放熱構造プリント配線板及びその製造方法
【目的】 低廉であるばかりでなく放熱性及び信頼性に優れた放熱構造プリント配線板を提供すること。
【構成】 放熱用コア材3は、絶縁基材3aの両面に厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2を貼り着けてなる銅張積層板である。両銅箔3b1,3b2はインタスティシャルバイアホール3cによって連結されている。銅張積層板の外表面には、樹脂絶縁層であるプリプレグ1を介して外層の導体パターン2が形成される。実装部品5の発した熱は、プリプレグ1を経て銅張積層板3上の厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2に伝導した後、その全体に拡散する。
【構成】 放熱用コア材3は、絶縁基材3aの両面に厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2を貼り着けてなる銅張積層板である。両銅箔3b1,3b2はインタスティシャルバイアホール3cによって連結されている。銅張積層板の外表面には、樹脂絶縁層であるプリプレグ1を介して外層の導体パターン2が形成される。実装部品5の発した熱は、プリプレグ1を経て銅張積層板3上の厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2に伝導した後、その全体に拡散する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放熱性の高いプリント配線板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度化の傾向にあるプリント配線板にあっては、実装部品の発する熱を放散するための対策を講じておくことが要求されており、従来までにもそのような対策を施したプリント配線板がいくつか提案されてきている。その代表例としては、例えば熱伝導性の良い金属板を放熱用コア材として用いた、いわゆるメタルコア基板(Metal Core P.W.B. )等が知られている。
【0003】例えば、図14〜図18には、放熱用コア材として厚さ約1.0mm前後のアルミニウム製の金属板20を用いたメタルコア基板21の作製手順が示されている。
【0004】アルミニウム製の金属板20にはまずスルーホール22径よりも若干大きな径(スルーホール径+1.0 mm程度)の穴23がドリル等によってあけられる(第1の穴あけ加工)。次いで、金属板20とプリプレグ24との密着性を向上させることを目的として、金属板20の表面にはアルマイト処理が施される。次に、樹脂含浸を施し、銅箔25、プリプレグ24、金属板20、プリプレグ24、銅箔25の順に重ね合わせたものはプレス加工され、図14に示すような一枚の基板状に成形される。更に、図15に示すようにスルーホール22となる部分には第2の穴あけ加工が施され、図16に示すような銅めっき層26が形成される。続いて、外表面の銅箔25にはエッチングが施され、図17に示すような導体パターンが形成される。そして、図18に示すように金めっき層27が形成された導体パターン28上には、LED等の発熱し易い実装部品29が実装される。また、メタルコア基板21の側面からは金属板20が露出した状態にある。
【0005】そして、このような構成によると、実装部品29の発した熱は、内層に配置されたアルミニウム板20に伝導した後、アルミニウム板20中に拡散されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来技術には以下のようないくつかの問題があった。例えば、放熱用コア材としてアルミニウム製の金属板20が用いられるメタルコア基板21では、通常のプリント配線板に比べて材料費が高くなることが不可避であった。
【0007】また、厚さ1.0mm前後の金属板20を穴あけ加工する場合、通常の銅張積層板等を穴あけ加工するときよりもドリルの回転数を速くし、かつドリルの送り速度を遅くすることが必要とされる。つまり、これは表層のみに金属を配した銅張積層板とは異なり、金属板20が肉厚であることに起因している。このため、加工時間が長くなるばかりでなく、ドリルの刃の寿命も短くなるという不都合があった。また、この基板に金型により外形加工を施す場合、肉厚の金属板20を切断する必要があることから、金型の寿命が短くなるという不都合もあった。このように、メタルコア基板21においては材料費や加工費がかかることから、結果として基板の製造コストが高くなることが必至であった。
【0008】更に、このような外形加工を行うと、切断面から露出する金属板20に金属だれが生じる場合がある。この結果、導体パターン28にショートが生じ易くなり、基板の信頼性が損われるという欠点があった。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低廉であるばかりでなく放熱性及び信頼性に優れた放熱構造プリント配線板を提供することにある。また、本発明の別の目的は、放熱用コア材と樹脂絶縁層との密着性を改善でき、かつ全体を肉薄化することができる放熱構造プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、樹脂絶縁層を介して放熱用コア材の外表面に導体パターンを形成した放熱構造プリント配線板において、前記放熱用コア材は絶縁基材の両面に厚さ70μm以上の銅箔を貼り着けてなる銅張積層板であることを特徴とする。この場合、厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いても良い。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、表裏を導通するめっきスルーホールとなる部分における厚さ70μm以上の銅箔が除去された銅張積層板を被含浸基材によって挟持した後、減圧下にて液状樹脂を含浸させかつ前記被含浸基材の両面に銅箔を貼り着け、更に前記銅箔をエッチングして導体パターンを形成している。
