説明

整列装置

【課題】段積み数の多寡にかかわらず、遊技盤群を適切に整列する。
【解決手段】整列装置10は、整列場所Sの側方に該整列場所Sを挟んで対向配置され、上下に配置した複数段のプレート26から構成した対をなす整列部材24,24を備えている。整列装置10は、検知手段40によって検知した遊技盤群A’の高さ以下に対応する段のプレート26に設けた駆動手段28を選択的に駆動することで、対向するプレート26,26による遊技盤群A’の挟持動作を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機製造ラインにおいて、一または複数の遊技盤からなる遊技盤群を揃える整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11に示すように、遊技機製造ラインでは、製造途中にある遊技盤Aを合理的に保管する手段として、製造ラインから遊技盤Aを自動的に搬入すると共に、次の製造ラインへ自動的に搬出するシステム化された自動倉庫100が採用されている(例えば、特許文献1参照)。例えば自動倉庫100では、ベニヤ板に遊技釘が打込まれた状態の未完成の遊技盤Aが前工程からローラコンベヤである第1搬送コンベヤ102で1枚ずつ搬入され、この遊技盤Aを第1搬送コンベヤ102の搬送終端部に設けた段積み装置104によって段積みして、機種または所定枚数毎の遊技盤群A’としている。そして、この遊技盤群A’を保管領域Rに移送して、積重ねた状態のまま保管している。また自動倉庫100では、機種または所定枚数毎の遊技盤群A’単位で保管領域Rから取り出され、次の製造ラインに接続したローラコンベヤである第2搬送コンベヤ106に受け渡され、遊技盤群A’の段積み状態を維持したまま段ばらし装置108まで搬送される。
【特許文献1】特開2006−332261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、遊技機製造ラインにおいて、遊技盤群A’として取扱う際には、荷崩れを防止するために、段積みした遊技盤群A’を整列して、上下の遊技盤Aの側面が互いに一致するように揃える必要がある。
【0004】
例えば、遊技機製造ラインにおいて、遊技盤群A’を整列する手段として、図12に示す整列装置110が考えられる。この整列装置110は、遊技盤群A’を挟んで対向配置され、遊技盤群A’の最大段積み高さに合わせた大きさに設定した一対の挟持板112,112と、各挟持板112を往復移動させる流体圧シリンダ114と、この流体圧シリンダ114の上下に設けた支持部材116,116から構成される。そして整列装置110は、両挟持板112,112を流体圧シリンダ114,114により互いに近接する方向に移動させることで、段積みした遊技盤Aの両側面を、垂直に延在する両挟持板112,112で挟んで整列するようになっている(図12(b)参照)。
【0005】
しかし、前記整列装置110には、遊技盤群A’が最大段積み高さまで積重ねた状態で必ず搬送されてくる訳ではない。すなわち、整列装置110において、段積みした遊技盤数が少ない場合は、図13に示すように、両挟持板112,112の下部の間では遊技盤Aを挟持するものの、両挟持板112,112の上部の間には遊技盤Aが存在していないので、遊技盤Aに当接した挟持板112の下部を支点として上部が移動し過ぎて挟持板112が斜めになることがある。このように、整列装置110において、挟持板112が適正な垂直姿勢から斜めに傾いてしまうと、段積みした遊技盤Aを整列できないだけではなく、段積みした遊技盤Aの列をかえって乱してしまう問題がある。
【0006】
すなわち本発明は、前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、遊技機製造ラインにおいて、遊技盤群の段積み数の多寡にかかわらず、遊技盤群を適切に整列することができる整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の整列装置は、
遊技機製造ラインにおいて、一の遊技盤(A)または段積みした複数の遊技盤(A)からなる遊技盤群(A')を搬送する搬送路(106)に設けた整列場所(S)の側方に、該整列場所(S)を挟んで対向配置され、上下に配置した複数段のプレート(26/56)から構成した対をなす整列部材(24,24/54,54)と、
前記各段のプレート(26/56)毎に設けられ、前記整列場所(S)に受入れた遊技盤群(A')から離間する退避位置(P1)と、該整列場所(S)の遊技盤群(A')の側部に当接すると共に、対向する段のプレート(26/56)とによって遊技盤群(A')を挟持する当接位置(P2)との間で、該プレート(26/56)を移動させる駆動手段(28)と、
前記遊技盤群(A')の高さを検知する検知手段(30,40)と、
前記検知手段(30,40)によって検知した前記遊技盤群(A')の高さ以下に対応する段のプレート(26/56)に設けた前記駆動手段(28)を選択して駆動して、対向するプレート(26,26/56,56)による遊技盤群(A')の挟持動作を行なわせる駆動制御手段(CS)とを備え、
前記各整列部材(24)は、下段のプレート(26)における上部(27a)が、少なくとも退避位置(P1)において上段に隣り合うプレート(26)における下部(27b)の前記整列場所(S)側に重なるように配置されると共に、上下段のプレート(26)における遊技盤群(A')に当接する当接面(26a)が、当接位置(P2)で上下に整列するように形成され、
前記対をなす整列部材(24,24)は、対向する各段のプレート(26,26)の当接面(26a,26a)における上下の端縁が同一高さに位置するように形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、上下の関係で配置した複数段のプレートから整列部材を構成し、検知手段による遊技盤群の高さ検知によって、段積みした遊技盤群の高さに応じた段のプレートだけを挟持動作させて、遊技盤群が存在しない領域に対応する段のプレートは挟持動作させない。すなわち、当接位置へ向けて移動したプレートにおいて、遊技盤群に当接して負荷が加わる部位と、遊技盤群に当接せずに負荷がかからない部位との差異を小さくすることができる。従って、プレートを当接位置へ向けて適切な姿勢を維持したまま移動させることができるので、プレートの当接面によって遊技盤群を適正な位置に揃えることができる。また、整列部材は、下段のプレートにおける上部を、退避位置において上段のプレートにおける下部の整列場所側に重ねて配置してあるので、下段のプレートの上部で上段のプレートの整列場所側への移動が阻まれて、上段のプレートが単独で当接位置まで移動することはない。このように、下段のプレートが整列場所へ向けて移動することを条件として、上段のプレートが移動するので、遊技盤群の整列不良を回避できる。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記検知手段(40)が、一方の整列部材(24)において各段のプレート(26)における当接面(26a)の下端部に設けられて、一定強さの光を照射する投光部(44)と、他方の整列部材(24)において各段のプレート(26)における当接面(26a)の下端部に前記投光部(44)に対向して設けられて、投光部(44)から照射された光を受ける受光部(46)とを備え、
