説明

斜板式ピストンポンプ

【課題】シューと斜板との間に十分な流体膜を形成することができ、シューと斜板間の潤滑状態が良好で、しかも油液の流出量を従来に比べて少なくすることができ、ポンプの効率を改善することができる斜板式ピストンポンプを提供する。
【解決手段】斜板式ピストンポンプ20のシュー12の連通孔18の構成を、摺接面12Aにおいてシュー12の中心軸線Yに対して軸対称に開口する複数の開口部18C,18Cを有し、複数の開口部18C,18Cは、それぞれ各開口部における通路の軸線X,Xがシューの中心軸線Yに対して傾斜しかつシューの中心軸線Yに交わらないように形成したものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は斜板式ピストンポンプ、特には斜板式ピストンポンプに用いられるシューの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、斜板式ピストンポンプは、例えば油圧ショベル等の建設機械において、その油圧源を構成する油圧ポンプとして用いられる。
【0003】
このような斜板式ピストンポンプは、筒状のケーシングと、このケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、この回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、このシリンダブロックの回転軸方向に穿設された複数のシリンダと、この複数のシリンダ内に摺動可能に設けられた複数のピストンと、この各ピストンの先端に球面継手を介して装着された複数のシューと、前記ケーシング内に設けられた前記各シューを摺動可能に案内する斜板等とを備えている。そして、シューには、シリンダから潤滑用の流体(例えば油液等)をシューと斜板の間に供給するための連通孔が設けられている。
【0004】
この連通孔は、シューの斜板と接触する面(摺接面)に対して垂直に一本設置することが一般的である。
【0005】
また、連通孔の形状に工夫を加え、シューと斜板間の潤滑状態を改善したものが知られている。例えば特許文献1では、シューの摺接面に油溜り部を形成するとともに摺接面を凹状にして斜板にかかる油圧の受圧面積を大きくしている。また特許文献2では、シューの摺接面に互いに独立した複数個の溝を設け、かつ摺接面を球面形状やテーパー形状としている。更に特許文献3では、連通孔を斜板に対して斜めに配置し、かつシューの外周部から中心部へ向かって半径方向に複数のスリットを設け、更にシューの摺接面にポケットを設け、そのポケットを連通孔と接続させることで、外周部では分割された剛性の低いシュー構造とし、動圧及び静圧のバランスを取って、シューと斜板との焼付き、かじり現象を緩和させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−30473号公報
【特許文献2】特開平8−42446号公報
【特許文献3】特開平5−113173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
斜板式ピストンポンプは、今後より高圧化及び高速回転化が求められている。
【0008】
ところで、連通孔が一本形成されたシューを備える斜板式ピストンポンプでは、高速回転動作時において、斜板上をシューが摺動する際に、シューは回転軸の周りを回転しているために遠心力を受け、シューの公転方向の内周側での斜板との接触面(摺接面)において、流体膜が排出されて薄くなる。また、シューは回転軸の周りを公転運動しているため、この公転運動によってシューの摺接面の公転運動の先端側に油液が入り込み、その動圧によってシューの先端側が斜板の摺接面に対して浮き上がる。このようにシューと斜板の間の流体膜の一部が薄くなると、摺動抵抗の増大により、ポンプの機械的な効率の低下を起こす可能性が生じる。また、シューと斜板が固体接触した場合、それぞれの摺接面で摩耗が促進し、寿命が低下するばかりでなくポンプの動作に影響を及ぼすことになる。このように従来の連通孔を一本形成した一般的なシューを備えた斜板式ピストンポンプでは、シューと斜板間の潤滑状態の向上が課題となっていた。
【0009】
特許文献1−3では、上記のような構成を採用することにより浮き上がりや接触を防止・低減し、上記の課題を解決しようとしている。しかしながら特許文献1,2に記載のシューでは、大きな油溜り部を設けているために油液の漏れが発生して油液の流出量自体が多くなる。また、特許文献3に記載されているようなシューであると、スリットやポケットを設ける構成であるため、シュー自体の大きさが大きくなる。またシューの姿勢が傾くような状態に陥った場合に油液の流出量が多くなるため、ポンプの効率を下げる恐れがある。
【0010】
