説明

放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器

【課題】軽量化した放熱構造すなわち放熱ユニットを提供することを目的とするものである。
【解決手段】電子機器を構成する本体ケース5の一つの面に装着され、この本体ケース5の内部と外部を仕切る仕切り板7と、この仕切り板7の前記本体ケース5の外部側に配置される熱交換体8と、そのカバー9とを備えている。そして、熱交換体8を仕切り板7に取付ける時には、この熱交換体8を構成する温風路体15間の通気空間14からネジ止めを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば屋外に設置される電子機器に活用される放熱ユニットおよびこれを組み込んだ電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えばテレビジョン受像機では、本体ケースの前面側に表示部が設けられ、またこの本体ケースの内部には前記表示部の制御部が設けられ、制御部の背面側は仕切り板で覆っていた。
【0003】
また、この電子機器は、天井から吊り下げて使用される場合もあった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7―322172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年のテレビジョン受像機は、その表示部が極めて大きくなってきたので、その表示効果の高さを利用し、これを広告装置として屋外に設置する取り組みも活発化されるようになっている。
【0006】
この場合、屋外で使用するためには、本体ケース内に雨水が浸入しないように密閉構造をとることが必要となる。
【0007】
そのために、この本体ケースの前面開口部は、前記表示部で、また背面開口部は仕切り板で、それぞれ密封する構成としていた。
【0008】
しかしながら、この様な密閉構造をとると、本体ケース内部分となる表示部背面側や、制御部の放熱が十分に行えなくなる。
【0009】
そこで、従来は本体ケースの背面側に設けた前記仕切り板を金属製とし、さらにこの仕切り板の内、外に金属製のフィンを複数設け、この状態で本体ケース内の空気を送風機で攪拌する構成としていた。
【0010】
つまり、本体ケース内の空気を送風機で攪拌することで、先ず、本体ケース内の熱を、本体ケース内のフィンに伝達し、次に、熱伝導によりこのフィンから仕切り板に熱を移動させ、その後、熱伝導により、前記仕切り板から本体ケース外のフィンに熱を移動させ、次に、本体ケース外のフィンから屋外空気に放熱させる構成となっている。
【0011】
しかしながら、このような放熱構造、つまり金属製仕切り板の内、外に金属製のフィンを複数設けた構造は、よく知られているように極めて重くなり、このように放熱構造が重くなると、テレビジョン受像機自体も重くなり、結果として屋外の高所に設置するのに好ましくないものとなる。
【0012】
そこで、本発明は放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図るとともに、生産性を向上させること目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そして、この目的を達成するために、本発明の放熱ユニットは、電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器の外部側に配置される熱交換体とを備え、前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の通気口に連結される第一の連通部と、前記第二の通気口に連結される第二の連通部と、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の連通部と第二の連通部間を連結するとともに、通気空間をおいて併走された複数の温風路体と、前記仕切り板の電子機器内側の空気を、前記第一の通気口から前記温風路体内に導入し、第二の通気口から前記仕切り板の電子機器内側に排出する送風機とを有し、前記第一の連通部は前記第一の通気口の外周方向に広がる第一のフランジを有し、前記第二の連通部は前記第二の通気口の外周方向に広がる第二のフランジを有し、前記第一のフランジと第二のフランジそれぞれの、前記第一、第二の通気