放射線撮影システム及びその制御方法
【課題】撮影場所で放射線画像の通信品質の確認を確実に行い、不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を実現する。
【解決手段】放射線撮影装置130の放射線の照射領域に対してコリメータ光照射部114から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部131と、前記照射領域に対して放射線発生部110から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサ132と、放射線センサ132で検出した放射線画像を外部機器141に出力する画像通信部134と、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光した後に、画像通信部134から外部機器141へ出力する放射線画像の画像転送における通信品質を確認する制御部(133,120)を備えるようにする。
【解決手段】放射線撮影装置130の放射線の照射領域に対してコリメータ光照射部114から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部131と、前記照射領域に対して放射線発生部110から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサ132と、放射線センサ132で検出した放射線画像を外部機器141に出力する画像通信部134と、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光した後に、画像通信部134から外部機器141へ出力する放射線画像の画像転送における通信品質を確認する制御部(133,120)を備えるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光体と大画面用の固体撮像素子とを密着させて形成された放射線センサ、いわゆる、フラットパネルディテクタ(FPD)を用いて、放射線像を直接デジタル化して放射線画像を生成する放射線撮影装置が実用化されてきている。このようなデジタル方式を採用した放射線撮影装置は、従来のアナログ方式の放射線撮影装置に置き換わって広く使われてきている。
【0003】
ここで、従来の放射線撮影システムについて説明する。
図10は、従来の放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
図10に示す従来の放射線撮影システム1000は、放射線発生部1010と、放射線制御部1020と、放射線撮影装置1030と、外部画像装置1040とを有して構成されている。また、放射線撮影装置1030は、入射した放射線像を放射線画像として検出する放射線センサ部1031と、放射線センサ部1031で検出した放射線画像を送信する画像通信部1032を具備して構成されている。
【0004】
ここで、放射線発生部1010から放射線を曝射し撮影する場所を「放射線撮影室」とし、画像評価を行う場所を「読影室」とする。これらの2つの部屋は、間仕切り1050で分離されている。
【0005】
放射線撮影では、オペレータの被爆や誤爆を避けるために、放射線を曝射する場所(放射線撮影室)と、画像評価を行う場所(読影室)が分けられている。そのため、放射線撮影室で取得した画像を評価するには、放射線撮影室から読影室へ、つまり、放射線センサ部1031から画像通信部1032を介して外部画像装置1040へ画像転送する必要がある。
【0006】
このような放射線撮影システム1000では、画像通信部1032と外部画像装置1040との通信経路間に断線や障害があると、放射線撮影しても外部画像装置1040に放射線画像の表示や保存ができないことがある。そのため、撮影前に通信経路の異常を検知し、画像転送不良による撮影失敗を防ぐ方法が、従来、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−311935号公報
【特許文献2】特開2008−134057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の手法では、画像転送不良による撮影失敗を防げない場合がある。
以下では、放射線画像の通信経路に無線通信を利用した場合を例に、図11を用いて課題を説明する。
【0009】
図11は、従来の放射線撮影システムの課題を説明するための模式図である。ここで、図11において、図10に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
図11では、放射線撮影装置1030の画像通信部1032と外部画像装置1040との通信に無線信号を使用している。また、間仕切り1050によって「放射線撮影室」と「読影室」との間の無線通信が遮断できるものとする。
【0010】
図11(A)は、「読影室」で撮影前に画像通信経路の確認をしている様子を示している。一方、図11(B)は、「放射線撮影室」で撮影中の様子を示している。
【0011】
まず、図11(A)を説明する。
「放射線撮影室」には、放射線発生部1010と放射線の出力を制御する放射線制御部1020が配置されている。また、「読影室」には、放射線撮影装置1030及び外部画像装置1040が設置されている。画像通信部1032と外部画像装置1040との間の無線通信は可能であり、通信経路が確認できている様子を示している。画像通信が可能なので、「放射線撮影室」に放射線撮影装置1030を持ち込んで撮影を行うことにする。
【0012】
次に、図11(B)を説明する。
図11(B)は、「放射線撮影室」に「読影室」から放射線撮影装置1030を持ち込んで、放射線撮影をしている様子を示す。
放射線センサ部1031は、放射線発生部1010から照射された放射線を受像して放射線画像を生成する。しかしながら、間仕切り1050によって無線通信が遮断されているため、放射線画像を画像通信部1032を介して外部画像装置1040に伝送できていない。
【0013】
このように、撮影前に画像転送状態を確認するだけでは不十分であることがわかる。
以上、無線通信の場合について説明したが、これに限定されるものではない。有線通信の場合でも、設置場所で外乱の影響が変化する場合、同様の問題が起こる。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、撮影場所で放射線画像の通信品質の確認を確実に行い、不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の放射線撮影システムは、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
本発明の放射線撮影システムにおける他の態様は、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して照射する識別光線照射部と、前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
また、本発明の放射線撮影システムにおけるその他の態様は、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して照射する識別光線照射部と、前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
また、本発明は、上述した放射線撮影システムの制御方法を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影場所で放射線画像の通信品質の確認を確実に行えるため、不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置の内部にコリメータ光受光部を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置の外部にコリメータ光受光部を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示し、図5に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示し、図7に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図10】従来の放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図11】従来の放射線撮影システムの課題を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に示す実施形態では、粒子線及び電磁放射線を含んだ放射線を用いた場合について説明する。ここで、粒子線の例としては、α線、β線、中性子線などが挙げられる。また、電磁放射線としては、γ線、X線などが挙げられる。但し、通常の単純撮影ではX線が用いられており、以下の実施形態では、X線のみを用いた撮影装置も含むものとする。
【0019】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
放射線撮影システム100は、図1に示すように、放射線発生部110と、制御部120と、放射線撮影装置130と、外部画像装置140とを有して構成されている。
【0020】
まず、放射線発生部110について説明する。
放射線発生部110は、放射線を発生する手段として機能し、不図示の被写体(即ち、被検者)に向けて放射線を照射する。放射線発生部110には、放射線管111と、コリメータ部113とが具備されている。
【0021】
放射線管111は、不図示の被写体に向けて放射線を照射する機能を有している。放射線管111は、後述するコリメータ光の照射後に、放射線焦点112から放射線を照射する。なお、放射線の照射は、制御部120からの制御信号に基づいて行なわれる。
【0022】
コリメータ部113は、コリメータ光照射部114と、反射鏡116と、ブレード117とを具備し、放射線を照準する機能(放射線照射エリアを示す機能)等を有する。
【0023】
コリメータ光照射部114は、放射線の照射前に放射線光路118と一致(又は、ほぼ一致)する可視光(コリメータ光)を照射する。これは、放射線の照射前に放射線光路118をオペレータに提示するためである。これにより、オペレータは、放射線の照準を把握できる。なお、放射線光路・コリメータ光路(118)は、一致(又はほぼ一致)させておく必要があるため、コリメータ光の光源115と反射鏡116との位置関係は、予め調整しておく。
【0024】
反射鏡116は、ハーフミラーとして機能し、放射線を透過し可視光のみを反射する。反射鏡116は、例えば、その断面幅が数mmのアルミニウム板で形成されている。ブレード117は、遮光板として機能し、放射線の照射領域を調整する。
【0025】
次に、放射線撮影装置130について説明する。
放射線撮影装置130は、コリメータ光受光部131と、放射線センサ132と、センサ制御部133と、画像通信部134とを具備して構成されている。放射線撮影装置130は、コリメータ光を受光する機能、放射線像を撮像する機能(放射線検出)、制御部120との間で通信を行う機能、外部画像装置140と通信を行う機能を有する。
【0026】
コリメータ光受光部131は、コリメータ光照射部114から照射されるコリメータ光を受光する。コリメータ光受光部131は、例えば、フォトダイオードなどで実現される。
【0027】
放射線センサ132は、放射線管111から照射され、被写体を透過した放射線に基づく電荷を蓄積する。これにより、放射線センサ132は、被写体の放射線画像を検出(取得)する。
【0028】
センサ制御部133は、放射線撮影装置130における動作を統括的に制御する。センサ制御部133は、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光した場合、放射線撮影装置130が撮影可能エリアに配置されたと判定する。また、センサ制御部133は、外部画像装置140の外部機器141と画像通信部134との間の通信品質の測定を行い、画像転送可能かを判定し、制御部120へ指示信号を送信する。通信品質の測定は、放射線撮影装置130が撮影可能エリアに配置された場合に実施する。
【0029】
