説明

散弾の停弾及び回収装置

【課題】 散弾の回収が容易な停弾及び回収装置の提供。
【解決手段】 射手40が発射した散弾は、第1樹脂シート21、第2樹脂シート22、第3樹脂シート23の順に減速されつつ貫通し、第1プレート31、第2プレート32により受け止められ、停弾及び回収装置10の下に落下する。落下した散弾は、飛散範囲が小さいので、容易に回収できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銃器から発射された散弾の停弾及び回収装置、前記装置で散弾を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スキート射撃、トラップ射撃等の射撃競技では、散弾を含んだ装弾が使用される。前記装弾は、直径が2〜2.5mmの約400〜650粒もの鉛製の散弾を含むもので、射撃後、これらの散弾が更に小さな粒となって飛散するが、飛散した全ての散弾を回収することは困難である。また、鉛散弾が標的(クレーー)や地面等に衝突した際には、衝撃により鉛粉塵が発生することがあり、この鉛粉塵は射撃場にそのまま残留して、外力を加えると容易に飛散する。このため、射撃場等に残存する鉛による環境汚染や、鉛散弾を除去する際の作業の安全性が問題となっている。
【0003】
特許文献1には、フレームと、該フレームを覆う表面層と、該表面層の内側に充填された、取り出し可能なチップ状の弾粘性部材の充填層からなる停弾装置が開示されている。この装置は、充填層にて銃弾を減速・停止させ、捕捉するものであり、充填層には、外径10〜30mmの不定形に粉砕したゴムが使用されている。特許文献2〜5には、各種の停弾装置等が開示されている。
【特許文献1】特開2002−62095号公報
【特許文献2】特開平8−136194号公報
【特許文献3】特開平8−334297号公報
【特許文献4】特開平9−170899号公報
【特許文献5】特開2000−154998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の停弾装置で回収対象としているのは散弾ではない銃弾であり、散弾についての記載はない。また、特許文献1の停弾装置で散弾の回収をしようとした場合、充填層内に入った散弾とチップ状の弾粘性部材との分離が困難になるため、散弾への応用は困難である。
【0005】
特許文献2〜5には、複数部材を組み合わせた停弾装置等が開示されているが、これらの装置では、基本的に複数の構成部材は固定されている。
【0006】
本発明は、射撃場等にて発射された散弾を簡単に回収できる散弾の停弾及び回収装置、前記装置を用いた散弾の停弾及び回収方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、課題の解決手段として、一部が支持され、懸垂された1枚又は2枚以上の減速手段と、プレートとを有する散弾の停弾及び回収装置であって、
銃器から発射された散弾が前記減速手段により減速され、最終的に前記プレートにより受け止められるものである、散弾の停弾及び回収装置を提供する。
【0008】
銃器から発射された装弾中の散弾(鉛散弾)は、減速手段に衝突(着弾)して貫通することで著しく減速され、最終的にプレートに衝突して、落下する。落下した鉛散弾は狭い範囲に留まっているため、例えば、掃除機のようなもので吸引することで、容易に回収することができる。また、減速手段は、装弾中、鉛散弾以外の構成部品であるワッズ類や標的(クレー)の破片等を捕捉して落下させる作用もする。
【0009】
減速手段の大きさは、射手の位置から的(減速装置)までの距離等に応じて、減速手段に全ての散弾が確実に着弾するような大きさに調整する。
【0010】
減速手段の枚数は、射手の位置から的(減速装置)までの距離等に応じて増減する。減速手段の枚数は、例えば、予め実射試験をして最適枚数を決定することができるが、その場合には、予め過剰枚数の減速手段を用い、少しずつ減らして最適枚数を求めることにより、実射試験中においても鉛散弾の飛散を防止できる。
【0011】
減速手段を複数枚用いたときは、減速手段同士を接触させた状態で配置してもよいが、減速効果を高めて減速手段の枚数を減少させる観点からは、各減速手段間に間隔をおいた状態で配置することが好ましい。
【0012】
