説明

放熱パネル

【課題】居室の温度調節のために壁、天井などの内装面に敷設される放熱パネルであって、室内の模様替え等において意匠パネルの着脱が容易な放熱パネルを提供する。
【解決手段】放熱パネルは、水循環路が設けられたパネル本体1、当該パネル本体の四辺部に付設された縦横の枠部材2を備え、パネル本体1は、断熱材としての板状基材11、水循環路としての通水管13、板状基材11の表面に貼着された放熱シート14、当該放熱シートの表側に配置された意匠パネル15とから構成される。縦横の枠部材2は、柱構造の剛体部21の表面に沿ってパネル本体側に張出された回り縁22を備えている。パネル本体1は、板状基材11の背面が枠部材2に固定されており、意匠パネル15は、1つの枠部材2を外し、スライドさせて着脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱パネルに関するものであり、詳しくは、居室の温度調節のために壁や天井に敷設して温水や冷水を循環させる放熱パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
居室の暖房手段としては、フローリングの下地として温水マットを敷設し、給湯装置から温水マット内の水循環路に温水を供給することにより、フローリングからの輻射熱により室内を暖房する床暖房が普及している。また、上記の温水マットと同様の構造のパネルを居室の壁に設置し、パネルからの輻射熱によって暖房を行う「壁暖房パネル」も検討されている。そして、上記の様なパネルは、暖房に限らず、冷水を循環させることにより、冷房用のパネルとしても利用できる。すなわち、温熱や冷熱を放出する放熱パネルとして利用できる。特に、冷房用の放熱パネルとして使用する場合には天井への設置も有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−234341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の放熱パネルは、意匠的観点から、額縁状の枠に収容され且つ表側に意匠パネルが配置されているが、室内の模様替えやメンテナンスの際には、意匠パネルを交換したり、一時的に意匠パネルを取り外す必要がある。しかしながら、放熱パネルは、板状基材、放熱シート及び意匠パネルが積層されたパネル本体に対し、更に上記の枠を取り付けて構成されているため、意匠パネルだけを着脱するのに全体的に分解しなければならない言う問題がある。
【0005】
本発明は、上記の様な実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、居室の温度調節のために壁、天井などの内装面に敷設される放熱パネルであって、室内の模様替えやメンテナンスにおいて意匠パネルの着脱が容易な放熱パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明においては、パネル本体のうち、水循環路が設けられた板状基材側から意匠パネルを独立させ、かつ、パネル本体の四辺部に縦横の枠部材を付設して額縁状の枠を構成すると共に、枠部材として、パネル本体の外周部に回り縁をあてがう構造の部材を採用し、板状基材の背面を枠部材に固定することにより、1箇所の枠部材を取り外すだけで、意匠パネルだけをスライドさせて着脱できる様にした。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、居室の内装面に敷設され且つ温水または冷水の循環によって居室の温度調節を行う放熱パネルであって、平面形状を四角形に形成され且つ内部に水循環路が設けられたパネル本体と、当該パネル本体の四辺部に付設された縦横の枠部材とを備え、かつ、パネル本体は、断熱材としての板状基材と、当該板状基材の表側の溝に配置された水循環路としての通水管と、板状基材の表面に貼着された放熱シートと、当該放熱シートの表側に配置された意匠パネルとから構成されており、縦横の枠部材は、柱構造の剛体部の表面に沿ってパネル本体側に張出された回り縁を備え、パネル本体は、板状基材の背面が枠部材に固定されていることを特徴とする放熱パネルに存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の放熱パネルによれば、板状基材側から意匠パネルが独立しており、しかも、パネル本体の板状基材の背面が枠部材に固定されているため、1箇所の枠部材を取り外すだけで、意匠パネルだけをスライドさせて着脱でき、室内の模様替えやメンテナンスが極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る放熱パネルにおけるパネル本体、枠部材およびこれらの固定構造を示す断面図であり、図2のI−I線に沿って破断した図である。