口間部分で、前記併走された複数の温風路体間の通気空間に対応する部分には、この通気空間の前記仕切り板とは反対側から、前記熱交換体の固定操作を行う熱交換体固定部を設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のごとく本発明の放熱ユニットは、電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器の外部側に配置される熱交換体とを備え、前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の通気口に連結される第一の連通部と、前記第二の通気口に連結される第二の連通部と、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の連通部と第二の連通部間を連結するとともに、通気空間をおいて併走された複数の温風路体と、前記仕切り板の電子機器内側の空気を、前記第一の通気口から前記温風路体内に導入し、第二の通気口から前記仕切り板の電子機器内側に排出する送風機とを有し、前記第一の連通部は前記第一の通気口の外周方向に広がる第一のフランジを有し、前記第二の連通部は前記第二の通気口の外周方向に広がる第二のフランジを有し、前記第一のフランジと第二のフランジそれぞれの、前記第一、第二の通気口間部分で、前記併走された複数の温風路体間の通気空間に対応する部分には、この通気空間の前記仕切り板とは反対側から、前記熱交換体の固定操作を行う熱交換体固定部を設けたものであるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができる。
【0015】
すなわち、本発明においては、従来のように電子機器の本体ケース内部にまで放熱用のフィンを設けなくても、前記本体ケース内部の熱を、送風機の送風により、本体ケース外の熱交換体へ移動させ、効果的に放熱させることができるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができるのである。
【0016】
また、本発明において、前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の通気口に連結される第一の連通部と、前記第二の通気口に連結される第二の連通部と、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の連通部と第二の連通部間を連結するとともに、通気空間をおいて併走された複数の温風路体と、前記仕切り板の電子機器内側の空気を、前記第一の通気口から前記温風路体内に導入し、第二の通気口から前記仕切り板の電子機器内側に排出する送風機とを有し、前記第一の連通部は前記第一の通気口の外周方向に広がる第一のフランジを有し、前記第二の連通部は前記第二の通気口の外周方向に広がる第二のフランジを有し、前記第一のフランジと第二のフランジそれぞれの、前記第一、第二の通気口間部分で、前記併走された複数の温風路体間の通気空間に対応する部分には、この通気空間の前記仕切り板とは反対側から、前記熱交換体の固定操作を行う熱交換体固定部を設けたものであるので、生産性を向上することもできる。
【0017】
すなわち、本発明においては、熱交換体を、仕切り板の第一、第二の通気口部分に固定する際には、前記併走する複数の温風路体の通気空間部分から、この通気空間部分に対応する第一のフランジ部分、および第二のフランジ部分の熱交換体固定部への固定操作を行うことができ、この点から生産性を向上することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1の電子機器の設置例を示す斜視図
【図2】同断面図
【図3】同断面図
【図4】同背面側の一部斜視図
【図5】同背面側の一部斜視図
【図6】同背面側の一部斜視図
【図7】同背面側の一部分解斜視図
【図8】同背面側の一部斜視図
【図9】同一部断面図
【図10】同熱交換体の斜視図
【図11】同熱交換体部分の断面図
【図12】同熱交換体部分の断面図
【図13】同熱交換体部分の断面図
【図14】同熱交換体部分の背面図
【図15】同カバーの斜視図
【図16】同カバーの斜視図
【図17】同カバー部分の断面図
