説明

文字コード自動変換装置、文字コード自動変換方法および文字コード自動変換プログラム

【課題】文字コードの情報を事前登録することなく文字コードの変換が可能な文字コード自動変換装置を得ること。
【解決手段】配信元システム100から配信データを取得するデータ取得部1と、前記配信元システム100および前記配信データの配信先である配信先システム300から、それぞれのシステムが使用している文字コードの情報を取得する文字コード取得部3と、取得した文字コードの情報に基づいて、前記配信元システム100および前記配信先システム300で使用する文字コードが異なる場合に、前記配信データの文字コードを前記配信先システム300が使用する文字コードに変換する配信処理部5と、前記配信先システム300へ前記配信データを配信するデータ配信部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム間でデータを送受信する際に文字コードを自動変換する文字コード自動変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、システム間でデータを送受信する場合、システムで使用する文字コードが異なると、受信した側で文字化けを起こす可能性があった。そのため、下記特許文献1、2では、あらかじめ各システムで使用されている文字コードの情報を登録しておき、登録情報に基づいてデータの文字コードを変換して配信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−341956号公報
【特許文献2】特開平10−91550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術によれば、各システムで使用されている文字コードの情報を事前登録する必要がある。そのため、システムの変更や追加を行うたびに文字コードの情報を登録する作業が発生する、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、文字コードの情報を事前登録することなく文字コードの変換が可能な文字コード自動変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、配信元システムから配信データを取得するデータ取得手段と、前記配信元システムおよび前記配信データの配信先である配信先システムから、それぞれのシステムが使用している文字コードの情報を取得する文字コード取得手段と、取得した文字コードの情報に基づいて、前記配信元システムおよび前記配信先システムで使用する文字コードが異なる場合に、前記配信データの文字コードを前記配信先システムが使用する文字コードに変換する配信処理手段と、前記配信先システムへ前記配信データを配信するデータ配信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、文字コードの情報を事前登録することなく文字コードを変換できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、文字コード自動変換装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、取得データ記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図3】図3は、文字コード記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図4】図4は、文字コード自動変換処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、文字コード自動変換装置の構成例を示す図である。
【図6】図6は、データ形式記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図7】図7は、マッピング情報記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図8】図8は、ファイルフォーマット記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図9】図9は、配信データ記憶部が備えるテーブルを示す図である。
【図10】図10は、文字コード自動変換処理を示すフローチャートである。
