説明

文書管理プログラム、情報処理装置および文書管理方法

【課題】文書ファイルの版管理を効率的に行うこと。
【解決手段】格納手段1aは、文書の内容を示す内容データA,B,Cそれぞれが文書ファイルに追加された後の当該文書ファイルの第1の版数と内容データA,B,Cそれぞれが当該文書ファイルから削除される前の当該文書ファイルの第2の版数とを内容データA,B,Cそれぞれに対応付けて記憶手段1bに格納する。検索手段1cは、第3の版数が入力されると、記憶手段1bを参照して、第1の版数が第3の版数以下で第2の版数が第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む文書ファイル2を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書管理プログラム、情報処理装置および文書管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、帳票などの文書を電子化して一元管理する文書管理システムが利用されている。文書管理システムにより、文書へのアクセス性やメンテナンス性を向上し得る。
文書管理システムでは、文書の内容を示すデータ(以下、内容データということがある)の集合を1つの文書ファイル(複数の文書を綴る簿冊、バインダ)として扱い、当該文書ファイルの更新履歴を版数により管理することがある。文書ファイルは、例えば、文書ファイル中の内容データが更新された場合に、当該文書ファイルの版数に所定値(例えば、1)を加算した文書ファイルを新たに生成して記録する。
【0003】
このような文書管理システムとして、例えば、版間に同じ文書内容がある場合、その文書内容を共有化し、当該共有化した文書内容を各版に関連付けることで、記憶領域の節約を図る提案がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、テキストの版数を管理する場合に、テキストに含まれる文字列につき、当該文字列の生成時の版数や削除時の版数を取得する提案がある(例えば、特許文献2参照)。この提案では、テキストの内容を表示する際に、表示するテキストの版数と各文字列について取得した2つの版数との比較結果により、各文字列の表示方法を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−223440号公報
【特許文献2】特開平5−224896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内容データを各版に対応付ける場合、上記特許文献1のように内容データを登録した情報(コンテントデータDB(DataBase))とは別個に、1つの版と当該版に含まれる内容データとの対応付けを定義した管理情報(版情報DB)を用意することが考えられる。
【0007】
しかし、管理情報を別個に用意すると、その分の記憶領域を確保せねばならず、記憶領域が圧迫され得るという問題がある。特に、個々の版ごとに内容データとの対応付けを定義すると、当該管理情報のレコード数が膨大となる可能性があり、管理情報のサイズが大きくなるおそれがある。文書ファイルや内容データの数が大量(例えば、数千万件のオーダ)となる程、この問題は一層顕著となる。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、文書ファイルの版管理を効率的に行える文書管理プログラム、情報処理装置および文書管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンピュータに実行させる文書管理プログラムであって、文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、文書ファイルの版数により文書ファイルの更新の履歴を管理する文書管理プログラムが提供される。この文書管理プログラムは、コンピュータに、内容データが文書ファイルに追加された後の文書ファイルの第1の版数と内容データが文書ファイルから削除される前の文書ファイルの第2の版数とを内容データに対応付けて記憶手段に格納し、第3の版数が入力されると、記憶手段を参照して、第1の版数が第3の版数以下で第2の版数が第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む文書ファイルを出力する、処理を実行させる。
【0010】
また、文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、文書ファイルの版数により文書ファイルの更新の履歴を管理する情報処理装置が提供される。この情報処理装置は格納手段と検索手段とを有する。格納手段は、内容データが文書ファイルに追加された後の文書ファイルの第1の版数と内容データが文書ファイルから削除される前の文書ファイルの第2の版数とを内容データに対応付けて記憶手段に格納する。検索手段は、第3の版数が入力されると、記憶手段を参照して、第1の版数が第3の版数以下で第2の版数が第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む文書ファイルを出力する。
【0011】
また、文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、文書ファイルの版数により文書ファイルの更新の履歴を管理するコンピュータが実行する文書管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
文書ファイルの版管理を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る文書管理システムを示す図である。
【図3】文書管理サーバのハードウェア例を示す図である。
【図4】文書管理システムのソフトウェア例を示す図である。
【図5】文書ファイルの例を示す図である。
【図6】文書管理テーブルの例を示す図である。
【図7】内容データ管理テーブルの例を示す図である。
【図8】業務メニュー画面の例を示す図である。
【図9】帳票読取画面/更新読取画面の例を示す図である。
【図10】読取帳票確認画面の例を示す図である。
【図11】点検一覧画面/点検画面の例を示す図である。
【図12】文書検索画面/文書ファイル表示画面の例を示す図である。
【図13】帳票照会画面の例を示す図である。
【図14】文書ファイル登録/更新時の処理例を示すフローチャートである。
【図15】文書ファイル検索時の処理例を示すフローチャートである。
【図16】検索される内容データの例を示す図である。
【図17】文書ファイルを管理するための他の例を示す図である。
【図18】内容データ管理テーブルの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置を示す図である。情報処理装置1は、文書ファイル2を記憶する。文書ファイル2は、文書の内容を示す内容データの集合である。文書ファイル2は、内容データが追加/削除されることで更新され得る。情報処理装置1は、内容データの追加や削除の履歴を、文書ファイル2の版数により管理する。版数は、数値で表され、値が大きい程、最新の更新を反映したものとなる。情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサとRAM(Random Access Memory)などのメモリとを備えてもよく、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行するコンピュータであってもよい。情報処理装置1は、格納手段1a、記憶手段1bおよび検索手段1cを有する。