前記各受光部(46)での受光量が予め設定された規定値以下か否かを判定する判定手段(48)によって、受光量が規定値以下であると判定された段のプレート(26)に設けた前記駆動手段(28)を前記駆動制御手段(CS)により正逆駆動することを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、検知手段における投光部と受光部との検知組を最小限の数で配置しても、挟持動作させる段のプレートを適切に判断することができ、整列場所に到来した遊技盤群の全体を確実に整列することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る整列装置によれば、遊技盤群の段積み数の多寡にかかわらず、遊技盤群を適切に整列することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明に係る整列装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、図11に示した遊技機製造ラインの構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して詳細な説明は省略する。
【実施例】
【0011】
図1に示すように、実施例の整列装置10は、前工程から第1搬送コンベヤ102で搬送されてくる一の遊技盤Aまたは段積みした複数の遊技盤Aからなる遊技盤群A’を受取って保管領域Rに一時的に保管し、この保管領域Rに保管されていた遊技盤群A’を必要に応じて第2搬送コンベヤ106で後工程に受け渡す自動倉庫100を備えた遊技機製造ラインに設けられている。
【0012】
ここで、実施例の整列装置10の説明に先立って、この整列装置10が設けられる遊技機製造ラインについて簡単に説明する。実施例の遊技機製造ラインでは、自動倉庫100の前工程において、対向する辺が平行で、隣り合う辺がなす角が90°になるように形成された略正四辺形状のベニヤ板60に対し、(a)遊技盤面となるセルを表側に装着し、(b)遊技盤面に各種遊技部品用の孔62を穿設し、(c)案内レール取付用のゲージプレスを行い、(d)遊技釘64、盤面飾り66、案内レール68を装着した状態まで遊技盤Aが製造される(図2参照)。なお、ベニヤ板60の表面に装着された遊技釘64、盤面飾り66、案内レール68は、ベニヤ板60の表面からの突出寸法がおおよそ同一になっている。
【0013】
前記自動倉庫100と前工程との間には、ローラコンベヤタイプの第1搬送コンベヤ102が設けられ、この第1搬送コンベヤ102によって、遊技盤Aが遊技釘64や案内レール68等を装着した表面側を上に向けた寝かせた姿勢で1枚ずつ搬送される。また、第1搬送コンベヤ102の搬送終端部には、遊技盤Aを機種あるいは所要枚数毎に積重ねる段積み装置104が設けられている。段積み装置104は、第1搬送コンベヤ102で搬送されて到来した遊技盤Aを上昇保持した状態で、次に到来する遊技盤Aを受入れ、前の遊技盤Aを次の遊技盤Aに載置することで、遊技釘64および案内レール68等を装着した表面上に、平坦なベニヤ板60側の裏面を重ね合せた状態で段積みする。そして、段積み装置104において所要枚数単位(実施例では、最大20枚)で段積みされた遊技盤群A’は、任意に走行可能な運搬装置105によって自動倉庫100の保管領域Rにそのままの状態で保管される。
【0014】
前記自動倉庫100と後工程との間には、ローラコンベヤタイプの第2搬送コンベヤ106が設けられ、保管領域Rから運搬装置105によって遊技盤群A’が第2搬送コンベヤ106に受け渡される。第2搬送コンベヤ106には、実施例に係る整列装置10と、この整列装置10の搬送方向下流側に設けられ、遊技盤群A’を遊技盤A1枚ずつにする段ばらし装置108とが設けられている。段ばらし装置108は、受入れた遊技盤群A’における最下段の遊技盤Aを残して他の遊技盤Aを上昇保持して、この状態で最下段の遊技盤Aを搬送方向下流側へ送り出すことを繰り返すことで、遊技盤Aを1枚ずつ後工程に受け渡す。そして、後工程において、夫々の機種の仕様に応じて必要な遊技部品(図柄表示装置、大型入球装置、装飾部品等)が取り付けられる。
【0015】
図6に示すように、遊技機製造ラインは、第1搬送コンベヤ102、段積み装置104、運搬装置105、第2搬送コンベヤ106、整列装置10および段ばらし装置108が、メイン制御手段Cに電気的に接続されている。そして、遊技機製造ラインは、遊技盤A自体に設定された情報(機種や仕様等)や生産情報等に基づいて、メイン制御手段Cにより各装置が作動される。すなわち、遊技機製造ラインは、前工程から第1搬送コンベヤ102で搬送されて到来する遊技盤A自体に設定された情報や生産情報等に基づいて、段積み装置104によって機種や所要枚数毎で段積みした遊技盤群A’を、運搬装置105で自動倉庫100における適宜の保管領域Rに保管するようになっている。また、遊技機製造ラインは、生産情報に基づいて、自動倉庫100の適宜の保管領域Rから運搬装置105で所要の遊技盤群A’を取り出し、第2搬送コンベヤ106へ受け渡し、必要とされる機種等の遊技盤Aを後工程に必要数だけ供給するようになっている。ここで、生産情報とは、前工程で製造されている遊技盤Aの機種や数、後工程で必要とされる遊技盤Aの機種や数、自動倉庫100で保管されている遊技盤Aの機種や数等の生産に関わる各種情報を云う。
【0016】
図1に示すように、整列装置10は、遊技盤群A’の搬送路としての第2搬送コンベヤ106の途中に設定された整列場所Sに設けられ、この整列場所Sに受入れた遊技盤群A’の側部を、整列装置10によって上下に揃えると共に、遊技盤群A’を第2搬送コンベヤ106の搬送ラインL(図3の一点鎖線参照)に位置合わせするようになっている。ここで、搬送ラインLとは、遊技盤群A’が第2搬送コンベヤ106の搬送面において載置して搬送されるべき道筋であって、実施例では第2搬送コンベヤ106の搬送面における搬送方向に沿う中心に設定され、遊技盤群A’は、整列装置10により中心を搬送ラインLに位置合わせされた状態で後工程へ搬送される。
【0017】
図3〜図5に示すように、整列装置10は、整列場所Sに回転可能に設けた回転搬送手段12と、整列場所Sにおいて遊技盤群A’の移動を規制する規制部材20と、整列場所Sを挟んで対向配置され、上下に配置した複数段のプレート26から構成された対をなす整列部材24,24と、各段のプレート26毎に設けられ、プレート26を往復移動させる駆動手段28とを備えている。また整列装置10は、整列場所Sに到来するまでに遊技盤群A’の高さおよび段積み枚数を検知する第1検知手段(検知手段)30と、整列場所Sに到来した遊技盤群A’の高さを検知する第2検知手段(検知手段)40とを備えている。更に整列装置10は、メイン制御手段Cに電気的に接続された駆動制御手段CSを備え、この駆動制御手段CSに対して第1検知手段30および第2検知手段40の検知結果が入力されると共に、駆動制御手段CSによって、回転搬送手段12、規制部材20を昇降する昇降手段22および駆動手段28が適宜に駆動される。