【0012】
【作用】請求項1の発明の構成によると、配線板の外表面に実装された部品の発した熱は、まず樹脂絶縁層を経て銅張積層板上の厚さ70μm以上の銅箔に伝導する。かかる銅箔は熱伝導性に優れていることに加えて通常の銅箔よりも厚めのものであることから、厚さ70μm以上の銅箔まで達した熱は確実に全体に拡散されることとなる。また、放熱用コア材として用いられる銅張積層板はアルミニウム板のような金属板ではないため、材料費も安くなりかつドリル等による加工も容易になる。更に、本発明のようにアルミニウム板を用いない構成によると、金型の寿命が延びると共に金属だれの問題も解消される。
【0013】そして、厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いることにより、アルミコア基板等と比較して内層における配線の自由度が広がり、全体を小型化することが可能となる。
【0014】また、真空含浸を行う請求項3に記載の発明の方法によると、液状樹脂は被含浸基材中に含浸されるのみならず、銅張積層板の表面等にも隈なく含浸される。従って、厚めの銅箔をエッチングすることにより形成された隙間が銅張積層板上に存在していたとしても、それらは液状樹脂によって完全に埋め尽くされる。その結果、放熱用コア材である銅張積層板と樹脂絶縁層である被含浸基材との密着性が向上すると共に、基板の厚さ制御が行い易くなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を表裏両面に導体パターンを有する放熱構造プリント配線板(4層板)に具体化した実施例を図1〜図9に基づき詳細に説明する。
【0016】図9に示すように、放熱構造プリント配線板10は、樹脂絶縁層としてのプリプレグ1を介して外層の導体パターン2と放熱用コア材3とが配置された構成を有している。この実施例にて用いた放熱用コア材は、絶縁基材3aの両面に厚さ70μm〜150μm程度の銅箔3b1, 3b2を貼り着けてなる銅張積層板である。前記絶縁基材3aには、例えばガラスクロス等に樹脂を含浸させた後に樹脂を半硬化させたシート状材料などが使用される。厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2は、プリント配線板10の表裏を導通するめっきスルーホール4部分を除いて、絶縁基材3aのほぼ全面に存在している。また、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1と裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2とは、インタスティシャルバイアホール(以下「IVH」と略す)3cによって接続されている。外層の導体パターン2は、図9に示すようにめっきスルーホール4を介して電気的に接続されている。前記導体パターン2のうちの実装用パッド2aには、LED、パワートランジスタ等の発熱量の大きい実装部品5が実装されている。
【0017】さて、上述のように作製された放熱構造プリント配線板10によると、実装部品5が発した熱は、プリプレグ1を経た後に放熱用コア材3である銅張積層板における表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1に伝導する。
【0018】ここで、銅は周知のように金属のなかでも比較的熱伝導性に優れているということに加え、通常より厚めに設定されているということから、熱は表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1全体に拡散する。しかも、この実施例の構成によると、熱は表面側のみならず、IVH3cを介して裏面側の70μm以上の銅箔3b2にも伝導しかつ全体に拡散する。よって、発生した熱は特定の部分に集中することなしに、放熱構造プリント配線板10外部に確実にかつ効率良く放散される。
【0019】そして、本実施例にて放熱用コア材3として用いた銅張積層板に注目すると、その表裏両面のみが金属材料であり、その大部分がガラスや樹脂等の非金属材料であることがわかる。このため、アルミニウム製の金属板等を必要とする従来のメタルコア基板とは異なり、材料費が高くなることはない。よって、全体の製造コストが確実に抑えられ、低廉な放熱構造プリント配線板10を製造することが可能となる。
【0020】また、銅張積層板の大部分を占めるガラスや樹脂等は金属ほど硬度が高くないため、ドリルや金型による加工は極めて容易である。つまり、通常の銅張積層板を穴あけ加工するときのドリルの回転数及び送り速度に設定しても、充分に加工をなし得るということである。従って、メタルコア基板のときの加工に比して短時間で済み、ドリルや金型の寿命も延びる。それゆえ、加工費も減り、製造コストが抑えられるばかりでなく、従来の設備でも対応が可能となる。このため、結果として低廉な放熱構造プリント配線板10を提供することができるようになる。
【0021】更に、約1.0mm厚のアルミニウム板を用いないこの構成によると、外形加工時における金属だれの問題は起こり得ない。このため、外層の導体パターン2端部同士のショートやめっきリード同士のショートが確実に防止され、信頼性が向上する。
【0022】次に、この放熱構造プリント配線板10を製造する工程を順に説明する。まず、銅張積層板に通常良く用いられる18μm,35μmのものよりも厚い70μm〜150μm程度の銅箔3b1, 3b2と絶縁基材3aとを常法に従ってプレス加工することにより、まず銅張積層板が作製される。銅張積層板においてIVH3cとなる部分には、図1に示すようにドリル等によって穴H1 があけられる(第1の穴あけ加工)。
