説明

文書管理装置、及び文書管理システム

【課題】
文書管理システムにおいて、一の文書を基礎として、その一の文書の作成後に作成された他の関連する文書を容易に検索できるようにする。
【解決手段】
入力された文書に文書識別情報を付与する識別情報付与手段331と、前記文書の関連文書の少なくとも文書識別情報を含む文書情報を取得する関連情報取得手段332と、前記文書及び前記関連文書の文書識別情報を含む文書情報の登録情報を作成して記憶装置に記憶する登録情報記憶手段333と、入力された文書識別情報に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記登録情報から前記文書識別情報が付与された文書に関連した文書情報を検索する検索手段334と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書に関する情報を記憶し利用者に文書検索手段を提供する文書管理装置、及びその文書管理装置を用いた文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等においては、日々作成される膨大な文書を管理し再利用するため、作成された文書を電子データとしてコンピュータの記憶装置内に集中保管し、それら文書の内容に関する情報を利用者に提供するシステム(文書管理システム)が用いられている。
【0003】
従来、このような文書管理システムとして、会議毎にその会議について作成された文書へのアクセスを制限することを目的とし、会議の開催に伴って作成される資料や議事録等の文書を、会議毎に設けた識別コードにより関連付けて一群の文書として管理するシステム(特許文献1参照)が知られている。すなわち、図8に示すコンテンツIDテーブルにより、会議毎に付与された会議セッションID毎に、会議セッションIDと、その会議に関連して作成された文書に付与されたコンテンツIDと、その会議の参加者の電子メールアドレスとを関連付け、会議毎の関連文書を一群の文書として管理するのである。
【0004】
また、従来の文書管理システムとして、会議、出張等のイベントの日程を管理するスケジュール管理サーバを有し、スケジュール管理サーバに登録されたイベント毎に、そのイベントに関連して作成される文書や資料を関連付けて管理するシステム(特許文献2参照)が知られている。すなわち、図9に示すように、会議等に識別コードを付与してそのスケジュールを記録する会議スケジュール情報540をスケジュール管理サーバに記憶し、会議議事録毎に識別コードを付与して記録する会議議事録情報520と、文書に識別コードを付与して記録するドキュメント情報530とを、文書管理サーバ内の記憶装置に記憶する。
【0005】
そして、ドキュメント情報530に含まれる各文書の記録領域(ドキュメントレコード)に、会議議事録情報520内に含まれる当該文書に関連する会議議事録の記録領域(議事録レコード)のIDを保持させることにより、会議議事録と文書との関連付け(r2)を行なうのである。また、議事録レコードには、会議スケジュール情報に含まれる当該議事録に関連する会議等の記録領域(スケジュールレコード)のIDを保持させることにより、会議等と会議議事録との関連付け(r6)も行なうことができ、関連付けr6とr2により、会議等と文書とを関連付けるのである。
【0006】
しかしながら、これら従来の文書管理システムは、文書ごとに当該文書と当該文書の関連文書との関連付けを行なうものではなく、文書に付与された識別コードから、その後に作成された文書や他の会議等について作成された文書を検索することは困難であるという問題を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、文書管理システムにおいて、一の文書を基礎としてその一の文書の関連文書を検索する際に、異なる会議等について作成された関連文書及びその一の文書の作成後に作成された関連文書をも容易に検索できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、入力された文書に文書識別情報を付与する識別情報付与手段と、前記文書の関連文書の少なくとも文書識別情報を含む文書情報を取得する関連情報取得手段と、少なくとも前記文書の文書識別情報を含む文書情報と前記関連文書の文書識別情報を含む文書情報から、登録情報を作成して記憶装置に記憶する登録情報記憶手段と、入力された文書識別情報に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記登録情報から前記文書識別情報が付与された文書に関連した文書情報を検索する検索手段と、を有する文書管理装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