【図18】同カバー部分の背面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1において1は、電子機器の一例として用いた表示装置で、テレビジョン受像機としての機能以外に、屋外における広告用の表示も行えるようになっている。
【0021】
したがって、この図1では、表示装置1は商店2の軒下3、つまり屋外に設置され、この屋外において横長、長方形状(矩形形状の一例)の表示部4が、前面側に表出した状態となっている。
【0022】
前記表示装置1は、図2、図3に示すように、前面と背面が開口した横長、長方形状の本体ケース5と、この本体ケース5の前面開口部を覆うごとく、水密状態で配置された前記表示部4と、この本体ケース5の内部で、前記表示部4の背面側に配置されるとともに、前記表示部4の制御を行う制御部6と、前記本体ケース5の背面開口部を覆うとともに、前記本体ケース5の内部と外部を仕切る仕切り板7と、この仕切り板7の前記本体ケース5の外部側に配置された熱交換体8と、この熱交換体8の仕切り板7とは反対側の面を覆った通気性のカバー9とを備えている。
【0023】
前記仕切り板7は、図4に示すように、長手方向の複数個所に、所定間隔で、第一、第二の通気口10、11を設けている。
【0024】
これらの第一、第二の通気口10、11は、熱交換体8を連結する為のものであり、本実施形態では、図4に示すように、本体ケース5の上下方向に二つの熱交換体8を設けるので、これらの第一、第二の通気口10、11も二対設けている(本体ケース5の長手方向には、熱交換体8が複数設けられるが、図示はしていない)。
【0025】
但し、これら上下の熱交換体8は、図5のごとく向きを変えているので、本体ケース5の上下に二つの第一の通気口10、中央に二つの第二の通気口11を設けている。
【0026】
また、熱交換体8の仕切り板7とは反対側の面は、図6に示すように、上述した通気性のカバー9によって覆っている。
【0027】
さて、前記熱交換体8は、図10に示すように、前記仕切り板7の前記本体ケース5の外部側において、前記第一の通気口10に連結される第一の連通部12と、前記第二の通気口11に連結される第二の連通部13と、前記仕切り板7の前記本体ケース5の外部側において、前記第一の連通部12と第二の連通部13間を連結するとともに、通気空間14をおいて併走された複数の温風路体15と、前記仕切り板7の本体ケース5内側の空気を、前記第一の通気口10から前記温風路体15内に導入し、第二の通気口11から前記仕切り板7の本体ケース5内側に排出する送風機16(図2に示す)とを有している。
【0028】
また、前記第一の連通部12は、図10に示すように、前記第一の通気口10の外周方向に広がる第一のフランジ17を有し、前記第二の連通部13は前記第二の通気口11の外周方向に広がる第二のフランジ18を有している。
【0029】
さて、図4、図7、図8に示すように、第一の通気口10は、第一、第二の通気口10、11間方向(縦方向)の開口寸法よりも、それに直行する方向(横方向)の開口寸法を大きくした矩形状としている。また、第二の通気口11は、第一、第二の通気口10、11間方向(縦方向)の開口寸法と、それに直行する方向(横方向)の開口寸法が同じ矩形状としているが、これも(縦方向)の開口寸法よりも、それに直行する方向(横方向)の開口寸法を大きくしても良い。
【0030】
また、図4、図7〜図9に示すように、第一の通気口10の第二の通気口11側開口縁に、第一の長形係止片19を設け、この第一の通気口10の第一の長形係止片19とは反対側の開口縁に、複数の第一の短形係止片20を所定間隔で設けている。
【0031】
この内、第一の長形係止片19は図8、図9から理解されるように、第一の通気口10側が開口した形状となっている。また、第一の短形係止片20は第一の通気口10とは反対側が開口した形状となっている。
【0032】
さらに、図4、図7〜図9に示すように、第二の通気口11の第一の通気口10側開口縁に、第二の長形係止片21を設け、この第二の通気口11の第二の長形係止片21とは反対側の開口縁に、第二の短形係止片22を所定間隔で設けている。
【0033】
この内、第二の長形係止片21と、第二の短形係止片22は図8、図9から理解されるように、第二の通気口11側が開口した形状となっている。
【0034】
したがって、前記仕切り板7の前記本体ケース5の外部側において、前記第一の通気口10と前記第二の通気口11に連結される熱交換体8を取付ける時には、図11〜図14のようにして取付ける。