【0018】
前記回転搬送手段12は、円形フレーム14の内部に平行な関係で離間配置され、水平軸回りに回転駆動する複数のローラ部16で遊技盤群A’の載置面12aを構成し、複数のローラ部16の回転駆動により上流側の第2搬送コンベヤ106から遊技盤群A'を受入れ、または下流側の第2搬送コンベヤ106へ遊技盤群A'を受け渡すようになっている。また回転搬送手段12は、全体が回転部18(図6参照)により水平方向に回転するよう構成され、複数のローラ部16による遊技盤群A’の送出方向を第2搬送コンベヤ106の搬送方向と整合させる第1向き(図7(a)参照)と、この第1向きから90°回転した第2向き(図7(c)参照)とに変位可能となっている。実施例の回転搬送手段12では、装置本体枠10aに対して回転可能に支持された円形フレーム14が、モータおよびギアを組合わせた変速機構等からなる回転部18で適宜方向へ回転される。ここで、回転搬送手段12は、上流側の第2搬送コンベヤ106から遊技盤群A’を受入れる際に第1向きとされ、適宜方向(実施例では時計回り)に90°回転して第2向きとされ、下流側の第2搬送コンベヤ106へ遊技盤群A’を受け渡す際に、適宜方向(反時計回り)に回転して再び第1向きとされる。更に、回転搬送手段12は、回転中心が搬送ラインL上に位置するように配置される。なお、回転搬送手段12の載置面12aは、遊技盤Aにおける対向する辺の間隔(幅)より大きく設定されている。
【0019】
前記規制部材20は、垂直方向に延在する板状体であって、第1向きにある回転搬出手段12の載置面12aにおける送出方向前側の端縁部に配置され、より具体的には、下流側の第2搬送コンベヤ106に隣接するローラ部16と円形フレーム14との隙間を規制部材20が出没するよう構成される。また規制部材20は、シリンダ等の昇降手段22によって載置面12aの上方に突出して、整列場所Sに位置した遊技盤群A’の送出方向前側への移動を規制する上昇位置と(図5または図8(a)参照)、載置面12aの下方に退避して、整列場所Sに位置した遊技盤群A’の送出方向前側への移動および回転搬送手段12の水平回転を許容する下降位置(図8(c)参照)との間を変位するようになっている。ここで、規制部材20は、回転搬送手段12の回転中心から遊技盤Aの幅の半分の間隔をあけて配置され、規制部材20で移動規制した遊技盤群A’の中心を通る左右(送出方向と直交する方向)ラインが回転搬送手段12の回転中心と一致するようになっている。
【0020】
図3に示すように、整列部材24は、回転搬送手段12における遊技盤群A’の送出方向と直交する整列場所Sの側方に夫々設けられ、整列場所Sを挟んで一対の整列部材24,24が対向配置されている。一対の整列部材24,24は、上下方向の寸法が最大段積み数(実施例では20枚)の遊技盤群A’の高さと同じまたは僅かに大きく設定されると共に(図4参照)、回転搬送手段12における遊技盤群A'の送出方向に平行に延在しており、搬送ラインLを挟んで対称な位置関係で配置されている(図3参照)。各整列部材24は、上下の関係で配置された複数段(実施例では3段)のプレート26,26,26から構成され、各プレート26における整列場所Sに臨む面(当接面)26aが平坦で、かつ垂直に延在するように形成されている。各プレート26は、プレート26毎に設けられた駆動手段28によって、整列場所Sに受入れた遊技盤群A’から離間する退避位置P1(図3の実線)と、整列場所Sの遊技盤群A’の側部に当接面26aを当接させると共に、対向する段のプレート26とによって遊技盤群A’を挟持する当接位置P2(図3の二点鎖線)との間で移動される。
【0021】
対をなす整列部材24,24において、各段のプレート26の当接面26aは、上下寸法が同一に設定され、対向する各段のプレート26,26の当接面26a,26aは、上下の端縁が同一高さに位置するように形成されている。また、対向する段のプレート26,26は、搬送ラインLを挟んで対称な同一形状で形成される。実施例の整列部材24は、最大段積み数の遊技盤群A’に対して、最下段に位置するプレート26(以下、特に区別する場合は下段プレートという)の当接面26aが最下段の遊技盤Aから7段目までの遊技盤Aに当接位置P2で当接し、中段に位置するプレート26(中段プレート)の当接面26aが下から8段目の遊技盤Aから14段目の遊技盤Aに当接位置P2で当接し、最上段に位置するプレート26(上段プレート)の当接面26aが残りの遊技盤Aに当接位置P2で当接するようになっている。また各整列部材24は、回転搬送手段12の送出方向に沿う方向の各プレート26の中心が、回転搬送手段12の回転中心を通る左右ラインに一致するように配置される。なお、実施例の整列部材24では、回転搬送手段12の送出方向に沿う方向のプレート26の幅が、上下段で同一に設定されると共に、遊技盤Aの幅より狭小に設定されている。
【0022】
各整列部材24において、上下に隣り合うプレート26,26は、当接位置P2で当接面26a,26aが上下に整列して、一つの垂直面を形成するようになっている(図8(b)参照)。なお、実施例の整列部材24では、上下に隣り合うプレート26,26の当接面26a,26aが、退避位置P1においても上下に整列して、一つの垂直面を形成している(図4参照)。
【0023】
図4に示すように、各整列部材24では、下段のプレート26における上部27aが、上段に隣り合うプレート26における下部27bの整列場所S側に重なるように配置され、下段のプレート26が整列場所S側に移動することを条件として、上段に隣り合うプレート26における整列場所S側への移動が許容される構成となっている。より具体的には、整列部材24において、他のプレート26の下段となる下段プレート26および中段プレート26の上部27aは、当接面26a側の縁部が当接面26aと反対面(裏面)側の縁部より上方に突出した階段状に形成されている。これに対して、他のプレート26の上段となる中段プレート26および上段プレート26の下部27bは、裏面側の縁部が当接面26a側の縁部より下方に突出すると共に、下段に隣り合うプレート26の上部27aに整合する階段状に形成されている。すなわち、各整列部材24は、退避位置P1において上段のプレート26における当接面26aの下縁より下方に突出した下部27bの整列場所S側に、下段に隣り合うプレート26における前記下部27bに合わせて形成した上部27aを嵌め合わせる構成となっている。
【0024】
前記駆動手段28は、左右方向に進退移動するロッド28aを整列場所S側に臨ませた状態で、図示しない枠体に本体部分が固定され、各整列部材24における上下段のプレート26に対応して、上下の位置関係でプレート26の裏面側に複数配置されている。駆動手段28のロッド28aは、プレート26の裏面における当接面26aの中心に対応する位置に接続され、駆動手段28は、ロッド28aを進退させることで、ロッド28aで支持した対応のプレート26を、整列場所Sに対して姿勢を保ったまま直線的に往復移動するようになっている。また、対向する段の駆動手段28,28は、時間差をおいて(実施例)または同期して駆動され、対向する段のプレート26,26を、退避位置P1から互いに近接させて当接位置P2において遊技盤群A’を挟持し、互いに離間させて当接位置P2から退避位置P1まで移動させる一連の挟持動作を行なわせる。なお、駆動手段28としては、空気や油等を用いた流体圧シリンダが採用される。