、文書管理システムにおいて、一の文書を基礎としてその一の文書の関連文書を検索する際に、異なる会議等について作成された関連文書及びその一の文書の作成後に作成された関連文書をも容易に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの、文書作成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの、文書管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの、画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいて扱われる情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの、情報記憶機能の動作手順を示すフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの、検索機能の動作手順を示すフロー図である。
【図8】従来の文書管理システムにおける、会議と文書との関連付けの例を示す図である。
【図9】従来の文書管理システムにおける、会議スケジュール情報、会議議事録情報、及びドキュメント情報の関連付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
本文書管理システム1は、ユーザが会議資料等の文書の作成に使用するパーソナル・コンピュータなどの文書作成装置2と、文書作成装置2により作成された文書(作成文書)に、他の文書と識別するための文書識別情報を付与し、その付与した作成文書の文書識別情報と、その作成文書に関連する文書(関連文書)の文書識別情報のリスト(関連文書識別情報リスト)とで構成される登録情報を記憶装置に記憶する文書管理装置である文書管理サーバ3と、前記作成文書を、その作成文書の文書識別情報と共に印刷して配布資料を作成する画像形成装置4と、を有している。また、上述した文書作成装置2、文書管理サーバ3、及び画像形成装置4は、それぞれネットワーク5に接続されており、ネットワーク5を介して互いに通信することができる。
【0013】
図2は、文書管理システム1に用いられる文書作成装置2の構成を示すブロック図である。
文書作成装置2は、ユーザが文書作成に使用する入力端末部21と、入力した文書を表示する表示部22と、ネットワーク5を介して画像形成装置4等との間で情報通信を行なうための通信インタフェース23と、入力された文書の電子データの保存や印刷要求の送信等を行う処理部24と、を有している。
【0014】
処理部24は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、前記作成文書の作成の際にユーザから入力される当該作成文書に関する情報を、画像形成装置4への印刷要求に含めて送信する印刷要求送信手段241を有している。また、この文書情報には、その作成文書の電子データの保存場所を示す所在情報、配布先を特定する配布先識別情報のリスト、配布者を特定する配布者識別情報、その作成文書の内容を示す検索用キーワードのリスト(検索キーリスト)、及び、その作成文書の関連文書識別情報リストが含まれている。
【0015】
図3は、文書管理システム1に用いられる文書管理サーバ3の構成を示すブロック図である。
文書管理サーバ3は、ネットワーク5を介して画像形成装置4等との間で情報通信を行なう通信インタフェース31と、ユーザへの情報の表示やユーザによる文書管理サーバ3への指示入力に用いるユーザ端末部32と、記憶装置への登録情報の保存や文書検索を行う処理部33と、を有している。
【0016】
処理部33は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)、及びデータの長期保存が可能な固定ディスク等の記憶装置を有するコンピュータであり、文書作成装置2により作成された文書(作成文書)に文書識別情報を付与する識別情報付与手段331と、作成文書の関連文書識別情報リストを取得する関連情報取得手段332と、作成文書の文書識別情報及び前記関連文書識別情報リストから登録情報を生成して固定ディスク等の記憶装置に記憶する登録情報記憶手段333と、を有している。ここで、記憶装置に記憶された登録情報は、ユーザ端末部32を用いてその内容を変更することができ、ユーザは、登録情報の関連文書識別情報リストを適宜更新することができる。
【0017】
また、処理部33は、ユーザから入力される文書識別情報に基づいて、その文書識別情報が示す作成文書の関連文書を検索し、その関連文書のリストを出力する検索手段334も有している。