【0023】次いで、触媒核を付与した後に常法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを施すことにより、厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2及び穴H1 の内面には銅めっき層G1 が形成される(図2参照)。更に、厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2上にエッチングレジストを配してエッチングを施すことにより、図3に示すようにめっきスルーホール4が形成される部分の銅が除去される。なお、除去される部分の形状は円形状であり、例えばその径はめっきスルーホール4の径(0.3mm)より大きく直径1.0mmである。これはめっきスルーホール4が形成されたときに、めっきスルーホール4内面の導体と厚さ70μmの銅箔3b1, 3b2とがショートすることを未然に回避するためである。
【0024】エッチングが施された銅張積層板には、外層の導体パターン2を形成するための銅箔Cと樹脂絶縁層であるプリプレグ1とが減圧下において積層される。この場合、厚さ18μmまたは35μmの銅箔Cが使用される。
【0025】銅張積層板は、被含浸基材としての紙、ガラスクロスまたはこれらの複合材等によって挟持される。被含浸基材の厚さは30μm〜200μm程度であることが望ましい。この厚さが30μmより小さいと、内層における厚めの銅箔3b1,3b2と外層の導体パターン2との絶縁間隔が不充分になる虞れがある。一方、この厚さが200μmを越えると、内層における厚さ70μmの銅箔3b1, 3b2まで熱が充分に伝達せず、放熱効率が低下する虞れがある。
【0026】被含浸基材に挟持された銅張積層板は減圧状態に保たれた真空含浸装置内に連続的に装入され、送りロールによって液状樹脂の入ったタンク内に送り込まれる(図13参照)。液状樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂またはポリエステル樹脂などが被含浸基材の種類に応じて適宜選択される。このような真空含浸を行った場合、液体樹脂は被含浸基材中に到達するに止まらず、隙間S及びIVH3cの内部にも到達する。含浸を終えた後の被含浸基材の両面には、引き続いて銅箔Cが重ね合わされる。これを一対の絞りロール間を通過させることによって、銅箔C、プリプレグ1及び銅張積層板が一体の基板状に積層される。なお、これらが絞りロールを通過する際、余剰の液状樹脂が基板から除去されると同時に、基板の板厚の制御も行われる。
【0027】図5に示すように、この基板においてめっきスルーホール4が形成される部分には、ドリル等によって例えば0.3mm径の穴H2 があけられる(第2の穴あけ加工)。次いで、触媒核を付与した後に常法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを施すことにより、銅箔C及び穴H2 の内面には銅めっき層G2 が形成される(図6参照)。更に、銅箔C上にエッチングレジストを配してエッチングを施すことにより、基板外表面には実装用パッド2a等の外層の導体パターン2が形成される(図7参照)。更に、金めっきを施すことにより、前記導体パターン2上には金めっき層G3 が形成される(図8参照)。そしてこの後に実装用パッド2a上に実装部品5が実装され、かつボンディングが施される。
【0028】そして、隙間Sを有する銅張積層板に対してプリプレグ1を貼り着ける場合でもこの方法によれば、真空含浸の最中に充分な量の液状樹脂がタンクから補給されるため、液状樹脂に不足が生じることがない。このため、隙間Sが銅張積層板3上に存在していたとしても、それらは液状樹脂によって完全に埋め尽くされてしまう。その結果、銅張積層板とプリプレグ1との密着性が向上し、ひいては放熱構造プリント配線板10の信頼性が向上する。しかも、比較的肉薄のプリプレグ1を使用することができるため、全体の肉薄化を実現することも可能となる。
【0029】なお、本発明は上記実施例のみに限定されることはなく、以下のように変更することが可能である。例えば、(a)厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして、より詳細には多層板における内層の電源層やアース層等として用いることが可能である。
【0030】また、図10に示す別例1の放熱構造プリント配線板11のように、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1を放熱のために使用し、裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2を適宜エッチングして用いても良い。この構成によると、裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2は三層板における内層の導体パターンIp として機能することになる。同様に、表裏両面の厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2をエッチングして用いても良く、この場合にはこれらは四層板における内層の導体パターンIp として機能することになる。
【0031】そして、このような構成にすることにより、内層における配線の自由度が広がり、全体を小型化することが可能となる。なお、例えば表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1の一部の領域を放熱のために用い、残りの領域を内層の導体パターンIp として用いることなども可能である。
