説明

断熱材

【課題】水分吸着性能を向上し、長期間信頼性を確保できる断熱材を提供する。
【解決手段】本発明の真空断熱材1は、芯材2と水分吸着剤3とを外被体であるバリア材22で包んで構成され、少なくとも3個以上の水分吸着剤3を、芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して配置している。すなわち、水分吸着剤3を芯材2の一箇所に集中して配置するのではなく、芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して、少なくとも3個以上配置することで、バリア材22の内部全体で水分を均一的に吸着することが可能になる。そのため、水分吸着剤3による水分吸着のスピードを上げて、断熱性能を向上させ、真空断熱材1として長期間の信頼性を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性に優れた断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の断熱材に凹部を形成する方法として、プレス成形により断熱材を圧縮するものや(例えば特許文献1)、ローラーを回転して断熱材を圧縮するもの(例えば特許文献2)が知られている。
【0003】
また、特許文献3や特許文献4には、水分を吸収するために、吸着剤を配置した断熱材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3793113号公報明細書
【特許文献2】特開2007−205530号公報
【特許文献3】特許第3465713号公報明細書
【特許文献4】特開2007−155087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、圧縮により凹部を成形することから、外被体にダメージを与えることになる。
【0006】
また、吸着剤が水分を吸着する性能が劣り、断熱性能が劣化する問題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、水分吸着性能を向上し、長期間信頼性を確保できる断熱材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の断熱材では、水分吸着剤を芯材の一箇所に集中して配置するのではなく、芯材の長手方向中心より左右に分散して、少なくとも3個以上配置することで、外被体の水分を均一的に吸着することが可能になる。そのため、水分吸着剤による水分吸着性能が向上し、断熱性能を向上させ、断熱材として長期間の信頼性を確保できる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の構成によれば、水分吸着性能が向上し、長期間信頼性を確保できる断熱材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を示す完成状態の断熱材の全体斜視図である。
【図2】同上、完成状態の断熱材の断面図である。
【図3】同上、断熱材の製造工程を示す芯材の斜視図である。
【図4】同上、芯材に水分吸着剤を挿入した状態の断面図である。
【図5】同上、凹部を形成する前の真空断熱材の斜視図である。
【図6】同上、真空断熱材に凹部を形成する際の製造工程を示す概略説明図である。
【図7】同上、真空断熱材に凹部を形成する際の別な製造工程を示す概略説明図である。
【図8】本発明の別な実施例を示す完成状態の断熱材の全体断面図である。
【図9】同上、断熱材の製造工程を示す芯材の斜視図である。
【図10】同上、圧縮前の芯材の周囲をインナーパックで覆った状態を示す斜視図である。
【図11】同上、芯材を圧縮しながら耳部を重ね合わせた状態の縦断面図である。
【図12】同上、芯材を圧縮した後の状態を示す整形体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における断熱材の好ましい実施例を説明する。図1および図2は、完成状態の断熱材すなわち真空断熱材1を示しており、これらの各図において、平板状をなす真空断熱材1は、芯材2と水分吸着剤3とを外被体としての外包材4により真空状態で包装して構成される。芯材2は、繊維状のグラスウールを積層した断熱体からなり、また吸着剤に相当する水分吸着剤3は、積層シート状のフィルムで袋状に封止されたもので、その内部には酸化カルシウム,シリカゲル,ゼオライトなどの水分吸着機能を有する無機物が設けられる。