【0035】
先ず、図11に示すように、図10に示した熱交換体8の第二の連通部13外周に設けた第二のフランジ18を第二の長形係止片21の開口内方向に挿入し、次に、熱交換体8の第一の連通部12外周に設けた第一のフランジ17を、この図11に示すように、第一の長形係止片19、第一の短形係止片20間を通して第一の通気口10側へと移動させる。
【0036】
その後、図12に示すように、第一のフランジ17を、第一の長形係止片19内の奥側(第一の通気口10とは反対方向)へと移動させる。
【0037】
そして、図13、図14に示すように、前記熱交換体8の第一のフランジ17と第二のフランジ18それぞれの、前記第一、第二の通気口10、11間部分で、前記併走された複数の温風路体15間の通気空間14に対応する部分から、その下方の第一の長形係止片19、第二の長形係止片21に向けてネジ23をねじ込んで行く。
【0038】
つまり、これらの第一の長形係止片19、第二の長形係止片21にはネジ孔(図示せず)が設けられているので、ここにネジ23をねじ込んで行くと、図13に示すように、ネジ23の先端は、第一の長形係止片19、第二の長形係止片21を貫通し、前記熱交換体8の第一のフランジ17を第一の通気口10側へと押し付け、また前記熱交換体8の第二のフランジ18を第二の通気口11側へと押し付けることになる。
【0039】
この時、第一のフランジ17、第二のフランジ18の仕切り板7の面には、パッキング(図示せず)が設けられているので、このパッキングの圧縮により、この部分の気密、水密状態が確保される。
【0040】
次に、熱交換体8の仕切り板7とは反対側の面を覆う通気性のカバー9について説明する。
【0041】
このカバー9は、図15に示すように、前記熱交換体8の第一のフランジ17の、第二の通気口11とは反対部分に対向する部分に、この第一のフランジ17を仕切り板7側に押圧する第一の押圧部24を設けている。
【0042】
また、このカバー9における、前記熱交換体8の第二のフランジ18の、第一の通気口10とは反対部分に対向する部分に、この第二のフランジ18を仕切り板7側に押圧する第二の押圧部25を設けている。
【0043】
さらに、第一の押圧部24の図9に示す第一の短形係止片20に対向する部分には切り欠部26が設けられ、さらに第二の押圧部25の第二の短形係止片22部分には、この第二の短形係止片22が先端から挿入される貫通孔27が設けられている。
【0044】
このため、カバー9を、熱交換体8を覆うごとく装着する時には、先ずカバー9の貫通孔27に第二の短形係止片22を挿入させ、また切り欠部26は第一の短形係止片20に合わせ、図6の上方のカバー9なら下方へとずらせる。
【0045】
そして、その状態で、カバー9の通気用開口部28に、図15、図16のごとく設けたネジ挿入部29からネジ30を、図17、図18のごとく第一の短形係止片20、第二の短形係止片22側へとねじ込む。
【0046】
つまり、これらの第一の短形係止片20、第二の短形係止片22にはネジ孔(図示せず)が設けられているので、ここにネジ30をねじ込んで行くと、図17(ネジ30部分のカバー9を切り欠いて、理解の容易化を図っている)に示すように、ネジ30の先端は、第一の短形係止片20、第二の短形係止片22を貫通し、前記熱交換体8の第一のフランジ17を、第一の押圧部24を介して第一の通気口10側へと押し付け、また前記熱交換体8の第二のフランジ18を、第二の押圧部25を介して第二の通気口11側へと押し付けることになる。
【0047】
この時、第一のフランジ17、第二のフランジ18の仕切り板7の面には、上述のごとくパッキング(図示せず)が設けられているので、このパッキングの圧縮により、この部分の気密、水密状態が確保される。
【0048】
そして、このようにして、前記熱交換体8の第一のフランジ17は第一の通気口10側へと、第一の長形係止片19、第一の短形係止片20の両側で押さえられ、また前記熱交換体8の第二のフランジ18は、第二の通気口11側へと、第二の長形係止片21と、第二の短形係止片22の両側で押し付けることになり、この結果として、この部分の気密、水密状態が確保されることになる。
【0049】
つまり、本実施形態では、カバー9の第一の押圧部24の切り欠部26外周部分は、第一の短形係止片20への固定を行う第一のカバー固定部となり、また、カバー9の第二の押圧部25の貫通孔27外周部分は、第二の短形係止片22への固定を行う第二のカバー固定部となるのである。