【図11】図11は、文字コード自動変換プログラムを実行可能な電子計算機の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明にかかる文字コード自動変換装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、文字コード自動変換装置の構成例を示す図である。文字コード自動変換装置200は、配信元システム100および配信先システム300と接続し、配信元システム100のAシステム101またはBシステム102から取得した配信データの文字コードを、Dシステム301またはEシステム302のいずれか配信する方のシステムが使用する文字コードに変換する。なお、配信元システム100および配信先システム300は、ともに2つのシステムを備えているが一例であり、3つ以上のシステムを備えることも可能である。
【0011】
ここで、文字コード自動変換装置200は、配信元システム100側のシステムから、ファイル形式またはシステム連携の形式により配信データを取得し、同一の形式で配信先システム300のシステムへ配信データを配信する。ファイル形式による配信データの場合、文字コード自動変換装置200は、配信データを取得して文字コード変換後、当該配信データを配信先システム300側のシステムへ送信することにより配信する。一方、システム連携の形式による配信データの場合、文字コード自動変換装置200は、配信データを取得して文字コード変換後、当該配信データの内容を配信先システム300側のシステムの記憶部に書き込むことにより配信する。
【0012】
文字コード自動変換装置200は、データ取得部1と、取得データ記憶部2と、文字コード取得部3と、文字コード記憶部4と、配信処理部5と、配信データ記憶部6と、データ配信部7と、を備える。
【0013】
データ取得部1は、配信元システム100側のシステムからファイル形式またはシステム連携による配信データを取得する。取得データ記憶部2は、配信元システム100側のシステムから取得した配信データを記憶するための記憶手段である。文字コード取得部3は、配信元システム100および配信先システム300内のシステムから、文字コードの情報を取得する。文字コード記憶部4は、配信元システム100および配信先システム300内のシステムから取得した文字コードの情報を記憶するための記憶手段である。配信処理部5は、配信元システム100側のシステムから取得した配信データの文字コードを必要に応じて変換し、配信先システム300側のシステムへ配信する処理を行う。配信データ記憶部6は、配信先システム300へ配信する配信データを記憶するための記憶手段である。データ配信部7は、配信先システム300側のシステムへ配信データを配信する。
【0014】
また、配信処理部5は、配信制御部51と、文字コード変換部52と、を備える。配信制御部51は、配信元システム100側のシステムから取得した配信データを配信先システム300側のシステムへ配信する制御を行う。文字コード変換部52は、配信元システム100側のシステムおよび配信先システム300側のシステムで使用する文字コードが異なる場合に配信データの文字コードを変換する。
【0015】
ここで、各記憶部が記憶している情報について説明する。図2は、取得データ記憶部2が備えるテーブルを示す図である。取得データ記憶部2では、Aシステム101およびBシステム102について、それぞれ、ユーザID、ユーザ名、所属名、所属ID、および役職の項目の情報を記憶している。例えば、Aシステム101について、Aシステムテーブルにおいて、ユーザID:12345、ユーザ名:田中、所属名:ab部、所属ID:AIM002、役職:部長、として個々のユーザの情報を記憶している。なお、Bシステム102についてはBシステムテーブルにおいて、個々のユーザの情報を記憶している。
【0016】
図3は、文字コード記憶部4が備えるテーブルを示す図である。文字コード記憶部4では、配信元システム100について、配信元システム名、コードID、および文字コードの項目の情報を記憶している。例えば、配信元システム:Asystem、コードID:01、文字コード:Shift_JISとして個々のシステムの情報を記憶している。また、文字コード記憶部4では、配信先システム300について、配信先システム名、コードID、および文字コードの項目の情報を記憶している。例えば、配信先システム:Dsystem、コードID:03、文字コード:Windows(登録商標)−31Jとして個々のシステムの情報を記憶している。
【0017】
なお、本実施の形態では、配信元システム100と配信先システム300では同一データ形式・項目であるとして、配信データ記憶部6が備えるテーブルに記憶される情報は、図2に示す取得データ記憶部2のテーブルと同一の情報となる。
【0018】
つづいて、文字コード自動変換装置200における文字コードの自動変換処理について説明する。図4は、文字コード自動変換処理を示すフローチャートである。ここでは、一例として、Aシステム101からDシステム301へ配信データを配信する場合について説明する。
【0019】
まず、Aシステム101が、リアルタイムまたはバッチ処理で、配信データを配信する(ステップS1)。ここでは、ファイル形式またはシステム連携による形式のいずれでもよいが、Dシステム301も同一の形式とする。
