説明

散水装置

【課題】既存の住宅の便利な位置に邪魔にならないように配置する。便利な位置に配置しながら、使用しない状態では地面をフラットにして、庭や玄関や車庫などを広く使用する。
【解決手段】散水装置は、地面90に開口して地中に設けた収納空間91に配設してなる上方開口の地中ケース1と、この地中ケース1の開口部10を開閉するように、地中ケース1に連結してなる開閉蓋2と、地中ケース1に収納されて、回転ハンドル30で回転されるホースリール3と、このホースリール3に巻き取られて、一端を水道80に、他端を散水ノズル41に連結してなるホース4とを備えている。散水装置は、ホースリール3が地中ケース1に固定されて地中ケース1に収納され、あるいは、開閉蓋2を介して地中ケース1に連結されて、開閉蓋2が閉じられる状態では地中ケース1に収納されて、開閉蓋2が開かれる状態では地中ケース1から引き上げられるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に収納されて庭木への散水や洗車等に用いられる散水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先端に散水ノズルを連結しているホースをホースリールに巻いた散水装置は市販されている。この散水装置は、ホースの後端を水道の蛇口に連結して使用される。この散水装置は、ホースを連結している蛇口を開き、ホースをホースリールから引き出して、先端の散水ノズルで庭木に散水し、あるいは洗車し、あるいはまた、汚れ物の洗浄等に使用される。
【0003】
この散水装置は、使用しない状態にあっては、庭、玄関、車庫などに放置されて邪魔になる。また、ホースを引っ張って引き出すと、ホースリールが移動して簡単に引き出しできない欠点がある。さらに、ホースをホースリールに巻くときにも、ホースリールを回転ハンドルで回転すると軽くて移動しやすく、簡単に綺麗にホースをホースリールに巻き取りできない。
【0004】
以上の欠点を解消することを目的として、塀の内部に収納する散水装置が開発されている。(特許文献1参照)
この散水装置は、塀の内部にホースリールを収納している。この散水装置は、塀表面に開口部のある収納空間を設けて開口部に開閉扉を設け、収納空間にホースリールを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−176644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の散水装置は、ホースリールを塀に収納して邪魔にならないように配置できる。しかしながら、この散水装置は、塀の内部に収納するので、薄い塀には収納できない。また、薄い塀に収納する散水装置は、ホースリールの厚さに制約を受けて、長いホースを収納できない。さらに、この構造の散水装置は、塀を新設するときに塀に設けることはできるが、既存の塀を改造して設置できない欠点がある。さらにまた、散水装置を配置する位置が塀の位置に制限されるので、最も便利に使用できる位置に配置できないことがある。
【0007】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、既存の住宅の便利な位置に邪魔にならないように配置できる散水装置を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、使用に便利な位置に配置しながら、使用しない状態にあっては地面をフラットにして、庭や玄関や車庫などを広く使用できる散水装置を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、ホース内の水の凍結を防止し、かつホースリールを盗難からも防止し、なおかつ、回転ハンドルを回転するときにホースリールが移動するのを防止して、ホースを簡単に引き出し、また巻き付けできる散水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
本発明の散水装置は、地面90に開口して地中に設けてなる収納空間91に配設してなる上方開口の地中ケース1と、この地中ケース1の開口部10を開閉するように、地中ケース1に連結してなる開閉蓋2と、地中ケース1に収納されて、回転ハンドル30で回転されるホースリール3と、このホースリール3に巻き取られて、一端が開閉弁81を介して水道80に連結されて、他端を散水ノズル41に連結してなる所定の長さのホース4とを備えている。散水装置は、ホースリール3が地中ケース1に固定されて地中ケース1に収納され、あるいは、開閉蓋2を介して地中ケース1に連結されて、開閉蓋2が閉じられる状態では地中ケース1に収納されて、開閉蓋2が開かれる状態では地中ケース1から引き上げられるようにしている。