【0050】
以上のごとく、本実施形態においては、前記熱交換体8の仕切り板7への取付けは、第一のフランジ17と第二のフランジ18それぞれの、前記第一、第二の通気口10、11間部分で、前記併走された複数の温風路体15間の通気空間14に対応する部分から、その下方の第一の長形係止片19、第二の長形係止片21に向けてネジ23をねじ込んで行くことで実行できる。
【0051】
つまり、これらの第一の長形係止片19、第二の長形係止片21にはネジ孔(図示せず)が設けられているので、ここにネジ23をねじ込んで行くと、図13に示すように、ネジ23の先端は、第一の長形係止片19、第二の長形係止片21を貫通し、前記熱交換体8の第一のフランジ17を第一の通気口10側へと押し付け、また前記熱交換体8の第二のフランジ18を第二の通気口11側へと押し付けることになる。
【0052】
この時、第一のフランジ17、第二のフランジ18の仕切り板7の面には、パッキング(図示せず)が設けられているので、このパッキングの圧縮により、この部分の気密、水密状態が確保される。
【0053】
また、カバー9の仕切り板7への取付けは、通気用開口部28のネジ挿入部29からネジ30を、図17のごとく第一の短形係止片20、第二の短形係止片22側へとねじ込むことで行うことが出来る。
【0054】
つまり、これらの第一の短形係止片20、第二の短形係止片22にはネジ孔(図示せず)が設けられているので、ここにネジ30をねじ込んで行くと、図17(ネジ30部分のカバー9を切り欠いて、理解の容易化を図っている)に示すように、ネジ30の先端は、第一の短形係止片20、第二の短形係止片22を貫通し、前記熱交換体8の第一のフランジ17を、第一の押圧部24を介して第一の通気口10側へと押し付け、また前記熱交換体8の第二のフランジ18を、第二の押圧部25を介して第二の通気口11側へと押し付けることになる。
【0055】
この時、第一のフランジ17、第二のフランジ18の仕切り板7の面には、上述のごとくパッキング(図示せず)が設けられているので、このパッキングの圧縮により、この部分の気密、水密状態が確保される。
【0056】
そして、このようにして、前記熱交換体8の第一のフランジ17は第一の通気口10側へと、第一の長形係止片19、第一の短形係止片20の両側で押さえられ、また前記熱交換体8の第二のフランジ18は、第二の通気口11側へと、第二の長形係止片21と、第二の短形係止片22の両側で押し付けることになり、この結果として、この部分の気密、水密状態が確保されることになる。
【0057】
したがって、極めて作業性の良いものとなるのである。
【0058】
また、このようにして組み立てが完成した表示装置1は例えば、図1のごとく屋外で広告版として活用されることになる。
【0059】
この時の本体ケース5内では、表示部4と制御部6の発熱が発生するが、送風機16を駆動すれば図2のごとく本体ケース5内の熱気は、第一の通気口10から熱交換体8の温風路体15へと送られる。
【0060】
この温風路体15は仕切り板7の外側に設けられたものであり、ここには図3のごとくカバー9から進入した屋外空気が流れているので、前記本体ケース5内の熱気は、温風路体15で冷却され、次には、図2のごとく、冷風として表示部4や制御部6に吹きつけられることになる。
【0061】
したがって、密閉された本体ケース5内は十分に冷却されることになるのである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のごとく本発明の放熱ユニットは、従来のように電子機器の本体ケース内部にまで放熱用のフィンを設けなくても、前記本体ケース内部の熱を、送風機の送風により、本体ケース外の熱交換体へ移動させ、効果的に放熱させることができるので、放熱ユニットおよびこれを用いた電子機器の軽量化を図ることができる。
【0063】
また、本発明においては、熱交換体を、仕切り板の第一、第二の通気口部分に固定する際には、前記併走する複数の温風路体の通気空間部分から、この通気空間部分に対応する第一のフランジ部分、および第二のフランジ部分の熱交換体固定部への固定操作を行うことができ、この点から生産性を向上することができるのである。
【0064】
したがって、屋外設置タイプの電子機器にも、広く活用されることが期待される。
【符号の説明】
【0065】
