説明

救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステム

救急簡易ベッド積み降ろし装置は、緊急車両デッキに取り付けるための基部と、基部に沿った直線運動のために取り付けられ、救急簡易ベッドと係合するように構成されるアームとを含む。駆動機構が、アームを上げるために設けられ、第1の規模の作用力がアームに存在するときに第1の速度でアームを上げ、第1の規模よりも大きい第2の規模の作用力がアームに存在するときに、第1の速度未満の別の1つまたは複数の速度でアームを上げるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステム、並びに、簡易ベッドを救急車の中に積み込むおよび救急車の中から降ろす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
救急車の中に簡易ベッドを積み込むとき、救急医療班(EMS)員は、通常、簡易ベッドを救急車の開いた後部ドアに位置合わせし、次いで簡易ベッドの頭部端が救急車の開口部で支えられるように、救急車に向かって簡易ベッドを押す。いったん簡易ベッドの頭部端で支えられると、EMS員は、簡易ベッドの脚部端を支えながら、次に簡易ベッドを救急車の中に押し入れることができるように簡易ベッドの脚部を上げる。しかしながら、上述するように、通常、これには、EMS人員に、通常簡易ベッドの大部分が救急車の中に積み込まれるまで簡易ベッドの脚部端を支えることが必要となる。場合によっては、簡易ベッドの頭部端は、入れられる前に持ち上げられる必要がある。この状況では、2人目の班員の支援が必要となる。取り出すプロセスも、逆であること以外、ほぼ同じである−すなわち、簡易ベッドが救急車の開かれた後部ドアから引き出され、それには班員に、簡易ベッドが救急車から引き出されている間、簡易ベッドの脚部端を支えることが必要になる。折り畳まれた脚部が救急車の後部を通過するとすぐに、脚部を次いで下げることができる。再び、これには、簡易ベッドが救急車から引き出されている間、および脚部を下げることができるまで、班員に簡易ベッドを支えることが必要となる。このプロセスは非常に骨が折れ、特に体重の重い患者に対処しているときにEMS人員を負傷させることがあるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、簡易ベッドの積み降ろしの際のEMS人員に対するストレスおよび負担を低減する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
よって、本発明は、簡易ベッドの救急車の中への挿入および救急車の中からの取り出しの両方の間にEMS員にかかる負担を低減できる救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステムを提供する。
【0005】
本発明の1つの形態では、救急簡易ベッド積み降ろし装置は、緊急車両デッキに取り付けるための基部と、基部に沿った直線運動のために取り付けられるレールと、引込位置から伸張位置までのレールに沿った直線運動のために取り付けられ且つ簡易ベッドと係合するように構成されるアームとを含む。レールおよびアームが上記基部に沿って伸ばされると、アームは、伸張位置に基部から伸ばされ、伸張位置にある間、簡易ベッドを持ち上げ、片持ち支持を簡易ベッドに与えるように構成される。
【0006】
1つの態様では、アームおよびレールの取付構成によって、簡易ベッド積み降ろし装置は、緊急車両デッキで占める空間を少なくすることが可能になり、さらに、システムは、簡易ベッドがいったん積み込まれて車両の中に完全に延在するようになると、実質的に簡易ベッドの占用面積の中に含まれることが可能になる。さらに、アームおよびレールの取付構成を備えることで、アームは、アームが車両のカーゴエリア(cargo area)の外部となるように、完全に車両から延ばしてよく、その完全な伸張位置にあるときにより大きな運動範囲をもたらしてよい。
【0007】
本発明の別の形態では、救急簡易ベッド積み降ろし装置は、緊急車両デッキに取り付けるための基部と、基部に沿った直線運動のために取り付けられ且つ簡易ベッドと係合するように構成されるアーム付きのアームアセンブリと、アームを上げるように構成される駆動機構とを含む。駆動機構は、第1の規模の作用力がアームに存在する場合に第1の速度でアームを上げ、上記第1の規模よりも大きい第2の規模の作用力がアームに存在する場合に第1の速度よりも低い第2の速度としてアームを上げるように構成される。
【0008】
例えば、可変なアーム速度を備えると、積み降ろしシステムは、簡易ベッドと係合するための位置にアームが移動されているときに急速にアームを上げることができるが、次に、簡易ベッドと係合しているときには、患者にとってより快適であるかもしれないより低速でアームを上げることができる。
【0009】
別の態様では、駆動機構は、負荷を受けていないときにより速い速度でアームを下げ、アームが負荷を受けているときにはより遅い速度でアームを下げるように構成されてよい。
【0010】
本発明のさらに別の形態では、緊急車両用の救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステムは、簡易ベッド搭載コントローラおよび簡易ベッド搭載コントローラと通信する簡易ベッド搭載ユーザ入力装置を備える簡易ベッドと、緊急車両のデッキに取り付けるための基部、引込位置から伸張位置まで基部に沿った直線運動のために取り付けられ且つ簡易ベッドと係合するように構成されるアーム、および簡易ベッドと係合するようにアームを上げるための駆動機構を備える積み降ろし装置とを含む。また、システムは、駆動機構を制御するように構成される積み降ろし装置搭載コントローラも含む。簡易ベッドが積み降ろし装置の上に載せられると、簡易ベッド搭載コントローラは、駆動機構を制御し、駆動機構を制御するための一次コントローラを形成するように構成され、このとき、積み降ろし装置搭載コントローラは、一次コントローラに対するスレーブコントローラとなる。
【0011】
一態様では、簡易ベッド積み降ろし装置は、積み降ろし装置搭載コントローラと通信する、積み降ろし装置搭載ユーザ入力装置をさらに含む。積み降ろし装置搭載ユーザ入力装置は、簡易ベッドが積み降ろし装置の上に載せられていても、駆動機構の制御を可能にし、それによって冗長制御を提供するように構成される。
【0012】
別の態様によると、簡易ベッド積み降ろしアセンブリは、簡易ベッドと係合するためのラッチを、簡易ベッドが積み降ろしシステムの上に載せられラッチと係合しているときにラッチを制御するように構成される簡易ベッド搭載コントローラと共に、有する。
【0013】
追加の態様では、簡易ベッドは、積み降ろし装置上の通信装置と通信するための通信装置も含んでよい。例えば、通信装置は、無線周波数(RF)装置、誘導装置、音響装置、光学装置または赤外線装置等の無線式であってよい。
【0014】
したがって、本発明は、救急車へのおよび救急車からの簡易ベッドの積み降ろしを容易にする簡易ベッド積み降ろしシステムを提供する。これらのおよび他の利点は、以下の明細書を読み、添付図面を視ると当業者にはより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】救急車の中に取り付けられた本発明の救急簡易ベッド積み降ろし装置を備える救急車のカーゴエリアの側面図であり、配備された構成で積み降ろし装置を示す。
【図2】図1に類似した図であるが、救急簡易ベッド積み降ろし装置が救急簡易ベッドを持ち上げている図である。
【図3】簡易ベッド積み降ろし装置によってカーゴエリアの中に移動される救急簡易ベッドの側面図である。
【図4】カーゴエリア内の完全収納位置に移動されている救急簡易ベッドの側面図である。
【図5】簡易ベッド積み降ろし装置によって係合されている救急簡易ベッドの斜視図である。
【図6】簡易ベッド積み降ろし装置上でラッチによって係合される簡易ベッドの拡大図である。
【図7】図4の簡易ベッドの平面図である。
【図8】簡易ベッド積み降ろし装置のトロリーの斜視図である。
【図9】明確にするためにカバーが取り除かれた、図8のトロリーの拡大部分分解斜視図である。
【図10】明確にするためにアームアセンブリが取り除かれた、図9のトロリーの別の部分分解斜視図である。
【図10A】積み降ろし装置搭載ユーザ入力装置、および積み降ろし装置のトロリー搭載制御盤を示す拡大斜視図である。
【図10B】図10Aのユーザ入力装置の拡大斜視図である。
【図11】トロリーのアームアセンブリの拡大分解斜視図である。
【図11A】アームアセンブリの一方のアームの拡大分解斜視図である。
【図12】アームアセンブリの駆動機構および取付構成を示す部分分解斜視図である。
【図13】アームアセンブリリンク機構の部分拡大斜視図である。
【図14】トロリーフレームへのアームアセンブリの取付構成を示す底部斜視図である。
【図15】簡易ベッドラッチ機構を示すトロリーの別の拡大部分斜視図である。
【図15A】移送トラックロックアセンブリの基部への解放機構の別の拡大部分斜視図である。
【図16】ラッチ機構、およびラッチ機構用ソレノイド駆動部リリースの拡大分解斜視図である。