【0032】(b)本発明の構成によると、例えば図11に示す別例2の放熱構造プリント配線板12のような構成にすることが可能になる。つまり、メタルコア基板とは異なり、内層に位置する厚さ70μm以上の銅箔3b1が露出するようにザグリ加工を施して、当該部分に直に実装部品5を実装することができることである。このような実装方法を採用した場合、実装部品5の発生した熱は、プリプレグ1を介することなく直接厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2に伝達・拡散するため、熱放散効率が格段に向上する。よって、放熱量の大きな実装部品5を実装する場合等に有利になる。
【0033】(c)また、図12に示す別例3の放熱構造プリント配線板13のような構成にすることも可能になる。つまり、この放熱構造プリント配線板13では、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1と表裏を導通するめっきスルーホール4とが連結部14によって電気的に導通された状態にある。この構成の利点としては、図12に示されるように表面に実装された実装部品5の熱がめっきスルーホール4を介して効率よく厚さ70μm以上の銅箔3b2へ伝達されることである。
【0034】(d)IVH3cの数は任意であって良く、またIVH3cは必ずしも設けなければならないという性質のものでもない。
(e)放熱用コア材3として銅張積層板を使用した前記実施例に代えて、例えば厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2以外の材料を用いても良い。つまり、銅と同じくアルミニウム等よりも熱伝導性の高い銀等を選択し、それらを圧延して得た箔を絶縁基材3aに貼り着けたものを放熱用コア材として使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のプリント配線板によれば、低廉であるばかりでなく放熱性及び信頼性に優れたものを提供することができるという効果を奏する。また、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、放熱用コア材と樹脂絶縁層との密着性を向上させることができ、かつ全体の肉薄化を実現することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の放熱構造プリント配線板を製造するにあたって、銅張積層板に第1の穴あけ加工を施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図2】厚めの銅箔上に無電解銅めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図3】無電解銅めっき層における所定部分をエッチングした状態を示す部分概略正断面図である。
【図4】銅張積層板、プリプレグ及び銅箔を一枚の基板状に積層した状態を示す部分概略正断面図である。
【図5】めっきスルーホールとなる部分に第2の穴あけ加工を施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図6】銅箔上及びめっきスルーホールとなる穴内に銅めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図7】外層における銅箔の所定部分をエッチングした状態を示す部分概略正断面図である。
【図8】外層及びめっきスルーホールとなる穴内の銅めっき層に金めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図9】実装用パッド上に実装部品を実装した状態を示す部分概略正断面図である。
【図10】内層の導体パターンを有する別例1の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図11】ザグリ加工が施された部分に実装部品が直に実装された別例2の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図12】表面側の厚さ70μm以上の銅箔とめっきスルーホールとが電気的に導通されている別例3の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図13】真空含浸装置を示す概略図である。
【図14】従来のメタルコア基板の製造工程において、第1の穴あけ加工後の金属板とプリプレグ及び銅箔とを一枚の基板状にプレス加工した状態を示す部分概略正断面図である。
【図15】第2の穴あけ加工によってスルーホールとなる穴を形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図16】銅めっき層を形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図17】エッチングによって導体パターンを形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図18】導体パターン上に金めっき層を形成した後に実装部品を実装した状態を示す部分概略正断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂絶縁層としてのプリプレグ、2…(外層の)導体パターン、3…放熱用コア材(=銅張積層板)、3a…絶縁基材、3b1,3b2…厚さ70μm以上の銅箔、10,11,12,13…放熱構造プリント配線板、Ip …内層の導体パターン。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放熱性の高いプリント配線板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度化の傾向にあるプリント配線板にあっては、実装部品の発する熱を放散するための対策を講じておくことが要求されており、従来までにもそのような対策を施したプリント配線板がいくつか提案されてきている。その代表例としては、例えば熱伝導性の良い金属板を放熱用コア材として用いた、いわゆるメタルコア基板(Metal Core P.W.B. )等が知られている。