【0020】
つぎに、文字コード自動変換装置200では、データ取得部1が、配信データを取得し、取得データ記憶部2に記憶させる(ステップS2)。また、文字コード取得部3が、配信データを取得したデータ取得部1から当該配信データの配信元であるAシステム101および配信先であるDシステム301の情報を受け取り、Aシステム101およびDシステム301から、それぞれのシステムで使用している文字コードの情報を取得し、文字コード記憶部4に記憶させる(ステップS3)。
【0021】
つぎに、配信制御部51が、取得データ記憶部2から配信データを読み出す。また、文字コード変換部52が、文字コード記憶部4からAシステム101およびDシステム301に関する文字コードの情報を読み出す(ステップS4)。そして、文字コード変換部52が、Aシステム101およびDシステム301が同一の文字コードを使用しているかどうかを確認する(ステップS5)。
【0022】
使用している文字コードが異なる場合(ステップS5:No)、文字コード変換部52が、配信データの文字コードをDシステム301が使用する文字コードに変換する(ステップS6)。文字コードの変換方法については特に限定せず、従来同等の方法でよい。具体的に、図3に示すテーブルに従うと、文字コード変換部52は、文字コードをShift_JISからWindows(登録商標)−31Jに変換する。
【0023】
文字コード変換部52が文字コードを変換後、変換後の配信データを受け取った配信制御部51が配信データを出力し、配信データ記憶部6に記憶させる(ステップS7)。なお、文字コードを確認した結果、使用している文字コードが同一の場合(ステップS5:Yes)、文字コード変換部52において文字コードを変換することなく、配信制御部51は、配信データ記憶部6に配信データを出力し、記憶させる(ステップS7)。
【0024】
そして、データ配信部7が、配信データ記憶部6から配信データを読み出し、Dシステム301へ配信データを配信する(ステップS8)。これにより、Dシステム301では、Aシステム101と使用する文字コードが異なっていても、自システムで使用する文字コードに変換された配信データを取得することができる。このとき、文字コード自動変換装置200では、配信データの配信元および配信先のシステムから文字コードの情報を取得することから、文字コードを事前に登録する必要がない。
【0025】
なお、Aシステム101からDシステム301へ配信する場合について説明したが、これに限定するものではない。配信元と配信先のシステムが同一のデータ形式であれば、Aシステム101からEシステム302へ、Bシステム102からDシステム301へ、およびBシステム102からEシステム302へ配信データを配信することも可能である。
【0026】
また、文字コード取得部3が各システムから文字コードの情報を取得する際、データ取得部1から配信データの配信元および配信先のシステムの情報を受け取ることとしたが、これに限定するものでなはい。例えば、文字コード取得部3は、配信処理部5の配信制御部51から情報を受け取ることも可能である。この場合、文字コードの情報を取得するタイミングはデータ取得部1経由の方が早いが、配信制御部51経由にすることによりデータ取得部1を簡易な構成にすることができる。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態では、文字コード自動変換装置200は、配信元システム100側から取得した配信データの配信元および配信先のシステムから文字コードの情報を取得し、使用する文字コードが異なる場合、配信データの文字コードを変換して配信先システムへ配信することとした。これにより、システム構成が変更または追加された場合であっても、各システムが使用する文字コードの情報を事前登録することなく、文字コードの変換を行うことができる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1では、配信データの形式が送信元システム100側と送信先システム300側で同一の場合について説明した。しかしながら、実際には、複数のシステムがあれば、文字コードの他、データ項目等もシステム間で異なる場合がある。本実施の形態では、文字コードを変換する際、あわせてデータ項目等を変換する方法について説明する。実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0029】
図5は、文字コード自動変換装置の構成例を示す図である。文字コード自動変換装置200aは、データ取得部1と、取得データ記憶部2と、文字コード取得部3と、文字コード記憶部4と、配信処理部5aと、配信データ記憶部6と、データ配信部7aと、データ形式入力部8と、データ形式記憶部9と、マッピング情報入力部10と、マッピング情報記憶部11と、ファイルフォーマット選択部12と、ファイルフォーマット記憶部13と、を備える。