具体的に、例えば、センサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送時間を測定する。そして、センサ制御部133は、測定時間が予め決められた時間内であれば転送可能と判定する。転送可能であれば、センサ制御部133は、制御部120に向けて放射線出力可能を示す指示信号を送信する。上記した画像転送時間の評価方法には、撮影画像と同じサイズのデータ、同じプロトコルでデータを送信し実測する方法や、撮影画像と異なるサイズのデータ、異なるプロトコルから予測する場合などがある。なお、本実施形態においては、放射線撮影装置130の画像通信部134と外部機器141とは画像データの送受信を無線で行っているものとする。
【0030】
次に、制御部120について説明する。
制御部120は、放射線を制御する手段として機能する。より詳細に、制御部120は、放射線やコリメータ光の照射を制御する機能(照射制御機能)と、放射線撮影装置130(センサ制御部133)と通信する機能を有する。
【0031】
また、制御部120は、放射線の照射や照射パルス幅のみならず、放射線の照射の可否の判定も行う。制御部120は、センサ制御部133から放射線出力可能を示す指示信号を受信した場合、放射線照射が可能と判断し、放射線発生部110に向けて放射線出力可能を示す指示信号を出力する。
【0032】
また、制御部120は、コリメータ光の照射強度やそのタイミングも制御する。コリメータ光は、一定(又は、ほぼ一定)の光強度を持つ信号であり、その光強度は、例えば、設置場所の環境光よりも強く設定される。したがって、センサ制御部133は、コリメータ光を、上述した通り、放射線撮影装置130(画像通信部134)における通信品質評価のトリガーとする。
【0033】
外部画像装置140は、外部機器141と、表示装置142と、記憶装置143とを具備して構成されている。外部機器141は、放射線撮影装置130の画像通信部134と画像データの送受信を行う。表示装置142は、例えば、外部機器141で受信した画像データに基づく画像の表示を行う。記憶装置143は、例えば、外部機器141で受信した画像データを記憶する。
【0034】
以上が、放射線撮影システム100における機能的な構成の一例についての説明である。なお、放射線撮影システム100には、1又は複数のコンピュータが内蔵される。当該コンピュータには、例えば、CPU等の主制御手段、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶手段が具備される。また、当該コンピュータには、ネットワークカード等の通信手段、キーボード、ディスプレイ又はタッチパネル等の入出力手段等、が具備されていてもよい。なお、これらの各構成手段は、バス等により接続され、主制御手段が記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで制御される。
【0035】
ここで、図2及び図3を用いて、図1に示す放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係の一例について説明する。
【0036】
まず、図2の説明を行う。
図2は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置130の内部にコリメータ光受光部131を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。ここでは、図2(A)〜図2(D)を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係について4通りの例を挙げて説明する。
【0037】
図2(A)の構成では、コリメータ光受光部131は、放射線センサ132の上側(放射線の照射側)の一部に配置されている。具体的には、コリメータ光受光部131は、放射線撮影装置130の外装201の部分に設けられている。図2(A)に示す構成の場合、コリメータ光受光部131が放射線撮影装置130の外装201に設けられるため、コリメータ光の受光を感度良く行える。
【0038】
図2(B)の構成では、上述した図2(A)と同様の位置に、コリメータ光受光部131が設けられている。図2(A)の構成と相違する点は、コリメータ光受光部131の配置面積が挙げられる。即ち、図2(B)の構成は、図2(A)の構成と比較して、大面積の光センサ(コリメータ光受光部131)が設けられている。コリメータ光受光部131の面積を、放射線センサ132の面積と一致(又は、ほぼ一致)させた場合、放射線の照射位置のずれをより明確に把握できることになる。
【0039】
図2(C)の構成では、上述した図2(A)と同様の位置に、コリメータ光受光部131が設けられている。図2(A)の構成と相違する点は、コリメータ光受光部131が分割配置されていることが挙げられる。放射線センサ132の上側にコリメータ光受光部131を配置した場合、放射線強度が減衰してしまうことがあり、撮影画像の感度が劣化してしまう可能性がある。そこで、図2(C)のように、コリメータ光受光部131を分割配置する。これにより、放射線強度の減衰を局所的に抑えられる。図2(C)の場合、コリメータ光受光部131を多点に2次元に配置しているため、放射線の照射位置のずれの把握が容易になる。また、図2(C)の構成では、図2(B)と比較した場合、放射線強度が減衰する領域を局所化できるため、画面全体の画質劣化を抑制できる。
【0040】
図2(D)の構成では、放射線センサ132の上側(放射線の照射側)にコリメータ光受光部131が配置されていない。具体的には、コリメータ光受光部131は、放射線センサ132において放射線の照射方向と直交する方向に沿って、放射線センサ132と並んで配置されている。図2(D)の構成は、例えば、コリメータ光受光部131の配置位置を起因とした放射線の減衰が大きい場合に有用である。図2(D)の構成では、放射線センサ132の上側には、コリメータ光の導波路(光路)のみが設けられており、コリメータ光受光部131は設けられていない。なお、コリメータ光の導波路には、放射線を透過し易い材料(例えば、放射線を透過し、可視光線を反射するハーフミラー(202))を用いればよい。このように構成することにより、図2(D)の構成においても、図2(C)の構成と同様に、放射線の照射位置のずれを把握できるとともに、撮影画像の感度の劣化も抑制できる。
【0041】
次に、図3の説明を行う。
図3は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置130の外部にコリメータ光受光部131を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。ここでは、図3(A)及び図3(B)を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係について2通りの例を挙げて説明する。
【0042】
図3(A)の構成では、放射線撮影装置130の表面でコリメータ光を反射させ、その反射光をコリメータ光受光部131で受光している。コリメータ光受光部131は、その位置が適宜調整され、反射光を受光可能な位置に配置される。図3(A)には、コリメータ光における反射光の光路の一部がコリメータ光路301として図示されている。図3(A)の場合、放射線撮影装置130の表面でコリメータ光を反射させるため、放射線センサ132の表面には、反射部材として、例えば、アルミフィルムが取り付けられる。なお、反射部材の表面の凹凸構造を適宜調節して、乱反射させてもよい。
【0043】
図3(B)の構成では、上述した図3(A)と同様に、放射線撮影装置130の外部にコリメータ光受光部131が設けられている。図3(B)の構成において、図3(A)の構成と相違する点としては、放射線撮影装置130の筺体の表面にコリメータ光受光部131を配置している点である。この際、放射線撮影装置130の筺体の表面における光全てを所定方向に反射させるのは難しく、反射成分の中には乱反射成分が含まれる。図3(B)の構成では、この乱反射成分をコリメータ光受光部131で受光する。このような方式であっても、コリメータ光を十分に受光できる。
【0044】
以上、図2及び図3を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係の一例について説明したが、本実施形態においては、いずれの構成を採用してもよい。また、ここで例示した構成以外であっても、放射線撮影装置130(放射線センサ132)及びコリメータ光受光部131において、放射線及びコリメータ光を受光できるのであれば、どのような構成であってもよい。
【0045】
次に、図4の説明を行う。
図4は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影システム100における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0046】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム100では、制御部120からコリメータ光照射部114に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114からコリメータ光の照射が開始される(S401)。
【0047】
続いて、放射線撮影装置130のコリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認されたか否かの判断を行う(S402)。この判断処理は、ステップS401のコリメータ光の照射の間に行われる。なお、コリメータ光の照射は、放射線撮影処理の終了まで継続して行われてもよく、照射期間は特に問わない。
【0048】
ここで、コリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認されない場合(S402/NO)、放射線撮影システム100は、再度、ステップS401の処理に戻る。
【0049】
一方、コリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認された場合(S402/YES)、続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S403)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0050】
続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、ステップS403で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S404)。具体的に、本実施形態では、ステップS404の判断は、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0051】
ここで、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S404/NO)、放射線撮影システム100は、再度、ステップS401の処理に戻る。
【0052】
一方、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S404/YES)、続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S405)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置130との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0053】
次いで、放射線撮影システム100は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム100では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0054】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S406)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図4に示すフローチャートの処理も終了する。
【0055】