【0003】例えば、図14〜図18には、放熱用コア材として厚さ約1.0mm前後のアルミニウム製の金属板20を用いたメタルコア基板21の作製手順が示されている。
【0004】アルミニウム製の金属板20にはまずスルーホール22径よりも若干大きな径(スルーホール径+1.0 mm程度)の穴23がドリル等によってあけられる(第1の穴あけ加工)。次いで、金属板20とプリプレグ24との密着性を向上させることを目的として、金属板20の表面にはアルマイト処理が施される。次に、樹脂含浸を施し、銅箔25、プリプレグ24、金属板20、プリプレグ24、銅箔25の順に重ね合わせたものはプレス加工され、図14に示すような一枚の基板状に成形される。更に、図15に示すようにスルーホール22となる部分には第2の穴あけ加工が施され、図16に示すような銅めっき層26が形成される。続いて、外表面の銅箔25にはエッチングが施され、図17に示すような導体パターンが形成される。そして、図18に示すように金めっき層27が形成された導体パターン28上には、LED等の発熱し易い実装部品29が実装される。また、メタルコア基板21の側面からは金属板20が露出した状態にある。
【0005】そして、このような構成によると、実装部品29の発した熱は、内層に配置されたアルミニウム板20に伝導した後、アルミニウム板20中に拡散されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来技術には以下のようないくつかの問題があった。例えば、放熱用コア材としてアルミニウム製の金属板20が用いられるメタルコア基板21では、通常のプリント配線板に比べて材料費が高くなることが不可避であった。
【0007】また、厚さ1.0mm前後の金属板20を穴あけ加工する場合、通常の銅張積層板等を穴あけ加工するときよりもドリルの回転数を速くし、かつドリルの送り速度を遅くすることが必要とされる。つまり、これは表層のみに金属を配した銅張積層板とは異なり、金属板20が肉厚であることに起因している。このため、加工時間が長くなるばかりでなく、ドリルの刃の寿命も短くなるという不都合があった。また、この基板に金型により外形加工を施す場合、肉厚の金属板20を切断する必要があることから、金型の寿命が短くなるという不都合もあった。このように、メタルコア基板21においては材料費や加工費がかかることから、結果として基板の製造コストが高くなることが必至であった。
【0008】更に、このような外形加工を行うと、切断面から露出する金属板20に金属だれが生じる場合がある。この結果、導体パターン28にショートが生じ易くなり、基板の信頼性が損われるという欠点があった。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低廉であるばかりでなく放熱性及び信頼性に優れた放熱構造プリント配線板を提供することにある。また、本発明の別の目的は、放熱用コア材と樹脂絶縁層との密着性を改善でき、かつ全体を肉薄化することができる放熱構造プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、樹脂絶縁層を介して放熱用コア材の外表面に導体パターンを形成した放熱構造プリント配線板において、前記放熱用コア材は絶縁基材の両面に厚さ70μm以上の銅箔を貼り着けてなる銅張積層板であることを特徴とする。この場合、厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いても良い。
【0011】また、請求項3に記載の発明では、表裏を導通するめっきスルーホールとなる部分における厚さ70μm以上の銅箔が除去された銅張積層板を被含浸基材によって挟持した後、減圧下にて液状樹脂を含浸させかつ前記被含浸基材の両面に銅箔を貼り着け、更に前記銅箔をエッチングして導体パターンを形成している。
【0012】
【作用】請求項1の発明の構成によると、配線板の外表面に実装された部品の発した熱は、まず樹脂絶縁層を経て銅張積層板上の厚さ70μm以上の銅箔に伝導する。かかる銅箔は熱伝導性に優れていることに加えて通常の銅箔よりも厚めのものであることから、厚さ70μm以上の銅箔まで達した熱は確実に全体に拡散されることとなる。また、放熱用コア材として用いられる銅張積層板はアルミニウム板のような金属板ではないため、材料費も安くなりかつドリル等による加工も容易になる。更に、本発明のようにアルミニウム板を用いない構成によると、金型の寿命が延びると共に金属だれの問題も解消される。
【0013】そして、厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いることにより、アルミコア基板等と比較して内層における配線の自由度が広がり、全体を小型化することが可能となる。
【0014】また、真空含浸を行う請求項3に記載の発明の方法によると、液状樹脂は被含浸基材中に含浸されるのみならず、銅張積層板の表面等にも隈なく含浸される。従って、厚めの銅箔をエッチングすることにより形成された隙間が銅張積層板上に存在していたとしても、それらは液状樹脂によって完全に埋め尽くされる。その結果、放熱用コア材である銅張積層板と樹脂絶縁層である被含浸基材との密着性が向上すると共に、基板の厚さ制御が行い易くなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を表裏両面に導体パターンを有する放熱構造プリント配線板(4層板)に具体化した実施例を図1〜図9に基づき詳細に説明する。