【0012】
本実施例で使用する芯材2は、従来のような無機バインダーや有機バインダーを含まず、グラスウール単体で形成される。また、真空封止前の外包材4は、その一辺のみを開口した袋状に形成され、この開口部から前記芯材2と水分吸着剤3が挿入され、真空封止される。外包材4はガスバリア性を有し、且つ芯材2および水分吸着剤3を収納して内部を真空に維持できれば、どのような材料であっても構わず、例えばアルミニウムなどの金属を表面に蒸着したプラスチックフィルムなどの積層袋が用いられる。
【0013】
5は平板状の真空断熱材1の表面に、ローラー6を直線方向Sに向かって回転しながら形成した凹部である。凹部5は、ローラー6の回転する方向に沿って直線状に形成され、その底面は、どの部位においても凹凸のない平坦状に形成される。またここでは、真空断熱材1の一端から他端にかけて、連続する2つの平行な凹部5,5が、真空断熱材1の一側表面において、この真空断熱材1の長手方向に沿って形成される。
【0014】
図1に示すように、水分吸着剤3は芯材2の凹部5を形成していない平坦部に設けられる。この水分吸着剤3は矩形状をなし、直線方向に形成された凹部5に対して、その長辺側を沿わせるようして配置される。また図2に示すように、芯材2の凹部5を形成していない平坦部の厚さをTとしたときに、芯材2の凹部5の深さT’は、T×1/3以上であることが好ましい。
【0015】
凹部5を形成するためのローラー6は、円筒状のローラー本体7と、このローラー本体7の外周に形成した凸部8とを一体的に有して構成され、真空断熱材1の短手方向に沿った軸9を中心に回動するようになっている。凸部8は、前記凹部5の深さT’に対応して、ローラー本体7の外周のどの部位においても同じ高さを有している。また、前記2つの平行な凹部5,5に対応して、ローラー本体7には2つの凸部8,8が形成される。
【0016】
次に、上記真空断熱材1の製造方法について、図3〜図6を参照しながら説明する。図3は単独の芯材2を示しているが、これは図示しない型を使用して、所定寸法の芯材2を得ている。その際、凹部5を形成する部分を逃げた位置に予め切刃を入れておき、水分吸着剤3が挿入可能な凹状の挿入部2Aを形成する。
【0017】
その後、芯材2の乾燥工程を得た後、図4に示すように、切刃を入れた箇所の挿入部2Aにおいて、芯材2を取り除いて薄肉化し、挿入部2Aに水分吸着剤3を挿入する。前記切刃を入れた際に取り除いた芯材2の小片2Bを適量剥ぎ、これを水分吸着剤3の上に被せるように戻して、水分吸着剤3が外包材4に直接当らないようにする。
【0018】
図5は、芯材2に水分吸着剤3を装着した状態で、これらを袋状に形成した外包材4の内部に入れて図示しない真空装置内にセットし、その内部を減圧して真空封止することで得た平板状の真空断熱材1’である。ここでは説明の都合上、凹部5を形成する前の真空断熱材を符号1’で示し、完成状態の真空断熱材を符号1で示す。前述したように、挿入部2Aに挿入した水分吸着剤3の上部は予め小片2Bで覆われているため、これらを外包材4の内部に入れたときに、水分吸着剤3が外包材4に直接当らないようになっている。
【0019】
図6は、真空断熱材1’の表面に凹部5を形成する状態の製造工程を示したものである。ここでは凹部5を形成するための加工装置として、前述したローラー6の他に、ローラー6に対向して所定の隙間を有して配置された案内ローラー11と、対をなすローラー6と案内ローラー11から離れて、真空断熱材1’の搬送方向Lに沿って配設した一対の送りローラー12,13とをそれぞれ備えている。送りローラー12,13は、真空断熱材1’をローラー6と案内ローラー11との間に向けて搬送するためのもので、何れも図示しない加工装置本体に回動可能に支持される。同様に、他のローラー6や案内ローラー11も、加工装置本体に回動可能に支持される。なお、真空断熱材1’の搬送方向Lに対して、送りローラー12,13はローラー6の前側だけでなく、ローラー6の後側に設けてもよい。案内ローラー11や送りローラー12,13、ローラー6と同様に、真空断熱材1’の短手方向に沿った軸を中心に回動するようになっている。
【0020】
