説明

新交通システム車両の連結器

【課題】カーブ軌道上であっても無人での車両連結を可能とする新交通システム車両の連結器を提供する。
【解決手段】軌道2を走行するための走行輪3と、その走行輪3を左右に操舵するためのステアリング機構4とを備えた新交通システム車両5を車両同士で相互に連結するための連結器1において、上記新交通システム車両5の車端部に回動自在に設けられた連結器本体6と、その連結器本体6の先端を上記軌道の軌道中心線上に位置させると共に上記軌道中心線に沿った方向に向けるべく、上記連結器本体6を上記ステアリング機構4の操舵に連動して左右に回動させる首振り機構7とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新交通システム車両を車両同士で連結するための連結器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、専用の軌道(走行路)を無人で自動走行可能な車両として所謂新交通システム車両が知られている。
【0003】
図5に示すように、新交通システム車両101は、車体の一部をなすフレーム102と、そのフレーム102に取り付けられた台車103とを備える。
【0004】
その台車103は、ゴムタイヤなどの走行輪104と、その走行輪104を操舵するための台車ステアリング機構とを有し、その台車ステアリング機構は、走行輪104と一体的に回動可能なアーム106と、そのアーム106に取り付けられたガイドホイール107とを有する。
【0005】
この台車ステアリング機構は、軌道に沿って設けられたガイドレール108によりガイドホイール107が案内されることで走行輪104の舵が切られるように構成されており、その台車ステアリング機構の操舵により新交通システム車両101の自動走行が可能となっている。
【0006】
このような新交通システム車両101では、複数の車両を連結する場合があり、その連結のために連結器109が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図6に示すように、連結器109は、車体に左右に回動可能に支持され前方に延びる左右首振り部110と、その左右首振り部110の先端に形成されたオス部111およびメス部112とを有する。
【0008】
左右首振り部110には、連結器109をセンタに復帰させるためのセンタ復帰バネ113が設けられる。そのセンタ復帰バネ113は、左右首振り部110の左右両側に各々設けられ左右首振り部110を左右両側からセンタに向かい付勢する。
【0009】
この従来の新交通システム車両101では、連結器109の左右首振り部110にセンタ復帰バネ113がついてることから、外力が働かない限り連結器109は正面(車両中心軸方向)を向くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公昭63−41340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の連結器109では、カーブ軌道上で車両101同士を連結しようとした場合に、それら車両101の連結器109の先端(オス部111およびメス部112)の向きと位置とがずれてしまうことから、無人の車両連結が不可能であるという問題があった。
【0012】
すなわち、上述の連結器109は、センタ復帰バネ113により車両中心軸方向を指向するようになっているため、カーブ軌道では連結器109が互いに軌道中心線に対してそっぽを向いてしまう。そのため、両連結器109が互いに対向するように連結器109を人が手で押さえないと両連結器109のオス部111およびメス部112を合わすことができなかった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、カーブ軌道上であっても無人での車両連結を可能とする新交通システム車両の連結器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明は、軌道を走行するための走行輪と、その走行輪を左右に操舵するためのステアリング機構とを備えた新交通システム車両を車両同士で相互に連結するための連結器において、上記新交通システム車両の車端部に回動自在に設けられた連結器本体と、その連結器本体の先端を上記軌道の軌道中心線上に位置させると共に上記軌道中心線に沿った方向に向けるべく、上記連結器本体を上記ステアリング機構の操舵に連動して左右に回動させる首振り機構とを備えたものである。
