説明

教育、リハビリ用のダーツ

【課題】商品(品物)、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現できるダーツ標的を設ける構造とし、この商品等の名前、産地、匂い等を識別することで、例えば、知的障害の回復(リハビリ効果)とその維持を図り、又幼児の教育にも使用できるダーツを提供する。
【解決手段】商品等を表徴したダーツ標的1と、多数個の孔200を備えた投げ矢の支持部2、スイッチを備えたダーツ基板と、接触子、ICチップ、及び発信部を備えた本体基板と、本体基板の発信部からの指令で、音、匂い、又は言葉を発する出力機能部、及び演算部を備えた制御部と、ダーツ基板と本体基板を抱持するケーシングとで構成した教育、リハビリ用のダーツである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育、リハビリ用のダーツに関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、この種のダーツは、誰でも、簡単に行なえること、また、広い場所を必要としないこと、或いは競技者、又は遊技者数の制限が少ないこと、等の理由で、近時、重宝されている。そして、このダーツは、通常は、競技用であるが、遊技(娯楽、玩具)としての利用も考えられている。しかし、この種のダーツは、業者とか、市販の商品としての利用が主体である。従って、各個人が、簡易に、かつ親近感と、独特の雰囲気を持って遊ぶには、十分とは云えないことが、その理由の一つと考えられる。また、ダーツは、標的の商品(品物)、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現する構造でなく、知的障害の回復(リハビリ効果)と、その維持を図ること、又は幼児の教育として、利用に工夫を凝らしたものでなく、改良の余地と、工夫が要求される処である。
【0003】
このような要望を満足するか、又は改良が加えられた構造を先行文献から検討すると、下記のような、文献(1)〜(5)が挙げられるので、その概要を説明する。
【0004】
文献(1)は、実用新案登録第3148758号の「飛行機型ダーツ遊技具」であり、その要旨は、金属製の標的盤と、この標的盤に吸着される磁石か、又は吸盤付の飛行機型のダーツとで構成され、得点をあまり意識することなく、手軽に遊戯し、かつ直線的な投擲ができるダーツ遊戯具の提供である。しかし、この考案は、ゲームの遊戯性を高めたものであり、前記の如く、例えば、「商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現する構造でなく、知的障害の回復(リハビリ効果)と、その維持を図ること、又は幼児の教育として、利用に工夫を凝らしたものでなく、改良の余地と、工夫が要求される」処である。
【0005】
また、文献(2)は、実用新案登録第3114654号の「ダーツゲーム具」であり、その要旨は、多数の磁性体の標的を有する標的本体と、この標的本体に抜差し自在とした学習シートとで構成したダーツゲーム具で、このダーツゲーム具にマグネット付のダーツを投擲可能とし、ダーツでの使用の他に、壁掛けとしての利用を図ること、等を特徴とする。しかし、この考案は、ゲームの遊戯性を高めたものであり、前記の如く、例えば、「商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現する構造でなく、知的障害の回復(リハビリ効果)と、その維持を図るには、必ずしも、十分とは考えられない。また、文字の学習では、幼児の教育として、利用は可能であるが、一面的な利用であり、さらに有効性を発揮するには、改良の余地と、工夫が要求される」処である。
【0006】
文献(3)は、特開2006−326895の「絵を押すと声の出る学習カード」であり、この発明は、印刷シートの裏面に、この印刷シートの絵に対応するスイッチパネルと、音声発生手段とを有し、絵へのタッチを介して、この絵の、例えば、動物に対応する音声メッセージが発せられる構造である。従って、幼児教育と、リハビリ効果とか図れる特徴がある。しかし、この発明は、商品(例えば、動物)の音声による教育であり、匂気とか、香り等を楽しむことは考えられず、改良の余地が考えられる。
【0007】
また、文献(4)は、特開2008−61755の「抽選機」であり、この発明は、抽選機本体に設けたダーツボードを回転可能とし、このダーツボードに当たったダーツの位置を、マトリックススイッチで検出し、また、このダーツゲームの進行の画像を、TVモニタ画面に表示できるようにし、かつこのゲームの結果を表示できる構造であって、簡単な抽選ダーツを電子化したことを特徴とする。しかし、この発明は、前記の特徴を達成するのみであって、前記の如く、例えば、「商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現する構造でなく、知的障害の回復と、その維持を図るには、必ずしも、十分とは考えられない。また、文字の学習による、幼児の教育としての利用はできす、かつこの幼児の教育の有効性を発揮するには、改良の余地と、工夫が要求される」処である。