【0025】
前記プレート26の退避位置P1は、整列場所Sに対する遊技盤群A’の出入りおよび回転搬送手段12の回転に伴い遊技盤群A’が回転する際の遊技盤群A’の移動軌跡上から離間した位置に設定される。これに対して、プレート26の当接位置P2は、対向するプレート26,26における当接面26aの間隔が、遊技盤Aにおける挟持方向の幅(実施例では左右方向)と一致する位置に設定される。すなわち、実施例では、搬送ラインL(回転搬送手段12の回転中心)から遊技盤Aの幅の半分だけ離間した位置が当接位置P2,P2となり、遊技盤Aにおけるプレート26,26の挟持方向の幅に合わせて当接位置P2,P2が適宜調節される。
【0026】
図3または図5に示すように、第1検知手段30は、整列装置10において、上流側の第2搬送コンベヤ106と接続する部位に配置され、第2搬送コンベヤ106から回転搬送手段12に受け渡される遊技盤群A’の高さおよび段積み枚数を検知するよう構成される。第1検知手段30は、装置本体枠10aに搬送ラインLを挟んで左右方向に離間配置した一対の柱状体32,32に設けられ、一方の柱状体32に上下に離間して複数の第1投光部34が配設され、他方の柱状体32に上下に離間して、複数の第1投光部34に夫々対向する第1受光部36が配設されている。具体的には、第1検知手段30は、ベニヤ板60とこのベニヤ板60の表面に装着された遊技釘64や案内レール68等とを含む遊技盤Aの厚さに対応して、各段の遊技盤Aの高さに第1投光部34と第1受光部36とからなる検知組(実施例では20組)が夫々配置され、各検知組によって遊技盤群A’における遊技盤Aを各段毎に検知し得るようになっている。
【0027】
前記第1検知手段30は、第1受光部36での受光量が予め設定された規定値以下か否かを判定する第1判定手段38を備えている(図6参照)。そして、第1検知手段30では、各検知組における第1投光部34から一定強さの光が照射され、対応の第1受光部36で予め設定された規定値の受光量が感知できない場合に、第1判定手段38により検知組の高さに対応する段の遊技盤Aの存在を検知するようになっている。すなわち、第1検知手段30では、遊技盤Aを検知している検知組の数から遊技盤群A’の段積み数を検知し得ると共に、遊技盤Aを検知している最上段の検知組により遊技盤群A’の高さを検知し得るようになっている。
【0028】
前記第1検知手段30は、装置本体枠10aに固定された一対の柱状体32,32に設けたが、第2検知手段40は、一対の整列部材24,24における往復移動する各プレート26に設けられている。第2検知手段40は、一方の整列部材24において各段のプレート26における当接面26aの下端部に設けられ、一定強さの光を照射する第2投光部44と、他方の整列部材24において各段のプレート26における当接面26aの下端部に第2投光部44に対向して設けられ、第2投光部44から照射された光を受ける第2受光部46とを備えている。このように、対向する各段のプレート26,26には、第2投光部44と第2受光部46とからなる検知組が夫々設けられる。ここで、第2投光部44および第2受光部46は、プレート26における当接面26aの下縁から遊技盤Aの厚さの範囲で、かつプレート26における送出方向前側の側部に設けられ、当該プレート26が当接する遊技盤Aのうち最下段に位置する遊技盤Aの有無を検知するよう設定される。また第2検知手段40は、第2受光部46での受光量が予め設定された規定値以下か否かを判定する第2判定手段48を備えている(図6参照)。そして、第2検知手段40は、各検知組における第2投光部44から一定強さの光が照射され、対応の第2受光部46で予め設定された規定値の受光量が感知できない場合に、第2判定手段48により当該規定値の受光量が感知できなかった検知組の高さの遊技盤群A’が少なくとも存在していることが検知される。
【0029】
前記駆動制御手段CSは、第1検知手段30および第2検知手段40による遊技盤群A’の高さ検知または予め設定された構成機器の動作情報に基づいて、回転搬送手段12、規制部材20の昇降手段22、駆動手段28を制御している。また駆動制御手段CSには、メイン制御手段Cから生産情報、具体的には自動倉庫100の保管領域Rから第2搬送コンベヤ106に受け渡した遊技盤群A’の段積み数が入力される。そして、駆動制御手段CSは、第1検知手段30から入力された遊技盤群A’の段積み数と、メイン制御手段Cから入力された遊技盤群A’の段積み数とを比較して、両者が異なる場合は異常を報知すると共に、整列装置10を停止するようになっている。
【0030】
前記駆動制御手段CSは、第1検知手段30による遊技盤群A’の高さ検知結果と、第2検知手段40による遊技盤群A’の高さ検知結果が異なる場合、すなわち、第1検知手段30の検知結果により選択される段のプレート26と第2検知手段40の検知結果により選択される段のプレート26が異なる場合に、異常を報知する。また、駆動制御手段CSは、第1検知手段30によって遊技盤群A’が検知されたのにかかわらず、所定時間を経過しても第2検知手段40が遊技盤群A’を検知しない場合にも、異常を報知するよう構成される。なお、駆動制御手段CSは、第1検知手段30および第2検知手段40において、上段の検知組が遊技盤Aを検知しているのにかかわらず、その下段に位置する検知組が遊技盤Aを検知していない場合についても、検知手段30,40の異常を報知するようになっている。
【0031】
前記駆動制御手段CSは、第1検知手段30および第2検知手段40によって検知された遊技盤群A’の高さ以下に対応する段のプレート26に設けた駆動手段28を選択して駆動して、対向するプレート26,26による遊技盤群A’の挟持動作を、回転搬送手段12の第1向きと第2向きとで夫々行なわせる。また駆動制御手段CSは、対向するプレート26,26の挟持動作のタイミングとずらして、回転搬送手段12を予め設定されたタイミングおよび方向に水平回転するように制御し、回転搬送手段12における第1向きと第2向きとの間の回転動作を行なわせる。