【図2】本発明に係る放熱パネルの全体形状の一例を示す正面図である。
【図3】本発明に係る放熱パネルの全体形状の一例を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る放熱パネル(以下、「パネル」と略記する。)の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明においては、居室の壁や天井あるいは居室内のパネル設置可能な平面部分を内装面と称する。また、形状説明において、平面形状とは、部材を床上に置いて上面視した場合の形状を言い、例えば、パネルの平面形状とは、パネルを壁に適用した場合の当該パネルの正面形状、あるいは、パネルを天井に適用した場合の当該パネルの下面形状を指す。
【0011】
本発明のパネルは、居室の内装面に敷設され且つ温水または冷水の循環によって居室の温度調節を行うパネルであり、図2に示す様に、平面形状を四角形に形成され且つ内部に水循環路(通水管13)が設けられたパネル本体1と、パネル本体1の四辺部に付設された縦横の枠部材2とから主に構成されている。
【0012】
パネル本体1の平面形状は、通常、1辺が200〜3000mm程度の長方形または正方形に形成されている。図1に示す様に、パネル本体1は、発泡樹脂成形体から成る断熱材としての板状基材11と、当該板状基材の表側の溝12に配置された水循環路としての通水管13と、板状基材11の表側表面に貼着された放熱シート14と、当該放熱シートの表側に配置された意匠パネル15とから主として構成されている。そして、暖房用として使用する場合には、給湯装置(図示省略)から供給した温水を通水管13に循環させることにより、温水の熱を放熱シート14によって拡散し且つ意匠パネル15に伝達する様になされている。また、冷房用として使用する場合には、冷水製造装置(図示省略)から供給した冷水を通水管13に循環させることにより、冷水の冷熱を放熱シート14によって拡散し且つ室内に放出する様になされている。すなわち、室内側の温熱を放熱シート14によって吸収する様になされている。
【0013】
板状基材11は、平面形状を例えば細長の長方形に形成された厚さ7〜20mm程度の薄板状の発泡樹脂成形体の小片を多数配列して構成されている。発泡樹脂成形体としては、硬質ポリウレタン発泡体、硬質ポリエチレン発泡体、硬質ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリスチレンとポリエチレン混合物の発泡体などが使用されている。なお、図示しないが、板状基材11には、外部からの加圧力(意匠パネル15への衝撃)に対する強度を高めるため、木材または硬質発泡樹脂から成る幅40〜50mm程度の小割り状の根太状部材が所定の間隔で平行に挿入されていてもよい。
【0014】
通水管13は、放熱シート14に接触する状態で溝12に配置されている。通水管13としては、外径4〜10mm、内径4〜7mmの架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリプロピレン管、ポリエチレン管などの樹脂管が使用されている。また、パネル上面側への出力を高め且つ放熱効率を高めるため、通水管13の少なくとも一部分、例えば直線部は、その長さ方向に直交する断面がU字状に形成された樋状の金属製伝熱部材(図示省略)に収容されて上記の溝12に配置されていてもよい。
【0015】
図2においては、構造説明を簡単にするために、水循環路が1系統のパネルを例示しているが、通常、水循環路は、板状基材11の両端部で通水管13を多数回折り返すパターンで4〜12系統設けられている。その場合、板状基材11の例えば1つ端部近傍には、切込み構造のヘッダー取付部が設けられ、各通水管13は、当該ヘッダー取付部に配置された水分配回収用のヘッダー(図示省略)に繋ぎ込まれている。そして、各通水管13は、10〜50mm程度の配列ピッチで配列されている。上記の様に、ヘッダーを使用して水循環路を複数系統設けることにより、更に、通水管13を所定ピッチで配列することにより、各系統における温水または冷水の温度変化を少なくしてパネル全体で均一に放熱し且つ出力を高めることが出来る。
【0016】
図1では誇張して示されているが、放熱シート14は、厚さが通常は10〜200μm、好ましくは30〜100μmの熱伝導性に優れた可撓性のフィルム又はシート、例えば、アルミニウム箔、錫箔、銅箔、ステンレス鋼箔などの金属箔や金属製の織布や不織布で構成されている。放熱シート14は、板状基材11の表面に粘着剤や接着剤フィルム等によって貼着されている。