【0030】
配信処理部5aは、配信元システム100側のシステムから取得した配信データの文字コードやデータ項目等を必要に応じて変換し、配信先システム300側のシステムへ配信する処理を行う。データ配信部7aは、配信先システム300側のシステムへ配信データを配信する。データ形式入力部8は、配信元システム100および配信先システム300内の各システムが、ファイル形式のデータを扱うシステムか、またはシステム連携によるデータを扱うシステムかどうかを入力する。データ形式記憶部9は、各システムのデータ形式の情報を記憶するための記憶手段である。マッピング情報入力部10は、配信元システム100側の各システムが扱うデータ項目と配信先システム300側の各システムが扱うデータ項目を対応付けるマッピング情報を入力する。また、型変換などの簡単なデータ変換の定義を行う。マッピング情報記憶部11は、マッピング情報を記憶するための記憶手段である。ファイルフォーマット選択部12は、配信先システム300側のシステムへ配信するファイルのフォーマットを選択する。ファイルフォーマット記憶部13は、選択したファイルフォーマットの情報を記憶するための記憶手段である。
【0031】
また、配信処理部5aは、配信制御部51aと、文字コード変換部52と、データ項目変換部53と、ファイルフォーマット変換部54と、を備える。配信制御部51aは、配信元システム100側のシステムから取得した配信データを配信先システム300側のシステムへ配信する制御を行う。データ項目変換部53は、配信データの配信元システム100側のシステムと配信先システム300側のシステムで扱うデータ項目が異なる場合に変換を行う。ファイルフォーマット変換部54は、配信データの配信元システム100側のシステムと配信先システム300側のシステムで扱うデータのファイルフォーマットが異なる場合に変換を行う。
【0032】
また、データ配信部7aは、データ送信部71と、データ書き込み部72と、を備える。データ送信部71は、ファイル形式の配信データの場合、配信先システム300側のシステムへ配信データを送信する。データ書き込み部72は、システム連携による配信データの場合、配信先システム300側のシステムの記憶部に配信データの内容を書き込む。
【0033】
ここで、各記憶部が記憶している情報について説明する。図6は、データ形式記憶部9が備えるテーブルを示す図である。データ形式記憶部9では、各システムについて、システム名および方式の項目の情報を記憶している。例えば、システム名:Asystem、方式:システム連携として各システムの情報を記憶している。
【0034】
図7は、マッピング情報記憶部11が備えるテーブルを示す図である。マッピング情報記憶部11では、配信元システム100側の各システムから配信先システム300側の各システムへ配信データを配信する際のそれぞれの組み合わせについて、配信元データ項目名、配信先データ項目名の項目の情報を記憶している。例えば、Aシステム101からDシステム301へ配信する場合、Aシステム→Dシステムマッピングテーブルにおいて、ユーザIDをuserIdへ、ユーザ名をuserNameへ、所属名をorganizationへ、所属IDをorganizationIdへ、役職をtitleへ、それぞれ項目名を変換する必要があることを示す。また、Bシステム102からEシステム302へ配信する場合、Bシステム→Eシステムマッピングテーブルにおいて、Bシステム102では役職の項目を使用しているがEシステム302では役職の項目を使用していないため、役職の情報についてはEシステム302へ配信しないことを示す。なお、ここに示すテーブルは一例であり、Aシステム101からEシステム302へ、またBシステム102からDシステム301へ配信する場合のマッピングテーブルを備えることも可能である。
【0035】
図8は、ファイルフォーマット記憶部13が備えるテーブルを示す図である。ファイルフォーマット記憶部13では、配信先システム300側のシステムについて、配信先システム名およびフォーマットの項目の情報を記憶している。例えば、配信先システム名:Dsystem、フォーマット:csvとして、配信先システム300側のDシステム301で使用しているファイルフォーマットの情報を記憶している。
【0036】