【0015】
好ましくは、上記ステアリング機構が、左右の上記走行輪を連結するためのタイロッドを備え、上記首振り機構が、上記タイロッドから上記連結器本体まで延びると共に上記連結器本体に回動自在に取り付けられたリンクアームを備えたものである。
【0016】
好ましくは、上記リンクアームに、上記連結器本体の位置および向きのずれを吸収するための吸収部が設けられたものである。
【0017】
好ましくは、上記軌道の左右両側に沿ってガイドレールが各々設けられ、上記ステアリング機構が、上記左右の走行輪ごとに各々設けられ上記新交通システム車両から左右外側に突出すると共に上記タイロッドにより連結された左右のガイドアームと、それらガイドアームの先端に各々設けられ上記ガイドレールにガイドされるガイドホイールとを備えたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カーブ軌道上であっても無人での車両連結が可能となるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明に係る一実施形態による連結器および新交通システム車両の概略平面図である。
【図2】図2は、本実施形態の連結器の平面図である。
【図3】図3は、本実施形態の連結器の模式的な平面図であり、車両がストレート軌道上にある場合を示す。
【図4】図4は、本実施形態の連結器の模式的な平面図であり、車両がカーブ軌道上にある場合を示す。
【図5】図5は、従来の連結器を説明するための新交通システム車両の概略平面図である。
【図6】図6は、従来の連結器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】
本実施形態の新交通システム車両の連結器は、例えば、側方案内4走行輪ステアリング式の新交通システム車両を対象とする。ここで、新交通システム車両とは、専用の軌道をゴムタイヤなどの走行輪で走行すると共に、その走行輪を自動(または半自動)で操舵可能なものであり、所謂APM(Automated People Mover)も含まれる。
【0022】
図1から図4に基づき本実施形態の新交通システム車両(以下、車両という)および軌道の概略構造を説明する。以下の説明において、前後とは、車両の車長方向をいい図2では左右方向である。左右とは車両の車幅方向をいい図2では上下方向である。また、説明の便宜のために図2の右側を前として説明する。
【0023】
図1に示すように、軌道2には後述する車両5A、5Bの走行輪3が通る走行路面21が形成され、その走行路面21(軌道2)の左右両側には、車両5A、5Bをガイドするためのガイドレール22が軌道2に沿って設けられる。また、軌道2の左右いずれか一側または両側には車両5A、5Bに電力を供給するための電車線(図示せず)が設けられる。
【0024】
この軌道2の中央を通る仮想的なラインを以下、軌道中心線L(図4参照)という。軌道中心線Lは、左右のガイドレール22間の中央を通り軌道2に沿って延びる。
【0025】
車両5A、5Bは、前後に延びる車体(図1では車両フレーム8のみ示す)と、その車体を支持する複数の台車9と、車両5A、5B同士を連結するための連結器1とを備える。車体は、車両フレーム8(台枠)の上に車両ボディ(上部構体)を設けてなり、車両フレーム8の下には2つの台車9が取り付けられる。
【0026】
それら台車9は、車両5A、5Bの前部と後部とに各々配置される。ここで、これら車両5A、5Bの前部の台車9と後部の台車9とは同様の構造を有することから、図1における左側の車両5Aの前部の台車9のみ説明し、他のものは説明を省略する。
【0027】
図2に示すように、図例の台車9は、1軸の駆動台車であり、軌道2を走行するための左右一対の走行輪3(ゴムタイヤ)と、それら走行輪3を駆動するための電動の走行モータ91(図1参照)と、その走行モータ91などに電車線からの電力を供給するための集電装置(図示せず)と、走行輪3を左右に操舵するためのステアリング機構(以下、台車ステアリング機構という)4とを備える。
【0028】
より具体的には、車両フレーム8の下部に、空気バネ92などのサスペンション装置が取り付けられ、そのサスペンション装置によって車軸93が支持される。その車軸93の両端部に、走行輪3を左右に回動可能に支持する走行輪支持部(図示せず)が設けられる。また、車軸93の中間部(図例ではほぼ中央)に走行モータ91の出力軸94が連結され、その走行モータ91からの回転駆動力が車軸93(および走行輪3)に伝達される。