【図17】トロリーストッパランプの取付構成を示すトロリーフレームの拡大斜視図である。
【図17A】ラッチ機構に対するソレノイドおよびソレノイドプランジャの向きの拡大詳細図である。
【図18】トロリーの部分分解斜視図である。
【図19】トロリーおよび移送トラックがそれらの完全引込収納位置に移動された状態の積み降ろし装置の平面図である。
【図20】トロリーが移送トラックに沿って伸ばされる状態の、図19に類似した図である。
【図21】トロリーおよびトラックがそれらの完全伸張配備位置にある状態の、図19および図20に類似する図である。
【図21A】移送トラックの斜視図である。
【図21B】移送トラックの脚部端の分解斜視図である。
【図22】積み降ろし装置の基部の斜視図である。
【図22A】基部に取り付けられるトロリーラッチアセンブリの取付構成を示す分解斜視図である。
【図22B】誘導充電システムの基部に沿った、簡易ベッド固定場所での一次コイルの取り付けを示す分解斜視図である。
【図22C】一次コイル取り付け具の分解斜視図である。
【図22D】解放トリガアセンブリの取付詳細を示す基部の斜視図である。
【図22E】トロリーランプの取付構成を示す、基部の別の部分分解斜視図である。
【図22F】シール構成を示す、基部の底部斜視図である。
【図22G】簡易ベッド積み降ろし装置の移送トラック用サブアンカーアセンブリの分解斜視図である。
【図23】トロリーアンカーアセンブリの斜視図である。
【図24】図23のトロリーアンカーアセンブリの分解斜視図である。
【図25】トロリーアンカーアセンブリの追加の分解斜視図である。
【図26】移送トラックロックアセンブリの分解斜視図である。
【図26A】移送トラックロックアセンブリの取付構成を示す分解斜視図である。
【図26B】移送トラックロックアセンブリのトリガ解放機構の分解斜視図である。
【図26C】図26Bのトリガ解放機構の駆動部の拡大図である。
【図26D】図26Bから図26Cの解放機構用のトロリー搭載トリガ解放駆動部の分解斜視図である。
【図27】別の移送ロックアセンブリの分解斜視図である。
【図27A】図27の移送トラックロックアセンブリの取付構成を示す分解斜視図である。
【図28】簡易ベッド脚部端留め具アセンブリの底部斜視図である。
【図29】簡易ベッドの脚部端留め具アセンブリの分解斜視図である。
【図30】図29の留め具アセンブリの分解斜視図である。
【図31】手動解放機構の分解斜視図である。
【図32】手動解放機構の取り付けを示すトロリーの部分斜視分解図である。
【図33】トロリー二次制御の取付詳細を示す分解斜視図である。
【図34】本発明の救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステムの制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、符号10は、本発明の救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステムを全体として示す。システム10は、救急簡易ベッド12と、救急車18のカーゴエリア16内に搭載するように構成された簡易ベッド積み降ろし装置14とを含む。以下にさらに十分に説明されるように、簡易ベッド積み降ろし装置14は、簡易ベッドを救急車の中に積み込む前、または簡易ベッドが降ろされているときに、簡易ベッドに片持ち支持を与えることによって、簡易ベッドの救急車18の中への積み込みまたは救急車18からの降ろしを支援するように構成されている。なお、簡易ベッドを救急車の中に積み込む前の簡易ベッドへの片持ち支持は、簡易ベッドが、積み降ろし装置によって係合されて持ち上げられるとすぐに、簡易ベッドの折り畳み式の脚部または基部が折り畳まれ、簡易ベッドを救急車の中に積み込むことができるように、与えられる。片持ち支持によって、係員が簡易ベッドに対してどのような多大な鉛直方向の支持も与える必要がなく、代わりに、いったん簡易ベッドが積み降ろし装置によって支えられると、単に簡易ベッドを誘導し、救急車の中に押し入れる、または救急車の中から引き出すだけでよいことが、意味される。
【0017】
図1から図4に最もよく見られるように、簡易ベッド積み降ろし装置14は、救急車のカーゴエリア内に取り付けられる基部20と、基部の上に取り付けられる移送トラック(track)22とを含む。また、簡易ベッド積み降ろし装置14は、基部に沿って移送トラックと共に移動するように移送トラック上に取り付けられるトロリー(trolley)24も含む。以下にさらに十分に説明されるように、一態様では、トラック22およびトロリー24は、緊急車両からトロリーをより大きく延ばすのを実現するために入れ子式のレール装置を提供するように構成される。さらに、入れ子式レール装置には、少なくとも1つのラッチと、さらに任意選択で一連のラッチが備えられる。一連のラッチは、トラックを基部に連結させて、トロリー24がトラックに沿って移動できるようにし、その後トラックが基部を基準にしてトロリーとともに移動できるようにトラックを解放し、それによってトロリーを車両から完全に延ばす(図1)。図1に最もよく見られるように、この構成ではアーム34aおよびアーム34bが、救急車の外部にあるピボット軸Pを中心として枢動し、それによってアーム34aおよびアーム34bはより大きな運動範囲を有することができる。上述されたように、いったん簡易ベッドがトロリーの上に載せられ、アームが簡易ベッドを持ち上げると、簡易ベッド12の折り畳み式の基部が畳まれ、トロリー24は、頭部端のホイール86aが基部20を跨いだ状態で、簡易ベッド12とともに基部に沿って押されることができる。
【0018】
図22を参照すると、基部20は、以下により十分に説明されるサブアンカーアセンブリ26によってカーゴエリアに固定される、アルミ押出品等の押出品から形成されている。図19から図21に最もよく見られるように、移送トラック22は内側レール28および外側レール30を形成するが、図21Bを参照するとさらに十分に説明される。トラック22もまた、押出品から形成され、基部20を跨ぎ、さらに基部20上では、基部20に取り付けられ且つ内側レール28に沿って動くローラーまたはホイール等のベアリング32によって誘導される。図21Bに最もよく見られるように、内側レール28および外側レール30は、トラック22内に形成される内側および外側のアーチ形フランジ22aに取り付けられる複数のロッド29によって形成され、ロッド29はエンドキャップ28bによってその中に捕捉される。ロッド29は、基部20上のベアリング32に、そして下記に説明されるトロリー24のベアリングにも支持(bearing)面を提供する。
【0019】
トロリー24の下側は、トラック22を跨ぎ、ホイールまたはローラー等の複数のベアリング104によってトラック22に取り付けられる反転チャネルを形成し、ベアリング104は、トラック22の端部で止め具を形成するエンドキャップ28bにベアリング104が達するまで、外側レール20に沿って動く。トロリー24がトラック22の端部に達すると、トロリー24は、基部20に沿ったトラック22の位置を固定するラッチ(図27を参照して下記に説明される)の係合を切り離すように適応され、それにより、その後トラック22は、トロリー24とともに基部20に沿って、図19および図1に示される伸張位置まで動く。このようにして、トロリー24がトラック22に沿って完全に伸ばされ、トラック22が基部20に沿って完全に伸ばされると、トロリー24は基部20を超えてトラック22から延びる(図1を参照すること)。このようにして、トロリー24は、救急車のカーゴエリアから伸ばすことができ、さらに救急車から伸ばすことができる。
【0020】
簡易ベッド12と係合するために、トロリー24は1組の片持ちアーム34a、34b付きのアームアセンブリ34と、アームアセンブリ34が横部材38による枢動移動のために取り付けられるトロリーフレーム36とを含む。アーム34a,34bは、駆動機構40(図12)によって、下げられた係合前位置(図1)、上げられた簡易ベッド係合位置(図2に図示)、および非配備または収納位置(図20)の間で枢動される。さらに、下記にさらに十分に説明されるように、トロリー24がほぼ水平な配置でアーム34a,34bと共にその収納構成にあるとき、アームアセンブリ34は、トロリー24が解放可能にトラック22に固定されるように、解放可能にトラック22と係合するように適応している。さらに、以下にさらに十分に説明されるように、係員がアーム34a,34bを上げるとき、係員はこの係合を解除し、トロリー24をトラック22に沿ったどこにでも位置決めするために、トラック22に沿ってトロリー24を移動させる。したがって、係員は、迅速な配備のために救急車ドアのすぐ内側のカーゴエリアの後部に向かってトロリー24を位置決めすることができ、それ故係員がトロリーを取り出すためにカーゴエリア内によじ登る必要性を排除する。トロリー24の移動を容易にし、且つアームがカーゴエリアのデッキに沿って移動されるときに(アームがほぼ水平な配置にあるときに)アームに支持を与えるために、アーム34a,34bは、任意選択で、トラック22および基部20から外向きにカーゴデッキの上を転がるためのローラー34c(図11)を含む。