減速手段は、鉛散弾が貫通することを前提とするものであり、プレートは鉛散弾を貫通させずに受け止めるものであるから、それぞれの作用に応じた材質を選択する。プレートは複数枚を使用することもでき、このような場合には、散弾が1枚目のプレートを貫通しても、最終のプレートを貫通しなければよい。また、プレートは、2種以上の異なる材質のものを組み合わせて一体にした複合体でもよいし、2種以上の異なる材質のものを複数枚用いてもよい。
【0013】
停弾及び回収装置を軽量化して持ち運びを容易にする観点からは、プレートは合成樹脂製のものが好ましく、散弾をめり込ませて、鉛粉塵の発生を防止する観点からは木材が好ましい。合成樹脂製のプレートとしては、更に耐衝撃性、耐熱性、耐候性が良好であるほか、弾力性と粘性があり、変形し難く、割れ難いため、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール等が好ましいが、これらの以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂でもよい。プレートの厚さは、材質に応じて散弾が貫通しない厚さに調整することができ、ポリカーボネートであれば、厚さ0.5〜10mm、好ましくは1〜3mmである。プレートは、1枚又は2枚以上を用いることができる。
【0014】
プレートは、全体として1枚のものでもよいし、複数枚の小さなプレート片を組み合わせて、1枚のプレートにしたものでもよい。例えば、複数分割された枠(例えば9分割された枠。1つずつの枠の大きさは、同一でも異なっていてもよい)を用意して、そこに9枚のプレート片の全てを着脱自在になるように取り付ける。このようにすることで、散弾が繰り返して衝突してプレートが損傷しても、損傷の激しいプレート片のみを交換すればよいので、維持費用が抑制でき、資源の無駄使いも防止できる。枠は、プレートと同じ材質からなるものを用いることができる。
【0015】
減速手段の支持及び懸垂方法、プレートの支持方法は特に制限されるものではない。例えば、2本の支柱と、2本の支柱から直角方向に延ばされた2本のアーム(設置面と平行に延びている)とを有するフレーム部材(側面形状が逆L字型)を用意し、2本の支柱を地面乃至は床面に固定し(必要に応じてキャスターを付けて、固定できると共に、移動可能にしておいてもよい)、2本のアームに跨るように必要枚数の減速手段を支持・懸垂すればよい。
【0016】
本発明は、課題の解決手段として、前記減速手段が、熱可塑性樹脂、天然又は合成ゴム、天然又は合成繊維、紙、不織布及びこれらの複合体から選ばれる材質からなるシート状のものである、請求項1記載の散弾の停弾及び回収装置を提供する。
【0017】
減速手段となるシートの厚さや枚数は、材質、射手の位置から的(減速装置)までの距離等に応じて求められる減速効果との関係で決定することができる。例えば、厚くした場合には、枚数は少なくして、逆に薄くした場合には、枚数を多くすることで、所望の減速効果が得られるように調整する。また、減速効果を高める観点から、減速手段となるシートの表面に粘着物質の層を設けることもできる。
【0018】
シートの厚さと枚数の例としては、厚さ0.5〜10mm、好ましくは1〜3mmの熱可塑性樹脂シートであれば、2〜5枚を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂シートとしては、柔軟性が良いものが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等を挙げることができる。このような熱可塑性樹脂を用いることにより、散弾が貫通するときの熱で溶融することで、減速効果を高めるように作用するので好ましい。
【0019】
減速手段は、樹脂シートのような、目視により全く孔が観察されないものでもよいが、天然又は合成繊維を織ることで作製された織布のように、繊維が折り重なって形成され、目視によりごく小さな孔が観察されるものが好ましい。このような織布は、散弾が貫通した場合の貫通孔部分の復元効果がシートに比べると優れているので、使用可能回数が長くなり、維持費用を低減できる。
【0020】
本発明は、課題の解決手段として、前記減速手段が四角形のシート状のもので、一部が支持された状態で懸垂されたものである、1又は2記載の散弾の停弾及び回収装置を提供する。
【0021】
減速手段が長方形のシートの場合、一方の短辺又は長辺、或いは前記各辺における2つの角部分を支持して懸垂することができる。
