説明

斜面安定装置

【課題】 安定を必要とする斜面の安定化を極めて容易に施工することができるようにする。
【解決手段】 斜面Aの所定位置に定着した鋼棒1と、この鋼棒の周囲で上記斜面上に設けた碗状の凹入部4と、底面の中心透孔5に上記鋼棒を貫通させて上記凹入部に嵌め込んだ接地鍔6付の碗状受圧材7と、中心の透孔8に上記鋼棒を貫通させて上記受圧材内に落し込んだ受圧板9と、上記鋼棒に嵌装して上記受圧板上に載置した皿バネなどの弾力付与部材10と、上記鋼棒の地上突出端からねじ込んで上記弾力付与部材を圧縮するナット12と、上記各鋼棒の地上突出端側に取付け手段を介し端末を取付けた放射状に広がる上記斜面の支圧部材Cと、上記前後及び左右の取付け手段同志を連結する緊張部材Eとからなる斜面安定装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば高速道路や各種施設などに面する傾斜した法面或いは崩壊のおそれのある傾斜地などの斜面に定着したアンカー機能を果たす引張り部材の地上突出端に受圧材を装着して、前記引張り部材に与えた緊張力を斜面に伝達して斜面の安定化をはかる斜面安定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
斜面に定着した引張り部材の地上突出端に受圧材を装着して、前記引張り部材に与えた緊張力を斜面に伝達する方式の斜面安定工法の従来技術としては、特許文献1に示すように、工場生産したコンクリート製の受圧ブロックを作業現場迄搬入する。
【0003】
一方、現場の斜面に受圧ブロックを定着するそれぞれの位置には、斜面から地中に穿孔して、穿孔した穴に引張り部材を挿入したのち、穴にグラウト材を注入しながら、上記引張り部材を定着する。
【0004】
その後に、引張り部材の定着位置に受圧ブロックを運び込むと共に、運び込んだ受圧ブロックのセンターの貫通孔に引張り部材の地上突出端を貫通する。
【0005】
その後に、引張り部材の地上突出端からナットをねじ込みながら、斜面に受圧ブロックを押し付けながら斜面を安定させる。
【特許文献1】特開平6−330526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような斜面安定工法によると、工場生産の受圧ブロックを使用するので、嵩ばって、格納に広い場所を必要とすると共に、重量が大きいために取り扱いが大変であった。
【0007】
そして現場に搬入し、搬入した受圧ブロックを定着位置に運び込むのに重機を必要とし、重機を用いて運び込むことができない場合には、ワイヤーやワイヤーによって牽引する橇を用いて滑走させるので、著しく手数がかかると共に、定着してある引張り部材の地上突出端と滑走させた受圧ブロックと衝突回避の注意なども必要になる。
【0008】
また、運び込んだ受圧ブロックの貫通孔に引張り部材の地上突出端を貫通させるのに多大な労力を必要とする問題もあった。
【0009】
特に、斜面にコンクリート製品の受圧ブロックを置いたとき、斜面に凹凸があると、受圧ブロックの各方向(四方向)に突出する突出部の下面全体と斜面とが接触しない。すなわち、凹凸によって接触部分と非接触部分とができる。
【0010】
このため、受圧ブロックの下面全体による斜面への加圧力を作用させることができず、目的である斜面安定性をそこなう不都合が発生した。
【0011】
さらに、受圧ブロックの突出部の接地部分に立木があると、邪魔にならないように立木を伐採するので、環境をそこなう問題もあった。
【0012】
そこで、この発明は、上述の各問題を解決する斜面安定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、この発明は、斜面の所定位置に定着した鋼棒と、この鋼棒の周囲で上記斜面上に設けた碗状の凹入部と、底面の中心透孔に上記鋼棒を貫通させて上記凹入部に嵌め込んだ接地鍔付の碗状受圧材と、中心の透孔に上記鋼棒を貫通させて上記受圧材内に落し込んだ受圧板と、上記鋼棒に嵌装して上記受圧板上に載置した皿バネなどの弾力付与部材と、上記鋼棒の地上突出端からねじ込んで上記弾力付与部材を圧縮するナットと、上記各鋼棒の地上突出端側に取付け手段を介し端末を取付けた放射状に広がる上記斜面の支圧部材と、上記前後及び左右の取付け手段同志を連結する緊張部材とからなる構成を採用する。
