説明

文書管理システム、その方法、文書管理装置およびプログラム

【課題】 返却期限を過ぎた文書について利用者に対して自動的にアラームを発することができる文書管理システム、その方法、文書管理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】 文書管理サーバ20は、所定のサイクルで文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されているデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索し、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の利用者端末60にアラームを発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、返却期限を過ぎた文書について利用者に対して自動的にアラームを発することができる文書管理システム、その方法、文書管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図書館における図書の貸出や返却等の管理は、バーコードリーダで図書に貼付されているバーコードを読み取ることによって図書を認識するとともに、利用者カードに貼付されているバーコードを読み取ることによって利用者を特定することによって行われることが多かった。
【0003】
しかし、バーコードは、個別に読み取ることが必要であるため複数の図書を処理する際には、労力や時間がかかるため、一括して読み取りを行うことができるICタグを貼着することが考えられる。
【0004】
ここで、貸し出しする図書および図書館利用カードに非接触ICタグを装着し、貸出または返却の際に図書管理装置により、双方の非接触ICタグを一のリーダライタにより実質的に同時に読み取らせて識別IDを認識し、その識別IDとデータベース上の図書内容および利用者を対応させ、それらを特定し、記録または表示することによって、図書の貸出、返却等の管理システムを実現する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−85329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来例においては次のような問題点があった。
【0006】
図書の貸出期限を過ぎても返却を行わない利用者に対しては、電話等による催促を行う以外には、システム化して自動にアラームを発することはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、文書の返却期限を設定し、返却期限を過ぎた文書について利用者に対して自動的にアラームを発することができる文書管理システム、その方法、文書管理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、ネットワークを介して接続されている、管理サーバと、利用者端末を含む文書管理システムであって、管理サーバは、貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースと、所定のサイクルでデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索する検索手段と、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の利用者端末にアラームを発するアラーム手段を備え、利用者端末は、管理サーバからアラームを受け取るアラーム受取手段を備えることを特徴とする文書管理システムである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の文書管理システムにおいて、管理サーバのアラーム手段は、電子メールである。
【0010】
請求項3記載の発明は、ネットワークを介して接続されている、管理サーバと、利用者端末を利用した文書管理方法であって、管理サーバは、検索手段によって、所定のサイクルで貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索するステップと、アラーム手段によって、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の利用者端末にアラームを発するステップを有し、利用者端末は、アラーム受取手段によって、管理サーバからアラームを受け取るステップを有することを特徴とする文書管理方法である。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の文書管理方法において、管理サーバのアラーム手段は、電子メールである。
【0012】
請求項5記載の発明は、貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースと、所定のサイクルでデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索する検索手段と、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者にアラームを発するアラーム手段を備えることを特徴とする文書管理装置である。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の文書管理装置において、アラーム手段は、電子メールである。
【0014】
請求項7記載の発明は、管理サーバが、検索手段によって、所定のサイクルで貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索するステップと、アラーム手段によって、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の利用者端末にアラームを発するステップを実行し、利用者端末が、アラーム受取手段によって、管理サーバからアラームを受け取るステップを実行することを特徴とするプログラムである。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のプログラムにおいて、管理サーバのアラーム手段は、電子メールである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の文書管理システム、その方法、文書管理装置およびプログラムによれば、文書の返却期限を設定し、返却期限を過ぎた文書について利用者に対して自動的にアラームを発することができ、返却期限を過ぎているのに気が付かない利用者の自覚を促すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照して説明する。
【0018】