【0022】
本発明は、課題の解決手段として、2枚以上の前記減速手段が間隔をおいて懸垂され、1枚目の前記減速手段に的が描かれている、請求項1〜3のいずれかに記載の散弾の停弾及び回収装置を提供する。
【0023】
的は、停弾及び回収装置と別に設けてもよいが、停弾及び回収装置に的を設けることで、別途、的を設ける必要がなくなる。
【0024】
複数枚の減速手段を用いたときの間隔は、減速効果を高めると共に、停弾及び回収装置自体を余り大きくしないため、1〜100cmが好ましく、10〜30cmがより好ましい。
【0025】
本発明は、他の課題の解決手段として、屋外又は屋内において、請求項1〜4のいずれかに記載の散弾の停弾及び回収装置を配置して、銃器から前記停弾及び回収装置に向かって発射された散弾を回収する方法を提供する。
【0026】
本発明の停弾及び回収装置は、従来のように屋外だけではなく、屋内でも使用することができるようになる。屋内で使用する場合、床面がコンクリート等であるため、屋外のような地面と比べると散弾の回収が容易になるとの利点のほか、周囲に及ぼす射撃音を軽減できるという利点もある。
【発明の効果】
【0027】
本発明の散弾の停弾及び回収装置によれば、鉛散弾の回収が容易であり、鉛粉塵の発生を防止できるため、環境に与える悪影響を大きく減少させることができる。更に本発明の散弾の停弾及び回収装置を使用することにより、屋内での射撃競技の開催もできるようになるため、射撃競技の普及にも寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
<散弾の停弾及び回収装置>
以下、図1により、実施形態を説明する。図1は、本発明の停弾及び回収装置の使用方法の説明図である。
【0029】
散弾の停弾及び回収装置10は、フレーム11と減速手段であるシート21〜23、プレート31、32の組み合わせからなるものである。シート21〜23は、天然又は合成繊維からなる織布を用いる。織布にすることにより、同じ厚さの樹脂シートと比べると軽量化できるほか、散弾が貫通したときの貫通孔の復元作用が単なる樹脂シートよりも優れている。
【0030】
フレーム11は、2本の支柱12、13と、支柱12、13から直角乃至それと近似した角度で延ばされた2本のアーム14、15とを有しており、2本の支柱12、13の根本部分16、17は、コンクリート等を用いて、地面に固定されている。
【0031】
支柱12、13の高さは的の高さとの関連で決定されるものであり、必要に応じて、伸縮自在にしたり、複数本の支柱を着脱自在に組み合わせたりすることで、地面からの支柱の高さを所望範囲に設定できるようにしてもよい。
【0032】
アーム14、15の長さは、懸垂するシート21〜23の枚数や間隔等に応じて決定される。射撃場等における多様な要求に応じて減速手段の枚数を調整できるようにするため、アーム14、15は伸縮自在にしたり、支柱12、13に対して着脱自体にしたりすることもできる。
【0033】
アーム14、15には、3枚のシート21〜23が一部を支持された状態で懸垂されている。シート21〜23をアーム14、15に支持する方法は特に制限されるものでなく、アーム14、15に設けられたクランプにより、シートを2点で挟んで固定する方法、アーム14、15に設けられたフックに、シートの2つの角部に設けられた穴を引っ掛ける方法等を適用することができる。
【0034】
第1シート21は、最初に着弾する第1減速手段となるものである。第2シート22は、第1シート21に続いて着弾する第2減速手段となり、第3シート23は、第2シート22に続いて着弾する第3減速手段となる。シート21〜23のそれぞれの間隔は同一で、10〜30cmの範囲になるように調整されている。
【0035】
シート21〜23は、厚さ1〜3mm、短辺1〜3mm、長辺1〜5mmの長方形状のものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等から選ばれる熱可塑性樹脂のシートである。なお、前記厚さの範囲内にて、樹脂シートごとに厚さを異ならせてもよい。
【0036】
なお、広い場所で複数の射手が射撃するような場合には、図示するようなシート21〜23に代えて、長尺状シートを展開して用いることもできる。長尺状シートの幅や長さは状況に応じて適宜選択することができ、例えば、幅1〜5mm、長さ50〜100mのものを用いることができる。