【0032】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る整列装置10の作用について説明する。自動倉庫100は、生産計画に基づいてメイン制御手段Cに設定された生産情報に合わせて、後工程で必要とされる機種および枚数の遊技盤群A’を保管領域Rから運搬装置105により取り出し、第2搬送コンベヤ106の搬送始端に受け渡す。遊技盤群A’は、第2搬送コンベヤ106で搬送されて、整列装置10の入り口側に設けた第1検知手段30の検知組の間を通過すると共に、第2搬送コンベヤ106から第1向きの回転搬送手段12に受け渡される。第1検知手段30では、遊技盤群A’の通過により第1投光部34から照射した光が遮られて、対応の第1受光部36による受光量が規定値以下になったことを第1判定手段38で判定することで、当該検知組の設置高さに対応する段の遊技盤Aの存在が検知され、この検知結果が駆動制御手段CSに入力される。駆動制御手段CSは、遊技盤Aを検知した検知組の数から遊技盤群A’の段積み数を求めると共に、遊技盤Aを検知した最上段の検知組の設置高さから遊技盤群A’の高さについても求める。そして、整列装置10では、駆動制御手段CSにおいてメイン制御手段Cから入力された生産情報における遊技盤群A’の段積み数と、第1検知手段30で検知した現実の遊技盤群A’の段積み数とを比較し、段積み数が一致する場合は、整列作業を進行する。一方、段積み数が異なる場合は、音声や警報音等の聴覚的手段あるいは警告ランプの点灯や画面表示等の視覚的手段によって異常を報知し、整列作業を中止する。
【0033】
前記整列装置10に受入れられた遊技盤群A’は、回転搬送手段12の回転駆動しているローラ部16によって整列場所Sへ向けて搬送される。遊技盤群A’は、回転搬送手段12における送出側の端縁部に載置面12aから突出する上昇位置に保持された規制部材20で移動が規制され、この状態でローラ部16の回転が停止されることで、整列場所Sにおける退避位置P1に退避した一対の整列部材24,24の間で停止する。なお、整列装置10では、遊技盤群A’の存在を第2検知手段40で検知したことや、第1検知手段30が遊技盤群A’の通過を検知してから所要時間経過したことや、規制部材20に設けたセンサが遊技盤群A’を検知したこと等を条件として、回転搬送手段12のローラ部16の回転駆動が停止される。
【0034】
前記整列場所Sに到来した遊技盤群A’は、第2検知手段40によって高さが検知される。第2検知手段40では、遊技盤群A’の到来により第2投光部44から照射した光が遮られて、対応の第2受光部46による受光量が規定値以下になったことを第2判定手段48で判定することで、当該検知組の設置高さに対応する遊技盤群A’の存在が検知され、検知結果が駆動制御手段CSに入力される。また整列装置10では、第2検知手段40における各検知組の第2投光部44および第2受光部46がプレート26における送出方向前側の側部に設けてあるから、遊技盤群A’が回転搬送手段12の載置面12aに載っていることを確認できる。
【0035】
前記駆動制御手段CSでは、遊技盤Aを検知した第2検知手段40の検知組から遊技盤群A’の高さがどの段のプレート26まで達しているかを判定する。すなわち、対向する下段プレート26,26に設けた検知組のみが遊技盤群A’を検知している場合には、遊技盤群A’が整列場所Sに位置すると共に、遊技盤群A’の最上段が下段プレート26の当接面26aの上下範囲に位置していることが判る。また、駆動制御手段CSでは、対向する下段プレート26,26および中段プレート26,26に設けた検知組が遊技盤Aを検知して、対向する上段プレート26,26に設けた検知組が遊技盤Aを検知していない場合には、遊技盤群A’の最上段が少なくとも下段プレート26以上で、中段プレート26における当接面26aの上下範囲に位置していることが判る。更に、駆動制御手段CSでは、すべての検知組が遊技盤Aを検知している場合には、遊技盤群A’の最上段が少なくとも中段プレート26以上で、上段プレート26における当接面26aの上下範囲に位置していることが判る。そして、整列装置10は、駆動制御手段CSにおいて生産情報における遊技盤群A’の段積み数から算出される遊技盤群A’の最上段が位置する段のプレート26と、第2検知手段40で検知した遊技盤群A’の最上段が位置する段のプレート26とを比較し、これらの情報が一致する場合は、整列作業を進行する。一方、整列装置10はこれらの情報が異なる場合は、第1検知手段30による遊技盤群A’の検知結果と生産情報が整合しない場合と同様に異常を報知し、整列作業を中止する。
【0036】
前記整列装置10は、第1検知手段30および第2検知手段40の検知結果に基づく遊技盤群A’の確認ステップを終了した後、一対の整列部材24,24による整列作業に移行する。整列装置10では、第1検知手段30および第2検知手段40による遊技盤群A'の高さ検知結果に応じて、遊技盤群A’の高さ以下に対応する段のプレート26に設けた駆動手段28が、駆動制御手段CSによって選択的に駆動され、対向するプレート26,26による遊技盤群A’の挟持動作を行なう。例えば段積み数が12枚の遊技盤群A’の場合(図8参照)、遊技盤群A’の最上段は、中段プレート26の当接面26aの上下範囲に位置しているので、駆動制御手段CSにより中段プレート26に接続する駆動手段28および下段プレート26に接続する駆動手段28が選択される。そして、整列装置10では、上下段の複数の駆動手段28が選択された場合に、片側の整列部材24毎に、駆動制御手段CSにより上下段の駆動手段28が同期して駆動され、また実施例では対向する段の駆動手段28,28の正駆動タイミングを整列部材24毎にずらしている。
【0037】
前記対向する整列部材24,24による挟持動作は、先ず一方の整列部材24において選択された一または複数の駆動手段28が正駆動される。これにより、正駆動した駆動手段28に接続したプレート26が、退避位置P1から当接位置P2へ向けて往動されて(図7(a)または図8(a)参照)、プレート26の当接面26aが当接位置P2に至ると駆動手段28は停止される。 一方のプレート26は、退避位置P1から当接位置P2へ往動する過程で、当接位置P2から一方の整列部材24側に突出している遊技盤Aの側部を当接面26aで押して、当接位置P2に揃える。
【0038】
次に、他方の整列部材24において選択された一または複数の駆動手段28が正駆動されることで、この駆動手段28に接続したプレート26が退避位置P1から当接位置P2へ向けて往動され、プレート26の当接面26aが当接位置P2に至ると駆動手段28は停止される(図7(b)または図8(b)参照)。他方のプレート26は、退避位置P1から当接位置P2へ往動する過程で、当接位置P2から他方の整列部材24側に突出している遊技盤Aの側部を当接面26aで押して、当接位置P2に揃える。そして、他方のプレート26が当接位置P2に至ると、当接位置P2で停止されている一方のプレート26との間隔が、遊技盤Aの左右方向の幅と同一となり、一方のプレート26の当接面26aと他方のプレート26の当接面26aとの間に遊技盤群A’における左右方向に向かい合う両側部が挟持される。整列装置10は、対向するプレート26,26により遊技盤群A’の両側部を挟持した後、駆動手段28を逆駆動することで、対向するプレート26,26を互いに離間する方向へ復動させ、退避位置P1で夫々待機させることで、1回目の挟持動作を終える(図8(c)参照)。
【0039】
前記整列装置10では、対向するプレート26,26の当接面26a,26aが、送出方向に平行に延在すると共に、各側における上下段のプレート26の当接面26aが当接位置P2で整合して垂直面を構成するので、対向するプレート26,26に挟持された遊技盤群A’の一方向(後工程への受け渡し時に遊技盤群A’の送出方向に交差する方向)に対向する両側部は、送出方向に平行で、かつ各段の遊技盤Aの側面を垂直に位置合わせした状態に揃えられる。しかも、整列装置10では、遊技盤群A’の搬送中心となる搬送ラインLからの間隔で各当接位置P2が設定されているので、整列場所Sにおける遊技盤群A’の左右位置についても、遊技盤群A’における左右方向の中心が搬送ラインLに整合される。
【0040】
前記整列装置10は、1回目の挟持動作を終了すると、回転搬送手段12を第1向きから時計回りに90°の角度で水平回転して第2向きとする回転動作を行なうことで、載置面12aに載置した遊技盤群A’の向きを水平回りに90°変える(図7(c)参照)。なお、規制部材20は、回転搬送手段12の回転動作に先立ち、上昇位置から載置面12aの下方に下がった下降位置に退避される。
【0041】
そして、整列装置10では、対向する整列部材26,26による2回目の挟持動作が行なわれる。2回目の挟持動作は、前述した1回目の挟持動作と同じであり、ここでは図7および図8を参照してより具体的に説明する。なお整列装置10では、第1検知手段30において12枚段積みした遊技盤群A’が検知されると共に、第2検知手段40において中段プレート26以下の検知組だけが遊技盤群A’を検知しているものとする。
【0042】
前記整列装置10では、遊技盤群A’の最上段が中段プレート26に対応する位置にあるから、駆動制御手段CSにより中段および下段の駆動手段28,28が選択される。整列装置10では、先ず一方(図3または図7における左側)の整列部材24において、中段および下段の駆動手段28,28が同期して正駆動されることで、左側の中段プレート26および下段プレート26が、当接面26a,26aを上下に整合させた状態で退避位置P1から当接位置P2へ向けて往動される(図7(d)または図8(a)参照)。この際、対向する上段の駆動手段28,28は駆動されず、対向する上段プレート26,26は退避位置P1,P1で夫々待機している。退避位置P1から当接位置P2に左側の中段プレート26および下段プレート26が往動する過程で、左側の中段プレート26および下段プレート26の当接面26a,26aによって、遊技盤群A’において当接位置P2から左側に突出している遊技盤Aの側部を押すことで、突出していた段の遊技盤Aが当接位置P2に揃えられる。
【0043】
次に、他方(図3または図7における右側)の整列部材24において、中段および下段の駆動手段28,28が同期して正駆動されることで、右側の中段プレート26および下段プレート26が、当接面26a,26aを上下に整合させた状態で退避位置P1から当接位置P2へ向けて往動される(図7(e)または図8(b)参照)。退避位置P1から当接位置P2に右の中段プレート26および下段プレート26が往動する過程で、右側の中段プレート26および下段プレート26の当接面26a,26aによって、遊技盤群A’において当接位置P2から右側に突出している遊技盤Aの側部を押すことで、突出していた段の遊技盤Aが当接位置P2に揃えられる。そして、右側の中段プレート26および下段プレート26が当接位置P2,P2に至ると、当接位置P2で停止されている対向する段のプレート26との間隔が、遊技盤Aの左右方向の幅と同一となり、対向する段のプレート26,26で遊技盤群A’における他方向(後工程への受け渡し時に遊技盤群A’の送出方向に沿う方向)に向かい合う両側部が挟持される。整列装置10は、対向するプレート26,26により遊技盤群A’の他方向に対向する両側部を挟持した後、駆動手段28を逆駆動することで、対向するプレート26,26を互いに離間する方向へ復動して退避位置P1で夫々待機させて、2回目の挟持動作を終了する(図8(c)参照)。
【0044】
前記2回目の挟持動作によって、対向するプレート26,26に挟持された遊技盤群A’の他方向に対向する両側部は、送出方向に平行で、かつ各段の遊技盤Aの側面を垂直に位置合わせした状態に揃えられる。ここで、遊技盤Aの大きさは、機種や仕様等毎に異なることがあるが、整列装置10の当接位置P2,P2は、メイン制御手段Cより取得し得る機種等の情報に基づいて、駆動制御手段CSにより駆動手段28を停止するタイミングを変化させることで、適宜に調節される。例えば、遊技盤Aが正方形ではなく、長方形である場合は、1回目の挟持動作と2回目の挟持動作とで当接位置P2が変更される。
【0045】
前記整列装置10は、2回目の挟持動作を終了すると、回転搬送手段12を第2向きから反時計回りに90°の角度で水平回転して第1向きとする回転動作を行なうことで、載置面12aに載置した遊技盤群A’の向きを水平回りに90°変える(図7(f)参照)。そして、回転搬送手段12のローラ部16を回転駆動することで、整列を終えた遊技盤群A’が下流側の第2搬送コンベヤ106に受け渡され、第2搬送コンベヤ106により後工程へ向けて搬送される。
【0046】
前記整列装置10は、第1回目の挟持動作により遊技盤群A’の一方向を揃え、回転搬送手段を90°回転してから更に第2回目の挟持動作を行なうことで、遊技盤群A’の他方向を揃えている。このように、回転搬送手段12により整列場所Sの遊技盤群A’を回転する構成であるから、遊技盤群A’の四面に対応して整列部材24を設けなくても、整列場所Sの側方に対をなす整列部材24,24を設けるだけで、遊技盤群A’の四面を簡単に揃えることができる。しかも、対をなす整列部材24,24は、遊技盤群A'の送出方向と交差する方向の回転搬送手段12の側方に、遊技盤群A’の移動軌跡上から退避して設けられ、挟持動作時にプレート26が整列位置Sへ向けて往動される構成であるので、遊技盤群A’の送り出しおよび回転の邪魔にならない。
【0047】
前記整列装置10を経て後工程に供給される遊技盤群A’は、四方の側部が上下に揃えられているので、第2搬送コンベヤ106による搬送または段ばらし装置108での段ばらし作業に際して崩れるおそれが小さい。すなわち、第2搬送コンベヤ106には、遊技盤群A’の側部を支持するガイドを設けなくてもよく、設備を簡略化し得ると共に、第2搬送コンベヤ106の搬送速度を上げることもでき、製造の効率化に繋がる。また、遊技盤群A’の四方の側部を揃えることで、段ばらし装置108による段ばらし作業や後工程での取扱いに際して、遊技盤Aの位置合わせを行なう必要がなく、作業の効率化を図ることができる。しかも、遊技盤群A’は、四方の側部が揃っているだけではなく、遊技盤Aの中心を搬送ラインLに一致させてあるので、段ばらし装置108による段ばらし作業や後工程での取扱いに際して、更なる作業の効率化を図ることができる。
【0048】
前記遊技盤群A’は、遊技盤Aの遊技釘64、盤面飾り66および案内レール68を装着した表面側に、平坦なベニヤ板60側を向けた他の遊技盤Aを段積みしており、下段の遊技盤Aと上段の遊技盤Aの接触面積が少なく、下段の遊技盤Aの遊技釘64等と上段の遊技盤Aのベニヤ板60との引っ掛かりがない。すなわち、整列装置10では、遊技盤群A’の各段の遊技盤Aを側方からプレート26で押すことで、遊技盤A自体に負荷をかけることなく、各段の遊技盤Aを適切な位置まで移動することができる。
【0049】
前述の如く、整列装置10は、上下の関係で配置した複数段のプレート26から整列部材24を構成すると共に、第1検知手段30および第2検知手段40による遊技盤群A’の高さ検知によって、段積みした遊技盤群A’の高さに応じた段のプレート26だけを挟持動作させ、遊技盤Aが存在しない領域に対応する段のプレート26は挟持動作させない。すなわち、挟持動作において、プレート26一枚当りの当接位置P2までの押送を担当する遊技盤Aの段数を少なくすることができ、当接位置P2へ向けて移動した各プレート26において、遊技盤群A’に当接して負荷が加わる部位と、遊技盤群A’に当接せずに負荷がかからない部位との差異を小さくすることができる。従って、各プレート26を当接位置P2へ向けて適切な姿勢を維持したまま移動させることができるので、各プレート26の当接面26aによって遊技盤群A’の遊技盤Aを適正な位置に揃えることができる。このように、整列装置10によれば、遊技盤群A’の段積み数の多寡にかかわらず、遊技盤群A’を適切に整列することができる。
【0050】
前記各整列部材は、退避位置P1において、下段のプレート26における階段状の上部27aを、上段のプレート26における階段状の下部27bの整列場所S側に重ねて配置してある。すなわち、上段のプレート26は、下部27bが整列場所S側に位置する下段のプレート26の上部27aに阻まれて、単独では退避位置P1から当接位置P2へ向けて移動することが規制される一方、各段のプレート26は、他段のプレート26と関わりなく当接位置P2から退避位置P1への移動が許容される。万が一、駆動制御手段CSによって中段プレート26にだけ挟持動作を行なうよう指令が出されても、中段プレート26は下段プレート26により移動規制されるので、中段プレート26のみで挟持動作を行なうことに起因する遊技盤群A’の整列不良を引き起こすことはない。
【0051】
前記整列装置10では、上下に隣り合うプレート26,26が挟持動作を行なう際に、上下の駆動手段28,28を同期して正駆動するよう構成してある。これにより、上段のプレート26の下部27bにおける当接面26a側と下段のプレート26の上部27aにおける裏面側とを当接させた嵌め合い状態のまま、上下段のプレート26,26を同時に往動させることができる(図7(a)または(b)参照)。すなわち、上下段のプレート26,26の往動時に、下段のプレート26の上部27aを上段のプレート26の下部27bで支持することができる。例えば図8に示す如く、中段プレート26および下段プレート26が挟持動作する場合には、下段プレート26では対応段数の遊技盤Aに当接することになり、中段プレート26と比較して下段プレート26に負荷が大きくかかることが想定される。しかし、実施例の整列装置10であれば、中段プレート26の下部27bで下段プレート26の上部27aを支持して、遊技盤Aの当接負荷を上下段のプレート26,26に分散し得るので、プレート26を適切な姿勢を保ったまま遊技盤群A’の側部に当接させることができる。
【0052】
前記第1検知手段30は、整列装置10における遊技盤群A’の入り口側に設けられ、整列場所Sに至る前に遊技盤群A’の高さを検知し得るので、整列場所Sに受入れた時点で対応のプレート26を直ちに動作させることもでき、遊技盤群A’を迅速に整列させることができる。また、第1検知手段30の第1投光部34および第1受光部36は、動作しない装置本体枠10aに設けた柱状体32に夫々設置されるので、動作するプレート26に設けた第2検知手段40と比較して検知精度が高くなる。
【0053】
前記第2検知手段40によれば、第2投光部44と第2受光部46との検知組を最小限の数で配置しても、挟持動作させる段のプレート26を適切に判断することができ、整列場所Sに到来した遊技盤群A’の全体を確実に整列することができる。
【0054】
図9は、別実施例に係る整列装置50を示す平面図である。別実施例の整列装置50は、一対の整列部材54,54が、整列場所Sからの第2搬送コンベヤ106による遊技盤群A’の後工程への送出方向(第2搬送コンベヤ106の搬送方向)に対して斜めに交差する方向に離間して、整列場所Sを挟んで配置されている。また、各整列部材54は、上下に配置した複数段のプレート56から構成され、各プレート56は、送出方向に沿う面と送出方向に直交する面とを有する平面視においてL字形に形成されている。一対の整列部材54,54は、整列場所Sに到来した遊技盤群A’における遊技盤Aの対角線上にプレート56の屈曲部が位置するように配置されると共に、この対角線に沿って整列場所Sの側方に退避した退避位置(図9の二点鎖線参照)と、遊技盤群A’の側部に当接して、対向するプレート56と遊技盤群A’を挟持する当接位置(図9の実線参照)との間を、各プレート56が駆動手段28により往復移動される。
【0055】
別実施例の整列装置50によれば、当接位置へ往動した対向する段のプレート56によって、遊技盤群A’における一方向に対向する両側部が、対向するプレート56,56の送出方向に沿う面で挟持されると同時に、遊技盤群A’における他方向に対向する両側部が、対向するプレート56,56の送出方向に直交する面で挟持される。すなわち、整列装置50は、実施例の整列装置10から回転搬送手段12を省略した構成であるが、対向するプレート56,56の1回の挟持動作によって、整列場所Sに受入れた遊技盤群A’の四面を揃えることができる。なお、別実施例の整列装置50において、前述した実施例の整列装置10の構成要素と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。また、別実施例において遊技盤群A’の高さ検知および隣り合うプレート26,26の上下部の組み合わせ構造は、実施例と同様であり、別実施例における挟持動作の流れは、実施例の第1回目の挟持動作と同様である。
【0056】
(変更例)
前述した実施例および別実施例の構成に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1)実施例および別実施例では、整列装置を搬送路を構成する第2搬送コンベヤの途中に設けたが、第2搬送コンベヤの搬送始端あるいは搬送終端に設けてもよい。
(2)実施例および別実施例では、整列装置を遊技機製造ラインにおける自動倉庫から遊技盤を後工程に搬送する搬送路に設けたが、前工程から自動倉庫へ遊技盤を搬送する搬送路や自動倉庫の保管領域に設けた搬送路や、その他遊技盤を段積みして搬送する搬送路であれば、本発明に係る整列装置を適用し得る。
(3)整列対象となる遊技盤としては、ベニヤ板に遊技釘や案内レールが装着された未完成品であっても、遊技盤として完成したものであってもよい。
(4)実施例の構成において、回転搬送手段を省略してもよい。この場合は、遊技盤群における一方向に対向する両側部だけが整列される。
(5)実施例において、回転搬送手段の載置面を遊技盤の幅より大きく設定したが、遊技盤の幅より小さくしてもよい。この場合は、回転搬送手段の円形フレームの外側に規制部材が配置される。
(6)実施例の回転搬送手段は、90°の範囲で正逆回転するよう構成したが、一方向にのみ回転するよう構成してもよい。
(7)規制部材に遊技盤群の有無を検知するセンサを設けることで、最下段のプレートに対応する遊技盤を検知する第1検知手段または第2検知手段の検知組を省略することができる。