図9は、配信データ記憶部6が備えるテーブルを示す図である。ここでは、実施の形態1と異なり、取得データ記憶部2で記憶している情報とは異なる情報を記憶しているものとする。配信データ記憶部6では、Dシステム301について、userId、userName、organization、organizationId、およびtitleの項目の情報を記憶している。例えば、Dシステム301について、Dシステムテーブルにおいて、userId:12345、userName:tanaka、organization:ab、organizationId:AIM002、title:manager、の情報を記憶している。また、配信データ記憶部6では、Eシステム302について、Eシステムテーブルにおいて、userId、userName、organization、およびorganizationIdの項目の情報を記憶している。例えば、Eシステム302では、userId:21456、userName:shiroishi、organization:gm、organizationId:AIM005、の情報を記憶している。いずれの場合も、図7に示すマッピングテーブルの配信先データ項目名と一致した内容となっている。
【0037】
つづいて、文字コード自動変換装置200aにおける文字コードの自動変換処理について説明する。図10は、文字コード自動変換処理を示すフローチャートである。ここでは、一例として、Aシステム101からDシステム301へデータを配信する場合において、文字コードの他、データ項目、データ形式、ファイルフォーマットが異なる場合について説明する。
【0038】
まず、文字コードの自動変換処理を行う前の事前登録として、文字コード自動変換装置200aを管理するシステム管理者が、データ形式入力部8から、各システムのデータ形式の情報を入力し、データ形式記憶部9に記憶させる。また、マッピング情報入力部10から、各システムで扱っているデータ項目の情報を入力し、マッピング情報記憶部11に記憶させる。さらに、ファイルフォーマット選択部12から配信先システム300側の各システムで扱っているファイルフォーマット情報を入力し、ファイルフォーマット記憶部13に記憶させる(ステップS11)。なお、それぞれの情報をデータ形式入力部8、マッピング情報入力部10、およびファイルフォーマット選択部12から入力することとしたが、これに限定するものではなく、共通の入力部から情報を入力し、3つのデータベースに記憶させてもよい。
【0039】
なお、つぎのAシステム101が配信データを配信してから(ステップS1)、文字コード変換部52が配信データの文字コードをDシステム301が使用する文字コードに変換するまでの処理(ステップS6)は、配信制御部51が配信制御部51aに置き換わったことを除けば実施の形態1(図5参照)と同一であるため、説明を省略する。
【0040】
つぎに、配信処理部5aでは、データ項目変換部53が、マッピング情報記憶部11から、配信データの配信元であるAシステム101および配信先であるDシステム301のデータ項目の情報を読み出し、データ項目が同一かどうか確認する(ステップS12)。データ項目が異なる場合(ステップS12:No)、データ項目変換部53は、マッピング情報記憶部11から読み出した情報に基づいて配信データのデータ項目の変換を行う(ステップS13)。具体的には、前述の図7に示すAシステム→Dシステムマッピングテーブルに基づいて項目名を変換する。
【0041】
データ項目変換後(ステップS13)、つぎに、配信処理部5aでは、配信制御部51aが、データ形式記憶部9から、配信データの配信先であるDシステム301のデータ形式の情報を読み出し、システム連携形式かファイル形式かどうか確認する(ステップS14)。なお、データ項目変換部53においてデータ項目を確認した結果同一の場合(ステップS12:Yes)、同様に、配信制御部51aがシステム連携形式かファイル形式かどうか確認する(ステップS14)。
【0042】
例えば、Dシステム301で扱うデータがファイル形式の場合(ステップS14:ファイル)、つぎに、配信処理部5aでは、ファイルフォーマット変換部54が、ファイルフォーマット記憶部13から配信先であるDシステム301のフォーマット情報を読み出し、配信データと同一のファイルフォーマットかどうかを確認する(ステップS15)。配信データのファイルフォーマット(配信元であるAシステム101のフォーマット)については、実際に取得している配信データから把握することができるが、これに限定するものではなく、Dシステム301と同様、配信元システム100側のシステムのフォーマット情報についてもファイルフォーマット記憶部13に記憶させておくことも可能である。
【0043】
ファイルフォーマットが異なる場合(ステップS15:No)、ファイルフォーマット変換部54が、配信データのファイルフォーマットを、配信先であるDシステム301のファイルファーマットに変換する(ステップS16)。ここでは、具体的にcsv形式のファイルフォーマットに変換する。そして、ファイルフォーマット変換後、配信処理部5aでは、変換後の配信データを受け取った配信制御部51aが配信データを出力し、配信データ記憶部6に記憶させる(ステップS17)。なお、データ形式がシステム連携の場合(ステップS14:システム連携)、およびファイルフォーマットが同一の場合(ステップS15:Yes)についても、配信制御部51aが配信データを出力し、配信データ記憶部6に記憶させる(ステップS17)。