【0008】
さらに、文献(5)は、特開2008−5855の「電子ダーツ装置」であり、この発明は、電子ダーツ標的に接続したモニタ画面には、標的を画像表示することで、電子ダーツ標的へのダーツの命中個所を視覚表示するとともに、この視覚表示は、命中回数により段階的に変化させる制御装置を備えていることを特徴とし、ゲーム進行中は勿論、1ゲーム終了後とか、数ゲーム終了後などの時点で、その命中個所、及びその回数を含むダーツの飛翔する傾向を容易に認識できる構成としたことで、競技者の技量と、その進捗状態を認識できる特徴がある。しかし、この発明は、前記文献(4)と同じ課題がある。
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3148758号
【特許文献2】実用新案登録第3114654号
【特許文献3】特開2006−326895
【特許文献4】特開2008−61755
【特許文献5】特開2008−5855
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した如く、各文献(1)〜文献(5)は、それぞれ改良の余地と、課題を有しており、その解決策が要望される。
【0011】
上記に鑑み、本発明は、下記に記載の目的を達成することを意図する。
「1」 商品(品物)、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現できるダーツ標的を設ける構造とし、この商品等の名前、産地、匂い等を識別することで、例えば、知的障害の回復(リハビリ効果)と、その維持を図ること、又は幼児の教育として、利用が図れるように、工夫し、かつこの目的を達成することである。
「2」 また、ダーツ基板の支持部にダーツが支持された際に、スイッチと接触子がONし、発信部からの指令により、制御部を介して、所定の音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発するか、又はこの所定の音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発するかを選択できる構成とし、多目的な音、匂い、又は言葉が生ずるようにコントロールすることで、遊び感覚で、知的障害の回復と、教育効果の拡充を図ることである。
「3」 ダーツを、各個人が、簡易に、かつ親近感と、独特の雰囲気を持って遊ぶこと、又は上級者が、競技することも可能となりえる構造とすることである。
「4」 このダーツは、健常者から、知的障害を始めとして、幼児にも安心して使用できる構造とし、その目的を十二分に達成することである。
「5」 ダーツ標的を、個人感覚で取替えできる構造とし、前記親近感と、独特の雰囲気を持って遊ぶことにより、面白く、又は真剣な態度で、知的障害の回復と、教育効果の拡充を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、前記「1」〜「4」の目的を達成することを意図する。
【0013】
請求項1は、表面に商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を表徴したダーツ標的と、この標的を支持する多数個の孔を備えた板、又は磁性体でなる投げ矢の支持部、及びスイッチを備えたダーツ基板と、このダーツ基板の後側に設置し、かつ前記スイッチと接触する接触子、ICチップ、及び発信部を備えた本体基板と、この本体基板の発信部からの指令で、音、匂い、又は言葉を発する出力機能部、及び演算部を備えた制御部と、前記ダーツ基板と本体基板を抱持するケーシングと、で構成した教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ基板の支持部にダーツが支持された際に、前記スイッチと接触子がONし、前記発信部からの指令により、前記制御部を介して、所定の音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発するか、又はこの所定の音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発するかを選択できる構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の「1」〜「4」の目的を達成することと、この目的を達成するに最適な、標的の構造の提供を意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記標的を、前記ケーシングの上面に設けた細溝より差込み可能とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1の「1」〜「4」の目的を達成することと、この目的を達成するに最適な、ケーシングの構造の提供を意図する。
【0017】
請求項3は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ケーシングは、傾斜可能とし、このケーシングに支持杆を設け、この支持杆の自由端を、このケーシングに枢着する構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1の「1」〜「5」の目的を達成することを意図する。