【0021】
示されている実施形態では、以下にさらに十分に説明されるように、駆動機構40は、アームが配備されているが作用力によって荷重が与えられていないとき、例えば簡易ベッドを積み込まれていないとき、第1の速度でアーム34a,34bを上げるように構成されているが、作用負荷をもってアームに荷重が与えられるとき、例えば簡易ベッドと係合され、簡易ベッドを持ち上げるとき、配備位置にあるときのアーム(34a,34b)を、別のさらにゆっくりとした1つまたは複数の速度で上げるように構成されている。例えば、アームが上げられるよりゆっくりとした速度は、可変であってもよい、または特定の(複数の)運動範囲のために2つ以上の別々の速度を有してもよい。さらに、駆動機構40は、アームが、例えば簡易ベッドを持ち上げていない等の作用負荷を受けていないときには、第1の速度でアーム34a,34bを下げるが、アームが、例えば簡易ベッドを持ち上げている等の作用負荷を受けている場合には、よりゆっくりとした1つまたは複数の速度でアームを下げるように構成されてよい。代わりに、駆動機構は、アームが、例えば簡易ベッドが患者を支えているとき等の簡易ベッドの重量を超える重量を載荷されるときだけ、よりゆっくりした速度でアームを上げるまたは下げるように構成されてもよい。任意選択で、アームは、全く負荷を受けないときにはある速度で、簡易ベッドを載せられているときには別のよりゆっくりとした速度で、そして、患者を支えている簡易ベッドをアームが移動させている(持ち上げている、または下げている)ときには別のさらにゆっくりとした1つまたは複数の速度で、移動する(上げられるまたは下げられる)こともできる。
【0022】
再び図12を参照すると、駆動機構40は、トロリーフレーム36に取り付けられ、示される実施形態では、油圧駆動機構、すなわち油圧シリンダ42および油圧動力ユニット44を含む。油圧動力ユニット44は、モータ46と、(モータハウジングに内蔵された)ポンプと、マニホルド48と、タンクとを含み、これらは、配管50を介してシリンダ42と流体連通する。任意選択で、油圧動力ユニット44は、取付板52によってフレーム36に取り付けられる。油圧動力ユニット44の作動は、以下にさらに十分に説明される制御システム200によって制御される。
【0023】
図9を参照すると、横部材38が、1組のピボットピン54によってアーム34a,34bをフレーム36に取り付け、ピボットピンは、複数の締結具によってフレーム36に固定される2組の離間されたヒンジプレート56a,56bに、横部材38を取り付ける。この構成では、横部材38の最外部の側面38a,38bは、フレームのその部分を跨ぎ、それにより以下にさらに十分に説明されるように、側面38a,38bは、アームの運動を制御するためだけではなく、アームの運動を検出するためにも取付面としてアクセス可能となる。
【0024】
図11Aを参照すると、各アーム34a,34bは、少なくとも部分的にカバー35aによって覆われる金属板等の板35から形成できる。カバー35aは、強化ナイロン等のポリマー材料から形成されてよい。アーム34a,34bの下側は、例えばポリマーまたはエラストマ―材料から形成されるハンドグリップ35bを含んでよく、ハンドグリップ35bは、板35内に形成された凹所と合い且つグリップに形成されたタブによって、板35に取り付けられる。さらに、各アーム34a,34bの上側は、やはりエラストマ―材料から形成されるパッドを含んでよく、このパッドは、簡易ベッドと係合するための支持面を提供する。図2に最もよく見られるように、配備時、アーム34a,34bは、簡易ベッドの頭部端の中に延びることで、簡易ベッド12の横フレーム部材上にのしかかることによって簡易ベッドを支えることができる。本明細書で与えられていない簡易ベッド12の他の詳細については、参照することによりその全体が本明細書に援用される米国特許第7,540,547号明細書および米国特許第5,537,700号明細書が参照される。
【0025】
図12で最もよく見られるように、シリンダ42のロッド42aは、そのロッド端部上のブッシュ42bを含むとともに、アームにかかる荷重を決定するために制御システム200によって使用されるスイッチ42cも含む。ブッシュ42bは、クレビスピン等のピン38cによって横部材38の外側面38aに接続され、このとき、シリンダ42の他方端部は、同様に締結具42eによりフレーム36に固定されるピボット42dによってフレーム36に取り付けられる。一方の端部ではフレームに、別の端部ではアームアセンブリに取り付けられる戻しばねも設けられてよく、戻しばねは、油圧機構がアーム34aおよび34bを上げるために作動されるときにシリンダにかかる負荷を低減し且つ以下に説明される解放ボタンが作動されるとアーム34a,34bの引き下げを減速するように、シリンダに相殺する力を提供する。
【0026】
アーム34aおよび34bの移動を制限するために、横断部材38も、リンク58(図12および図13)およびフレーム36に枢動可能に取り付けられるガイドプレート60をもつ連結機構アセンブリに連結される。プレート60はローブ形状(lobe-shaped)の開口部62を含み、この開口部62は、これを通ってガイドピン64が延び、アーム34a,34bの運動の上限および下限を定める。さらに、アーム34aおよび34bの移動に対して追加の制御を提供するために、第2の長穴付きガイドリンク66(図14)が設けられてもよく、ガイドリンク66は、ピボットピン66bによってフレーム36に一方の端部で枢動可能に取り付けられると共に、ガイドピン66aによってその対向する端部で横部材38に枢動可能に取り付けられる。
【0027】
再び図12を参照すると、プレート60は、以下にさらに十分に説明されるばね68を取り付けるためのタブ60a,60bも含んでよく、これらタブ60a,60bは、移送トラック22用のアンカーのための解放バー69aを作動するように連結機構69に結合する。連結機構69は、同様にフレーム36に取り付けられる板69bに、1組の止め具69cの間で取り付けられる。止め具69cは、長穴状開口部内で板69bの下の解放バー69aを支持し、それにより解放バー69aが、移送トラック22および基部20の長手方向軸に関して直線状に移動できるようにする。連結機構69は、さらに、連結機構69を付勢して解放バー69aをトラックおよび基部の頭部端に向かって押しやる第3のばね69dに、連結される。例えば、簡易ベッドを持ち上げるためにアーム34a,34bが上げられると、ばね68は、ばね69dの付勢力に打ち勝って、前方に、または移送トラック22および基部20の脚部端に、解放バーを移動させることになる。それによって以下により完全に説明されるように、解放バー69aに、移送トラック22と基部20との間でアンカーをアンラッチつまりラッチ解除(unlatch)させることになる。
【0028】
上述されたように、トロリー24は簡易ベッド12と係合するように適応する。図10、図12、および図17に最もよく見られるように、トロリー24は、簡易ベッド12と係合するための1組のラッチ70を含む。図10を参照すると、フレーム36は、フレーム36の各側部で1つずつ、2つのラッチ70を支える。ラッチ70は、機械的に作動および解除されてよいが、電気的に解除されてもよい。図15に最もよく見られ、図15から理解されるように、ラッチ70はそれぞれ、ラッチプレート72aとラッチアーム72bとを含む。ラッチプレート72aおよびラッチアーム72bは、ラッチ70をフレーム36に取り付けるためのハウジングを形成するブラケット74内に取り付けられる。ラッチアーム72bは、簡易ベッドによる係合のために(または簡易ベッドの係合の解除のために)アーム72bがブラケットの開いている側を通って枢動したアンロック位置と、ロック位置との間での移動のために、ブラケット74内に枢動可能に取り付けられる。ラッチアーム72bは、ばね(不図示)によってそのアンロック位置に付勢され、ばねはまた、ラッチアーム72bがそのロック位置から外れて移動された後、ばねがラッチアームをそのロック位置に付勢もするように、オーバーセンター構成(over center arrangement)を有して構成される。ラッチプレート72bをそのロック位置から解放するために、ラッチアーム72bは、以下にさらに十分に説明され且つ制御システム200により制御されるソレノイド80(図10および図16)によって作動させるためのピン76を含む。
【0029】
ソレノイド80は、ブラケット82(図10および図16)によってフレーム36に取り付けられ、ピン76と係合する張出受材に連結されたプランジャ78を含む。したがって、ソレノイド80が起動されると、プランジャ78は下がり、張出受材は、ピン76を引っ張ることになり、それによりばねの付勢力がラッチアーム72bをそのアンロック位置に移動できるようにする。下記にさらに十分に開示されるように、ラッチ70は、手動解放アセンブリ180(図31および図32)によって手動で解放されてもよい。
【0030】