この凹部5を形成する製造工程では、先ず送りローラー12,13の間に平板状の真空断熱材1’を挟持した状態で、これらの送りローラー12,13を図6に示す矢印の方向に回転させ、ローラー6と案内ローラー11との間に真空断熱材1’が通過するように、このローラー6に向けて真空断熱材1’を搬送する。ここでローラー6および案内ローラー11を、図6に示す矢印の方向に回転させると、ローラー6の凸部8が真空断熱材1'の表面を搬送方向Lに沿って直線状に押圧し、その押圧した部分が塑性変形して、真空断熱材1’の一端から徐々に凹部5が形成されてゆく。その結果、図1に示すような底面に凹凸のない直線状の凹部5が形成された真空断熱材1を得ることができる。
【0021】
図6に示す凹部5の製造工程では、平板状の真空断熱材1’に対して一度に凹部5を形成するのではなく、真空断熱材1’の搬送方向Lに対応した直線方向に向けてローラー6を回転させながら、この真空断熱材1’の搬送位置に応じて徐々に凹部5を形成するため、外包材4へのダメージを少なくすることができる。
【0022】
なお、別な真空断熱材1’の製造方法として、芯材2に水分吸着剤3を装着したものを別部材、例えばポリプロピレンシートなどのシート材で包んで圧縮し、その圧縮した状態でシート材の周囲をヒートシールして密封した成形体にし、この成形体を前記袋状の外包材4に挿入したものを真空装置内にセットし、減圧前にシート材の一端を開いてから外包材4の内部を減圧して真空封止してもよい。その例は、後ほど説明する。
【0023】
このように本実施例では、芯材2を外被体としての外包材4で包んで構成され、直線状の凹部5を形成してなる断熱材としての真空断熱材1であって、この凹部5はローラー6を前記直線方向に回転しながら形成している。
【0024】
つまり、ここでの真空断熱材1は、直線方向に向かってローラー6を回転することで、直線状の凹部5を徐々に形成しているため、従来のようなプレス成形やローラー加工により一度に凹部5を形成するものに比べて、外包材4へのダメージが少なく、真空断熱材1として長期間の信頼性を確保できる。
【0025】
また、真空断熱材1に形成した凹部5の深さT’は、芯材2の厚さTの1/3以上であることが好ましい。本実施例では、凹部5が一度にではなく徐々に形成されるため、凹部5の深さT’を芯材2の厚さTの1/3以上に形成しても、外包材4に対するダメージは少なく、従来のように凹部5を深く形成するほど外包材4に対するダメージが大きくなる不具合を解消できる。
【0026】
さらに、凹部5の直線方向に所定部側である長辺側が沿うように、吸着剤としての水分吸着剤3を配置するのが好ましい。こうすると、直線状に形成される凹部5と干渉しない位置に水分吸着剤3を配置することで、凹部5の形成時に水分吸着剤3が邪魔にならないようにすることができる。
【0027】
次に、別な実施例を図7にて説明する。ここでは、真空断熱材1’の搬送方向Lに沿って、ローラー6,16を多段に並設して構成すると共に、ローラー6,16に対向して案内ローラー11,21をそれぞれ設けた点が、上記図6とは異なる。
【0028】
より具体的に説明すると、ローラー16は前述したローラー6と同様に、円筒状のローラー本体17と、このローラー本体17の外周に形成した凸部18とを一体的に有して構成され、真空断熱材1の短手方向に沿った軸19を中心に回動するようになっている。但し、ローラー本体7,17は同一形状を有しているが、ローラー6の凸部8とローラー16の凸部18とは、その高さが異なっており、ローラー6の凸部8よりもローラー16の凸部18のほうが高く形成される。つまり、真空断熱材1’の搬送方向Lに向かって、凸部8,18の高さが順次高くなるように、複数個のローラー6,16がそれぞれ配置される。それ以外の加工装置としての構成は、図6に示したものと共通しているが、変形例として例えばローラー6,16は3個以上配設してもよい。
【0029】
この凹部5を形成する製造工程では、先ず送りローラー12,13の間に平板状の真空断熱材1’を挟持した状態で、これらの送りローラー12,13を図7に示す矢印の方向に回転させ、ローラー6と案内ローラー11との間と、別なローラー16と案内ローラー21との間に真空断熱材1’が順に通過するように、これらのローラー6,16に向けて真空断熱材1’を搬送する。ここでローラー6および案内ローラー11と、ローラー16および案内ローラー21を、何れも図7に示す矢印の方向に回転させると、先ず搬送方向Lの手前側にあるローラー6の凸部8が真空断熱材1'の表面を搬送方向Lに沿って直線状に押圧し、凸部8の高さに対応した深さでその押圧した部分が塑性変形し、次いで半双方向Lの後側ローラー16の凸部18が、凸部8により塑性変形した部分を搬送方向Lに沿ってさらに直線状に押圧し、最終的に凸部18の高さに対応した深さT’で、真空断熱材1’の一端から徐々に凹部5が形成されてゆく。その結果、図1に示すような底面に凹凸のない直線状の凹部5が形成された真空断熱材1を得ることができる。