1 表示装置
2 商店
3 軒下
4 表示部
5 本体ケース
6 制御部
7 仕切り板
8 熱交換体
9 カバー
10 第一の通気口
11 第二の通気口
12 第一の連通部
13 第二の連通部
14 通気空間
15 温風路体
16 送風機
17 第一のフランジ
18 第二のフランジ
19 第一の長形係止片
20 第一の短形係止片
21 第二の長形係止片
22 第二の短形係止片
23 ネジ
24 第一の押圧部
25 第二の押圧部
26 切り欠部
27 貫通孔
28 通気用開口部
29 ネジ挿入部
30 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の一つの面に装着され、この電子機器の内部と外部を仕切る仕切り板と、この仕切り板の前記電子機器の外部側に配置される熱交換体とを備え、
前記仕切り板は、第一、第二の通気口を有し、
前記熱交換体は、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の通気口に連結される第一の連通部と、前記第二の通気口に連結される第二の連通部と、前記仕切り板の前記電子機器の外部側において、前記第一の連通部と第二の連通部間を連結するとともに、通気空間をおいて併走された複数の温風路体と、前記仕切り板の電子機器内側の空気を、前記第一の通気口から前記温風路体内に導入し、第二の通気口から前記仕切り板の電子機器内側に排出する送風機とを有し、
前記第一の連通部は前記第一の通気口の外周方向に広がる第一のフランジを有し、
前記第二の連通部は前記第二の通気口の外周方向に広がる第二のフランジを有し、
前記第一のフランジと第二のフランジそれぞれの、前記第一、第二の通気口間部分で、前記併走された複数の温風路体間の通気空間に対応する部分には、この通気空間の前記仕切り板とは反対側から、前記熱交換体の固定操作を行う熱交換体固定部を設けた放熱ユニット。
【請求項2】
第一、第二の通気口の少なくとも一方は、これらの第一、第二の通気口間方向の開口寸法よりも、それに直行する方向の開口寸法を大きくした矩形状とした請求項1に記載の放熱ユニット。
【請求項3】
第一の通気口の第二の通気口側開口縁に、第一の長形係止片を設け、この第一の通気口の第一の係止片とは反対側の開口縁に、第一の短形係止片を設け、
第二の通気口の第一の通気口側開口縁に、第二の長形係止片を設け、この第二の通気口の第二の長形係止片とは反対側の開口縁に、第二の短形係止片を設けた請求項1または2に記載の放熱ユニット。
【請求項4】
第一の短形係止片は、第一の通気口に沿って、所定間隔で複数設け、第二の短形係止片は、第二の通気口に沿って、所定間隔で複数設けた請求項3に記載の放熱ユニット。
【請求項5】
熱交換体の仕切り板とは反対側の面を覆う通気性のカバーを設け、このカバーにおける、前記熱交換体の第一のフランジの、第二の通気口とは反対部分に対向する部分には、この第一のフランジを仕切り板側に押圧する第一の押圧部を設け、
前記カバーにおける、前記熱交換体の第二のフランジの、第一の通気口とは反対部分に対向する部分には、この第二のフランジを仕切り板側に押圧する第二の押圧部を設けた請求項1から4のいずれか一つに記載の放熱ユニット。
【請求項6】
カバーの第一の押圧部には、第一の短形係止片への固定を行う第一のカバー固定部を設け、カバーの第二の押圧部には、第二の短形係止片への固定を行う第二のカバー固定部を設けた請求項5に記載の放熱ユニット。
【請求項7】
本体ケースと、この本体ケースの少なくとも一面に設けた請求項1から6のいずれか一つに記載の放熱ユニットとを備えた電子機器。
【請求項8】
前面側に表示部を配置した本体ケースと、この本体ケースの前記表示部の背面側に配置した制御部と、この制御部の背面側の本体ケースの背面開口部に装着された請求項1から6のいずれか一つに記載の放熱ユニットとを備えた電子機器。
【請求項9】
本体ケースの背面開口部に、複数の放熱ユニットを配置した請求項8に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−115228(P2013−115228A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259945(P2011−259945)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】