説明

放電ランプ

【課題】取り付けの安定性を向上させた放電ランプを提供する。
【解決手段】基準面を有するランプホルダーに挿入される、その一端に固定用口金20を有する放電ランプである。この固定用口金は、円筒の外周に形成された一対の第1の非円形部21Hを有する第1部分21と、円筒の外周に形成された接合部を兼ねる一対の第2の非円形部23Hを有する第2部分23と、一対の第1の切欠部の間隔以下の直径であり、第1部分と第2部分との間に外周に沿って形成された溝部25とを備え、一対の第1の切欠部の間隔は一対の第2の切欠部の間隔以下であり、かつ第1部分の直径は、第2部分の直径以下であり、溝部の第1部分側に形成された軸方向端面21Bが、基準面に接合して固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線を放射するための放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
塗料を硬化させたり、半導体ウエハもしくはガラス基板等の表面を改質させたりするために、放電ランプを用いて被処理対象物に紫外線を照射することが行われている。このような放電ランプを有する光源装置は、例えば、特許文献1に記載された発明では、放電ランプから放射された光を、楕円集光ミラーなどのミラーによって反射、集光した後、出射口に導光し、出射口に接続されている光ファイバー束などの導光手段(ライトガイド)によって外部に照射している。
【0003】
このような光源装置のハウジング内において、放電ランプの固定用口金は、楕円集光ミラーが周囲に設けられたランプホルダーに取り付けられる。放電ランプがランプホルダーの適正な位置に取り付けられると、放電ランプの輝点が楕円集光ミラーの第1焦点に合致するようになっている。そして、楕円集光ミラーの第2焦点の出射口に取り付けられた光ファイバー束が配置されるようになっている。このように構成することで、放電ランプの輝点より放射した光を効率よく、光ファイバー束の出射端へ導光することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3124444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作者が放電ランプを交換する際に、上記放電ランプの固定用口金をランプホルダーに十分に差し込まないまま、クランプネジを締め付けてしまうことがある。
ランプホルダーに十分に差し込まない状態であっても、口金に電源を投入すれば放電ランプが点灯する。しかし、このような場合、放電ランプの輝点が楕円集光ミラーの第1焦点にないために、光ファイバー束の出射端において照度が足りないことになる。
【0006】
そこで本発明は、操作者が、放電ランプの輝点の位置が楕円集光ミラーの第1焦点位置に来るように放電ランプを取り付けない限り、放電ランプをランプホルダーにクランプすることができないようにした放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の放電ランプは、基準面を有するランプホルダーに挿入される、その一端に固定用口金を有する放電ランプである。その固定用口金は、円筒の外周に形成された第1部分と、円筒の外周に形成された第2部分と、第1部分と第2部分との間に外周に沿って形成された溝部とを備える。そして、溝部の第1部分側に形成された軸方向端面が基準面に接合して固定される。
【0008】
この放電ランプは、放電ランプの輝点の位置が楕円集光ミラーの第1焦点位置に来るように、ランプホルダーに対して正確に固定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放電ランプをランプホルダーに正確な位置精度で固定することができるため、作業位置における照度不足を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は本発明を具体化した放電ランプの斜視図。(b)は同じく平面図。(c)は(b)中におけるC−C線断面図。
【図2】(a)は図1の放電ランプの主として固定用口金を拡大して示す部分斜視図。(b)は同固定用口金の平面図。(c)は同じく正面図。(e)は同じく右側面図。(d)は放電ランプの左側面図。(f)は(c)中のA−A線における拡大断面図。(g)は(c)中のB−B線における拡大断面図。
【図3】(a)〜(c)は放電ランプをランプホルダーに装着する場合の動作を順に示す断面図。
【図4】(a)〜(h)は固定用口金の第1部分及び第2部分のバリエーション形状の輪郭をそれぞれ示す右側面図。
【図5】(a)は固定用口金の正面図。(b)〜(d)は固定用口金の第1部分のバリエーションを示す右側面図。