【0014】
すると、ナットのねじ込みによって皿バネなどの弾力付与部材を圧縮して受圧板を介し鍔付の受圧材に圧力を加えて地山に一定の圧力を加え、又支圧部材によっても地山を安定させると共に、前後及び左右の取付け手段同志を連結する緊張部材によって鋼棒同志が連結されて斜面Aの安定化が大幅にアップする。
【0015】
また、前記鋼棒の地上突出端からナットをねじ込んで加圧力を作用させると共に、各支圧部材に地盤に対する垂直圧力を加える受圧部材を設けた構成を採用することもある。
【0016】
すると、地山に受圧部材を介し支圧部材を押し付ける。
【0017】
さらに、前記支圧部材の対向先端同志を適宜の接続手段を介し接続した構成を採用することもある。
【0018】
すると、支圧部材の移動や浮き上がりがなくなる。
【0019】
また、前記左右の高所側取付手段と低所側取付手段とに斜めに緊張部材の両端を連結した構成を採用することもある。
【0020】
すると、鋼棒同志の連結によって尚一層地山の安定化をはかる。
【0021】
さらに、斜面の所定位置に定着した鋼棒と、この鋼棒の周囲で上記斜面に設けた碗状の凹入部と、底面の中心透孔に上記鋼棒を貫通させて上記凹入部に嵌め込んだ接地鍔付の碗状受圧材と、中心の透孔に上記鋼棒を貫通させて上記受圧材内に落し込んだ受圧板と、上記鋼棒に嵌装して上記受圧板上に載置した皿バネなどの弾力付与部材と、上記鋼棒の地上突出端からねじ込んで上記弾力付与部材を圧縮するナットと、上記鋼棒の地上突出端側に取付け手段を介し端末を取付けて放射状に広がると共に、対向先端を伸縮調整手段を介し連結した緊張部材とからなる構成を採用する。
【0022】
すると、ナットのねじ込みによって皿バネなどの弾力付与部材を圧縮して受圧板を介し鍔付の受圧材に圧力を加えて地山に一定の圧力を加え、又緊張部材によって各鋼棒を連結して斜面の大幅な安定化をはかる。
【0023】
また、前記鋼棒の周面受圧材の下側から地中所定の範囲に絶縁層を設けた構成を採用することもある。
【0024】
すると、鋼棒とグラウト材とを絶縁する。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、この発明の斜面安定装置によれば、斜面上で極めて簡単に組み立てながら斜面の安定化をはかるので、コンクリート二次製品(工場生産による受圧材)の運び込みや、運び込んだのちの設置に重機や多大な労力を必要とするためのコストが大幅に増加するような不都合をなくすることができると共に、ナットのねじ込みにより皿バネなどの弾力付与部材を圧縮して凹入部に碗状受圧材を押し付け、かつ地表に碗状受圧材の鍔を圧接するので、地山に常に一定の圧力を加えて、地山の剪断抵抗を増加させて斜面の安定を図ることができる以外に、崩壊のおそれのある地山などにあっては、鋼棒の地上突出端側に受圧材を設置し、ナットのねじ込みによって皿バネなどの弾圧付与部材を圧縮して緊張するため、効果的な逆巻き施工ができて安全性が向上する。
【0026】
そして、放射状に広がる支圧部材及びナットのねじ込みにともない受圧部材を押圧変形させながら押圧変形の復元力を介し斜面上に各支圧部材を押し付けるので、地盤を通しすべり面上に作用する垂直圧力を大幅に増加させる。
【0027】
その結果、土の剪断強度の著しい増加になる。
【0028】
また、接続手段を介し支圧部材の対向先端同志の接続や、緊張部材を介しての鋼棒同志の連結によって地山を一体化し、斜面の安定をより一層向上することができる。
【0029】
さらに、鋼棒の周面受圧材の下側から地中所定の範囲迄に絶縁層を設けてあるので、鋼棒とグラウト材とを絶縁する。
【0030】
すると、絶縁層がない場合の皿バネなどの弾力付与手段により負荷した圧力は地表面だけに伝達されるが、上記の絶縁層によって受圧材の設置位置から下方の地山に伝わる機能があるため、地山の表層(崩壊)の剪断強度を増加させる効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0032】