【0044】
このとき、配信制御部51aは、配信先のシステムがファイル形式の場合は、配信データを送信することをデータ送信部71へ指示し、配信データがシステム連携の場合は、配信データを配信先のシステムの記憶部に書き込みするようにデータ書き込み部72へ指示する(ステップS18)。ここでは、Dシステム301がファイル形式として、配信制御部51aは、データ送信部71へ送信を指示する(ステップS18)。
【0045】
そして、配信制御部51aからの指示に従って、配信データがファイル形式の場合はデータ送信部71が配信データ記憶部6から配信データを読み出し、配信先のシステムへ配信データを送信して配信する(ステップS19)。なお、配信データがシステム連携の場合はデータ書き込み部72が配信データ記憶部6から配信データを読み出し、配信先であるDシステム301の記憶部に配信データを書き込んで配信する(ステップS19)。
【0046】
このように、文字コード自動変換装置200aの配信処理部5aでは、文字コードを変換する際、配信元と配信先のシステムでデータ項目が異なる場合は、配信先のシステムが扱うデータ項目に変換してから配信データを配信する。これにより、配信元と配信先のシステムで扱うデータ項目が異なるシステム間においてもデータ配信を行うことができる。
【0047】
また、配信処理部5aでは、配信先のシステムのデータ形式がファイルの場合、さらにファイルフォーマットを確認し、配信元のシステムと異なる場合に、ファイルフォーマットを変換してから配信データを配信することとした。これにより、配信元と配信先のシステムでデータのファイルフォーマットが異なるシステム間においてもデータ配信を行うことができる。
【0048】
また、配信処理部5aでは、配信先のデータ形式に応じてデータ配信部7aへ配信方法を指示することとした。これにより、ファイル形式およびシステム連携の形式によるデータのいずれの場合についてもデータ配信することができる。また、配信元と配信先でデータ形式が異なる場合においてもデータ配信することができる。
【0049】
なお、配信処理部5aにおいて、文字コード変換処理の他、複数の変換処理等を行う場合について説明したが、これに限定するものではなく、複数の処理のうちのいくつかのみを行うことも可能である。例えば、文字コード変換処理およびデータ項目を変換する処理のみ行う、文字コード変換処理およびファイルフォーマットを変換する処理のみ行う、または、文字コート変換処理および異なるデータ形式間で配信する処理のみを行ってもよい。また、文字コード変換処理、異なるデータ形式間で配信する処理、およびファイルフォーマットを変換する処理、の組み合わせで行ってもよい。これにより、文字コード変換以外に必要な処理のみを組み合わせて行うことができる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態では、文字コード自動変換装置200aは、文字コードを変換する際、データ項目の変換およびファイルフォーマットの変換ができ、さらに、配信先のデータ形式に応じて配信データを配信できることとした。これにより、配信元および配信先のシステムで、データ項目が異なる場合、ファイルフォーマットが異なる場合、データ形式が異なる場合においても、文字コードを変換してデータ配信することができる。
【0051】
なお、図11は、本実施の形態にかかる文字コード自動変換装置としての機能を備え、本実施の形態の文字コード自動変換プログラムを実行可能な電子計算機の構成例を示す図である。
【0052】
この電子計算機は、たとえば、CPUを含む制御ユニット401(上記データ取得部1、文字コード取得部3、配信処理部5、配信処理部5a、データ配信部7、データ配信部7aに相当)と、メモリユニット402(上記取得データ記憶部2、文字コード記憶部4、配信データ記憶部6、データ形式記憶部9、マッピング情報記憶部11、ファイルフォーマット記憶部13に相当)と、表示ユニット403と、入力ユニット404(上記データ形式入力部8、マッピング情報入力部10、ファイルフォーマット選択部12に相当)と、CD−ROMドライブユニット405と、ディスクユニット406と、外部I/Fユニット407と、を備え、これらの各ユニットは、それぞれシステムバスAを介して接続されている。
【0053】