再び図2、図5、および図6を参照すると、簡易ベッド12が救急車の後部開口部と位置合わせされ、トロリー24が基部20に沿って完全に伸ばされ、アーム34a,34bが下げられると、次いで、アーム34a,34bが簡易ベッド12の頭部端ホイール付きフレーム86の下に簡易ベッド内に延在するように、簡易ベッド12を救急車に向かって押すことができる。簡易ベッド12は次いで、トロリー24のハウジング88上に形成される案内面によって、そして、ハウジング88内に形成されてもいる1組の凹所88aの中に、押されて案内される。これらの凹所88aは、トロリー24上のラッチ(70)との係合にホイール86aを案内するように構成される。図6で最もよく理解されるように、各ホイール86aは、ラッチ70による係合のために側面方向に延びるピン90を含む。
【0031】
図10から最もよく理解されるように、ホイール86aが凹所88aの中に案内され、ラッチ70がそのアンロック構成にあるとき、ピン90は、ラッチアーム72bの下部アーチ形表面72c(図15)に対しておし進められ、それによってラッチアーム72bをばねの付勢力に抗して枢動すると共に、ラッチアームをそのロック位置に枢動する。ばねは、いったんこの位置になると、ラッチアームをそのロック位置に保持する。2つのラッチの状態は、ラッチ70に隣接して取り付けられるスイッチ77(図15)によって制御システム200に伝えられる。ラッチによっていったんこのように係合されると、アーム34aおよび34bは、次にシリンダ42によって上げられて簡易ベッドフレームの横部材の内の1つと係合し、そしてさらにその折り畳み式のホイール付き基部が畳まれ折られるように、簡易ベッドを上げて地面から離す。ホイール付き基部が折り畳まれた後、簡易ベッド12は、トロリー24を使用して基部20上で救急車の中に押し入れられ得る(図2から図3)。
【0032】
図19から図22を参照すると、基部20は、サブアンカーアセンブリ92によって救急車のカーゴデッキに固定される。アンカーアセンブリ92は、複数の接続ブラケット94によってデッキ内またはデッキ上に固定される、アンカー部材またはプレート92aを含む。プレート92aは、概して溝形状をなし、その溝はキャッププレート96によって覆われ、端部はエンドキャップ98によって覆われる。押し出し部材を含む基部20は、複数の離間された締結具によってプレート92に固定されると共に、さらに任意選択で、基部20とプレート92との間に配置されるシール材S(図22F)によってプレート92に対してシールされる。アンカープレート92aは、積み降ろし装置から車両電源系に配線が延びることを可能にするための貫通穴を、任意選択で提供する。以下にさらに十分に説明されるように、システム10は、トロリーおよび簡易ベッド上でバッテリーを充電するための誘導充電システムを組み込んでよい。また、アンカープレート92aは、任意選択のものである安全フック102に固定場所を提供してもよく、安全フック102は、簡易ベッドを積み降ろし装置から降ろした後、または簡易ベッドを積み降ろし装置の上に載せる前に、例えば簡易ベッド12のフレーム部材によって、係合できる。
【0033】
上述されたように、トロリー24の下側は反転チャネルを形成する。この反転チャネルは、2枚の離間された板100a,100bによって形成され且つ中心で反転した、概してチャネル形状のフレーム部分100を形成し、この反転チャネルには、フレーム36のフレーム部材の残りが取り付けられ、反転チャネルは、トラック22と共に入れ子式レールアセンブリを形成し、それによってトロリー24のリーチを伸ばす。また、トロリー24は、上述されたように、板100a,100b(図10および図14)に取り付けられ且つ外側レール30のロッド29に沿って動く、ローラー104等のベアリングも含む。カートが積み込まれているときのトロリー24をさらに安定化するために、頭部端フレーム86のホイール86aは、それらがカーゴエリアのデッキに沿って転がることもできるように、位置決めされる。
【0034】
トロリー24および簡易ベッド12を輸送中に固定するために、基部20は、トロリー24と係合するためのラッチ機構105を支持する。図19から図20を参照すると、トラック22は分岐端部22bを有し、この分岐端部22bは、基部20に沿って完全に引っ込められると、トラック22がラッチ機構を跨ぐことを可能にし、基部20に沿ってトロリー24を完全に伸長させながら、積み降ろし装置の縮められた全長を低減するのに役立つ。さらに、これによって、トロリー24がトラック22上で完全に引っ込められているとき、ラッチ105がトロリー24と係合することができるようにする。
【0035】
図23から図25で最もよく見られるように、ラッチ機構105は、ピボットピン106aによってハウジング108内に枢動可能に取り付けられ且つ駆動部110によって伸張位置またはロック位置に付勢される、つめ106を含む。また、つめ106は、ピン接続を介して手動解放板112にも連結される。板112は、救急車のカーゴエリアの前にいる係員によってアクセスできるように、ハウジング108上の取付ベゼル(bezel)112bを貫通して延びるボタン112aを支持する。板112はまた、1組のばね114にも連結され、それによってボタンにかかる押圧力が取り除かれた後に、ボタン112aをその非解放位置に戻す。任意選択で、板112は、図22Dを参照して以下にさらに十分に説明される、基部20の他端に設けられる解放機構115(図22D)にも連結される。
【0036】
駆動部110は、ピボット駆動部120に下方への力をかけるためにばね118によって付勢されるプランジャ116を、含む。ピボット駆動部もピボットピン120aによってハウジング108内で枢動可能に取り付けられ、ピボット駆動部は、リンク材120bによってつめ106に連結され、それによってその伸張位置(図23)につめを押しやる。ラッチ105と係合するために、トロリー24は、1組の固定具24c(図17)によってレール部分100のトッププレート100cにおけるフレーム26の下側に取り付けられるストッパランプ26a(ramp)(図10および図26D)を含む。このようにして、トロリー24が、救急車の前部カーゴエリアに向かってトラック22に沿って押されると、ストッパランプ24bはつめ106の傾斜した表面106bに乗り上げ、そのときトロリーの重量がつめ106を押し下げ、それにより、つめはプランジャ110の付勢力に抗してピン106aを中心として枢動する。いったんブロック24bが、つめ106の傾斜した表面106aの端部を通り過ぎて移動すると、プランジャ110は、ランプ24b後方で、その伸張されたロック位置につめ106を戻し、それによってトラック22だけではなくトロリー24を、基部20に沿ったそれらの完全な引込後退位置にロックして動けなくする(lock)。また、ラッチ機構105で横方向の支持を与えるため、1組の保持プレート105aが、つめ106の両側に隣接してハウジング108に取り付けられる。
【0037】
図4および図7に最もよく見られるように、トロリー24および簡易ベッド12が、基部20に沿って完全に引っ込められているとき、積み降ろし装置14は、実質的に、簡易ベッド12の占用面積内に位置し、このとき、トラック22、トロリー24、および基部20は、簡易ベッド12の占用面積内に、少なくとも簡易ベッドの頭部端では完全に含まれ、それにより、積み降ろし装置は、積み込まれた簡易ベッドの頭部端でカーゴスペースを侵さない。このコンパクトな構成によって、積み降ろし装置14は、簡易ベッドが完全に救急車の中に積み込まれているときに、救急車のカーゴスペースの前端にいる係員の移動に干渉しない。
【0038】
さらに、完全に積み込まれているときに簡易ベッド12をさらに固定するために、簡易ベッド12の脚部端は、トラック22上に設けられる留め具132(図26Aおよび図28)と係合するための脚部端留め具130(図29および図30)を含む。図28に最もよく見られるように、留め具132(反転して図示)は、トラック22(図26C)に取り付けられるV字形凹所136付きのガイド134を含む。フック138が、ガイド134内でピン138aによって枢動可能に取り付けられ、フック138は、簡易ベッド12の脚部端が留め具132(図4)上で位置合わせされるときに留め具130と係合するための凹所136内の伸張位置に、1組のばね140によって付勢される。また、解放板138bがフック138上に取り付けられてもいて、解放板138bは、解放機構115に連結され、解放機構は、引っ張られると、留め具130からフック138の係合を切り離すための凹所位置にフック138を移動させる。任意選択で、インジケータ板138cが設けられてよく、インジケータ板138cも、ピン138aの回りに取り付けられている。インジケータ板138cは、ピン138aとともに旋回し、フック138内の長穴状開口部を通って延びており、フックの状態(つまり、係合されているか、または係合されていないか)を示す。
【0039】
