説明

放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具、冷蔵ショーケース用照明装置

【課題】ケース蓋をケース本体に容易に取り付けることができるとともにケース本体及びケース蓋を確実に結合することのできる放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具、冷蔵ショーケース用照明装置を提供する。
【解決手段】プリント配線板1が載置される金属製のケース本体2及びプリント配線板1を覆うようにケース本体2に取り付けられる金属製のケース蓋3の構造において、ケース蓋3の短側片32の短手方向に沿った両側縁の上端部には、外側に突出する略矩形状の突片33をそれぞれ突設し、ケース本体2の脚片21の長手方向の両端部には、短側片32の下端縁と対向する略三角形状のリブ26を脚片21と連続一体にそれぞれ形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具、冷蔵ショーケース用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蛍光灯のようなランプを点灯させるために放電灯点灯装置が提供されているが、このうち、一般にインバータ方式と呼ばれる放電灯点灯装置においては商用電源等の交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する直流変換部と、直流変換部の直流電圧出力を高周波電力に変換してランプに供給する高周波変換部とから成るインバータ回路が搭載されている。上記インバータ回路は、プリント配線板上に多数の電子部品が実装されて構成されているが、該プリント配線板に塵埃や水滴が付着するとショートや導通不良などの不具合が発生し、放電灯点灯装置が故障する虞があるためプリント配線板を金属あるいは樹脂等のケースに収納し、塵埃や水滴から保護している。一般的にプリント配線板を収納するケースは、プリント配線板が載置されるケース本体と、プリント配線板を覆うようにケース本体に取り付けられるケース蓋とから構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、上記のようなケースを備えた放電灯点灯装置の従来例を図面を用いて説明する。尚、以下の従来例の説明では、図7(a)における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定める。この従来例は、図7に示すように、放電灯(図示せず)へ高周波電力を供給するインバータ回路の構成部品(図示せず)が実装される略矩形状のプリント配線板1と、プリント配線板1が載置される金属製のケース本体2と、前記プリント配線板1を覆うようにケース本体2に取り付けられる金属製のケース蓋3とから成る。
【0004】
尚、ケース蓋3はプリント配線板1全体を覆うわけではなく、図8(b)に示すように、プリント配線板1の前端部では、商用電源と上記インバータ回路との接続及び他の放電灯点灯装置との接続を行う一対の電源用端子10と、放電灯の調光を行なうための調光信号の受信及び他の放電灯点灯装置への調光信号を伝送するための信号線が接続される一対の調光信号用端子11とが外部に露出しており、プリント配線板1の後端部では、インバータ回路からソケット(図示せず)を介して放電灯へ高周波電力を供給するための給電線が接続される放電灯用端子12が外部に露出している。また、プリント配線板1の前端部には、図7(a)に示すように接地用ネジ13が設けられており、該接地用ネジ13をプリント配線板1に貫通させてケース本体2と接続することで、インバータ回路の所定の部分を金属製のケース本体2と導通させて接地している。
【0005】
ケース本体2は、図7(a)に示すように断面略コ字状に形成され、上下方向においてプリント配線板1に対向する略矩形状の主板20と、主板20の長手方向に沿った両側縁からプリント配線板1の長手方向に沿った両側縁に沿って延設された一対の脚片21とから成る。脚片21の前端部及び後端部には、プリント配線板1の前後方向の移動を規制する略弧状の規制部22と、プリント配線板1が載置される断面略半円状の支持部23と、プリント配線板1の上下方向の移動を規制する略矩形状の保持部24とがそれぞれ設けられており、プリント配線板1を支持部23に載置して前側の規制部22と後側の規制部22とで挟み込むことで、プリント配線板1の前後方向の移動が規制される。更に、保持部24を折曲して保持部24と支持部23とで挟む込むことで、プリント配線板1の上下方向の移動も規制されてプリント配線板1がケース本体2に固定されるようになっている。