本発明の目的は、シューと斜板との間に十分な流体膜を形成することができ、シューと斜板間の潤滑状態が良好で、また油液の流出量が従来に比べて少なく、ポンプの効率を改善することができる斜板式ピストンポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、回転軸と、前記回転軸と共に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの回転軸方向に穿設された複数のシリンダと、前記複数のシリンダ内に擢動可能に設けられた複数のピストンと、前記複数のピストンの先端に球面継手を介して装着された複数のシューと、前記複数のシューが擢動する斜板とを備えた斜板式ピストンポンプにおいて、前記複数のシューは、それぞれ前記斜板上を摺動する摺接面と、この摺接面で開口し、前記シリンダ内から前記斜板と各シューとの間に潤滑用の油液を供給する連通孔とを有し、前記連通孔は、前記摺接面において前記シューの中心軸線に対して軸対称に開口する複数の開口部を有し、前記複数の開口部は、それぞれ各開口部における通路の軸線が前記シューの中心軸線に対して傾斜しかつ前記シューの中心軸線に交わらないように形成されているものとする。
【0012】
このような構造のシューを有する斜板式ピストンポンプでは、ピストンポンプ作動時に、連通孔を介してシリンダの圧力室から潤滑用の油液が引き込まれて複数の開口部よりシューと斜板との間に油液が吐出される際に、油液が斜板に接触する際の反力によってシューを自発的に自転させるモーメントを生じさせることができる。従ってシューが自発的に自転するようになり、従来の連れ回りによる不安定な自転運動に比べてシューの自転運動を安定させることができる。この安定した自転運動によりシューと斜板との間に供給された油液が、油膜が薄くなろうとする部分に引きずり込まれ、流入する。このため油膜が薄くなろうとする部分にも十分な量の油液を供給することができ、シューと斜板との間の油膜厚さの適正化を行うことができる。よってシューと斜板の潤滑状態を従来に比べて改善することができる。更にシューの構造を複雑にすることも大型化させる必要もないため、油液の流出量を従来に比べて少なくすることができ、ポンプの効率を改善することができる。
【0013】
(2)請求項2記載の発明は、上記(1)の斜板式ピストンポンプにおいて、前記複数の開口部は、前記シューを前記回転軸の回転方向と同一方向に自転させるように、前記複数の開口部の通路の軸線が前記シューの中心軸線に対して前記シューの自転運動の回転方向と同一方向にオフセットして形成されているものとする。
【0014】
かかる構成により、シューの自発的な回転方向と回転軸の回転方向が常に一致させることができるため、シューが回転軸の周りを公転運動することによって発生するシューの自転運動と、シューの構造による自転運動の方向が一致してシューの自転がより促進されるようになり、シューの摺接面と斜板の摺接面の間に油液をより効率的に供給することができる。よって、流体膜をより効率的に形成することができ、ポンプの効率の更なる改善が図られる。
【0015】
(3)請求項3記載の発明は、上記(1)または(2)の斜板式ピストンポンプにおいて、前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は直線形状であるものとする。
【0016】
かかる構成のシューは、機械加工が容易であり、作製が容易でありながら、上記のような効果を奏する。
【0017】
(4)請求項4記載の発明は、上記(1)または(2)の斜板式ピストンポンプにおいて、前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は前記複数の開口部に至る途中において前記複数の開口部が前記シューの中心軸線から離れる方向に湾曲しているものとする。
【0018】
かかる構成により、シューの中心軸線と開口部の通路の軸線との距離が長くなり、開口部から吐出する油液流れの反力による回転モーメント力をより大きくすることができ、シューの自転を促進する力がより増加する。よって、連れ回りによる自転運動との相乗効果と相まって外部からの油液の引き込みをより効果的に行うことができ、シューと斜板との間の潤滑状態を、更に良好なものとすることができる。
【0019】
(5)請求項5記載の発明は、上記(1)または(2)の斜板式ピストンポンプにおいて、前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は2本であるものとする。
【0020】
かかる構成により、最も簡易な構成で上記効果が得られる。
【0021】
(6)請求項6記載の発明は、上記(1)または(2)の斜板式ピストンポンプにおいて、前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は3本以上であるものとする。
【0022】