【0015】
格納手段1aは、内容データA,B,Cそれぞれが文書ファイル2に追加された後の文書ファイル2の第1の版数と、内容データA,B,Cそれぞれが文書ファイル2から削除される前の文書ファイル2の第2の版数とを内容データA,B,Cそれぞれに対応付けて記憶手段1bに格納する。例えば、版数“2”の文書ファイル2に内容データAが追加されて当該版数が“3”に更新された場合、内容データAに対して第1の版数“3”を格納する。また、例えば、版数“8”の文書ファイル2から内容データAが削除されて当該版数が“9”に更新された場合、内容データAに対して第2の版数“8”を格納する。
【0016】
記憶手段1bは、内容データA,B,Cおよび内容データA,B,Cに対する第1,第2の版数を記憶する。例えば、記憶手段1bには、内容データA以外にも、内容データBに対して第1の版数“4”、第2の版数“7”が格納されている。また、内容データCに対して第1の版数“6”、第2の版数“10”が格納されている。なお、記憶手段1bは、RAMやHDD(Hard Disk Drive)によって実装されてもよい。
【0017】
検索手段1cは、第3の版数が入力されると、記憶手段1bを参照して、第1の版数が第3の版数以下で第2の版数が第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む文書ファイル2を出力する。
【0018】
例えば、第3の版数“5”が検索手段1cに入力されたとする。このとき、内容データA,Bの第1の版数“3”、“4”は、第3の版数“5”以下である。また、内容データA,B,Cの第2の版数“8”、“7”、“10”は、第3の版数“5”以上である。よって、検索手段1cは、第3の版数“5”に対して、内容データA,Bを抽出する。一方、内容データCは抽出しない。内容データCは、第1の版数“6”が第3の版数“5”より大きく、「第1の版数が第3の版数以下」の条件を満たさないためである。検索手段1cは、検索により抽出した内容データA,Bを含む文書ファイル2を出力する。
【0019】
情報処理装置1によれば、格納手段1aにより、第1,第2の版数が内容データA,B,Cそれぞれに対応付けて記憶手段1bに格納される。第3の版数が入力されると、検索手段1cにより、記憶手段1bが参照され、第1の版数が第3の版数以下で第2の版数が第3の版数以上の内容データが検索され、検索された内容データを含む文書ファイル2が出力される。
【0020】
ここで、1つの版数と内容データとの対応付けを定義した管理情報を、内容データを格納したデータベースとは別個に設け、当該版数の文書ファイルに含まれる内容データを当該管理情報により検索することも考え得る。
【0021】
しかし、管理情報を別個に用意すると、当該管理情報のための記憶領域を確保しなければならず、記憶領域の使用量が増大する。特に、個々の版ごとに内容データとの対応付けを定義すると、当該管理情報のレコード数が膨大となる可能性があり、管理情報のサイズが大きくなるおそれがある。また、この場合、ある版の文書ファイルに含まれる内容データをデータベースから取得する前に、当該管理情報を参照する必要が生ずる。別の情報を参照するとなると、その分だけ処理効率が悪化する。このような問題は、文書ファイルや文書ファイル内の内容データの数が大量になるほど、特に顕著となる。
【0022】
一方、情報処理装置1では、内容データと共に第1,第2の版数を記憶手段1bに格納する。このように、内容データ本体を格納したデータベースと別個の管理情報を設けないので、管理情報を別個に設ける場合よりも記憶領域の使用量を低減できる。また、第1,第2の版数と第3の版数との大小を比較して、第3の版数の文書ファイル2に含まれる内容データを記憶手段1bから一度の処理で抽出できる。よって、第3の版数の文書ファイル2を高速に取得できる。
【0023】
このように、情報処理装置1によれば、文書ファイルの版管理を効率的に行える。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る文書管理システムを示す図である。第2の実施の形態の文書管理システムは、文書管理サーバ100、ストレージ200、検索クライアント300、登録サーバ400、読取クライアント500、認識クライアント600、外部サーバ700および複合機800を含む。
【0024】
文書管理サーバ100、ストレージ200および検索クライアント300は、ネットワーク10に接続されている。登録サーバ400、読取クライアント500および認識クライアント600は、ネットワーク20に接続されている。外部サーバ700および複合機800は、ネットワーク30に接続されている。また、ネットワーク10,20は接続されている。例えば、ネットワーク10,20は、ある拠点に形成されたLAN(Local Area Network)である。ネットワーク30は、他の拠点に形成されたLANである。ネットワーク20,30は、インターネットなどの広域ネットワークを介して接続されてもよい。
【0025】
文書管理サーバ100は、文書ファイルの登録、更新、削除および検索を制御するサーバコンピュータである。文書管理サーバ100は、ストレージ200に接続されている。文書管理サーバ100は、検索クライアント300から、文書ファイルの検索指示を受信すると、文書ファイルの検索を行い、検索結果を応答する。文書管理サーバ100は、Webサーバ機能を備えており、検索指示を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を検索クライアント300に提供する。
【0026】
ストレージ200は、文書ファイルを記憶する記憶装置である。文書管理サーバ100とストレージ200との間のインタフェースには、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)やファイバチャネル(Fibre Channel)などを用いてもよい。ストレージ200は、HDDやSSD(Solid State Drive)などの記憶デバイスを備える。ストレージ200は、文書管理サーバ100に内蔵されてもよい。
【0027】
検索クライアント300は、ユーザが文書ファイルの検索のために利用するクライアントコンピュータである。検索クライアント300は、Webブラウザを備える。ユーザは、当該Webブラウザに文書管理サーバ100が提供するGUIを表示させて、検索指示を入力できる。
【0028】
登録サーバ400は、文書ファイルの登録および更新を文書管理サーバ100に依頼するサーバコンピュータである。登録サーバ400は、読取クライアント500および外部サーバ700から受信した文書ファイルの登録または更新の指示に基づき、文書ファイルの登録または更新を文書管理サーバ100に依頼する。