【0006】
ケース蓋3は、図7(a)に示すように、上下方向においてプリント配線板1に対向する略矩形状の天板30と、天板30の長手方向に沿った両側縁から脚片21を覆うように主板30に向かって垂直に延設された一対の長側片31と、天板30の短手方向に沿った両側縁から長側片31と直交し且つ主板30に向かって垂直に延設された一対の短側片32とから成る。長側片31の短手方向に沿った両側縁及び短側片32の短手方向に沿った両側縁は互いに一体に連結されずに所定長さだけ離間しており、ケース蓋3をケース本体2の上方から下げて、長側片31と短側片32との間にケース本体2の脚片21を挿入することでケース本体2にケース蓋3が取り付けられる。
【0007】
短側片の長手方向の両端部には、図8(a)に示すように各々略矩形状の開口部34がそれぞれ設けられており、各開口部34の内周の長手方向に沿った下端縁からは、短側片32と連続一体に形成された略矩形状の掛止片35が突設されている。また、脚片21の長手方向の両端部には、ケース本体2とケース蓋3が取り付けられた状態において開口部34と重なり合う略矩形状の掛止孔25がそれぞれ貫設されており、掛止片35を内側に折曲させて脚片21の掛止孔25に掛止することで、ケース本体2とケース蓋3とが結合される。
【0008】
ここにおいて、短側片32の短手方向に沿った両側縁には、図7(b)に示すように各々外側に突出する略三角形状の突部32aが設けられており、該突部32aが脚片21と当接することで脚片21が内側に倒れるのを規制するとともに長側片31と突部32aとで脚片21を挟み込んで固定している。このように、脚片21が内側に倒れるのを規制することで、掛止片35が掛止孔25から外れてケース本体2とケース蓋3との結合が解除されるのを防いでいる。
【特許文献1】特開2002−175718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来例では、ケース本体2の脚片21をケース蓋3の長側片31と突部32aとで挟み込むようにして固定しているため、ケース蓋3をケース本体2に取り付ける際にはケース蓋3の長側片31及び短側片32をケース本体2上方から所定の位置に向かって垂直に下げなければならない。ここで、長側片31及び短側片32を垂直に下げずに無理に斜めに下げていくと、ケース蓋3をケース本体2に取り付けることができず、更には突部32aを破損する虞があった。したがって、上記従来例においてケース蓋3をケース本体2に容易に取り付けるためには、突部32aと長側片31との間の距離を長くする必要があった。
【0010】
しかしながら、突部32aと長側片31との間の距離を必要以上に長くすると、突部32aによる脚片21が内側に倒れるのを規制する効果が薄れてしまい、脚片21が内側に倒れることで掛止片35が掛止孔25から外れてケース本体2とケース蓋3との結合が解除される虞があった。また、突部32aと長側片31との間の距離が長くなると、突部32aと長側片31によって脚片21をしっかりと挟むことができないために脚片21が前後方向に自由に移動してしまい、例えば製造時において長側片31の開口部34と脚片21の掛止孔25とを正確に重ね合わせることが困難となる虞があった。このため、突部32aと長側片31との間の距離が必要とする長さとなるように設計しなければならず、寸法誤差を極めて小さくしなければならないために製造が困難となるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、ケース蓋をケース本体に容易に取り付けることができるとともにケース本体及びケース蓋を確実に結合することのできる放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具、冷蔵ショーケース用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、放電灯へ高周波電力を供給するインバータ回路の構成部品が実装される略矩形状のプリント配線板と、プリント配線板の厚み方向においてプリント配線板に対向する略矩形状の主板及び主板の長手方向に沿った両側縁からプリント配線板の長手方向に沿った両側縁に沿って延設された一対の脚片から成る金属製のケース本体と、プリント配線板の厚み方向においてプリント配線板に対向する略矩形状の天板及び天板の長手方向に沿った両側縁から前記脚片を覆うように主板に向かって垂直に延設された一対の長側片及び天板の短手方向に沿った両側縁から前記長側片と直交し且