上述した第1の実施形態では、撮影可能エリア内に放射線撮影装置130を配置し、照射されたコリメータ光を受光した後、画像転送の通信品質を評価して放射線撮影の可否を判断するようにしている。これにより、放射線撮影システム100では、撮影場所で画像の通信品質の確認を確実に行うことができ、簡便且つ確実に不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を行うことができる。
【0056】
なお、上述した第1の実施形態の説明では、コリメータ光の強度が一定(ほぼ一定)の信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、コリメータ光を変調して任意の信号を送信するようにしてもよい。また、例えば、PHM変調、PWM変調、それらの組み合わせなどを用いて固有情報を変調したコリメータ光を用いるように構成した場合、コリメータ光が環境光と同じ波長領域の光であっても、安定した制御を行えることになる。この場合、センサ制御部133は、コリメータ光受光部131の出力信号から変調光かを判断する機能を有する。また、例えばセンサ制御部133に復調する機能を備え、光に重畳される情報を取り出す構成にしてもよい。この場合には、より精度よくコリメータ光の受光を判断できる。
【0057】
センサ制御部133は、コリメータ光受光部131で受光した、放射線撮影装置130の照射範囲に照射されるコリメータ光に応じて、制御部120に通信をする。これは、コリメータ光受光部131で受光したコリメータ光が、通常の放射線撮影室で測定される光の強度以上である場合や、PHM変調、PWM変調等の変調された光である場合に、センサ制御部133は、コリメータ光受光部131で受光したコリメータ光に応じて、放射線撮影装置130の照射範囲に放射線撮影装置130が位置するかを判断できるためである。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、コリメータ光を放射線の照準にのみ使用している。放射線センサ位置の特定は、それ以外の構成を用いて行っている。ここでは、重複説明を避けるため、第1の実施形態と異なる点について重点的に説明する。
【0059】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。なお、図5に示す第2の実施形態に係る放射線撮影システム500において、図1に示す第1の実施形態に係る放射線撮影システム100と同様の構成については、同じ符号を付している。具体的に、相違点は、識別光線照射部510が新たに設けられ、また、放射線撮影装置からコリメータ光受光部131が除かれ、識別光線受光部531が設けられている点である。 ここで、コリメータ光受光部131が除かれ、識別光線受光部531が設けられた放射線撮影装置を、放射線撮影装置530とする。ここで、本実施形態では、識別光線受光部531は、放射線撮影装置530の内部に設けられているが、放射線撮影装置530の外部に設けられていてもよい。
【0060】
識別光線照射部510から照射される光線(例えば放射線IDを含む)は、指向性があり、且つ、コリメータ光と識別可能であればよい。この光線は、放射線撮影装置530の撮影可能エリアに向けて照射される。例えば、コリメータ光が赤色単色光(波長:900nm程度)であれば、識別光線照射部510から照射する光線には、青色単色光(波長:〜600nm程度)を利用すればよい。即ち、識別光線照射部510から照射する識別光線は、コリメータ光と波長の異なる光線である。識別光線照射部510は、コリメータ光と略同一エリアを青色単色光を用いて照射するように、その光路511が調整されている。
【0061】
次に、図6の説明を行う。
図6は、本発明の第2の実施形態を示し、図5に示す放射線撮影システム500における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0062】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム500では、制御部120からコリメータ光照射部114及び識別光線照射部510に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114から、例えば赤色単色光のコリメータ光の照射が開始される(S601)。また、これと同時に、識別光線照射部510から、例えば青色単色光の識別光線(例えば放射線IDを含む)の照射が開始される(S602)。第2の実施形態においては、上述した通り、コリメータ光は、オペレータが目視により放射線の照準を調整するために用いられる。なお、ステップS601におけるコリメータ光の照射は、必ずしも必要なく、コリメータ光を照射しないように構成してもよい。
【0063】
続いて、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の受光が確認されたか否かの判断を行う(S603)。放射線撮影装置530が撮影可能エリア内にあれば、当該放射線撮影装置530は、識別光線受光部531において、青色単色光の識別光線を受光する。これにより、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、青色単色光の識別光線の受光を検知する。青色単色光の識別光線を受光した放射線撮影装置530が、撮影に用いられる放射線撮影装置となる。
【0064】
ここで、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の青色単色光の受光が確認されない場合(S603/NO)、放射線撮影システム500は、再度、ステップS601及びS602の処理に戻る。
【0065】
一方、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の青色単色光の受光が確認された場合(S603/YES)、続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S604)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0066】
続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、ステップS604で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S605)。具体的に、本実施形態では、ステップS605の判断は、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0067】
ここで、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S605/NO)、放射線撮影システム500は、再度、ステップS601及びS602の処理に戻る。
【0068】
一方、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S605/YES)、続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S606)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置530との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0069】
次いで、放射線撮影システム500は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム500では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0070】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S607)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図6に示すフローチャートの処理も終了する。
【0071】
上述した第2の実施形態では、放射線発生部110に変更を加えずに、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
なお、識別光線受光部531の配置は、図2や図3においてコリメータ光受光部131の配置について説明した場合と同様に、適宜変更できる。例えば、多点センサであってもよいし、放射線撮影装置530の内部又は外部のいずれに設けられてもよい。
【0073】
また、上述した第2の実施形態の説明では、識別光線の強波長を変更する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、識別光線を変調して任意の信号を付与してもよい。また、例えば、PHM変調、PWM変調、それらの組み合わせなどを用いて固有情報を変調した識別光を用いるように構成した場合、識別光線が環境光と同じ波長領域の光であっても、安定した制御を行えることになる。この場合、センサ制御部133は、識別光線受光部531の出力信号から変調光かを判断する機能を有する。また、例えばセンサ制御部133に復調する機能を備え、光に重畳される情報を取り出す構成にしてもよい。この場合には、より精度よく識別光線の受光を判断できる。
【0074】
センサ制御部133は、識別光線受光部531で受光した、放射線撮影装置530の照射範囲に照射される識別光線に応じて、制御部120に通信をする。これは、識別光線受光部531で受光した識別光線が、通常の放射線撮影室で測定される光の波長と異なる場合や、PHM変調、PWM変調等の変調された光である場合に、センサ制御部133は、識別光線受光部531で受光した識別光線に応じて、放射線撮影装置530の照射範囲に放射線撮影装置530が位置するかを判断できるためである。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第2の実施形態で説明した識別光線照射部510及び識別光線受光部531に加えて、コリメータ光照射部114及びコリメータ光受光部131を用いる放射線撮影処理について説明する。
【0076】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。なお、図7に示す第3の実施形態に係る放射線撮影システム700において、図5に示す第2の実施形態に係る放射線撮影システム500と同様の構成については、同じ符号を付している。具体的に、相違点は、放射線撮影装置にコリメータ光受光部131が設けられる点である。ここで、コリメータ光受光部131が設けられた放射線撮影装置を、放射線撮影装置730とする。
【0077】
第3の実施形態に係る識別光線照射部510から照射される光線(例えば放射線IDを含む)は、指向性があり、且つ、コリメータ光と識別可能であればよい。但し、この光線は、第2の実施形態の場合よりも厳密に撮影可能エリアを指向する必要はなく、隣接する放射線センサ132と区別できる程度の指向性があればよい。放射線撮影装置730は、通常の使用環境下では、識別光線照射部510との間が1m以上離して設置されるため、識別光線照射部510から照射する光線には、例えば、赤外光(波長1um〜1mm)を利用すればよい。なお、第3の実施形態においては、この識別光線とコリメータ光とに基づいて、放射線撮影装置730の位置特定が行われる。例えば、識別光線照射部510から照射する光線が、例えば、赤外光(波長1um〜1mm)であれば、コリメータ光には、例えば、白色光(波長 400nm〜800nm)を利用すればよい。
【0078】
次に、図8の説明を行う。
図8は、本発明の第3の実施形態を示し、図7に示す放射線撮影システム700における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0079】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム700では、制御部120からコリメータ光照射部114及び識別光線照射部510に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114から、例えば白色光のコリメータ光の照射が開始される(S801)。また、これと同時に、識別光線照射部510から、例えば赤外光の識別光線(例えば放射線IDを含む)の照射が開始される(S802)。
【0080】
