説明

整流ベント

【課題】CPAPシステムの制御アルゴリズムの動作パラメータにより適合するようにマスクの通気特性を変えることができるベントを構成して作製することができるマスクを提供すること。
【解決手段】加圧されたガス供給源からの流れを整える整流ベント10は、ガス供給管に係合するように適合された固定部14と、ヒンジ16によって固定部に接続されており、加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢された可動部12とを備えている。固定部はガス流開口部20を有している。可動部および固定部の一方あるいは両方の特性を変更することによって、ベントの流れの特性を圧力動作範囲内のいかなる圧力レベルにおいても変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2000年12月22日に出願されたダンタナラヤナの米国特許出願第60/257,171号「整流ベント」に基づく優先権を主張しており、その出願をここで援用する。
【0002】
本発明は、大気圧よりも上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するシステムとともに用いられるベントバルブ装置に関する。
【0003】
発明は、例えば閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)や同様の睡眠時の呼吸障害の治療に用いられる持続的気道陽圧法(CPAP)ガス供給システムにおける排出ガスを出すことの制御に主に用いられるために開発された。また発明は、補助換気治療の用途のために適切なマスクおよびガス供給システムと関連して用いられてもよい。
【0004】
「マスク」という用語はここでは、顔用マスク、鼻用マスク、口用マスク、これらのマスクのいかなるものの近傍に存在する付属物等を含むことを意図している。
【背景技術】
【0005】
CPAPガス供給システムによるOSAの治療は、大気圧よりも上に加圧された空気(すなわち呼吸可能なガス)を管およびマスクを介して継続的に患者の気道に届けることを伴う。典型的には4cmHO〜30cmHOのCPAP圧が、患者の要件に応じて、OSAおよび/あるいは中枢性無呼吸による睡眠時呼吸障害の治療のために用いられる。
【0006】
補助換気用の治療圧は、患者の要件に応じて、32cmHOまで、ならびにそれを超えて変動可能である。
OSAの治療、補助換気の用途のいずれについても、患者に届けられるガスの圧力は一定のレベル、二つのレベル(患者が息を吐くのと息を吸うのに同期している)、あるいは自動的にレベル調整され得る。この明細書を通して、CPAPというときには、これらの形態の圧力供給のいずれか1つ、あるいは組み合わせへの言及を組みいれることが意図される。CPAP治療を提供する先行技術の方法は、ガス流のガス排出のためのベントを有している。ベントは、通常は、マスクに、あるいはマスク近傍に、あるいはガス供給管内に配置される。ベントを通るガスの流れは、呼吸回路から吐き出されたガスをのぞくために必須である。適切なガスの排出は、典型的には成人ではだいたい4cmHO、小児科の用途では2cmHO程度の低さであり得る最低動作CPAP圧で最小の安全なガス流を可能にするようなベントのサイズおよび形状を選択することによって達成される。
【0007】
既存のベント構成は、1つあるいは複数の穴、発泡体あるいは他のディフューザ、スロットおよびそれらの組み合わせを含んでいる。ここでベントというときには、1つ以上の穴、発泡体あるいは他のディフューザ、スロットあるいはそれらのいかなる組み合わせへの言及を含むものと理解され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
標準的な構成が多岐にわたるユーザが要求する独自の治療を適切に提供するためには、CPAPシステムが実行可能な広い圧力範囲を有することが望まれるのは明らかである。CPAP圧力を増やすと、ベントを通過するガスが増え、これはより多くの雑音を生じさせる。既存の先行技術のベントは、CPAP圧力を約4cmHOより上に上げると、過剰な雑音を発生し得る。この雑音は患者および患者とともに眠る人の快適さに悪影響を与える。より高い圧力では、既存のベントは効率的ではない。なぜなら既存のベントは、適切な排気ガスの流出に必要であるよりも多くのガスがベントを通し、それにより、要求される治療圧を維持するために必要であるよりも多くの流れをフロージェネレータが提供しなければならないからである。さらに、酸素のような治療ガスが供給されている場合に、余分な治療ガスが放出されて、それゆえに不必要に浪費される。似たような浪費は、供給されているガスが湿っている場合にも起こる。
【0009】
ガス供給システムからベントを通って大気へと至るガスの流れは、届けられるガスが大気へとベントを通るときに、ならびにCOを含むガスを患者が排出する患者が息を吐くときに、雑音を発生させる。CPAPシステムは、ベントを通って大気へ流れる流量として、臨床上望ましくないレベルの吐き出されたガスが呼吸回路内(すなわち、ガス供給管およびマスクチャンバ内)に確実に滞留しないようにする流量を有していなければならない。このガスの滞留は、呼吸の息を吐き出すフェーズ中に吐き出されたガスが大気へと出されずに、かわりにフロージェネレータの方にガス管を動いて下る、あるいはマスクチャンバのデッドスペースに溜まる結果として起こる。大気へのガスの適切な流れは、臨床上望ましい圧力の治療範囲およびフロージェネレータが提供可能であるガスの体積に対して、その望ましい治療圧力範囲を実現するように、ふさわしいベントサイズを選択することによって得られてもよい。典型的にはこの選択は、圧力範囲の下端で適切な流量を得るのに十分大きいベントサイズを選択することと、圧力範囲を通して圧力が増加するときに許容可能な雑音レベルを超える雑音を生じさせないこととの間で得られる妥協を伴う。また、圧力範囲の下端で豊富な流出流量を可能にする大きなベントは、圧力範囲内の高い方の所望の圧力を得るために必要な流れを提供するために適切な容量をフロージェネレータが有していなければならないことを決定づける。簡単に言うと、圧力範囲内の高い方の圧力レベルで静かなガス流出流量を実現するようにベントサイズが選択されている場合、それは圧力範囲の所望の最下端で許容可能な流出流量を可能にするには不適切であるかもしれない。また圧力範囲内の低い圧力で適切な流出流量を得るために十分なサイズを有するベントは、圧力範囲の所望の高い方の端で許容することのできない雑音を生じがちである。またより大きなベントの選択は、ガス供給源がより高い圧力レベルについて必要な流量を届けるための容量を有し、それゆえにガス供給源はより多くの電力を消費し、より大きな雑音を発生し、そしてトータルの雑音を許容できる限界内に収めるために付加的な雑音を減衰する特徴を必要とするということを決定付ける。
【0010】
ベントから生じるCPAPシステム設計の制限のために、低い方あるいは上の方の実現可能な圧力を制限するという選択がなされるかもしれない。すなわち、任意の上の方あるいは低い方の圧力について、その圧力と範囲の他の端との間のデルタPを不自由に制約することになるかもしれない。デルタPは、圧力範囲の高い方の端で発生する雑音および消費される電力を制限しつつ、圧力範囲の最下端で呼気ガスの適切な排出という望ましい目的を実現するように選択される。上側あるいは下側の圧力の選択およびデルタPについてのこのような制限はCPAPの有用さを著しく制限する。なぜなら、標準的な構成は、できるだけ多くのユーザの臨床的な要件に適合することができるように最も広い圧力範囲を実現するような容量を持つことが好ましいからである。この目的の実現は、CPAP治療が治療期間中にユーザに届けられる圧力を(例えば、呼吸毎に2つ以上の圧力の間であるいは治療期間中にもっと複雑な方法で)変化させる制御アルゴリズムの動作を伴う場合には特に重要である。同様に、制御アルゴリズムに応じて治療期間中に圧力を変化させるコンピュータ制御のCPAPシステムは、呼吸回路の通気特性を反映する動作パラメータを有している。このため、新しいマスクはその制御アルゴリズムの動作パラメータ内ではない通気特性を導入しなければならないという心配に関して、制御アルゴリズムについて特定されたマスクから変更することは望ましくない。知られていない、あるいは互換性のない通気特性の導入を伴うためにマスクの変更をすることができないということは、患者のCPAP治療への適合性には不利に働く。なぜなら、CPAP治療が特定のマスクを通して実現され、かつそのマスクが処方されたCPAPシステム制御アルゴリズムと相性がよくない場合に、患者はCPAP治療に我慢するしかないかもしれかいからである。
【0011】
したがって、本発明の他の目的は、マスクがCPAPシステムの制御アルゴリズムの動作パラメータにより適合するようにマスクの通気特性を変えることができるベントを構成して作製する方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、CPAPシステムの圧力動作範囲の一部あるいは全体で起こる圧力変化に応じて変化する流れ領域を有するベントを生成する通気システムのための方法および装置である。
【0013】
CPAPシステムの呼吸回路が、任意の環境下で大気への通気を制限あるいはブロックするバルブを有することがこの分野では知られている。
【0014】
ドロコウスキーは米国特許第5,685,296号明細書で整流バルブおよび方法を開示している。第一の実施形態では、中央軸開口部54を有する堅い挿入物52が弾力性のあるダイアフラム42に接続される。ガス供給圧力が上昇すると、ダイアフラム42はバルブ体部材38の方に曲がり、開口部54は規制ピン62の本体70の上方に動き、それによって、開口部54と規制ピン62との間の流れの領域を減少させ、より高いガス圧でさえ比較的一定のガス流量を維持する。さらなる実施形態では、ガス供給圧は、可撓性のあるダイアフラム42'および42"をそれぞれの本体壁のほうに動かすために用いられ、それによってそれぞれのダイアフラムとバルブ本体壁との間のガス流の領域を減少させ、より高いガス圧でより多くのガスが流れるのを防ぐ。
【0015】
ホーリスへの米国特許第6,006,748号明細書は、ガス供給圧が増えるにつれて流出ベントの流れの領域を徐々に制限していくように適合されたベントバルブ装置を開示している。それに開示されている2つの実施形態では、ガス供給圧に反応する可撓性のあるダイアフラム20が、堅いワイヤロッド23によって、円錐状の開口部15に配置された円錐状のプラグ18に接続されている。ガス供給圧が増えると、ダイアフラム20は外側に出っ張る。これがロッド23および円錐状のプラグ18を、円錐状のプラグ18が開口部15へ引き込まれるように動かし、それによってプラグ18と開口部15との間のベントの流れ領域を減らし、かつベントを通るガス流を制限する。第三の実施形態では、空力ウィング30がダイアフラム20に置き換わり、ウィング上の空力表面を過ぎるガス流に関連して円錐状のプラグを動かす。
【0016】
これらの文献のそれぞれはガス供給圧の増加につれてガス流を制限する実施形態を開示しているが、一定の流量の実現に限られず圧力が変化するにつれて、ベントを通る流れを変化させる機会を提供しつつ、より単純で、よりやすく製造することができる整流ベントを提供したいという要望がある。
【0017】
これらのバルブは、一般的に再呼吸防止あるいは窒息防止バルブとして知られている。再呼吸防止バルブの一例は、鼻用および/あるいは口用ガス供給マスクのため自動安全バルブおよびディフューザについてのスターらへの米国特許第5,438,981号明細書である。これは、第一の位置と第二の位置との間で回動して、ガスフロージェネレータあるいは大気のいずれかからマスクへの内向きの流れを可能にすることができるバルブ素子32を有している。この安全バルブは、ガス供給圧が増加するときのガス流を制限しない。
【0018】
安全バルブの他の例は、米国特許第5,896,857号および6,189,532号(ヘリー/リスゴー:レスメッドリミテッドに譲渡された)および国際公開第00/38722号公報(ウォーカーら:レスメッドリミテッドに譲渡された)に見ることができる。
本発明のベントの実施形態は、再呼吸防止あるいは窒息防止バルブとしても働き得る。
【0019】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる整流ベントを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、加圧ガス供給源からの流れを整える整流ベントである。このベントは、ガス供給管に係合するように適合された固定部と、ヒンジによって固定部に接続されており、加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢された可動部とを有している。固定部はガス流開口部を有している。可動部はリラックス位置と完全に加圧された位置との間を回動可能である。特定の最小動作圧では、可動部はばね力によって固定部から離れる方向にリラックス位置へと回動され、可動部とガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立する。特定のより大きな動作圧では、加圧されたガスがばね力を相殺して可動部を固定部に隣接する完全に加圧された位置へと回動し、それによって可動部とガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立する。好ましい実施形態では、固定部および可動部は、例えばステンレス鋼のシートあるいはプラスチックシートというような1つの材料片から単一体として形成される。
【0021】
この整流ベントの動作特性(すなわち、任意の圧力でのガス流開口部のサイズ)を調整することによって、流量(ベントを通る流れである)曲線を特定の動作圧範囲にわたって比較的一定に、あるいは特定の動作圧範囲より上では一定ではない流量曲線に合わせることができる。
【0022】
さらなる実施形態では、整流ベントは、固定部と可動部との間に取り付けられた可動部の位置を測定してベントを通る流れのインジケータを提供するための歪みゲージを含むことによって、フローメータとして動作することができる。歪みゲージトランスデューサによって生成される信号は、圧力とともに、ベントを通るガス流を決定するのに用いられる。
【0023】
本発明の他の実施形態では、整流ベントは、フラップの自由部が固定ハウジングに対して任意の範囲内で動くことができるように固定ハウジングに係合する、あるいは取り付けられた部分を有する可撓性のあるフラップ部を有する。このフラップの一つの側は、CPAPシステムマスクが用いられる時に加圧されるマスクシェルの内側あるいはガス流管にさらされており、他の側はベントの大気側に向いて配置されている。
【0024】
ハウジングは、フラップの自由部の下に位置するベント開口部を有しており、ベント開口部を取り囲むハウジングの一部は湾曲している。可撓性ではあるが、フラップはある程度のもともとの剛性を有しており、それによりフラップの曲げに対するばね弾性力が提供される。リラックス状態では、フラップの自由部はベント開口部を覆われていない状態にし、ベント開口部とフラップとの間のガス流面積は最小である。CPAPシステムが使用されるときには、フラップのばね弾性力に対する力が作用して、フラップの自由部はベント開口部の方に動く傾向がある。マスク圧の増加とともにフラップの自由部がベント開口部に近づくように動くと、それはハウジングの湾曲面に沿って、ベント開口部を徐々に閉じていき、ベント開口部とフラップとの間のガス流面積を減少させていく。増加するマスク圧と減少するガス流量領域との相互作用は、一定のガス流量領域のベントで実現される流れと比較して、ベントを通るガス流量を減少させるように働く。
【0025】
本発明の整流ベントの他の実施形態は、息を吐いている間に補助呼気ベント開口部を開放して、大気へのより多くの呼気ガス流を可能にする。ある実施形態は、呼息終了時にガス回路内に保持されている呼気ガスを減少させる、あるいはなくすような再呼吸防止あるいは窒息防止バルブ機能を有してもよい。これらの実施形態は、ユーザが呼気ガスを再呼吸する機会をなくすか、少なくとも減少させるという望ましい目的に役立つ。