かかる構成により、本数に応じてシューを自発的に自転させるモーメントが大きくなり、より高い油液状態の改善とポンプ効率向上の効果が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、シューと斜板との間に十分な油膜を形成することができ、シューと斜板間の潤滑状態が良好で、しかも油液の流出量を従来に比べて少なくすることができ、ポンプの効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態における斜板式ピストンポンプの内部構造を示す断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態におけるシューの連通孔の構成を示す底面図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態におけるシューの連通孔の構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるシューと斜板の関係を示す説明図である。
【図4A】従来技術のシューの連通孔の構成を示す底面図である。
【図4B】従来技術のシューの連通孔の構成を示す縦断面図である。
【図5A】従来技術のシューの動作時の挙動をシューの底面方向から見た場合の例を示す図である。
【図5B】従来技術のシューの動作時の挙動をシューの断面方向から見た場合の例を示す図である。
【図6A】本発明のシューの動作時の挙動をシューの底面方向から見た場合の例を示す図である。
【図6B】本発明のシューの動作時の挙動をシューの断面方向から見た場合の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の別態様におけるシューの底面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるシューの底面図である。
【図9A】本発明の第3の実施形態におけるシューの連通孔の構成を示す底面図である。
【図9B】本発明の第3の実施形態におけるシューの連通孔の構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるシューの断面図である。
【図11】従来技術のシューの別形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1の実施形態>
<全体構成>
図1は本発明の第1の実施形態における斜板式ピストンポンプの内部構造を示す断面図である。
【0026】
図1において、斜板式ピストンポンプ20は、ケーシング1を備え、ケーシング1は軸方向一端側が閉塞した有底筒状のケーシング本体1Aと、ケーシング本体1Aの軸方向他端側を閉塞するリアケーシング1Bとから構成されている。
【0027】
ケーシング本体1Aには斜板支持体14が設けられ、この斜板支持体14に斜板2が取り付けられている。斜板2は、後述のシュー12が摺接する摺接面2Aを有し、斜板2の中央部には、回転軸5が隙間をもって挿通される軸挿通穴2Bが穿設されている。
【0028】
リアケーシング1Bの内側面には弁板3が固定され、弁板3には円弧形状をした一対の吸入ポート4A及び吐出ポート4Bが形成されている。吸入ポート4Aはリアケーシング1Bに穿設された供給通路17Aに連通し、供給通路17Aは作動油の吸入側の配管(図示せず)等に接続される。吐出ポート4Bはリアケーシング1Bに穿設された排出通路17Bに連通し、排出通路17Bは作動油の吐出側の配管(図示せず)等に接続される。
【0029】
回転軸5は、ケーシング本体1Aに装着された軸受16Aと、リアケーシング1Bに装着された軸受16Bとによってケーシング1に回転自在に支持されている。回転軸5の一端5Aは、ケーシング本体1Aから軸方向に突出し、一端5Aは例えばディーゼルエンジン等の駆動源(図示せず)に連結され、駆動源によって回転駆動される。
【0030】
ケーシング1内にはシリンダブロック7が配置されている。このシリンダブロック7の一側面は斜板2と対向するように配設され、他側面が弁板3に摺接している。シリンダブロック7は、スプライン8を介して回転軸5に連結されて共に回転する。シリンダブロック7の軸方向に複数、例えば9つのシリンダ9(図1では2つのみ図示)が穿設されており、このシリンダ9は回転軸5を中心とする同一の円周上に一定の間隔をもって配設されている。各々のシリンダ9は一端側が開口端となり、他端側には弁板3の各給排ポート4に連通するシリンダポート9Aが形成されている。
【0031】
各シリンダ9内にはピストン10が摺動可能に挿嵌されている。各々のピストン10は内部が中空に形成され、シリンダ9内で圧力室を画成している。ピストン10の後端には凹状の球面継手部10Jが形成され、この球面継手部10Jにはシュー12の凸状の球面継手部12Jが嵌合し、シュー12は球面継手部10J,12Jの嵌合を介してピストン10の後端に取り付けられている。各シュー12は斜板2の摺接面2Aと摺接する摺接面12Aを有している。
【0032】
斜板2とシリンダブロック7の間には環状のリテーナ15が配設されている。リテーナ15の中央には挿嵌穴15Aが設けられており、その周囲には押え部材16がシリンダブロック7側から付勢された状態で当接している。リテーナ15には複数個のシュー支持穴15B,15B,…が周方向に一定間隔をもった円形穴として形成されている。各シュー支持穴15B内にはピストン10の先端にある球面の継手部10Aを介してシュー12が取付けられている。