【0018】
図4は、文書管理システム1に用いられる画像形成装置4の構成を示すブロック図である。
画像形成装置4は、ネットワーク5を介して文書管理サーバ3等との間で情報通信を行なうための通信インタフェース41と、ユーザへの情報の表示やユーザによる画像形成装置4への指示入力に用いるユーザ端末部42と、文書作成装置2からの会議資料等の印刷要求を処理する処理部43と、文書作成装置2からの印刷要求に基づいて作成文書を印刷して配布資料を作成するプリンタ部44と、を有している。
【0019】
処理部43は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、文書作成装置2から受信した印刷要求に含まれている文書情報を抽出する文書情報抽出手段431と、抽出した文書情報に基づき、作成文書への文書識別情報の付与を要求する信号(付与要求)を文書管理サーバ3に送信する付与要求送信手段432と、文書管理サーバ3からその作成文書に付与された文書識別情報を取得して、取得した作成文書の文書識別情報をその作成文書の一部に重畳して印刷するための印刷データを生成する印刷データ生成手段433と、を有している。ここで、作成文書の文書識別情報をその作成文書の一部に重畳して印刷し、その作成文書の配布資料を作成する配布資料作成手段は、例えば、印刷データ生成手段433とプリンタ部44で構成される。
【0020】
なお、上述した処理部24、33及び43が有する各手段は、プログラムにより実現される処理部(コンピュータ)24、33及び43の機能実現手段である。また、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0021】
上記に示した文書管理システム1は、ユーザが文書を作成した際にその作成文書に関する情報を記憶する機能(情報記憶機能)と、ユーザが入力した文書識別情報に基づいてその文書識別情報を示す作成文書の関連文書を検索する機能(検索機能)とを有する。
【0022】
文書管理システム1の情報記憶機能は、以下のように実現される。
まず、ユーザが文書作成装置2を用いて文書を作成し、文書作成装置2から画像形成装置4へ、その作成文書の保存場所の情報や関連文書識別情報リスト等の文書情報を含んだ印刷要求を送信すると、画像形成装置4は、その印刷要求に含まれた文書情報に基づいて、その作成文書への文書識別情報の付与要求を文書管理サーバ3へ送信する。
【0023】
次に、文書管理サーバ3は、受信した付与要求に基づいて、その作成文書に文書識別情報を付与すると共に、付与要求に含まれている文書情報から関連文書識別情報リストを抽出し、作成文書に付与した文書識別情報とその作成文書の関連文書識別情報リストとを含んだ登録情報を生成して、固定ディスク等の記憶装置に記憶する。これにより、ユーザが新たな作成文書を作成するにつれて、それら作成文書についての登録情報が記憶装置に蓄積されていく。
【0024】
また、文書管理システム1の検索機能は、以下のように実現される。
まず、ユーザは、特定の文書に関連する文書を検索したいときは、その特定の文書の文書識別情報を、ユーザ端末部32等により文書管理サーバ3に入力する。次に、文書管理サーバ3は、検索手段334により、記憶装置に記憶された登録情報の中から、入力された文書識別情報と作成文書の文書識別情報とが一致する登録情報を特定し、当該登録情報に含まれる関連文書の文書識別情報が示す文書のリストを検索結果として出力する。これにより、文書管理システム1の検索機能が実現される。
【0025】
以上のように、文書管理システム1は、作成文書毎に文書識別情報が付与され、その作成文書の文書識別情報と関連文書識別情報リストとで構成される登録情報により、作成文書と他の作成文書との関連付けが行なわれる。そして、この関連文書識別情報リストには、その作成文書が作成された会議等とは異なる会議等について作成された文書を含めることができる。このため、ユーザは、検索の基礎とする作成文書の文書識別情報を文書管理サーバ3に入力すれば、異なる会議等について作成された関連文書も検索することができる。
【0026】
また、この登録情報は、ユーザ端末部32等を用いて変更することができるので、ユーザは、作成文書の配布後に関連文書が作成されたときは、その関連文書の文書識別情報を登録情報に追加していくことができる。このため、ユーザは、文書管理サーバ3に記憶された登録情報から、その作成文書の配布後に作成された関連文書をも容易に検索することができる。
【0027】
図5は、文書管理システム1において扱われる情報の一例を示す図である。
図5(a)は、文書作成装置2が画像形成装置4へ送信する印刷要求であり、作成文書の印刷データと、文書情報が含まれている。また、文書情報には、作成文書の電子データの保存場所を示す所在情報、配布先を特定する配布先識別情報のリスト、配布者を特定する配布者識別情報、その作成文書の検索キーリスト、及び、作成文書の関連文書識別情報リストが含まれている。
【0028】
図5(a)に示した印刷要求は画像形成装置4により受信され、画像形成装置4は、この印刷要求に基づいて、作成文書に対する文書識別情報の付与を要求する信号(付与要求)を、文書管理サーバ3に送信する。
【0029】
図5(b)は、画像形成装置4が生成する付与要求の一例を示す図である。
この付与要求は、図5(a)に示した印刷要求に基づいて、その印刷要求に含まれる文書情報と、付与要求を示すコマンドコードにより構成されている。この付与要求は文書管理サーバ3により受信され、文書管理サーバ3は、この付与要求に基づいて、作成文書に付与する文書識別コードを生成して画像形成装置4へ送信すると共に、付与要求の文書情報に含まれている関連文書識別情報リストを抽出し、作成文書に付与した文書識別情報と関連文書識別情報リストで構成される登録情報を、記憶装置に記憶する。尚、登録情報には、文書情報に含まれているその他の情報も含めることができる。
【0030】
図5(c)は、文書管理サーバ3が記憶装置に記憶する登録情報の一例を示す図である。この例では、登録情報は、画像形成装置4から受信した付与要求の文書情報に含まれている情報をすべて含んでいる。
【0031】
次に、文書管理システム1の情報記憶機能における動作手順を、図6に示すフロー図にしたがって説明する。
まず、ユーザは、文書作成装置2を用いて会議資料等の文書を作成し、その作成文書の電子データを、例えば文書作成装置2の記憶装置(不図示)に保存する(S101)。次に、ユーザは、その作成文書の文書情報を文書作成装置2に入力し、文書作成装置2の印刷要求送信手段241に印刷要求を送信するよう、指示する(S102)。
【0032】
文書作成装置2の印刷要求送信手段241は、その作成文書の印刷データと文書情報により印刷要求を生成し、その印刷要求をネットワーク5を介して画像形成装置4に送信する(S103)。ここで、文書情報には、作成文書の電子データの保存場所を示す所在情報、配布先を特定する配布先識別情報のリスト、配布者を特定する配布者識別情報、その作成文書の検索キーリスト、及び、作成文書の関連文書識別情報リストが含まれる。
【0033】
画像形成装置4は、文書作成装置2から印刷要求を受信し(S104)、文書情報抽出手段431は、受信した印刷要求から文書情報を抽出する(S105)。次に、付与要求送信手段432は、作成文書への文書識別情報の付与を求める信号であってステップS104で抽出した文書情報を含む付与要求を生成し、生成した付与要求を文書管理サーバ3へ送信する(S106)。
【0034】
文書管理サーバ3は、画像形成装置4から付与要求を受信すると(S107)、識別情報付与手段331により、作成文書に付与する文書識別情報を生成して(S108)、画像形成装置4へ送信する(S109)。次に、関連情報取得手段332は、付与要求に含まれた文書情報から関連文書識別情報リストを抽出し(S110)、登録情報記憶手段333は、ステップS108で生成した作成文書の文書識別情報と関連文書識別情報リストから登録情報を構成して記憶装置に記憶する(S111)。
【0035】
ここで、登録情報には、文書情報に含まれているその他の情報を含めることもできる。例えば、検索キーリストを含めれば、キーワード検索、すなわち、同一のキーワードを検索キーリストに有する作成文書の検索が容易となる。
なお、記憶装置に記憶された登録情報は、ユーザがユーザ端末部32を用いて更新することができ、現在作成した作成文書の配布後に、その作成文書に関連する文書が作成された場合には、その関連する文書の文書識別情報を、関連文書の文書識別情報として登録情報に加えていくことができる。
【0036】
次に、画像形成装置4の印刷データ生成手段433は、文書管理サーバ3から、作成文書に付与された文書識別情報を受信し(S112)、作成文書の一部にその文書識別情報を重畳して印刷するための印刷用の画像データを生成する(S113)。ここで、印刷用の画像データには、文書情報に含まれた他の情報、例えば、配布先識別情報、検索キーリスト等を含めることもできる。
【0037】
次に、印刷データ生成手段433は、生成した画像データをプリンタ部44へ送信し、配布資料を作成する(S114)。
【0038】
次に、文書管理システム1の検索機能における動作手順を、図7に示すフロー図にしたがって説明する。
まず、ユーザは、文書検索の基礎とする作成文書の文書識別情報を特定して、例えばユーザ端末部32により、文書管理サーバ3に入力する(S201)。この作成文書の文書識別情報は、例えば、図6のステップS114で作成された配布資料を基礎とするときは、その配布資料に印刷された文書識別情報により知ることができる。
【0039】
次に、文書管理サーバ3の検索手段334は、記憶装置に記憶されている登録情報の中から、入力された文書識別情報と作成文書の文書識別情報とが一致する登録情報を特定し(S202)、当該登録情報に含まれる関連文書識別情報リストから、関連文書のリストを作成して(S203)、ユーザ端末部32等に出力する(S204)。なお、関連文書のリストは、画像形成装置4へ送信して印刷してもよいし、所定のメールアドレスを有するユーザへ、電子メールとして送信してもよい。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第1の実施形態に係る文書管理システム1の文書管理サーバ3が有する検索手段334は、さらに、前記記憶装置に記憶された登録情報の中から、入力された文書識別情報を関連文書識別情報リストに含む登録情報を抽出し、その抽出した登録情報毎に作成文書の文書識別情報を特定して、前記特定した文書識別情報が示す作成文書のリストを検索結果として出力するものとする。
【0041】
本実施形態によれば、ユーザは、自分の作成文書Aの配布後に、作成文書Aに関連する作成文書Bが作成された場合、作成文書Bの登録情報の関連文書識別情報リストに作成文書Aが含まれていれば、作成文書Aの登録情報の関連文書識別情報リストに作成文書Bの文書識別情報を追加しなくても、作成文書Bを自分の作成文書Aの関連文書として検索することができる。これにより、関連文書識別情報リストについての更新作業にかかる負担が軽減される。
【0042】
次に、本発明の第3の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第1の実施形態に係る文書管理システム1が画像読取装置を有し、この画像読取装置は、画像形成装置4により印刷された配布資料を光学的に読取って得られる画像データから、その配布資料に印刷された文書識別情報を抽出する印刷情報抽出手段と、抽出した文書識別情報を文書管理サーバ3へ送信して、その文書識別情報が示す作成文書に関連する文書の検索を要求する検索要求手段とを有しており、文書管理サーバ3の検索手段334は、画像読取装置から送信された文書識別情報に基づいて、その文書識別情報リストから作成文書の関連文書のリストを出力するものとする。
【0043】
本実施形態によれば、ユーザは、検索の基礎とする配布資料を画像読取装置により光学的に読取らせるだけで、その配布資料に関連する資料を検索することができるので、検索時の操作や手順を簡略化することができる。
【0044】
次に、本発明の第4の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第1の実施形態に係る文書管理システム1の文書管理サーバ3は、自装置を利用しようとする者に対し、自装置の利用についての認証を行う認証手段を有するものとする。
【0045】
本実施形態によれば、文書管理システムの記憶装置に記憶された登録情報が、不用意に漏洩するのを防いで、文書管理システムの情報漏えいに関する安全性を高めることができる。
なお、認証手段は、文書管理システムの利用に関する認証を行なうだけでなく、登録情報の閲覧に関する認証を行なったり、登録情報の更新作業(内容の変更する作業)に関する認証を行うものとすることもできる。
【0046】
具体的には、登録情報毎に、当該登録情報の閲覧を許可された者を識別する閲覧者識別情報を含めておき、認証手段は、記憶装置に記憶された登録情報を閲覧しようとする者に対し、その登録情報に含まれた閲覧者識別情報に基づいて、当該登録情報の閲覧についての認証を行うものとすることができる。
また、登録情報に、当該登録情報の更新を許可する者を特定する更新者識別情報を含めておき、認証手段は、登録情報の内容を変更しようとする者に対し、その登録情報に含まれた更新者識別情報に基づいて、当該登録情報の内容変更についての認証を行うものとすることができる。
【0047】
次に、本発明の第5の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第3の実施形態に係る文書管理システムにおいて、文書管理サーバ3は、登録情報毎にその登録情報の閲覧に関する認証を行なう認証手段を有し、画像形成装置4の印刷データ生成手段433は、文書情報に含まれる配布先識別情報リストに基づいて、配布先毎に、各配布先の配布先識別情報を作成文書の一部に重畳して配布資料を作成するための印刷データを生成する機能を有し、前記画像読取装置の印刷情報抽出手段及び検索要求手段は、それぞれ、配布資料を光学的に読取って得られる画像データから配布先識別情報を抽出する機能、及び、抽出した配布先識別情報を文書管理サーバ3へ送信する機能を有しており、文書管理サーバ3の認証手段は、画像読取装置から送信される配布先識別情報により特定される者に対し、関連文書の検索に伴う登録情報の閲覧についての認証を行なうものとする。