【0009】
以上の散水装置は、既存の住宅の便利な位置に邪魔にならないように配置できる特徴がある。それは、塀の内部に収納していた従来の散水装置のように、塀の位置に制約されず、地中に収納空間を設けて、ここに地中ケースを配置して、敷地内のどこにでも配置できるからである。
【0010】
また、以上の散水装置は、使用に便利な位置に配置できるにもかかわらず、使用しない状態にあっては地面をフラットにして、庭や玄関や車庫などを広く使用できる特徴も実現する。それは、使用しない状態で、地中に配置して地面をフラットにできるからである。
【0011】
さらにまた、以上の散水装置は、ホース内の水の凍結を防止し、かつホースリールを盗難からも防止し、なおかつ、回転ハンドルを回転するときにホースリールが移動するのを防止して、ホースを簡単に引き出し、また、巻き付けできる特徴も実現する。
【0012】
本発明の散水装置は、開閉蓋2を回転軸20を介して地中ケース1に開閉自在に連結すると共に、この開閉蓋2に対して直交する姿勢で連結されて、開閉蓋2を閉じる状態では地中ケース1の周壁11の内面と平行な垂直姿勢となり、開閉蓋2を垂直姿勢に開く状態では水平姿勢となるベースプレート21と、このベースプレート21を垂直姿勢に保持するストッパ7とを備えて、ホースリール3をベースプレート21に固定することができる。この散水装置は、開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する状態でベースプレート21を垂直姿勢として、ホースリール3を地中ケース1に収納し、開閉蓋2を垂直姿勢として地中ケース1の開口部10を開く状態では、ベースプレート21を地中ケース1の開口部10に水平姿勢に配置して、ホースリール3を地中ケース1から引き上げることができる。
以上の散水装置は、使用しない時には、ホースリールを地中ケースに便利に収納しながら、使用時には、開閉蓋を開いてホースリールを地中ケースから簡単に引き上げて便利に使用できる。
【0013】
本発明の散水装置は、ホースリール3の巻き取り軸32を、開閉蓋2を地中ケース1に連結している回転軸20と直交する姿勢として、ホースリール3をベースプレート21に連結することができる。
以上の散水装置は、ホースリールの横幅に応じてベースプレートを短くし、短いベースプレートを収納する地中ケースを浅く設計することもできる。
【0014】
本発明の散水装置は、開閉蓋2を回転軸20を介して地中ケース1に開閉自在に連結すると共に、この開閉蓋2の内面にホースリール3を固定して地中ケース1に収納することができる。この散水装置は、開閉蓋2を90度回転して垂直姿勢に開く状態でストッパ7でこの姿勢に保持し、ホースリール3を開閉蓋2の側面に配置して、地中ケース1から引き出すことができる。
以上の散水装置は、使用しない時には、ホースリールを地中ケースに便利に収納しながら、使用時には、開閉蓋を開いてホースリールを地中ケースから引き上げて便利に使用できる。とくに、開閉蓋の内面にホースリールを固定するので、簡単な構造でホースリールを地中ケースから引き出しできる。
【0015】
本発明の散水装置は、開閉蓋2を回転軸20を介して地中ケース1に開閉自在に連結すると共に、この開閉蓋2の内面にホースリール3を固定して地中ケース1に収納することができる。この散水装置は、開閉蓋2を180度回転して水平姿勢に開かれる状態でホースリール3を開閉蓋2の上面に配置して、地中ケース1から引き出すことができる。
以上の散水装置は、使用しない時には、ホースリールを地中ケースに便利に収納しながら、使用時には、開閉蓋を開いてホースリールを地中ケースから引き上げて便利に使用できる。とくに、開閉蓋の内面にホースリールを固定するので、簡単な構造でホースリールを地中ケースから引き出しできると共に、開閉蓋を180度回転して水平姿勢とするので、極めて簡単にホースリールを固定してなる面を水平姿勢に保持できる。
【0016】