図1を参照すると、本実施の形態における文書管理システムは、自席端末10、文書管理サーバ20、検索端末30、ICタグリーダライタ装置40、チェックゲート50および利用者端末60から構成されており、各々ネットワーク100を介して接続されている。ネットワーク100は、任意のネットワークであってよく、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0019】
自席端末10は、自席よりネットワーク100を介して、文書管理サーバ20に対してアクセスして、文書ファイルの貸出しを確認したり、また文書名、書籍名、発行者名、貸出可否、データ暗号化、データ更新を行うことができる、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0020】
文書管理サーバ20は、貸出し確認、保存情報、貸出履歴、文書名、書籍名、発行者名
貸出可否、データ暗号化情報等を蓄積する機能を有する、ワークステーション等の情報処理装置である。
【0021】
また、文書管理サーバ20は、図2に示すような処理装置201と文書ファイルデータベース202から構成されている。
【0022】
ここで、処理装置201は、自席端末10からの文書ファイル状況を文書ファイルデータベース202から検索を行う機能、文書ファイル検索履歴のデータベース検索を行い、検索状況結果を自席端末10へ表示する機能および検索状況結果を、文書名、書籍名、発行者名、貸出可否、データ暗号化有無とする機能を有している。
【0023】
文書ファイルデータベース202は、リアルタイムに文書ファイルの保存位置、文書ファイル有無を把握するため、ICタグリーダライタ装置40によって、文書ファイルに付いているICタグのチェックを行い、文書ファイルの保存位置、文書ファイルの有無の確認を行い、更新が行われる、ICタグリーダライタ装置40にて内容修正が発生した場合に更新が行われる機能を有している。
【0024】
検索端末30は、移動書庫前で文書ファイルの貸出、保存位置、検索を行う機能を有している情報処理装置である。
【0025】
ICタグリーダライタ装置40は、ICタグの内容修正および確認を行う機能を有している装置である。
【0026】
チェックゲート50は、図書館等の施設の出入口に設置され、文書ファイルのICタグをチェックして文書ファイルデータベース202と照合を行い、貸出可能ファイルか否かの確認を行う機能を有している装置である。
【0027】
利用者端末60は、携帯電話機等の利用者が日常において使用する情報処理装置であり、電子メール機能を有している情報処理装置である。
【0028】
次に、図3を参照して、本実施の形態における文書の返却期限を経過している利用者へアラームを発する処理のフローを詳細に説明する。
【0029】
まず、利用者は、自席端末10から文書ファイル管理サーバ20に対してログイン等を行うことによってアクセスする。(ステップA1)アクセス後、利用者ID、パスワード、電子メールアドレス等を入力してログインを行うことであってもよい。
【0030】
ログイン後、自席端末10のディスプレイ等に文書ファイルメニュー画面が表示され(ステップA2)、借りたいまたは検索したい文書ファイル名の検索を実施するために文書ファイル検索画面を選択する(ステップA3)。
【0031】
ステップA3で、検索画面が選択されると、検索画面が表示され検索したい文書ファイル名を入力する(ステップA4)。
【0032】
文書ファイル管理サーバ20は、検索実行を開始し(ステップA5)、入力された文書ファイル名に基づいて文書ファイルデータベース202を検索して一致する文書ファイル名が登録されているか否かを判断する(ステップA6)。例えば、図4に示すような文書ファイルデータベース202のテーブルに格納されている文書名データから特定される。
【0033】
文書ファイル管理サーバ20は、文書ファイルデータベース202を検索後、検索対象ファイルが検索された場合(ステップA6、Yes)は、利用者の自席端末10へ検索結果の表示を行う(ステップA7)。
【0034】
検索対象文書ファイルが貸出中または存在しない場合(ステップA6、No)は、利用者の自席端末10へ貸出中画面を表示する(ステップA8)。
【0035】
文書ファイル管理サーバ20は、入力された文書ファイル名に基づいて文書ファイルデータベース202を検索して貸し出し可能であるか否かを判断する(ステップA9)。例えば、図4に示すような文書ファイルデータベース202のテーブルに格納されている貸出可否データから特定される。
【0036】
文書ファイル管理サーバ20は、文書ファイルデータベース202を検索後、貸し出し可能である場合(ステップA9、Yes)は、利用者の自席端末10へその結果の表示を行う(ステップA7)。
【0037】
検索対象文書ファイルが貸出禁止等である場合(ステップA9、No)は、利用者の自席端末10へその旨を表示する(ステップA11)。
【0038】
利用者が、貸出可能な文書を借りて、出入口に設置されているチェックゲート50を通過する際、チェックゲート50は、ICタグ情報の貸出可否部分を確認する(ステップA12)。
【0039】
確認したICタグ情報が貸出否であるか判断し(ステップA13)、確認したICタグ情報が貸出否である文書ファイルが通過した場合(ステップA13、Yes)は、所定のアラーム音を鳴らす(ステップA14)。
【0040】
確認したICタグ情報が貸出可である文書ファイルが通過した場合(ステップA13、No)は、何もしない(ステップA15)。
【0041】
管理サーバ20は、例えば、1日1回等の所定のサイクルで文書ファイルデータベース202の返却期限を検索する(ステップA16)。
【0042】
管理サーバ20は、返却遅延であるか否かを判断し(ステップA17)、返却期限が経過した文書がある場合は(ステップA17、Yes)、その文書を借りている利用者に対して、例えば、図5に示すような、返却催促の電子メール等のアラームを送信して、返却されるまで返却催促の電子メールを送信する(ステップA12)。電子メールアドレスは、例えば、図4に示すような文書ファイルデータベース202のテーブルに格納されている貸出者電子メールアドレスから特定される。返却期限が経過した文書がない場合は(ステップA17、No)、何もしない。
【0043】
また、ステップA3で、文書ファイルメニュー画面より文書ファイル内容更新が選択されると、文書ファイル内容の修正を入力する(ステップB1)。
【0044】
ICタグリーダライタ装置40は、ICタグが保持している情報の更新を行うとともに文書ファイルデータベース202の更新を行う(ステップB2)。
【0045】
ICタグリーダライタ装置40は、ICタグが保持している情報の更新の内容を利用者の自席端末10へ表示する(ステップB3)。
【0046】