【0033】
本実施形態による斜板式のピストンポンプ20は、上述のような構成を有するもので、その基本動作は次のようである。
【0034】
エンジンやモータからの回転力が回転軸5に伝達され、シリンダブロック7が回転する。シリンダブロック7が回転することによりシリンダ9に挿嵌されたピストン10もシリンダブロック7と一緒に回転運動する。このピストン10の回転によりピストン10の先端にあるシュー12は斜板2の上を滑り、図1の下側の位置でシュー12はリテーナ15により拘束されてピストン10はシリンダ9内で斜板2側へ移動する。この時シリンダ9内の圧力室は拡大するので、シリンダ9内に弁板3の吸入ポート4Aから流体が供給される。引き続き回転軸5を回転させることにより図1の上側の位置に向かうに従ってピストン10はシリンダ9内で弁板3側に押動される。この時シリンダ9内の圧力室は縮小するので、シリンダ9内より弁板3の吐出ポート4Bを通り流体が放出される。
<シューの構成>
図2A,図2B,図3に本発明の第1の実施形態のシューの構造の詳細を示す。シュー12は、前述したように、斜板2上を摺動する摺接面12Aを有している。摺接面12Aの中央部には油たまり部として機能する凹部12Bが形成されている。またシュー12は摺接面12Aの凹部12Bで開口し、シリンダ9内の圧力室から斜板2と各シュー12との間に潤滑用の油液を供給する連通孔18を有している。連通孔18は、シリンダ9の圧力室と連通する第1の通路18Aと、この第1の通路18Aから分岐する複数、例えば2つの第2の通路18B,18Bを有する。また第2の通路18B,18Bは、直線形状であり、またシュー12の中心軸線Yに対して軸対称に形成され、かつ摺接面12Aの凹部12Bにおいてシュー12の中心軸線Yに対して軸対称に開口する複数、例えば2つの開口部18C,18Cを有している。2つの開口部18C,18Cは、それぞれ各開口部における通路の軸線X,Xがシュー12の中心軸線Yに対して傾斜し(図3)、かつシュー12の中心軸線Yに交わらない(図2A及び図2B)ようにシュー12の中心軸線Yに対してオフセットして形成されている。第2の通路18B,18Bがシュー12の中心軸線Yに対して軸対称に開口する結果、2つの開口部18C,18Cの通路の軸線X,Xは互いに平行である。また2つの開口部18C,18Cは、シュー12が回転軸5の回転による連れ回りにより自転運動しようとするとき(後述)、開口部18C,18Cの通路の軸線X,Xがシュー12の中心軸線Yに対してシュー12の自転運動の回転方向(図6A)と同一方向にオフセットし、その結果後述するように開口部18C,18Cから吐出される油液によりシュー12を回転軸5の回転方向と同一方向に自転させるように形成されている。
<シューの動作と作用効果>
次に、上述のような構成を有する本実施形態の特徴部分であるシュー12の連通孔18に関する動作と作用効果を従来技術のシューと比較しつつ説明する。
【0035】
図4A及び図4Bは、比較例として、従来のシューの連通孔の構成を示す図であり、図4Aはシューの底面図、図4Bはシューの縦断面図である。シュー62には、シリンダから潤滑用の流体(例えば油液等)をシュー62の摺接面62Aと斜板の摺接面2Aの間に供給するための一本の連通孔68が設けられている。このような構成により、ピストン10から供給された油液が連通孔68を介して斜板2の摺接面2Aとシュー62の摺接面62Aと間に供給され、シュー62と斜板2との潤滑を良好にする。
【0036】
図5A及び図5Bに従来のシュー62の動作時の挙動例を示す。上述のようにピストンポンプがポンプ作用をするとき、シリンダブロック7が回転軸5と共に回転することで、ピストン10も同時に回転軸5の周りを回転運動(以下公転運動という)する。この時、公転運動による遠心力がシュー62に働き、シュー62の摺接面62Aが斜板2の摺接面2Aに対して回転軸5の周方向外側(図5B中のBの位置)の方向に傾く。また、シュー62は回転軸5の周りを公転運動しているため、この公転運動によってシュー62の摺接面62Aの公転運動の先端側に油液が入り込み、その動圧によってシュー62が斜板2の摺接面2Aに対して浮き上がる。これらの遠心力による傾きと動圧による浮き上がりによってシュー62の摺接面62Aにおける回転軸5の周方向内側から公転運動後端側にかけた部分では油膜が薄くなって摺動抵抗が大きくなり、更にはシュー62と斜板2が固体接触を起こすようになる。その結果、摺動抵抗の増大によりポンプの機械的な効率の低下を起こす可能性があるとともに、シュー62と斜板2が固体接触した場合に摩耗が促進し、寿命が低下する。また摺動抵抗や固体接触により、シュー62は回転軸5回りの回転方向と同じ方向に自転運動(連れ回り)をしようとする。このシュー62の自転運動はシュー62と斜板2間の潤滑状態の改善に寄与する(後述)。しかし、その自転運動は摺動抵抗や固体接触によるもののため不安定であり、満足のいく潤滑状態の改善効果を得ることはできない。