【0016】図9に示すように、放熱構造プリント配線板10は、樹脂絶縁層としてのプリプレグ1を介して外層の導体パターン2と放熱用コア材3とが配置された構成を有している。この実施例にて用いた放熱用コア材は、絶縁基材3aの両面に厚さ70μm〜150μm程度の銅箔3b1, 3b2を貼り着けてなる銅張積層板である。前記絶縁基材3aには、例えばガラスクロス等に樹脂を含浸させた後に樹脂を半硬化させたシート状材料などが使用される。厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2は、プリント配線板10の表裏を導通するめっきスルーホール4部分を除いて、絶縁基材3aのほぼ全面に存在している。また、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1と裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2とは、インタスティシャルバイアホール(以下「IVH」と略す)3cによって接続されている。外層の導体パターン2は、図9に示すようにめっきスルーホール4を介して電気的に接続されている。前記導体パターン2のうちの実装用パッド2aには、LED、パワートランジスタ等の発熱量の大きい実装部品5が実装されている。
【0017】さて、上述のように作製された放熱構造プリント配線板10によると、実装部品5が発した熱は、プリプレグ1を経た後に放熱用コア材3である銅張積層板における表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1に伝導する。
【0018】ここで、銅は周知のように金属のなかでも比較的熱伝導性に優れているということに加え、通常より厚めに設定されているということから、熱は表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1全体に拡散する。しかも、この実施例の構成によると、熱は表面側のみならず、IVH3cを介して裏面側の70μm以上の銅箔3b2にも伝導しかつ全体に拡散する。よって、発生した熱は特定の部分に集中することなしに、放熱構造プリント配線板10外部に確実にかつ効率良く放散される。
【0019】そして、本実施例にて放熱用コア材3として用いた銅張積層板に注目すると、その表裏両面のみが金属材料であり、その大部分がガラスや樹脂等の非金属材料であることがわかる。このため、アルミニウム製の金属板等を必要とする従来のメタルコア基板とは異なり、材料費が高くなることはない。よって、全体の製造コストが確実に抑えられ、低廉な放熱構造プリント配線板10を製造することが可能となる。
【0020】また、銅張積層板の大部分を占めるガラスや樹脂等は金属ほど硬度が高くないため、ドリルや金型による加工は極めて容易である。つまり、通常の銅張積層板を穴あけ加工するときのドリルの回転数及び送り速度に設定しても、充分に加工をなし得るということである。従って、メタルコア基板のときの加工に比して短時間で済み、ドリルや金型の寿命も延びる。それゆえ、加工費も減り、製造コストが抑えられるばかりでなく、従来の設備でも対応が可能となる。このため、結果として低廉な放熱構造プリント配線板10を提供することができるようになる。
【0021】更に、約1.0mm厚のアルミニウム板を用いないこの構成によると、外形加工時における金属だれの問題は起こり得ない。このため、外層の導体パターン2端部同士のショートやめっきリード同士のショートが確実に防止され、信頼性が向上する。
【0022】次に、この放熱構造プリント配線板10を製造する工程を順に説明する。まず、銅張積層板に通常良く用いられる18μm,35μmのものよりも厚い70μm〜150μm程度の銅箔3b1, 3b2と絶縁基材3aとを常法に従ってプレス加工することにより、まず銅張積層板が作製される。銅張積層板においてIVH3cとなる部分には、図1に示すようにドリル等によって穴H1 があけられる(第1の穴あけ加工)。
【0023】次いで、触媒核を付与した後に常法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを施すことにより、厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2及び穴H1 の内面には銅めっき層G1 が形成される(図2参照)。更に、厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2上にエッチングレジストを配してエッチングを施すことにより、図3に示すようにめっきスルーホール4が形成される部分の銅が除去される。なお、除去される部分の形状は円形状であり、例えばその径はめっきスルーホール4の径(0.3mm)より大きく直径1.0mmである。これはめっきスルーホール4が形成されたときに、めっきスルーホール4内面の導体と厚さ70μmの銅箔3b1, 3b2とがショートすることを未然に回避するためである。
【0024】エッチングが施された銅張積層板には、外層の導体パターン2を形成するための銅箔Cと樹脂絶縁層であるプリプレグ1とが減圧下において積層される。この場合、厚さ18μmまたは35μmの銅箔Cが使用される。
【0025】銅張積層板は、被含浸基材としての紙、ガラスクロスまたはこれらの複合材等によって挟持される。被含浸基材の厚さは30μm〜200μm程度であることが望ましい。この厚さが30μmより小さいと、内層における厚めの銅箔3b1,3b2と外層の導体パターン2との絶縁間隔が不充分になる虞れがある。一方、この厚さが200μmを越えると、内層における厚さ70μmの銅箔3b1, 3b2まで熱が充分に伝達せず、放熱効率が低下する虞れがある。