この発明の第1の実施形態では、図1に示すように、安定を必要とする斜面A
所定位置には、上部を斜面Aから突出させた鋼棒1が定着されている。
【0033】
上記鋼棒1の点在的な定着は、図1,2に示すように、斜面Aから地中に向けて穿孔しながら、穿孔によって得られた穴2に鋼棒1を挿入したのち、穴2にグラウト材3を充填して行なう。
【0034】
また、鋼棒1の周囲には、斜面Aから地中に向け碗状の凹入部4が掘削により設けてある。
【0035】
この凹入部4には、底面の中心の透孔5に鋼棒1を貫通させた金属製の鍔6付碗状の受圧材7が嵌め込まれ、嵌め込みにともない斜面Aに鍔6が接地する。
【0036】
なお、受圧材7は、受圧面積の増大をはかる目的で部材を厚く、または、補強材を付加することによって、径を1.5m程度まで大きくし、耐力を上げてアンカー材を用いた補強型とすることができる。
【0037】
次に、中心の透孔8に鋼棒1を貫通させて受圧材7内に受圧板9を落し込む。
【0038】
落し込んだ受圧板9は、その周縁が受圧材7の内面に当接して、受圧材7の底部に受圧板9が停止する。
【0039】
その後に、鋼棒1の地上突出端から皿バネなどの弾力付与部材10、座金11を順次嵌装して、受圧板9に弾力付与部材10を載置する。
【0040】
上記、受圧材7の底部内面の肉厚を厚くして弾力付与部材10を載置するフラットな部分を形成することで、受圧板9の機能をもたせることができる。
【0041】
なお、図示の場合、弾力付与部材10に付与先行荷重のバネ効果が有効な皿バネを使用したが、同目的を達成するバネとして、例えばコイルスプリングなどを使用してもよい。
【0042】
しかして、鋼棒1の地上突出端からねじ込むナット12の締め込みにより弾力付与部材10を圧縮しながら、斜面Aに鍔6を、凹入部4に受圧材7を押し付ける。
【0043】
圧縮にともなう垂直方向の圧力は、受圧板9を介し受圧材7に伝達され、この伝達圧力が地盤を通してすべり面上に作用する垂直圧力が増加し、これによる土の剪断強度の増加がもたらされる。
【0044】
然るのち、図2から図4に示すように鋼棒1の地上突出端側に取付手段Bを介し斜面A上で放射状に広がる支圧部材Cの端末を取付ける。
【0045】
上記の取付手段Bとしては、図示の場合、中心の透孔13に鋼棒1を貫通させながら鍔6に周縁部が重なるように載置した円板14と、鋼棒1の地上突出端からねじ込んで鍔6上に円板14を押し付けるナット15と、円板14の周縁部所定間隔位置に設けたネジ孔16と、支圧部材Cの端末に設けてある貫通孔17に貫通させてネジ孔16にねじ込むボルト18とで構成したが、その他の構成の取付け方法(手段)で鋼棒1側に支圧部材Cの端を取付けるようにしてもよい。
【0046】
なお、鋼棒1の円板14から上方露出部分をキャップ19によって覆う。
【0047】
上記のキャップ19は、周知のようにナット15の下側で、鋼棒1に嵌装してある上側リング20の下側に配置してある座金28の外周面のネジ部にキャップ19の内周下縁部のネジ部をねじ込んで取付ける。
【0048】
その際、キャップ19内に充填した防錆油の漏れを、キャップ19の下面全周に装着してあるOリングを円板14の上面に押し付けながら圧縮して防止するようになっている。
【0049】
上記の支圧部材Cとしては、図1から図5に示すように、1本又は2本の角パイプ21の両端に締付具101を介し取付けてある貫通孔17を有する取付金具22を適宜の方法で接続したものや、図6から図9に示すように木製の棒材23(例えば、廃材の使用目的で間伐材を使用した)の両端に締付具101を介し取付けてある貫通孔17を有する取付金具22を適宜の方法で接続したものがあり、左右、上下の鋼棒1の円板14に支圧部材Cの両端を取付ける。
【0050】
その際、図示のように間伐材の棒材23の外周軸線(長手方向)に沿う溝条24に金属製の杆材25を嵌め込み、杆材25の両端を締付具101を介し取付けておくと、強度の大幅なアップを図ることができる。
【0051】
また、図10及び図11に示すように多孔性の鋼板27製の支圧部材Cの端末のみを円板14に取付けることもある。そして、上記多孔性の鋼板27は、2枚重ねることによって強度を増大させることができる。
【0052】