図29および図30を参照すると、留め具130は、フレーム142および据付ブラケット146によって簡易ベッド12の脚部端に取り付けられている。留め具130は、据付ブラケット146によってフレーム142に取り付けられもする1組のホイール144の間に取り付けられている。留め具130は、簡易ベッド12が積み降ろし装置の上に載せられている、または積み降ろし装置から降ろされているときに、カーゴエリアの床と係合するように、位置決めされる。したがって、ホイール114は、簡易ベッドが救急車の中に積み込まれるときに、追加の支持および安定性を簡易ベッドに提供する。留め具130は、1組のつめフック148を含み、つめフック148は、1組のピン152によって(フレーム142に取り付けられる)ハウジング150内に枢動可能に取り付けられ、そしてさらに、コイルばね154によって、つめフック148の末端が留め具132との係合のためにハウジング150の下に突出するように、外向きに付勢される。いったんこのように係合されると、留め具130は、移送トラック22に対して、簡易ベッドを鉛直方向、横方向(左右)、および長手方向に移動しないように抑制することになる。
【0040】
移送トラック22はまた、2つのラッチ機構も含み、一方が基部に移送トラックを解放可能に係止させ、他方が移送トラックにトロリーを解放可能に係止させる。図27および図27Aを参照すると、トラックの脚部端近くで留め具132に隣接してトラック22の下側22cに取り付けられるのは、ロックアセンブリ122であり、トラック22の頭部端とトラック22の頭部端の間にはラッチアセンブリ123がある。ロックアセンブリ122およびロックアセンブリ123は、直列に配列され、さらに、トラックが基部に対して移動する前にトロリー24がトラック22の長さを完全に横切ることができるように、解放されるまたはタイミングが計られる。ロックアセンブリ122は、トロリー24がトラック22に沿ってトラック22の端部へと、その反応位置からその伸張位置に向かって移動されるときにトロリー24と係合するように構成され、それにより、通常はロックアセンブリ123によって基部20の上にロックされているトラック22とトロリー24とが、基部20に沿ってともに移動することになる。同様に、トロリー24がトラック22に沿ってトラック22の端部へと、その反応位置からその伸張位置に向かって移動されると、ロックアセンブリは、トロリー24およびトラック22が一体となって移動できるように解放される。他方、トロリー24をその引っ込んだ後退位置に戻すとき、トロリー24は、ロックアセンブリ122によって係合が切り離され、ロックアセンブリ123は、トラック22が再び基部20の上にロックされるように、そのロック状態に戻るために起動(trigger)され、トロリー24は、それが再びトラック22に沿って移動できるように解放されることになる。
【0041】
図27に最もよく見られるように、ロックアセンブリ122は取付金具124を含み、取付金具124は、トラック22の下側に取り付けられ、そして、ピン126aによって取付金具124内で枢動可能に取り付けられるばね式つめ126を支持する。つめ126の対向する端部に取り付けられるのは、コイルばねピン128cによって取り付けられるローラー128aおよび128bである。ローラー128bは、取付金具内の開口部およびトラック22のウェブ内の開口部を通って延在する。ローラー128bは、トロリー24がローラー128bの上をトラック22の端部に向かって移動されるときにトロリー24と係合するように付勢される。ローラー128aは、基部20上で動くように位置決めされる。トロリー24がトラック22に沿った他の方向でカーゴエリアの中に移動されると、ここでローラー128bによって係合されているトロリー24は、トラック22を基部20に沿って移動させ、基部20ではそのとき、ローラー128aが、基部20に取り付けられたランプ129(図22)の上に案内される。ランプ129によって、つめ126はそのピボット軸を中心として枢動してばね128dを圧縮させられ、次いでそれによりローラー128bにかかるばねの付勢力が低減され、それによってトラック22からトロリー24を解放する。
【0042】
図26および図26Aを参照すると、ロックアセンブリ123は、トラック22の下側22bにも取り付けられているが、基部の上にトラック22をロックするように構成される。ロックアセンブリ123は、取付金具123aを含み、取付金具123aは、取付金具123a内に枢動可能に取り付けられる1組のつめ123b,123cを支持する。各つめ123b,123cは、コイル式ばねピンによってそれらの末端に取り付けられる1つ以上のローラー123dを含む。つめ123b,123cは、両方ともが下方に延ばされるときに両方向で基部20に対してトラック22を縛り付け、それによって基部に沿ってトラック22をロックするように、位置決めされる。一方のつめだけが延ばされ、基部20に対して巻き付けられるとき、トラックは、一方の方向(巻き付けられたつめの方向)ではロックされ、他方の方向では自由に摺動できる。各つめ123b,123cの下に配置されるのは、ばね123eおよび起動解除カム123fである。ばね123eは、つめ123b,123cを下方に付勢して、ロッキングアセンブリ123が通常ロック状態となるように基部20の上部ウェブと係合し上部ウェブに対して拘束する。カム123fがその回転軸の周りで回転すると、カムは、つめに対する付勢力を増加または減少させ、それ故、ロックアセンブリ123の一方のまたは両方のつめをロックするまたは解放するために使用できる。上述されるように、つめの一方にかかる付勢力が解除されると、トラック22は、解放されたつめの方向に移動することができるが、依然として基部20に対して付勢され縛り付ける解放されていないつめの方向にはロックされたままである。
【0043】
ロックアセンブリ123のつめをそれらのロック位置から解放するために、カム123fは、以下に図26Bを参照して説明される解放ストラット131に連結される。任意選択で、アセンブリ123は、手動解放ボタン123gも含んでもよい。ボタン123gは、取付金具123aを貫通して延びて、例えば、つめ123b,123cの互いに反対側となる端部または近位側端部で、反作用力をそれぞれのばねに提供もする。なお、つめ123b,123cは、係員によるアクセスのためにトラック22の上部ウェブを通って延在されてもいる。
【0044】
図26Bを参照すると、解放ストラット131は、取付金具123aに設けられる開口部123hを通ってカム123fに連結される。ストラット131の端部に取り付けられるのは、カム123fに設けられる穴と係合するためにピンを有するスライド131aである。ストラット131は、トラック22を通って延び、その対向する端部でトリガ(trigger)機構131bに連結し、トリガ機構は、ロックアセンブリ123が通常はロックされるように、それらの非解放位置にばね131eによって付勢される。各トリガ機構131bは、基部131cと、トリガ駆動部表面131dとを含む。基部131cは、互い違いに並んでトラック22の上部ウェブ内に設けられた長穴状開口部内で限られた直線運動をするために取り付けられ、それにより、トロリー24が最も近いトリガ機構の方向に移動すると一方のトリガ機構131bが作動でき、一方、他方のトリガ機構は、以下に説明される別個の駆動部によって選択的に解除できる。
【0045】
トリガ機構を作動するために、トロリー24は、やはり並んで互い違いの配置で取り付けられる2つのトリガ解放アーム69a,69b(図26D)を支持する。トロリー24が、その伸張位置に向かいトラック22に沿って基部20の脚部端に向かって移動されると、解放アーム69bは、一番内側のトリガ機構と接触することになり、このトリガ機は、その対応するカムを回転させ、伸張方向(カーゴエリアの背部に向かう方向)にトラック20をロックするその対応する爪を解放する。伸張方向で基部20に対してトラック22を縛り付けるつめがいったん解放されると、トラック22はトロリー24とともに自由に伸びることができる。トロリー24がトラック22に沿って伸ばされるのと同時に、ローラー128aは、ランプ129から外れるように案内され、ローラー128bは、トラック22がロックアセンブリ122によってトロリー24に結合されるようにトロリー24に対して再び拘束し、ロックアセンブリ122は、トラック22が基部20に沿って伸張位置に向かってトロリー24とともに移動するように、ここで基部20から解放される。
【0046】
トロリー24が完全に伸ばされ、アーム34a,34bが簡易ベッドを持ち上げるために上げられると、ばね68は、同様に駆動部アーム69aを他方のトリガ機構131bに向かって移動するためにアーム69を引っ張り、それにより、トラック22を引込方向で縛り付けるつめがここで解放され、その結果、アーム34a,34bが簡易ベッドを持ち上げて車両の中に簡易ベッドを積み込む準備を完了した後に、トラック22がトロリー24とともに基部20上で動くことになる。トロリー24およびトラック22が基部20に沿って押されると、ローラー128aは、再びランプ129の上に案内されて、トラック22とのロック係合からトロリー24を解放することになるが、そのときトロリー24は、もはやトリガ機構131bを解除することはなく、ロックアセンブリ123は、その通常のロック状態に戻ることになる。それにより、トラック22が再び基部20に固定され、トロリー24が次いで、簡易ベッドを搬送する完全引込位置までトラック22に沿って移動してラッチ機構105と係合する。
【0047】