【0029】
台車ステアリング機構4は、左右の走行輪3ごとに各々設けられた左右のガイドアーム41と、それらガイドアーム41の先端に各々設けられたガイドホイール42と、左右の走行輪3を互いに連動して回動するように連結するためのタイロッド(以下、左右ステアリング連結アームという)43とを備える。
【0030】
ガイドアーム41は、走行輪3に沿って前後に延びる基部411と、その基部411の前端および後端から車幅方向外側に延びる2つのホイール支持部412とからなり、全体として、走行輪3を車幅方向内側から囲う平面視コ字状に形成される。
【0031】
ガイドアーム41の基部411は、車軸93の両端部(走行輪支持部)に回動可能かつ走行輪3と一体的に回動するように設けられる。ホイール支持部412は走行輪3の前方および後方に各々位置し、ホイール支持部412の先端が走行輪3よりも左右外側(車幅方向外側)に延び車両フレーム8から突出する。そのホイール支持部412の先端部には、ガイドホイール42が垂直軸まわりに回転自在に設けられており、ガイドホイール42は、軌道2のガイドレール22に転がり接触してガイドされるようになっている。
【0032】
左右ステアリング連結アーム43は左右のガイドアーム41間に掛け渡される。より具体的には、左右ステアリング連結アーム43の両端部が、左右のガイドアーム41における前側のホイール支持部412に各々回動自在に連結される。また、左右いずれか一方のガイドアーム41には、走行輪3を直進状態(左右中立位置)に復帰させるための復帰手段(例えばシリンダ装置)44が連結される。
【0033】
この台車ステアリング機構4では、左右のいずれか一方のガイドホイール42がガイドレール22に接触した際に、そのガイドレール22からの反力をガイドアーム41が受けると共に、その反力が左右ステアリング連結アーム43により他方のガイドアーム41に伝達され、それら左右のガイドアーム41が復帰手段44の復元力に抗して回動することで走行輪3の舵が切られる。
【0034】
図1に戻り、連結器1は、車両5A、5Bの前後の車端部のうちの一方あるいは両方に設けられる。これら前後の連結器1は同様の構造を有することから前側のものを説明し後側のものは説明を省略する。
【0035】
図2に示すように、連結器1は、車両5Aの前側の車端部に左右に回動自在(揺動自在)に設けられた連結器本体6と、その連結器本体6の先端を軌道中心線L上に位置させると共に軌道中心線Lに沿った方向(以下、軌道中心線方向という)に向けるべく、連結器本体6を台車ステアリング機構4による走行輪3の操舵に連動して左右に回動させる首振り機構7とを備える。
【0036】
連結器本体6は、車両5Aの左右ほぼ中央に配置され、車両5Aの車端部から前方に延びる。その連結器本体6の基端部(後端部)は、車両フレーム8に左右に回動自在に結合(例えばピン結合)される。図例では連結器本体6の回動中心(以下、連結器回動中心Cという)が左右ステアリング連結アーム43よりも前方に位置する。連結器本体6の先端部(前端部)は、車両フレーム8(および車両ボディ)よりも前方に突出すると共に、その断面が基端側よりも拡大される。連結器本体6の先端面は、連結器本体6の突出方向とほぼ直交する連結面Sをなし、その連結面Sには、前方に突出する角錐状のオス部61と後方に窪む穴状のメス部62とが左右に並べて形成される。この連結器本体6は、所謂密着連結器をなし、オス部61とメス部62が左右反対に形成された相手方の連結器本体6と、オス部61をメス部62に互いに嵌合させると共に、連結面Sを互いに当接、密着させて連結される。
【0037】
首振り機構7は、左右ステアリング連結アーム43から連結器本体6まで前方に延びると共に連結器本体6に回動自在に取り付けられたリンクアーム71を備える。そのリンクアーム71には、連結器本体6の位置および向きのずれを吸収するための吸収部をなす微調整バネ72が設けられる。
【0038】
より具体的には、リンクアーム71は、全体として平面視ほぼコ字状に形成される。リンクアーム71は、左右ステアリング連結アーム43から前方に延びる2つの延出部711と、それらの延出部711の間に微調整バネ72を介して掛け渡され連結器本体6に回動自在に結合された接続部712とを有する。
【0039】