つ主板に向かって垂直に延設された一対の短側片から成り前記プリント配線板を覆うようにケース本体に取り付けられる金属製のケース蓋とを備えた放電灯点灯装置であって、前記短側片は、短手方向に沿った両側縁から突設されて前記脚片の短手方向に沿った両側縁と対向する突片が設けられ、前記長側片は、長手方向の両端部においてそれぞれ開口部を有するとともに該開口部の内周から突出する掛止片が設けられ、前記脚片は、長手方向の両端部において前記掛止片が折曲されて掛止する掛止孔がそれぞれ貫設され、前記脚片が内側に倒れるのを規制する規制手段がケース本体若しくはケース蓋に設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、規制手段は、前記脚片の短手方向に沿った両側縁にそれぞれ設けられて短側片の短手方向に沿った両側縁と当接するリブから成ることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、ケース本体及びケース蓋は、前記リブと前記短側片との間の距離が少なくとも折曲された掛止片の先端部の長さよりも短くなるように形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、短側片は、短手方向に沿った両側縁において棒状の工具が挿入される凹部がそれぞれ設けられたことを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項の発明において、掛止片は、前記開口部内周の長手方向に沿った一方の側縁又は短手方向に沿った一方の側縁の何れかから突出することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、器具本体と、器具本体に取り付けられて放電灯が着脱自在に装着されるソケットと、ソケットを介して放電灯に電力を供給する請求項1乃至5の何れか1項に記載の放電灯点灯装置とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、商品を冷蔵、陳列する庫内に配設されて放電灯が着脱自在に装着されるソケットと、ソケットを介して放電灯に電力を供給する請求項1乃至5の何れか1項に記載の放電灯点灯装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、短側片の短手方向に沿った両側縁から突設されて脚片の短手方向に沿った両側縁と対向する突片を設けたので、ケース本体にケース蓋を取り付ける際にケース本体の長手方向におけるズレを防ぐことができ、ケース本体にケース蓋を容易に取り付けることができる。また、脚片が内側に倒れるのを規制する規制手段をケース本体若しくはケース蓋に設けたので、脚片が内側に倒れることで掛止片が掛止孔から外れるのを防ぐことができ、したがってケース本体及びケース蓋を確実に結合することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、脚片の短手方向に沿った両側縁に短側片の短手方向に沿った両側縁と当接するリブをそれぞれ設けたので、脚片が内側に倒れても該リブが短側片の短手方向に沿った両側縁と当接することで傾きを規制するので、脚片が内側に倒れることで掛止片が掛止孔から外れるのを防ぐことができ、したがってケース本体及びケース蓋を確実に結合することができる。
【0021】
請求項3の発明によれば、リブと短側片との間の距離が少なくとも折曲された掛止片の先端部の長さよりも短くなるようにケース本体及びケース蓋を形成したので、脚片が内側に倒れても掛止片が掛止孔から外れることがなく、したがってケース本体及びケース蓋をより確実に結合することができる。
【0022】
請求項4の発明によれば、棒状の工具が挿入される凹部を短側片の短手方向に沿った両側縁にそれぞれ設けたので、凹部から棒状の工具を挿入して折曲された掛止片を折曲方向と逆方向に押し込むことで掛止片による掛止を解除することができる。
【0023】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至5の何れか1項の効果を奏する照明器具を実現することができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、請求項1乃至5の何れか1項の効果を奏する冷蔵ショーケース用照明装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的構成は従来例と共通であるので、共通する部位には同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の放電灯点灯装置の実施形態の説明では、図1(a)における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定める。本実施形態は、図1に示すように、放電灯(図示せず)へ高周波電力を供給するインバータ回路の構成部品(図示せず)が実装される略矩形状のプリント配線板1と、プリント配線板1が載置される金属製のケース本体2と、前記プリント配線板1を覆うようにケース本体2に取り付けられる金属製のケース蓋3とから成り、ケース本体2の脚片21とケース蓋3の構造に特徴がある。
【0026】
ケース蓋3の短側片32には、図1(a)に示すように、短手方向に沿った両側縁の上端部にそれぞれ外側に突出する略矩形状の突片33が突設されている。また、ケース蓋3は、図1(b)に示すように、前側の短側片32と後側の短側片32との間の距離L2が脚片21の長手方向の長さL1よりも僅かに長くなるように形成されている。このため、ケース本体2とケース蓋3を結合する際に、前側の突片33と後側の突片33とで脚片21を挟み込むことができる。したがって、脚片21が長手方向に移動するのを規制することができるので、開口部34と掛止孔25とを容易に重ね合わせることができ、ケース本体2にケース蓋3を容易に取り付けることができる。
【0027】
また、短側片32の短手方向に沿った両側縁の下端部は各々丸みを帯びるように形成されている。このため、左右何れかの長側片31を脚片21に引掛け、次に引掛けた長側片31と脚片21との当接部位を支点として回転させて、もう一方の長側片31を脚片21に引掛けるというケース蓋3の取り付けを行なう際に短側片32の短手方向に沿った両側縁の下端部が回転の妨げとならないので、ケース本体2にケース蓋3を容易に取り付けることができる(図3参照)。
【0028】
長側片31の前後方向の両端部には、図1(b)に示すように、略矩形状の切り欠き34及び掛止片35がそれぞれ設けられている。掛止片35は、切り欠き34内周の短手方向に沿った側縁に一端部が連続一体に連結され当該一端部を除いた部位が切り欠き34の内周から切り離された切り起こし片によって構成されている。したがって、従来例と同様に、ケース本体2にケース蓋3を取り付けた状態において切り欠き34と掛止孔25とを重ね合わせ(図4(a)参照)、掛止片35を折曲させて掛止孔25に掛止することで、ケース本体2とケース蓋3とが結合される(図4(b)参照)。尚、切り欠き34及び掛止片35は本実施形態の構成に限定される必要は無く、例えば従来例の開口部34及び掛止片35と同様の構成であっても構わない。
【0029】
ケース蓋3は、図1(a)に示すように、短側片32下端縁の短手方向の長さが左側の脚片21と右側の脚片21との間の距離よりも短くなるように形成されており、脚片21の長手方向の両端部には、図1(b)に示すように、短側片32の下端縁と対向する略三角形状のリブ26が脚片21と連続一体にそれぞれ形成されている。このため、左右のリブ26の間に短側片32が介在するので、脚片21が内側に倒れてもリブ26が短側片32の下端縁と当接することで傾きが規制される。
【0030】
尚、図2(b)に示すように、ケース本体2とケース蓋3とを結合している状態において、脚片21(リブ26)と短側片32との間の距離L4は、掛止片35の掛止孔25より内側に突出する先端部の長さL3よりも短くなるように設定されることが望ましい。このように設定することで、脚片21が内側に倒れても掛止片35が掛止孔25から外れることがないため、ケース本体2とケース蓋3とをより確実に結合することができる。
【0031】
また、短側片32の短手方向に沿った両側縁には、それぞれ内側に窪んだ凹部36が設けられている。凹部36は、例えばドライバー等の棒状の工具(図示せず)が挿入可能な大きさに形成され、ケース本体2とケース蓋3とが結合している状態において、該凹部36から棒状の工具を挿入し、折曲された掛止片35を折曲方向と逆方向に押し込むことで掛止片35を掛止孔25から外してケース本体2とケース蓋3との結合を解除することができるようになっている。
【0032】
上述のように、短側片32の短手方向に沿った両側縁の上端部にそれぞれ外側に突出する略矩形状の突片33を突設したので、ケース本体2にケース蓋3を取り付ける際に、前後の突片33によって脚片21と挟む込むことでケース本体2の長手方向におけるズレを防ぐことができ、ケース本体2にケース蓋3を容易に取り付けることができる。また、脚片21の長手方向の両端部に、短側片32の下端縁と対向する略三角形状のリブ26を脚片21と連続一体にそれぞれ形成したので、脚片21が内側に倒れるのを規制し、掛止片35が掛止孔25から外れるのを防ぐことができ、したがってケース本体2とケース蓋3とを確実に結合することができる。