【0019】
請求項4は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ標的は、この標的の駒毎に、取替え可能とし、この各標的は、個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を、デジタルカメラで撮影した標的とし、この個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を介して、親近感を醸成可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1の「1」〜「4」の目的を達成することと、この目的を達成するに最適な、投げ矢の構造の提供を意図する。
【0021】
請求項5は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記投げ矢は、その先端に止め具を有しており、この止め具は、針、吸盤か、磁石とする構成とし、かつこのダーツの形状が、玩具の形態を確保する構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1の「1」〜「4」の目的を達成することと、この目的を達成するに最適で、利便性を有する、ダーツ標的の構造の提供を意図する。
【0023】
請求項6は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ標的は、商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具であり、この商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具のそれぞれを、個別に交換可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明は、表面に商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を表徴したダーツ標的と、標的を支持する多数個の孔を備えた板、又は磁性体でなる投げ矢の支持部、及びスイッチを備えたダーツ基板と、ダーツ基板の後側に設置し、かつスイッチと接触する接触子、ICチップ、及び発信部を備えた本体基板と、本体基板の発信部からの指令で、音、匂い、又は言葉を発する出力機能部、及び演算部を備えた制御部と、ダーツ基板と本体基板を抱持するケーシングと、で構成した教育、リハビリ用のダーツであって、
ダーツ基板の支持部にダーツが支持された際に、スイッチと接触子がONし、発信部からの指令により、前記制御部を介して、所定の音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発するか、又は所定の音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発するかを選択できる構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0025】
従って、この請求項1の発明は、下記の「1」〜「4」の特徴を有する。
「1」 商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具等の名前、産地、匂い、香り等を表現できるダーツ標的を設ける構造とし、この商品等の名前、産地、匂い等を識別することで、例えば、知的障害の回復(リハビリ効果)と、その維持を図ること、又は幼児の教育として、利用が図れるように、工夫し、かつこの目的を達成できる。
「2」 また、ダーツ基板の支持部にダーツが支持された際に、スイッチと接触子がONし、発信部からの指令により、制御部を介して、所定の音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発するか、又はこの所定の音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発するかを選択できる構成とし、多目的な音、匂い、又は言葉が生ずるようにコントロールすることで、遊び感覚で、知的障害の回復と、教育効果の拡充が図れる。
「3」 ダーツを、各個人が、簡易に、かつ親近感と、独特の雰囲気を持って遊ぶこと、又は上級者が、競技することも可能となりえる構造となる。
「4」 このダーツは、健常者から、知的障害を始めとして、幼児にも安心して使用できる構造とし、その目的を十二分に達成できる。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
標的を、前記ケーシングの上面に設けた細溝より差込み可能とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0027】
従って、この請求項2は、請求項1の「1」〜「4」の特徴を達成し、また、この目的を達成するに最適な、標的の構造を提供できる。
【0028】