続いて、放射線撮影装置730の識別光線受光部531で識別光線の受光と、放射線撮影装置730のコリメータ光照射部114でコリメータ光の受光の両方が確認されたか否かの判断を行う(S803)。放射線撮影装置730が撮影可能エリア内にあれば、当該放射線撮影装置730は、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光し、これと同時に、識別光線受光部531で識別光線を受光する。そして、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、コリメータ光及び識別光線の両方の受光を(同時に)検知する。これら両方を(同時に)受光した放射線撮影装置730が、撮影に用いられる放射線撮影装置となる。
【0081】
ここで、放射線撮影装置730において、コリメータ光と識別光線との両方の(同時)受光が確認されない場合(S803/NO)、放射線撮影システム700は、再度、ステップS801及びS802の処理に戻る。
【0082】
一方、放射線撮影装置730において、コリメータ光と識別光線との両方の(同時)受光が確認された場合(S803/YES)、続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S804)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0083】
続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、ステップS804で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S805)。具体的に、本実施形態では、ステップS805の判断は、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0084】
ここで、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S805/NO)、放射線撮影システム700は、再度、ステップS801及びS802の処理に戻る。
【0085】
一方、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S805/YES)、続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S806)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置730との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0086】
次いで、放射線撮影システム700は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム700では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0087】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S807)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図8に示すフローチャートの処理も終了する。
【0088】
上述した第3の実施形態では、放射線発生部110に変更を加えずに、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第2の実施例と比較して、識別光線が照射される光路511の精度を低減しかつ、同様の効果を得ることができる。
【0089】
以上が本発明の代表的な実施形態の例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0090】
上述した第1〜第3の実施形態では、コリメータ光が可視光である場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、コリメータ光は、可視光を含む光であればよい。コリメータ光は、放射線の照準としてオペレータが目視確認するために可視光である方が望ましいが、放射線撮影装置の位置確認は、放射線撮影システム側で行うため、これに限られない。即ち、センシング可能な光線であればよく、可視外の紫外線や赤外線領域の光を利用してもよい。
【0091】
なお、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様を採ることもできる。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0092】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システム(例えばデジタル放射線撮影システム)の概略構成の一例を示す模式図である。
【0093】
図9において、放射線撮影室910は、放射線爆射による放射線撮影を行う部屋である。制御室920は、放射線撮影室910の近傍に設置される部屋である。
【0094】
放射線撮影装置911は、放射線に反応してデジタル放射線画像データを生成する装置である。放射線制御装置912は、放射線撮影装置911から受信したデジタル放射線画像データを画像処理装置921へ送信すると共に、放射線発生装置913からの放射線の発生を制御する。また、放射線発生装置913及びその放射線制御装置912は、複数存在してもよい。
【0095】
ここで、放射線撮影は、放射線撮影装置911を架台や臥台に固定設置して行うことが一般的であるが、より自由度の高い放射線撮影を行うために、放射線撮影装置911を機械的に固定せずフリーポジション状態で撮影する場合がある。このようなニーズのために、最近では、放射線撮影装置911と放射線制御装置912との間の接続を無線化し、放射線撮影装置911の設置自由度を改良したタイプのデジタル放射線撮影装置も製品化されている。
【0096】
ここで、識別光線照射部914は、放射線制御装置912と無線通信するための情報を含む無線パラメータを重畳した光を、放射線発生装置913の放射線の照射範囲に照射する。なお、識別光線照射部914は、コリメータ光そのものを使用することもできる。
【0097】
画像処理装置921は、画像処理を行うPC等の装置である。表示装置922は、画像処理装置921で画像処理が施されたデジタル放射線画像データに基づく放射線画像の表示を行う。基幹ネットワーク923は、画像処理装置921を接続する院内LAN等のネットワークである。
【0098】
アクセスポイント915は、無線通信部911bと対向して無線通信を行うと共に、放射線制御装置912や画像処理装置921とも通信を行う。また、放射線撮影装置911内には、バッテリー911aと、アクセスポイント915とIEEE802.11規格等を用いた無線通信を行う無線通信部911bとが必要となる。
【0099】
放射線撮影装置911内のセンサ制御部(不図示)は、放射線撮影装置911内の光受光部(不図示)で受光した放射線撮影装置911の照射範囲に照射される識別光線に重畳した無線パラメータに応じて無線通信部911bの設定を行う。これにより、放射線撮影装置911は、新たな無線通信によって、アクセスポイント915を介して放射線制御装置912と無線通信を確立する。
【0100】
ここで、放射線撮影装置911は、バッテリー911aから供給される電力で動作し、搭載された無線通信部911bとアクセスポイント915との間で無線通信を行うことにより、撮影した放射線画像データの送信や制御情報の授受を行う。有線接続部930は、識別光線照射部914と画像処理装置921とを接続するUSB等の有線の接続部である。また、有線接続部916は、放射線制御装置912とアクセスポイント915とを接続する有線の接続部である。
【0101】
これにより、無線通信で放射線撮影装置911の照射範囲にある放射線撮影装置911と放射線制御装置912との無線通信を確立し同期をとることが可能になる。また、無線通信に必要な情報を放射線撮影装置911の照射範囲にしか送らないようにするため、複数の放射線撮影装置が存在しても、放射線撮影装置911の照射範囲にある放射線撮影装置911としか通信を確立しない。
【0102】
このように、放射線撮影装置911内のセンサ制御部(不図示)は、放射線撮影装置911内の光受光部(不図示)で受光した放射線撮影装置911の照射範囲に照射される識別光線に重畳した情報に応じて、放射線制御装置912と通信をする。
【0103】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、被験者の放射線撮影を行う放射線撮影システム及びその制御方法に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0105】
100 放射線撮影システム、110 放射線発生部、111 放射線管、112 放射線焦点、113 コリメータ部、114 コリメータ光照射部、115 光源、116 反射鏡、117 ブレード、118 放射線光路・コリメータ光路、120 制御部、130 放射線撮影装置、131 コリメータ光受光部、132 放射線センサ、133 センサ制御部、134 画像通信部、140 外部画像装置、141 外部機器、142 表示装置、143 記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光体と大画面用の固体撮像素子とを密着させて形成された放射線センサ、いわゆる、フラットパネルディテクタ(FPD)を用いて、放射線像を直接デジタル化して放射線画像を生成する放射線撮影装置が実用化されてきている。このようなデジタル方式を採用した放射線撮影装置は、従来のアナログ方式の放射線撮影装置に置き換わって広く使われてきている。
【0003】
ここで、従来の放射線撮影システムについて説明する。
図10は、従来の放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
図10に示す従来の放射線撮影システム1000は、放射線発生部1010と、放射線制御部1020と、放射線撮影装置1030と、外部画像装置1040とを有して構成されている。また、放射線撮影装置1030は、入射した放射線像を放射線画像として検出する放射線センサ部1031と、放射線センサ部1031で検出した放射線画像を送信する画像通信部1032を具備して構成されている。
【0004】
ここで、放射線発生部1010から放射線を曝射し撮影する場所を「放射線撮影室」とし、画像評価を行う場所を「読影室」とする。これらの2つの部屋は、間仕切り1050で分離されている。
【0005】
放射線撮影では、オペレータの被爆や誤爆を避けるために、放射線を曝射する場所(放射線撮影室)と、画像評価を行う場所(読影室)が分けられている。そのため、放射線撮影室で取得した画像を評価するには、放射線撮影室から読影室へ、つまり、放射線センサ部1031から画像通信部1032を介して外部画像装置1040へ画像転送する必要がある。
【0006】
このような放射線撮影システム1000では、画像通信部1032と外部画像装置1040との通信経路間に断線や障害があると、放射線撮影しても外部画像装置1040に放射線画像の表示や保存ができないことがある。そのため、撮影前に通信経路の異常を検知し、画像転送不良による撮影失敗を防ぐ方法が、従来、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−311935号公報
【特許文献2】特開2008−134057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の手法では、画像転送不良による撮影失敗を防げない場合がある。
以下では、放射線画像の通信経路に無線通信を利用した場合を例に、図11を用いて課題を説明する。
【0009】
図11は、従来の放射線撮影システムの課題を説明するための模式図である。ここで、図11において、図10に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
図11では、放射線撮影装置1030の画像通信部1032と外部画像装置1040との通信に無線信号を使用している。また、間仕切り1050によって「放射線撮影室」と「読影室」との間の無線通信が遮断できるものとする。
【0010】
図11(A)は、「読影室」で撮影前に画像通信経路の確認をしている様子を示している。一方、図11(B)は、「放射線撮影室」で撮影中の様子を示している。
【0011】
まず、図11(A)を説明する。
「放射線撮影室」には、放射線発生部1010と放射線の出力を制御する放射線制御部1020が配置されている。また、「読影室」には、放射線撮影装置1030及び外部画像装置1040が設置されている。画像通信部1032と外部画像装置1040との間の無線通信は可能であり、通信経路が確認できている様子を示している。画像通信が可能なので、「放射線撮影室」に放射線撮影装置1030を持ち込んで撮影を行うことにする。
【0012】
次に、図11(B)を説明する。
図11(B)は、「放射線撮影室」に「読影室」から放射線撮影装置1030を持ち込んで、放射線撮影をしている様子を示す。
放射線センサ部1031は、放射線発生部1010から照射された放射線を受像して放射線画像を生成する。しかしながら、間仕切り1050によって無線通信が遮断されているため、放射線画像を画像通信部1032を介して外部画像装置1040に伝送できていない。
【0013】
このように、撮影前に画像転送状態を確認するだけでは不十分であることがわかる。
以上、無線通信の場合について説明したが、これに限定されるものではない。有線通信の場合でも、設置場所で外乱の影響が変化する場合、同様の問題が起こる。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、撮影場所で放射線画像の通信品質の確認を確実に行い、不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の放射線撮影システムは、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
本発明の放射線撮影システムにおける他の態様は、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して照射する識別光線照射部と、前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
また、本発明の放射線撮影システムにおけるその他の態様は、放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して照射する識別光線照射部と、前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認する。
また、本発明は、上述した放射線撮影システムの制御方法を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影場所で放射線画像の通信品質の確認を確実に行えるため、不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置の内部にコリメータ光受光部を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置の外部にコリメータ光受光部を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示し、図5に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示し、図7に示す放射線撮影システムにおける動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図10】従来の放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図11】従来の放射線撮影システムの課題を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。なお、以下に示す実施形態では、粒子線及び電磁放射線を含んだ放射線を用いた場合について説明する。ここで、粒子線の例としては、α線、β線、中性子線などが挙げられる。また、電磁放射線としては、γ線、X線などが挙げられる。但し、通常の単純撮影ではX線が用いられており、以下の実施形態では、X線のみを用いた撮影装置も含むものとする。
【0019】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。
放射線撮影システム100は、図1に示すように、放射線発生部110と、制御部120と、放射線撮影装置130と、外部画像装置140とを有して構成されている。
【0020】
まず、放射線発生部110について説明する。
放射線発生部110は、放射線を発生する手段として機能し、不図示の被写体(即ち、被検者)に向けて放射線を照射する。放射線発生部110には、放射線管111と、コリメータ部113とが具備されている。
【0021】
放射線管111は、不図示の被写体に向けて放射線を照射する機能を有している。放射線管111は、後述するコリメータ光の照射後に、放射線焦点112から放射線を照射する。なお、放射線の照射は、制御部120からの制御信号に基づいて行なわれる。
【0022】
コリメータ部113は、コリメータ光照射部114と、反射鏡116と、ブレード117とを具備し、放射線を照準する機能(放射線照射エリアを示す機能)等を有する。
【0023】
コリメータ光照射部114は、放射線の照射前に放射線光路118と一致(又は、ほぼ一致)する可視光(コリメータ光)を照射する。これは、放射線の照射前に放射線光路118をオペレータに提示するためである。これにより、オペレータは、放射線の照準を把握できる。なお、放射線光路・コリメータ光路(118)は、一致(又はほぼ一致)させておく必要があるため、コリメータ光の光源115と反射鏡116との位置関係は、予め調整しておく。
【0024】
反射鏡116は、ハーフミラーとして機能し、放射線を透過し可視光のみを反射する。反射鏡116は、例えば、その断面幅が数mmのアルミニウム板で形成されている。ブレード117は、遮光板として機能し、放射線の照射領域を調整する。
【0025】
次に、放射線撮影装置130について説明する。
放射線撮影装置130は、コリメータ光受光部131と、放射線センサ132と、センサ制御部133と、画像通信部134とを具備して構成されている。放射線撮影装置130は、コリメータ光を受光する機能、放射線像を撮像する機能(放射線検出)、制御部120との間で通信を行う機能、外部画像装置140と通信を行う機能を有する。
【0026】
コリメータ光受光部131は、コリメータ光照射部114から照射されるコリメータ光を受光する。コリメータ光受光部131は、例えば、フォトダイオードなどで実現される。
【0027】
放射線センサ132は、放射線管111から照射され、被写体を透過した放射線に基づく電荷を蓄積する。これにより、放射線センサ132は、被写体の放射線画像を検出(取得)する。
【0028】
センサ制御部133は、放射線撮影装置130における動作を統括的に制御する。センサ制御部133は、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光した場合、放射線撮影装置130が撮影可能エリアに配置されたと判定する。また、センサ制御部133は、外部画像装置140の外部機器141と画像通信部134との間の通信品質の測定を行い、画像転送可能かを判定し、制御部120へ指示信号を送信する。通信品質の測定は、放射線撮影装置130が撮影可能エリアに配置された場合に実施する。
【0029】
具体的に、例えば、センサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送時間を測定する。そして、センサ制御部133は、測定時間が予め決められた時間内であれば転送可能と判定する。転送可能であれば、センサ制御部133は、制御部120に向けて放射線出力可能を示す指示信号を送信する。上記した画像転送時間の評価方法には、撮影画像と同じサイズのデータ、同じプロトコルでデータを送信し実測する方法や、撮影画像と異なるサイズのデータ、異なるプロトコルから予測する場合などがある。なお、本実施形態においては、放射線撮影装置130の画像通信部134と外部機器141とは画像データの送受信を無線で行っているものとする。
【0030】
次に、制御部120について説明する。
制御部120は、放射線を制御する手段として機能する。より詳細に、制御部120は、放射線やコリメータ光の照射を制御する機能(照射制御機能)と、放射線撮影装置130(センサ制御部133)と通信する機能を有する。
【0031】
また、制御部120は、放射線の照射や照射パルス幅のみならず、放射線の照射の可否の判定も行う。制御部120は、センサ制御部133から放射線出力可能を示す指示信号を受信した場合、放射線照射が可能と判断し、放射線発生部110に向けて放射線出力可能を示す指示信号を出力する。
【0032】
また、制御部120は、コリメータ光の照射強度やそのタイミングも制御する。コリメータ光は、一定(又は、ほぼ一定)の光強度を持つ信号であり、その光強度は、例えば、設置場所の環境光よりも強く設定される。したがって、センサ制御部133は、コリメータ光を、上述した通り、放射線撮影装置130(画像通信部134)における通信品質評価のトリガーとする。
【0033】
外部画像装置140は、外部機器141と、表示装置142と、記憶装置143とを具備して構成されている。外部機器141は、放射線撮影装置130の画像通信部134と画像データの送受信を行う。表示装置142は、例えば、外部機器141で受信した画像データに基づく画像の表示を行う。記憶装置143は、例えば、外部機器141で受信した画像データを記憶する。
【0034】
以上が、放射線撮影システム100における機能的な構成の一例についての説明である。なお、放射線撮影システム100には、1又は複数のコンピュータが内蔵される。当該コンピュータには、例えば、CPU等の主制御手段、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶手段が具備される。また、当該コンピュータには、ネットワークカード等の通信手段、キーボード、ディスプレイ又はタッチパネル等の入出力手段等、が具備されていてもよい。なお、これらの各構成手段は、バス等により接続され、主制御手段が記憶手段に記憶されたプログラムを実行することで制御される。
【0035】
ここで、図2及び図3を用いて、図1に示す放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係の一例について説明する。
【0036】
まず、図2の説明を行う。
図2は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置130の内部にコリメータ光受光部131を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。ここでは、図2(A)〜図2(D)を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係について4通りの例を挙げて説明する。
【0037】
図2(A)の構成では、コリメータ光受光部131は、放射線センサ132の上側(放射線の照射側)の一部に配置されている。具体的には、コリメータ光受光部131は、放射線撮影装置130の外装201の部分に設けられている。図2(A)に示す構成の場合、コリメータ光受光部131が放射線撮影装置130の外装201に設けられるため、コリメータ光の受光を感度良く行える。
【0038】
図2(B)の構成では、上述した図2(A)と同様の位置に、コリメータ光受光部131が設けられている。図2(A)の構成と相違する点は、コリメータ光受光部131の配置面積が挙げられる。即ち、図2(B)の構成は、図2(A)の構成と比較して、大面積の光センサ(コリメータ光受光部131)が設けられている。コリメータ光受光部131の面積を、放射線センサ132の面積と一致(又は、ほぼ一致)させた場合、放射線の照射位置のずれをより明確に把握できることになる。
【0039】
図2(C)の構成では、上述した図2(A)と同様の位置に、コリメータ光受光部131が設けられている。図2(A)の構成と相違する点は、コリメータ光受光部131が分割配置されていることが挙げられる。放射線センサ132の上側にコリメータ光受光部131を配置した場合、放射線強度が減衰してしまうことがあり、撮影画像の感度が劣化してしまう可能性がある。そこで、図2(C)のように、コリメータ光受光部131を分割配置する。これにより、放射線強度の減衰を局所的に抑えられる。図2(C)の場合、コリメータ光受光部131を多点に2次元に配置しているため、放射線の照射位置のずれの把握が容易になる。また、図2(C)の構成では、図2(B)と比較した場合、放射線強度が減衰する領域を局所化できるため、画面全体の画質劣化を抑制できる。
【0040】
図2(D)の構成では、放射線センサ132の上側(放射線の照射側)にコリメータ光受光部131が配置されていない。具体的には、コリメータ光受光部131は、放射線センサ132において放射線の照射方向と直交する方向に沿って、放射線センサ132と並んで配置されている。図2(D)の構成は、例えば、コリメータ光受光部131の配置位置を起因とした放射線の減衰が大きい場合に有用である。図2(D)の構成では、放射線センサ132の上側には、コリメータ光の導波路(光路)のみが設けられており、コリメータ光受光部131は設けられていない。なお、コリメータ光の導波路には、放射線を透過し易い材料(例えば、放射線を透過し、可視光線を反射するハーフミラー(202))を用いればよい。このように構成することにより、図2(D)の構成においても、図2(C)の構成と同様に、放射線の照射位置のずれを把握できるとともに、撮影画像の感度の劣化も抑制できる。
【0041】
次に、図3の説明を行う。
図3は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影装置130の外部にコリメータ光受光部131を設けた場合の概略構成の一例を示す模式図である。ここでは、図3(A)及び図3(B)を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係について2通りの例を挙げて説明する。
【0042】
図3(A)の構成では、放射線撮影装置130の表面でコリメータ光を反射させ、その反射光をコリメータ光受光部131で受光している。コリメータ光受光部131は、その位置が適宜調整され、反射光を受光可能な位置に配置される。図3(A)には、コリメータ光における反射光の光路の一部がコリメータ光路301として図示されている。図3(A)の場合、放射線撮影装置130の表面でコリメータ光を反射させるため、放射線センサ132の表面には、反射部材として、例えば、アルミフィルムが取り付けられる。なお、反射部材の表面の凹凸構造を適宜調節して、乱反射させてもよい。
【0043】
図3(B)の構成では、上述した図3(A)と同様に、放射線撮影装置130の外部にコリメータ光受光部131が設けられている。図3(B)の構成において、図3(A)の構成と相違する点としては、放射線撮影装置130の筺体の表面にコリメータ光受光部131を配置している点である。この際、放射線撮影装置130の筺体の表面における光全てを所定方向に反射させるのは難しく、反射成分の中には乱反射成分が含まれる。図3(B)の構成では、この乱反射成分をコリメータ光受光部131で受光する。このような方式であっても、コリメータ光を十分に受光できる。
【0044】
以上、図2及び図3を用いて、放射線撮影装置130におけるコリメータ光受光部131の配置関係の一例について説明したが、本実施形態においては、いずれの構成を採用してもよい。また、ここで例示した構成以外であっても、放射線撮影装置130(放射線センサ132)及びコリメータ光受光部131において、放射線及びコリメータ光を受光できるのであれば、どのような構成であってもよい。
【0045】
次に、図4の説明を行う。
図4は、本発明の第1の実施形態を示し、図1に示す放射線撮影システム100における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0046】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム100では、制御部120からコリメータ光照射部114に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114からコリメータ光の照射が開始される(S401)。
【0047】
続いて、放射線撮影装置130のコリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認されたか否かの判断を行う(S402)。この判断処理は、ステップS401のコリメータ光の照射の間に行われる。なお、コリメータ光の照射は、放射線撮影処理の終了まで継続して行われてもよく、照射期間は特に問わない。
【0048】
ここで、コリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認されない場合(S402/NO)、放射線撮影システム100は、再度、ステップS401の処理に戻る。
【0049】
一方、コリメータ光受光部131でコリメータ光の受光が確認された場合(S402/YES)、続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S403)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0050】
続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、ステップS403で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S404)。具体的に、本実施形態では、ステップS404の判断は、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0051】
ここで、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S404/NO)、放射線撮影システム100は、再度、ステップS401の処理に戻る。
【0052】
一方、ステップS403で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S404/YES)、続いて、放射線撮影装置130のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S405)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置130との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0053】
次いで、放射線撮影システム100は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム100では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0054】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S406)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図4に示すフローチャートの処理も終了する。
【0055】
上述した第1の実施形態では、撮影可能エリア内に放射線撮影装置130を配置し、照射されたコリメータ光を受光した後、画像転送の通信品質を評価して放射線撮影の可否を判断するようにしている。これにより、放射線撮影システム100では、撮影場所で画像の通信品質の確認を確実に行うことができ、簡便且つ確実に不要な放射線の曝射を抑制した放射線撮影を行うことができる。
【0056】
なお、上述した第1の実施形態の説明では、コリメータ光の強度が一定(ほぼ一定)の信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、コリメータ光を変調して任意の信号を送信するようにしてもよい。また、例えば、PHM変調、PWM変調、それらの組み合わせなどを用いて固有情報を変調したコリメータ光を用いるように構成した場合、コリメータ光が環境光と同じ波長領域の光であっても、安定した制御を行えることになる。この場合、センサ制御部133は、コリメータ光受光部131の出力信号から変調光かを判断する機能を有する。また、例えばセンサ制御部133に復調する機能を備え、光に重畳される情報を取り出す構成にしてもよい。この場合には、より精度よくコリメータ光の受光を判断できる。
【0057】
センサ制御部133は、コリメータ光受光部131で受光した、放射線撮影装置130の照射範囲に照射されるコリメータ光に応じて、制御部120に通信をする。これは、コリメータ光受光部131で受光したコリメータ光が、通常の放射線撮影室で測定される光の強度以上である場合や、PHM変調、PWM変調等の変調された光である場合に、センサ制御部133は、コリメータ光受光部131で受光したコリメータ光に応じて、放射線撮影装置130の照射範囲に放射線撮影装置130が位置するかを判断できるためである。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、コリメータ光を放射線の照準にのみ使用している。放射線センサ位置の特定は、それ以外の構成を用いて行っている。ここでは、重複説明を避けるため、第1の実施形態と異なる点について重点的に説明する。
【0059】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。なお、図5に示す第2の実施形態に係る放射線撮影システム500において、図1に示す第1の実施形態に係る放射線撮影システム100と同様の構成については、同じ符号を付している。具体的に、相違点は、識別光線照射部510が新たに設けられ、また、放射線撮影装置からコリメータ光受光部131が除かれ、識別光線受光部531が設けられている点である。 ここで、コリメータ光受光部131が除かれ、識別光線受光部531が設けられた放射線撮影装置を、放射線撮影装置530とする。ここで、本実施形態では、識別光線受光部531は、放射線撮影装置530の内部に設けられているが、放射線撮影装置530の外部に設けられていてもよい。
【0060】
識別光線照射部510から照射される光線(例えば放射線IDを含む)は、指向性があり、且つ、コリメータ光と識別可能であればよい。この光線は、放射線撮影装置530の撮影可能エリアに向けて照射される。例えば、コリメータ光が赤色単色光(波長:900nm程度)であれば、識別光線照射部510から照射する光線には、青色単色光(波長:〜600nm程度)を利用すればよい。即ち、識別光線照射部510から照射する識別光線は、コリメータ光と波長の異なる光線である。識別光線照射部510は、コリメータ光と略同一エリアを青色単色光を用いて照射するように、その光路511が調整されている。
【0061】
次に、図6の説明を行う。
図6は、本発明の第2の実施形態を示し、図5に示す放射線撮影システム500における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0062】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム500では、制御部120からコリメータ光照射部114及び識別光線照射部510に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114から、例えば赤色単色光のコリメータ光の照射が開始される(S601)。また、これと同時に、識別光線照射部510から、例えば青色単色光の識別光線(例えば放射線IDを含む)の照射が開始される(S602)。第2の実施形態においては、上述した通り、コリメータ光は、オペレータが目視により放射線の照準を調整するために用いられる。なお、ステップS601におけるコリメータ光の照射は、必ずしも必要なく、コリメータ光を照射しないように構成してもよい。
【0063】
続いて、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の受光が確認されたか否かの判断を行う(S603)。放射線撮影装置530が撮影可能エリア内にあれば、当該放射線撮影装置530は、識別光線受光部531において、青色単色光の識別光線を受光する。これにより、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、青色単色光の識別光線の受光を検知する。青色単色光の識別光線を受光した放射線撮影装置530が、撮影に用いられる放射線撮影装置となる。
【0064】