【0037】
第1プレート31は、第3シート23を貫通した散弾をより一層減速させるように作用するか、又はそれ以上の貫通を阻止して、散弾を受け止め、落下させるように作用するものである。第2プレート32は、散弾が第1プレート31を貫通したとき、それ以上の貫通を阻止して、散弾を受け止め、落下させるように作用するものである。ここで、第1プレート31として散弾が貫通しないもの用い、安全性を確実にする必要がある場合(例えば、射撃競技等で要求される場合)に更に第2プレート32を配置するようにしてもよい。
【0038】
第1プレート31、第2プレート32は、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、木材等から選ばれる材質からなる短辺0.5〜3m、長辺1〜5mの長方形状のものである。第1プレート31、第2プレート32の厚さは、材質によって適宜設定することができ、例えば、ポリカーボネートの場合には、厚さ1〜3mmが好ましい。
【0039】
第1プレート31と第2プレート32は異なる材質のものにしてもよく、第1プレート31を木材にして、第2プレート32をポリカーボネートにすることができる。このような組み合わせにすることで、木材製の第1プレート31において鉛散弾をめり込ませて回収し、鉛散弾が第1プレート31を貫通した場合には、ポリカーボネート製の第2プレート32で確実に受け止めるようにできる。なお、長尺状シートを用いた場合には、シート形状に応じて、長尺状のプレートを用いてもよいし、複数枚のプレートを組み合わせて並べてもよい。
【0040】
本発明の停弾及び回収装置10において、シート21〜23は、損傷の程度に応じて、1回又は複数回使用するごとに取り替える。このとき、シート21〜23のそれぞれの取り替え時期は、同じでもよいし、異ならせてもよい。また、プレート31、32は、損傷の程度に応じて、複数回の使用により取り替える。プレート31、32の取り替え時期は、同じでもよいし、異ならせてもよい。
【0041】
本発明の停弾及び回収装置10において、シート21〜23、プレート31、32又はシート21〜23とプレート31、32は、それぞれの組み合わせを1セットとして、それぞれの組み合わせごとに1つの支持部材により支持しておき、1つのセットとして、まとめて一度に交換できるようにしてもよい。
【0042】
<散弾の回収方法>
次に、図1により、本発明の散弾の回収方法について説明する。
【0043】
まず、射撃場等の射撃可能な場所に、散弾の停弾及び回収装置10を設置する。シート21〜23、プレート31、32の枚数や厚み等の条件は、射手40の射撃位置と散弾の発射速度(通常は、500m/s程度)と着弾時の速度(通常は、300m/s程度)を考慮して、確実に散弾を捕捉回収できるように設定しておく。
【0044】
射手40が、所定の射撃位置(競技の種類により、射撃位置は決まっている)より、散弾銃41を発射する。24は、発射後の散弾の状態を示すもので、クレー射撃の場合には、例えば24の位置でクレーに当たる。
【0045】
発射された散弾は、第1減速手段である第1シート21に着弾し(25は、散弾が着弾した状態を示している)、減速されつつ貫通し、同様にして、第2シート22、第3シート23の順に減速されつつ貫通する。このとき、各シートは間隔おいて懸垂されているので、着弾された第1シート21は第2樹脂シート22の方に揺れ動くことで減速効果が高められ、以下同様に、第2シート22は第3シート23の方に揺れ動くことで減速効果が高められ、第3シート23は第1プレート31の方に揺れ動くことで減速効果が高められる。
【0046】
第3シート23を貫通した散弾は、第1プレート31に着弾し、より一層減速された後に一部が貫通するか、又は全部が貫通せずに落下する。第1プレート31にて散弾を受け止めたとき、直前の第3シート23は、第1プレート31に衝突後に跳ね返った散弾の飛散(跳弾の発生)を防止して、落下を促進するように作用する。
【0047】
第1プレート31を散弾が通過した場合は、第2プレート32に着弾し、受け止められて落下する。第2プレート32にて散弾を受け止めたとき、直前の第1プレート31は、第2プレート32に衝突後に跳ね返った散弾の飛散(跳弾の発生)を防止して、落下を促進するように作用する。