【0037】
本実施形態におけるシュー12の基本的作用や挙動は従来のシュー62と同じである。すなわち、シュー12の連通孔18を介して斜板2の摺接面2Aとシュー12の摺接面12Aと間に油液が供給されて油膜が形成され、シュー12と斜板2との潤滑を良好にする。また、ピストンポンプ20がポンプ作用をするとき、シリンダブロック7が回転軸5と共に回転する。この時、シュー12は回転軸5の周りを回転しているために遠心力を受け、シュー12の摺接面12Aが斜板2の摺接面2Aに対して回転軸5の周方向外側に傾こうとする。またシュー12の摺接面12Aにおける公転運動の先端側がその部分に入りこんだ油液の動圧によって浮き上がって傾こうとする。しかし、本実施の形態においては、以下に説明するようにシュー12は安定して自転運動をし、シュー12と摺接面2A間の潤滑状態を改善するため、摺動抵抗の増大やシュー12と斜板2との固体接触を回避することができる。
【0038】
図6A及び図6Bに本実施形態におけるシュー12の動作時の挙動例を示す、図5A及び図5Bと同様の図である。上述したようなシュー構造を備える本実施形態の斜板式ピストンポンプでは、ピストンポンプの作動時に、シリンダ9側から連通孔18の第1の通路18Aを介して第2の通路18B,18Bへと供給される油液が2つの開口部18C,18Cから斜板2の摺接面2Aとシュー12の摺接面12Aとの間に向けて吐出される。この2つの開口部18C,18Cから吐出された油液は斜板2の摺接面2Aに衝突し、油液流れに対する反力を生じさせる。ここで、2つの開口部18C,18Cは、上述のようにそれぞれ各開口部における通路の軸線X,Xがシュー12の中心軸線Yに対して傾斜し、かつシュー12の中心軸線Yに交わらないように形成されているため、開口部18C,18Cから吐出する油液流れの反力によってシュー12を自転させるモーメントが発生する。このモーメントによってシュー12を積極的にかつ安定して自転させることができ、従来の連れ回りによる不安定な自転運動に比べてシュー12の自転運動を安定させることができる。この自転運動によりシュー12と斜板2との間に供給された油液(連通孔18から供給された油液と公転運動により外側から入り込む油液)が、油膜が薄くなろうとする部分(周方向内側、公転運動後端側)に引きずり込まれ、流入することになる。このため油膜が薄くなろうとする部分にも十分な量の油液を供給することができ、シュー12と斜板2との間の油膜厚さの適正化を行うことができる。これによって斜板2に対するシュー12の姿勢を安定に保つことができ、シュー12と斜板2との潤滑状態を、図4A,図4Bに示すような従来のシュー62を用いる場合に比べて良好にすることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、開口部18C,18Cを、その通路の軸線X,Xがシュー12の中心軸線Yに対して回転軸5の回転による連れ回りによる自転運動の回転方向と同方向にオフセットするように形成したので、開口部18C,18Cから吐出される油液によるシュー12の回転運動は回転軸5の回転による連れ回りによる自転運動と同方向となり、両者の相乗効果でシューの自転がより促進されるようになり、シューの摺接面と斜板の摺接面との間に油液をより効率的に供給することができる。よって、流体膜をより効率的に形成することができ、ポンプの効率の更なる改善が図られる。
【0040】
更に、本実施の形態では、第2の通路18B,18Bは、直線形状であるため、このような構成のシューは、機械加工が容易であって作製が容易であるという利点も有する。
【0041】
ここで、本実施の形態では、回転軸5を一端5A側(図1の右側)から見て時計回りに回転させることを想定している。その結果、シュー12を摺接面12Aから見た図2Aにおいて、図示左側に位置する開口部18Cの通路の軸線Xはシュー12の中心軸線Yに対して連れ回りによる自転方向である図示上側にオフセットし、図示右側に位置する開口部18Cの通路の軸線Xはシュー12の中心軸線Yに対して連れ回りによる自転方向である図示下側にオフセットしている。これによりポンプ作動時にシュー12は時計回りに自転が促進されるので、回転軸5自体を時計回りに回転させる際に大きな効果を発揮する。
【0042】