【図6】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す正面図。(b)は(a)の固定用口金の右側面図。(c)〜(e)は第1部分に設けられた孔あるいは凹部をそれぞれ示す部分拡大断面図。
【図7】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同じく右側面図。
【図8】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同じく右側面図。(d)及び(e)は第1部分の面取り加工について異なった形状をそれぞれ示す部分正面図。
【図9】(a)〜(c)は固定用口金の第1部分の形状をそれぞれ示す右側面図。
【図10】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は(b)中のC−C線における拡大断面図。
【図11】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は(b)中のD−D線における拡大断面図。
【図12】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す正面図。(b)は同固定用口金の右側面図。(c)は同固定用口金の斜視図。
【図13】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の右側面図。
【図14】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の右側面図。
【図15】固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。
【図16】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。
【図17】(a),(c)〜(g),(i)(j)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示すそれぞれ示す平面図。(b)は(a)の固定用口金の正面図。(h)は(g)の固定用口金の右側面図。
【図18】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。
【図19】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す斜視図。(b)及び(d)は第1部分21の形状をそれぞれ示す部分斜視図。(c)及び(e)は同第1部分21の断面図。(f)は第1部分21の平面図。
【図20】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の右側面図。
【図21】(a)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の右側面図。
【図22】(a)〜(c)は固定用口金の第1部分の形状を変化させた例をそれぞれ示す右側面図。
【図23】(a)〜(e)は同じく固定用口金の第1部分の形状を変化させた例をそれぞれ示す右側面図。
【図24】(a)は固定用口金から第1部分と第2部分をなくし、溝部の底面を含むベース部のみの形状を示す正面図。(b)は同形状構成の右側面図。(c)は同形状構成の左側面図。
【図25】(a)は固定用口金から第1部分と第2部分をなくし、溝部の底面を含むベース部のみの形状を示す正面図。(b)は同形状構成の拡大右側面図。
【図26】(a)は固定用口金から第1部分と第2部分をなくし、溝部を含むベース部のみの形状を変化させた例を示す右側面図。(b)及び(c)はベース部の異なる形状をそれぞれ示す正面図。
【図27】(a)は固定用口金から第1部分と第2部分をなくし、溝部の底面を含むベース部のみの形状を変化させた例を示す正面図。(b)は同ベース部の右側面図。(c)及び(d)はベース部の形状を変化させた例をそれぞれ示す右側面図。
【図28】(a)は固定用口金の第2部分の形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。(d)は(b)中のE−E線における拡大断面図。
【図29】(a)は固定用口金の第2部分下をなくし、第2部分上のみの形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。(d)は(b)中のF−F線における拡大断面図。
【図30】(a)は固定用口金の第2部分下をなくし、第2部分上のみの形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。(d)は(b)中のG−G線における拡大断面図。