【0029】
読取クライアント500は、ユーザが文書ファイルの登録および更新を行うために利用するクライアントコンピュータである。読取クライアント500は、イメージスキャナ500aと接続されている。イメージスキャナ500aは、帳票の内容を撮像して画像データを生成し、読取クライアント500に送信する。当該画像データを以下では内容データと呼ぶ。すなわち、内容データは帳票1枚分をスキャンした画像データである。文書ファイルは内容データの集合である。
【0030】
読取クライアント500は、ユーザが文書ファイルの内容の点検を行うためにも利用される。点検は、文書ファイル登録前に内容の適否を事前判断する作業である。登録サーバ400は、点検が完了した文書ファイルにつき、文書管理サーバ100に登録を依頼する。読取クライアント500は、文書ファイルの登録、更新および点検の指示を入力するためのGUIをユーザに提供する。
【0031】
認識クライアント600は、帳票の種類(契約書や添付書類などを区分した文書種別)の認識を行うクライアントコンピュータである。認識クライアント600は、登録サーバ400からの指示に応じて、文書ファイルに含まれる内容データを解析し、内容データに応じた文書種別を判断する。認識クライアント600は、判断結果を登録サーバ400に送信する。
【0032】
外部サーバ700は、ユーザが文書ファイルの登録および更新を行うために利用するサーバコンピュータである。外部サーバ700は、複合機800と通信する。
複合機800は、帳票の内容を撮像して内容データを生成し、外部サーバ700に送信する装置である。
【0033】
外部サーバ700は、複合機800から内容データを受信すると登録サーバ400に文書ファイルの登録または更新を指示する。外部サーバ700は、文書ファイルの登録および更新の指示を入力するためのGUIをユーザに提供する。
【0034】
図3は、文書管理サーバのハードウェア例を示す図である。文書管理サーバ100は、CPU101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、ディスクドライブ106および通信部107を有する。各ユニットが文書管理サーバ100のバスに接続されている。検索クライアント300、登録サーバ400、読取クライアント500、認識クライアント600および外部サーバ700も文書管理サーバ100と同様のハードウェアを用いて実装できる。
【0035】
CPU101は、文書管理サーバ100の情報処理を制御するプロセッサである。CPU101は、HDD103に記憶されているプログラムやデータの少なくとも一部を読み出し、RAM102に展開してプログラムを実行する。なお、文書管理サーバ100は、複数のプロセッサを設けて、プログラムを分散して実行してもよい。
【0036】
RAM102は、CPU101が実行するプログラムや処理に用いるデータを一時的に記憶する揮発性メモリである。なお、文書管理サーバ100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えていてもよい。
【0037】
HDD103は、OSプログラムやアプリケーションプログラムなどのプログラムおよびデータを記憶する不揮発性の記憶装置である。HDD103は、CPU101の命令に従って、内蔵の磁気ディスクに対してデータの読み書きを行う。なお、文書管理サーバ100は、HDD以外の種類の不揮発性の記憶装置(例えば、SSDなど)を備えてもよく、複数の記憶装置を備えていてもよい。
【0038】
画像信号処理部104は、CPU101の命令に従って、文書管理サーバ100に接続されたディスプレイ11に画像を出力する。ディスプレイ11としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイを用いることができる。
【0039】
入力信号処理部105は、文書管理サーバ100に接続された入力デバイス12から入力信号を取得し、CPU101に出力する。入力デバイス12としては、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイス、キーボードなどを用いることができる。
【0040】
ディスクドライブ106は、記録媒体13に記録されたプログラムやデータを読み取る駆動装置である。記録媒体13として、例えば、ブルーレイディスク(BD:Blu-ray Disk)(Blu−rayは登録商標)、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。ディスクドライブ106は、例えば、CPU101の命令に従って、記録媒体13から読み取ったプログラムやデータをRAM102またはHDD103に格納する。文書管理サーバ100は、記録媒体13から読み取ったプログラムをCPU101が実行することで、後述する処理機能を実現できる。文書管理サーバ100は、通信部107を介して、ネットワーク10,20,30の何れかに接続された所定のサーバコンピュータから当該プログラムを取得してもよい。
【0041】
通信部107は、ネットワーク10,20を介して検索クライアント300、登録サーバ400と通信を行う通信インタフェースである。通信部107は、有線通信インタフェースでもよいし、無線通信インタフェースでもよい。
【0042】
図4は、文書管理システムのソフトウェア例を示す図である。図4に示すユニットの一部または全部は、文書管理サーバ100、登録サーバ400および外部サーバ700が実行するプログラムのモジュールであってもよい。また、図4に示すユニットの一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの電子回路であってもよい。
【0043】
文書管理サーバ100は、格納部110、検索部120を有する。
格納部110は、登録サーバ400から受け付けた文書ファイルの登録および更新の依頼に応じて、ストレージ200に文書ファイルを登録する。格納部110は、文書ファイルの版管理も行う。すなわち、格納部110は、文書ファイルの更新に伴い、当該文書ファイルの版を更新する。
【0044】
検索部120は、検索用のGUIを記述したHTML(HyperText Markup Language)ファイルを検索クライアント300に提供する。検索部120は、検索クライアント300上のWebブラウザから検索指示を受け付け、文書ファイルの検索を行う。検索部120は、検索結果を検索クライアント300に応答する。
【0045】
ストレージ200は、記憶部210を有する。記憶部210は、文書ファイルを管理するための文書管理テーブルを記憶する。記憶部210は、文書ファイルに含まれる内容データを管理するための内容データ管理テーブルを記憶する。文書管理テーブルおよび内容データ管理テーブルは、格納部110により参照され、更新される。また、文書管理テーブルおよび内容データ管理テーブルは、検索部120により参照される。更に、ストレージ200は、文書ファイルの検索に用いる文字列などを管理するための情報を記憶する。
【0046】
登録サーバ400は、記憶部410および連携部420を有する。記憶部410は、登録サーバ400が取得した文書ファイルのデータ(内容データなど)を一時的に記憶する。記憶部410には、連携部420がアクセスする。