図11において、制御ユニット401は、上記文字コード自動変換プログラムを実行する。メモリユニット402は、RAM、ROM等の各種メモリを含み、上記制御ユニット401が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ等を記憶する。表示ユニット403は、CRTやLCD(液晶表示パネル)等で構成され、電子計算機の使用者に対して各種画面を表示する。入力ユニット404は、キーボード、マウス等で構成され、電子計算機の使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。また、図示のCD−ROM500には、本実施の形態の処理を記述した文字コード自動変換プログラムが格納されている。
【0054】
ここで、上記文字コード自動変換プログラムが実行可能な状態になるまでの電子計算機の動作例について説明する。まず、上記のように構成される電子計算機には、CD−ROMドライブユニット405にセットされたCD−ROM500から、文字コード自動変換プログラムがディスクユニット406にインストールされる。そして、電子計算機の起動時またはプログラムの実行時に、ディスクユニット406から読み出されたプログラムがメモリユニット402に格納される。この状態で、制御ユニット401は、メモリユニット402に格納されたプログラムにしたがって、文字コード自動変換処理を実行する。
【0055】
なお、本実施の形態においては、CD−ROM500にて上記文字コード自動変換プログラムを提供しているが、このプログラムの記録媒体は、これに限定されることなく、システムを構成するコンピュータに応じて、たとえば、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD等の他の記録媒体を用いることも可能である。また、電子メール、インターネット等の伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 データ取得部
2 取得データ記憶部
3 文字コード取得部
4 文字コード記憶部
5、5a 配信処理部
6 配信データ記憶部
7 データ配信部
8 データ形式入力部
9 データ形式記憶部
10 マッピング情報入力部
11 マッピング情報記憶部
12 ファイルフォーマット選択部
13 ファイルフォーマット記憶部
51、51a 配信制御部
52 文字コード変換部
53 データ項目変換部
54 ファイルフォーマット変換部
71 データ送信部
72 データ書き込み部
100 配信元システム
101 Aシステム
102 Bシステム
200、200a 文字コード自動変換装置
300 配信先システム
301 Dシステム
302 Eシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信元システムから配信データを取得するデータ取得手段と、
前記配信元システムおよび前記配信データの配信先である配信先システムから、それぞれのシステムが使用している文字コードの情報を取得する文字コード取得手段と、
取得した文字コードの情報に基づいて、前記配信元システムおよび前記配信先システムで使用する文字コードが異なる場合に、前記配信データの文字コードを前記配信先システムが使用する文字コードに変換する配信処理手段と、
前記配信先システムへ前記配信データを配信するデータ配信手段と、
を備えることを特徴とする文字コード自動変換装置。
【請求項2】
前記文字コード取得手段は、前記配信データを取得した前記データ取得手段からの情報に基づいて、当該配信データの前記配信元システムおよび前記配信先システムから文字コードの情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の文字コード自動変換装置。
【請求項3】
前記文字コード取得手段は、前記配信データを受け取った前記配信処理手段からの情報に基づいて、当該配信データの前記配信元システムおよび前記配信先システムから文字コードの情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の文字コード自動変換装置。
【請求項4】
さらに、
前記配信元システムおよび前記配信先システムの各システムが扱うデータの項目の情報を記憶したマッピング情報記憶手段、
を備え、
前記配信処理手段は、前記配信元システムおよび前記配信先システムで扱うデータ項目が異なる場合に、前記マッピング情報記憶手段から読み出したデータ項目の情報に基づいて、前記配信データの項目を配信先システムが扱うデータ項目に変換する、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の文字コード自動変換装置。
【請求項5】
データを配信する形式として、ファイルを送信する方式、およびシステム連携により配信先システムの記憶手段にデータの内容を書き込む方式、の2つが有る場合、
さらに、
前記配信元システムおよび前記配信先システムの各システムが扱うデータの形式の情報を記憶したデータ形式記憶手段、