上述されたように、トロリー24をその完全な引込及びロック位置からラッチ機構105で解放するために、係員はボタン112aを押しさえすればよく、このボタン112aは、ピン106aの周りでつめ106を枢動させ、ハウジング108内のそのより低いまたは押し下げられた位置に入れる。代わりに、ラッチ機構105は解放機構115によって解放されてもよい。図22および図22Dを参照すると、解放機構115は、基部20の端部に取り付けられたハウジング115b内に回転自在に取り付けられるトリガ115aを含む。トリガ115aは、駆動ブロック115fを介して1組の駆動ロッド115dおよび115eを作動するように位置決めされ且つ位置合わせされる駆動プレート115cに、連結される。駆動ロッド115eは、ラッチ機構105の駆動部120に連結され、それにより、トリガ115がその回転軸の周りで回転すると、駆動部プレート115cは、駆動ロッド115eを押しやって駆動部120をそのそれぞれのピボット軸の周りで枢動させ、それによって、つめ106をそのそれぞれのピボットピンを中心として枢動させ、且つそれによってトロリー24をラッチ機構105から係合解除することができることになる。同様にして、駆動ロッド115dは、留め具132の板138bを解放するように連結され、それにより、トリガ115aがそのピボットピンの周りで回転すると、フック130が、留め具130からフック138の係合を切り離すためのその凹み位置に移動されることになる。任意選択で、トリガ115aは、留め具132を解放するための第1の位置、および留め具132とラッチ105の両方を解放するための第2の位置の2つの作動位置を提供してよい。
【0048】
いったんトロリー24が基部20から解放され、簡易ベッド12の脚部端が移送トラックから解放されると、簡易ベッド12は、(上述されたように、トロリー24がトラック22の端部に達するまで、基部20の上にロックされたままとなる)移送トラック22に沿ってトロリー24を引くために引っ張られてもよい。トロリー24は、依然として基部20上にロックされている移送トラック22に沿って長手方向に摺動する。係員が簡易ベッド上で引っ張り続けると、トロリー24は移送トラック22の端部に到達する。トロリー24がトラック22の端部に近づいていく、またはトラック22の端部にあると、上述されたように、ラッチ機構123のつめの一つが解放されると共に、ラッチ機構122が作動される。なお、ラッチ機構122は、基部20に沿って一体となって移動するために移送トラック22をトロリー24に係止する。
【0049】
いったんトロリー24が完全に伸ばされると、アーム34aおよび34bは、簡易ベッド12を救急車から降ろすことができるように下げられてよい。いったん簡易ベッドが積み降ろし装置14から降ろされると、トロリー24は、任意選択でその完全に引っ込み且つロックされた位置に戻される、またはトロリー24の配備の配備速度を向上するために例えば救急車の後部ドアに近い位置等の別のロック位置に戻されてもよい。
【0050】
トラック22を救急車の中に押し戻すことができるようにするために、他方のつめを解放しなければならない。これは、上述されたように手動で、または他方のトリガ機構の解放を引き起こすアーム34a,34bを持ち上げることによってのいずれでも、行うことができる。ロックアセンブリ122は、次いで、トロリー24が、ローラー128aをランプ129の上に押し上げるほど十分遠くまで押し入れられると、解放される。
【0051】
ラッチ105に到達する前にトラック22に沿ってトロリー24をロックし、したがって係員にトラック22に沿った任意の地点でトロリー24をロックするができるようにするために、トロリー24は、アームアセンブリ34の下側に取り付けられたブロック170を含み、このブロック170は、トラック22の摩擦係合を実現する材料から所定の大きさを有して作られる。例えば、ブロック170は、ポリマー材料またはエラストマ―材料から形成されてよい。さらに、任意選択で、トラック22の上部ウェブは、その上に形成または付着される高摩擦表面(例えば、トラック22に接着される、またはそれ以外の方法で取り付けられる高摩擦材料のストリップ)を有してよい。摩擦係合を解除するために、係員は、ブロック170をトラックの上面よりも上に上げるアーム34a,34bを持ち上げるだけでよく、さらに、上述されたように、最も外側のトリガ機構131bを解放するようにアーム69aを位置決めする。このようにして、トラック22は、トラック22がトロリー24から切り離されるまで、基部20に沿って引っ込むことができ、その時点で、ロックアセンブリ123はそのロック状態に戻ることになる。
【0052】
この構成により、トロリー24は、トラック22に沿った任意の所望される場所にトラック22に沿って押すことができる。いったんアームがそれらのほぼ水平な向きに下げられると、トラック22に沿ったトロリー24の位置は再び固定される。アーム34a,34bが簡易ベッド12を支えるために持ち上げられると、ブロック170が、トラック22の上面との係合から外れることが理解されるべきである。
【0053】
ロッキングアセンブリ122の場所は、実質的に、トラック22が基部20に沿ったその完全引込位置にあるときと一致し、それは、ロックアセンブリ123が基部20にトラック22をロックするときとも一致する。ラッチのこの配置およびそれらの作動または解放のタイミングが、コンパクトであり、且つさらに多様な移動構成部分のその相互接続が簡易ベッドの輸送中だけではなく積み降ろしの間も簡易ベッドの適切な固定を提供する、積み降ろしシステムを実現する。
【0054】
上述されたように、簡易ベッド12は、ソレノイド80の作動によって解放されるラッチ70によってトロリー24の上にロックされる。任意選択で、トロリー24は手動解放機構180を含んでよい。図32、図33、および図34を参照すると、手動解放機構180は、トロリー24の側面88bに面するカーゴエリアに位置する1組のハンドル182を含み、1組のハンドル182は、トロリー24のハウジング88内での枢動移動のために開口部88cにおいてロッド184上に取り付けられる。ロッド184の末端に取り付けられるのは、つめ186、リンクアセンブリ188、および作動カム190であり、これらは、ロッド184を、ロッド184とともに支持ブロック194によってフレーム36に取り付けられる第2のロッド192にリンク結合する。リンクアセンブリ190は、両方のハンドル182の内の一方または両方が回転するにつれてカム駆動部190を案内する、ローブ状開口部196aを備えた板196を含む。各カム駆動部90に結合されるのは、ソレノイドレバーリリース(solenoid lever release)198である。ソレノイドレバーリリース198は、ハンドル182が持ち上げられると、ソレノイドレバーリリース198が、ラッチ70のピン76を引っ張るようにソレノイド80のプランジャ78を下方に押しやり、それによってラッチ70を手動解放するように、ソレノイド80のプランジャ78の上に位置する。
【0055】
示されている実施形態では、システム10は、アームが簡易ベッドの重量等の事前に選択された大きさの作用力を載荷されないときにはより速い速度で、アーム34a,34bが簡易ベッドの重量等の事前選択された大きさを越える作用力を載荷されるときにはさらに遅い速度またはさらに遅い複数の速度で、アーム34a,34bを上げるように構成される。このようにして、アーム34aおよび34bは、載せられていないときには迅速に配備できるが、簡易ベッドを載せられているときにはより遅い速度で移動できる。代わりに、アーム34a,34bは、患者を支えている簡易ベッドを上げるときだけより遅い速度で移動できる。
【0056】
図34を参照すると、システム10は、駆動機構40の作動を制御するためだけではなく、ラッチ70のラッチ解除のためのものでもある制御システム200を含む。さらに、制御システム200は、参照することによりその全体が本明細書に援用され且つ2007年7月11日に出願された出願番号第60/949,055号である「POWERED PATIENT SUPPORT AND FASTENING SYTEM WITH INDUCTIVE BASED POWER SYSTEM(誘導ベース電力システムを備える動力式患者支持および固定システム)」と題する、同時係属中の出願に説明されるような、誘導充電システムを含んでよい。
【0057】
示されている実施形態では、制御システム200は、簡易ベッド搭載の制御システム202と、例えばトロリー搭載の制御システム204等の積み降ろし装置搭載の制御部との2つの制御システムを含む。各制御システム202,204は、(マイクロプロセッサおよびメモリ記憶装置付きの)制御盤208および210を含み、制御盤208および210は、それぞれ簡易ベッド12およびトロリー24で提供されるユーザ入力装置202aおよび204aと通信する。ユーザ入力装置202aおよび204aはそれぞれ、ユーザがアーム34a,34bを上げるまたは下げるための信号を入力できるようにするために、ユーザ作動可能ボタンまたはスイッチ204b(図10)を含む(ユーザ入力装置204aだけが詳しく示されている)。さらに、ユーザ入力装置204aはまた、手動ダンプボタン204cも含み、手動ダンプボタン204cは、押されると、マニホルド(図17A)に連結するリンク機構204dを押圧して、アームを迅速に下げることができるようにシリンダからタンクの中に流体を自由に移動できるよう解放する。
