説明

放射能汚染植物より放射能除去方法及び放射能汚染水浄化装置

【課題】放射能汚染植物を処理できるようにする。
【解決手段】植物を粉砕して微粉末とし、水と酵素を入れて攪拌し、糖化液とする。この糖化液に放射性物質を吸着するフェロシアン化鉄等を入れて吸着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射能汚染植物を液体もしくは水溶液とする事で、高濃度放射能汚染液体もしくは水溶水から放射性物質を回収し高濃度放射能汚染液体、水溶液の放射能濃度を下げ、海、下水等へ放流、もしくは再利用できる規制値以下の低濃度放射能汚染液体、水溶液にし、副産物としてバイオエタノール、バイオディーゼルを製造するものである。
【背景技術】
【0002】
放射能汚染植物の処理は、多大な費用をかけ、地下深く埋めるか、コンクリートで固め、日本の場合青森県六ケ所村放射能廃棄物保管場所で保管する以外ない。しかし保管場所が一杯になっている。
【0003】
高濃度放射能汚染水にシアン化鉄など放射性物質を吸着する機能を持つ物質を入れ、当該物質に放射性物質を吸着させる事により沈澱させる。沈殿物回収後の放射能汚染水の放射能濃度は低濃度となり、再利用可能となる。本技術はフランスアレバ社を始め、東京工業大などが技術を確立させている。
【0004】
植物を微粉末化、酵素で糖化液を作り、つまり植物を液体化させ、糖化液を発酵、蒸留、エタノールを作る技術は確立されている。
【先行技術文献】
【特許文献1】特許出願平10−63693
【特許文献2】特願2006−290376
【発明の概要】

【発明が解決しようとしている課題】
【0004】
上記述べた通り放射能汚染植物の処理は、地下深く埋めるか、コンクリートで固める以外なく、埋め立てには、膨大な費用と埋め立て場所必要。国土の狭い日本で埋め立て地を求めるのは非常に困難。減容化は必須要件。
【0005】
放射能汚染植物を減容、放射能汚染植物より放射能を環境に負荷をかけることなく安全、大量、安価に除去しなければならない。放射能汚染植物より安全、大量、安価に除去するには液体、もしくは糖化液など水溶液にするのが最適。
放射能汚染植物を液体、水溶液にするには、植物を30〜50ミクロン程度に粉砕機で微粉末にしなければならない。植物を30〜50ミクロン程度に微粉末にする。微粉末1に対し水5と酵素を入れ、熱を加えながら、Ph調整、攪拌すると、微粉末は液体、糖化液となる。酵母で発酵、蒸留を繰り返すとエタノールが出来る。エタノール収率は10〜15%残りは糖化、発酵廃液と呼ばれる廃棄物となる。また酵素で糖化液になりきれない、つまり液体にならないリグニンなどが残渣物として残る。廃液と同じ、廃棄物が発生する。
【006】
以上述べた、技術は日本のみならず世界で生産されているバイオエタノール製造である。植物からエタノール技術は確立、生産されているが、植物が放射能に汚染されていない。既存技術をそのまま使うと人体へ放射能影響が大きく健康を損ない、周辺地域に放射能被害を起こす可能性大。
【0007】
既存の工場ではエタノール原料の植物を工場内外に置いている。植物は30〜70%水分を含有している。既存の工場では粉砕時、粉砕熱等で水蒸気となる。水蒸気は大気解放し、粉砕機から微粉末粉として出ており、工場内に飛散している。また、エタノールを生産した後の糖化、発酵廃液は、微生物処理等でBOD濃度を下げて、下水道等へ流し、糖化しきれないリグニン等残渣物は産業廃棄物として出す、工場内の焼却炉で焼却、もしくはベンチャー企業、産業技術総合研究所が共同で開発した、プラッチック充填材として、有効利用されている。
【0008】