【0047】
連携部420は、文書管理サーバ100、読取クライアント500および認識クライアント600との連携処理を制御する。具体的には、連携部420は、読取クライアント500から文書ファイルの登録または更新の内容を取得すると、記憶部410へ格納する。その後、認識クライアント600に文書種別の認識処理を行わせる。
【0048】
読取クライアント500は、認識後の文書ファイルのデータを連携部420から得て、点検を行い、点検後の文書ファイルのデータを連携部420へ送信する。
連携部420は、登録または更新の内容を格納部110に送信し、文書ファイルの格納を依頼する。
【0049】
また、連携部420は、外部サーバ700から文書ファイルの登録依頼を受け付ける。連携部420は、当該登録依頼に基づき、文書管理サーバ100に文書ファイルの登録依頼を行う。
【0050】
外部サーバ700は、記憶部710および連携部720を有する。記憶部710は、外部サーバ700が取得した文書ファイルのデータ(内容データなど)を一時的に記憶する。記憶部710には、連携部720がアクセスする。連携部720は、連携部420と同様の機能を備える。ただし、連携部720は、連携部420に対して文書ファイルの登録を依頼する。
【0051】
図5は、文書ファイルの例を示す図である。文書ファイルは、内容データの追加、削除および差替えにより更新され得る。各時点での文書ファイルは、版数によって識別される。版数は、最初を“1”(第1版)とする。版数は、更新のたびに“1”が加算される。版数が大きい程、最新の更新内容を反映している。
【0052】
例えば、文書ファイル40は第1版である。文書ファイル40は、内容データX,Yを含む。文書ファイル40に内容データZを追加する。すると、版数が1加算されて第2版となり、文書ファイル40aを得る。文書ファイル40aは内容データX,Y,Zを含む。文書ファイル40aから内容データYを削除する。すると、版数が1加算されて第3版となり、文書ファイル40bを得る。文書ファイル40bは内容データX,Zを含む。
【0053】
このようにして、文書管理サーバ100は、文書ファイルの版数管理を行う。
図6は、文書管理テーブルの例を示す図である。文書管理テーブル211は、記憶部210に格納される。文書管理テーブル211は、文書ファイルID(IDentifier)、版数、文書ファイル名、文書種別および顧客番号の項目を含む。
【0054】
文書ファイルIDの項目には、文書ファイルの識別番号が登録される。版数の項目には、文書ファイルの版数番号が登録される。文書ファイル名の項目には、文書ファイルの名称が登録される。文書種別の項目には、契約書や添付書類などを示す文書種別が登録される。顧客番号の項目には、文書ファイルに関連する顧客番号(顧客を識別するための番号)が登録される。
【0055】
例えば、文書ファイルID“2”の文書(文書ファイル名“顧客名簿”)は、版数が“1”、“2”、“3”のレコードが存在している。これは、文書ファイルID“2”で示される文書ファイルに版数“1”、“2”、“3”の3つの版数が存在することを示す。
【0056】
図7は、内容データ管理テーブルの例を示す図である。内容データ管理テーブル212は、記憶部210に格納される。内容データ管理テーブル212は、文書ファイルID、文書内通番、登録版数、最終版数、ファイル名およびデータ本体の項目を含む。
【0057】
文書ファイルIDの項目には、文書ファイルの識別番号が登録される。文書内通番の項目には、文書内において内容データを識別するための番号が登録される。登録版数の項目には、内容データが当該文書ファイルに追加された直後の、当該文書ファイルの版数が登録される。最終版数の項目には、内容データが当該文書ファイルから削除される直前の、当該文書ファイルの版数が登録される。ファイル名の項目には、内容データのファイル名が登録される。データ本体の項目には、内容データの本体が登録される。
【0058】
例えば、登録版数“1”は、文書ファイルが最初に登録されたときに追加された内容データである。最終版数“2”は、文書ファイルが第3版になるときに削除された内容データである。なお、内容データを文書ファイルに追加するとき、最終版数には“9999”を登録しておく。すなわち、最終版数“9999”は、現状の最新版でも削除されていない内容データであることを示す。ここで、“9999”は、当該項目に設定可能な最大値である。これにより、現状の最新版でも削除されていない内容データを、後述する検索処理で適正に抽出できる。
【0059】
次に、第2の実施の形態の文書管理システムでユーザの操作を支援するGUIを説明する。まず、文書ファイルの読取および点検を支援するために読取クライアント500が出力する画面を説明する。
【0060】
なお、内容データ管理テーブル212には、各内容データや登録版数などに対応付けて他の情報を登録してもよい。例えば、内容データのデフォルトの表示サイズや縦/横の表示方法を区別するための情報を含めてもよい。
【0061】
図8は、業務メニュー画面の例を示す図である。業務メニュー画面50は、読取クライアント500が、読取クライアント500に接続された表示装置に出力する画面である。業務メニュー画面50は、帳票読取ボタン51、更新読取ボタン52および点検ボタン53を有する。
【0062】
帳票読取ボタン51は、帳票の新規読取を開始するためのボタンである。更新読取ボタン52は、帳票の更新読取を開始するためのボタンである。点検ボタン53は、読取済みの内容データの点検を開始するためのボタンである。
【0063】
例えば、ユーザは、読取クライアント500に接続されたポインティングデバイスにより、ポインタP1を操作して、何れかのボタンを押下操作できる。
図9は、帳票読取画面/更新読取画面の例を示す図である。図9(A)は帳票読取画面50aを示す。帳票読取画面50aは、業務メニュー画面50で帳票読取ボタン51が押下された後に読取クライアント500が出力する画面である。帳票読取画面50aは、テキストボックス51a、ADF(Auto Document Feeder)ボタン52aおよびFB(Flat Bed)ボタン53aを有する。
【0064】
テキストボックス51aは、帳票の読取枚数を入力するためのフォームである。ADFボタン52aは、自動紙送り機構(ADF)付きのスキャナを用いた帳票の読取を開始するためのボタンである。FBボタン53aは、台型(FB)のスキャナを用いた帳票の読取を開始するためのボタンである。
【0065】
図9(B)は更新読取画面50bを示す。更新読取画面50bは、業務メニュー画面50で更新読取ボタン52が押下された後に読取クライアント500が出力する画面である。更新読取画面50bは、テキストボックス51b,52b,53b、ADFボタン54bおよびFBボタン55bを有する。
【0066】