【0026】被含浸基材に挟持された銅張積層板は減圧状態に保たれた真空含浸装置内に連続的に装入され、送りロールによって液状樹脂の入ったタンク内に送り込まれる(図13参照)。液状樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂またはポリエステル樹脂などが被含浸基材の種類に応じて適宜選択される。このような真空含浸を行った場合、液体樹脂は被含浸基材中に到達するに止まらず、隙間S及びIVH3cの内部にも到達する。含浸を終えた後の被含浸基材の両面には、引き続いて銅箔Cが重ね合わされる。これを一対の絞りロール間を通過させることによって、銅箔C、プリプレグ1及び銅張積層板が一体の基板状に積層される。なお、これらが絞りロールを通過する際、余剰の液状樹脂が基板から除去されると同時に、基板の板厚の制御も行われる。
【0027】図5に示すように、この基板においてめっきスルーホール4が形成される部分には、ドリル等によって例えば0.3mm径の穴H2 があけられる(第2の穴あけ加工)。次いで、触媒核を付与した後に常法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを施すことにより、銅箔C及び穴H2 の内面には銅めっき層G2 が形成される(図6参照)。更に、銅箔C上にエッチングレジストを配してエッチングを施すことにより、基板外表面には実装用パッド2a等の外層の導体パターン2が形成される(図7参照)。更に、金めっきを施すことにより、前記導体パターン2上には金めっき層G3 が形成される(図8参照)。そしてこの後に実装用パッド2a上に実装部品5が実装され、かつボンディングが施される。
【0028】そして、隙間Sを有する銅張積層板に対してプリプレグ1を貼り着ける場合でもこの方法によれば、真空含浸の最中に充分な量の液状樹脂がタンクから補給されるため、液状樹脂に不足が生じることがない。このため、隙間Sが銅張積層板3上に存在していたとしても、それらは液状樹脂によって完全に埋め尽くされてしまう。その結果、銅張積層板とプリプレグ1との密着性が向上し、ひいては放熱構造プリント配線板10の信頼性が向上する。しかも、比較的肉薄のプリプレグ1を使用することができるため、全体の肉薄化を実現することも可能となる。
【0029】なお、本発明は上記実施例のみに限定されることはなく、以下のように変更することが可能である。例えば、(a)厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして、より詳細には多層板における内層の電源層やアース層等として用いることが可能である。
【0030】また、図10に示す別例1の放熱構造プリント配線板11のように、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1を放熱のために使用し、裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2を適宜エッチングして用いても良い。この構成によると、裏面側の厚さ70μm以上の銅箔3b2は三層板における内層の導体パターンIp として機能することになる。同様に、表裏両面の厚さ70μm以上の銅箔3b1, 3b2をエッチングして用いても良く、この場合にはこれらは四層板における内層の導体パターンIp として機能することになる。
【0031】そして、このような構成にすることにより、内層における配線の自由度が広がり、全体を小型化することが可能となる。なお、例えば表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1の一部の領域を放熱のために用い、残りの領域を内層の導体パターンIp として用いることなども可能である。
【0032】(b)本発明の構成によると、例えば図11に示す別例2の放熱構造プリント配線板12のような構成にすることが可能になる。つまり、メタルコア基板とは異なり、内層に位置する厚さ70μm以上の銅箔3b1が露出するようにザグリ加工を施して、当該部分に直に実装部品5を実装することができることである。このような実装方法を採用した場合、実装部品5の発生した熱は、プリプレグ1を介することなく直接厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2に伝達・拡散するため、熱放散効率が格段に向上する。よって、放熱量の大きな実装部品5を実装する場合等に有利になる。
【0033】(c)また、図12に示す別例3の放熱構造プリント配線板13のような構成にすることも可能になる。つまり、この放熱構造プリント配線板13では、表面側の厚さ70μm以上の銅箔3b1と表裏を導通するめっきスルーホール4とが連結部14によって電気的に導通された状態にある。この構成の利点としては、図12に示されるように表面に実装された実装部品5の熱がめっきスルーホール4を介して効率よく厚さ70μm以上の銅箔3b2へ伝達されることである。
【0034】(d)IVH3cの数は任意であって良く、またIVH3cは必ずしも設けなければならないという性質のものでもない。
(e)放熱用コア材3として銅張積層板を使用した前記実施例に代えて、例えば厚さ70μm以上の銅箔3b1,3b2以外の材料を用いても良い。つまり、銅と同じくアルミニウム等よりも熱伝導性の高い銀等を選択し、それらを圧延して得た箔を絶縁基材3aに貼り着けたものを放熱用コア材として使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のプリント配線板によれば、低廉であるばかりでなく放熱性及び信頼性に優れたものを提供することができるという効果を奏する。また、本発明のプリント配線板の製造方法によれば、放熱用コア材と樹脂絶縁層との密着性を向上させることができ、かつ全体の肉薄化を実現することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の放熱構造プリント配線板を製造するにあたって、銅張積層板に第1の穴あけ加工を施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図2】厚めの銅箔上に無電解銅めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図3】無電解銅めっき層における所定部分をエッチングした状態を示す部分概略正断面図である。