本発明の散水装置は、開閉蓋2を水平姿勢で上下方向に移動できるようにガイド機構5を介して地中ケース1に連結して地中ケース1の開口部10を開閉し、さらに開閉蓋2の下面にホースリール3を固定することができる。この散水装置は、開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する状態で、ホースリール3を地中ケース1に収納し、開閉蓋2を引き上げて地中ケース1の開口部10を開く状態で、開閉蓋2を介してホースリール3を地中ケース1から引き上げることができる。
以上の散水装置は、使用しない時には、ホースリールを地中ケースに便利に収納しながら、使用時には、開閉蓋を引き上げて、ホースリールを地中ケースから引き上げて便利に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例にかかる散水装置の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例にかかる散水装置の斜視図である。
【図3】図2に示す散水装置の断面図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかる散水装置の断面図である。
【図5】本発明の他の実施例にかかる散水装置の斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例にかかる散水装置の断面図である。
【図7】ホースリールの一例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための散水装置を例示するものであって、本発明は散水装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0019】
図1ないし図6に示す散水装置は地中に配設される。この散水装置は、地面90に開口するように地中に設けている収納空間91に配設される上方開口の地中ケース1と、この地中ケース1の開口部10を開閉するように、地中ケース1に連結している開閉蓋2と、地中ケース1に収納している回転ハンドル30で回転されるホースリール3と、このホースリール3に巻き取られて、一端が開閉弁81を介して水道80に連結されて、他端を散水ノズル41に連結してなる所定の長さのホース4とを備える。
【0020】
図1ないし図5の散水装置は、ホースリール3を開閉蓋2に連結して、開閉蓋2を閉じる状態ではホースリール3を地中ケース1に収納し、開閉蓋2を開く状態ではホースリール3を地中ケース1から引き上げている。図6の散水装置は、ホースリール3を地中ケース1の内部に収納してこれに固定し、開閉蓋2を開いてホースリール3からホース4を引き出して使用する。
【0021】
地中ケース1は、四角形の底板12の周囲に周壁11を設けて、上方を開口する四角形の箱形としている。地中ケース1は、金属ケースやプラスチックケースで製作される。地中ケース1は、周壁11の上縁を地面90と同一水平面として、地中に埋設される。地中ケース1は周壁11の高さを30cm〜50cm、底板12の一辺を30cm〜50cmとしている。図1、図4、及び図6の地中ケース1は、周壁11の上縁に、外側に水平方向に突出する水平プレート13を設けている。この地中ケース1は、水平プレート13を地面90と同一水平面に位置して、地面90に設けた収納空間91に配置される。さらに、図に示す地中ケース1は、底板12に水抜穴19を設けている。図の地中ケース1は、底板12を貫通する複数の貫通孔を開口して水抜穴19としている。このように、底に水抜穴19を有する地中ケース1は、ケース内に浸入した水を水抜穴19から排水して、ケース内に水が溜まるのを有効に防止できる。さらに、地中ケースは、底板を傾斜面として、最も低くなる部分に水抜穴を設けることもできる。この地中ケースは、ケース内に浸入した水を傾斜に沿って流下させて水抜穴から効率よく排水できる。
【0022】
地中ケース1は、図4に示すように、周壁11を下窄み状として、地中から簡単に引き抜きできる。図4の地中ケース1は、回転軸20を連結している周壁11と対向する周壁11を下部に向かって内側に傾斜する形状として、下窄み状としている。この地中ケース1は、ホースリール3の出し入れに邪魔にならない位置を傾斜させるので、地中ケース1の開口部10を大きくすることなく下窄み状にできる。図4において紙面と平行な両側の周壁は、両方を傾斜させて下窄み状とし、あるいは一方の周壁を傾斜させて下窄み状とすることができる。
【0023】
