45.2は、変わらず放射能漏れの生じない状態を保ったまま、内部セル14のポート40に連結されることになる。
【0058】
理解されるであろうが、使用時、放射線源または放射性サンプルをポット45から出したり戻したりする作業が終わると、ポート40はセル14の内側から蓋42によって閉じられる。ポット45は降ろされ、その蓋45.1で閉じられて、ロードポート40およびアクセス手段41から外される。そうした手順の実施順序は、既に述べたロード時の操作の場合の逆の順序である。その後、鍵43を交換し、蓋42に再び嵌めることで、可能な限り早く通常の清潔性を回復する。
【0059】
外部ハウジング12は更に、鉛製ローラドア(roller door)48の形で、105−DPTEポート34.2へのアクセス手段を備えている。当該ローラドア48は、外部ハウジング12の側壁20aに設けられたアクセス開口部50を閉じる。当該アクセス開口部50の位置は、内部セルの側壁18aにある105−DPTEポート34.2の位置に対応している。
【0060】
外部ハウジング12の一部として室52が設けられており、当該室52は、アセンブリ10からの放射線放射(radiation emission)を監視する放射線監視/検知装置(図示せず)を備えている。好適な実施の形態では、放射線検知装置は、いわゆる電離箱とすればよく、これは、いかなる電離放射線も検知する。理解されるであろうが、こうした実施の形態では、室52そのものを電離箱とすることもできる。また、アセンブリには、アラーム(図示せず)の形で警報手段を設けてもよい。当該警報手段は、室52の中の放射線監視/検知手段と関連付けられ、アセンブリ10から許容限度を越えたレベルの放射線が放射されている際にはこれを知らせるように構成されている。
【0061】
内部セル14は、端壁18dに供給用接続手段54を備えており、当該供給用接続手段は、電気、ガス、真空、水、圧縮空気などの供給物を内部セルに運搬する外部供給物運搬手段とつながっている。接続手段54は、これらの供給物の各々のために運搬手段に通じる接続ポートを有する、という構成にするのが好ましい。
内部セル14は、取扱室16への通気入口56と、同室からの排気出口58とを備える。入口56、出口58の各々にフィルタ構成部(図示せず)が設けられており、当該フィルタ構成部は、各々2つのフィルタ要素から成り、それらフィルタ要素のうち1つは内部セル14の内側に、もう1つは内部セル14の外側にある。ただし、内部セルの外側にあるものも、外部ハウジング20の内部に存在しており、内側にあるフィルタ要素とは連通している。各フィルタ構成部における内側フィルタ要素の供給および交換は、取扱室16の内部から、取扱手段28を用いて(すなわち、取扱室の清潔性を損なうことなく)行うことができる。
【0062】
内部セル14の通気入口56のフィルタ構成部は、対応する供給用アクセス手段を有し、これは外部ハウジング20に存在する開口部の形をしている。当該開口部は、鉛製プラグ/ストッパ56.1で遮蔽されている。ストッパ56.1は取り外し可能であり、これを取り外すと、入口フィルタ要素のうち外側のものを供給用アクセス手段から交換することができる。
【0063】
排気出口58のフィルタ構成部も、類似の供給用アクセス手段を外部ハウジング20に有する。当該供給用アクセス手段は、排気フィルタ要素のうち外側のものを交換するのに使用され、鉛製プラグ/ストッパ58.1で遮蔽されている。排気出口58の外側排気フィルタ要素は、排気ラインによって、取扱アセンブリ10が設置される研究室や類似の現場に備えられた換気システムに接続される。排気ラインは、放射能漏れの生じない形でプラグ58.1に導かれ、当該プラグ58.1内の迷宮流路(labyrinth channel)を通る。
【0064】
使用時、特定の目的のために特定の種類の放射性物質を取り扱う場合、内部セル14は、ロード済み状態(すなわち、前記特定の放射性物質、または、直前の作業に用いた同じ放射性物質がロードされている状態)で、スライドドア構成部36から、外部ハウジング12に挿入される。あるいは、内部セル14は空の状態で外部ハウジング12に挿入され、その後、放射性物質が底部ローダポート40を通して取扱室16にロードされる。他の非放射性サンプル材や器材は、通常、DPTEポート34.1、34.2からロードされる。内部セル14が外部ハウジング12に挿入されると、制御手段28が関連する取扱手段26に接続され、制御手段28で制御された取扱手段26の操作によって、放射性物質の取扱いが実行される。
【0065】
取扱いが完了すると、放射性物質並びに他の廃棄物が、底部ローダポート40やDPTEポート34.1、34.2を通して、取扱室16からアンロードされる。その後、内部セル14は、密封され、外部ハウジング12から取り外される。