テキストボックス51bは、更新対象とする文書ファイルの文書ファイルIDを入力するためのフォームである。テキストボックス52bは、内容データの差替えを行う場合に、差替え対象とする内容データの文書内通番を入力するためのフォームである。テキストボックス53bは、読取枚数を入力するためのフォームである。例えば、既存の文書ファイルに対し新たに内容データを追加する場合、テキストボックス51b,53bに設定値を入力する。また、既存の文書ファイルの内容データを、新たな内容データで置換する場合、テキストボックス51b,52bに設定値を入力する(この場合、読取枚数の入力は無効となる)。
【0067】
ADFボタン54bおよびFBボタン55bは、図9(A)で説明したADFボタン52aおよびFBボタン53aと同様である。
図10は、読取帳票確認画面の例を示す図である。読取帳票確認画面50cは、読取クライアント500が出力する画面である。読取帳票確認画面50cは、帳票読取画面50aまたは更新読取画面50bから入力された読取指示に応じて、イメージスキャナ500aが読み取った帳票イメージを確認するための画面である。読取帳票確認画面50cは、帳票イメージ表示部51c、読取結果枚数表示部52c、テキストボックス53c、ADFボタン54c、FBボタン55cおよび実行ボタン56cを有する。
【0068】
帳票イメージ表示部51cは、読み取った帳票イメージを表示する領域である。読取結果枚数表示部52cは、読取を行った帳票の枚数を表示する領域である。テキストボックス53cは、追加で帳票を読み取る場合に、読取枚数を入力するためのフォームである。
【0069】
ADFボタン54cおよびFBボタン55cは、図9(A)で説明したADFボタン52aおよびFBボタン53aと同様である。ADFボタン54cおよびFBボタン55cは、テキストボックス53cに入力された枚数分の帳票の追加読取を開始するためのボタンである。
【0070】
実行ボタン56cは、読取結果を確定し、文書ファイルに登録する内容データを得るためのボタンである。実行ボタン56cが押下されると、読取クライアント500は、内容データを登録サーバ400に送信する。登録サーバ400に送信された内容データは、認識クライアント600による文書種別の自動認識が行われた後に点検可能となる。
【0071】
図11は、点検一覧画面/点検画面の例を示す図である。図11(A)は点検一覧画面50dを示す。点検一覧画面50dは、業務メニュー画面50で点検ボタン53が押下された後に読取クライアント500が出力する画面である。点検一覧画面50dは、案件一覧表示部51dおよび実行ボタン52dを有する。
【0072】
案件一覧表示部51dは、点検待ちの案件の一覧を表示する領域である。案件一覧表示部51dには、例えば、案件番号、面数、案件状態、更新先文書ファイルIDおよび文書内通番などの項目が表示される。案件番号は、点検待ち案件を管理するための番号である。案件番号は、文書ファイルの登録または更新指示を受けた登録サーバ400が、登録前の内容データの集合(束)に対して付与する管理用の番号である。面数は、当該集合に含まれる内容データの数を示す。案件状態は、当該案件が未点検の状態か途中まで点検された状態(保留)かを示す。更新先文書ファイルIDは、内容データを追加する場合に、対象となる既存の文書ファイルのIDを設定する。新規に文書ファイルを登録する場合、更新先文書ファイルIDの項目の表示は、設定なしを示す“−”(ハイフン)となる。文書内通番は、内容データの差替えである場合に表示される。文書内通番は、既存の文書ファイルのIDとともに指定される。差替えでない場合、文書内通番の表示は、設定なしを示す“−”(ハイフン)となる。ユーザは、読取クライアント500に接続されたポインティングデバイスを操作して、カーソルC1により点検を行う案件の行を選択できる。
【0073】
実行ボタン52dは、カーソルC1で選択された行に対応する案件の点検を開始するためのボタンである。
図11(B)は点検画面50eを示す。点検画面50eは、点検一覧画面50dで(カーソルC1で何れかの行が選択された状態で)実行ボタン52dが押下された後に読取クライアント500が出力する画面である。点検画面50eは、サムネイル表示部51e、帳票イメージ表示部52e、テキストボックス53e,54e,55e、保留ボタン56eおよび実行ボタン57eを有する。
【0074】
サムネイル表示部51eは、案件に含まれる内容データのサムネイルを表示する領域である。ユーザは、サムネイル表示部51eに表示されたサムネイルの中から、参照したい内容データを選択できる。帳票イメージ表示部52eは、サムネイルの中から選択された内容データを拡大表示する領域である。ユーザは、帳票イメージ表示部52eを目視して、記述された内容を点検できる。
【0075】
テキストボックス53e,54e,55eは、文書ファイルに付与するキーワードを入力するためのフォームである。入力されたキーワードは、例えば、検索時のキーワードとして利用される。保留ボタン56eは、点検を一時的に中断(保留)するためのボタンである(押下後は、例えば点検一覧画面50dに戻る)。実行ボタン57eは、点検を完了して、文書ファイルの登録を促すためのボタンである(押下後は、例えば点検一覧画面50dに戻る)。実行ボタン57eが押下されると、登録サーバ400は文書ファイルの登録(文書種別を含む)または更新を文書管理サーバ100に依頼する。文書管理サーバ100は、当該依頼に基づいて、文書ファイルの登録または更新を行う。
【0076】
ユーザは、検索クライアント300を操作して、文書管理サーバ100が登録した文書ファイルを検索できる。次に、文書ファイルの検索を支援するために検索クライアント300が出力する画面を説明する。例えば、ユーザは検索クライアント300上のWebブラウザを用いて、文書管理システムにログインする。例えば、ユーザは、文書管理サーバ100(あるいは、所定の認証サーバ)が提供するログイン画面にユーザIDおよびパスワードを入力することでログイン操作を行う。すると、Webブラウザは、以下に示す文書検索画面を表示する。
【0077】
図12は、文書検索画面/文書ファイル表示画面の例を示す図である。図12(A)は文書検索画面50fを示す。文書検索画面50fは、検索クライアント300のWebブラウザが、検索クライアント300に接続された表示装置に出力する画面である。文書検索画面50fは、テキストボックス51f,52f、検索実行ボタン53fおよび検索結果一覧表示部54fを有する。
【0078】
テキストボックス51f,52fは、検索用のキーワードを入力するためのフォームである。このうち、テキストボックス51fには、顧客番号で検索したいときに、対象の顧客番号を入力する。テキストボックス52fには、文書種別で検索したいときに、対象の文書種別を入力する。テキストボックス51f,52fには何れか一方が入力されてもよいし、両方が入力されてもよい。両方が入力された場合は、顧客番号および文書種別の両方を検索用のキーワードとして用いる。なお、文書ファイルに対して、顧客番号や文書種別以外の情報(例えば、契約番号など)が対応付けられている場合には、当該情報をキーワードとして指定可能としてもよい。検索実行ボタン53fは、検索部120による検索処理を開始するためのボタンである。
【0079】