【0026】
さらに他の実施形態では、本発明のベントは、マスク内で保持されるCOを含む呼気を望ましいレベルとすることを促進するように構成することができる。保持の望ましいレベルは、いくらかのCOの保持が患者自身の余分なCOの呼気に対向するように作用する場合に、処方された治療を補強するように管理される。
【0027】
本発明の整流ベントは単純かつ安価に製造することができるが、効果的で、容易に合わせることができる整流を提供する。整流ベントは、高圧でのフロージェネレータからの必要とされるガス流の体積を減らすとともに、それゆえにフロージェネレータの動作出力をも減らすことによってCPAPシステムの動作雑音を減少させる。またベントは、COおよび他の吐き出されたガスの再呼吸を減少させ、より速い圧力上昇時間を提供し、CPAPシステムの有効性および患者のCPAP治療への適合性を高める。
【0028】
この発明は、以下の図面と関連して詳細に説明される。図面において、同じ参照符号は同じ要素を示している。
【0029】
即ち、本発明の第1の形態によると、加圧されたガスの供給源からの流れを整える整流ベントであって、ガス供給管に係合するように適合された固定部と、前記加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢された可動部と、前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジとを備えており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動されて前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立する位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の動作圧で前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させ、それにより前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立する位置であることを特徴とする。
【0030】
前記固定部および前記可動部は一つの材料片から単一体として形成されていてもよい。
【0031】
前記可動部は、それを貫く少なくとも一つのブリード開口部をさらに有しており、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ、前記ベントを通る最小の流出流を提供してもよい。
【0032】
前記固定部は、それを貫く少なくとも一つのブリード開口部をさらに有しており、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ、前記ベントを通る最小の流出流を提供してもよい。
【0033】
前記可動部は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間を連続的に回動可能であってもよい。
【0034】
前記ばね力は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間で連続的に増加させてもよい。
【0035】
前記ばね力の増加の割合は、圧力が前記特定の最小動作圧から前記特定の最大動作圧まで増加して前記可動部が前記リラックス位置から前記完全に加圧された位置まで回動するときに、前記ベントを通る実質的に固定された流量を提供するように設定されていてもよい。
【0036】
前記ばね力の増加の割合は、前記可動部の剛性および前記可動部上の表面圧力勾配の少なくとも1つに影響を及ぼす前記可動部上の少なくとも1つの開口によって少なくとも部分的に決定されてもよい。
【0037】
前記ばね力の増加の割合は、前記ヒンジの断面積によって少なくとも部分的に決定されてもよい。
【0038】
前記固定部と前記可動部との間に搭載された、前記可動部の前記位置を測定し、前記ベントを通る流れのインジケータを提供する歪みゲージをさらに備えていてもよい。
【0039】
前記整流ベントは前記ガス供給管と前記整流ベントとの間に位置するように適合されたベース部をさらに備えており、前記ベースは、前記ガス供給管と前記整流ベントとの間のガスの行き来を提供するように前記ベースを貫く少なくとも1つの開口部を有しており、前記ベースはまた、前記固定部の周囲を支持する少なくとも1つの支持面も有していてもよい。
【0040】
前記整流ベントは、前記ベース部に係合して前記整流ベントを前記ベース部との間に固定するように適合されたカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記整流ベントと大気との間のガスの行き来を提供する、前記カバーを貫く少なくとも1つの開口部を有していてもよい。
【0041】
前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときに、前記可動部および前記固定部は、互いに実質的に同一平面状にあってもよい。
【0042】
前記ヒンジは、前記ばね力の少なくとも一部を提供するようにしてもよい。
【0043】
本発明の第2の形態によれば、大気圧より上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記マスクは、前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されたシェルと、前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されたガス供給管と、整流ベントとを備えており、前記整流ベントは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続された固定部と、前記加圧ガス供給源に流れが接続された、ばね力が付勢された可動部と、前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジとを有しており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は、1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動されて前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立する位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の最大動作圧で前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させて前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立する位置であることを特徴とする。
【0044】
前記固定部および前記可動部は、1つの材料片から単一体として形成されていてもよい。
【0045】
前記可動部は、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ前記ベントを通る最小の流出流を提供するように、前記可動部を貫く少なくとも1つのブリード出開口部をさらに有していてもよい。
【0046】
前記固定部は、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ前記ベントを通る最小の流出流を提供するように、前記固定部を貫く少なくとも1つのブリード開口部をさらに有していてもよい。
【0047】
前記可動部は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間を連続的に回動可能であってもよい。
【0048】
前記ばね力は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間で連続的に増加してもよい。
【0049】
前記ばね力の増加の割合は、圧力が前記特定の最小動作圧から前記特定の最大動作圧まで増加して前記可動部が前記リラックス位置から前記完全に加圧された位置まで回動する時に前記ベントを通る実質的に固定された流量を提供するように設定されていてもよい。
【0050】
前記ばね力の増加の割合は、前記可動部の剛性および前記可動部上の表面圧力勾配の少なくとも1つに影響を及ぼす前記可動部上の少なくとも1つの開口によって少なくとも部分的に決定されていてもよい。
【0051】
前記ばね力の増加の割合は、前記ヒンジの断面積によって少なくとも部分的に決定されてもよい。
【0052】
前記固定部と前記可動部との間に搭載された、前記可動部の前記位置を測定し、前記ベントを通る流れのインジケータを提供する歪みゲージをさらに備えていてもよい。
【0053】
前記マスクは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に係合してそれとの間に前記整流ベントを固定するように適合されたカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記整流ベントと大気との間のガスの行き来を提供する、前記カバーを貫く少なくとも1つの開口部を有していてもよい。
【0054】
前記ヒンジは、前記ばね力の少なくとも一部を提供してもよい。
【0055】
本発明の第3の形態によれば、大気圧より上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記マスクは、前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されたシェルと、前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されたガス供給管と、整流ベントとを備えており、前記整流ベントは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続された固定部と、前記加圧ガス供給源に流れが接続された、ばね力が付勢された可動部と、前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジであって、前記固定部および前記可動部と1つの材料片から単一体として形成されているヒンジとを有しており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は、1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動される位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の最大動作圧で、前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立するように、前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させる位置であることを特徴とする。
【0056】
本発明の第4の形態によれば、加圧ガス供給源からの流れを整える整流ベントであって、ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有しているハウジングと、前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力が付勢されたフラップであって、前記ハウジングに接続された第一の部分と、リラックス状態において前記ハウジングから離れるように前記ばね力によって回動されて前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立する可動部とを有するフラップとを備えており、前記加圧ガス供給源の圧力の増加は、前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記可動フラップ部の増加していく部分を前記ハウジングの前記湾曲面と接触するように動かして、それにより前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減らすことを特徴とする。
【0057】
前記ハウジングに接続されている前記フラップの前記第一の部分は、前記フラップの第一の端であり、前記フラップの前記可動部は、前記フラップの前記第一の端の外側寄りであってもよい。
【0058】
前記ハウジングに接続されている前記フラップの前記第一の部分は、前記フラップの中央部であり、前記可動フラップ部は、前記フラップの前記中央部の外側寄りの前記フラップの両端を含んでいてもよい。
【0059】
前記ベント開口部は、矩形状の断面を有していてもよい。
【0060】
前記ベント開口部は、互いに間隔をおいて配置されている複数の個別の開口部を備えており、前記湾曲面に接触するように動かされる前記可動フラップ部の前記増加していく部分は、増えていく数の前記個別の開口部を徐々に塞いでいてもよい。
【0061】
前記ハウジングはカバーの形状であって、前記加圧ガス供給源に流れが接続されたベントチャンバを覆うようにしてもよい。
【0062】
前記ベントチャンバハウジングは、前記加圧ガス供給源と、前記加圧ガスを人間に供給するためのマスクとを相互に接続する旋回式エルボージョイントに取り付けられていてもよい。
【0063】
前記湾曲面の局率半径は、21mmよりも大きくしてもよい。
【0064】
前記湾曲面の前記曲率半径は、26mmと41mmの間であってもよい。
【0065】
前記湾曲面の前記曲率半径は、約35mmであってもよい。
【0066】
前記フラップの前記可動部の偏向角は15度と25度の間であってもよい。
【0067】
前記フラップはポリエステルフィルムから構成されていてもよい。
【0068】
前記ベント開口部が閉じているとき前記大気への最小限のガス流を提供するように前記固定ブリード開口部をさらに備えていてもよい。
【0069】
前記ハウジングは、前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクの少なくとも1つのフローポートに取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0070】
前記整流ベントは前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクをさらに備えており、前記整流ベントは前記マスクに接続されていてもよい。
【0071】
前記フラップにガス流を拡散するように前記加圧ガス供給源と前記フラップとの間に配置されたディフューザをさらに備えてもよい。
【0072】
前記湾曲面の局率半径は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間に位置する前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で変化させてもよい。
【0073】
前記湾曲面の前記曲率半径は、前記少なくとも1つの変化点で増加させてもよい。
【0074】
前記湾曲面の前記曲率半径は一回より多く増加させてもよい。
【0075】
前記ベント開口部の幅は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間に位置する前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で減少させてもよい。
【0076】
前記フラップの厚さは前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で減少させてもよい。
【0077】
前記ベント開口部の幅は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間の前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で変化させてもよい。
【0078】
前記ベント開口部の前記幅は前記少なくとも1つの変化点で減少させてもよい。
【0079】
前記ベント開口部の幅は、一度より多く減少させてもよい。
【0080】