図7は、回転軸5を図1の右側から見て反時計回りに回転させる斜板式ピストンポンプに用いられるのに好適なシューの底面図である。このシュー22は、連通孔28が、シリンダ9の圧力室と連通する第1の通路28Aと、この第1の通路28Aから分岐する直線形状の2つの第2の通路28B,28Bを有することは上述のシュー12と略同じである。連通孔28の摺接面22Aにおける開口部の配置が上述のシュー12とは異なる。具体的には、シュー22の連通孔28の第2の通路28B,28Bは、摺接面22Aの凹部22Bにおいてシュー22の中心軸線Yに対して軸対称に開口する2つの開口部28C,28Cを有している。このうち図示左側に位置する開口部28Cの通路の軸線Xは、シュー22の中心軸線Yに対して連れ回りによる自転方向である図示下側にオフセットし、図示右側に位置する開口部28Cの通路の軸線Xはシュー22の中心軸線Yに対して連れ回りによる自転方向である図示上側にオフセットしている。このように2つの開口部28C,28Cを配置すると、2つの開口部28C,28Cから吐出された油液によって連れ回りによる自転方向と同方向である反時計回りにシュー22を自転させるモーメントを発生させることができ、シュー22に対して反時計回りの自転運動を促進させることができる。このため、先に説明したシュー12の場合と同様、開口部28C,28Cから吐出された油液の反力による自転運動と連れ回りによる自転運動との相乗効果でシュー22の反時計回りの自転がより促進されるようになり、シューの摺接面と斜板の摺接面との間に油液をより効率的に供給することができ、流体膜がより効率的に形成され、ポンプの効率の更なる改善が達成される。
【0043】
以上のように本実施の形態によれば、開口部18C,18Cの通路の軸線X,Xをシュー12の中心軸線Yに対して傾斜させ、かつシュー12の中心軸線Yに交わらないように形成したので、ピストンポンプの作動時に、開口部18C,18Cから吐出する油液流れの反力によってシュー12,22を積極的に自転させることができ、従来の連れ回りによる不安定な自転運動に比べてシュー12,22の自転運動を安定させることができ、シュー12,22と斜板2の潤滑状態を従来に比べて改善することができる。
【0044】
また開口部18C,18Cから吐出する油液流れの反力によりシュー12,22を積極的に回転させる方向が回転軸5による連れ回りによる回転方向と一致しているため、シュー12,22と斜板2の潤滑状態を更に改善することができる。
【0045】
更に、本実施形態におけるシュー12,22の構造自体は簡易であり、特許文献1,2に記載のシューのように大きな油溜り部を設ける必要もなく、油液の漏れも少なく、油液の流出量自体も少なくすることができる。また、特許文献3に記載されているようなシューのようにシュー自体の大きさを大きくする必要もなく、シューの姿勢が傾くこともシュー自体の構造によって抑制されているために油液の流出量も少なくすることができ、ポンプの効率を高く保つことができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態の斜板式ピストンポンプについて図8を用いて説明する。本実施形態における斜板式ピストンポンプも、第1の実施形態におけるシュー12の場合と同様、回転軸を図1の右側から見て時計回りに回転させる場合のものであり、シュー以外の構成は第1の実施形態の斜板式ピストンポンプと略同じであり、詳細は省略する。
【0046】
図8において、本実施形態のシュー32は連通孔38を有し、この連通孔38は、第1の通路38Aと、第1の通路38Aから分岐する直線形状の3つの第2の通路38B,38B,38Bとを有し、第2の通路38B,38B,38Bは摺接面32Aの凹部32Bに開口する3つの開口部38C,38C,38Cを形成する構成となっている。このようなシュー32においても、第2の通路38B,38B,38Bの3つの開口部38C,38C,38Cはシュー32の摺接面32Aの凹部32Bにおいてシュー32の中心軸線Yに対して軸対称に開口している。また3つの開口部38C,38C,38Cは、それぞれ通路の軸線X,X,Xがシュー32の中心軸線Yに対して傾斜し、かつシュー32の中心軸線Yに交わらないように連れ回りによる自転方向にオフセットして形成されている。
【0047】
第2の実施態様のシュー32においても、得られる効果は第1の実施形態のシュー12、22の場合とほぼ同様である。ただし、本実施形態のシュー32では、開口部38C,38C,38Cより吐出された油液が斜板2に接触する際の反力は開口部を2つ有するシュー12,22に比べて強いため、より強いシューを自転させようとするモーメントが発生する。また、シュー32の自転運動の方向と連れ回りによる自転運動の方向も同一であるためにシューの自転運動がより促進される。よって、第2の実施形態におけるシュー32を用いることによってシュー32の斜板2に対する姿勢を第1の実施形態のシュー12,22のように開口部が2つのシューに比べてより安定に保つことができ、シューと斜板との潤滑状態を良好にする効果が大きくなる。
【0048】
なお、上記第2の実施形態では、複数の通路の本数を3本としたが、複数の通路の本数は3本以上であってもよい。かかる構成により、本数に応じてシューを自発的に自転させるモーメントが大きくなり、より高い油液状態の改善とポンプ効率向上の効果が得られる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態の斜板式ピストンポンプについて図9A、図9Bを用いて説明する。第3の実施形態における斜板式ピストンポンプも、第1の実施形態におけるシュー12の場合と同様、回転軸を図1の右側から見て時計回りに回転させる場合のものであり、シュー以外の構成は第1の実施形態の斜板式ピストンポンプと略同じであり、詳細は省略する。