検索結果一覧表示部54fは、検索結果を表示する領域である。検索結果一覧表示部54fは、検索処理を行っていない場合には、何れの情報も表示されない(通知用の文字列などは表示され得る)。検索結果一覧表示部54fには、例えば、顧客番号、文書種別、文書ファイル名[版]および文書ファイルIDなどの項目が表示される。例えば、顧客番号は、当該行で示される文書ファイル内容を参照するための画面へのリンク(例えば、リンクL1)となっている。例えば、ユーザは、検索クライアント300に接続されたポインティングデバイスによりポインタP2を操作して、当該顧客番号を選択できる。
【0080】
図12(B)は文書ファイル表示画面50gを示す。文書ファイル表示画面50gは、文書検索画面50fでリンクL1が選択された後に検索クライアント300が出力する画面である。文書ファイル表示画面50gは、文書ファイル名表示部51g、版数見出し表示部52g,53g,54g、表示ボタン群55g、削除ボタン群56gおよびファイル名表示部57gを有する。
【0081】
文書ファイル名表示部51gは、表示中の文書ファイル名(例えば、“顧客名簿”)を表示する領域である。版数見出し表示部52g,53g,54gは、表示中の文書ファイルにつき選択し得る版数を表示する領域である。版数見出し表示部52g,53g,54g内の版数は、ポインタP2により選択可能となっている。当該版数が選択されると、その版数に含まれる内容データの一覧(表示ボタン群55g、削除ボタン群56gおよびファイル名表示部57g)が表示される。なお、文書ファイル表示画面50gは、リンクL1が選択された場合に表示される画面である。このため、リンクL1に対応する第3版の内容データがデフォルトで表示されている。
【0082】
表示ボタン群55gは、内容データを表示させるための表示ボタンの集合である。例えば、2つの表示ボタンの内の上側の表示ボタンは、ファイル名“20110729_001.TIF”の内容データを表示させるためのボタンである。削除ボタン群56gは、内容データを削除させるための削除ボタンの集合である。例えば、2つの削除ボタンの内の上側の削除ボタンは、ファイル名“20110729_001.TIF”の内容データを削除させるためのボタンである。なお、削除ボタン群56gは、ログインしたユーザに与えられた権限に応じて非表示としてもよい。
【0083】
ファイル名表示部57gは、内容データのファイル名の一覧を表示するための領域である。
図13は、帳票照会画面の例を示す図である。帳票照会画面50hは、文書ファイル表示画面50gで、表示ボタン群55gのうちの何れかの表示ボタンが押下操作されたときに、検索クライアント300が出力する画面である。帳票照会画面50hは、帳票イメージ表示部51h、前帳票ボタン52h、次帳票ボタン53h、拡大ボタン54h、縮小ボタン55hおよび印刷ボタン56hを有する。
【0084】
帳票イメージ表示部51hは、内容データを画像表示する領域である。前帳票ボタン52hは、現在表示している内容データよりも文書内通番が小さい内容データを、帳票イメージ表示部51hに画像表示させるためのボタンである。次帳票ボタン53hは、現在表示している内容データよりも文書内通番が大きい内容データを、帳票イメージ表示部51hに画像表示させるためのボタンである。拡大ボタン54hは、帳票イメージ表示部51hに表示された画像を拡大させるためのボタンである。縮小ボタン55hは、帳票イメージ表示部51hに表示された画像を縮小させるためのボタンである。印刷ボタン56hは、帳票イメージ表示部51hに表示中の内容データを、検索クライアント300またはネットワーク10に接続されたプリンタに印刷させるためのボタンである。
【0085】
次に、以上の構成の文書管理システムの処理手順を説明する。まず、文書ファイル登録/更新時の処理手順を説明する。
図14は、文書ファイル登録/更新時の処理例を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0086】
(ステップS11)読取クライアント500は、自身に接続された表示装置に業務メニュー画面50を表示させる。
(ステップS12)読取クライアント500は、業務メニュー画面50内の何れかのボタンの押下を受け付ける。帳票読取ボタンまたは更新読取ボタンの押下を受け付けた場合、処理をステップS13に進める。点検ボタンの押下を受け付けた場合、処理をステップS18に進める。
【0087】
(ステップS13)読取クライアント500は、帳票読取ボタンの押下に対して、帳票読取画面50aを表示装置に表示させる。あるいは、読取クライアント500は、更新読取ボタンの押下に対して、更新読取画面50bを表示装置に表示させる。読取クライアント500は、帳票読取画面50aまたは更新読取画面50bの何れかから帳票の読取内容の入力を受け付け、帳票の読取を開始する。
【0088】
(ステップS14)読取クライアント500は、読取帳票確認画面50cを表示装置に表示させる。
(ステップS15)読取クライアント500は、実行ボタン56cの押下を受け付ける。すると、読取クライアント500は、帳票を撮像して生成した画像データを内容データとして取得する。読取クライアント500は、取得した内容データを登録サーバ400に送信し、文書ファイルの登録または更新を指示する。連携部420は、読取クライアント500から受信した内容データ(あるいは、その集合)に案件番号を付与して、記憶部410に格納する。
【0089】
(ステップS16)認識クライアント600は、登録サーバ400から文書種別の未認識の案件の内容データを取得し、文書種別の認識処理を行う。認識クライアント600は、登録サーバ400に認識結果を応答する。連携部420は、当該認識結果を受信すると、認識された文書種別の情報を案件番号に対応付けて記憶部410に記録する。
【0090】
(ステップS17)連携部420は、文書種別を記録した案件を点検待ち状態とする。
(ステップS18)読取クライアント500は、登録サーバ400から点検待ち状態の案件を取得して、点検一覧画面50dを表示装置に表示させる。読取クライアント500は、点検一覧画面50dで何れかの案件が選択された状態で、実行ボタン52dの押下を受け付ける。
【0091】
(ステップS19)読取クライアント500は、選択された案件の点検画面50eを表示装置に表示させる。
(ステップS20)読取クライアント500は、テキストボックス53e,54eへのキーワードの入力を受け付ける。なお、テキストボックス54eには、自動認識された文書種別がデフォルトの状態で入力されている。読取クライアント500は、実行ボタン57eの押下を受け付けると、入力されたキーワードを登録サーバ400に送信する。連携部420は、受信したキーワードとともに、文書ファイルの登録または更新を文書管理サーバ100に依頼する。このとき、連携部420は、更新の場合には更新対象の文書ファイルIDを文書管理サーバ100に通知する。更に、更新(差替え)の場合には、更新対象の内容データを示す文書内通番を文書管理サーバ100に通知する。
【0092】
(ステップS21)格納部110は、登録依頼の場合、文書ファイルIDを新たに採番して、文書管理テーブル211に登録する(版数“1”)。また、格納部110は、更新依頼の場合、指定された文書ファイルIDの最新の版数に1加算したレコードを文書管理テーブル211に登録する。例えば、版数“2”の文書ファイルの更新の場合、版数“3”のレコードを新たに登録する。
【0093】