【0030】
図7に示す凹部5の製造工程では、平板状の真空断熱材1’に対して一度に凹部5を形成するのではなく、真空断熱材1’の搬送方向Lに対応した直線方向に向けてローラー6,16を回転させながら、この真空断熱材1’の搬送位置に応じて徐々に凹部5を形成するため、外包材4へのダメージを少なくすることができる。またとりわけ本例では、凹部5を単独のローラー6で一度に所望の深さに形成するのではなく、複数のローラー6,16を通して段階的に所望の深さに形成してゆくので、外包材4へのダメージを一層少なくすることができる。またこれは、予め所定の位置に配置された複数のローラー6,16に、真空断熱材1’を一度搬送するだけで実現するので、コストを安くすることができる。
【0031】
以上のように、ここでの凹部5は、真空断熱材1’の搬送方向Lである所定の送り方向から見て、凸部8,18が順次高くなるように多段に備えた前記ローラー6,16を、直線方向に回転しながら形成したものであるから、凹部5を形成する際に、一度に所望の深さに形成するのではなく、多段のローラー6,16に真空断熱材1’を通して順次所望の深さに形成することができる。したがって、外包材4へのダメージはさらに少なくなり、また複数のローラー6,16に真空断熱材1’を1回通過させるだけでよいため、加工に際してのコストを安くできる。
【0032】
次に、真空断熱材1の別な実施例について、図8以降を参照して詳しく説明する。なお、上記実施例と共通する部分には共通する符号を付し、共通する箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0033】
図8は、本実施例における真空断熱材の完成状態を示しており、ここでは前述したグラスウール単体からなる芯材2と、芯材2を収納するシート材としてのインナーパック21と、これらの芯材2およびインナーパック3を真空状態で包装する外被体としてのバリア材22とにより構成される。バリア材22は前記外包材4に相当するもので、真空封止前のバリア材22は、その一辺のみを開口した袋状に形成され、この開口部から前記インナーパック21に芯材2を圧縮状態で収納した整形体23が挿入され、真空封止される。バリア材22はガスバリア性を有し、且つインナーパック21に芯材2を収納して内部を真空に維持できれば、どのような材料であっても構わず、例えばアルミニウムなどの金属を表面に蒸着したプラスチックフィルムなどの積層袋が用いられる。さらにここでは、芯材2と共に水分吸着剤3がインナーパック21に収納される。
【0034】
次に、図8に示す真空断熱材1の製造工程について、図9〜図12の各図を参照しながら説明する。図9は単独の芯材2を示しており、これは図示しない型を使用して、所定寸法の芯材2を得ている。その際、凹部5を形成する部分を逃げた位置に予め切刃を入れておき、水分吸着剤3が挿入可能な凹状の挿入部2Aを複数形成する。
【0035】
その後、芯材2の乾燥工程を得た後、前述の図4で示したように、切刃を入れた箇所の挿入部2Aにおいて、芯材2を取り除いて薄肉化し、挿入部2Aに水分吸着剤3を挿入する。前記切刃を入れた際に取り除いた芯材2の小片2Bを適量剥ぎ、これを水分吸着剤3の上に被せるように戻して、水分吸着剤3がインナーパック21やバリア材22に直接当らないようにする。
【0036】
図10は、圧縮前の芯材2をインナーパック21で包んだ状態を示している。芯材2を覆うインナーパック21は、後述する整形体23をバリア材22に挿入するまでの各製造工程で、シール性,耐熱性および耐久性(切れにくさ)を維持できる材料が選定される。具体的には、インナーパック21の材料として、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂が好ましい。また、インナーパック21の厚さは、その後インナーパック21を袋状にする際の作業性や、インナーパック21の袋状内部をバキューム減圧またはプレス状態にし、若しくはバキューム減圧とプレス状態を併用した後、インナーパック21の開口部をシールする際の作業性を考慮して、0.05mm以下とするのが好ましい。