図1ないし図4の地中ケース1は、回転軸20を介して開閉蓋2を開閉自在に連結している。図1ないし図3の地中ケース1は、周壁11の内面に、開閉蓋2を開閉できるように連結する回転軸20を挿通する一対の連結リブ15を内面に突出して設けている。連結リブ15は、ひとつの周壁11の内面に設けている。一対の連結リブ15は、回転軸20を水平方向に挿通する連結穴16を設けている。この地中ケース1は、連結リブ15の連結穴16に回転軸20を挿通して、開閉蓋2を開閉できるように連結できる。ただし、開閉蓋2は、図4に示すように、蝶番23を介して地中ケース1に開閉できるように連結することもできる。この地中ケース1も、蝶番23の回転軸20を介して開閉蓋2を開閉自在に連結される。
【0024】
さらに、図1ないし図3、図5、及び図6の地中ケース1は、周壁11の上端面の内側に、一段低くなる段差低部14を設けている。段差低部14は、水平姿勢に閉じられる開閉蓋2を載せることができる形状としている。この地中ケース1は、水平姿勢に閉じられる開閉蓋2の外周縁を下から支持して、開閉蓋2の変形を防止する。したがって、開閉蓋2の耐荷重を大きくできる。以上の地中ケース1は、周壁11の上端面に段差低部14を設けているが、図4に示すように、周壁11の内側でその上部に支持リブ17を設け、この支持リブ17に閉じた開閉蓋2を載せる構造として、開閉蓋2を下面で支持することもできる。
【0025】
図1ないし図4の開閉蓋2は、回転軸20を介して地中ケース1に開閉できるように連結している。この開閉蓋2は、車などが乗っても破損しないように、強靱なプラスチックや金属プレートで製作される。図1ないし図3の開閉蓋2は、下面に突出する突出部25に回転軸20を挿通して、回転軸20を介して開閉できるように地中ケース1に連結している。
【0026】
さらに、図に示す開閉蓋2は、手で持ち上げて開くことができるように、持上部22を設けている。図1に示す開閉蓋は、上面に折り畳み自在にハンドル22Aを設けて持上部22としている。図2ないし図4、及び図6に示す開閉蓋2は、スリット状の貫通孔22Bを開口して握り部22としている。さらに、図5に示す開閉蓋2は、中央部に設けた凹部26に取手22Cを設けて持上部22としている。ただ、持上部は、以上の構造に特定せず、開閉扉を手で開くことができる他の全ての機構や手段が使用できる。
【0027】
さらに、開閉蓋2は、図2と図5の鎖線で示すように、開閉蓋2を閉じた状態でホースリール3のホース4を地上に引き出す引出部27を設けることもできる。開閉蓋2は、ホース4の引き出し方向の端部にホース4を案内する切欠部を設けて引出部27とすることができる。このように、開閉蓋2に引出部27を備える散水装置は、ホースリール3を地中ケース1に収納して開閉蓋2を閉じた状態で、ホース4を地上に引き出して使用できる。
【0028】
ホースリール3は、図7の断面図に示すように、長いホース4を巻き取る巻取リール31と、この巻取リール31を回転できるように支承するフレーム35とからなり、フレーム35は、巻取リール31の両端の回転軸31A、31Bを回転できるように連結している一対の対向壁35Aと、対向壁35Aを下端で連結している連結フレーム35Bとからなる。巻取リール31は、両側に鍔33を設けて、鍔33の間の巻き取り軸32にホース4を巻き取るようにしている。巻取リール31は、一方の回転軸31Aに回転ハンドル30を連結して、他方の回転軸31Bにはホース4を連結している。ホース4を連結している回転軸31Bは中空状で、水密構造で回転自在なカップリング37を設けている。カップリング37を設けている回転軸31Bは、鍔33の内側において、巻き取り軸32から突出する連結部38を連結しており、この連結部38に、巻取リール31に巻きとっているホース4を連結している。さらに、カップリング37を設けている回転軸31Bの外側には、カップリング37に対して回転自在な連結部39を連結しており、この連結部39に水道80の蛇口82に連結される連結ホース40を連結している。水道80の蛇口82から供給される水道水は、連結ホース40と連結部39を介して回転軸31Bに供給され、回転軸31Bのカップリング37と連結部38とを介して巻取リール31に巻き取っているホース4に供給される。回転軸31Bのカップリング37は、水密構造で回転できるので、回転ハンドル30で回転される巻取リール31のホース4に水道水を供給できる。
【0029】
巻取リール31に巻き取られるホース4は、その先端に散水ノズル41を連結している。巻取リール31から引き出されたホース4は、散水ノズル41を開いて散水する。
【0030】
図1の開閉蓋2は、直交するようにベースプレート21を連結している。ベースプレート21は、図の鎖線で示すように、開閉蓋2を閉じる位置にあっては、地中ケース1の周壁11の内面と平行な垂直姿勢となり、図の実線で示すように、開閉蓋2を垂直姿勢に開く状態では水平姿勢となる。
【0031】
ベースプレート21は、ホースリール3を固定している。ホースリール3は、連結フレーム35Bを止ネジ36などでベースプレート21に固定している。ベースプレート21は、垂直姿勢において内側にホースリール3を固定している。開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する水平姿勢において、ベースプレート21は垂直姿勢となって、ホースリール3を地中ケース1に収納する。開閉蓋2が垂直姿勢となって、地中ケース1の開口部10を開く状態では、ベースプレート21は、地中ケース1の開口部10に水平姿勢に配置される。この状態で、ホースリール3はベースプレート21の上面に固定される状態となって、地中ケース1から引き上げられて、地中ケース1の上に配置される。この状態で、ホースリール3からホース4を引き出し、また、ホースリール3にホース4を巻き取って、ホース4を使用する。
【0032】
開閉蓋2を垂直姿勢に保持するために、ストッパ7を設けている。ストッパ7は、開閉蓋2を支持できる強度を有する金属製またはプラスチック製のロッドまたはパイプで、後端を開閉蓋2の先端部に傾動できるように連結し、先端を地中ケース1の周壁11に係止して、開閉蓋2を垂直姿勢に保持する。地中ケース1は、ストッパ7を係止する凹部18を周壁11の上端部に設けている。ただ、ストッパは、後端を地中ケースの周壁の上部に傾動できるように連結し、先端を開閉蓋の先端部に係止して開閉蓋を垂直姿勢に保持することもできる。図に示すストッパ7は、地中ケース1の開口部10を開閉蓋2で閉塞する状態では、地中ケース1の内部に斜めに収納している。ただ、ストッパは、伸縮できる構造とし、あるいは折り畳みできる構造として地中ケースの内部に収納することもできる。さらに、ストッパは、開閉蓋を垂直姿勢に開いた状態に保持できる他の全ての機構や手段が使用できる。
【0033】
図1の散水装置は、ホースリール3の巻き取り軸32を、開閉蓋2と地中ケース1とを連結している回転軸20と直交する姿勢としてホースリール3をベースプレート21に連結している。この散水装置は、ホースリールの横幅に応じてベースプレートを短くすることができる。ベースプレートを短くする構造は、これを収納する地中ケースを浅く設計することができる。散水装置は、図示しないが、ホースリールの巻き取り軸を、開閉蓋と地中ケースとを連結している回転軸と平行な姿勢として、ホースリールをベースプレートに連結することもできる。
【0034】
図2と図3の散水装置は、開閉蓋2の内面にホースリール3の連結フレーム35Bを固定している。この散水装置は、開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する状態で、ホースリール3を地中ケース1に収納し、開閉蓋2を90度回転して垂直姿勢に開く状態でストッパ7でこの姿勢に保持して、ホースリール3を開閉蓋2の側面に配置して、地中ケース1から引き出される。この散水装置は、開閉蓋2に直接にホースリール3を固定するので、構造を簡単にしてホースリール3を地中ケース1から引き出しできる。
【0035】
さらに、図4の散水装置も、開閉蓋2の内面にホースリール3の連結フレーム35Bを固定している。この散水装置は、開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する状態で、ホースリール3を地中ケース1に収納し、開閉蓋2を180度回転して水平姿勢に開く状態では、ホースリール3が開閉蓋2の上面に配置されて、地中ケース1から引き出される。この散水装置も、開閉蓋2に直接にホースリール3を固定するので、構造を簡単にしてホースリール3を地中ケース1から引き出しできる。また、開閉蓋2を水平姿勢に開くので、これを垂直姿勢に保持するストッパ7も必要としない。
【0036】
さらに、図5の散水装置は、開閉蓋2を水平姿勢に保持しながら、上下方向に移動できるようにガイド機構5を介して地中ケース1に連結している。ガイド機構5は、開閉蓋2の下面に垂直方向に突出する複数の支持ロッド51と、この支持ロッド51を上下に移動できるように挿通して地中ケース1の内面に固定しているガイドロッド52とからなる。図5の散水装置は、開閉蓋2と地中ケース1の四隅部に支持ロッド51とガイドロッド52を固定している。開閉蓋2は、その下面にホースリール3を固定している。ホースリール3は、連結フレーム35Bを開閉蓋2の下面に固定している。
【0037】
この散水装置は、開閉蓋2が地中ケース1の開口部10を閉塞する状態で、ホースリール3が地中ケース1に収納される。開閉蓋2が引き上げられて地中ケース1の開口部10を開く状態では、ホースリール3は地中ケース1の内部から外部に引き上げられる。ホースリール3を地中ケース1の外部に引き上げる位置で開閉蓋2を停止するために、開閉蓋2の下面にはストッパ7を設けている。ストッパ7は、一端を開閉蓋2に連結して、下端を地中ケース1に係止して、開閉蓋2が、その自重とホースリール3の自重とで落下するのを停止する。
【0038】
さらに、図6の散水装置は、地中ケース1の内部にホースリール3を固定している。ホースリール3は、フレーム35の対向壁35Aの下端部をL字状に折曲すると共に、この折曲部を地中ケース1の底板12に止ネジ36で固定して、地中ケース1に収納している。さらに、ホースリール3は、一方の回転軸31Aに、歯車機構6を介して回転ハンドル30を連結している。この歯車機構6は、回転軸31Aに連結される垂直歯車61と、この垂直歯車61に連結されて、回転ハンドル30で駆動される水平歯車62とを備える。図に示す垂直歯車61と水平歯車62は傘歯車で、各々の回転軸31A、63を直交させる姿勢として、互いに噛み合って回転できるように配置している。垂直歯車61は、回転軸31Aを中心として垂直面内で回転できるように中心軸31Aに固定している。水平歯車62は、垂直姿勢で配置された回転軸63を中心として水平面内で回転できるように配置している。この回転軸63は、地中ケース1に固定された支持プレート64を介して垂直姿勢に支承されており、下端に水平歯車62を固定して、上端に回転ハンドル30を連結している。この構造は、回転ハンドル30を地中ケース1の開口部10の近傍に配置できるので、地中ケース1の奥深くまで手を挿入することなく簡単に操作できる。
【0039】
図6の散水装置は、ホースリール3を地中ケース1の底板12に固定している。図1ないし図5に示す散水装置は、ホースリール3を開閉蓋2に固定しているので、開閉蓋2が破損すると使用できなくなる。開閉蓋が破損すると、図6に示すように、ホースリールを開閉蓋から外して、地中ケースの底板に固定することで、再び散水装置として使用できる。
【0040】
ホースリール3は、左右を逆に固定して、右利きのユーザーと、左利きのユーザーの両方に便利に使用できる。このホースリール3は、ネジやナット(図示せず)を介して脱着できるように開閉蓋2や地中ケース1の底板12に固定して、ユーザーが自分に便利な方向に固定できる。
【0041】
図1ないし図4の散水装置は、ホースリール3に連結される蛇口82を地中ケース1の内部に設けている。この散水装置は、ホースリール3に連結している連結ホース40を地中ケース1の内部で蛇口82に連結できる。地中ケース1の内部に設けている蛇口82は、図3に示すように、複数に分岐する構造として、ホースリール3のみでなく、別の用途である洗濯機などにも連結できる。
【0042】
図6は、地表に設けている水道の蛇口82にホースリール3を連結する散水装置を示している。この図の散水装置は、地中ケース1の周壁11を内側から外側に貫通するように貫通配管83を設けている。貫通配管83は、地中ケース1の内側端を連結ホース40に連結して、地中ケース1の外側端を地中ケース1の外部に設けている上方を開口したサブケース84に配置している。サブケース84に露出している貫通配管83は、可撓性の水道ホース85を介して水道の蛇口82に連結される。サブケース84の開口部は、水道ホース85を連結しない状態で、サブ蓋86で閉塞する。
【符号の説明】
【0043】
1…地中ケース
2…開閉蓋
3…ホースリール
4…ホース
5…ガイド機構
6…歯車機構
7…ストッパ
10…開口部
11…周壁
12…底板
13…水平プレート
14…段差低部
15…連結リブ
16…連結穴
17…支持リブ
18…凹部
19…水抜穴
20…回転軸
21…ベースプレート
22…持上部 22A…ハンドル
22B…貫通孔
22C…取手
23…蝶番
25…突出部
26…凹部
27…引出部
30…回転ハンドル
31…巻取リール 31A…回転軸
31B…回転軸
32…巻き取り軸
33…鍔
35…フレーム 35A…対向壁
35B…連結フレーム
36…止ネジ
37…カップリング