を備え、
前記配信処理手段は、前記データ形式記憶手段から読み出したデータ形式の情報に基づいて、前記配信先システムが扱うデータ形式がファイルの場合、前記データ配信手段へ前記配信データを送信する旨指示し、前記配信先システムが扱うデータ形式がシステム連携の場合、前記データ配信手段へ前記配信データの内容を前記配信先システムの記憶手段に書き込む旨指示する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の文字コード自動変換装置。
【請求項6】
さらに、
前記配信先システムの各システムが扱うデータのファイルフォーマットの情報を記憶したファイルフォーマット記憶手段、
を備え、
前記配信処理手段は、データ形式がファイルであって、前記配信元システムと前記配信先システムで扱うデータのファイルフォーマットが異なる場合、前記ファイルフォーマット記憶手段から読み出したファイルフォーマット情報に基づいて、前記配信データのファイルフォーマットを前記配信先システムが扱うファイルフォーマットに変換する、
ことを特徴とする請求項5に記載の文字コード自動変換装置。
【請求項7】
配信元システムおよび配信先システムと接続する文字コード自動変換装置の文字コード自動変換方法であって、
前記配信元システムから配信データを取得するデータ取得ステップと、
前記配信元システムおよび前記配信データの配信先である配信先システムから、それぞれのシステムが使用している文字コードの情報を取得する文字コード取得ステップと、
取得した文字コードの情報に基づいて、前記配信元システムおよび前記配信先システムで使用する文字コードが異なる場合に、前記配信データの文字コードを前記配信先システムが使用する文字コードに変換する文字コード変換ステップと、
前記配信先システムへ前記配信データを配信するデータ配信ステップと、
を含むことを特徴とする文字コード自動変換方法。
【請求項8】
前記文字コード自動変換装置が、前記配信元システムおよび前記配信先システムの各システムが扱うデータの項目の情報を記憶したマッピング情報記憶手段、を備える場合、
さらに、
前記配信元システムおよび前記配信先システムで扱うデータ項目が異なる場合に、前記マッピング情報記憶手段から読み出したデータ項目の情報に基づいて、前記配信データの項目を配信先システムが扱うデータ項目に変換するデータ項目変換ステップ、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の文字コード自動変換方法。
【請求項9】
データを配信する形式として、ファイルを送信する方式、およびシステム連携により配信先システムの記憶手段にデータの内容を書き込む方式、の2つが有り、
前記文字コード自動変換装置が、前記配信元システムおよび前記配信先システムの各システムが扱うデータの形式の情報を記憶したデータ形式記憶手段、を備える場合、
さらに、
前記データ形式記憶手段から読み出したデータ形式の情報に基づいて、前記配信先システムが扱うデータ形式がファイルの場合は前記配信データを送信する旨指示し、前記配信先システムが扱うデータ形式がシステム連携の場合は前記配信データの内容を前記配信先システムの記憶手段に書き込む旨指示するデータ形式指示ステップ、
を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の文字コード自動変換方法。
【請求項10】
前記文字コード自動変換装置が、前記配信先システムの各システムが扱うデータのファイルフォーマットの情報を記憶したファイルフォーマット記憶手段、を備える場合、
さらに、
データ形式がファイルであって、前記配信元システムと前記配信先システムで扱うデータのファイルフォーマットが異なる場合、前記ファイルフォーマット記憶手段から読み出したファイルフォーマット情報に基づいて、前記配信データのファイルフォーマットを前記配信先システムが扱うファイルフォーマットに変換するフォーマット変換ステップ、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の文字コード自動変換方法。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の文字コード自動変換方法をコンピュータに実行させることを特徴とする文字コード自動変換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−8292(P2013−8292A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141806(P2011−141806)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】