その際、支圧部材C、Cの対向先端同志を連結する接続手段26としてのターンバックルを介し接続して緊張状態にする。
【0053】
すると、斜面A上に接する支圧部材Cによって斜面Aの安定を図る。
【0054】
この発明の第2の実施形態では、図12及び図13に示すように、第1の実施形態の鋼棒1の地上側突出部分には、鋼棒1の地上突出端からナット31をねじ込んで加圧力を作用させながら各支圧部材Cに地盤(斜面A)に対する垂直応力を加える受圧部材Dが設けてある。
【0055】
上記の受圧部材Dは、図示の場合或る程度の弾力性のあるバネ鋼板製などの倒立皿状板29の中心の透孔30に鋼棒1を貫通させて、各支圧部材Cの上面に皿状板29の周縁を当接し、次いで鋼棒1の地上突出端からねじ込むナット31の締め込みにより皿状体29を降送しながら、皿状体29の周縁によって各支圧部材Cを押え込むようになっている。
【0056】
すると、各支圧部材Cにたわんでバネ効果の発生する受圧部材Dを介し斜面Aに対する垂直圧力を加えて、地山の剪断抵抗を増加させる。
【0057】
このため、斜面Aの安定性が大幅に増加する。
【0058】
上記鋼棒1と、受圧材7の定着及び作用効果、支圧部材Cの取付及び作用効果、皿状体29の上方鋼棒1を覆う防錆のためのキャップ19の設置は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0059】
この発明の第3の実施形態では、図3,4,10,12,13,14,15等に示すように、第1及び第2の実施形態の左右の高所側取付手段B同志と低所側取付手段B同志とに、また上下の取付手段Bとに緊張部材Eの両端を連結する。
【0060】
上記の緊張部材Eは、図示の場合ターンバックル35を介し対向先端を伸縮調整自在に連結してある対の鉄棒36、36と、両鉄棒36、36の末端に取付部としての環状部37とからなり、環状部37に挿入したボルト18を円板14のネジ孔16にねじ込んで取付けたが、その他の方式によって取付けることもある。
【0061】
このため、鋼棒1同志の緊張部材Eによる連結により斜面Aの安定化が大幅にアップする。
【0062】
この発明の第4の実施形態では、図10,12,14,15に示すように、第1の実施形態と同様の手順をへて斜面Aに鋼棒1を定着したのち、斜面Aの凹入部4に受圧材7を嵌め込み、受圧材7に受圧板9を落し込んで、受圧板9上の皿バネなどの弾力付与部材10をナット12のねじ込みによって圧縮しながら、斜面Aに受圧材7を定着する。
【0063】
その後に鋼棒1の地上側取付け手段Bに斜めに緊張部材Fの端末を取付けて、緊張部材Fの対向先端を伸縮調整手段Gを介し連結する。
【0064】
上記の緊張部材Fは、第3の実施形態の緊張部材Eと同様に、また取付けも同様に伸縮調整手段Gのターンバックルも同様につき説明を省略する。
【0065】
そして、鋼棒1の定着、受圧材7、受圧板9、弾力付与部材10の構成及びナット12のねじ込みにともなう作用効果も第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0066】
すると、緊張部材Eと同様に鋼棒1同志(各隣接の鋼棒1)の平面X状の緊張部材Fの連結によって斜面Aの安定化を大幅にアップする。
【0067】
この発明の第5の実施形態では、図17に示すように、第1及び第4の実施形態の鋼棒1の外周受圧材7の下側から地中所定の範囲に絶縁層Hが設けてある。
【0068】
上記の絶縁層Hは、鋼棒1の外周に例えば0.5mから5m程巻き付けるテープやポリ塩化ビニールの筒を嵌装するか、或いは、塗膜などで設ける。
【0069】
すると、鋼棒1とグラウト材3とを絶縁するので、絶縁層Hがない場合の皿バネなどの弾力付与部材10により負荷した圧力は、地表面だけに伝達されるが、絶縁層Hによって受圧材7の設置位置から下方の地山に伝わる機能があるため、地山の表層の剪断強度を増加させる効果がある。
【0070】
図中41は受圧材7内に充填したモルタルである。
【0071】