高濃度放射能汚染水より、放射性物質を回収、低濃度放射能汚染水に出来る浄化装置技術はフランスアレバ社、東京工業大学などが確立している。アレバ社の浄化装置は東京電力福島原子力発電所事故により、流失している高濃度放射能汚染水浄化に採用され2011年6月に日量1200トン浄化する、浄化装置が稼働する。
【0009】
上記述べた通り、高濃度放射能汚染水より放射性物質除去する技術は確立、実績もあるので最も優れた技術である。しかし、当該技術を使うには、浄化装置は液体でなければならず、放射能汚染植物は個体であるので、まず、放射能汚染植物を液体にしなければならない。放射能汚染植物を液体にするには、酸もしくはアルカリで液体にする方法があるが、酸、アルカリ廃液処理にコストがかかり、大きな環境負荷をかける。植物を酵素で糖化液と呼ばれる液体にする方法がある。環境負荷は少なく、低コスト副産物としてエタノールが出来るメリットはあるが、放射能汚染されていない植物が原料として使われている。そのため、放射能対策がなされていないので、工程で使われている粉砕機から高濃度放射能汚染水蒸気、放射能付着粉塵が大気解放され、糖化、発酵廃液処理、タンク洗浄水、粉砕機など消耗品等廃棄物も放射能対策がなされていないので、既存技術プラントを使う事は出来ない。
【発明が解決するための手段】
【0010】
上記述べた通り酵素を用い植物を液体にする方法が、安全性が担保され、経済性確立、放射性物質大量処理が出来、副産物としてバイオエタノールが得られるなどメリットは大きいが、そのために、既存のプラント工程、使用装置をすべて放射能対策にし、放射能汚染された廃液、消耗品などの廃棄対策をなさねばならない。
【0011】
発明者は 鋭意研究を重ね、粉砕機など装置を密閉し、放射能付着粉塵、高濃度放射能汚染水蒸気を吸引ファンで、放射能対策した浄化装置に集める事で現在大気解放されている水蒸気、粉塵の対策が出来るようになった。集めた水蒸気は冷却して水にして放射能浄化装置で放射能を除去する。粉塵は次の工程の糖化タンクで液体とする。
【0012】
粉砕工程で植物を微粉末として糖化タンクに微粉末1水5と微粉末重量1/10〜1/20の重量の酵素を入れ、温度をかけPh調整しながら攪拌すると、微粉末は糖化液と呼ばれる液体となる。液体の中には酵素では液体にならないリグニン類が分散している。糖化液に酵母で発酵するとアルコールが出来る。アルコールを蒸留、蒸留を繰り返すか、もしくは膜分離でガソリン代替エタノールが出来る。
【0013】
糖化、発酵装置と高濃度放射能汚染水浄化装置とほぼ同じ。つまり、糖化、発酵、エタノール製造後の糖化、発酵廃液から放射能除去まで、1つの装置で出来る。1つの装置で糖化、発酵廃液から放射能除去出来る最大の利点は、糖化、発酵後タンク内を洗浄しなければならない。洗浄すると糖化、発酵廃液とタンク洗浄水が出る。放射能汚染植物を原料としているので、糖化、発酵廃液とタンク洗浄水は高濃度放射能水である。1つの装置で糖化、発酵、エタノール製造後の糖化、発酵廃液から放射能除去まで出来れば、高濃度放射能汚染水排出量を減少させ、高濃度放射能汚染水移動で発生する人体、環境へのリスクも軽減、装置の消耗品交換の頻度も少なくなり、放射能汚染廃棄物量も減少する。
【0014】
1つの装置を使うためには糖化、発酵後糖化、発酵廃液を循環ポンプで固液分離装置に入れる。発酵後糖化、発酵廃液からリグニン類を取り出し、保管する。固液分離装置から循環ポンプで糖化発酵廃液を元の装置に戻す。
【0015】
元の装置に戻した、高濃度汚染糖化、発酵廃液液にセシウム、ストロンチュームなど放射性物質を吸着する性質のフェロシアン化鉄、シアン化鉄、水酸化鉄などを入れ、放射性物質をフェロシアン化鉄、シアン化鉄、水酸化鉄などに吸着させる。
フェロシアン化鉄、シアン化鉄、水酸化鉄など以外で放射性物質を吸着させる機能がある物質であれば、他の物質を入れる事を妨げない。
【0016】