本発明が目的とするのは、従来の格納設備と比較して使用時の融通性が高い、多目的放射性物質取扱い/格納アセンブリ(またはホットセル)を提供することであり、その融通性とは、特に、汚染除去時間および異なる放射性物質に作業を行う場合に要する時間(連続した作業と作業との間の停止時間を含む)の短縮である。よって、ここまで説明してきた本発明の効果として、以下の点が認められる。すなわち、本アセンブリで取り扱われる放射性物質について、それぞれ別の内部セルを用いることで、異なる放射性物質を使用する前に行われるアセンブリの汚染除去作業が不要となるか、または大幅に減らせるため、幅広い操作を実行でき、その際に、こうした操作の逐次的な実行を遅らせる原因となる余分な汚染除去作業を行う必要がなく、連続した操作と操作の間でクロス汚染が生じる危険もない。
【0066】
すでに述べたように、外部ハウジングの傾斜した壁20eに窓24を設けると共に、取扱手段26と関連する制御手段28とを、本発明の技術分野では通常用いられる同一平面上に並べる配置とは対照的に、角度的に隔てられた位置に配置したことで、取扱室16の内部での操作の実行が容易になり、融通性が向上する。ただし、より具体的に考えると、取扱手段とこれに関連する制御手段との角度位置により、そしてそれらが異なる高さに配置されたことにより、以下の影響が生じる。すなわち、取扱室の内部での取扱手段の操作範囲が重複することとなり、相補的な取扱手段および関連する制御手段同士の下または上、またはセルの隅に、いわゆる「死角」が存在することになる。しかし、これは出願人の知る従来の取扱い施設でも一般的に存在する。また、外側ハウジング窓と内部セルの窓との組み合わせを傾斜した配置にしたことで、更に、内部セルの全領域をよりはっきりと見ることができるようになる。これにより、内部セルのスペースを最大限利用できる小型取扱アセンブリが得られる。
【0067】
底部ロードポートは別として、外部ハウジングへのアクセスおよび外部ハウジングからのアクセスは、内部セルがその中に設置されている時ですら、スライドドア36a、36bのおかげで便利に行える。当該スライドドアはローラドア48、ならびに、外側アセンブリの端壁20bによって成り、ローラドア48は外部ハウジングの中に設置された状態にある内部セルの105−DPTEドア34.2へのアクセスを可能にするものである。
【0068】
さらに、スライドドア36a、36bに関する重要な効果は、このドア組部品を通して内部セルの交換を容易に行えることである。こうした内部セルの交換を行うには、すでに述べたとおり、制御手段28と、内部セル14の上部にある外側フィルタ要素とを取り外した上で、アセンブリフレーム上の設置部を緩めるだけでよい。対照的に、出願人の知る従来の設備では、内部のコンパートメントや室を取り外そうとする場合(そうした場合があるとしても)、従来技術においていわゆるモジュール式構成と呼ばれるものですら、遮蔽用の壁や屋根の少なくとも一部を分解する必要がある。
【0069】
異なる放射性物質に対して操作範囲や経路のテストを行っている際も、アセンブリの内部セル交換が可能であるため、1つのアセンブリだけを用いれば足り、これは本発明の効果と考えられる。従来、異なる放射性物質に対する操作を行う場合には、従来型の容器設備が多数必要であった。すなわち、放射性物質ごと、または互換性のある材料のグループごとに1つ必要となる。その場合、取扱い設備の大部分または全部が必然的に重複する。従って、本発明のアセンブリは以下の意味でコンパクトである。すなわち、1つのアセンブリと、様々な内部セルを1つのコンパクトな収納スペースに収容する構成とを用いるだけでよく、通常、せいぜい10mmの鉛に匹敵する程度の遮蔽しか必要とせず、保管している間は換気も不要であるため、アセンブリが設置される研究室または他の現場でスペースが節約できる
上述した本発明の更なる効果は、内部セルを連続的に交換しても、アセンブリによって高い格納清潔性が維持されるという点である。これは、内部セルの底部ロードポート、および、これに関連する外部ハウジングの容器移動手段の構成によって可能となり、その結果、外部ハウジング内に設置された状態にある内部セルに、放射性物質を安全かつ格納された状態で出し入れすることが可能となる。すでに述べたように、通気入口および排気管の構成が更に、高い格納清潔性の維持に貢献する。この高い格納清潔性と内部セルの交換可能性との組み合わせの結果として得られる重要な効果は、異なる放射性物質を用いた操作と操作との間に生じうるクロス汚染が避けられることである。
【0070】
さらに、すでに述べたように、内部セルは、同じ放射性物質を取り扱う場合は再利用することができ、廃棄する必要がない、という点も本発明の更なる効果である。これには、汚染除去の結果として生じる放射性廃棄物も減らすことができる、という効果もある。
本発明の更なる効果は、各内部セルに専用の取扱手段が設けられることである。これにより、選択的な取扱いができるとともに、他の供給物を、各セルで取扱う供給物に求められる条件に応じて、当該セルに提供することができる。このように、各内部セルの中で別々の取扱手段および供給手段を使用することで、アセンブリの汚染除去の必要は更に小さくなる。
【0071】
本発明のもう1つの効果として、内部セルの汚染除去が必要となっても、そうした汚染除去は、可撓性の装着手段(または覆い)を手袋に替え、更に当該手袋をDPTEポートに設置して行うことが可能であり、そのようにすれば、手動で汚染除去を行うことができる。