【0037】
ここで、インナーパック21で芯材2を覆う工程を説明すると、所定寸法に裁断されたシート状のインナーパック21の一側部21Aに、水分吸着剤3を搭載した芯材2を載せ、図10に示すようにその中間部21Bを折り返して、芯材2を挟んでインナーパック21の一側部21Aと他側部21Cとを対向させる。次に水分吸着剤3を搭載した芯材2をプレス機などで圧縮しながら、インナーパック21の一側部21Aと他側部21Cの左右両側にある耳部21Dを重ね合わせた後(図11を参照)、インナーパック21の一側部21Aと他側部21Cに形成される耳部21Dどうしを、ヒートシールにより封止すればよい。その際、耳部3Dのどちらか一辺をバキューム減圧するために開放しておき、減圧後すぐに耳部21Dどうしをヒートシールすれば、図12に示すように、圧縮状態を保持した芯材2をインナーパック21に収納してなる整形体23を得ることができる。
【0038】
整形体23は、真空断熱材1の製造工程において、ガスバリア性を有する袋状に形成されたバリア材22の内部に開放端部から挿入された後、図示しない真空装置に入れられて真空引きされ、バリア材22の開口端部をヒートシールして封止することにより、図9に示す真空断熱材1が形成される。なお、前記インナーパック21は、予め一端のみを開放した袋状のものを用いてもよい。
【0039】
前記乾燥剤としての水分吸着剤3は、自重の約30%の水分吸着量を有するが、水分吸着剤3に水分が接することでその水分を吸着するため、離れた箇所に存在する水分を吸着するのは時間がかかる。そこで図9に示すように、4個の水分吸着剤3を、前記芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して均等に配置し、それにより芯材2の残留水分やバリア材22を通過してきた水分を効率よく吸着できるようにする。なお、水分吸着剤3の個数は少なくとも3個以上あれば何個あってもよく、その際真空断熱材1のどの部位にあっても効率よく水分を吸着できるように、芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して水分吸着剤3を配置する。
【0040】
以上のように本実施例では、芯材2と水分吸着剤3とを外被体であるバリア材22で包んで構成される真空断熱材1であって、少なくとも3個以上の水分吸着剤3を、芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して配置している。すなわち、水分吸着剤3を芯材2の一箇所に集中して配置するのではなく、芯材2の長手方向中心Cより左右に分散して、少なくとも3個以上配置することで、バリア材22の内部全体で水分を均一的に吸着することが可能になる。そのため、水分吸着剤3による水分吸着のスピードを上げて、断熱性能を向上させ、真空断熱材1として長期間の信頼性を確保できる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば図9以降の実施例において、真空断熱材1’に凹部5を形成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 真空断熱材(断熱材)
2 芯材
3 水分吸着剤
22 バリア材(外被体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と水分吸着剤とを外被体で包んで構成される断熱材であって、
少なくとも3個以上の前記水分吸着剤を、前記芯材の長手方向中心より左右に分散して配置したことを特徴とする断熱材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−197950(P2012−197950A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−165125(P2012−165125)
【出願日】平成24年7月25日(2012.7.25)
【分割の表示】特願2009−128302(P2009−128302)の分割
【原出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】