(ステップS22)格納部110は、内容データ管理テーブル212を更新する。具体的には、登録の場合、受け付けた内容データを新たに付与した文書ファイルIDに対応付けて内容データ管理テーブル212に登録する(登録版数“1”、最終版数“9999”)。更新の場合、受け付けた内容データを指定された更新対象の文書ファイルIDに対応付けて内容データ管理テーブル212に格納する。特に、更新の場合は、(1)内容データを追加する場合、および(2)内容データを差替える場合、で登録版数と最終版数との設定方法が異なる。(1)内容データを追加する場合、追加する内容データを更新対象の文書ファイルIDに対応付けて内容データ管理テーブル212に登録する(登録版数“(更新後の版数)”、最終版数“9999”)。(2)内容データを差替える場合、差替え対象となる既存の内容データの最終版数を、差替え直前の版数に変更する。そして、差替え後の内容データを更新対象の文書ファイルIDに対応付けて内容データ管理テーブル212に登録する(登録版数“(更新後の版数)”、最終版数“9999”)。
【0094】
このようにして、文書ファイルの登録/更新の処理が行われる。
次に、文書ファイル検索時の処理手順を説明する。
図15は、文書ファイル検索時の処理例を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0095】
(ステップS31)文書管理サーバ100は、ユーザのログイン処理を受け付け、検索クライアント300に、文書検索画面50fのHTMLファイルを提供する。検索クライアント300上のWebブラウザは、自身に接続された表示装置に文書検索画面50fを表示させる。検索クライアント300は、文書検索画面50fの検索実行ボタン53fが押下されると、入力されたキーワードに対応する文書ファイルの検索を文書管理サーバ100に依頼する。
【0096】
(ステップS32)検索部120は、文書管理テーブル211を参照し、入力されたキーワードに対応する文書ファイルを検索する。
(ステップS33)検索部120は、文書ファイルの検索結果を検索クライアント300に応答する。検索クライアント300は、検索結果一覧表示部54fに検索結果を反映させる。
【0097】
(ステップS34)検索クライアント300は、検索結果一覧表示部54fから、文書ファイルの選択入力を受け付ける。
(ステップS35)検索クライアント300は、指定された文書ファイルIDおよび版数(当該版数を検索版数という)を文書管理サーバ100に送信する。検索部120は、文書ファイルIDと検索版数とを取得する。
【0098】
(ステップS36)検索部120は、内容データ管理テーブル212を参照して、指定された文書ファイルID、検索版数に対応する内容データを抽出する。具体的には、検索部120は、登録版数が検索版数以下で最終版数が検索版数以上の内容データを抽出する。
【0099】
(ステップS37)検索部120は、抽出した内容データに基づいて、文書ファイル表示画面50gのHTMLファイルを生成し、検索クライアント300に提供する。検索クライアント300のWebブラウザは、文書ファイル表示画面50gを表示装置に表示させる。
【0100】
(ステップS38)検索クライアント300は、文書ファイル表示画面50gの表示ボタンおよび削除ボタンの何れかの押下を受け付けたかを判定する。表示ボタンの押下を受け付けた場合、処理をステップS39に進める。削除ボタンの押下を受け付けた場合、処理をステップS40に進める。なお、文書ファイル表示画面50gでは、版数見出し表示部52g,53g,54gの選択も受け付け得る。例えば、第3版に含まれる内容データの一覧を表示しているときに、版数見出し表示部53g(第2版)が選択された場合、検索クライアント300は、文書ファイルIDおよび検索版数を文書管理サーバ100に再度送信して検索を依頼する。検索クライアント300は、その検索の結果を文書管理サーバ100から取得して、第2版の文書ファイルに含まれる内容データの一覧を版数見出し表示部53gの下方に表示させる。
【0101】
(ステップS39)検索クライアント300のWebブラウザは、選択された内容データ(例えば、ファイル名“20110729_001.TIF”)を文書管理サーバ100から取得する。そして、帳票照会画面50hに内容データを表示する。
【0102】
(ステップS40)検索クライアント300は、文書ファイルIDと文書内通番とを文書管理サーバ100に通知して、内容データの削除を依頼する。格納部110は、当該削除の依頼に応じて、文書管理テーブル211に新たな文書ファイルを登録する(削除直前の版数に1加算した版数の文書ファイル)。
【0103】
(ステップS41)格納部110は、通知された文書ファイルIDおよび文書内通番に基づいて、内容データ管理テーブル212を更新する。具体的には、格納部110は、当該文書ファイルIDにおける、指定された文書内通番のレコードの最終版数に削除直前の版数を登録する。
【0104】
このようにして、ユーザは文書ファイルの検索や文書ファイルからの内容データの削除を行える。
図16は、検索される内容データの例を示す図である。図16(A)、(B)、(C)は、記憶部210に内容データ管理テーブル212が格納されている場合に、文書ファイルID“2”の文書ファイルに対して異なる検索版数を指定した各場合に、図15で示したステップS36で検索される内容データを例示している。
【0105】
図16(A)は、検索版数“1”が指定された場合に検索される内容データである。次の内容データが検索される。
(1)登録版数“1”かつ最終版数“9999”の内容データX。
【0106】
(2)登録版数“1”かつ最終版数“2”の内容データY。
なお、登録版数“2”かつ最終版数“9999”の内容データZは登録版数“2”>検索版数“1”より、「検索版数が登録版数以上」の条件を満たさないため抽出されない。
【0107】
図16(B)は、検索版数“2”が指定された場合に検索される内容データである。次の内容データが検索される。
(1)登録版数“1”かつ最終版数“9999”の内容データX。
【0108】
(2)登録版数“1”かつ最終版数“2”の内容データY。
(3)登録版数“2”かつ最終版数“9999”の内容データZ。
図16(C)は、検索版数“3”が指定された場合に検索される内容データである。次の内容データが検索される。
【0109】
(1)登録版数“1”かつ最終版数“9999”の内容データX。
(2)登録版数“2”かつ最終版数“9999”の内容データZ。
なお、登録版数“1”かつ最終版数“2”の内容データYは最終版数“2”<検索版数“3”より、「検索版数が最終版数以下」の条件を満たさないため抽出されない。
【0110】
次に、文書ファイルを管理するための他の例を示して、第2の実施の形態の文書管理システムの文書ファイルの管理方法と対比する。
図17は、文書ファイルを管理するための他の例を示す図である。文書ファイルを管理するための方法として、例えば、版数管理される文書ファイルの各版につき、内容データ管理ファイルを記録することが考えられる。内容データ管理ファイルは、当該版数に含まれる内容データを登録したファイルである。内容データ管理ファイルは、例えばXML(Extensible Markup Language)形式やCSV(Comma Separated Values)形式で記述されたデータである。具体的には、第1版の文書ファイル71に対して第1版用の内容データ管理ファイル71aを記憶する。第2版の文書ファイル72に対して第2版用の内容データ管理ファイル72aを記憶する。第3版の文書ファイル73に対して第3版用の内容データ管理ファイル73aを記憶する。
【0111】
そして、内容データ管理ファイル71a,72a,73aに内容データの更新を反映させる。例えば、内容データ管理ファイル71aに内容データX,Yを参照するための情報が記述されているとする。文書ファイル71に、内容データZを参照するための情報を追加して文書ファイル72を作る時、内容データ管理ファイル72aを新たに生成して記憶する。文書ファイル72から内容データYを参照するための情報を削除して文書ファイル73を作る時、内容データ管理ファイル73aを新たに生成して記憶する。このように、内容データ管理ファイル71a,72a,73aと、版ごとの文書ファイルは例えば次のように管理される。
【0112】
図18は、内容データ管理テーブルの他の例を示す図である。内容データ管理テーブル212aは、図17で説明した内容データ管理ファイル71a,72a,73aを管理するためのテーブルである。内容データ管理テーブル212aは、例えば、文書ファイルID、版数、ファイル番号、ファイル名およびデータの項目を含む。
【0113】
文書ファイルIDの項目には、文書ファイルIDが登録される。版数の項目には、版数が登録される。ファイル番号の項目には、ファイル内容を識別するための番号が登録される(例えば、“1”は内容データ管理ファイルであることを示す)。ファイル名の項目には、ファイル名が登録される。データの項目には、データ本体が登録される。
【0114】
このように、内容データ管理ファイルを版数ごとに記憶する場合、当該ファイルの分だけ利用する記憶領域のサイズが増大してしまう。
また、ある版数の文書ファイルを検索するとき、当該版数に対応するレコードにつき、ファイル番号から内容データ管理ファイル(ファイル番号=“1”)を取得し、当該内容データ管理ファイルを参照して、内容データを抽出せねばならない。この場合、内容データ管理ファイルを参照するための余計なステップが生じてしまう。
【0115】
これらの問題は、文書管理システムに登録された文書ファイルの件数、版数および内容データの数が多くなるほど深刻となる。
例えば、第2の実施の形態の文書管理システムでは、登録される文書ファイル数が数千万件のオーダとなり得る。更に、各文書ファイルに複数の版数が存在し得る。その場合、例えば1つの内容データ管理ファイルのサイズを数KB(Kilo Bytes)としても、内容データ管理ファイルだけで数GB(Giga Bytes)〜数百GBのオーダとなり得る。
【0116】
更に、このように膨大なデータの中から、内容データ管理ファイルを検索・参照して、内容データを抽出しようとすると、当該検索の処理遅延も増大する。
一方、図16までで説明した様に、第2の実施の形態の文書管理システムでは、内容データ管理ファイルを設けない。このため、記憶領域の使用量を低減できる。また、内容データと共に、登録版数および最終版数を管理する。このため、検索時には、検索版数を登録版数および最終版数と比較して、検索版数の文書ファイルに含まれる内容データを一度に抽出でき、検索のレスポンスを高速化できる。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理装置
1a 格納手段
1b 記憶手段
1c 検索手段
2 文書ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、前記文書ファイルの版数により前記文書ファイルの更新の履歴を管理する文書管理プログラムであって、コンピュータに、
前記内容データが前記文書ファイルに追加された後の前記文書ファイルの第1の版数と前記内容データが前記文書ファイルから削除される前の前記文書ファイルの第2の版数とを前記内容データに対応付けて記憶手段に格納し、
第3の版数が入力されると、前記記憶手段を参照して、前記第1の版数が前記第3の版数以下で前記第2の版数が前記第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む前記文書ファイルを出力する、
処理を実行させる文書管理プログラム。
【請求項2】
前記文書ファイルに含まれる第1の内容データが第2の内容データに差替えられたことで前記文書ファイルの版数が更新されると、差替え前の前記文書ファイルの版数を前記第1の内容データの前記第2の版数に設定し、差替え後の前記文書ファイルの版数を前記第2の内容データの前記第1の版数に設定する、請求項1記載の文書管理プログラム。
【請求項3】
前記内容データが前記文書ファイルに追加されると、前記第2の版数として設定可能な最大値を、前記内容データの前記第2の版数に設定する、請求項1または2記載の文書管理プログラム。
【請求項4】
前記内容データは、前記文書の内容を撮像して取得された画像データである請求項1乃至3の何れか一項に記載の文書管理プログラム。
【請求項5】
文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、前記文書ファイルの版数により前記文書ファイルの更新の履歴を管理する情報処理装置であって、
前記内容データが前記文書ファイルに追加された後の前記文書ファイルの第1の版数と前記内容データが前記文書ファイルから削除される前の前記文書ファイルの第2の版数とを前記内容データに対応付けて記憶手段に格納する格納手段と、
第3の版数が入力されると、前記記憶手段を参照して、前記第1の版数が前記第3の版数以下で前記第2の版数が前記第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む前記文書ファイルを出力する検索手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項6】
文書の内容を示す内容データの複数を1つの文書ファイルとし、前記文書ファイルの版数により前記文書ファイルの更新の履歴を管理するコンピュータが実行する文書管理方法であって、
前記内容データが前記文書ファイルに追加された後の前記文書ファイルの第1の版数と前記内容データが前記文書ファイルから削除される前の前記文書ファイルの第2の版数とを前記内容データに対応付けて記憶手段に格納し、
第3の版数が入力されると、前記記憶手段を参照して、前記第1の版数が前記第3の版数以下で前記第2の版数が前記第3の版数以上の内容データを検索し、検索した内容データを含む前記文書ファイルを出力する、
文書管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−105244(P2013−105244A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247374(P2011−247374)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】