【0049】
本実施形態のシュー42は、図9A,図9Bに示すように、連通孔48を有し、連通孔48は、第1の通路48Aと、この第1の通路48Aから分岐する2つの第2の通路48B,48Bとを有している。また連通孔48の第2の通路48B,48Bは、シュー42の中心軸線Yに対して軸対称に形成され、かつ摺接面42Aの凹部42Bにおいてシュー42の中心軸線Yに対して軸対称に開口する2つの開口部48C,48Cを有している。この2つの開口部48C,48Cは、それぞれ各開口部における通路の軸線X,Xがシュー42の中心軸線Yに対して傾斜し、かつシュー42の中心軸線Yに交わらないように形成されている。また2つの開口部48C,48Cは、それぞれの通路の軸線X,Xがシュー42の中心軸線Yに対して連れ回りによる自転方向にオフセットし、シュー42を回転軸5の回転方向と同一方向に自転させるように形成されている。更に、本実施形態のシュー42の構造と他の実施形態のシュー12,22,32との構造の違いとして、シュー12,22,32では連通孔の第2の通路が直線形状であったのに対し、本実施形態のシュー42は連通孔48の第2の通路48B,48Bが開口部48C,48Cに至る途中で開口部48C,48Cがシュー42の中心軸線Yから離れる方向に湾曲しており、開口部48C,48Cがシュー42の中心軸線Yから大きく離れている。
【0050】
このように構成した本実施形態のシュー42においては、シュー42の中心軸線Yと開口部48C,48Cの通路の軸線X,Xとの距離(モーメントの腕の長さ)が第1及び第2の実施形態のシュー12,22,32に比べて長くなるため、第1及び第2の実施形態のシュー12,22,32に比べて開口部48C,48Cから吐出する油液流れの反力による回転モーメント力をより大きくすることができる。よって、シュー42の自転を促進する力がより増加し、連れ回りによる自転運動との相乗効果と相まって結果として外部からの油液の引き込みをより効果的に行うことが可能となる。このため、シュー42と斜板2との間の潤滑状態を、更に良好なものとすることができる。
【0051】
このような構造のシュー42は、例えば鋳造によって製造することができる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態の斜板式ピストンポンプについて図10及び図11を用いて説明する。図1〜9に示した実施形態ではピストンとシューの嵌合構造に関し、ピストンの後端側に凹状の球面継手部を形成し、シュー側に凸状の球面継手部を形成すると共に、シューの連通孔を、この凸状の球面継手部の凸状球面の頂部に開口し、シリンダの圧力室と連通する第1の通路と、この第1の通路から分岐する2つ又は3つの第2の通路を有するものとしたが、ピストンとシューの嵌合構造及びシューの連通孔の通路の構成はこれに限定されるものではなく、本実施形態はそれらの点の他の例を示すものである。なお、第4の実施形態における斜板式ピストンポンプも、第1の実施形態におけるシュー12の場合と同様、回転軸を図1の右側から見て時計回りに回転させる場合のものであり、シュー及びピストン以外の構成は第1の実施形態の斜板式ピストンポンプと略同じであり、詳細は省略する。
【0052】
この第4の実施形態の斜板式ピストンポンプにおけるシュー52は、図10に示すように、凹状の球面継手部52Jを有し、この球面継手部52Jが図示しないピストンの後端側に形成された凸状の球面継手部に嵌合することで、ピストンの後端にシュー52が接続する構造となっている。図11に示すように、従来このようなタイプの斜板式ピストンポンプにおけるシュー72は、球面継手部72Jの凹状球面の底部から摺接面72Aの凹部72Bにかけて一本の連通孔78が形成され、摺接面72Aに1つの開口部78Cが形成される構成であった。これに対し、本実施形態の斜板式ピストンポンプにおけるシュー52は、図10に示すような構成となっている。
【0053】
すなわち図10に示すように、シュー52が斜板2上を摺動する摺接面52Aを有し、摺接面52Aの中央部には油溜り部として機能する凹部52Bが形成されている。本実施形態のシュー52の連通孔は、凹状の球面継手部52Jの凹状球面の底部に開口し、またこの凹状の球面継手部52Jの凹状球面の底部から摺接面52Aにかけて、2つの第2の通路58B,58Bで構成されており、第1〜第3の実施形態にあった、第1の通路は備えていない。これは第1〜第3の実施形態の場合は、凸状の球面継手部を有するために連通孔の長さが長くなるため、1つの第1の通路と複数の第2の通路とを有する構成とする必要があったのに対し、本実施形態では、シュー52は凹状の球面継手部であるため連通孔の長さが短くなるためである。また2つの第2の通路58B,58Bは、摺接面52Aの凹部52Bにおいて、シュー52の中心軸線に対して軸対称に開口する2つの開口部58C,58Cを有している。この2つの開口部58C,58Cは、それぞれ各開口部における通路の軸線がシュー52の中心軸線に対して傾斜しかつシュー52の中心軸線に交わらないように形成されている。2つの開口部58C,58Cは、それぞれの通路の軸線がシュー52の中心軸線からオフセットしており、シュー52を回転軸5の回転方向と同一方向に自転させるように形成されている。