【0048】
本実施形態によれば、ユーザは、関連文書の検索に際し、自分に付与されている配布先識別情報をユーザ端末部32等により文書管理サーバ3へ直接に入力する必要がないため、簡便な操作で関連文書の検索を行なうことができる。
【0049】
次に、本発明の第6の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第1の実施形態に係る文書管理システムにおいて、登録情報に当該登録情報に基づく文書検索の結果の送付先を特定する送付先識別情報を含めておき、文書管理サーバ3の検索手段334は、その登録情報に基づく文書検索が行なわれたときに、文書検索の要求者、及び、当該登録情報に含まれる送付先識別情報で特定される者に、文書検索の結果である関連文書リストを送付するものとする。
【0050】
本実施形態によれば、送付先識別情報に列挙した者の間で検索結果を共有することができるので、同一の登録情報に基づく文書検索が異なる利用者により重複して実施されるのを回避して、文書管理システムの運用コストを低減することができる。
【0051】
具体的には、文書作成装置2に入力する文書情報に送付先識別情報を含めておき、文書管理サーバ3の登録情報記憶手段333は、送付先識別情報を含めて、前記作成文書についての登録情報を生成して前記記憶装置に記憶するものとし、検索手段334は、検索に使用した登録情報に含まれた送付先識別情報を参照して、検索結果を送付するものとすればよい。なお、送付の方法としては、ネットワークを介して、送付先が使用するPCへ検索結果を送信する方法等を用いることができる。
【0052】
次に、本発明の第7の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第3の実施形態に係る文書管理システムにおける画像形成装置4は、文書管理サーバ3の所在を示すアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段を有し、印刷データ生成手段433は、前記アクセス情報取得手段が取得したアクセス情報を作成文書の一部に重畳して配布資料を作成するための印刷データを生成する機能を有しており、第3の実施形態に係る文書管理システムにおける画像読取装置の印刷情報抽出手段は、前記配布資料を光学的に読取って得られた画像データから前記アクセス情報を抽出する機能を有し、前記検索要求手段は、抽出したアクセス情報から特定される文書管理サーバ3に対して、文書の検索を要求するものとする。ここで、アクセス情報とは、文書管理サーバ3の、ネットワーク5における所在を特定する情報をいい、例えば、ネットワーク5がIP(Internet Protocol)ネットワークである場合におけるIPアドレス(Internet Protocol Address)やURL(Uniform Resource Locator)をいう。
【0053】
本実施形態によれば、画像読取装置が文書管理サーバ3へのアクセス情報を持っていない場合にも、前記画像データから抽出したアクセス情報に基づいて、前記画像データから抽出した配布資料の文書識別情報を文書管理サーバ3へ送信することができ、画像読取装置に対するユーザ操作が簡便となる。なお、上記のアクセス情報取得手段は、例えば、ユーザからのアクセス情報の入力を受け付けるユーザ端末部42とすることができる。
【0054】
次に、本発明の第8の実施形態に係る文書管理システムについて説明する。
本文書管理システムでは、第1の実施形態に係る文書管理システムにおける文書管理サーバ3は、登録情報毎に、その登録情報を用いた文書検索の履歴に関する情報(履歴情報)を、記憶装置に記憶する履歴情報記憶手段を有するものとする。この履歴情報には、例えば、文書検索の要求者を特定する要求者識別情報、検索を実行した日付と時刻、検索の基礎とされた文書の文書識別情報、及び、検索に使用した登録情報を特定する識別情報を含めることができる。
【0055】
本実施形態によれば、文書管理サーバ3の検索機能の利用状況を過去に遡って追跡することができるので、トラブル発生時(例えば、登録情報の更新漏れや更新内容の誤りが発見された時)に、そのトラブルの波及範囲を特定して対処することができる。
【0056】