前記フラップの厚さは、前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で減少させてもよい。
【0081】
前記フラップの厚さは、前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で変化させてもよい。
【0082】
前記フラップの前記厚さは、前記少なくとも1つの変化点で減少させてもよい。
【0083】
前記フラップの前記厚さは、一度より多く減少させてもよい。
【0084】
本発明の第5の形態によれば、加圧ガス供給源からの流れを整える整流ベントであって、ベント開口部と、前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力が付勢されたフラップであって、前記加圧ガス供給源に面する第一の側と、前記ベント開口部に面する対向する第二の側と、前記ハウジングに係合する2つの端部と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ベント開口部から離れる方向に前記ばね力によって回動される中央可動部とを有しているフラップと
を備えており、前記加圧ガス供給源の圧力増加は、前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記フラップの前記中央可動部を前記ベント開口部の方に動かし、それにより、前記加圧されたガスが前記フラップの前記第一の側から前記フラップの前記第二の側へ全詭ベント開口部を通って流れるための前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させることを特徴とする。
【0085】
前記ベント開口部は矩形状の断面を有していてもよい。
【0086】
前記ベント開口部は、互いに間隔をあけて配置されている複数の個別の開口部を備えていてもよい。
【0087】
前記ハウジングは、前記加圧ガス供給源に流れが接続されているベントチャンバハウジングを覆うようにカバーの形状であってもよい。
【0088】
前記ベントチャンバハウジングは、前記加圧ガス供給源と前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクとを相互に接続するエルボージョイントに取り付けられていてもよい。
【0089】
前記湾曲面の曲率半径は21mmより大きくしてもよい。
【0090】
前記湾曲面の前記曲率半径は26mmと41mmの間であってもよい。
【0091】
前記湾曲面の前記曲率半径は約35mmであってもよい。
【0092】
前記フラップの前記可動部の偏向角は15度と25度の間としてもよい。
【0093】
前記フラップはポリエステルフィルムから構成されていてもよい。
【0094】
前記ベント開口部が閉じているときに前記大気への最小限のガス流を提供するように固定ブリード開口部をさらに備えていてもよい。
【0095】
前記ハウジングは、前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクの少なくとも1つのフローポートに取り外し可能に取り付けられるようにしてもよい。
【0096】
前記フラップへガス流を拡散するように、前記加圧ガス供給源と前記フラップとの間に配置されたディフューザをさらに備えていてもよい。
【0097】
前記整流ベントは前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクをさらに備えており、前記整流ベントは前記マスクに接続されていてもよい。
【0098】
本発明の第6の形態によれば、大気圧よりも上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されているシェルと、前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されているガス供給管と、整流ベントとを備えており、前記整流ベントは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続されたハウジングであって、ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、前記加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢されたフラップであって、前記ハウジングに接続された第一の部分と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ハウジングから離れる方向に前記ばね力によって回動される可動部とを有しているフラップとを有しており、前記加圧ガス供給源の圧力増加は前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記可動フラップ部の徐々に増えていく領域を前記ハウジングの前記湾曲面に接触させ、それによって前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させることを特徴とする。
【0099】
本発明の第7の形態によれば、大気圧よりも上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されているシェルと、前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されているガス供給管と、整流ベントとを備えており、前記整流ベントは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続されたハウジングであって、ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力によって付勢されたフラップであって、前記加圧ガス供給源に面する第一の側と、前記ベント開口部に面する対向する第二の側と、前記ハウジングに係合する2つの端部と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ベント開口部から離れる方向に前記ばね力によって回動される中央可動部とを有しているフラップとを有しており、前記加圧ガス供給源の圧力増加は前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記フラップの中央可動部を前記ベント開口部の方に動かし、それによって、前記加圧されたガスが前記フラップの前記第一の側から前記フラップの前記第二の側へ前記ベント開口部を通って流れるための前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させることを特徴とする。
【0100】
本発明の第8の形態によれば、ガスを含んでおり、第一の圧力に加圧された内部と第二の圧力に加圧された外部とを有するチャンバにおいて、開口部を通る空気の流れを整えるバルブが設けられており、前記バルブは固定部に回動可能に接続されたばね力によって付勢された可動部を有しており、前記可動部と前記開口部との間にガス流面積を生成し、前記可動部は、(1)前記ガス流面積が第一の値を有するリラックス位置と、(2)前記第一の圧力が最大の特定の動作圧力であるときに、前記第一の圧力と前記第二の圧力との圧力差が前記ばね力を相殺して、前記ガス流面積が前記第一の値よりも小さい最小値となるように前記固定部に隣接する位置に前記可動部を回動させることを特徴とする。
【0101】
本発明の第9の形態によれば、ガスを含んでおり、第一の圧力に加圧された内部と第二の圧力に加圧された外部とを有するチャンバにおいて、開口部を通る空気の流れを整えるバルブが設けられており、前記バルブは、前記開口部との間にガス流面積を生成する弾性的に曲げることが可能であるカンチレバーフラップを有しており、前記カンチレバーフラップは、(1)前記ガス流面積が第一の値を有するリラックス位置と、(2)前記第一の圧力が最大の特定の動作圧であるときに、前記第一の圧力と前記第二の圧力との圧力差が前記フラップの弾性を相殺して、前記ガス流面積が前記第一の値よりも小さい最小値となるように前記固定部に隣接する位置に前記フラップを曲げることを特徴とする。
【0102】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明の効果】
【0103】
上記説明から明らかなように、本発明のマスクによれば、CPAPシステムの制御アルゴリズムの動作パラメータにより適合するようにマスクの通気特性を変えることができるベントを構成して作製することができる。また、CPAPシステムの圧力動作範囲の一部あるいは全体で起こる圧力変化に応じて変化する流れ領域を有するベントを生成する通気システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0104】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求項にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0105】
整流ベント10が図1〜3に示されており、この実施形態においては円形である。整流ベント10は、単一のシート材料から構成されており、単一ヒンジ16によって一端で固定部14に回動可能に取り付けられている可動部12を備えている。可動部12は外周18を有しており、示されている本実施形態では、外周18は実質的に円形である。固定部14は開口部20を有している。示されている本実施形態においては開口部20も実質的に円形であり、外周18の直径よりもわずかに大きい直径を有しており、可動部が完全に加圧された位置にあるときに外周18との間に隙間22を提供する。完全に加圧された位置にあるときのベント10の側面図を示している図2を参照されたい。可動部12は1つ以上のブリード開口部24を任意で有してもよく、固定部14は1つ以上のブリード開口部26を任意で有してもよい。
【0106】
図4は、ベース部30およびカバー40と組み合わせられた整流ベント10を分解斜視図で示している。ベース部30は、患者50の口および/または鼻孔を覆う呼吸用マスクシェル32の一体部分(図7参照)か、加圧ガス供給部にシェル32を接続するガス流チューブまたは管34の一体部分(図8参照)であり得る。あるいは、ベース部30を、シェル32またはチューブ34に取り付け可能である別のユニットとすることもできる。ベース部30は、ベント10の外周を支持する支持リング36と、ベント10を加圧ガス供給部に接続するための1つ以上の開口部38とを備えている。あるいは、ベース部の底部分を、マスクシェルあるいはガス管に対して開放することもできる。しかし、マスクシェルの内部からのベント10のアクセスを減らし、かつマスクシェルの内部からベント10への突発的な損傷を防ぐようにベント10をマスクシェルに取り付けるときには、開口部38を有する床を利用することが好ましい。カバー40はベース部30上にはまって、ベントを適切な位置に固定するようにベース部30に接続される。カバーは、ベント10から大気へガスを出すための1つ以上の開口部42を有する。開口部38および42の数、サイズ、位置および形状は、特定の用途に関してガス流および雑音のレベルを変えるのに適切であれば変更されてもよい。好ましい実施形態において、カバー40は雑音レベルを低減するために18個の直径1.2mmの開口部を有している。あるいは、カバー40は、ワイヤーメッシュまたは、2000年5月15日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/570907号にしたがうような他のメッシュから形成されてもよい。この米国特許出願第09/570907号は現在未公開であり、その内容はここで援用される。カバーは、スナップ式、ねじどめ、あるいは接着を含むいかなる公知の方法でベース部に取り付けられることができる。スナップ式の接続またはねじどめによる接続は、ベント10の洗浄あるいは交換を容易にするので好ましい。図4および5は、支持リング36上の突起44を示している。突起44は、カバー40の内部のへこみ46と係合してスナップどめを提供することができる。
【0107】
図5、7および8においてわかるように、リラックス位置では、ベント10の可動部12(点線で示されている)は固定部14から離れるようにマスクシェル32あるいはガス供給チューブ34の方に、すなわち加圧ガス供給部の方に大気から離れるように回動される。
【0108】
ここで整流ベント10の動作を説明する。最低のCPAP動作圧、例えば2〜4cmHOでの最小の安全なガスの流量では、可動部12は、スプリングヒンジ16からの力によって、固定部14から離れる方向に加圧ガス供給源の方に回動されたリラックス位置へと付勢されている。図3、7および8を参照されたい。これにより可動部12と開口部20との間に最大のガス流の面積が提供される。したがってこのような低圧でも、マスクシェル32から大気へとガスが容易に出て行くことを可能にする流れの面積は最大となる。またこの設計は、低圧または圧力がかかっていないときに大きなガス流面積で大気に対して開放されるように設計された窒息防止バルブとしても作用する。例えば、フロージェネレータが故障のために動作を停止すると、ベント10は開いたままであり、呼吸停止の危険、あるいは患者がそれに気づくことさえも減らしつつ、患者が呼吸しつづけることを可能としている。窒息防止の効果を得るためには特定の流れの面積が要求され、それは、通常の動作中の圧力範囲の一番下の圧力を実現するのに必要であるよりも一般的には大きい。したがって窒息防止の実施形態は、システム内で圧力がかかっていないときに(電源あるいはフロージェネレータの故障が生じたとき、および窒息防止効果が要求されるときのような場合と同様に)完全に露出され、適切な窒息防止効果を提供するようなより大きな流れの面積を含むように設計され得る。そして、その特定の流れの面積は、CPAPシステムが最低/より低い圧力範囲で意図されているように動作するときにいくらか閉じられ、そこから可動部は圧力増加とともに設計されているように流れの面積を減少させ続ける。
【0109】
しかしながら、CPAP圧が増えると、可動部12の表面にスプリングヒンジ16の力と反対方向に作用し、かつ可動部12を固定部14の方に移動させるように力が働く。この作用によって、可動部12と開口部20との間のガス流路面積が継続的に減少される。一旦設計上の最大動作圧に達すると、可動部12と開口部20との間のガス流の面積は最小となる。圧力がさらに増加しても、ガス流の面積をさらに減少させるには至らない。好ましい実施形態において、可動部12と固定部14とが基本的に同一平面上にあるとき、すなわち同じ平面上に配置されているときに最小ガス流路面積が得られ、開口部20と可動部12の外周28とのギャップ22が最小となる。図2を参照されたい。
【0110】
したがって、本発明によって、ガス供給圧が高まると、ガスがCPAPシステムから大気へと逃げるのを可能にするガス流路面積が低減される。このようにして、CPAPシステムからのガスのトータルの流量は、ガス圧が高まっているとしても、(ガス流路面積固定のベントと比べて)低減される。CPAPシステムの特定の動作圧範囲内で整流ベント10を適切に調整することによって、特定の動作圧範囲にわたって実質的に平坦である流量曲線を含む所望の流量曲線を得ることができる。他の実施形態では、もし特定の用途が増加していく流量曲線あるいは減少していく流量曲線、あるいはその特定の動作範囲内の異なる領域で平坦、上昇および下降曲線の異なる組み合わせをも保証するのであれば、整流ベント10を、増加していく流量曲線、あるいは減少していく流量曲線をも提供するように調整することができる。
【0111】