【0058】
制御システム202および204はそれぞれ、簡易ベッド搭載の制御システム202が積み降ろし装置において装置を制御できるように、RF装置、誘導装置、音響装置、光装置、赤外線装置等の無線送信機および/または受信機を備え且つ簡易ベッド搭載の制御システム202とトロリー搭載の制御システム204との間の通信ボード212,214も含む。通信は一方向通信または二方向通信であってよい。
【0059】
示される実施形態では、制御盤210は、スイッチ42cと通信し、スイッチ42cは、負荷がそれぞれのアームにかけられているのかどうかを検出するための、(上述されたような)シリンダ42に取り付けられるアナログ歪みゲージを含むロードセル等の負荷センサである。例えば、制御盤210のメモリ装置は、その中にゼロまたは簡易ベッドの重量等の閾値負荷、および例えば低速プロファイルおよび高速プロファイル等の少なくとも2つのアーム速度を記憶していてもよく、それにより閾値負荷を超える負荷が検出されると、制御盤210は低速プロファイルで駆動機構40を制御することになる。検出される負荷が閾値負荷未満である場合、制御盤210は高速プロファイルで駆動機構40を制御することになる。メモリ装置は、他の低速または高速プロファイルを有してもよく、そして制御盤210は、異なる速度プロファイルの間を選択する、または各速度プロファイルが適用される角度範囲を有してもよいことが理解されるべきである。例えば、簡易ベッドの頂点位置では、制御盤は、速度プロファイルから最低のものを選択してよく、または、簡易ベッドが高く上げられるのにつれて速度が線形速度で若しくは非線形速度で減速してソフトな上部停止位置を提供するように、速度を低減するように速度プロファイルを変えてもよい。同様に、アームを下げるとき、速度は、例えばソフトな底部停止場所を提供するために別々の速度または可変速度を提供するように変えられてよい。さらに、制御盤210のメモリ装置は、その中に、載荷アームが上げられる最大負荷高さを記憶していてもよい。上述されたように、コントローラは、例えば機器を完全に積み込んだ簡易ベッドの重量等の閾値負荷を検出し、例えば簡易ベッドが患者を支えているとき等、その閾値負荷が超えられる場合には、減速した速度でアームを上げるだけであるように構成されてよい。同様に、制御盤210は、アームに荷重がかけられているときにはより低速でアームを下げ、アームに外部の荷重がかけられていない、または患者を搬送していない簡易ベッドだけで荷重をかけられるときにはより高速にアームを下げるように構成されてよい。
【0060】
高さ、角度、速度、停止点/停止状態、および加速を決定するために、システム10はまた、アーム角度位置センサ216(図9および図10)も含み、アーム角度位置センサ216は、取付金具216aによってフレーム36に取り付けられ、リンク216bによってアームアセンブリ34に連結され、アームの角度位置を決定するために使用される。その値は、速度、停止位置/停止状態、および加速を決定するために事前設定レジスタに対して参照される。制御システム200は、トロリー24がラッチ機構105で係止されるときを検出するために、およびトロリー24が係止されるときに制御システム200にフィードバックを提供するために、センサ218も含んでよい。さらに、制御システム200は、情報、データ、プログラミングアップグレード、またはプログラミングを、簡易ベッド搭載の制御システム202および/またはトロリー搭載の制御シスエム204それぞれにアップロードできるようにするために、1つまたは複数のUSBポートデバイスを含んでよい。さらに、システム200は、低バッテリー等のステータス表示を提供するためのLED、(システムに電力が供給されていることを示すための)電源ライト、および他の操作インジケータ等の、複数のインジケータ224を組み込んでよい。
【0061】
さらに、トロリー搭載の制御システム204は、簡易ベッド搭載の制御システムに対するスレーブとして構成されてよく、簡易ベッド搭載の制御システムは、例えばユーザ入力装置204aで依然として冗長制御を提供する一方で、簡易ベッドが積み降ろし装置の上にまたは隣接して積み込まれると一次制御システムとして機能して、係員が簡易ベッドの脚部端から積み降ろし装置を制御できるように構成されてよい。代わりに、簡易ベッド搭載の制御システム202は、トロリー搭載の制御システムに対するスレーブとして構成されてよい。
【0062】
上述されたように、制御システム200は、積み降ろし装置上のバッテリー220、および/または簡易ベッド上のバッテリー222に充電するための誘導充電システムを組み込んでよい。一次コイルおよび二次コイルは、それぞれのバッテリーに電気的に結合されてよく、簡易ベッド上、トロリー上、および基部内に位置して、誘導を通してそれぞれのバッテリーの充電を可能にする。さらに、トロリーバッテリー用の充電調整回路は、トロリー搭載の制御盤210上に存在してよく、一方簡易ベッドバッテリー用の充電調整回路は簡易ベッド搭載の制御盤208上に存在してよい。
【0063】
例えば、ラッチ機構105は、サブアンカーアセンブリ92を通して車両の電気システムに結合する一次コイル230を収容してよく、トロリー24は、トロリー搭載の制御盤210と通信する二次コイル232を収容してよく、それによりラッチ機構106内のコイル230と位置合わせされるとき(トロリーが完全引込位置に移動されるとき)、電気は、車両の電気系統から(トロリーに収容される)トロリーバッテリーを充電するために誘電結合によって発電されてよい。同様に、基部20は、例えばサブアンカーアセンブリ92を通してやはり車両電気系統に結合される留め具132に隣接する別の一次コイル234を含んでよく、簡易ベッド12は、簡易ベッドバッテリーも車両の電気系統を使用して充電できるように簡易ベッド搭載の制御盤208を通して簡易ベッドバッテリーに電気的に結合されるコイル236を含んでよい(図30)。さらに、コイルの密接な位置決めを容易にすることは、トラック22が基部20に沿って移動されるときに、コイル234がトラック22の移動に干渉しないように、ばね式ハウジング234a(図22A)内にコイル234を取り付けることによって強化されてよい。
【0064】
代わりに、本発明のシステムは、参照特許に説明されたように、トロリーと基部との間の直接的な電気結合を提供するために電気接点を組み込んでもよく、さらに本明細書に説明される無線接続ではなくむしろ、簡易ベッド搭載の制御システムとトロリー搭載の制御システムとの間に配線を設けてもよい。
【0065】
本発明のいくつかの形式が例示的な目的のために開示されてきたが、パーツの再配置を含む、開示された装置の変形またはモディファイが本発明の範囲内にあることが認識されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急車両デッキへの取り付けのための基部と、
前記基部に沿った直線運動のために取り付けられ、救急簡易ベッドと係合するように構成されるアームと、
前記アームを上げるように構成される駆動機構であって、前記アーム上に第1の規模の作用力がある場合に第1の速度で前記アームを上げ、前記アーム上に前記第1の規模よりも大きい第2の規模の作用力がある場合に前記第1の速度よりも低速の1つまたは複数の別の速度で前記アームを上げるように構成される駆動機構と、
を備える救急簡易ベッド積み降ろし装置。
【請求項2】
前記第1の規模が実質的にゼロである、請求項1に記載の救急簡易ベッド積み降ろし装置。
【請求項3】
前記第2の規模がゼロよりも大きい規模を含む、請求項1に記載の救急簡易ベッド積み降ろし装置。
【請求項4】
制御システムをさらに備え、前記制御システムが前記駆動機構を作動し、前記制御部は、前記アーム上にかかる作用力の存在を検出するように構成され、前記アームにかかる前記第1の規模の作用力の存在を検出すると、前記制御システムが前記駆動機構を作動して前記アームを前記第1の速度で上げ、前記アームにかかる前記第2の規模の作用力の存在を検出すると、前記制御システムが前記駆動機構を作動して別の1つまたは複数の速度で前記アームを上げる、請求項1に記載の救急簡易ベッド積み降ろし装置。
【請求項5】
緊急車両用の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステムであって、
頭部端を有する簡易ベッドと、
緊急車両のデッキへの取り付けのための基部と、
前記基部に沿った直線運動のために取り付けられるトラックと、
引込位置から伸張位置への前記トラックに沿った直線運動のために取り付けられ、前記簡易ベッドと係合するように構成されたアームと、
を備え、
前記トラックが前記基部に沿って伸ばされ、前記アームが前記トラックに沿って伸ばされるとき、前記アームは、伸張位置に前記基部から伸ばされ、前記伸張位置にある間、前記簡易ベッドを持ち上げ、前記簡易ベッドに片持ち支持を提供するように構成される、
救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項6】