請求項3の発明は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
ケーシングは、傾斜可能とし、このケーシングに支持杆を設け、支持杆の自由端を、ケーシングに枢着する構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0029】
従って、この請求項3は、請求項1の「1」〜「4」の特徴を達成し、また、この目的を達成するに最適な、ケーシングの構造を提供できる。
【0030】
請求項4の発明は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
ダーツ標的は、標的の駒毎に、取替え可能とし、各標的は、個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を、デジタルカメラで撮影した標的とし、個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を介して、親近感を醸成可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0031】
従って、この請求項4は、請求項1の「1」〜「4」の特徴を達成できる。
また、「5」 ダーツ標的を、個人感覚で取替えできる構造とし、前記親近感と、独特の雰囲気を持って遊ぶことにより、面白く、又は真剣な態度で、知的障害の回復と、教育効果の拡充が図れる。
【0032】
請求項5の発明は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
投げ矢は、先端に止め具を有しており、止め具は、針、吸盤か、磁石とする構成とし、かつダーツの形状が、玩具の形態を確保する構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0033】
従って、この請求項5は、請求項1の「1」〜「4」の特徴を達成し、また、この目的を達成するに最適な、投げ矢の構造を提供できる。
【0034】
請求項6の発明は、請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
ダーツ標的は、商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具であり、商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具のそれぞれを、個別に交換可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツである。
【0035】
従って、請求項6は、請求項1の「1」〜「4」の目的を達成し、かつこの目的を達成するに最適で、利便性を有する、ダーツ標的の構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】教育、リハビリ、遊戯、又は競技等(教育、リハビリとする)用のダーツで、据置き方の一例を示した一部欠截の斜視図
【図2】図1の例において、ダーツ標的を差込む一例を示した斜視図
【図3−1】図1の例におけるダーツの内部構造を示した断面図と、その一部の拡大模式図
【図3−2】図1の例における信号の指令を説明したフローチャート図
【図4】図1の例における音(品物のカタカタと英語による名前)の発生状況と、遊技の状況を示した模式図
【図5】図1の例における匂いの発生状況を示した一部欠截の正面図
【図6】図5の例における要部の拡大断面図
【図7】吊下げ方の教育、リハビリ用のダーツの一部欠截の正面図
【図8】この(イ)〜(ホ)は、ダーツの投げ矢(投具)の各例を示した斜視図
【図9】この(イ)〜(ハ)は、ダーツ標的の各例を示した斜視図
【図10】個人がデジカメで撮影した図柄を、ダーツ標的として活用する一例を示した模式図
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1−図4に示した一例において、教育、リハビリ用のダーツAにおいて、1は紙、樹脂、又は板材等でなる膜形状のダーツ標的で、このダーツ標的1の表面1aには、商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具が表徴B(商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を写実的に表現した絵、又は模造表現した絵等として印刷物、又はこの写真の標的である)される。このダーツ標的1は、例えば、方形状で、かつセグメント(ブロック)に区画した構造とする。そして、このダーツ標的1の各セグメントの裏面には、多数個の孔200を備えた板、又は磁性を備えた板(磁性体)、樹脂製植毛体、或いは厚手のネット等でなる支持部2を設けた板状のダーツ基板6が設けられる。このダーツ基板6に設けた多数個の支持部2には、ダーツAの止め具を有する投げ矢3が挿入、又は磁着、吸着される。また、この支持部2への投げ矢3の挿入等で、ダーツ基板6の裏面に複数個設けたスイッチ5が、作用する構造となっている。この投げ矢3の止め具は、針300、磁石301とか吸盤302等が考えられる。また、この投げ矢3は、球体、矢等の投具も採用できる。