【0017】
意匠パネル15は、板状基材11や放熱シート14を保護し且つ意匠性を高めるため、放熱シート14の表側に配置されている。意匠パネル15は、放熱シート14から効率よく熱を伝達するために放熱シート14に接触した状態に配置されるが、当該意匠パネルだけを独立して着脱できる様に、放熱シート14から切り離された状態、すなわち、放熱シート14に貼着されていない状態で設けられている。なお、図1は、構造を明確に示すために、放熱シート14と意匠パネル15を離した状態で記載したものである。
【0018】
また、意匠パネル15は、後述する枠部材2の回り縁22と支え縁23の隙間にパネル本体1を挟持し、かつ、板状基材11や放熱シート14の損傷を防止するため、前述の放熱シート14及び板状基材11よりも広面積に形成されている。すなわち、意匠パネル15は、板状基材11から外側に幾分はみ出す大きさに形成されている。
【0019】
意匠パネル15は、金属や樹脂の薄板で構成されていてもよいが、例えば、厚さ0.8〜1.5mm程度の複合板で構成されている。斯かる複合板としては、金属シート/樹脂シート/金属シートの層構成を備えた複合板が挙げられる。上記の金属シートには、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅、チタン、錫、ニッケル等の金属または各種の合金から成る厚さ0.1〜0.2mm程度のシートが使用され、芯材の樹脂シートには、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリヒドロキシルエーテル、酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂から成る厚さ0.7〜1.0mm程度のシートが使用される。
【0020】
上記の様な複合板としては、例えば、ポリエチレン製芯材シートの両面にアルミニウムシートを積層して成る三菱樹脂社製の「アルポリック」(商品名)が好適であり、斯かる複合板によって意匠パネル15を構成した場合には、意匠パネル15を一層薄くして軽量化を図ることが出来かつ十分か熱伝導率を確保できる。また、意匠パネル15の表面は、印刷を含む塗装、フィルムコーティング、研磨仕上などによって意匠面として構成され、斯かる意匠面には、写真画像、絵柄、幾何学模様などが描かれていてもよい。更に、上記の意匠面は、幾何学的な凹凸模様、植物や自然を模った凹凸模様などの立体的意匠面に構成されていてもよい。
【0021】
図2に示す様に、パネル本体1の外周部は、縦横の枠部材2で囲まれており、縦横の枠部材2は、パネル本体1の角部に配置されたコーナー部材3で連結されている。図2中、符号2aが縦の枠部材を示し、符号2bが横の枠部材を示しており、これら縦横の枠部材2は、通常、アルミニウムの押出し型材で構成されている。枠部材2の幅は20〜30mm程度、パネル本体1の厚さに対応する枠部材2の厚さは10〜22mm程度に設計されている。枠部材2の表面は、塗装、フィルムコーティング、研磨仕上などによって意匠面として構成されている。
【0022】
図1に示す様に、縦横の枠部材2は、柱構造の剛体部21の表面に沿ってパネル本体1側に張出されて意匠パネル15の表面にあてがわれる回り縁22を備えている。具体的には、枠部材2は、柱構造、例えば略角パイプ状の中空柱構造の剛体部21と、当該剛体部の表面(図1における上面)及び背面(図1における下面)に沿ってパネル本体1側に回り縁22、24を各張出して構成されている。図に例示した剛体部21は、長手方向に直交する断面が略方形の管状に形成され、その表面(図1における上面)の一部は、意匠上の観点から、外側(パネル本体1と反対側)に向かうに従い漸次低くなる傾斜面に形成されている。符号2pは、枠部材2の両端部において開口する剛体部21の中空部を示している。
【0023】
また、表面側の回り縁22の先端縁には、意匠パネル15の表面と見切りをつけて意匠性を高め且つ安全性を確保するため、屈曲部22cが設けられている。表面側の回り縁22の張出し長さは、背面側の回り縁24の張出し長さの60〜85%に相当する長さに設定されている。そして、設置、メンテナンス、模様替え等の際に意匠パネル15の着脱を容易にするため、パネル本体1は、その外周部を枠部材2の2つの回り縁22、24によって挟持されている。
【0024】