【図4】銅張積層板、プリプレグ及び銅箔を一枚の基板状に積層した状態を示す部分概略正断面図である。
【図5】めっきスルーホールとなる部分に第2の穴あけ加工を施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図6】銅箔上及びめっきスルーホールとなる穴内に銅めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図7】外層における銅箔の所定部分をエッチングした状態を示す部分概略正断面図である。
【図8】外層及びめっきスルーホールとなる穴内の銅めっき層に金めっきを施した状態を示す部分概略正断面図である。
【図9】実装用パッド上に実装部品を実装した状態を示す部分概略正断面図である。
【図10】内層の導体パターンを有する別例1の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図11】ザグリ加工が施された部分に実装部品が直に実装された別例2の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図12】表面側の厚さ70μm以上の銅箔とめっきスルーホールとが電気的に導通されている別例3の放熱構造プリント配線板を示す部分概略正断面図である。
【図13】真空含浸装置を示す概略図である。
【図14】従来のメタルコア基板の製造工程において、第1の穴あけ加工後の金属板とプリプレグ及び銅箔とを一枚の基板状にプレス加工した状態を示す部分概略正断面図である。
【図15】第2の穴あけ加工によってスルーホールとなる穴を形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図16】銅めっき層を形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図17】エッチングによって導体パターンを形成した状態を示す部分概略正断面図である。
【図18】導体パターン上に金めっき層を形成した後に実装部品を実装した状態を示す部分概略正断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂絶縁層としてのプリプレグ、2…(外層の)導体パターン、3…放熱用コア材(=銅張積層板)、3a…絶縁基材、3b1,3b2…厚さ70μm以上の銅箔、10,11,12,13…放熱構造プリント配線板、Ip …内層の導体パターン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】樹脂絶縁層を介して放熱用コア材の外表面に導体パターンを形成した放熱構造プリント配線板において、前記放熱用コア材は絶縁基材の両面に厚さ70μm以上の銅箔を貼り着けてなる銅張積層板であることを特徴とする放熱構造プリント配線板。
【請求項2】前記厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いることを特徴とする請求項1に記載の放熱構造プリント配線板。
【請求項3】表裏を導通するめっきスルーホールとなる部分における厚さ70μm以上の銅箔が除去された銅張積層板を被含浸基材によって挟持した後、減圧下にて液状樹脂を含浸させかつ前記被含浸基材の両面に銅箔を貼り着け、更に前記銅箔をエッチングして導体パターンを形成することを特徴とする放熱構造プリント配線板の製造方法。
【請求項1】樹脂絶縁層を介して放熱用コア材の外表面に導体パターンを形成した放熱構造プリント配線板において、前記放熱用コア材は絶縁基材の両面に厚さ70μm以上の銅箔を貼り着けてなる銅張積層板であることを特徴とする放熱構造プリント配線板。
【請求項2】前記厚さ70μm以上の銅箔の少なくとも一部を多層板における内層の導体パターンとして用いることを特徴とする請求項1に記載の放熱構造プリント配線板。
【請求項3】表裏を導通するめっきスルーホールとなる部分における厚さ70μm以上の銅箔が除去された銅張積層板を被含浸基材によって挟持した後、減圧下にて液状樹脂を含浸させかつ前記被含浸基材の両面に銅箔を貼り着け、更に前記銅箔をエッチングして導体パターンを形成することを特徴とする放熱構造プリント配線板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
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【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開平6−224561
【公開日】平成6年(1994)8月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−10298
【出願日】平成5年(1993)1月25日
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【公開日】平成6年(1994)8月12日
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)1月25日
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
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