ここで、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の青色単色光の受光が確認されない場合(S603/NO)、放射線撮影システム500は、再度、ステップS601及びS602の処理に戻る。
【0065】
一方、放射線撮影装置530の識別光線受光部531で識別光線の青色単色光の受光が確認された場合(S603/YES)、続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S604)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0066】
続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、ステップS604で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S605)。具体的に、本実施形態では、ステップS605の判断は、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0067】
ここで、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S605/NO)、放射線撮影システム500は、再度、ステップS601及びS602の処理に戻る。
【0068】
一方、ステップS604で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S605/YES)、続いて、放射線撮影装置530のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S606)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置530との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0069】
次いで、放射線撮影システム500は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム500では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0070】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S607)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図6に示すフローチャートの処理も終了する。
【0071】
上述した第2の実施形態では、放射線発生部110に変更を加えずに、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
なお、識別光線受光部531の配置は、図2や図3においてコリメータ光受光部131の配置について説明した場合と同様に、適宜変更できる。例えば、多点センサであってもよいし、放射線撮影装置530の内部又は外部のいずれに設けられてもよい。
【0073】
また、上述した第2の実施形態の説明では、識別光線の強波長を変更する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、識別光線を変調して任意の信号を付与してもよい。また、例えば、PHM変調、PWM変調、それらの組み合わせなどを用いて固有情報を変調した識別光を用いるように構成した場合、識別光線が環境光と同じ波長領域の光であっても、安定した制御を行えることになる。この場合、センサ制御部133は、識別光線受光部531の出力信号から変調光かを判断する機能を有する。また、例えばセンサ制御部133に復調する機能を備え、光に重畳される情報を取り出す構成にしてもよい。この場合には、より精度よく識別光線の受光を判断できる。
【0074】
センサ制御部133は、識別光線受光部531で受光した、放射線撮影装置530の照射範囲に照射される識別光線に応じて、制御部120に通信をする。これは、識別光線受光部531で受光した識別光線が、通常の放射線撮影室で測定される光の波長と異なる場合や、PHM変調、PWM変調等の変調された光である場合に、センサ制御部133は、識別光線受光部531で受光した識別光線に応じて、放射線撮影装置530の照射範囲に放射線撮影装置530が位置するかを判断できるためである。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、第2の実施形態で説明した識別光線照射部510及び識別光線受光部531に加えて、コリメータ光照射部114及びコリメータ光受光部131を用いる放射線撮影処理について説明する。
【0076】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る放射線撮影システムの概略構成の一例を示す模式図である。なお、図7に示す第3の実施形態に係る放射線撮影システム700において、図5に示す第2の実施形態に係る放射線撮影システム500と同様の構成については、同じ符号を付している。具体的に、相違点は、放射線撮影装置にコリメータ光受光部131が設けられる点である。ここで、コリメータ光受光部131が設けられた放射線撮影装置を、放射線撮影装置730とする。
【0077】
第3の実施形態に係る識別光線照射部510から照射される光線(例えば放射線IDを含む)は、指向性があり、且つ、コリメータ光と識別可能であればよい。但し、この光線は、第2の実施形態の場合よりも厳密に撮影可能エリアを指向する必要はなく、隣接する放射線センサ132と区別できる程度の指向性があればよい。放射線撮影装置730は、通常の使用環境下では、識別光線照射部510との間が1m以上離して設置されるため、識別光線照射部510から照射する光線には、例えば、赤外光(波長1um〜1mm)を利用すればよい。なお、第3の実施形態においては、この識別光線とコリメータ光とに基づいて、放射線撮影装置730の位置特定が行われる。例えば、識別光線照射部510から照射する光線が、例えば、赤外光(波長1um〜1mm)であれば、コリメータ光には、例えば、白色光(波長 400nm〜800nm)を利用すればよい。
【0078】
次に、図8の説明を行う。
図8は、本発明の第3の実施形態を示し、図7に示す放射線撮影システム700における動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、放射線撮影を行う場合の動作を例に挙げて説明する。
【0079】
放射線撮影が開始されると、まず、放射線撮影システム700では、制御部120からコリメータ光照射部114及び識別光線照射部510に対して制御信号を送信する。これにより、コリメータ光照射部114から、例えば白色光のコリメータ光の照射が開始される(S801)。また、これと同時に、識別光線照射部510から、例えば赤外光の識別光線(例えば放射線IDを含む)の照射が開始される(S802)。
【0080】
続いて、放射線撮影装置730の識別光線受光部531で識別光線の受光と、放射線撮影装置730のコリメータ光照射部114でコリメータ光の受光の両方が確認されたか否かの判断を行う(S803)。放射線撮影装置730が撮影可能エリア内にあれば、当該放射線撮影装置730は、コリメータ光受光部131でコリメータ光を受光し、これと同時に、識別光線受光部531で識別光線を受光する。そして、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、コリメータ光及び識別光線の両方の受光を(同時に)検知する。これら両方を(同時に)受光した放射線撮影装置730が、撮影に用いられる放射線撮影装置となる。
【0081】
ここで、放射線撮影装置730において、コリメータ光と識別光線との両方の(同時)受光が確認されない場合(S803/NO)、放射線撮影システム700は、再度、ステップS801及びS802の処理に戻る。
【0082】
一方、放射線撮影装置730において、コリメータ光と識別光線との両方の(同時)受光が確認された場合(S803/YES)、続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、画像通信部134と外部機器141との間の画像転送に係る通信品質の評価を行う(S804)。ここでは、通信品質の評価に際して、例えば、画像通信部134と外部機器141との間での画像転送時間を測定する。
【0083】
続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、ステップS804で評価した画像転送に係る通信品質に基づいて、画像通信部134と外部機器141との間で画像転送可能であるか否かを判断する(S805)。具体的に、本実施形態では、ステップS805の判断は、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内であるか否かにより行われる。
【0084】
ここで、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間よりも長い場合(S805/NO)、放射線撮影システム700は、再度、ステップS801及びS802の処理に戻る。
【0085】
一方、ステップS804で測定した画像転送時間が予め決められた画像転送時間以内である場合(S805/YES)、続いて、放射線撮影装置730のセンサ制御部133は、制御部120へ放射線出力可能を示す制御信号を送信する。そして、制御部120は、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影開始を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を開始し、放射線センサ132は、被写体(不図示)を透過した放射線を電荷として検出し、放射線撮影が実施される(S806)。なお、被写体は、放射線発生部110と放射線撮影装置730との間に配置された状態で放射線撮影が行われる。
【0086】
次いで、放射線撮影システム700は、制御部120において、放射線管111及びセンサ制御部133に対して撮影終了を示す制御信号を送信する。これにより、放射線管111は、放射線の照射を終了し、放射線センサ132は、放射線の検出を終了する。その後、放射線撮影システム700では、センサ制御部133において、放射線センサ132により検出された蓄積電荷に基づく放射線画像を取得してメモリ(不図示)へ格納する。
【0087】
続いて、センサ制御部133は、画像通信部134に対して、取得した放射線画像における画像転送の指示信号を送信する。これにより、画像通信部134は、外部画像装置140の外部機器141へ放射線画像を転送する(S807)。この画像転送処理が終了すると、放射線撮影処理が終了し、図8に示すフローチャートの処理も終了する。
【0088】
上述した第3の実施形態では、放射線発生部110に変更を加えずに、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第2の実施例と比較して、識別光線が照射される光路511の精度を低減しかつ、同様の効果を得ることができる。
【0089】
以上が本発明の代表的な実施形態の例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0090】
上述した第1〜第3の実施形態では、コリメータ光が可視光である場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、コリメータ光は、可視光を含む光であればよい。コリメータ光は、放射線の照準としてオペレータが目視確認するために可視光である方が望ましいが、放射線撮影装置の位置確認は、放射線撮影システム側で行うため、これに限られない。即ち、センシング可能な光線であればよく、可視外の紫外線や赤外線領域の光を利用してもよい。
【0091】
なお、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施態様を採ることもできる。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0092】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態に係る放射線撮影システム(例えばデジタル放射線撮影システム)の概略構成の一例を示す模式図である。