別々に用いられたり、組み合わせて用いられたりする何通りにも変わるCPAPシステムの要件に応じて異なる流量曲線を実現するように整流ベント10を調整することもできる。一般的に、このような調整は、最大ガス流路面積と最小ガス流路面積との比率、および/あるいはガス圧の関数としての動きに対する可動部12の抵抗を変更することによって実現することができる。したがって、ベント10は、1)リラックス位置における固定部14に対する可動部12の回動角を変更する、2)可動部12の外周18に対する開口部20の面積の比を変更する、3)開口部20および/あるいは外周18の形状またはサイズを変更する、4)異なる剛性を提供するようにベントの材料を変える、5)剛性を変えるようにベント0の厚さを変更する、および/あるいは6)剛性を変えるためにヒンジ16の断面積および/あるいは構成を変更することによって調整することができる。ベントの調整を変えるのに、例えば、金属から形成されているベントに対する異なる熱処理工程を含む他の方法を用いることもできる。
【0112】
また、様々な形状の1つ以上の開口を可動部12上に設けて、可動部12の剛性および/あるいは加圧されたガスにさらされたときの可動部12上の表面圧力勾配を変更することができる。当然のことながら、開口部20と外周18との間のクリアランスによっては提供されないような所望の最低限の流出量が望まれる場合には、1つ以上のブリード開口部24および/または26を可動部、固定部にそれぞれ設けることができる。さらに、それぞれの可動部開口部に関連して異なる動作パラメータを有する、あるいは可動部12自体の上に第2の可動部/開口部の組み合わせを提供するような複数の可動部を用いることによってマルチステージベントを提供することも意図される。また、これらの代替例のいずれにおいても、どちらかの方向における可動部の移動を積極的に制限するように固定部、可動部のいずれかの上にポジティブオペレーティングストップを設けることが望ましい。しかしながら、ポジティブストップの使用は、それらを付加することが、雑音を考えられる程度まで増加させることにつながる場合には避けられることがある。
【0113】
好ましい実施形態においては、ベント10はステンレス鋼あるいは他の金属あるいはプラスチックといった材料の単一のシートから構成される。しかし剛性、可撓性、ばねとしての性質、および曲げ疲れに対する耐性の所望の組み合わせを示す他の材料も用いることができる。
【0114】
このような実施形態において、ベントは、スタンピング、レーザ切断、ウォータージェット切断、および成型あるいは他の方法によって形成することができる。好ましい実施形態では、ベントは、オーバーヘッドプロジェクタの透明原稿用に従来から用いられているタイプの0.1mmの厚さのポリエステルフィルムの1つのシートから切り出される。このようなフィルムは、オーストラリアのオービットカンパニー、および3Mやゼロックスといった他のサプライヤから入手することができる。この実施形態においては、可動部は13mmの外径を有し、固定部は20mmの外径を有し(これは重要ではないが)、可動部と固定部との間のギャップは0.2mmである。
【0115】
ベントの形状は円形である必要はなく、いかなる所望の形状とすることができる。この形 状は、それが正しい向きで、すなわちリラックス位置で可動部12を大気の方にではなく、マスク/ガス供給管の方に回動させた状態でのみ基礎部に位置することができるように非対称であってもよい。あるいは、可動部の外縁に非対称に配置されたノッチあるいはタブを設けて、基礎部に設けられた同様に配置されたタブ/ノッチと係合させることによってベントの正しい向きを保証することもできる。他の実施形態では、可動部および固定部は、どちらかに設けられたヒンジの使用によって、あるいは別個のヒンジの使用によって互いに連結された別個の部品であってもよい。また、可動部の動きに対する抵抗は、補助ばね部材を用いることによって増加させることができる。補助ばね部材は、単純な形状では、単に、ヒンジ16上に配置され、ヒンジ16に取り付けられた堅い材料の付加的な部分とすることができる。ベント10の上方に容易に取り外し可能であるカバー40を設けることによって、単にベント10を異なる動作パラメータを有する他のベントに交換するだけでマスクの流量特性を簡単にかつ安価に個々の治療上の必要性に合わせることができる。また、大気に対する開口部を有する可換フラップおよびカバーを代えて、動作パラメータを変えてもよい。
【0116】
また、ベントは、本実施形態のように基本的に平坦である必要はなく、適切な異なる外形を有することができる。例えば、ベントは凸状または凹状の形状を有してもよい。さらに、可動部および/あるいは固定部の厚さを厚くすることができ、開口部および/または可動部の縁を、雑音をより減少させることを可能にしつつベントを通ってより滑らかなガス流を提供するように丸めることもできる。このような一実施形態において、図9に示すように、完全に加圧された位置で、ベント110の可動部112の丸められた外周118は、固定部114の開口部120の丸められた内側の縁に、この2つの部分の対向する表面を補完するように構成した状態で重なり、それらの間のギャップ122を通る気流を滑らかにすることができる。このように厚くして丸めた実施形態では、可動部および固定部は、好ましくは別々の構成要素として製造され、異なる材料から形成され得る別個のヒンジによって回動可能に一つに連結される。例えば、可動部112および固定部114を成型されたプラスチックから、ヒンジ116を金属から形成して、接着剤で他の構成要素に取り付けることができる。完全に加圧された位置でこの2つの部分が互いに接触する場合には、小さい重合体のバンパーをギャップ122内で可動部112および固定部114の一方に取り付けて雑音を減少させることができる。
【0117】
好ましい実施形態において、ベースおよびカバーは、マシングレードポリカーボネイトから形成され、好ましくは透明である。このような材料は、オーストラリアのシドニーにあるドットマーカンパニーから入手することができる。他の材料には、ベイヤーAGによるベイヤーマクロロン2458クリアポリカーボネイトがある。他のサプライヤからのほかの材料を用いることもできる。
【0118】
図11は、整流ベントアセンブリの他の実施形態の分解斜視図を示している。この実施形態では、カバー40に取り付けあるいは成型されたピン62が可動部12の縁と接触して、可動部をリラックス位置に押し開ける。ピン62は好ましくは、可動部12の縁でヒンジ16から可動部12の周囲約30°のあたりに配置される。カバー40のスロット66に係合する固定部14のタブ64によって、可動部12はピン62に対して正しい回転向きにされる。ピン62の高さは可動部を所望の高さに持ち上げるように決定されている。ピン62は、マスク内の圧力が上昇し始めて可動部が閉じ始めるまで、可動部を開放位置に保持する。可動部およびヒンジは比較的可撓性を有しているので、可動部は曲がって完全に加圧された位置の方に動く。この実施形態では、加圧された位置において可動部が固定部と完全に同一平面にくることをピン62が防ぐ。にもかかわらず、ベントを通る実効流路面積は、圧力が増えるにつれてベントを通る流量を減らすのに十分なだけ、依然として減らされている(従来の固定面積のベントと比較して)。この実施形態の利点は、ピン62の使用によって可動部が開放位置、リラックス位置に正確に位置決めされることであり、これはベントを薄いプラスチックから形成する場合に重要である。したがって、可動部は開放された状態に予め形成される必要がなく、ピンが可動部を開放された状態に動かす状態で、閉じられた状態に予め成型することができる。この実施形態の他の利点は、ベントを、どちらかの側がマスクに向かって配置されるように左右対称にすることができるということである。他の実施形態では、ピン62を湾曲したあるいは傾斜したランプで置き換えることができる。
【0119】
上述した好ましい実施形態は固定部の内部に位置する可動部を使用しているが、ベントの外側の部分が可動で内側の部分がベース部あるいはカバーに対して固定されているような反対の構成を用いることも考えられる。また、ここで論じた代わりとなり得る構成の異なる組み合わせを用いて異なるベントの実施形態を作り出すことも考えられる。図10は、従来のベントを有するCPAPマスク「A」および「B」と好ましい実施形態の性能の比較を示している。わかるように、従来のマスク「A」および「B」は急激に上昇する流量曲線を有しているのに対して、本発明のベントを用いているマスクはより急峻ではない流量曲線を有している。したがって、16cmHOで、本発明の整流ベントを用いているマスクは、16cmHOでの従来のマスク「A」の流量の下限の約半分の流量を有し、16cmHOでの従来のマスク「B」の平均流量の半分より少ない流量を有している。
【0120】
レスメッドリミテッドによるVPAPIIのようなバイレベルCPAPでは、本発明のベントを用いると、従来の固定面積のベントを用いているマスクと比較して、患者が息を吸い始めた時点から目標のマスク圧まで上昇する時間が短くなることがさらなるテストからわかる。もし圧力上昇の時間が長過ぎると、患者は吸息時に十分な空気を得ていない感じを受ける。したがって上昇時間はより短い方が好ましい。あるテストでは、従来のマスクの300msと比較して、本発明のベントについての上昇時間は約250msであった。CPAPシステムに本発明のベントを組み入れることでより向上した上昇時間特性を実現することは、フロージェネレータの性能を上げることによって同じ効果を実現することのより安価な代替である。
【0121】
マスク内の圧力が比較的一定に保たれることが望まれるようなCPAPモードでは、本発明のベントは、従来の固定流路面積のベントのように、それを行うのに効果的である。したがって本発明のベントは一定圧のCPAPに適合しており、本発明のベントは、治療期間の間任意の患者に対して圧力が固定されたままであるにも関わらずCPAPシステムが圧力範囲にわたって吐き出されるガスを適切に流し出すことを確実に実現するために用いられてもよい。さらに、フロージェネレータが止められているモードでは、テストから、本発明のベントは効果的な窒息防止バルブとして動作し、マスクからガス供給管34を取り除くことによってマスクが大気に対して開放されている場合と実質的に同一のマスク圧を提供することがわかる。これは、フロージェネレータの不調の場合に、窒息の危険性、あるいはそれを患者が認知することを減らすために特に重要である。
【0122】
本発明の整流ベントはマスク内の圧力が増えるにつれてベントの流路面積を減らすように動作し、それにより従来の固定面積のベントと比べてベントの流量を減少させる。これは、ベントの可動部を増加していく圧力に対して徐々に動かして、ベントの可動部とベントの固定部との間の流路面積を徐々に減らしていくことによって達成される。可動部を徐々に動かすことは、圧力増加に伴う可動部の動きに徐々に抵抗するように可動部にばね力を及ぼすことによって達成することができる。
【0123】
本発明の改変例において、歪みゲージ60を可動部12と固定部14との間に公知の手段によって状況に応じて取り付けて、可動部12と固定部14との間の回動角を決定することができる。図1〜3を参照。ベント10がプラスチックから構成されている場合、歪みゲージをベント10に埋め込むこともできる。回動角の測定はベント10の動作パラメータおよびガスの圧力と関連して行われるが、これをベントを通る流れを計算するのに用いることができ、したがってベントを流量計として機能させることが可能である。回動角を示す信号はベントの近傍、例えばマスク、ガス供給管あるいはマスクを固定するヘッドギア上に配置されたプロセッサによって処理することができる。あるいは、プロセッサをベントから少し離して、例えばフロージェネレータあるいは他の位置に配置してもよい。全ての例において、ベント近傍からプロセッサへの回動角を示す信号の伝達は、導線、光学的あるいは無線伝送といったいかなる適切な手段によっても実現され得る。
【0124】
本発明の他の実施形態を図12に示す。この実施形態では、整流ベント150は、第一の端156で固定ハウジング154に取り付けられたフレキシブルフラップ部152を有しており、フラップ152の自由端158はハウジング154に対して任意の範囲内で動くことができる。したがって、フラップは第一の端156を固定し、自由端158を動くことができるようにした状態のカンチレバーアームとして動作する。ハウジング154はマスクシェルまたはガス流管に接続されている。ベントハウジング154は、マスクシェルまたはガス流管に取り付け可能な別個の構成要素であってもよく、あるいはこれらの構成要素と一体であってもよい。フラップ152の側面153は、マスクを使用する時に外部の大気圧とは異なる圧力に加圧される、マスクシェルまたはガス流管の内部チャンバに露出されている。フラップの側面155はベント150の大気側の方に位置している。ハウジング154は、フラップ152の自由端158の下方に位置するベント開口部160を有している。ハウジング154のベント開口部160を取り囲む部分は湾曲しており、単一の軸の周りに曲率半径162を有する面161を提供する。この面161でフラップ152はハウジング154と接する。図12に示すように、フラップ152は、ベント開口部160が完全に覆われておらず、ベント開口部160とフラップ152との間のガス流の面積が最大となるようなリラックス状態にある。
【0125】
可撓性を有してはいるが、フラップ152は、フラップ152の曲げに抵抗し、フラップの曲げに対してばね抵抗を提供するようなある程度の本来の剛性を有している。マスク使用時には、フラップ152のばね抵抗に対抗する力が働いて、フラップ152の自由端158をベント開口部160の方に動かす。マスク圧の上昇とともにフラップ152の自由端158がベント開口部160に近づいていくと、自由端158はハウジング154の面161の曲率半径162にしたがい、ベント開口部160を徐々に閉じ、ベント開口部160とフラップ152との間のガス流の面積を減らす。リラックス状態とベント開口部160が完全に覆われている状態との間でフラップ152が動くことができる量は、度で測定可能である最大偏向角164として示される。前の実施形態に関して上述したように、上昇していくマスク圧と減少していくガス流面積との相互作用は、標準的な固定流路面積のベントと比較してベント150を通るガス流量を減らすように働く。
【0126】
マスク圧とガス流路面積との異なる関係を提供するようにベント150を調整することができる。このような調整は、より大きな曲率半径によって、フラップ152が、より小さな曲率半径162と比較して低いマスク圧のもとでベント開口部162を徐々に閉じることが可能となる場合に、フラップ152の厚さ、フラップ152が形成される材料、あるいは曲率半径162を変えることによって達成される。湾曲面161は凸状であるものとして示されている。しかしながら他の実施形態では凹状湾曲面を用いることもできる。図13は、フラップが完全にベントを閉じるような与えられた圧力についての曲率半径と偏向角との関係を示している。他の曲率半径および偏向角を用いることができるが、グラフは曲率半径が21mmよりも大きく、15度と25度との間の偏向角に対して26mmと41mmとの間であることを示している。一端で固定されたフラップの屈曲は、次の式で規定される。
【0127】
1/r=LW/(2EI)・・・(式1)
【0128】
ここで、r=曲率半径、L=初期位置からベント開口部を閉じるまで偏向するフラップ長、W=単位長さあたりの一様な負荷(空気圧×表面積/長さ)、W=Pb。ここで、P=マスク空気圧、b=フラップの幅、E=フラップ材料の弾性率、I=フラップの部分の慣性モーメント、I=bt3/12。ここで、t=フラップの厚さ。Lは弧の半径および角度で表すこともできる。L=ra。ここで、a=偏向角(ラジアン)。
【0129】
式1にLを代入して、角aについて解くと、フラップの偏向角について次の式が導かれる。
【0130】
a=(Et/6Pr1/2・・・(式2)
【0131】
本実施形態のベント150は、低い圧力の時により大きな通気流を必要とするマスクとともに用いられるためのものである。ベント150は単独で動作するように設計することもでき、あるいは固定された流路面積のブリード開口部のような固定ブリードと組み合わせて動作するように設計することもできる。ベント150が単独で動作する場合、ベント150は、好ましくは、通常の動作条件でフラップ152が完全にベント開口部160を覆ったりせず、ベント150を十分に閉じるように設計される。
【0132】
フラップ152をマスク内の圧力変化に素早く反応する軽量の材料で構成することが好ましい。しかしながら、材料は、マスクの圧力変化に対してばね付勢を提供するのに十分な堅さを有していなければならないが、ベント開口部の開閉によって繰り返し与えられる交互応力から疲れ破損を防止するように、フラップの許容応力は、好ましくは材料の疲れ限度を下回るように設計される。好ましくは歪みは、クリープ障害を防ぐために最大偏向のときに1%を下回るように設計される。材料の厚さ、材料の特性およびハウジングの曲率半径は、主にフラップ152の応力と歪みとを制御し、これらのパラメータのうちの1つ以上はフラップの応力および歪みを調整するために変更可能である。好ましくはフラップ材料は、薄いフィルムから形成され、医療用途として受け入れられるグレードのものから形成される。材料の厚さの許容誤差は、性能の変動を低減するためには10%よりも小さいことが好ましい。
【0133】
ハウジング154の湾曲面161は、フラップ152が完全に閉じたときに気密封止が実現されるように8ミクロンか、それよりよい高級な仕上げで、かつ、でこぼこがないように形成されることが好ましい。ベント開口部160は、矩形の窓あるいはグループ分けされた小さい開口部を含むどのような所望の形状であってもよい。矩形のように一定の幅および長さの対称な形状の開口部を用いると、フラップがベント開口部を徐々に閉じていく時のベント開口部の断面積の減少がより一様になる。しかしながら、一定ではない幅および/あるいは長さの開口部の使用は、マスク圧が変化する時のベント150を通る全体の流量を具体的に調整するのに用いることができる。空気の雑音を減らすためにはベント開口部160に関して最小で0.5mmの隅肉(fillet)および3〜6度の抜け勾配を用いることができる。
【0134】
公知のベントと比較しての本実施形態の具体的な利点の一つは、ベントの流れ特性を予想される動作圧範囲内の特定の圧力で変更することができる能力および簡単さである。上述したようにハウジングおよびフラップの特性を変更することによって、ベントを通る流量を圧力レベルに応じて変更することができる。
【0135】
例えば、ある状況では、ある特定の圧力レベルよりも上まで圧力を増やす時にベントを通る流量を急速に減らすことが望まれるかもしれない。これは、その特定の圧力レベルでフラップ152が湾曲面に接触すると予想される点を越えて増加する曲率半径の湾曲面161を有するハウジング154を用いることによって達成することができる。図46を参照されたい。この図では、ハウジング154の湾曲面161はフラップ152の固定端156から変化点165に至るまでの第一の曲率半径と、変化点165を越えるより大きい第二の曲率半径とを有している。変化点を超える増加する曲率半径を有する湾曲面161を用いるような実施形態では、フラップ152のより多くを湾曲面161に接触させて開口部160のより多くを閉じるように特定の圧力レベルよりも上により小さな増分の圧力増が実現される。したがって、フラップ152と湾曲面161との間のガス流面積は、特定の圧力レベルより上でより速く減少する。
【0136】
変化点を越えると、いくつかの実施形態は平坦面161、つまり、無限の曲率半径を有する面を有することもできると考えられる。図47を参照されたい。このような実施形態では、フラップは特定の圧力レベルを上回ると湾曲面と完全に接触し、それにより特定の圧力レベルより上でベント開口部160を閉じる。このような実施形態においては、特定圧力レベルより上での通気は、整流ベントまたはマスクアセンブリ上の固定面積のブリード開口部を通さなければならない。また、面161の曲率半径は、ある変化点165を越えると不連続に段階的に増加する、あるいはある変化点165を越えると連続的に増加することが考えられる。このような状況下で、圧力が増加するときにフラップ152とベント開口部160との間のガス流面積の減少の割合が変化点を越えると減少するという反対の効果を提供するように、変化点165を越えると曲率半径を減少させることができる。
【0137】
同様の効果は、変化点165を越えるとベント開口部160の断面積を減らすことによって実現することができる。ベント開口部160の幅が変化点165で減少し始め、第二の変化点167でさらに減少している図48を参照されたい。この実施形態では、フラップ152とベント開口部160との間のガス流面積は、(第一の特定圧力レベルに関連している)変化点165を越えると増えていく割合で減少し、(第二の特定圧力レベルに関連している)第二の変化点167を越えるとさらに速い割合で減少する。開口部160の幅は1つ以上の離れた点で変化させることができ、あるいは特定の範囲内で連続して変化させることもできる。また、開口部160の幅の変化を特定の範囲内で増加させる、または減少させることもできる。またベント開口部の断面積の変化は、ベント開口部の幅を実効的に変更するようにベント開口部160に所望の幅輪郭の挿入物を配置することによっても達成できる。上の例と同様に、変化点165の前でベント開口部160の幅を減らすことによって、反対の効果も達成することができる。ベント開口部160が複数のより小さい離れた開口部から形成されている場合、その効果は、フラップ152の固定端156からより遠くに位置している開口部の1つ以上の面積を他の開口部に対して変更することによって実現される。
【0138】
フラップ152上の変化点169を越えるとフラップ152の厚さ(したがって剛性も)を減少させることによっても同様の結果が得られる。図49を参照されたい。この実施形態では、フラップ152のより剛性の低い外側の部分は、(特定の圧力レベルと関連している)変化点169を越えると湾曲面161の方により簡単に曲がってより速くベント開口部160を閉じるようになる。反対の効果は、固定端156の外側寄りの1つ以上の点でフラップ152の剛性を増すことによって実現することができる。厚さは、1つ以上の離れた点で変化させることもでき、特定の範囲内で連続的に変化させることもできる。あるいは、特定の範囲内で厚さの変化を増加させる、または減少させることもできる。当然のことながら、フラップ152の剛性は、例えば、同じ結果を得るためにフラップ152に関連して剛性を変えることができる補助硬化リブを用いるといった他の方法によっても同様に長さに沿って変えることができる。
【0139】
予想される動作圧力範囲内のいかなる点においても整流ベント150のガス流特性を精密に調整する制限のない能力を容易にかつ効果的に提供するために、これらの調整機構の1つ以上を互いに関連させて用いることができる。
【0140】
フラップは、リベット打ち、ネジどめ、締め付け、接着剤の使用あるいは他の公知の方法でハウジングに取り付けることができる。またハウジング内のスロット中にフラップを配置することで、ハウジングにフラップを取り付けることもできる。この場合、このスロットは好ましくはハウジングとフラップとの間で摩擦によるかみ合いを構成する。
【0141】
一般的に、この実施形態のベントは以下の条件下で動作する。偏向角が大きいと、ベントを通る初期の気流はより大きくなるが、ベントを閉じるのが遅くなる。曲率半径が大きいと、フラップはより低い圧力で閉じるようになる。大きなベントはより大きな初期気流を生じ、ベント開口部のサイズは、フラップが変形せずにベント開口部を封止することができる能力によって制限される。固定面積ブリードベントを用いているマスクでは、フラップに働く陽圧を維持してフラップが一旦閉じられたら高圧でそれを閉じたままにしておくために、フラップ152の端はベント開口部160の端を越えて伸びることができる。1mm以上の重なりが適切であると考えられる。ベント開口部160を通して面161の一部を切り落として、フラップが完全に面161に接触した時でさえベント開口部160にガスを流すことができるような切り落とし部を形成することにより、ブリードベントを整流ベントに設けることができる。また、フラップ152が面161と完全に接触している時でさえもフラップ152を通って開口部160へとガスが流れることを可能にする開口部をフラップ152内に配置することによって、ブリードベントを設けることもできる。
【0142】
好ましくは、フラップ152はポリエステルフィルムのような材料から形成される。このフィルムは、適切な大きさに細長く切られ、そして適切な長さに切断される。配置のためにフィルムには穴があけられる。好ましくはハウジングは、洗浄の容易さおよび視認性のために成型可能な透明材料から形成される。好ましい実施形態において、ベント150はマスクあるいはガス流管から取り外し可能である。これにより、破損の場合の交換、特定の用途に関するベント動作を微調整する能力、および、よりよくなった設計でのアップグレード能力が促進される。
【0143】
図14〜16は、ガス流管/チューブをマスクシェルに接続する旋回式エルボージョイント170に搭載されたベント150の他の実施形態を開示している。図14および15は異なる角度からのベントの斜視図であり、図16はベント150の断面図である。この実施形態においては、ベント150は旋回式ジョイント170上に搭載されたベントチャンバハウジング174を覆うために用いられるカバー172上に構成される。ベント150は旋回式ジョイント170の内部と連通しており、したがって、通路182を介してマスクシェルとも連通している。カバー172は、スロット180と係合してカバー172をハウジング174上に保持するスナップアーム178を有しているが、この目的のために他の公知の取り付け機構を用いることもできる。ベント150は、図12の実施形態と同様にフラップ152、ベント開口部160、および湾曲面161を有している(図26参照)。この実施形態において、ベント開口部160は矩形である。しかしながら、この実施形態は、フラップ152が完全に開口部160を覆ってベント150が閉じられるときも最小限の通気流を提供するように開放されたままである固定ブリード開口部176も有している。この実施形態のベント150は、交換および/あるいは清掃のために旋回式ジョイント170から取り外し可能である。
【0144】
図17〜26はベント150の他の実施形態を開示している。この実施形態では、ベントハウジング154は、旋回式エルボージョイント170上を取り外し可能にクリップすることができる半円状のクリップとして形成されている。ベント150は旋回式ジョイント170の内部と連通しており、したがって、通路182を介してマスクシェルとも連通している。この実施形態は、2つの平行な矩形のベント開口部160と複数の円形の固定ブリード開口部176とを有している。それ以外は、この実施形態のベント150は図14〜16のベント150と同様に動作する。
【0145】
図19〜20はベント150の他の実施形態を示している。この実施形態では、ベントハウジング154は、旋回式エルボージョイント170上を取り外し可能にクリップすることができるクリップとして形成されている。ベント150は旋回式ジョイント170の内部と連通しており、したがって、通路182を介してマスクシェルとも連通している。この実施形態は、単一の矩形のベント開口部160を有しているが、固定ブリード開口部を有してはいない。それ以外は、この実施形態のベント150は図14〜16のベント150と同様に動作する。
【0146】
図21〜23はベント150の他の実施形態を開示している。この実施形態において、ベントハウジング154は、マスクシェルまたはガス流管上の円形の取り付け部への取り外し可能な取り付けのために円形である。図21および23の実施形態において、ベント開口部160は楕円形である。図22の実施形態においてはベント開口部160は、相互に接続された一連のチャネルとして形成されている。図21および22の実施形態は固定ブリード開口部を有していないのに対して、図23の実施形態は複数の固定ブリード開口部176を有しており、これらは開口部160の対向する側辺に沿って平行に伸びている。これらの実施形態のそれぞれにおいて、ベント開口部は、図14〜16の実施形態と同様に、円形のハウジング154への取り付けのためにカバー172上に形成されている。ハウジング154に、カバーのノッチ186に係合して、カバー172をハウジング154に対して回転させて正しい向きに向けるための方向決め突起部184を設けることができる。それ以外は、これらの実施形態のベント150は図14〜16のベント150と同様に動作する。
【0147】
図24は、図14〜16の実施形態と同様なベント150の実施形態を開示しており、それだけではなく、いかにして旋回式エルボージョイント170を公知の構造のマスクシェル190に取り付けるかを開示している。マスクシェル190は一対の平行なポート192を備えており、これらとマスク内部との間では流体が行き来できるようになっている。
【0148】
図25〜27はベント150の他の実施形態を開示しており、ベントハウジング154は略矩形状であり、平行な一対のフローポート192(図24参照)に係合してマスクシェル190の内部からベント150への流れを可能にするように適合された一対の取り付け隆起194を備えている。取り付け隆起194は、摩擦によるかみ合いによってフローポート192上に保持されるようなサイズに構成されている。しかし他の公知の保持機構を用いることもできる。マスクシェル190は、現在の生産において知られている設計のもの(レスメッドリミテッドのUltra MIRAGE(登録商標))であるので、この実施形態の構成は、その公知のマスクに本発明の可変ベントを簡単に後付けすることを可能にする。ハウジング154は、ハウジング154内のディフューザ198に係合して位置決めするための複数の内部リブ196およびシーティングパッド202を有している。図27に示すように、ディフューザ198がハウジング154内で適切に位置決めされているとき、それはフローポート192を介してマスクシェルの内部に連通していることになる。ディフューザ198は複数の開口部200を備えており、それを通ってチャンバ206内のガスはベント開口部160の方に流れる。これら複数の隔てられて配置された開口部200は、2つの通路204からのガス流を拡散させて、フラップ152により均一に作用するように働く。
【0149】
ディフューザ198はまた、フラップ152の中央部に係合してカバー172の凸状の湾曲面161に対してフラップ152を位置決めするための一対の伸びている保持壁208を有している。この実施形態において、フラップ152は、その端部の一つでカバー172に取り付けられるのではなく、その中央から曲がって、事実上、互いに連結された2つのフラップ152を作り出す。カバー172は、フラップ152上の中央に配置された位置決め孔210に係合してカバー17に対してフラップ152を位置決めし、かつフラップ152の横方向の動きを防止するように、中央に配置された突出ピン212を有している。ハウジング154の内部リブ196は、フラップ152と平行に配置されており、フラップ152がハウジング154内で回転することを防ぐ。他の実施形態においては、孔210およびピン212は、フラップ152の回転を防ぐように非対称な構成を有することもできる。フラップ152は、カバー172に積むこともできるし、あるいはカバー172にリベットで留めることもできる。ベントカバーは、スナップによるかみ合い、摩擦によるかみ合い、接着剤あるいは他の公知の保持機構によってハウジングに保持されることができる。ベントカバー172は、複数の離して配置された丸い開口部の形状のベント開口部160を備えている。この実施形態は固定ブリード開口部を備えていないが、このような固定ブリード開口部をベント150上、あるいはマスクシェルまたはガス流管上のどこにでも設けることができる。それ以外は、この実施形態のベント150は図14〜16のベント150と同様に動作し、フラップ152の外側寄りのそれぞれの側部は、マスク圧に応じて、ベント開口部160のそれぞれの部分を徐々に閉じるように動くことができる。
【0150】
図28は、図25〜27に示された構成に類似した構成のカバー172および搭載されたフラップ152を示しており、フラップ152に対してさらされるマスク圧に基づいて3つの異なる位置にフラップ152は置かれる。第一の位置において、フラップ152は完全に開いている。第二の位置において、増加したマスク圧がフラップ152の外側寄りの端部をベントカバー172の凸状の湾曲面161の方に動かして、ベント開口部160を通る流れを部分的に妨げる。第三の位置では、フラップ152の外側寄りの端部がさらに湾曲面161の方に動いてベント開口部160を完全に閉じる点までマスク圧が増加している。図12〜32に示されている実施形態の全てが同様に動作する。
【0151】
図29は、図24に示されているタイプのマスクシェルを、フローポート192に取り付けられた図25〜28に開示されたタイプに類似しているベント150とともに開示している。この実施形態では、ベント開口部160は、2つの楕円形の開口部として構成されている。
【0152】
図30〜32は、図25〜29に開示されている実施形態と類似しているが、カバー172上の湾曲面161が凹状である実施形態を開示している。この実施形態においては、ハウジング154は、フラップ152を支持し、通路204からの空気/ガス流を拡散させるためのハウジング154の内側の床に接続された複数の持ち上がった壁220を有している。またベントカバー172も、フラップ152を湾曲面161の上方に位置決めして保持するために、湾曲面161を取り囲む複数の持ち上がったポスト222を有している。壁220およびポスト222は相互に作用して、ベントカバー172がハウジング154上に取り付けられたときに湾曲面161の上方の所望の位置にフラップ152を維持する。これは図32に最もよく表されている。図12〜29に示されている実施形態においては、フラップ152はその中央で固定されており、フラップ152の外側寄りの端部が凸状の湾曲面161の上方で動いてベント開口部160を変化させる。しかしながら、この実施形態では、湾曲面161は凹状であり、フラップ152はどの点においてもベントカバー172には固定されていない。フラップが一固定端あるいは中央から曲がる前述の実施例とは対照的に、この実施形態では、フラップの中央部226が増加していくマスク圧のもとで凹状の湾曲面161の方に曲がってベント開口部160を徐々に閉じるように、フラップ152は両方の外側寄りの端部224から曲がる。この実施形態もまた固定ブリード開口部176を備えている。
【0153】
図33および34は、標準的なレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクの流れの性能を、図12〜32の実施形態の一つによるベントを用いているレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクと比較している2つのグラフを示している。図37において、グラフは、ベント150(固定ブリード開口部176を備えている)を用いているマスクの流れ性能を標準的なマスクと比較して示している。低マスク圧では発明のマスクの流量の方が標準的なマスクよりも実質的に高いが、高いマスク圧になると先細りになって標準的なマスクよりも少しだけ高いだけになる。事実上、可変ベント150の閉鎖は、低い方のマスク圧での曲線における丘(hump)で示されているようにいくらか遅れる。この遅れた閉鎖は、より小さな曲率半径を有する湾曲面161を用いるか、あるいはより薄く、より堅いフラップ152とともに湾曲面161を用いることによって実現される。
【0154】
図34は、標準的なレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクと、図12〜32の実施形態の一つによるベントを用いているレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクとの比較を示している。実線による曲線が標準的なマスクに関するものである。箱状の曲線は標準的なマスクの固定ブリード開口部を用い続けてはいるが、可変ベント150(固定ブリード開口部を有していない)も用いているマスクに関するものである。この曲線は、可変ベント150が開いているときには低いマスク圧でより高い流量を示しているが、その後、可変ベント150が一旦閉じて標準マスクの固定ブリード開口部を通ってのみ流れるようになると、標準的な曲線に重なる。曲線の最初の頃の丘(hump)は、22度というより大きなフラップ偏向角164と、35mmというより大きな曲率半径162の湾曲面161とを用いることによって実現された。ダイヤモンド状の曲線は、可変ベント150のみを用いており、ベント150またはマスクには固定ブリード開口部のないマスクに関するものである。この曲線は、より低い圧力でマスク圧の上昇につれてベント150が完全に閉じ、全く流れなくなるまで減少していく流れを示している。
【0155】
本発明の整流ベントは、特に上述したように平坦な単一のディスクから切り出して作製するときには単純で安価に製造することができるが、効果的な、容易に調整することのできる整流を提供する。このような効果的な整流ベントを用いると、フロージェネレータは高圧を供給しており、従来のCPAPシステムの場合のように圧力が高くなると増加する流量を扱うための付加的な容量を有するようなサイズとしなくてもよい。フロージェネレータのモータからの雑音も減らすことができる。なぜならモータは、減少した体積の高圧気流を実現するためにより低いRPMで動作することができるからである。またベントは防音壁としても働き、フロージェネレータから生じて大気に逃げる雑音を含むマスク内部からの雑音のレベルを下げる。さらに、高圧で流量が減ることにより、気流自体から生成される雑音も少なくなる。ベントはCOの再呼吸も減らし、より速い気圧上昇時間を提供し、CPAP治療の実効性を高める。これらの利点のそれぞれが患者をCPAP治療に整合させるように働きかける。
【0156】
図35〜42は本発明の他の実施形態を示している。整流ベント250は、略円形のフラップ部252と略チューブ状固定ハウジング部254とを有している。固定ハウジング部254は、マスクに接続されるように適合されたユーザ側256と、フロージェネレータ258からのガスの加圧供給源に接続されるように適合されたフロージェネレータ側258とを有しており、マスクとフロージェネレータとの間に整流ベント250を位置決めする。固定ハウジング部254はさらに、ハウジングのユーザ側近傍に位置する主ベント開口部260とハウジング254のフロージェネレータ側近傍に位置する二次ベント開口部262とを有しており、それぞれは大気に露出している排気開口部264(図38参照)に流れが接続されており、主ベント開口部260および二次ベント開口部262のそれぞれと排気開口部264との間をガスが流れることを可能にする。示されている実施形態では、二次ベント開口部262は、複数のより小さな開口部266の形をとっているが、上述したような他の構成を有することもできる。図37を参照されたい。二次ベント開口部262は固定ハウジング部254の曲面274上に位置しており、フラップ部252の可動部278と係合するように適合されている。
【0157】
また固定ハウジング部254は、フラップ部252の固定部276がそれに据え付けられるフラップ据付フランジ268と、整流ベント250を組み立てるときに固定ハウジング部254に対してフラップ部252を正しい向きにするためのフラップ部252における方向決め開口部272に係合する突出した方向決めピン270とを備えている。ヒンジ部280はフラップ部252の可動部278を固定部276に接続する。好ましい実施形態において、湾曲面274の径方向において外側の部分がほぼ滑らかにフラップ据付フランジ268に移行して、それにより可動フラップ部278がリラックス位置から固定位置へと動くと係合することができる連続した面を提供する。
【0158】
この実施形態のベント250は、図40〜42に特に言及しながら、以下のように動作する。図40はユーザによる吸息時のベント250を示している。フロージェネレータからの空気の流れ(図において上向き矢印で示されている)はフラップ252のもつばね力を克服してフラップ252の可動部278をユーザの方に動かし、フラップ252の可動部278と固定部276との間の流れの面積を増加させる。これにより、十分な空気が息を吸っている間にユーザに流れることが可能であり、窒息するように感じることを防止する。また可動部278の動きは、可動部278のより多くの部分を湾曲面274のより多くの部分に接触させて可動部278と湾曲面274との間の流れの面積を徐々に減少させ、二次ベント開口部262を通る流れを減少させる。これにより、ベント開口部262および260を通るトータルの流れの面積は減少し、排気開口部264を通る流れをフロージェネレータあるいは呼気からの気流から減少させる。
【0159】
息を吐いている間は、図41に示すように、フラップ252のばね力はフラップ252の可動部278をリラックス位置に戻し、フラップ252を通るフローの面積は最小となる。これは、再呼吸防止機構として働き、フロージェネレータの管へ空気が吐き出されることを最小限にし、ユーザが再呼吸するであろうCOの蓄積をそこで作り出す。また同様に、フロージェネレータが不調のために動作を停止した場合に酸素がフロージェネレータの管に逆流することを防ぐ一方向バルブとしても働く。またこれは、息を吐いている間はフロージェネレータからのどのような流入ガス流をも最小にする。可動部278の動きはまた、二次ベント開口部262の流れの面積をあらわにし、それによりその面積を主ベント開口部260の流れの面積に追加して、呼気ガスに対するベント250のトータルの外に出て行く流れの面積させる。外に出て行くトータルの流れの面積が増えると、フロージェネレータからの中に向かう流れによって全体の外向きの流れの面積を通る流れが減少したときと同様に、呼気ガスはより大きな流量でマスクを出て行くことが可能である。これにより、マスクからのCOの外向きの流れが増え、マスク内の望ましくないCOの蓄積が減少する。またベント250は、外向きの流れの領域が全体で増えたことの結果として、従来のマスクと比べて、息を吐いている間マスク圧をより低くすることになるし、マスク内の圧力上昇時間も短くする。
【0160】
図42に示されているように、ベント250はまた、フロージェネレータが動作を停止した時には窒息防止バルブとして実際上は動作する。このような状況では、フラップ252の可動部278はリラックス閉鎖位置にとどまり、二次ベント開口部262を開放したままにして、ユーザが息を吸っている間にマスクに外から空気が入ることを可能にする全体のフロー領域(主ベント開口部260との組み合わせで)を増加させる。ベント250は、マスク自体に他のベントを設ける必要性をなくす。
【0161】
整流ベント250の他の構成を図43〜45に示す。この構成では、ハウジング254は比較的狭く、したがってそれは旋回式エルボージョイント270内のスロット284に挿入可能である。フラップ252はややT字状であり、フラップ252の可動部278がフラップ252の比較的長い部分であり、フラップ252の固定部276がフラップ252の比較的小さい部分である。この構成では、フラップ252は、ハウジング254に付随しており、固定部276をハウジング254との間に挟むフラップカバープレート286によって、ハウジング254に対して正しい位置に保持される。カバープレートは、リラックス位置にあるときに可動部278のフロージェネレータ側に接触し、それにより吐き出された息からの流れがフロージェネレータ管へ逆流することを防ぐように構成することもできる。この実施形態では、二次ベント開口部262は略矩形状であり、ハウジング254の湾曲面上には配置されていない。これは、これまでの実施形態でそうであったほどには、整流ベント250について重要ではない。なぜなら、徐々に増えていくあるいは減っていくベント開口部262を通る流れの面積を持つことは重要ではないからである。むしろ、ベント開口部262を通る流れの面積を、息を吸っている間は小さく、息を吐いている間は大きくすることの方が重要である。他の点については、この実施形態は図35〜42の実施形態と同様に動作する。吐き出されたガスの流れをマスクの外に向けるために呼気偏向器288をエルボージョイント270に取り付けることができる。図45を参照されたい。フラップカバープレートを、溶接、接着剤、スナップどめ、あるいは他の取り付け方法でハウジング254に取り付けることができる。
【0162】
好ましい実施形態において、フラップ252は、薄いポリエステルシートから、フラップ径21.5mm(ハウジングの内径23mm内に位置する)、フラップ厚0.004インチ、フラップヒンジの幅7mmで構成される。ベント250を通る流れの特性は、圧さ、可動部面積、材料およびヒンジ幅を含むフラップ特性を変更することによって望むように調節することができる。また、フラップの可動部278がひっかかって閉じたままになった場合にフロージェネレータからの流れを提供するように、固定面積開口部をベント250を通してフロージェネレータとマスクとの間に設けることができる。上述した実施形態のように、ベント250は、ベント250をわたる圧力低下を測定することによって、あるいはフラップ252に取り付けられた歪みゲージからの電気信号を測定することによってフローメータとして動作することができる。開口部260は、内向きの流れに対しては高い抵抗を提供し、外向きの流れに対しては低い抵抗を提供するように構成することもできる。
【0163】
上述した実施形態の様々な局面は、本発明の新たな実施形態を作り出すために異なる組み合わせで用いられることができる。
【0164】
多用な改良および変更が本発明の範囲を逸脱することなく行われ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本発明は発明の改良および変更をカバーすることが意図される。
【0165】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の整流バルブの上面図である。
【図2】完全に加圧された位置における図1の整流バルブの側面図である。
【図3】リラックス位置における図1の整流バルブの側面図である。
【図4】ベース部およびカバーを組み合わせた図1の整流バルブの分解斜視図である。
【図5】図4の分解図の側面図である。
【図6】図5中の線6−6に沿った断面図である。
【図7】呼吸マスクのシェルに取り付けられた図1の整流ベントの側面図である。
【図8】呼吸マスクのシェルを加圧ガス供給源に接続するガス供給チューブに取り付けられた図1の整流ベントの側面図である。
【図9】本発明の整流ベントの他の実施形態の断面図である。
【図10】本発明のベントを用いたマスクの流量対圧力を、従来とのマスクの比較で示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態の分解斜視図である。
【図12】本発明の整流ベントの他の実施形態の断面図である。
【図13】図12の実施形態のフラップが完全にベントを閉じる任意の圧力についての曲率半径と偏向角との関係を示す図である。
【図14】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図15】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図16】図14および15の実施形態の断面図である。
【図17】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図18】図17の実施形態の断面図である。
【図19】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図20】図19の実施形態の断面図である。
【図21】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図22】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図23】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図24】マスクシェルに接続された本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図25】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図26】本発明の整流ベントの他の実施形態の斜視図である。