なお、図18に示すように支圧部材Cの中途所要位置(1箇所やそれ以上の箇所)に中折れ関節部201(図示のピンジョイントなどの)を設けておくと、地山の表面に凹凸があっても地山の表面に支圧部材Cを沿わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す一部切欠側面図
【図2】同上の要部を示す縦断拡大正面図
【図3】同平面図
【図4】同上の拡大平面図
【図5】支圧部材の斜視図
【図6】支圧部材を設置した平面図
【図7】同上の拡大平面図
【図8】同要部を示す縦断拡大正面図
【図9】支圧部材の縦断拡大正面図
【図10】他の支圧部材の平面図
【図11】同上の縦断正面図
【図12】第2の実施形態を示す平面図
【図13】同上の縦断拡大正面図
【図14】第3、第4の実施形態の緊張部材の配置を示す平面図
【図15】同上の要部を示す拡大平面図
【図16】同縦断拡大正面図
【図17】第5の実施形態の要部を示す縦断正面図
【図18】支圧部材の他の例を示す拡大平面図
【符号の説明】
【0073】
A 斜面
B 取付手段
C 支圧部材
D 受圧部材
E 緊張部材
F 緊張部材
G 伸縮調整手段
H 絶縁層
1 鋼棒
2 穴
3 グラウト材
4 凹入部
5 透孔
6 鍔
7 受圧材
8 透孔
9 受圧板
10 弾力付与部材
11 座金
12 ナット
13 透孔
14 円板
15 ナット
16 ネジ孔
17 貫通孔
18 ボルト
19 キャップ
20 上側リング
21 角パイプ
22 取付金具
23 棒材
24 溝条
25 杆材
26 接続手段
27 鋼板
28 座金
29 皿状板
30 透孔
31 ナット
35 ターンバックル
36 鉄棒
37 環状部
38 ボルト
41 モルタル
101 締付具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜面の所定位置に定着した鋼棒と、この鋼棒の周囲で上記斜面上に設けた碗状の凹入部と、底面の中心透孔に上記鋼棒を貫通させて上記凹入部に嵌め込んだ接地鍔付の碗状受圧材と、中心の透孔に上記鋼棒を貫通させて上記受圧材内に落し込んだ受圧板と、上記鋼棒に嵌装して上記受圧板上に載置した皿バネなどの弾力付与部材と、上記鋼棒の地上突出端からねじ込んで上記弾力付与部材を圧縮するナットと、上記各鋼棒の地上突出端側に取付け手段を介し端末を取付けた放射状に広がる上記斜面の支圧部材と、上記前後及び左右の取付け手段同志を連結する緊張部材とからなる斜面安定装置。
【請求項2】
前記鋼棒の地上突出端からナットをねじ込んで加圧力を作用させると共に、各支圧部材に地盤に対する垂直圧力を加える受圧部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の斜面安定装置。
【請求項3】
前記支圧部材の対向先端同志を適宜の接続手段を介し接続したことを特徴とする請求項1に記載の斜面安定装置。
【請求項4】
前記左右の高所側取付手段と低所側取付手段とに斜めに緊張部材の両端を連結したことを特徴とする請求項1に記載の斜面安定装置。
【請求項5】
斜面の所定位置に定着した鋼棒と、この鋼棒の周囲で上記斜面に設けた碗状の凹入部と、底面の中心透孔に上記鋼棒を貫通させて上記凹入部に嵌め込んだ接地鍔付の碗状受圧材と、中心の透孔に上記鋼棒を貫通させて上記受圧材内に落し込んだ受圧板と、上記鋼棒に嵌装して上記受圧板上に載置した皿バネなどの弾力付与部材と、上記鋼棒の地上突出端からねじ込んで上記弾力付与部材を圧縮するナットと、上記鋼棒の地上突出端側に取付け手段を介し端末を取付けて放射状に広がると共に、対向先端を伸縮調整手段を介し連結した緊張部材とからなる斜面安定装置。
【請求項6】
前記鋼棒の周面には受圧材の下側から地中所定の範囲に絶縁層を設けたことを特徴とする請求項1又は5に記載の斜面安定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−70472(P2006−70472A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252126(P2004−252126)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(502047729)株式会社相建エンジニアリング (3)
【Fターム(参考)】