【0038】
尚、このダーツ基板6の裏面(後側)には、このダーツ基板6に僅かな間隔Cを持って本体基板7を設ける。この本体基板7の表面には、前記スイッチ5と接触する接触子700を、また、その内部には、ICチップ701、及び発信部702を設ける。そして、この本体基板7の発信部702からの指令で、音、匂い、又は言葉を発する出力機能部800、及び演算部801を備えた制御部8を、この本体基板7に設ける。
【0039】
前記ダーツ標的1、ダーツ基板6、及び本体基板7は、表面に碁盤の升目形状となるケーシング10に抱持される。この構造では、積層構造であり、薄型形態と、小型化を始めとして、収容と携帯の容易化が図れること、又はこれらの各パーツの故障時に、簡易に交換、又は修理できることが考えられ、重宝する。そして、この例では、ケーシング10の上面10aに開設した細溝11より、前記ダーツ標的1が差込まれる。その升目形状で保護ることで、このダーツ標的1を確実に支持でき、所定の位置に収容できること、又は衝撃等で外れないこと、等の利点がある。この一例は、図2に示してある。尚、図示しないが、この細溝11は左右側に変更することも可能である。さらに、前記ダーツ標的1は、差込みに代替して、ダーツ基板6の上に貼着、取付け等の手段で設けることもあり得る。また、図示しないが、この升目形状は、開閉式の構造か、差込み式構造でも可能であり、例えば、前記ダーツ標的1を、ダーツ基板6の上に貼着、取付け等の手段で設ける例に有効である。さらに、このダーツ標的1は、各升目の寸法に対応した大きさ、又は各商品、各動物等の標的部を、基にして個別に交換できる構造とする。この構造では、例えば、各商品、各動物等の特定の標的部に孔ができ使用不可能なもの、又は特定の標的部に、その他の理由で損傷したもの、或いは雰囲気・目先等を変更する場合、この各商品、各動物等の標的部を自由に交換できる、利便性が考えた場合等において、有益性がある。
【0040】
また、前記ケーシング10が据置き式(据付け式)の例では、可動式の脚部12が設けられる。この例では、ケーシング10と、ここに収容されたダーツ標的1と、ダーツ基板6を傾斜状に据置きで、遊技し易い角度、又は挿入した投げ矢3が落下しない角度等を確保する構造とし、遊技者の楽しみと、遊技の満足度を確保できる構造とする。また、この据置き式のケーシング10は、脚部12を折畳むことで、後述する吊下げ式に変更可能である。そして、傾斜状に据置きと、支持部2への投擲では、投げ矢3の落下でのトラブルと、興味が半減することもなくなり、楽しく、かつ仲良く競技ができること、興味が倍増すること、飽きることなく競技ができること、等の数々の特徴がある。
【0041】
以下、本発明の遊技の一例を説明すると、床面等に据付けたダーツAを利用して遊技する一例を示した、図4において、子供Hが所定の距離より、自分で投げ矢3を投擲すると、この投げ矢3が、ダーツ標的1のリンゴDのエリアに刺さった場合には、スイッチ5がONし、このスイッチ5のONにより接触子700に接触し、この接触でICチップ701、及び発信部702からの指令が発せられる。この指令で、制御部8の出力機能部800、及び演算部801を介して、カタカナでリンゴの音、或いは英語で、「apple」と発音されることで、投げ矢3を投げた子供Hは、リンゴDの形状と、その物の名前を、自分で学習できる。従って、自主性と、鮮明な記憶が残り、忘れることが少なくなると考えられる。尚、図中の他の果物D1とか、魚D2も同様である。また、図中H1は人を示す。このようにして、ダーツAが投擲されたダーツ標的1の音を楽しめ、かつ学習できる。また、図5と図6においては、香料シート15を、ダーツ標的1のリンゴDの裏面に設ける構造とし、前記投げ矢3が刺さった状態で、このリンゴDの香りが発散される構造であり、前記の音と併せて、リンゴDの香りを認識することで、教育と機能障害の回復等に役立てる。図中16は透明でなる表面の保護シートを示す。尚、香料シート15は、前記果物D1とか、魚D2も同様である。
【0042】
図7におけるダーツAは吊下げ方式であり、紐17、粘着、引掛け等の取付け手段で、図示しない壁、家具、板面、柱、建物等に支持して使用する。また、屋外での使用も可能である。
【0043】
図8の(イ)〜(ホ)は、投げ矢3のそれぞれの構造であり、遊技としての感覚を示したが、通常のダーツ式の投げ矢(図示せず)も可能である。そして、この(イ)はボール球、(ロ)は模型飛行機、(ハ)は吸盤付のダーツ投げ矢、(ニ)はバット、(ホ)は紙飛行機を示しているが、それぞれ一例である。
【0044】
図9の(イ)〜(は)は、ダーツ標的1のそれぞれの構造であり、遊技としての感覚を示したが、通常の競技用のダーツ(図示せず)も可能である。そして、この(イ)は虫、野の植物、(ロ)は動物、(ハ)は学習道具、遊戯具を示しているが、それぞれ一例である。
【0045】
図10は、水族館の魚D2を、デジカメ18(撮影機、携帯電話等)で撮影し、この写真を、ダーツ標的1の一例とする構造であり、個人的な遊技感覚、又は子供H1へのプレゼント等の感覚を介して、親近感と、独自のダーツ標的1を作成して楽しむ構造であり、大変に有益である。また、家族、近親者、同僚の間での話題と、親交、又は楽しみ等に後見するところ大である。また、家族、近親者、同僚の間での痴呆障害の回復に貢献できることも考えられる(他の各例も同じに考えられる)。