フェロシアン化鉄シアン化鉄、水酸化鉄などに吸着した放射性物質はジェリー状となり沈澱する。沈殿物を回収すると残りの水を、放射能濃度を約1/1000〜1/10000にする。
【0017】
発酵・蒸留・エタノールを作る事なく高濃度放射能汚染糖化液から、フェロシアン化鉄シアン化鉄、水酸化鉄などを使い、低濃度放射能汚染水にするのも任意である。
【発明の効果】
放射能汚染植物から放射能安全、大量、安価、環境負荷が少なく除去するには、液体にするのが、望ましい。酸、アルカリで溶かす方法は廃液処理コストが高く、環境負荷が大きい。酵素で液体にする方法が環境負荷は少なく、安全性、経済性、大量処理など実績がある。植物を液体にする方法として1番優れているが、生産工程で水蒸気、微粉砕前処理で粉塵を大気解放している。放射能汚染植物が原料なので、既存の装置を使うと高濃度水蒸気や放射能付着粉塵を大気解放する問題がある。本発明は放射能汚染植物を本発明の1つは粉砕機に水蒸気、粉麈回収装置を取り付けた事である。粉砕工程で作った、微粉末粉を糖化、発酵、蒸留タンクでエタノールを作るが、糖化、発酵廃液が残る。この糖化発酵廃液は高濃度放射能汚染水。同じタンクで放射能汚染水浄化する事は高濃度放射能汚染水移動による、リスクがなくなり、移動コストも不要になる。タンクの洗浄も1回になるので、高濃度放射能汚染洗浄水の発生量が50%削減出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。
本体1は糖化、発酵タンク、タンクは2の電熱シートで包まれる。3の攪拌で粉砕工程で作った植物を微粉粉1水5と微粉末重量1/10〜1/20の重量の酵素を入れ、5の温度をかけ6のPh調整しながら攪拌すると、微粉末は糖化液と呼ばれる液体となる。液体の中には酵素では液体にならないリグニン類が分散している。糖化液に酵母で発酵、7の蒸留管で蒸留するとアルコールが出来る。アルコールを蒸留、蒸留を繰り返すか、もしくは膜分離で8のガソリン代替エタノールが出来る。エタノール抽出後の糖化、発酵廃液を9の循環ポンプで10の固液分離装置へ入れる。糖化、発酵廃液中のリグニン類をリグニン類保管タンクに入れ、固液分離装置に残った廃液を循環ポンプで本体にもどす。戻した本体に6の薬剤投入入口からシアン化鉄などを入れ、高濃度放射能汚染糖化液から放射性物室を回収、低濃度放射能汚染水とする。エタノール製造の問題点を解決する事により、安全、安価、大量、大量処理可能な浄化装置が使用できるようになる事で経済性を確立させた意義は大きい。
【符号の説明】
【0017】
3 攪拌機
6 薬剤投入口
9 循環ポンプ
10 個液分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射能汚染植物の含有高濃度放射能汚染水を粉砕機で発生する水蒸気を大気に出す事なく、回収・冷却、高濃度放射能汚染水回収装置
【請求項2】
放射能汚染植物の含有高濃度放射能汚染水を粉砕機から飛散、放射能付着粉塵を大気に出す事なく、捕集、回収装置
【請求項3】
放射能汚染糖化、発酵液よりエタノール製造法及び装置
【請求項4】
糖化、発酵、蒸留、エタノール製造、高濃度放射能汚染糖化、発酵廃液浄化を同一装置で行い、安全、移動コストも不要になる。タンクの洗浄も1回になるので、高濃度放射能汚染洗浄水の発生量が50%削減できる装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−251986(P2012−251986A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138914(P2011−138914)
【出願日】平成23年6月5日(2011.6.5)
【出願人】(511152706)株式会社地球環境ソリューション研究所 (3)