前記簡易ベッドが占用面積を有し、前記トラックは、前記簡易ベッドが前記アームによって係合され、前記基部に沿って前記完全引込位置に引っ込められるときに、前記簡易ベッドの少なくとも前記頭部端では前記簡易ベッドの前記占用面積内にある、請求項5に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項7】
前記アームを上げるまたは下げるための駆動機構をさらに備える、請求項5に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項8】
前記アームは、前記アームが前記基部に沿って移動されるが救急簡易ベッドと係合されていないときに、前記緊急車両デッキと係合するための複数のベアリングを含む、請求項7に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項9】
前記アームがフレームに枢動可能に取り付けられ、前記フレームが前記トラックに沿った直線運動のために取り付けられる、請求項7に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項10】
前記トラックが、少なくとも1つのラッチを含み、前記少なくとも1つのラッチは、前記トラックが前記基部に対して移動する前に、前記アームが前記トラックを完全に横切ることができるように構成される、請求項7に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項11】
一連のラッチをさらに備え、前記ラッチの内の1つが前記基部に前記トラックをロックするように適応され、前記ラッチの別の1つが前記トラックに前記アームをロックするように適応され、前記ラッチは、選択的に係合解除および係合するように適応されて、前記トラックを前記基部にロックしている間、前記トラックに対して前記アームを移動可能にする一方で、前記トラックを前記基部からロック解除しその代わりに前記アームにロックすることを可能にすることで、前記アームと前記トロリーとが前記基部に沿って一体に移動するようにする、請求項7に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項12】
前記アームおよび前記フレームがトロリーを形成し、前記簡易ベッドが前記簡易ベッドの頭部端に1組のピンを含み、前記トロリーが前記ピンと解放可能に係合し、それによって前記簡易ベッドと係合するように適応される、請求項9に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項13】
前記トロリーが前記ピンと係合するための1組のラッチを含む、請求項12に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項14】
制御システムをさらに備え、前記制御システムが前記ラッチを選択的にラッチ解除するように適応される、請求項13に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項15】
前記制御システムが無線送信機を含み、前記トロリーが、前記無線送信機からの信号を受信するための受信機を備える制御システムを含む、請求項14に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項16】
前記トロリーの前記制御システムが、前記簡易ベッドの前記制御システムからの信号に基づき前記駆動機構を制御する、請求項15に記載の救急簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項17】
緊急車両用の救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステムであって、
簡易ベッド搭載コントローラ、および前記簡易搭載コントローラと通信する簡易ベッド搭載ユーザ入力装置を有する簡易ベッドと、
簡易ベッド積み降ろし装置と、
を備え、
前記簡易ベッド積み降ろし装置は、
緊急車両のデッキに取り付けるための基部と、
引込位置から伸張位置への前記基部に沿った直線運動のために取り付けられ、前記簡易ベッドと係合するように構成されたアームと、
前記簡易ベッドと係合するように前記アームを上げるための駆動機構と、
前記駆動機構を制御するように構成された積み降ろし装置搭載コントローラと、
を有し、
前記簡易ベッドが前記積み降ろし装置の上に載せられるとき、前記簡易ベッド搭載コントローラは、前記駆動機構を制御し、前記駆動機構を制御するための一次コントローラを形成するように構成され、前記積み降ろし装置搭載コントローラは、前記一次コントローラに対するスレーブコントローラになる、
救急簡易ベッドおよび積み降ろしシステム。
【請求項18】
前記簡易ベッド積み降ろし装置が、前記積み降ろし装置搭載コントローラと通信する積み降ろし装置搭載ユーザ入力装置をさらに備え、前記積み降ろし装置搭載ユーザ入力装置は、前記簡易ベッドが前記積み降ろし装置の上に載せられていても、前記駆動機構の制御を可能にし、それによって冗長制御を提供するように構成される、請求項17に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項19】
前記簡易ベッド積み降ろしアセンブリが、前記簡易ベッドと係合するためのラッチを有し、前記簡易ベッド搭載コントローラが、前記簡易ベッドが前記積み降ろしシステムの上に載せられると、前記ラッチを作動するように構成される、請求項17に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項20】
前記簡易ベッドが、前記積み降ろし装置上の通信システムと通信するための通信システムも含む、請求項17に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項21】
前記簡易ベッド搭載の通信システムが無線式である、請求項20に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項22】
前記無線通信システムがRF通信システムを備える、請求項21に記載の救急簡易ベッドおよび簡易ベッド積み降ろしシステム。
【請求項23】
折り畳み可能で伸張可能なホイール付き基部をその上に有する救急簡易ベッドを、救急車のカーゴエリアの中に積み降ろす方法であって、
救急車の前記カーゴエリアに、開口部に隣接して救急簡易ベッドを移動するステップと、
持ち上げ装置に負荷がかけられていないときに第1の速度で持ち上げ装置を下げるまたは持ち上げるステップと、
ゼロを超える負荷が前記持ち上げ装置にかけられるときに、前記第1の速度よりも遅い別の1つまたは複数の速度で、前記持ち上げ装置を用いて前記救急簡易ベッドを持ち上げる、または下げるステップと、
を含む方法。
【請求項24】
救急易ベッドを積み降ろす方法であって、
緊急車両のカーゴエリアに隣接して頭部端を有する救急簡易ベッドを移動するステップと、
前記緊急車両の前記カーゴエリアのデッキに長さを有する基部を取り付けるステップと、
前記基部の前記長さよりも大きな運動範囲にわたって前記基部に沿って持ち上げ装置を移動するステップであって、前記持ち上げ装置が、前記緊急車両から延ばされることができるステップと、
前記持ち上げ装置が前記緊急車両の外に移動されると前記簡易ベッドを持ち上げるまたは下げるステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図11A】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図16】
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【図17】
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【図17A】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図22F】
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【図22G】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図27】
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【図27A】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2013−506497(P2013−506497A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532134(P2012−532134)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/049646
【国際公開番号】WO2011/041170
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(595148888)ストライカー コーポレイション (52)
【氏名又は名称原語表記】STRYKER CORPORATION