【0033】
次に、本発明に係る照明器具の実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の照明器具の実施形態の説明では、図5における上下を上下方向と定める。本実施形態は、図5に示すように、天井に設けられた吊ボルト41によって吊持される平板状の器具本体4と、器具本体4の長手方向における両端に各々2つずつ設けられて2本の放電灯LPが着脱自在に装着されるソケット40と、器具本体4に取り付けられて放電灯LPからの光を反射させる逆富士型の反射板42とから成り、前述の実施形態の放電灯点灯装置Aが器具本体4に取り付けられる。
【0034】
器具本体4の下方には、一定の間隔を空けてボルト取付孔4aが設けられており、該ボルト取付孔4aに吊ボルト41を上方から挿通し、下方から座金41a及びナット41bで締め付けることで器具本体4が吊持される。また、器具本体4の長手方向における両端及び略中央には、それぞれ反射板42を取り付けるための取付金具43が設けられており、反射板42の長手方向における両端及び略中央にそれぞれ設けられたネジ挿通孔42aに下方から取付ネジ44を挿通し、取付金具43に設けられた取付孔43aに螺合することで反射板42が器具本体4に取り付けられる。
【0035】
反射板42の長手方向における両端には、それぞれソケット40を挿通させるためのソケット挿通孔42bが2つずつ設けられている。放電灯LPをソケット40に装着するには、まず反射板42を器具本体4に取り付ける際にソケット40を該ソケット挿通孔42bを通して下方に臨ませ、その後に反射板42の長手方向における略中央に設けられた2つの略円環状の口金45に放電灯LPを嵌合し、放電灯LPの長手方向における両端をソケット40に取り付ける。
【0036】
器具本体4下方の略中央には、放電灯点灯装置Aと電気的に接続される略箱体の端子台46が設けられており、外部から引き回される電源線47を該端子台46の近傍に設けられた電源線挿通孔4bに挿通させて端子台46に接続し、図示しない電線によって放電灯点灯装置Aと端子台46、ソケット40とをそれぞれ電気的に接続することで放電灯LPに電力が供給される。
【0037】
上述のように、前述の放電灯点灯装置Aを用いた照明器具を提供することができる。
【0038】
最後に、本発明に係る冷蔵ショーケース用照明装置の実施形態について図面を用いて説明する。尚、以下の冷蔵ショーケース用照明装置の実施形態の説明では、図6(b)における上下を上下方向、図6(b)における左右を前後方向と定める。
【0039】
本実施形態の冷蔵ショーケースは、図6(b)に示すように、断熱材で略箱体に形成されて前面が開口したショーケース本体5と、商品が収納・陳列される収納部50と、収納部50を冷却するための冷気が循環するダクト51とから成り、収納部50とダクト51とはダクト板52によって前後に隔てられている。収納部50には、複数(図示では4つ)の陳列棚56が設けられており、各陳列棚56の前端下面にはそれぞれ放電灯LPが取り付けられている。これらの放電灯LPは、ショーケース本体5の上端部及び下端部にそれぞれ取り付けられた前述の実施形態の放電灯点灯装置Aによって点灯する。
【0040】
ダクト51は、収納部50を覆うように断面略コ字状に設けられて、内部には冷却器53が配設されている。ダクト51の前端下部には空気を吸入する吸入口51aが設けられており、該吸入口51aから流入した空気が送風ファン(図示せず)によって冷却器53に送られ、冷却器53によって冷却された空気がダクト51の前端上部に設けられた吹出口51bから吹き出すようになっている。吹出口51bから吹き出された空気は再び吸入口51aからダクト51内部に吸入されるため、ショーケース本体5の開口に冷却された空気によるエアカーテンを形成して収納部50を冷却している。また、ショーケース本体5の上端部には、図6(a)に示すように、放電灯LPによる照明を制御するための制御装置(図示せず)の操作部54と、収納部50の温度を表示する温度表示器55とが設けられている。
【0041】
上述のように、前述の放電灯点灯装置Aを用いた冷蔵ショーケース用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る放電灯点灯装置の実施形態を示す図で、(a)は前面図で、(b)は側面図である。