38…連結部
39…連結部
40…連結ホース
41…散水ノズル
51…支持ロッド
52…ガイドロッド
61…垂直歯車
62…水平歯車
63…回転軸
64…支持プレート
80…水道
81…開閉弁
82…蛇口
83…貫通配管
84…サブケース
85…水道ホース
86…サブ蓋
90…地面
91…収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面(90)に開口して地中に設けてなる収納空間(91)に配設してなる上方開口の地中ケース(1)と、この地中ケース(1)の開口部(10)を開閉するように、地中ケース(1)に連結してなる開閉蓋(2)と、前記地中ケース(1)に収納してなる回転ハンドル(30)で回転されるホースリール(3)と、このホースリール(3)に巻き取られて、一端が開閉弁(81)を介して水道(80)に連結されて、他端を散水ノズル(41)に連結してなる所定の長さのホース(4)とを備え、
前記ホースリール(3)が地中ケース(1)に固定されて地中ケース(1)に収納され、あるいは開閉蓋(2)を介して地中ケース(1)に連結されて、開閉蓋(2)が閉じられる状態では地中ケース(1)に収納されて、開閉蓋(2)が開かれる状態では地中ケース(1)から引き上げられるようにしてなる散水装置。
【請求項2】
前記開閉蓋(2)が回転軸(20)を介して地中ケース(1)に開閉自在に連結されると共に、この開閉蓋(2)に対して直交する姿勢で連結されて、開閉蓋(2)を閉じる状態では地中ケース(1)の周壁(11)の内面と平行な垂直姿勢となり、開閉蓋(2)を垂直姿勢に開く状態では水平姿勢となるベースプレート(21)と、このベースプレート(21)を垂直姿勢に保持するストッパ(7)とを備え、
前記ホースリール(3)がベースプレート(21)に固定されて、開閉蓋(2)が地中ケース(1)の開口部(10)を閉塞する状態でベースプレート(21)を垂直姿勢として、ホースリール(3)を地中ケース(1)に収納し、開閉蓋(2)が垂直姿勢で地中ケース(1)の開口部(10)を開く状態では、ベースプレート(21)を地中ケース(1)の開口部(10)に水平姿勢に配置して、ホースリール(3)を地中ケース(1)から引き上げるようにしてなる請求項1に記載される散水装置。
【請求項3】
前記ホースリール(3)が、巻き取り軸(32)を開閉蓋(2)を地中ケース(1)に連結している回転軸(20)と直交する姿勢でベースプレート(21)に連結してなる請求項2に記載される散水装置。
【請求項4】
前記開閉蓋(2)が回転軸(20)を介して地中ケース(1)に開閉自在に連結されると共に、この開閉蓋(2)の内面に前記ホースリール(3)が固定されて地中ケース(1)に収納され、
開閉蓋(2)が90度回転されて、垂直姿勢に開かれる状態でストッパ(7)でこの姿勢に保持され、ホースリール(3)を開閉蓋(2)の側面に配置して、地中ケース(1)から引き出されるようにしてなる請求項1に記載される散水装置。
【請求項5】
前記開閉蓋(2)が回転軸(20)を介して地中ケース(1)に開閉自在に連結されると共に、この開閉蓋(2)の内面に前記ホースリール(3)が固定されて地中ケース(1)に収納され、
開閉蓋(2)が180度回転されて、水平姿勢に開かれる状態で、ホースリール(3)を開閉蓋(2)の上面に配置して、地中ケース(1)から引き出されるようにしてなる請求項1に記載される散水装置。
【請求項6】
前記開閉蓋(2)が水平姿勢で上下方向に移動できるようにガイド機構(5)を介して地中ケース(1)に連結されて、地中ケース(1)の開口部(10)を開閉し、さらに、開閉蓋(2)の下面にホースリール(3)を固定しており、
開閉蓋(2)が地中ケース(1)の開口部(10)を閉塞する状態で、ホースリール(3)が地中ケース(1)に収納され、開閉蓋(2)が引き上げられて地中ケース(1)の開口部(10)を開く状態では、開閉蓋(2)を介してホースリール(3)が地中ケース(1)から引き上げられるようにしてなる請求項1に記載される散水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−256679(P2011−256679A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134556(P2010−134556)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000190862)