延出部711は、連結器本体6の左右両側に連結器本体6から離間させて配置される。その延出部711は、基端が左右ステアリング連結アーム43に固定され先端が車幅方向内側に屈曲する。接続部712は、左右に延び、その左右のほぼ中央部分が、連結器回動中心Cよりも前方の連結器本体6(連結点P)に結合される。これら接続部712と連結器本体6とは、例えばピン結合され、連結器本体6の下面に下方に延びるピンが形成されると共に、そのピンが差し込まれるピン穴が接続部712に形成される(図示せず)。
【0040】
これら接続部712と左右の延出部711との間に、2つの微調整バネ72が各々設けられる。微調整バネ72は、接続部712の左右両端に形成されたフランジと左右の延出部711の先端に形成されたフランジとに接続され、左右に伸縮可能なように配置される。
【0041】
次に、本実施形態の連結器1の作用を説明する。
【0042】
まず、図3および図4に基づき、走行輪3の操舵に連動した連結器1の首振り動作について説明する。図3および図4は、連結器1と台車ステアリング機構4とを模式的に示したものであり、図3、4における右方を車両5Aの進行方向前方とする。
【0043】
図3に示すように、車両5Aが直線状の軌道(ストレート軌道)2を走行する場合、走行輪3は車両5の車長方向を向いており、左右ステアリング連結アーム43が軌道中心線Lとほぼ直交する。連結器本体6は、先端(連結面Sの左右中央)と、リンクアーム71との連結点Pと、連結器回動中心Cとが軌道中心線L上で並ぶ中立位置に位置する。
【0044】
一方、図4に示すように、車両5Aが曲線状の軌道(カーブ軌道)2を走行する場合、連結器本体6は、首振り機構7によりカーブ軌道2の内側を指向する。
【0045】
例えば、車両5Aが左曲がりのカーブ軌道2に進入すると、まず、右側のガイドホイール42が右側のガイドレール22に接触する。そのガイドレール22からの反力が右側のガイドアーム41に入力され、そのガイドアーム41が左回りに回動する。その回動するガイドアーム41により、左右ステアリング連結アーム43が左側に押され、左右ステアリング連結アーム43が左側にシフト(図例では、ほぼ平行移動)する。
【0046】
このとき、左右ステアリング連結アーム43に固定されたリンクアーム71も左側にシフトする。そのシフトするリンクアーム71により、連結器本体6が連結点Pにて左側に押され、その連結器本体6の先端が左側(カーブ軌道2の内側)に向けられる。すなわち、連結器本体6は、リンクアーム71との連結点Pが連結器回動中心Cよりも左方に移動することで、連結器回動中心Cを中心に左回りに回動する。
【0047】
これにより、連結器本体6のオス部61およびメス部62の向きが軌道中心線方向(連結面Sにおける軌道中心線Lの接線方向)とほぼ平行になり、かつそれらオス部61およびメス部62が軌道中心線Lの近傍に位置する。また、連結器本体6の連結面Sが接線方向とほぼ直交し、かつ連結面Sの左右中央が軌道中心線L上に位置する。
【0048】
その結果、この連結器1を有する車両5A、5B同士を連結する際には、それら車両5A、5Bがカーブ軌道2上に位置する場合であっても、連結器本体6は、オス部61が相手方のメス部62に各々対向すると共に互いの連結面Sが平行となるので、連結器本体6の位置および向きを大きく変更することなく連結器本体6を結合することができる。
【0049】
次に、図1に基づき本実施形態の連結器1によって、カーブ軌道2上にて無人で車両5A、5Bの連結を行う一例を説明する。以下の説明では、図1の右側の車両5Bを車両故障などによりカーブ軌道2上に停車した停車車両5Bとし、左側の車両5Aを、停車車両5Bを牽引、回収するための回収車両5Aとする。
【0050】
図1に示すように、停車車両5Bでは、ガイドホイール42がガイドレール22に当接してガイドアーム41が回動した状態となっており、その回動したガイドアーム41によって、連結器1は、そのオス部61とメス部62とが軌道中心線方向を指向すると共に軌道中心線Lの近傍に位置した状態で保持される。
【0051】
この停車車両5Bに向かって、無人自動走行する回収車両5Aが接近し、回収車両5Aがカーブ軌道2に差し掛かると、上述したように、回収車両5Aの走行輪3の舵がカーブ軌道2(ガイドレール22)の曲率に応じた舵角で切られ、その走行輪3に連動して連結器1が走行輪3の舵角に応じた回動角で回動する。
【0052】
回収車両5Aが停車車両5Bの近傍まで接近すると、回収車両5Aの連結器本体6は、停車車両5Bの連結器本体6とほぼ一直線上に並ぶ状態となり(図1参照)、さらに回収車両5Aが停車車両5Bに近づくことで、連結器本体6のオス部61およびメス部62が嵌合して連結器本体6が結合される。