【図2】同上の要部を示す図で、(a)はケース本体とケース蓋との結合を示す図で、(b)は一部拡大図である。
【図3】同上のケース本体とケース蓋との結合方法の一例を示す図である。
【図4】同上の掛止片を示す図で、(a)は折曲させる前の状態を示す図で、(b)は折曲させた後の状態を示す図である。
【図5】本発明に係る照明器具の実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】本発明に係る冷蔵ショーケース用照明装置の実施形態を示す図で、(a)は正面図で、(b)は側面図である。
【図7】従来の放電灯点灯装置を示す図で、(a)は前面図で、(b)は一部拡大図である。
【図8】同上の概略図で、(a)は側面図で、(b)は上面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 プリント配線板
2 ケース本体
20 主板
21 脚片
25 掛止孔
26 リブ
3 ケース蓋
30 天板
31 長側片
32 短側片
33 突片
34 切り欠き(開口部)
35 掛止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電灯へ高周波電力を供給するインバータ回路の構成部品が実装される略矩形状のプリント配線板と、プリント配線板の厚み方向においてプリント配線板に対向する略矩形状の主板及び主板の長手方向に沿った両側縁からプリント配線板の長手方向に沿った両側縁に沿って延設された一対の脚片から成る金属製のケース本体と、プリント配線板の厚み方向においてプリント配線板に対向する略矩形状の天板及び天板の長手方向に沿った両側縁から前記脚片を覆うように主板に向かって垂直に延設された一対の長側片及び天板の短手方向に沿った両側縁から前記長側片と直交し且つ主板に向かって垂直に延設された一対の短側片から成り前記プリント配線板を覆うようにケース本体に取り付けられる金属製のケース蓋とを備えた放電灯点灯装置であって、前記短側片は、短手方向に沿った両側縁から突設されて前記脚片の短手方向に沿った両側縁と対向する突片が設けられ、前記長側片は、長手方向の両端部においてそれぞれ開口部を有するとともに該開口部の内周から突出する掛止片が設けられ、前記脚片は、長手方向の両端部において前記掛止片が折曲されて掛止する掛止孔がそれぞれ貫設され、前記脚片が内側に倒れるのを規制する規制手段がケース本体若しくはケース蓋に設けられたことを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記脚片の短手方向に沿った両側縁にそれぞれ設けられて短側片の短手方向に沿った両側縁と当接するリブから成ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記ケース本体及びケース蓋は、前記リブと前記短側片との間の距離が少なくとも折曲された掛止片の先端部の長さよりも短くなるように形成されたことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記短側片は、短手方向に沿った両側縁において棒状の工具が挿入される凹部がそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項5】
前記掛止片は、前記開口部内周の長手方向に沿った一方の側縁又は短手方向に沿った一方の側縁の何れかから突出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放電灯点灯装置。
【請求項6】
器具本体と、器具本体に取り付けられて放電灯が着脱自在に装着されるソケットと、ソケットを介して放電灯に電力を供給する請求項1乃至5の何れか1項に記載の放電灯点灯装置とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項7】
商品を冷蔵、陳列する庫内に配設されて放電灯が着脱自在に装着されるソケットと、ソケットを介して放電灯に電力を供給する請求項1乃至5の何れか1項に記載の放電灯点灯装置とを備えたことを特徴とする冷蔵ショーケース用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−108644(P2008−108644A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291784(P2006−291784)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】