本発明のさらにもう1つの効果として、ロード用アセンブリの放射性物質容器移動手段が、容器またはポットを常に直立した状態で取り扱うように構成されており、それによって放射線被曝の危険が更に小さくなる。
【0072】
また、本アセンブリは、追加の遮蔽手段(Perspex(登録商標)やポリカーボネートスクリーンなど)を遮蔽能力の最も低い箇所に設けることもできる、という意味でより高い順応性を有し、それによって、放射線被曝からの更なる保護を実現する。
これらの効果の一端を示すために、出願人は、本発明による取扱アセンブリまたは施設のプロトタイプを用いて、内部セルの交換が、通常、1人または2人の人数により、4時間未満の時間で行えることを確認した。この交換作業には、取り外した内部セルから全ての取扱手段やその他の外部装置、そして供給用接続部を取り外す作業、そして、交替用内部セルの挿入、設置後にこれらを再装着する作業が含まれる。ただし、本来必要とされる容器チェック作業は含まれていない(そうしたチェック作業としては、内部セル周辺での放射線濃度の測定や、内部セルを外部ハウジングから取り外す際に内部セルの外側に生じうる汚染を調べるためのサンプル飛沫(sample smear)ふき取り作業がある)。加えて、入口および出口の換気ラインのそれぞれから外側フィルタ要素を切り離し、取り除く目的で、鉛製遮蔽部の特定の部分(換気ポートストッパー56.1、58.1など)を外側ハウジングから取り外す作業も行った。取り外した部分は、全部あわせても、プロトタイプの取扱い施設の外側ハウジング遮蔽に用いられる鉛の総量の約3%未満である。
【0073】
対照的に、本発明の有する交換可能な内部セルという特徴を備えていない従来の取扱い施設で、異なる放射性種別(radioactive species)の取扱い準備をしようとすれば、その準備には、次に使う種に用いる施設を除染し、用意するのに必要な作業が含まれ、当該作業を本技術分野における公知の基準に従って行う場合、通常で1週間以上、場合によっては数カ月を要する。この期間は、汚染種が施設の内壁にどの程度まで入り込んでいるか、または付着しているかによる。
【0074】
出願人はまた、典型的な内部セル収納スペースとして、6個以上の内部セルを収容することが可能で、最大で10mmの鉛にあたる遮蔽能力を備えたものについて、占有する床面積が、取扱アセンブリ自体の占有面積にほぼ等しいということも確認している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ハウジングと、
外部ハウジング内に着脱可能に設置することのできる、放射性物質用の格納取扱室が形成された内部セルと、
内部セルの外から操作して格納取扱室にある放射性物質を取り扱うことができる取扱手段と、を有し、
外部ハウジングおよび内部セルの少なくとも一方は、主に放射能を通さない遮蔽材から成ること、
を特徴とする放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項2】
取扱手段は、格納取扱室の内部の操作手段と、当該操作手段を内部セルの壁に接続する装着手段とから成り、装着手段は操作手段の移動を可能にするように構成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項3】
取扱手段用の制御手段を有し、使用時、当該制御手段は、格納取扱室から離れた位置から、取扱手段の動作を制御すること、
を特徴とする請求項2に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項4】
制御手段は制御棒を有し、当該制御棒の一方の端部は取扱手段に接続されており、当該制御棒の他方の端部は外部ハウジングの外に延びており、ユーザ制御インタフェースを備えていること、
を特徴とする請求項3に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項5】
制御棒は回動設置部を用いて外部ハウジングの壁に回動可能に設置されており、それによって取扱手段の回動運動の方向を定めること、
を特徴とする請求項4に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項6】
取扱手段を2つ備えており、当該2つの取扱手段は、平面図で見た場合に角度的に隔てられた状態になるように、内部セルに設置されていること、
を特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項7】
内部セルが外部ハウジング内に設置された状態にある時に格納取扱室の内部に格納され取り扱われる放射性物質の目視検査ができるように、外部ハウジングおよび内部セルに視界手段を有すること、
を特徴とする請求項6に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項8】
視界手段は内部セルおよび外部ハウジングの各々の設けられた1以上の窓の形を取り、内部セルが外部ハウジング内に設置された状態にある時、当該窓はアセンブリの外部の位置から格納取扱室までの視界を提供すること、
を特徴とする請求項7に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項9】