更に、各枠部材2には、剛体部21から張出された2つの回り縁22、24の間に更にパネル本体1の意匠パネル15を裏面から支持する支え縁23が張出されている。支え縁23の張出し長さは、上記の様なメンテナンス等における施工性を考慮し、表面側の回り縁22よりも更に短い長さに設計されている。しかも、支え縁23は、パネル本体1における板状基材11から放熱シート14までの厚さ相当する距離だけ背面側の回り縁24から離間した位置に設けられている。
【0025】
すなわち、パネル本体1の意匠パネル15以外の部位、換言すれば、通水管13や放熱シート14を含む板状基材11は、背面側の回り縁24と支え縁23との間に収められ、意匠パネル15は、その周縁を回り縁22と支え縁23の隙間に収められている。上記の様に、意匠パネル15の周縁が回り縁22と支え縁23の隙間に収められた構造にいては、意匠パネル15に外側から力が加えられた場合でも、これを支え縁23で支持できるため、パネル本体1の板状基材11、通水管13および放熱シート14を一層確実に保護することが出来る。
【0026】
また、枠部材2は、回り縁22及び支え縁23の張出し長さの設定により、図1に示す様に、回り縁22と支え縁23で意匠パネル15を挟持した状態において、意匠パネル15の端部の外周側に隙間20が形成される様に構成されている。隙間20の大きさ、すなわち、回り縁22と支え縁23の間隙の奥探から意匠パネル15の端部までの距離(図1において隙間20の左右方向の長さ)は、当該距離方向に沿った意匠パネル15の長さ1mに対して1〜3mm程度の割合で設定されている。枠部材2の内部に上記の様な隙間20を設けることにより、例えば暖房時にパネル本体1に80℃の温水を循環させた場合でも、意匠パネル15の伸縮に対応することが出来る。
【0027】
上記の様な縦横の枠部材2は、平面形状をL字状に形成されたコーナー部材3で連結されている。コーナー部材3は、枠部材2の剛体部21の端部開口に対応して、長さ方向に直交する断面が略方形に形成されたバーをL字状に屈曲させた形状を備えており、隣接する枠部材2a、2bの各中空部2pに挿入する様になされている。なお、コーナー部材3は、枠部材2aと枠部材2bを連結し得る限り、各種の形状に設計できる。例えば、長さ方向に直交して切断された形状の両端部を備えた縦横の枠部材に適用するため、コーナー部材3は、縦横の枠部材の交差部分の空隙をうめる構造を備えていてもよく、また、コーナー部材自体を利用して内装面にパネルを取り付けるため、内装面固定用のねじ装着穴を有していてもよい。
【0028】
本発明においては、模様替えやメンテナンスの際、意匠パネル15だけを簡単に着脱するため、パネル本体1は、板状基材11の背面が枠部材2に固定されている。好ましくは、パネル本体1は、板状基材11の背面が枠部材2の背面側の回り縁24に固定されている。枠部材2の回り縁24に対する板状基材11の固定方法としては、回り縁24内面または板状基材11の周縁部背面側に接着剤や粘着材を添付する方法、回り縁24から板状基材11の背面にピン状の部材を突き刺す方法などが挙げられるが、組立時の施工性、模様替え等における取扱性を高める観点からは、図3に示す様に、テープ4による固定方法が好ましい。
【0029】
具体的には、図1に示す様に、板状基材11の背面は、枠部材2の背面側の回り縁24から当該板状基材の背面に架け渡して貼着されたテープ4により固定されている。テープ4としては、基材フィルム又は基材シートの一面に粘着剤層が設けられたテープが使用される。テープ4の基材のフィルム又はシートとしては、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、粘着剤としては、アクリル樹脂やブチルゴム等が挙げられる。
【0030】
本発明のパネルにおいては、上記の様なテープ4を使用することにより、板状基材11と枠部材2とを簡単に固定でき、また、簡単に分離できるため、板状基材11と枠部材2を固定する態様として、幾つかの態様を採用できる。例えば、図3に示す様に、パネル本体1の板状基材11は、上記のテープ4により、縦横の各枠部材2に固定されている。図3に示す様に板状基材11の4辺部を枠部材2に固定した場合には、パネルの全体形状が確実に保持されるため、パネルの設置や設置までの取扱いが容易である。
【0031】
また、パネル本体1の板状基材11は、上記のテープ4により、一対の縦の枠部材2aまたは一対の横の枠部材2bに固定されていてもよい。換言すれば、パネル本体1の縦または横の1組の平行な2辺部においては、テープ4により板状基材11と枠部材2とが締結されており、パネル本体1の他の1組の平行な2辺部においては、板状基材11と枠部材2が締結されていない状態、すなわち、パネル本体1の縁部が枠部材2で挟持されただけの状態になされている。板状基材11の2辺部を枠部材2に固定した場合には、板状基材11に締結されていない何れか1つの枠部材2をそのまま外せるため、意匠パネル15の着脱が一層容易である。