【0093】
図9において、放射線撮影室910は、放射線爆射による放射線撮影を行う部屋である。制御室920は、放射線撮影室910の近傍に設置される部屋である。
【0094】
放射線撮影装置911は、放射線に反応してデジタル放射線画像データを生成する装置である。放射線制御装置912は、放射線撮影装置911から受信したデジタル放射線画像データを画像処理装置921へ送信すると共に、放射線発生装置913からの放射線の発生を制御する。また、放射線発生装置913及びその放射線制御装置912は、複数存在してもよい。
【0095】
ここで、放射線撮影は、放射線撮影装置911を架台や臥台に固定設置して行うことが一般的であるが、より自由度の高い放射線撮影を行うために、放射線撮影装置911を機械的に固定せずフリーポジション状態で撮影する場合がある。このようなニーズのために、最近では、放射線撮影装置911と放射線制御装置912との間の接続を無線化し、放射線撮影装置911の設置自由度を改良したタイプのデジタル放射線撮影装置も製品化されている。
【0096】
ここで、識別光線照射部914は、放射線制御装置912と無線通信するための情報を含む無線パラメータを重畳した光を、放射線発生装置913の放射線の照射範囲に照射する。なお、識別光線照射部914は、コリメータ光そのものを使用することもできる。
【0097】
画像処理装置921は、画像処理を行うPC等の装置である。表示装置922は、画像処理装置921で画像処理が施されたデジタル放射線画像データに基づく放射線画像の表示を行う。基幹ネットワーク923は、画像処理装置921を接続する院内LAN等のネットワークである。
【0098】
アクセスポイント915は、無線通信部911bと対向して無線通信を行うと共に、放射線制御装置912や画像処理装置921とも通信を行う。また、放射線撮影装置911内には、バッテリー911aと、アクセスポイント915とIEEE802.11規格等を用いた無線通信を行う無線通信部911bとが必要となる。
【0099】
放射線撮影装置911内のセンサ制御部(不図示)は、放射線撮影装置911内の光受光部(不図示)で受光した放射線撮影装置911の照射範囲に照射される識別光線に重畳した無線パラメータに応じて無線通信部911bの設定を行う。これにより、放射線撮影装置911は、新たな無線通信によって、アクセスポイント915を介して放射線制御装置912と無線通信を確立する。
【0100】
ここで、放射線撮影装置911は、バッテリー911aから供給される電力で動作し、搭載された無線通信部911bとアクセスポイント915との間で無線通信を行うことにより、撮影した放射線画像データの送信や制御情報の授受を行う。有線接続部930は、識別光線照射部914と画像処理装置921とを接続するUSB等の有線の接続部である。また、有線接続部916は、放射線制御装置912とアクセスポイント915とを接続する有線の接続部である。
【0101】
これにより、無線通信で放射線撮影装置911の照射範囲にある放射線撮影装置911と放射線制御装置912との無線通信を確立し同期をとることが可能になる。また、無線通信に必要な情報を放射線撮影装置911の照射範囲にしか送らないようにするため、複数の放射線撮影装置が存在しても、放射線撮影装置911の照射範囲にある放射線撮影装置911としか通信を確立しない。
【0102】
このように、放射線撮影装置911内のセンサ制御部(不図示)は、放射線撮影装置911内の光受光部(不図示)で受光した放射線撮影装置911の照射範囲に照射される識別光線に重畳した情報に応じて、放射線制御装置912と通信をする。
【0103】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、被験者の放射線撮影を行う放射線撮影システム及びその制御方法に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0105】
100 放射線撮影システム、110 放射線発生部、111 放射線管、112 放射線焦点、113 コリメータ部、114 コリメータ光照射部、115 光源、116 反射鏡、117 ブレード、118 放射線光路・コリメータ光路、120 制御部、130 放射線撮影装置、131 コリメータ光受光部、132 放射線センサ、133 センサ制御部、134 画像通信部、140 外部画像装置、141 外部機器、142 表示装置、143 記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項2】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して照射する識別光線照射部と、
前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項3】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して照射する識別光線照射部と、
前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項4】
前記コリメータ光照射部は、変調した前記コリメータ光を照射し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で受光した当該コリメータ光を復調し、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
【請求項5】
前記コリメータ光受光部は、前記放射線撮影装置の内部または外部に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
【請求項6】
前記識別光線受光部は、前記放射線撮影装置の内部または外部に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の放射線撮影システム。
【請求項7】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光をコリメータ光受光部で受光するコリメータ光受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【請求項8】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して識別光線照射部から照射する識別光線照射ステップと、
前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を識別光線受光部で受光する識別光線受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【請求項9】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光をコリメータ光受光部で受光するコリメータ光受光ステップと、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して識別光線照射部から照射する識別光線照射ステップと、
前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を識別光線受光部で受光する識別光線受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【請求項1】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項2】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して照射する識別光線照射部と、
前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項3】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムであって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を受光するコリメータ光受光部と、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して照射する識別光線照射部と、
前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を受光する識別光線受光部と、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を検出する放射線センサと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に出力する通信部と、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項4】
前記コリメータ光照射部は、変調した前記コリメータ光を照射し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で受光した当該コリメータ光を復調し、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
【請求項5】
前記コリメータ光受光部は、前記放射線撮影装置の内部または外部に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮影システム。
【請求項6】
前記識別光線受光部は、前記放射線撮影装置の内部または外部に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の放射線撮影システム。
【請求項7】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光をコリメータ光受光部で受光するコリメータ光受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【請求項8】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記照射領域に対して識別光線照射部から照射する識別光線照射ステップと、
前記照射領域に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を識別光線受光部で受光する識別光線受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【請求項9】
放射線発生部の内部に設けられたコリメータ光照射部から照射されたコリメータ光を利用して前記放射線発生部から照射される放射線の放射線撮影装置における照射領域の照準を調整する放射線撮影システムの制御方法であって、
前記照射領域に対して前記コリメータ光照射部から照射されたコリメータ光をコリメータ光受光部で受光するコリメータ光受光ステップと、
前記コリメータ光と波長の異なる識別光線を前記放射線撮影装置に対して識別光線照射部から照射する識別光線照射ステップと、
前記放射線撮影装置に対して前記識別光線照射部から照射された識別光線を識別光線受光部で受光する識別光線受光ステップと、
前記照射領域に対して前記放射線発生部から照射された放射線に基づく電荷を蓄積して放射線画像を放射線センサで検出する検出ステップと、
前記放射線センサで検出した放射線画像を外部機器に通信部から出力する出力ステップと、
前記コリメータ光照射部による前記コリメータ光の照射、前記放射線発生部による前記放射線の照射、前記識別光線照射部による前記識別光線の照射および前記通信部による前記放射線画像の出力を制御部で制御する制御ステップと
を有し、
前記制御部は、前記コリメータ光受光部で前記コリメータ光を受光し且つ前記識別光線受光部で前記識別光線を受光した後に、前記通信部から前記外部機器へ出力する前記放射線画像の画像転送における通信品質を確認することを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−52084(P2013−52084A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191780(P2011−191780)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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