上記の実施の形態によれば、文書ファイルを借りにまたは探しに移動書庫等へ行き、目的の文書ファイルがない場合や何処にあるかわからない場合であっても、検索を容易にするために文書ファイルにICタグを貼り、そのICタグには文書の文書名、書籍名、発行者名、保管場所、貸出可否、データ暗号化有無等を書き込み、内容変更が生じたと同時にデータベースを更新し、最新の文書ファイルの有無、文書名、書籍名、保管場所、貸出可否をネットワークを介して検索、確認することができ、内容修正を行う場合は、ICタグリーダライタを用いる事によりICタグが保持する情報を修正することができる。
【0047】
また、チェックゲートを設け、ICタグ情報を読むことにより不明、盗難が防止可能である。
【0048】
さらに、文書ファイルに付いているICタグを定期的に確認することにより最新の保管場所を把握することができる。
【0049】
そして、文書ファイルの保管場所が、事前にわかりスムーズに文書ファイルを検索することができ、文書ファイルに付いているICタグを定期的に確認することにより異なった場所へ返却されても検索することにより保管場所を把握でき、ICタグ情報に書き込まれている文書ファイルの貸出可否情報をもとに出入口にチェックゲートを設置することにより、文書ファイルの不明、盗難が直ちに判明し、ICタグの書き込み情報を更新と同時にデータベースへ反映することにより、最新のデータをアクセスする利用者へ提供でき、コンピュータの処理であるので集計を早く正確に且つ、人為的なミスが発生しなく、24時間いつでも時間的な制約を受けることなく確認ができる。
【0050】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上記の実施の形態における自席端末10、文書管理サーバ20、検索端末30、ICタグリーダライタ装置40およびチェックゲート50の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより本システムの機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスク等を介して、または伝送媒体であるインターネットまたは電話回線等を介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0051】
上記の実施の形態では、自席端末10、文書管理サーバ20、検索端末30、ICタグリーダライタ装置40およびチェックゲート50が別個の装置として接続されているシステム構成について説明したが、各機能が1つのコンピュータシステムとして実現されている構成や機能毎に複数のサーバ装置等が追加された構成にも適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態における文書管理システムの概略構成を示す図である。
【図2】文書管理サーバの構成を示す図である。
【図3】文書の返却期限を経過している利用者へアラームを発する処理動作を示すフローチャートである。
【図4】文書ファイルデータベースのテーブルの構造を示す図である。
【図5】返却催促の電子メールの内容の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
10 自席端末
20 文書管理サーバ
30 検索端末
40 ICタグリーダライタ装置
50 チェックゲート
60 利用者端末
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されている、管理サーバと、利用者端末を含む文書管理システムであって、
前記管理サーバは、
貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースと、
所定のサイクルで前記データベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索する検索手段と、
返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の前記利用者端末にアラームを発するアラーム手段を備え、
前記利用者端末は、前記管理サーバからアラームを受け取るアラーム受取手段を備えることを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバのアラーム手段は、電子メールであることを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
ネットワークを介して接続されている、管理サーバと、利用者端末を利用した文書管理方法であって、
前記管理サーバは、
検索手段によって、所定のサイクルで貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索するステップと、
アラーム手段によって、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の前記利用者端末にアラームを発するステップを有し、
前記利用者端末は、アラーム受取手段によって、前記管理サーバからアラームを受け取るステップを有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項4】
前記管理サーバのアラーム手段は、電子メールであることを特徴とする請求項3記載の文書管理方法。
【請求項5】
貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースと、
所定のサイクルで前記データベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索する検索手段と、
返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者にアラームを発するアラーム手段を備えることを特徴とする文書管理装置。
【請求項6】
前記アラーム手段は、電子メールであることを特徴とする請求項5記載の文書管理装置。
【請求項7】
管理サーバが、
検索手段によって、所定のサイクルで貸し出した文書の文書名、返却期限、貸出者連絡先データが格納されるデータベースを検索して返却期限を過ぎている文書が存在するか否かを検索するステップと、
アラーム手段によって、返却期限を過ぎている文書を借り出している利用者の前記利用者端末にアラームを発するステップを実行し、
利用者端末が、アラーム受取手段によって、前記管理サーバからアラームを受け取るステップを実行することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記管理サーバのアラーム手段は、電子メールであることを特徴とする請求項7記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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