【0053】
このように、本実施形態では、カーブ軌道2に合わせて連結器本体6も首を振って軌道中心線L上を向くので、人がいなくても両連結器1のオス部61とメス部62とが合う。その結果、カーブ軌道2上でも人の手を借りずに無人で車両5を連結することができる。
【0054】
ここで、連結器本体6同士が結合される際に、両連結器本体6のオス部61とメス部62との位置や向きがずれていた場合には、微調整バネ72が伸縮することで左右の位置合わせの微調整がなされる。
【0055】
なお、連結器本体6、ガイドアーム41、左右ステアリング連結アーム43およびリンクアーム71の長さ(レバー比)や、連結器本体回動中心Cおよびガイドアーム41の回動中心や、これらの部材6、41、43、71の連結点(節点)の位置は、カーブ軌道2上にて車両5A、5Bが対向したときにそれらの連結器本体6の向きおよび位置が一致するように、或いは向きおよび位置のずれが微調整バネ72による可動範囲内に収まるように適宜設定される。
【0056】
このように、本実施形態では、左右に回動自在な連結器本体6に微調整バネ72を介してリンクアーム71を付けて台車ステアリング機構4の左右ステアリング連結アーム43とリンクさせることで、カーブ軌道2においても台車ステアリング機構4に連動して連結器1は車両5A、5Bの曲がる方向(ステアリング方向)を向くため、連結器1同士の位置がそろい、無人の車両連結が可能となる。
【0057】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
【0058】
例えば、上述の実施形態の台車ステアリング機構4は、ガイドレール22から受ける反力により走行輪3の操舵を行うものであるが、これに限定されず、アクチュエータの駆動力により走行輪3の操舵を行うアクティブステアリング式台車でもよい。その場合、連結器もアクティブ首振り構造としてもよい。例えば、連結器本体に連結器本体を左右に回動するためのアクチュエータを接続し、そのアクチュエータを走行輪3の操舵に連動して駆動制御することが考えられる。
【符号の説明】
【0059】
1 連結器
2 軌道
3 走行輪
4 ステアリング機構
5A、5B 車両(新交通システム車両)
6 連結器本体
7 首振り機構
22 ガイドレール
41 ガイドアーム
42 ガイドホイール
43 左右ステアリング連結アーム(タイロッド)
71 リンクアーム
72 微調整バネ(吸収部)
L 軌道中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道を走行するための走行輪と、その走行輪を左右に操舵するためのステアリング機構とを備えた新交通システム車両を車両同士で相互に連結するための連結器において、
上記新交通システム車両の車端部に回動自在に設けられた連結器本体と、
その連結器本体の先端を上記軌道の軌道中心線上に位置させると共に上記軌道中心線に沿った方向に向けるべく、上記連結器本体を上記ステアリング機構の操舵に連動して左右に回動させる首振り機構とを備えたことを特徴とする新交通システム車両の連結器。
【請求項2】
上記ステアリング機構が、左右の上記走行輪を連結するためのタイロッドを備え、
上記首振り機構が、上記タイロッドから上記連結器本体まで延びると共に上記連結器本体に回動自在に取り付けられたリンクアームを備えた請求項1記載の新交通システム車両の連結器。
【請求項3】
上記リンクアームに、上記連結器本体の位置および向きのずれを吸収するための吸収部が設けられた請求項2記載の新交通システム車両の連結器。
【請求項4】
上記軌道の左右両側に沿ってガイドレールが各々設けられ、
上記ステアリング機構が、上記左右の走行輪ごとに各々設けられ上記新交通システム車両から左右外側に突出すると共に上記タイロッドにより連結された左右のガイドアームと、それらガイドアームの先端に各々設けられ上記ガイドレールにガイドされるガイドホイールとを備えた請求項2または3記載の新交通システム車両の連結器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−11653(P2011−11653A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158030(P2009−158030)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)