窓のうちの少なくとも1つは、少なくとも75mmの鉛に匹敵する放射線遮蔽能力を有する放射線不透過材料で成ること、
を特徴とする請求項8に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項10】
複数ある取扱手段は、内部セルおよび外部ハウジングの内部において異なる高さに位置しており、それによって当該取扱手段は垂直方向に隔てられていること、
を特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項11】
内部セルは、格納取扱室への材料の導入または材料の取り出しのために、格納取扱室アクセス手段を備えていること、
を特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項12】
格納取扱室アクセス手段は、内側扉および外側扉の一体構成物から成り、格納取扱室への材料の導入または材料の取り出しの間に格納取扱室の清潔性が損なわれるのを防止すること、
を特徴とする請求項11に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項13】
内部セルは、当該内部セルの底部から格納取扱室に材料をロードするための底部ロードポートと、当該底部ロードポートを格納取扱室の内部から閉じて密封する封止手段とを備えていること、
を特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項14】
外部ハウジングは、内部セルの底部ロードポートと関連する底部ロードポートアクセス手段を備え、内部セルが外部ハウジング内部に設置された状態にある時、当該底部ロードポートアクセス手段によって、放射性物質取扱アセンブリの外部から内部セルの底部ロードポートへのアクセスを可能にすること、
を特徴とする請求項13に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項15】
容器を底部ロードポートアクセス手段から底部ロードポートに連結する容器移動手段を有する容器ロード用アセンブリを、外部ハウジングに有すること、
を特徴とする請求項14に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項16】
容器ロード用アセンブリは、底部ロードポートに向けて容器を持ち上げるための持上げ手段を有すること、
を特徴とする請求項15に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項17】
容器ロード用アセンブリは、直径の異なる容器を底部ロードポートに連結するために、固有の径を有する容器について、当該容器の収容のために、持ち上げ手段にサイズ合わせ用の外側スペーサリングまたはスリーブが設置される構成となっており、
当該外側スペーサリングまたはスリーブは、底部ロードポート開口部並びに持ち上げ手段のキャリッジに合わせた一定の直径および形状を有すること、
を特徴とする請求項16に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項18】
内部セルは、格納取扱室に入る1以上の通気入口と格納取扱室から出る1以上の排気出口とを備え、通気入口および排気出口はそれぞれ入口フィルタ、出口フィルタを備えていること、
を特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の放射性物質取扱アセンブリ。
【請求項19】
内部で放射性物質を取扱うことを目的とした、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の放射性物質取扱アセンブリの操作方法であって、
放射性物質取扱アセンブリの外部ハウジングに内部セルを挿入する処理と、
外部ハウジングの外部の位置から内部セルの格納取扱室の内部の放射性物質を取扱う処理と、
外部ハウジングから内部セルを取り外す処理と、
を有することを特徴とする操作方法。
【請求項20】
初期または第1の内部セルを外部ハウジングから取り外した後に第2の内部セルを外部ハウジングに挿入し、第2の内部セルの格納取扱室の内部の第2の異なる放射性物質を取扱う処理を有し、第2の放射性物質は初期または第1の放射性物質とは異なること、
を特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−518785(P2012−518785A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550680(P2011−550680)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050619
【国際公開番号】WO2010/095079
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(508160923)ザ サウス アフリカン ニュークリア エナジー コーポレーション リミテッド (4)