【0046】
そして、前述した各ダーツ標的1は、投げ矢3により損傷した場合には、新しいものに変更する。また、この各ダーツ標的1は、それぞれ一枚ずつの取替えから、数枚を同時に取替え等の各方法が可能である。そして、また、音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発する場合と、又は音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発する場合とがあり、制御部8の演算部801による処理で可能とする。さらに、本発明のダーツ標的1、ダーツ基板6、又は本体基板7、並びにケーシング10等の各パーツを、樹脂で形成することで、軽量化と、取付けの容易化、低コスト化等に役立つことと、色彩の多様化、耐光性の向上、或いは取扱いと携帯の容易化等に有益である。そして、また、このダーツ標的1は、無限であり、全世界と、あらゆる物のダーツ標的1が楽しめる。尚、本発明のダーツは、電子化も可能であり、例えば、図示しないが、モニタ画面に、競技者名、点数、各履歴等を、画像表示する構造が考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1 ダーツ標的
1a 表面
2 支持部
200 孔
3 投げ矢
300 針
301 磁石
302 吸盤
5 スイッチ
6 ダーツ基板
7 本体基板
700 接触子
701 ICチップ
702 発信部
8 制御部
800 出力機能部
801 演算部
10 ケーシング
10a 上面
11 細溝
12 脚部
15 香料シート
16 保護シート
17 紐
18 デジカメ
A ダーツ
B 表徴
C 間隔
D リンゴ
D1 果物
D2 魚
H 子供
H1 人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を表徴したダーツ標的と、この標的を支持する多数個の孔を備えた板、又は磁性体でなる投げ矢の支持部、及びスイッチを備えたダーツ基板と、このダーツ基板の後側に設置し、かつ前記スイッチと接触する接触子、ICチップ、及び発信部を備えた本体基板と、この本体基板の発信部からの指令で、音、匂い、又は言葉を発する出力機能部、及び演算部を備えた制御部と、前記ダーツ基板と本体基板を抱持するケーシングと、で構成した教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ基板の支持部にダーツが支持された際に、前記スイッチと接触子がONし、前記発信部からの指令により、前記制御部を介して、所定の音、匂い、又は言葉を、それぞれ個別に発するか、又はこの所定の音、匂い、又は言葉を、組合せた形態で発するかを選択できる構成とした教育、リハビリ用のダーツ。
【請求項2】
請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記標的を、前記ケーシングの上面に設けた細溝より差込み可能とした教育、リハビリ用のダーツ。
【請求項3】
請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ケーシングは、傾斜可能とし、このケーシングに支持杆を設け、この支持杆の自由端を、このケーシングに枢着する構成とした教育、リハビリ用のダーツ。
【請求項4】
請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ標的は、この標的の駒毎に、取替え可能とし、この各標的は、個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を、デジタルカメラで撮影した標的とし、この個人の商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具を介して、親近感を醸成可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツ。
【請求項5】
請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記投げ矢は、その先端に止め具を有しており、この止め具は、針、吸盤か、磁石とする構成とし、かつこのダーツの形状が、玩具の形態を確保する構成とした教育、リハビリ用のダーツ。
【請求項6】
請求項1に記載の教育、リハビリ用のダーツであって、
前記ダーツ標的は、商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具であり、この商品、動物、生物、植物、草花、料理、乗物、道具のそれぞれを、個別に交換可能とする構成とした教育、リハビリ用のダーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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