(8)実施例および別実施例では、遊技盤群の高さを検知する手段として、第1検知手段および第2検知手段の2基設けたが、何れか一方を省略してもよい。
(9)実施例および別実施例の整列装置は、整列部材が一対であるが、複数対設けてもよい。例えば、整列場所の両側に整列部材を送出方向に並べて複数設ける構成や、対をなす整列部材を、送出方向に直交する方向に離間させて整列場所を挟んで配置すると共に、別の対をなす整列部材を、送出方向に離間させて整列場所を挟んで配置する構成であってもよい。
(10)実施例および別実施例では、プレートが退避位置と当接位置との間を直線的に往復移動する構成であるが、プレートを任意の軸を中心として回転移動したり、上方の退避位置に退避していたプレートを下降させて遊技盤群の側部に臨ませた後に当接位置に向けて往動し、当接位置から上昇させた後に退避位置まで復動するボックスモーション等させてもよい。
(11)実施例および別実施例では、複数の遊技盤を積重ねた遊技盤群を例に挙げたが、遊技盤が1枚だけの場合であってもよく、この場合においても遊技盤を搬送ラインに対して位置合わせすることができる。
【0057】
(12)図10は、整列部材24において、上下に隣り合うプレート26,26の上下部の組み合わせ構造の変更例を示す側面図である。なお、図10において、実施例と同様な構成要素については同一の符号を付してある。図10(a)に示す変更例では、下段のプレート26の上部27aが整列場所S側から離間する側に向かうにつれて下方傾斜するよう形成されている。これに対し、上段のプレート26の下部27bは、下段のプレート26の上部27aに合わせて、整列場所S側から離間する側に向かうにつれて下方傾斜するよう形成される。図10(b)に示す変更例では、上段のプレート26の裏面側に突出して下部27bが形成され、この下部27bの整列場所S側の面に下段に位置するプレート26の上部27aの裏面が当接するようになっている。このように、変更例においても、各整列部材24は、少なくとも退避位置P1において、上段のプレート26における当接面26aの下縁より下方に突出した下部27bの整列場所S側に、下段に隣り合うプレート26における前記下部27bの形状に合わせて形成した上部27aが嵌る構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の好適な実施例に係る整列装置を備えた遊技機製造ラインを示す平面図である。
【図2】遊技盤の一例を示す平面図である。
【図3】実施例の整列装置を示す平面図である。
【図4】図3のX−X線断面図である。
【図5】図3のY−Y線断面図である。
【図6】実施例の遊技機製造ラインおよび整列装置の制御ブロック図である。
【図7】実施例の整列装置における整列作業を示す平面図であって、(a)は、1回目の挟持動作において、一方の整列部材が往動した状態を示し、(b)は、1回目の挟持動作において、他方の整列部材が往動して対向するプレートで遊技盤群を挟持した状態を示し、(c)は、整列部材を退避位置に復動し、回転搬送手段を第1向きから第2向きに回転した状態を示し、(d)は、2回目の挟持動作において、一方の整列部材が往動した状態を示し、(e)は、2回目の挟持動作において、他方の整列部材が往動して対向するプレートで遊技盤群を挟持した状態を示し、(f)は、整列部材を退避位置に復動し、回転搬送手段を第2向きから第1向きに回転し、整列した遊技盤群を送出している状態を示す。
【図8】実施例の整列装置における整列作業を示す図3のX−X線断面図であって、(a)は、一方の整列部材が往動した状態を示し、(b)は、他方の整列部材が往動して対向するプレートで遊技盤群を挟持した状態を示し、(c)は、整列部材を退避位置に復動した状態を示す。
【図9】別実施例に係る整列装置を示す平面図である。
【図10】変更例に係る整列部材を示す側面図である。
【図11】自動倉庫を備えた遊技機製造ラインの一例を示す平面図である。
【図12】整列装置の一例を示す側面図であって、(a)は遊技盤群の整列前の状態を示し、(b)は遊技盤群の整列後の状態を示す。
【図13】図12に示す整列装置において、遊技盤群の段積み数が少ない場合の整列状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0059】
12 回転搬送手段
12a 載置面
20 規制部材
24 整列部材
26 プレート
26a 当接面
27a 上部
27b 下部
28 駆動手段
30 第1検知手段
40 第2検知手段
44 第2投光部(投光部)
46 第2受光部(受光部)
48 第2判定手段(判定手段)
54 整列部材
56 プレート
106 第2搬送コンベヤ(搬送路)
A 遊技盤
A’ 遊技盤群
CS 駆動制御手段
P1 退避位置
P2 当接位置
S 整列場所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機製造ラインにおいて、一の遊技盤または段積みした複数の遊技盤からなる遊技盤群を搬送する搬送路に設けた整列場所の側方に、該整列場所を挟んで対向配置され、上下に配置した複数段のプレートから構成した対をなす整列部材と、
前記各段のプレート毎に設けられ、前記整列場所に受入れた遊技盤群から離間する退避位置と、該整列場所の遊技盤群の側部に当接すると共に、対向する段のプレートとによって遊技盤群を挟持する当接位置との間で、該プレートを移動させる駆動手段と、
前記遊技盤群の高さを検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知した前記遊技盤群の高さ以下に対応する段のプレートに設けた前記駆動手段を選択して駆動して、対向するプレートによる遊技盤群の挟持動作を行なわせる駆動制御手段とを備え、
前記各整列部材は、下段のプレートにおける上部が、少なくとも退避位置において上段に隣り合うプレートにおける下部の前記整列場所側に重なるように配置されると共に、上下段のプレートにおける遊技盤群に当接する当接面が、当接位置で上下に整列するように形成され、
前記対をなす整列部材は、対向する各段のプレートの当接面における上下の端縁が同一高さに位置するように形成されている
ことを特徴とする整列装置。
【請求項2】
前記検知手段は、一方の整列部材において各段のプレートにおける当接面の下端部に設けられて、一定強さの光を照射する投光部と、他方の整列部材において各段のプレートにおける当接面の下端部に前記投光部に対向して設けられて、投光部から照射された光を受ける受光部とを備え、
前記各受光部での受光量が予め設定された規定値以下か否かを判定する判定手段によって、受光量が規定値以下であると判定された段のプレートに設けた前記駆動手段を前記駆動制御手段により正逆駆動する請求項1記載の整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−298(P2009−298A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164173(P2007−164173)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】