【0048】
第1プレート31又は第2プレート32に受け止められて落下した散弾は、停弾及び回収装置の直下付近に散らばっている程度であるため、掃除機のようなもので吸引して容易に回収することができる。
【実施例】
【0049】
実施例1
図1に示す散弾の停弾及び回収装置を製造した。
【0050】
フレームの支柱12、13:直径3cm、高さ200cmで、表面に樹脂をコーティングした鉄製パイプ
フレームのアーム14、15:直径2.5cm、長さ100cmの表面に樹脂をコーティングした鉄製パイプ
第1〜第3シート21〜23:厚さ1mm、200cm四方のポリエチレン製の織布
第1プレート31、第2プレート32:厚さ1.5mm、短辺100cm、長辺200cmポリカーボネート製のプレート
第1シート21、第2シート22、第3シート23の間隔:25cm
第3シート、第1プレートの間隔:25cm
第1プレート、第2プレートの間隔:25cm
アーム14、15における樹脂シートの支持方法:樹脂製の帯バンドで止める
支柱12、13の根本16、17の固定方法:直径3cmのパイプからなる枠台に、予めネジ止めで取り付けられた差し込み孔に、前記支柱の根本16、17を差し込んで固定した
射手40の射撃位置から第1樹脂シート21までの直線距離:15m
散弾銃の種類:KFC社製の上下二連スキート銃,銃身長26インチ(約66cm)、銃口絞りがスキートチョーク(公称口径18.4mm)
装弾の種類:オーストラリア・ウインチェスター社製のスキート装弾で、発射される散弾は、平均直径2mmの通称9号散弾で、重量28g
まず、最初の一発を実射した後に、第1〜第3シート21〜23の貫通孔状態を確認したところ、痕跡は散弾の直径よりも小さな孔であった。
【0051】
前記痕跡の状態は、散弾が貫通した後に、織布を構成する熱可塑性樹脂の繊維が縮んで孔が小さくなったものと考えられた。35発全弾実射の完了後においても、同じ状態が観察された。
【0052】
35発全弾実射の場合、第1〜第3シート21〜23を貫通した全鉛散弾は、第1プレート31で受け止められ、落下していた。第2プレート32には、全く着弾痕跡がなかっった。
【0053】
落下した散弾は、容易に回収できた。ワッズ類は、第1シート21で捕捉され、全数が第1シート21の前方に落下していた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】散弾の停弾及び回収装置の使用説明図。
【符号の説明】
【0055】
10 停弾及び回収装置
11 フレーム
12、13 支柱
14、15 アーム
21〜23 第1〜第3樹脂シート
31、32 第1、第2プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が支持され、懸垂された1枚又は2枚以上の減速手段と、プレートとを有する散弾の停弾及び回収装置であって、
銃器から発射された散弾が前記減速手段により減速され、最終的に前記プレートにより受け止められるものである、散弾の停弾及び回収装置。
【請求項2】
前記減速手段が、熱可塑性樹脂、天然又は合成ゴム、天然又は合成繊維、紙、不織布及びこれらの複合体から選ばれる材質からなるシート状のものである、請求項1記載の散弾の停弾及び回収装置。
【請求項3】
前記減速手段が四角形のシート状のもので、一部が支持された状態で懸垂されたものである、1又は2記載の散弾の停弾及び回収装置。
【請求項4】
2枚以上の前記減速手段が間隔をおいて懸垂され、1枚目の前記減速手段に的が描かれている、請求項1〜3のいずれかに記載の散弾の停弾及び回収装置。
【請求項5】
屋外又は屋内において、請求項1〜4のいずれかに記載の散弾の停弾及び回収装置を配置して、銃器から前記停弾及び回収装置に向かって発射された散弾を回収する方法。





【図1】
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【公開番号】特開2007−78297(P2007−78297A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269407(P2005−269407)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(504099159)日本装弾株式会社 (3)
【Fターム(参考)】