【0054】
第5の実施形態のシュー52においても、油液が2つの第2の通路58B,58Bを介して2つの開口部58C,58Cから吐出されることにより流体流れに対する反力を生じさせ、シュー52の自転を促進するモーメントを発生させることができる。したがって、本実施形態のシュー52でも、上述の第1〜第4の実施形態におけるシューの場合と同様、シュー52の構造によるシュー52の自転運動と、回転軸による連れ回りによるシュー52の自転運動との相乗効果によってシュー52の斜板2に対する姿勢を安定させることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ケーシング
1A ケーシング本体
1B リアケーシング
2 斜板
2A 斜板の摺接面
2B 軸挿通穴
3 弁板
4A 吸入ポート
4B 吐出ポート
5 回転軸
5A 一端
7 シリンダブロック
8 スプライン
9 シリンダ
9A シリンダポート
10 ピストン
10J 継手部
12,22,32,42,52,62,72 シュー
12A,22A,32A,42A,52A,62A,72A シューの摺接面
12B,22B,32B,72B 凹部
12J,52J,72J 球面継手部
14 斜板支持体
15 リテーナ
15A 挿嵌穴
15B シュー支持穴
16 押え部材
16A,16B 軸受
17A 供給通路
17B 排出通路
18,28,38,48,68,78 連通孔
18A 第1の通路
18B,18B,48B,48B,58B,58B 第2の通路
18C,18C,28C,28C,38C,38C,38C,48C,48C,58C,58C,78C 開口部
20 斜板式ピストンポンプ
,X,X,X,X,X,X,X,X 通路の軸線
,Y,Y,Y シューの中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、前記回転軸と共に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの回転軸方向に穿設された複数のシリンダと、前記複数のシリンダ内に擢動可能に設けられた複数のピストンと、前記複数のピストンの先端に球面継手を介して装着された複数のシューと、前記複数のシューが擢動する斜板とを備えた斜板式ピストンポンプにおいて、
前記複数のシューは、それぞれ前記斜板上を摺動する摺接面と、この摺接面で開口し、前記シリンダ内から前記斜板と各シューとの間に潤滑用の油液を供給する連通孔とを有し、前記連通孔は、前記摺接面において前記シューの中心軸線に対して軸対称に開口する複数の開口部を有し、前記複数の開口部は、それぞれ各開口部における通路の軸線が前記シューの中心軸線に対して傾斜しかつ前記シューの中心軸線に交わらないように形成されていることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の斜板式ピストンポンプにおいて、
前記複数の開口部は、前記シューを前記回転軸の回転方向と同一方向に自転させるように、前記複数の開口部の通路の軸線が前記シューの中心軸線に対して前記シューの自転運動の回転方向と同一方向にオフセットして形成されていることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の斜板式ピストンポンプにおいて、
前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は直線形状であることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の斜板式ピストンポンプにおいて、
前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は前記複数の開口部に至る途中において前記複数の開口部が前記シューの中心軸線から離れる方向に湾曲していることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の斜板式ピストンポンプにおいて、
前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は2本であることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の斜板式ピストンポンプにおいて、
前記連通孔は、前記シリンダと連通しかつ前記複数の開口部で開口する複数の通路を有し、前記複数の通路は3本以上であることを特徴とする斜板式ピストンポンプ。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate