説明

整流堤防

【課題】増水時に、流路に沿う形で自然に水が流れれば、流路を形成する堤防に加わる水の力はほぼ安定したものとなり、堤防の決壊や漏水の危険が少ないと言える。しかしながら人工的に形成された河川ほど、安定とは程遠い状態となり、堤防や強化した岸によって、大金を必要とする力ずくで押さえていると言う問題がある。異常気象の多い昨今、力ずくの対応には限界が来ている。堤防の強化には、場合によっては、河川の周囲の土地を必要とし、住宅の大々的な移転を余儀なくされる事もある。
【解決手段】流路内に複数の案内物体を配置する。これは、連続的ではなく、また、流れに対し抵抗となり難い翼型状、流線型の外観とする。橋桁のような強固な基礎を有して半永久の構造とすることも、豪雨時に徐々に流されてしまう構造でも有効なものになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川の治水技術において、増水時に堤防からの洪水を防止する手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川の治水技術としては、堤防の強化、河川上流及び中流部におけるダムや植林による保水、流路の変更、堤防水位の監視等が行われてきた。
堤防の強化は、幅広く、高く、堅牢にと行われているが、所詮人工物、大自然の川の力に対し、どこまで強化すれば良いのか手探りの状況である。
流路を真直ぐにしても、物理学上、地球上の川は自然には直進しないため、流路内を右へ左へ蛇行して流れる始末である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
増水時に、流路に沿う形で自然に水が流れれば、流路を形成する堤防に加わる水の力はほぼ安定したものとなり、堤防の決壊や漏水の危険が少ないと言える。しかしながら人工的に形成された河川ほど、安定とは程遠い状態となり、堤防や強化した岸によって、大金を必要とする力ずくで押さえていると言う問題がある。異常気象の多い昨今、力ずくの対応には限界が来ている。
【0004】
堤防の強化には、場合によっては、河川の周囲の土地を必要とし、住宅の大々的な移転を余儀なくされる事もあり、時間と費用の問題がさらに大きくなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
増水時に、流路に沿うできるだけ自然な流れを実現するため、流路内に複数の案内物体を配置する。これは、連続的ではなく、また、流れに対し抵抗となり難い翼型状、流線型の外観とする。橋桁のような強固な基礎を有して半永久の構造とすることも、豪雨時に徐々に流されてしまう構造でも有効なものになる。
【発明の効果】
【0006】
真直ぐな流路ですら蛇行して流れる水を、案内物体により、整流する効果が発生する。これにより、流路方向への流れが増幅し、流路を形成する堤防等への圧力も低下する。
【0007】
流路内に配置されるものであるため、既存の敷地内で設置でき、時間と費用が少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】発明の実施例1の平面図
【図2】発明の実施例1のA−A線断面図
【図3】発明の実施例2の平面図
【図4】発明の実施例2のB−B線断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0010】
平穏時の河川の流れ1と流路を形成する堤防2との間の物体が、本発明の案内物体3である。
【0011】
本発明の案内物体3は、図1のような直線的な河川でも、図3のような曲線的な河川でも効果がある。
【0012】
案内物体3は、連続的ではなく、断続的に配置し、かつ、流路を形成する堤防2よりも低くすることで、効果を発揮する。
【0013】
案内物体3は、流れに対し抵抗となり難い翼型状、流線型の外観とし効果を発揮する。
【0014】
案内物体3は、図2の橋桁のような強固な基礎を有して半永久の構造とすることも、図4の豪雨時に徐々に流されてしまう構造でも有効なものになる。
【符号の説明】
【0015】
1 平穏時の河川の流れ
2 流路を形成する堤防
3 案内物体
4 増水時の河川の水位
5 平穏時の河川の岸
6 強固な基礎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川の治水技術において、増水時に、流路に沿うできるだけ自然な流れを実現するため、流路内に複数の案内物体を配置するもの。物体は、連続的ではなく、また、流れに対し抵抗となり難い翼型状、流線型の外観をし、橋桁のような強固な基礎を有して半永久の構造とすることも、豪雨時に徐々に流されてしまう構造とすることもできる事を特徴とする治水技術。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−144617(P2011−144617A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22557(P2010−22557)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(593042568)
【Fターム(参考)】