以上説明したように、第1ないし第8の実施形態に係る文書管理システムでは、作成文書毎に、その作成文書の文書識別情報と関連文書識別情報リストとで構成される登録情報を記憶装置に記憶している。そして、登録情報の関連文書識別情報リストには、異なる会議等について作成された関連文書を含めることができ、また、ユーザは、作成文書の配布後に関連文書が作成されたときは、その関連文書を登録情報の関連文書識別情報リストに追加していくことができる。このため、ユーザは、検索の基礎とする作成文書の文書識別情報を文書管理サーバに入力すれば、その作成文書が作成された会議等とは異なる会議等について作成された関連文書や、その作成文書の配布後に作成された関連文書も容易に検索することができる。
【符号の説明】
【0057】
1・・・文書管理システム、2・・・文書作成装置、3・・・文書管理サーバ、4・・・画像形成装置、5・・・ネットワーク、21・・・入力端末部、22・・・表示部、23、31、41・・・通信インタフェース、32、42・・・ユーザ端末部、24、33、43・・・処理部、241・・・印刷要求送信手段、331・・・識別情報付与手段、332・・・関連情報取得手段、333・・・登録情報記憶手段、334・・・検索手段、431・・・文書情報抽出手段、432・・・付与要求送信手段、433・・・印刷データ生成手段、44・・・プリンタ部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2007−328643号公報
【特許文献2】特開2009−64250号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された文書に文書識別情報を付与する識別情報付与手段と、
前記文書の関連文書の少なくとも文書識別情報を含む文書情報を取得する関連情報取得手段と、
少なくとも前記文書の文書識別情報を含む文書情報と前記関連文書の文書識別情報を含む文書情報から、登録情報を作成して記憶装置に記憶する登録情報記憶手段と、
入力された文書識別情報に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記登録情報から前記文書識別情報が付与された文書に関連した文書情報を検索する検索手段と、
を有する文書管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された文書管理装置と、前記文書管理装置に接続された画像読取装置と、を有する文書管理システムであって、
前記画像読取装置は、
前記文書と当該文書の少なくとも文書識別情報が印刷された配布資料を光学的に読取って画像データを取得する手段と、
前記画像データから前記文書の文書識別情報を抽出して前記文書管理装置に送信する手段と、を有し、
前記文書管理装置は、前記画像読取装置から受信した文書識別情報を前記入力された文書識別情報として、前記検索手段により前記関連した文書情報を検索する文書管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載された文書管理システムにおいて、
前記文書管理装置に接続された画像形成装置を有し、
前記画像形成装置は、
前記文書の印刷要求を受信したときに前記文書への文書識別情報の付与要求を前記文書管理装置へ送信して、当該文書の文書識別情報を取得する手段と、
前記取得した文書識別情報と共に当該文書を印刷して配布資料を作成する手段と、
を有する文書管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載された文書管理システムにおいて、
前記文書管理装置の登録情報記憶手段は、前記画像形成装置から付与要求を受信したときに、前記登録情報を前記記憶装置に記憶する文書管理システム。
【請求項5】
請求項2に記載された文書管理システムにおいて、
前記登録情報に含まれる前記文書の文書情報には、当該登録情報の閲覧を許可する者を特定する閲覧者識別情報が含まれており、
前記配布資料には当該配布資料の配布先を識別する配布先識別情報が印刷されており、
前記画像読取装置は、
前記画像データから前記配布資料に印刷された前記配布先識別情報を抽出して文書管理装置に送信する手段を有し、
前記文書管理装置は、前記画像読取装置から受信した配布先識別情報と一致する前記閲覧者識別情報があるときに、前記検索手段に対し前記登録情報から前記関連した文書情報を検索することを許可する認証手段を有する文書管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−63941(P2012−63941A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207138(P2010−207138)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】