【0032】
本発明のパネルは、以下の様にして取り扱われる。すなわち、本発明のパネルを設置する場合には、例えば、温水供給・回収用の1組の連絡配管を給湯装置から壁面の所定位置まで引き回した後、パネルの通水管13基端のヘッダーに連絡配管を接続し、次いで、コーナー部材または支持金物を利用し、ねじによって壁面にパネルを固定する。
【0033】
一方、模様替えやメンテナンスのために意匠パネル15を取り外すには、先ず、固定用のねじを一部外してパネルを壁面から幾分浮かせるか、あるいは、固定用のねじを全て外してパネルを壁面から取り外し、次いで、所定の枠部材2を取り外す。
【0034】
具体的には、パネル本体1の板状基材11の背面が4辺部において枠部材2の回り縁24に固定されている場合には、意匠パネル15を引き出し易い側のテープ4を剥し、剥した部分の1つの枠部材2を取り外す。また、板状基材11の背面が2辺部において回り縁24に固定されている場合には、固定されていない側で且つ意匠パネル15を引き出し易い側の1つの枠部材2を取り外す。これにより、意匠パネル15をスライドさせて当該意匠パネルだけを取り外し、新たな意匠パネル15を逆の手順で差し込むことが出来る。
【0035】
上記の様に、本発明においては、板状基材11側から意匠パネル15が独立しており、そして、枠部材2の回り縁22、24によってパネル本体1の外周部が挟持され且つパネル本体1の板状基材11の背面が枠部材2の背面側の回り縁24に固定されているため、1箇所の枠部材2を取り外すだけで、意匠パネル15だけをスライドさせて着脱することが出来る。従って、室内の模様替えやメンテナンスを極めて容易に行うことが出来る。
【符号の説明】
【0036】
1 :パネル本体
11:板状基材(断熱材)
12:溝
13:通水管(水循環路)
14:放熱シート
15:意匠パネル
2 :枠部材
2a:枠部材(縦)
2b:枠部材(横)
2p:中空部
20:隙間
21:剛体部
22:回り縁(表面側)
23:支え縁
24:回り縁(背面側)
3 :コーナー部材
4 :テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室の内装面に敷設され且つ温水または冷水の循環によって居室の温度調節を行う放熱パネルであって、平面形状を四角形に形成され且つ内部に水循環路が設けられたパネル本体と、当該パネル本体の四辺部に付設された縦横の枠部材とを備え、かつ、パネル本体は、断熱材としての板状基材と、当該板状基材の表側の溝に配置された水循環路としての通水管と、板状基材の表面に貼着された放熱シートと、当該放熱シートの表側に配置された意匠パネルとから構成されており、縦横の枠部材は、柱構造の剛体部の表面に沿ってパネル本体側に張出された回り縁を備え、パネル本体は、板状基材の背面が枠部材に固定されていることを特徴とする放熱パネル。
【請求項2】
縦横の枠部材は、柱構造の剛体部の表面および背面に沿ってパネル本体側に回り縁を各張出して構成され、パネル本体は、その外周部を枠部材の2つの回り縁によって挟持され、かつ、板状基材の背面が枠部材の背面側の回り縁に固定されている請求項1に記載の放熱パネル。
【請求項3】
板状基材の背面が、枠部材の背面側の回り縁から当該板状基材の背面に架け渡して貼着されたテープにより固定されている請求項2に記載の放熱パネル。
【請求項4】
パネル本体の板状基材は、一対の縦または横の枠部材に固定されている請求項1〜3の何れかに記載の放熱パネル。
【請求項5】
各枠部材には、剛体部から張出された2つの回り縁の間に更に意匠パネルを裏面から支持する支え縁が張出され、意匠パネルは、その周縁を表面側の回り縁と支え縁との隙間に収められている請求項2〜4の何れかに記載の放熱パネル。
【請求項6】
意匠パネルの表面は、写真画像、絵柄、幾何学模様または凹凸模様が描かれた意匠面として構成されている請求項1〜5の何れかに記載の放熱パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−43303(P2011−43303A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192705(P2009−192705)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】