【図31】(a)は固定用口金の第2部分下をなくし、第2部分上のみの形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。(d)は(b)中のH−H線における拡大断面図。
【図32】(a)〜(f)は固定用口金の第2部分の形状を変化させたバリエーションをそれぞれ示す断面図。
【図33】(a)は固定用口金の第2部分上をなくし、第2部分下のみの形状を変化させた例を示す平面図。(b)は同固定用口金の正面図。(c)は同固定用口金の右側面図。(d)は(b)中のI−I線における拡大断面図。
【図34】固定用口金の第2部分の形状を変化させた例を示す図33(d)に相当する断面図。
【図35】(a)〜(d)は固定用口金の第2部分の形状をそれぞれ変化させた例を示す図33(d)に相当する断面図。
【図36】(a)〜(f)は固定用口金の第2部分の形状を変化させた例をそれぞれ示す図33(d)に相当する断面図。
【図37】(a)〜(f)は固定用口金の第2部分の形状のバリエーションをそれぞれ示す図33(d)に相当する断面図。
【図38】(a)〜(g)は固定用口金の形状のバリエーションをそれぞれ示す斜視図。
【図39】(a)〜(f)は固定用口金の形状のバリエーションをそれぞれ示す斜視図。
【図40】各部分の構成が描かれた図を示すマトリクス。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した放電ランプの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面において、破線は意匠としての要部を構成しない線を示す。
また、図中に表れる1点鎖線は中間省略を表しており、図面中省略した部分は図面上5.2センチメートルである。
【0012】
図1(a)〜(c)に示すように、放電ランプ10は、その一端に固定用口金20を有している。この放電ランプ10は、例えば水銀キセノンランプや、超高圧水銀ランプを採用することができ、紫外線を含む光を照射する。
【0013】
図2(a)〜(g)に示すように、前記固定用口金20は、略板状の第1部分21と、短胴状の第2部分23と、第1部分21と第2部分23との間に形成された円形周面の溝部25とを有する。固定用口金20の中心軸に形成された開口29には放電ランプ10のステムが挿入されており、この状態でステムと開口29とがセラミック接着剤等で固定されている。第1部分21には平面状にカットされた一対の非円形部21Hが、固定用口金20の軸対称位置に形成されている。第2部分23には平面状にカットされた切欠部としての一対の非円形部23Hが、固定用口金20の軸対称位置に形成されている。図2において底面図は平面図と対称に、背面図は正面図と対称に表れる。
【0014】
前記溝部25は前記第1部分21と第2部分23との間に形成されている。第1部分21における溝部25側の端面には、基準面21Bが形成されている。第2部分23における溝部25側の端面には、挿入停止用のストッパ面23Eが形成されている。
【0015】
そして、前記第1部分21の円領域の直径は、第2部分23の円領域の直径よりも小さくなっている。溝部25の直径は、第1部分21の円領域の直径と同じあるいは同直径より小さくなっている。溝部25の直径は、第1部分21に形成された一対の非円形部21H間の間隔と同じになっている。第2部分23に形成された一対の非円形部23H間の間隔は、第1部分21に形成された一対の非円形部21H間の間隔よりも大きくなっている。
【0016】
図3(a)〜(c)に示すように、前記ランプホルダー50には、前記固定用口金20における第2部分23のストッパ面23E及び第1部分21の基準面21Bに当接可能なフランジ部51が設けられている。
【0017】
そして、放電ランプ10をランプホルダー50に装着する際には、図3(a)に示すように、放電ランプ10の固定用口金20を上にした状態で、固定用口金20をランプホルダー50の挿入部50Hに挿入する。このようにすると、図3(b)に示すように、第2部分23上のストッパ面23Eがランプホルダー50のフランジ部51の下面に当接して、放電ランプ10の挿入位置が規制される。その後、放電ランプ10を自身の軸線の周りで90度回転させると、第2部分23下がランプホルダー内のリング56を回転させ、リング56が90度回転すると、図示しないクリック機構によりその90度回転位置において作業者にクリック感が付与される。そして、図3(c)に示すように、第1部分21の基準面21Bがランプホルダー50のフランジ部51の上面に係合するとともに、第2部分23下の下面がランプホルダー50の段差上面55に支持されて、放電ランプ10がランプホルダー50に対して基準位置に規制保持される。この状態で、ランプホルダー50に設けられた図示しないクランプネジを締め付けることにより、固定用口金20がランプホルダー50に固定される。従って、放電ランプ10をランプホルダー50に対して正確に固定することができる。
【0018】
(変更例)
図4(a)〜(h)は、第1部分21及び第2部分23の輪郭形状を表している。これらの輪郭形状のみが図1〜図2の実施形態と異なる。図4(a)〜(h)において、第1部分21及び第2部分23は、同第1部分21及び第2部分23が軸線と直交する方向に切断された場合、その厚さ方向(図2(b)の左右方向)のどの位置においても同形状である。
【0019】
図5(a)〜(d)において、背面図、平面図、底面図、左側面図は図1〜図3の実施形態と同じに表れる。
図6〜図8において、左側面図は図1〜図2の実施形態と同じに表れる。背面図は図6〜図8の各図の正面図と対称に表れる。図6〜図8の平面図と底面図は同一に表れる。この図6〜図8の構成は、第1部分21の構成を除いて図1〜図2の実施形態と同じ形状である。
【0020】
図9(a)〜(c)は、第1部分21及び第2部分23の形状を表している。第2部分23の形状は図1〜図2の実施形態と同じである。また、第2部分23を軸線と直交する方向に切断した場合、その厚さ方向(図1(b)の左右方向)のどの位置においても同形状である。
【0021】
図10(a)〜(c)の構成及び図11(a)〜(c)の構成は、右側面図及び左側面図が図1〜図2の構成の左側面図及び右側面図と同じに表れる。背面図及び底面図はそれぞれ図10及び図11の正面図及び平面図と対称に表れる。この図10(a)〜(c)及び図11(a)〜(c)の構成は、第1部分21の構成を除いて図1〜図2の実施形態と同じ形状である。
【0022】
図12〜図17の構成において、左側面図が図1〜図2の構成の左側面図と同じに表れる。この図12〜図17の構成は、第1部分の構成を除いて図1〜図2の実施形態と同形状である。図12〜図17において、平面図と底面図は図17(g)を除き同一に表れる。図17(g)は、平面図と底面図は対称に表れる。図15,図17の各図において、第1部分21の高さは第2部分23の外周面の高さと同じかあるいはその高さより低く、かつ第1部分の上端面は第2部分23の周面と同じ曲率の円弧で、右側面図において両上端面の円弧が重なるように形成されている。図17(i)において第1部分21の半円状の凹部21iは第1部分の外周面と同心円であって、第1部分21の高さと同じ高さである。
【0023】
図18〜図20の構成において、左側面図が図1〜図2の構成の左側面図と同じに表れる。この図18〜図20の構成は、第1部分21の構成を除いて図1〜図2の実施形態と同様である。図18〜図20において、背面図は正面図と対称に表れ、平面図と底面図は同一に表れる。図19において、第1部分21は、一般的なネジの頭でもよく、この場合は、図19(f)に示すように、短円柱状の第1部分21の上面に六角孔が形成される。
【0024】
図21の構成において、左側面図が図1〜図2の構成の左側面図と同じに表れる。この図21の構成は、第1部分21を除いて図1〜図2の実施形態と同形状である。図21において、平面図と底面図は同一に表れる。
【0025】
図22及び図23においては、第1部分21及び第2部分23の形状を表している。図22及び図23の構成において、左側面図が図1〜図2の構成の左側面図と同じに表れる。この図22〜図23の構成は、第1部分21の構成を除いて図1〜図2の構成と同形状であって、第1部分21の厚さは図1〜2の構成と同じである。第2部分23の形状は図1〜図2の実施形態と同じである。また、第2部分23を軸線と直交する方向に切断した場合、同第2部分23はその厚さ方向(図1(b)の左右方向)のどの位置においても同形状である。
【0026】
図24〜図27は、固定用口金20のベース形状(ベース部20Bとする)を表している。ここで、ベース部とは、第1部分21及び第2部分をなくし、溝部25の底面が含まれる面を有する構成を指す。図26(c)、図27(c)を除き、正面図と背面図は対称に表れるとともに、正面図と平面図、底面図は同一に表れる。図24(a)における網線は、溝部25の範囲を示す。図26(a)において、ベース部20Bは略八角柱状をなしている。図26における孔201は、ベース部20Bの外周に等間隔をおいて4箇所に形成されており、その孔201は、断面半円状である。図26(c)は、略円柱状をなすベース部にらせん状溝が設けられている。図27(b)(c)は、略円柱状をなすベース部に溝が設けられている。図27(d)は、略円柱状をなすベース部にフラットな面205が設けられている。
【0027】
図28〜図32は、第2部分23上(図28(a)(b)の右側の網掛け部)における形状のバリエーションを示している。
図28において、底面図は平面図と同一に表れ、背面図は正面図と対称に表れる。図28(a)及び(b)における網線は第2部分23上の範囲を示す。
【0028】
図29〜図31においては、固定用口金20の第2部分23下をなくし、第2部分23上のみを変化させた形状を表している。図29において、底面図は平面図と同一に表れ、背面図は正面図と対称に表れる。
【0029】
図29〜図32において、第2部分23を除いた他の部分は図1,図2の実施形態と同形状である。
図30において、底面図は平面図と同一に表れ、背面図は正面図と対称に表れる。図31において、底面図は平面図と同一に表れ、背面図は正面図と対称に表れる。
【0030】
図32において、各図(a)〜(f)は、図28の第2部分23の変更例であって、図31の構成に対して、第2部分23の形状のみが異なっており、その他の構成の形状は図1,図2の構成と同じである。
【0031】
図33〜図37においては、固定用口金20の第2部分23上をなくし、第2部分23下のみを変化させた形状を表している。
図33〜図37は、第2部分23下(図33(a)(b)の左側の網掛け部)における形状のバリエーションを示している。
【0032】
図33において、ベース部20B及び第2部分23を除いた部分の形状は、図1,図2の実施形態と同形状である。
図33において、底面図は平面図と同一に表れ、背面図は正面図と対称に表れる。
【0033】
図34〜図37の構成は、図33の第2部分23の変更例であって、図33の構成に対して、第2部分23の形状のみが異なっており、その他の構成の形状は図1,図2の構成と同じである。図34の構成において、2点鎖線で示すように、第2部分23を幅狭にするための一対の非円形部23Hを形成することもできる。あるいは、図34の構成と、図19に示す第1部分21の構成とを組み合わせることもできる。
【0034】
図38及び図39は、前述した各形状(第1部分、溝部、ベース部、第2部分上、第2部分下)の構成を組み合わせた例を示している。図38(a)は、図1〜図2の構成に対して第1部分21を図5(a)(b)のものに置き換えている。図38(b)は、図1,図2の構成に対して、図5(a)(b)のものに置き換えるとともに、第2部分23を図36(f)のものに置き換えている。図38(c)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図14(a)(b)のものに置き換えるとともに、第2部分23を図32(f)のものに置き換えている。図38(d)は、図1,2の構成に対して、第1部分21を図22(c)のものに置き換えるとともに、第2部分23を図32(d)のものに置き換えている。図38(e)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図23(e)に、第2部分23を図32(d)のものに置き換えて組み合わせている。図38(f)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図23(a)のものに、第2部分23を図37(a)のものに置き換えている。図38(g)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図20(a)(b)のものに、ベース部を図27(a)(b)のものに、第2部分23を図37(f)のものに置き換えている。図39(a)は、図1,図2の構成に対して、第2部分23上を図29(a)〜(d)のものに、第2部分23下を図35(a)のものに置き換えている。図39(b)は、図39(b)は図1,図2の構成に対して、第2部分23の上下を図32(a)のものに置き換えている。図39(c)は、図1,図2の構成に対して、第2部分23上を図29(a)〜(d)のものに、第2部分23下を図33(a)〜(d)のものに置き換えている。図39(d)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図4(g)のものに、第2部分23を図31(a)〜(d)のものに置き換えている。図39(e)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図4(g)のものに、第2部分23を図36(d)のものに置き換えている。図39(f)は、図1,図2の構成に対して、第1部分21を図4(g)のものに、第2部分23の上を図29(a)〜(d)のものに、第2部分23の下を図32(d)に置き換えている。
【0035】
次に、前記のように構成された放電ランプ10における固定用口金20の形状の各種の態様を、図4〜図40に従って説明する。
まず、第1部分21についてバリエーションを説明する。
【0036】
図4〜図23には、固定用口金20の第1部分21の各種形状の構成が示されている。図24〜図27には、固定用口金20の溝部25あるいは口金のベース部の各種形状の構成が示されている。図28〜図32には、口金の第2部分23上の各種形状の構成が、図33〜図37には、口金の第2部分23下の各種形状の構成が示されている。図38及び図39には、固定用口金20の第1部分21、溝部25、ベース部20B及び第2部分23上下の組み合わせによる各種形状の構成が示されている。
【0037】
図4(a)には、前述した図1〜図2の実施形態における基本形状の第1部分21が示されている。同図(b)の構成では、第1部分21の周面に複数の三角形状の凹部211が形成されている。同図(c)の構成では、第1部分21の周面に2条の切欠溝212が形成されている。同図(d)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hに円弧凹面213が形成されている。同図(e)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hのひとつの対角位置に円弧凹面214が形成されている。同図(f)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hの対角位置に傾斜面216が形成されている。同図(g)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hの一方の対角位置に円弧凹面217が形成されるとともに、他方の対角位置に円弧凸面218が形成されている。同図(h)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hの両端縁に傾斜面210が切欠き形成されている。同図(d),(e),(g)の構成では第2部分23にその両非円形部23Hの厚さ方向に延び、その厚さと同じ長さの溝部231が形成されている。
【0038】
図5(a)及び(b)の構成では、第1部分21の全体が側面楕円形状をなすように形成されている。同図(c)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hが円弧凸面状に形成されている。同図(d)の構成では、第1部分21の両非円形部21Hが、同図(c)の場合よりも曲率半径の小さい円弧凸面状に形成されている。
【0039】
図6(a)及び(b)の構成では、第1部分21の全体が前記図5(a)及び(b)の構成と同様な側面楕円形状になるとともに、それよりも軸線方向の板厚が薄くなるように形成されている。第1部分21には孔(凹状のものも含む)61を1つ以上設けてもよい。孔61の形状は丸でなくてもよい。四角でも三角でもよい。また、第1部分21には、同図(c)に示すような貫通孔、同図(d)に示すような半球状の凹部、または同図(e)に示すような断面四角形状の凹部よりなる孔61が形成されてもよい。
【0040】
図7(a)〜(c)の構成では、第1部分21が前記図6(a)及び(b)の構成と同様に薄板状に形成されている。そして、第1部分21の両長径部の外周面には、側面三角形の凹部211が形成されている。
【0041】
図8(a)〜(e)の構成では、第1部分21が前記図5(a)及び(b)の構成と同様な側面楕円形状になるとともに、それよりも軸線方向の板厚が厚くなるように形成されている。そして、第1部分21の両長径部の外周面には、側面四角形の2条の凹溝2112が形成されている。この場合、厚板状の第1部分21は、同図(d)及び(e)に示すように面取り加工を施してもよい。すなわち、同図(a)において、第1部分21の表裏両面側に面取り2113が形成されてもよいし、第1部分21の表面側(右側面側)に円弧2114が形成されてもよい。図8(b)に示すように、前記凹部211(図7(c)参照)や凹溝2112の有無に関わらず、第1部分21の厚さを任意に変更することができる。
【0042】
図9(a)の構成では、図1〜図2に示す実施形態と同じ厚さの第1部分21が側面ほぼ楕円形状に形成されるとともに、その長径部の両側に直線状の傾斜面2115が形成されている。同図(b)の構成では、同図(a)の形状の構成において長径部の半分の対角位置に切除部2116が形成されている。同図(c)の構成では、同図(a)の形状の構成に比較して長径部の曲率半径が小さくなるように形成されるとともに、短い傾斜面2115が形成されている。
【0043】
図10(a)〜(c)の構成では、第1部分21の内面に一対の突条部2117が互いに平行に延びるように形成されている。図11(a)〜(c)の構成では、第1部分21の内面に一対の突条部2118が形成されている。
【0044】
図9〜図23において、固定用口金20は、第1部分21と第2部分23以外の部分はベース部20Bによって形成されている。第1部分21の第2部分23側は前記ランプホルダー50のフランジ部51に接する部分以外の部分を肉盗みしてもよい。
【0045】
図12(a)〜(c)の構成では、第1部分21が固定用口金20のベース部20Bの外周面に突設された所定幅のほぼ四角ブロック状の一対の突片から構成されている。図13(a)及び(b)の構成では、突片の幅が図12(a)〜(c)の場合よりも狭くなるように形成されている。図14(a)及び(b)の構成では、図12(a)〜(c)の場合と比較して、突片の幅が広くなるとともに厚さが薄くなるように形成されている。図15の構成では、第1部分21を構成する突片が平面半円形となるように形成されている。図16(a)〜(c)の構成では、突片が正面三角形となるように形成されている。図13の21は四角柱でなく、例えば図15のようにかまぼこ状でもよい。
【0046】
図17(a)の構成では、第1部分21を構成する突片が平面三角形となるように形成されている。同図(b)は図17(a)の正面図である。同図(c)の構成では、突片が平面I字形となるように形成されている。同図(d)の構成では、突片が菱形に近い平面平行四辺形となるように形成されている。同図(e)の構成では、突片が平面長方形の2片の突部からなるように形成されている。同図(f)の構成では、突片が平面横T字形となるように形成されている。同図(g)(h)の構成では、突片が平面T字形となるように形成されている。同図(i)の構成では、突片が平面半円錐台形となるように形成されている。同図(j)の構成では、突片が平面横凹形となるように形成されている。図13の第1部分21は図17(a),(c),(b)、(d)〜(j)のような形でもよい。
【0047】
図18(a)〜(c)の構成では、第1部分21を構成する突片が小径の円柱状となるように形成されている。図19(a)の構成では、円柱状の突片の中心に同図(b),(c)に示すような半球状の凹部、または同図(d),(e)に示すような貫通孔よりなる孔が形成されている。第1部分21には孔や円錐状などの各種形状の凹部が設けられていてもよい。図20(a)及び(b)の構成では、突片が側面三角形となるように形成されている。図21(a)及び(b)の構成では、突片が側面台形となるように形成されている。図22(a)〜(c)の構成では、一対の突片が固定用口金20のベース部20Bの半径方向から変位した位置に突出されている。また、第1部分21を構成する突片の形状の構成は、図23(a)〜(e)に示すように変更することも可能である。図21の第1部分21を図23(a)〜(e)のようにしてもよい。図23(d)の61は孔あるいは凹部を表している。
【0048】
次に、溝部25(図24(a)の網掛け部)あるいは溝部25を含むベース部20Bについてバリエーションを説明する。実際には、このベース部上に第1部分21と第2部分23とが必要に応じて形成されて固定用口金20を構成する。
【0049】
図24(a)〜(c)、図25(a)及び(b)の構成では、固定用口金20の溝部25を含むベース部20Bが円柱形に描かれている。図26(a)の構成では、ベース部20Bが断面八角となるように形成されている。同図(b)の構成では、円筒形のベース部20Bの外周面に2本の円環状の凹溝200が間隔をおいて形成されるとともに、それらの間に円形や四角形等の孔201が形成されている。なお、凹溝200は前記溝部25の機能を果たすものである。同図(c)の構成では、円筒形のベース部20Bの外周面に螺旋状の凹溝202が形成されている。
【0050】
図27(a)及び(b)の構成では、円筒形のベース部20Bの外周面に断面半円状をなす複数本の凹溝203が軸線方向に沿って平行に延びるように形成されている。同図(c)の構成では、ベース部20Bの外周面の凹溝204が断面円弧状となるように形成されている。同図(d)の構成では、平面205が形成されている。平面は2051ヶ所でも、複数箇所にあってもよい。
【0051】
図28(a)(b)の網掛け部は、第2部分23上を示している。図29〜図32は第2部分23上のバリエーションを示す。実際には、さらに前述した各種形状の第2部分23下が必要に応じて形成されて固定用口金20を構成する。
【0052】
図29(a)〜(d)の構成では、第2部分23上がベース部20Bの外周面に突設された所定幅のほぼ四角ブロック状をなす4つの突片から構成されている。図30(a)〜(d)の構成では、第2部分23上を構成する4つの突片のうちで、上下一対の突片が図29(a)〜(d)の突片よりも幅広の四角ブロック状に形成されるとともに、残りの一対の突片が側面三角形状となるように形成されている。図31(a)〜(d)の構成では、4つの突片が側面ほぼ台形となるように形成されている。また、第2部分23上を構成する突片の形状は、図32(a)〜(f)に示すように変更することも可能である。図28〜32の第2部分23上の形状は第2部分23下まで同じ形で構成されていてもよい。
【0053】
図33(a)(b)の網掛け部は、第2部分23下を示している。図34〜図37は第2部分23下のバリエーションを示す。実際には、図33(a)〜(b)の第2部分23下の形状が図33(c)(d)〜図37の形状に形成され、さらに第2部分23上が必要に応じて前述した各種形状に形成されて、固定用口金20を構成する。
【0054】
図34の構成では、第2部分23下の外周の上下左右各面に切欠部としての非円形部23Hが形成されている。この場合、第2部分23下の形状は、図35(a)〜(d)、図36(a)〜(f),図37(a)〜(f)に示すように変更することも可能である。
【0055】
また、第2部分23の全体,上及び下の側面部を、波形状にしたり、鋸歯状にしたり、溝を縦横方向,縦方向,横方向あるいは斜め方向に形成したり、複数の凹部や凸部を形成したり、各種形状に形成することができる。
【0056】
上述の第1部分21,溝部25,ベース部20B,第2部分23上、第2部分23下の形状は任意に組み合わせることができる。
さらに、図40には、第1部分21,第2部分23,第2部分23上,第2部分23下,溝部25,ベース部20Bに関する前述の各種形状が描かれた図をマトリクスで示している。このマトリクスに並べられた各種形状の図,すなわちマトリクスで示された各種形状あるいはその各種形状から派生した別形状を任意にピックアップして組み合わせれば、例えば、図38(a)〜(g)、図39(a)〜(f)に示すような構成を実現できる。すなわち、図40には、第1部分21として50枠,第2部分23として18枠,第2部分23上として10枠,第2部分23下として18枠,溝部25として7枠,ベース部20Bとして7枠が列挙され、それらの枠内に実施形態の各例が示されている。そして、これらは、
50×10×18(第2部分下)×7×7=441000通り・・・(1)
50×18(第2部分)×7×7=44100通り・・・・・・・・(2)
従って、この(1)と(2)との合計数の組み合わせが実現される。
【0057】
そして、第1部分21として各枠,第2部分23として各枠,第2部分23上として各枠,第2部分23下として各枠,溝部25として各枠,ベース部20Bとして各枠の内部にそれぞれ列挙された各案は、意匠として観察するとき、全て要部となり得るものである。つまり、第1部分21をA,第2部分23をB,第2部分23上をC,第2部分23下をD,溝部25をE,ベース部20BをFとした場合、A〜Fのうちのひとつを要部としてもよく、あるいは、A〜Fのうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを要部としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10…放電ランプ、20…固定用口金、20B…ベース部、21…第1部分、21B…基準面、21H…切欠部、23…第2部分、23H…切欠部としての接合部、25…溝部、50…ランプホルダー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準面を有するランプホルダーに挿入される一端に固定用口金を有する放電ランプであって、前記固定用口金は、円筒の外周に形成された一対の第1の切欠部を有する第1部分と、円筒の外周に形成された接合部を兼ねる一対の第2の切欠部を有する第2部分と、前記一対の第1の切欠部の間隔以下の直径であり、前記第1部分と前記第2部分との間に外周に沿って形成された溝部とを備え、前記一対の第1の切欠部の間隔は、前記一対の第2の切欠部の間隔以下であり、かつ、前記第1部分の直径は、前記第2部分の直径以下であり、前記溝部の前記第1部分側に形成された軸方向端面が、前記基準面に接合して固定されることを特徴とする放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−169230(P2012−169230A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31337(P2011−31337)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(592032430)HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社 (44)
【Fターム(参考)】