【図27】図25および26の実施形態の断面図である。
【図28】図25〜27に示す実施形態に類似している構成のベントのカバーおよび取り付けられたフラップの断面図であり、フラップは、フラップに対してさらされたマスク圧に基づく3つの異なる位置で示されている。
【図29】マスクシェルに接続された図25〜27の実施形態に類似している整流ベントの斜視図である。
【図30】本発明の整流ベントの他の実施形態の分解図である。
【図31】図30の実施形態の斜視図である。
【図32】図30の実施形態の断面図である。
【図33】標準的なレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクの流れの性能を図12〜32の実施形態のうちの一つによるベントを用いたレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクと比較している図である。
【図34】標準的なレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクの流れの性能を図12〜32の実施形態のうちの一つによるベントを用いたレスメッド(商標)のMirage(登録商標)マスクと比較している図である。
【図35】本発明の整流ベントの他の実施形態のフロージェネレータ側斜視図である。
【図36】図35のベントのマスク側斜視図である。
【図37】図35のベントのハウジングのフロージェネレータ側斜視図である。
【図38】図37のハウジングの側斜視図である。
【図39】図35のベントのフラップの正面図である。
【図40】図35のベントの部分断面図であり、動作のある段階におけるベントを通るガス流を示している。
【図41】図35のベントの部分断面図であり、動作の図40の段階とは異なる段階におけるベントを通るガス流を示している。
【図42】図35のベントの部分断面図であり、動作の図40および41の段階とは異なる段階におけるベントを通るガス流を示している。
【図43】図35のベントの他の構成の分解斜視図である。
【図44】マスクエルボージョイントと組み合わせられた図43のベントの分解斜視図である。
【図45】マスクエルボージョイント内に配置された図43のベントの斜視図である。
【図46】図12の実施形態の改変例の部分断面図である。
【図47】図12の実施形態の改変例の部分断面図である。
【図48】図12の実施形態のハウジングの改変例の部分上面図である。
【図49】図12の実施形態の改変例の部分断面図である。
【符号の説明】
【0167】
10 ベント
12 可動部
14 固定部
16 ヒンジ
20 開口部
22 ギャップ
24 ブリード開口部
30 ベース
32 シェル
34 ガス供給管
36 指示リング
38 開口部
40 カバー
50 患者
60 歪みゲージ
62 ピン
64 タブ
110 ベント
112 可動部
114 固定部
116 ヒンジ
122 ギャップ
150 ベント
152 フラップ
154 ハウジング
158 自由端
160 ベント開口部
161 湾曲面
165 変化点
167 変化点
169 変化点
170 旋回式エルボージョイント
172 カバー
174 ハウジング
176 固定ブリード開口部
182 通路
184 方向決め突起部
190 マスクシェル
192 ポート
194 取り付け隆起
196 内部リブ
198 ディフューザ
200 開口部
204 通路
250 ベント
252 フラップ
254 ハウジング
260 主ベント開口部
262 二次ベント開口部
264 排気開口部
268 フラップ据付フランジ
270 方向決めピン
272 方向決め開口部
274 湾曲面
276 固定部
278 可動部
280 ヒンジ
284 スロット
286 フラップカバープレート
288 呼気偏向器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧されたガスの供給源からの流れを整える整流ベントであって、
ガス供給管に係合するように適合された固定部と、
前記加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢された可動部と、
前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジと
を備えており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、
前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動されて前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立する位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の動作圧で前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させ、それにより前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立する位置であることを特徴とする、整流ベント。
【請求項2】
前記固定部および前記可動部は一つの材料片から単一体として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項3】
前記可動部は、それを貫く少なくとも一つのブリード開口部をさらに有しており、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ、前記ベントを通る最小の流出流を提供することを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項4】
前記固定部は、それを貫く少なくとも一つのブリード開口部をさらに有しており、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ、前記ベントを通る最小の流出流を提供することを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項5】
前記可動部は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間を連続的に回動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項6】
前記ばね力は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間で連続的に増加することを特徴とする、請求項5に記載の整流ベント。
【請求項7】
前記ばね力の増加の割合は、圧力が前記特定の最小動作圧から前記特定の最大動作圧まで増加して前記可動部が前記リラックス位置から前記完全に加圧された位置まで回動するときに、前記ベントを通る実質的に固定された流量を提供するように設定されていることを特徴とする、請求項6に記載の整流ベント。
【請求項8】
前記ばね力の増加の割合は、前記可動部の剛性および前記可動部上の表面圧力勾配の少なくとも1つに影響を及ぼす前記可動部上の少なくとも1つの開口によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とする、請求項7に記載の整流ベント。
【請求項9】
前記ばね力の増加の割合は、前記ヒンジの断面積によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とする、請求項7に記載の整流ベント。
【請求項10】
前記固定部と前記可動部との間に搭載された、前記可動部の前記位置を測定し、前記ベントを通る流れのインジケータを提供する歪みゲージをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項11】
前記整流ベントは前記ガス供給管と前記整流ベントとの間に位置するように適合されたベース部をさらに備えており、前記ベースは、前記ガス供給管と前記整流ベントとの間のガスの行き来を提供するように前記ベースを貫く少なくとも1つの開口部を有しており、前記ベースはまた、前記固定部の周囲を支持する少なくとも1つの支持面も有していることを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項12】
前記整流ベントは、前記ベース部に係合して前記整流ベントを前記ベース部との間に固定するように適合されたカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記整流ベントと大気との間のガスの行き来を提供する、前記カバーを貫く少なくとも1つの開口部を有していることを特徴とする、請求項11に記載の整流ベント。
【請求項13】
前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときに、前記可動部および前記固定部は、互いに実質的に同一平面状にあることを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項14】
前記ヒンジは、前記ばね力の少なくとも一部を提供することを特徴とする、請求項1に記載の整流ベント。
【請求項15】
大気圧より上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記マスクは、
前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されたシェルと、
前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されたガス供給管と、
整流ベントと
を備えており、前記整流ベントは、
前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続された固定部と、
前記加圧ガス供給源に流れが接続された、ばね力が付勢された可動部と、
前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジと
を有しており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は、1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動されて前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立する位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の最大動作圧で前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させて前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立する位置であることを特徴とする、マスク。
【請求項16】
前記固定部および前記可動部は、1つの材料片から単一体として形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項17】
前記可動部は、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ前記ベントを通る最小の流出流を提供するように、前記可動部を貫く少なくとも1つのブリード出開口部をさらに有していることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項18】
前記固定部は、前記可動部が前記完全に加圧された位置にあるときでさえ前記ベントを通る最小の流出流を提供するように、前記固定部を貫く少なくとも1つのブリード開口部をさらに有していることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項19】
前記可動部は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間を連続的に回動可能であることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項20】
前記ばね力は、前記リラックス位置と前記完全に加圧された位置との間で連続的に増加することを特徴とする、請求項19に記載のマスク。
【請求項21】
前記ばね力の増加の割合は、圧力が前記特定の最小動作圧から前記特定の最大動作圧まで増加して前記可動部が前記リラックス位置から前記完全に加圧された位置まで回動する時に前記ベントを通る実質的に固定された流量を提供するように設定されていることを特徴とする、請求項20に記載のマスク。
【請求項22】
前記ばね力の増加の割合は、前記可動部の剛性および前記可動部上の表面圧力勾配の少なくとも1つに影響を及ぼす前記可動部上の少なくとも1つの開口によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とする、請求項21に記載のマスク。
【請求項23】
前記ばね力の増加の割合は、前記ヒンジの断面積によって少なくとも部分的に決定されることを特徴とする、請求項21に記載のマスク。
【請求項24】
前記固定部と前記可動部との間に搭載された、前記可動部の前記位置を測定し、前記ベントを通る流れのインジケータを提供する歪みゲージをさらに備えていることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項25】
前記マスクは、前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に係合してそれとの間に前記整流ベントを固定するように適合されたカバーをさらに備えており、前記カバーは、前記整流ベントと大気との間のガスの行き来を提供する、前記カバーを貫く少なくとも1つの開口部を有していることを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項26】
前記ヒンジは、前記ばね力の少なくとも一部を提供することを特徴とする、請求項15に記載のマスク。
【請求項27】
大気圧より上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、前記マスクは、
前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されたシェルと、
前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されたガス供給管と、
整流ベントと
を備えており、前記整流ベントは、
前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続された固定部と、
前記加圧ガス供給源に流れが接続された、ばね力が付勢された可動部と、
前記可動部を前記固定部に回動可能に接続するヒンジであって、前記固定部および前記可動部と1つの材料片から単一体として形成されているヒンジと
を有しており、前記固定部はガス流開口部を有しており、前記可動部は、1)リラックス位置と2)完全に加圧された位置との間を回動可能であり、前記1)リラックス位置は、特定の最小動作圧で、前記可動部と前記ガス流開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記可動部が前記固定部から離れた位置に前記ばね力によって回動される位置であり、前記2)完全に加圧された位置は、特定の最大動作圧で、前記可動部と前記ガス流開口部との間に最小ガス流面積を確立するように、前記加圧されたガスが前記ばね力を相殺して前記可動部を前記固定部に隣接する位置に回動させる位置であることを特徴とする、マスク。
【請求項28】
加圧ガス供給源からの流れを整える整流ベントであって、
ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有しているハウジングと、
前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力が付勢されたフラップであって、前記ハウジングに接続された第一の部分と、リラックス状態において前記ハウジングから離れるように前記ばね力によって回動されて前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立する可動部とを有するフラップと
を備えており、
前記加圧ガス供給源の圧力の増加は、前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記可動フラップ部の増加していく部分を前記ハウジングの前記湾曲面と接触するように動かして、それにより前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減らすことを特徴とする、整流ベント。
【請求項29】
前記ハウジングに接続されている前記フラップの前記第一の部分は、前記フラップの第一の端であり、前記フラップの前記可動部は、前記フラップの前記第一の端の外側寄りであることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項30】
前記ハウジングに接続されている前記フラップの前記第一の部分は、前記フラップの中央部であり、前記可動フラップ部は、前記フラップの前記中央部の外側寄りの前記フラップの両端を含んでいることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項31】
前記ベント開口部は、矩形状の断面を有していることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項32】
前記ベント開口部は、互いに間隔をおいて配置されている複数の個別の開口部を備えており、前記湾曲面に接触するように動かされる前記可動フラップ部の前記増加していく部分は、増えていく数の前記個別の開口部を徐々に塞いでいくことを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項33】
前記ハウジングはカバーの形状であって、前記加圧ガス供給源に流れが接続されたベントチャンバを覆うことを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項34】
前記ベントチャンバハウジングは、前記加圧ガス供給源と、前記加圧ガスを人間に供給するためのマスクとを相互に接続する旋回式エルボージョイントに取り付けられていることを特徴とする、請求項33に記載の整流ベント。
【請求項35】
前記湾曲面の局率半径は、21mmよりも大きいことを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項36】
前記湾曲面の前記曲率半径は、26mmと41mmの間であることを特徴とする、請求項35に記載の整流ベント。
【請求項37】
前記湾曲面の前記曲率半径は、約35mmであることを特徴とする、請求項36に記載の整流ベント。
【請求項38】
前記フラップの前記可動部の偏向角は15度と25度の間であることを特徴とする、請求項36に記載の整流ベント。
【請求項39】
前記フラップはポリエステルフィルムから構成されていることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項40】
前記ベント開口部が閉じているとき前記大気への最小限のガス流を提供するように前記固定ブリード開口部をさらに備えていることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項41】
前記ハウジングは、前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクの少なくとも1つのフローポートに取り外し可能に取り付けられることができることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項42】
前記整流ベントは前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクをさらに備えており、前記整流ベントは前記マスクに接続されていることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項43】
前記フラップにガス流を拡散するように前記加圧ガス供給源と前記フラップとの間に配置されたディフューザをさらに備えていることを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項44】
前記湾曲面の局率半径は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間に位置する前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で変化することを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項45】
前記湾曲面の前記曲率半径は、前記少なくとも1つの変化点で増加することを特徴とする、請求項44に記載の整流ベント。
【請求項46】
前記湾曲面の前記曲率半径は一回より多く増加することを特徴とする、請求項45に記載の整流ベント。
【請求項47】
前記ベント開口部の幅は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間に位置する前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で減少することを特徴とする、請求項45に記載の整流ベント。
【請求項48】
前記フラップの厚さは前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で減少することを特徴とする、請求項47に記載の整流ベント。
【請求項49】
前記ベント開口部の幅は、前記フラップの前記第一の部分と前記可動部との間の前記ハウジング上の少なくとも1つの変化点で変化することを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項50】
前記ベント開口部の前記幅は前記少なくとも1つの変化点で減少することを特徴とする、請求項49に記載の整流ベント。
【請求項51】
前記ベント開口部の幅は、一度より多く減少することを特徴とする、請求項50に記載の整流ベント。
【請求項52】
前記フラップの厚さは、前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で減少することを特徴とする、請求項50に記載の整流ベント。
【請求項53】
前記フラップの厚さは、前記フラップの前記可動部上の少なくとも1つの変化点で変化することを特徴とする、請求項28に記載の整流ベント。
【請求項54】
前記フラップの前記厚さは、前記少なくとも1つの変化点で減少することを特徴とする、請求項53に記載の整流ベント。
【請求項55】
前記フラップの前記厚さは、一度より多く減少することを特徴とする、請求項54に記載の整流ベント。
【請求項56】
加圧ガス供給源からの流れを整える整流ベントであって、
ベント開口部と、前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、
前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力が付勢されたフラップであって、前記加圧ガス供給源に面する第一の側と、前記ベント開口部に面する対向する第二の側と、前記ハウジングに係合する2つの端部と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ベント開口部から離れる方向に前記ばね力によって回動される中央可動部とを有しているフラップと
を備えており、
前記加圧ガス供給源の圧力増加は、前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記フラップの前記中央可動部を前記ベント開口部の方に動かし、それにより、前記加圧されたガスが前記フラップの前記第一の側から前記フラップの前記第二の側へ全詭ベント開口部を通って流れるための前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させることを特徴とする、整流ベント。
【請求項57】
前記ベント開口部は矩形状の断面を有していることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項58】
前記ベント開口部は、互いに間隔をあけて配置されている複数の個別の開口部を備えていることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項59】
前記ハウジングは、前記加圧ガス供給源に流れが接続されているベントチャンバハウジングを覆うようにカバーの形状であることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項60】
前記ベントチャンバハウジングは、前記加圧ガス供給源と前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクとを相互に接続するエルボージョイントに取り付けられていることを特徴とする、請求項59に記載の整流ベント。
【請求項61】
前記湾曲面の曲率半径は21mmより大きいことを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項62】
前記湾曲面の前記曲率半径は26mmと41mmの間であることを特徴とする、請求項61に記載の整流ベント。
【請求項63】
前記湾曲面の前記曲率半径は約35mmであることを特徴とする、請求項62に記載の整流ベント。
【請求項64】
前記フラップの前記可動部の偏向角は15度と25度の間であることを特徴とする、請求項63に記載の整流ベント。
【請求項65】
前記フラップはポリエステルフィルムから構成されていることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項66】
前記ベント開口部が閉じているときに前記大気への最小限のガス流を提供するように固定ブリード開口部をさらに備えていることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項67】
前記ハウジングは、前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクの少なくとも1つのフローポートに取り外し可能に取り付けられることができることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項68】
前記フラップへガス流を拡散するように、前記加圧ガス供給源と前記フラップとの間に配置されたディフューザをさらに備えていることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項69】
前記整流ベントは前記加圧されたガスを人間に供給するためのマスクをさらに備えており、前記整流ベントは前記マスクに接続されていることを特徴とする、請求項56に記載の整流ベント。
【請求項70】
大気圧よりも上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、
前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されているシェルと、
前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されているガス供給管と、
整流ベントと
を備えており、前記整流ベントは、
前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続されたハウジングであって、ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、
前記加圧ガス供給源に流れが接続されているばね力によって付勢されたフラップであって、前記ハウジングに接続された第一の部分と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ハウジングから離れる方向に前記ばね力によって回動される可動部とを有しているフラップと
を有しており、前記加圧ガス供給源の圧力増加は前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記可動フラップ部の徐々に増えていく領域を前記ハウジングの前記湾曲面に接触させ、それによって前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させる
ことを特徴とする、マスク。
【請求項71】
大気圧よりも上に加圧された呼吸可能なガスを人間に供給するマスクであって、
前記人間の口および鼻孔の少なくとも一方を覆うように適合されているシェルと、
前記シェルと加圧ガス供給源との間に流れが接続されているガス供給管と、
整流ベントと
を備えており、前記整流ベントは、
前記シェルおよび前記ガス供給管の一方に接続されたハウジングであって、ベント開口部と前記ベント開口部を少なくとも部分的に取り囲む湾曲面とを有するハウジングと、
前記加圧ガス供給源に流れが接続されたばね力によって付勢されたフラップであって、前記加圧ガス供給源に面する第一の側と、前記ベント開口部に面する対向する第二の側と、前記ハウジングに係合する2つの端部と、リラックス状態において前記フラップと前記ベント開口部との間に第一のガス流面積を確立するように前記ベント開口部から離れる方向に前記ばね力によって回動される中央可動部とを有しているフラップと
を有しており、前記加圧ガス供給源の圧力増加は前記フラップの前記ばね力を徐々に相殺して前記フラップの中央可動部を前記ベント開口部の方に動かし、それによって、前記加圧されたガスが前記フラップの前記第一の側から前記フラップの前記第二の側へ前記ベント開口部を通って流れるための前記フラップと前記ベント開口部との間の前記ガス流面積を減少させることを特徴とする、マスク。
【請求項72】
ガスを含んでおり、第一の圧力に加圧された内部と第二の圧力に加圧された外部とを有するチャンバにおいて、開口部を通る空気の流れを整えるバルブが設けられており、前記バルブは固定部に回動可能に接続されたばね力によって付勢された可動部を有しており、前記可動部と前記開口部との間にガス流面積を生成し、前記可動部は、
(1)前記ガス流面積が第一の値を有するリラックス位置と、
(2)前記第一の圧力が最大の特定の動作圧力であるときに、前記第一の圧力と前記第二の圧力との圧力差が前記ばね力を相殺して、前記ガス流面積が前記第一の値よりも小さい最小値となるように前記固定部に隣接する位置に前記可動部を回動させることを特徴とする。
【請求項73】
ガスを含んでおり、第一の圧力に加圧された内部と第二の圧力に加圧された外部とを有するチャンバにおいて、開口部を通る空気の流れを整えるバルブが設けられており、前記バルブは、前記開口部との間にガス流面積を生成する弾性的に曲げることが可能であるカンチレバーフラップを有しており、前記カンチレバーフラップは、
(1)前記ガス流面積が第一の値を有するリラックス位置と、
(2)前記第一の圧力が最大の特定の動作圧であるときに、前記第一の圧力と前記第二の圧力との圧力差が前記フラップの弾性を相殺して、前記ガス流面積が前記第一の値よりも小さい最小値となるように前記固定部に隣接する位置に前記フラップを曲げることを特徴とする、チャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2008−264566(P2008−264566A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−146057(P2008−146057)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【分割の表示】特願2002−552627(P2002−552627)の分割
【原出願日】平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD