新聞本紙類へのチラシ折り込み装置
【課題】新聞本紙へのチラシを折り込み装置を提供する。
【解決手段】
新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、拡開手段は先端の折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出する新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【解決手段】
新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、拡開手段は先端の折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出する新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞本紙、雑誌、折丁等の冊子にチラシ広告等を折り込む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
毎朝、新聞販売店から家庭に配達される新聞には、丁合いされたチラシが折り込まれている。また、雨が降ると、新聞を濡らさないためにビニール包装が行なわれて配達されている。チラシの丁合い作業や丁合いされたチラシを新聞に折り込む作業やチラシが折り込まれた新聞のビニール包装作業は、新聞販売店にて行なわれている。このうちチラシ丁合い作業は、丁合い機が普及しており、大量のチラシが高速で処理されている。この作業は前日作業なのでチラシ量が多くても充分対応できうるものであるが、一方、チラシを新聞に折り込む作業や、包装作業は当日作業で、しかも、早朝作業であり、新聞が新聞社から新聞販売店に到着してから、各家庭へ配達に出るまでの定められた時間内に済まさねばならない。
【0003】
通常、新聞社から新聞が到着するや否や新聞配達員は担当配達区域分の新聞を受け取り、これを手で開いて、用意されたチラシを新聞に挿入する。これを通常、一人が100〜200部程度行なうものである。また、雨の日となると、チラシを折り込んだ後、更に、特許文献1に示すような手差し給紙の包装機を用いて一部ずつビニール等で包装作業を行なわなければならない。新聞販売店の中には2000部以上の配達を行なう販売店も数多く、常に十数人の配達員が配達に遅れまいと血眼になってこの作業を行なっていると言っても過言ではない。
【0004】
このように大勢の人が単純な手作業を毎朝繰り返しているわけであるから、機械化が望まれていた。そこで、近年、特許文献2に提案されているような、新聞にチラシを折り込む機械等が提案され、チラシ組み込み処理が高速で大量処理ができる装置が提供されているが、大型で高価なためスペース的にもコスト的にも対応できる販売店は限られている。しかし、包装機については、手差し給紙ではあっても60〜80部/分程度の処理能力があり、また比較的、小型で廉価であるため、複数台導入して早朝の繁忙に対応しているところも多い。
【0005】
そのような状況を鑑みて、従来の包装機とドッキングしてチラシ折り込み作業と包装作業を一度に行なうことが可能な新聞本紙へのチラシ折り込み装置が、本出願人より提案されている(特許文献3)。
この先行技術である特許文献3の新聞本紙へのチラシ折り込み装置では、積載された新聞本紙を一部ずつ取り出してチラシ挿入部に送り、チラシ挿入部では送られた新聞本紙を開いてチラシが挿入できる状態にし、新聞本紙にチラシが挿入されると、包装機とタイミング合せして、新聞本紙を包装機内に送り出すことができるので、従来別個に行なわれていたチラシ折り込み作業と新聞包装作業を同時に行なうことができる。また、積載された新聞本紙を一部ずつ取り出してチラシ挿入部に送り、チラシ挿入部内に送り込まれた新聞本紙を包装機とタイミングを合わせて、新聞本紙を包装機内に送り出すことができるので、既にチラシが折り込まれた新聞の包装機への自動給紙装置としても使用できるなど、新聞店のさまざまな仕事形態に多機能で対応できる装置である。
このように、先行技術である特許文献3で提案されている新聞本紙へのチラシ折り込み装置は、従来の新聞包装機の上部に設置できるのでスペース的にも有利な装置である。
【特許文献1】特開2001−171607号公報
【特許文献2】特開2006−347046号公報
【特許文献3】特願2008−116385
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、先行技術の特許文献3に開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置は、新聞供給部から送られた新聞本紙を、チラシ挿入部の入り口近くに設けた挟持搬送部材で新聞を受け取り、チラシを挿入する位置に新聞本誌を送った後、前記挟持搬送部材とは別の移送・分離・開放部材を用いて新聞を挟持した状態で、一方の層(開かせる側の層)を他方の層(開かせない側の層)より早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を前記移送・分離・開放部材から開放して、チラシを挿入しうる拡開状態を形成し、チラシが挿入されるとチラシが折り込まれた新聞本紙を装置外に排出することができるものであった。
しかしながら、先行技術の特許文献3に開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置では、チラシを挿入する位置にある新聞本紙を移送・分離・開放部材を用いて拡開するためには、一旦、新聞本紙を挟持搬送部材の挟持から開放しなければならず、そのため、新聞本紙がチラシ挿入位置に送られてから拡開するまでに時間を要し、処理時間の短縮が困難であるという問題点があった。また、作業者が手作業でチラシ挿入するとき、まどろっこしくてリズミカルな連続作業を妨げるという問題点があった。更に、挟持搬送部材と移送・分離・開放部材が別個に必要であったため、複雑で制作コスト高になってしまうという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、上記問題点を解消し、チラシ挿入の処理速度をより迅速にでき、新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の制作コストも安価にする新聞本紙類へのチラシ折り込み装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、前記新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、新聞本紙の通路上に適宜配設した新聞紙面と所定の摩擦接触力を有する上側摩擦ローラと下側摩擦ローラから成る挟時・移送手段を備え、前記上側摩擦ローラと下側摩擦ローラを回転させて新聞本紙の折部の折り畳み側を下に向けて移送するとともに、新聞本紙を湾曲させ、新聞本紙が所定位置に達した時に、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記分離・開放手段は、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態で、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラを回転させて、早く移送した層を前記挟時・移送手段から分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2、乃至3記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されたことが確認されたあとに、前記分離・開放手段を作動させる駆動手段を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1、2、3乃至4記載のチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する前記検知手段によって、所定時間内に一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されなかったことが確認された場合、他方の層を逆送りする再試行を行なう再試行手段を有することを特徴する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2の発明によれば、拡開手段により新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を強制的に上方に拡開するので、チラシ広告類を上方から簡単に挿入することができ、自動或いは手動を問わず大量の新聞本紙類、雑誌、冊子の中にチラシ広告類を挿入することができる。また、拡開手段は、従来のように空気作用ではなく、ローラ等の摩擦方式の機械構造を採用することができるので、簡単で低価格であり、また、新聞の流れる移動方向は、大凡、一方向であるから、全体としてシンプル・コンパクトで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置とすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の効果に加えて、新聞本紙の一方の後端を挟持された状態を維持する維持手段を設けたので、チラシ広告類を挿入することが終了するまで、確実に新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を拡開するので、チラシ広告類の挿入が確実になる。
請求項4の発明によれば、請求項1、2、乃至3記載の効果に加えて、より確実に拡開手段によって新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を上方に拡開することができるので、新聞本紙類の中により確実にチラシ広告類を挿入することができる。
請求項5の発明によれば、請求項1、2、3、乃至4記載の効果に加えて、予定通り移送できない場合でも、(想定される理由は、例えば、新聞が破れていたり、濡れていたりした新聞本紙に原因がある場合等)他の手段による再試行手段を有するので、より確実に新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を拡開し、チラシ広告類を挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施した好適な新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の実施例を、図に基づいて詳しく説明する。
なお、本発明の実施例は特許文献3で開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の拡開手段に応用した例であるから、従って、本発明が特徴とする構成以外は特許文献3で開示の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の構成を採用しているので、これらの構成の詳細な説明は割愛する。
【0012】
図1は、本発明の実施例における新聞本紙類へのチラシ折り込み装置1を前面側から見た外観斜視図である。ここで、本実施例で新聞本紙とは、新聞本紙類、雑誌、折丁等の比較的厚手の冊子を意味し、そのままの大きさ、2折にした大きさ、4つ折にした大きさがA3サイズ程度の27cm×40cm程度のものであり、チラシとは、通常の1枚或いは2つ折、4つ折の新聞に折り込まれるチラシ広告、折り込み用新聞、及び、薄い冊子等を意味する。
図1でチラシ折り込み装置1は、積載した新聞本紙(NP1.NP2・・)を一部ずつ取り出して次工程に送ることができる新聞本紙の供給部1000(積載部1200:図5を参照)と、供給部1000で取り出された新聞本紙類を受け取り、チラシを折り込むために開き、チラシを挿入し、外部に排出することができるチラシ挿入部2000を備える。
【0013】
図2は、チラシを折り込んだ一般の新聞本紙NPの外観斜視図であるが、図2(a)は、新聞本紙の層を先ず2重に重ねるように折り線PLで2つ折りにした状態で、ここでは一次折部と称するが、1次折部の折合わせ側の後端N1,N2が後方に、1次折り畳み側の先端N3が手前に位置している。一般の新聞本紙NPは、図2(b)に示すように、更に、折り線SLで折り畳んで4つ折にして配達する(この場合の折部は二次折部と称し、以後単に折り合わせとするときは二次折部を示す)。図2(b)では、折り合わせ側の後端N4,N5の二つの層が後方に、折り畳み側N6が手前に位置している。
また、一般の新聞本紙NPでは、図2(c)に示す4つ折状態で、折り合わせ側の後端N4,N5の二つの層の間にチラシEを挿入してある。なお、折部とは、前記の一次折部、或いは、二次折部を意味するが、本実施例での折部は二次折部が対象となる。
なお、もともと一次折部を形成した大きさがA3サイズのタブロイド新聞本紙や冊子において、4折りの場合は、二次折部がA4サイズ程度となる。
【0014】
また、本実施例のチラシ折り込み装置1の新聞供給部1000は、未だチラシが挿入されていない夕刊などの薄い新聞から、図2(c)に示すような、既にチラシが挿入された厚い新聞本紙に至るまで、一部ずつ取り出して送ることができ、また、チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000からチラシが挿入されていない新聞本紙を受け取り、これを開き、チラシを挿入した後、同期を取って外部に排出することができるとともに、単に、新聞供給部1000からの新聞を受け取り、そのまま同期を取って外部に排出することもできるようになっている(チラシ挿入が不必要な場合)。
チラシ折り込み装置1は、単に、新聞にチラシを挿入するために用いても良いが、図3に示すように、下段に新聞包装部4000(既に本出願人により開発されている公知装置や、前掲先行技術である特許文献1)と組み合わせることにより、チラシを組込みながら新聞包装ができ、今まで別々に行なっていたチラシ折り込みとビニール包装作業を同時に行なうことができ、作業の省力化ができる装置である。
また、既にチラシが折り込まれた新聞本紙の自動給紙としても使用でき、また、盆、正月等のイレギュラーな厚みの新聞や、週刊誌等のため自動給紙ができない場合には、新聞包装機4002へ手差し給紙するときの補助送り機構として使用することもできる機構を付加してもよく、汎用な装置としてある。
【0015】
通常、新聞包装部4000は、図3に示すように、キャスター等を有する可動式の新聞包装機置き台4003と共に設置され、この新聞包装機置き台4003の背面にはシュータ4006が設けられていて、新聞包装機4002の前部にある挿入口である新聞投入口4005に挿入された新聞本紙が、新聞包装機4002の内部に送り込まれて図4(a)(b)に示すように、上下のフィルムF(Fa、Fb)で両端部及び前後端部を熱溶着してビニール包装された後、背後の排出口(図示せず)から排出され、置き台4003背面のシュータ4006上を滑走し方向転換して、置き台4003の下部にセットされた可搬式新聞収納箱4007内に収容される。
本実施例のチラシ折り込み装置1は、図3に示すように、コの字を立てた形状の設置台4100を介して、新聞包装機(部)置き台4003上に置いて使用され、このコの字を立てた形状の設置台4100は、設置台4100の内側に新聞包装機4002を収納し、設置台4100の上面には装置全体(1000,2000)として逆L字状で「かぎの手」状のチラシ折り込み装置1を載置するようにしている。
【0016】
この新聞包装部4000の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状に装置全体を形成したチラシ折り込み装置1とは、次の図5に示すように、最上部には水平的に新聞供給部1000の積載部1200を配置し、続く下流の第一分離機構1300(図5・6)、第二分離機構1330(図5・6)、及び、搬送機構1360からなる新聞本紙の供給機構300を新聞供給部1000の手前側に多少張り出すように装置の前側面に配置し、搬送機構1360の下方にチラシ挿入部2000を配置して、チラシ折り込み装置1の全体として、新聞包装機4002の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状にしたためである。
このようにすれば、新聞供給部1000の下の空間に、新聞包装機4002を収納でき、かつ、チラシ挿入作業において前面が開放されることが好都合となるチラシ挿入部2000を前面に配置するとともに、後述するように、チラシ挿入部2000の排出機構2500の開口と、既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させ、チラシ折り込み作業とフィルム包装までを連続して処理でき、置き台4003の下の可搬式新聞収納箱4007内に包装終了の(チラシ折り込みの)新聞本紙を収容させ、新聞本紙の搬送進路方向を上から下への方向へジグザグに変更して、大きくは上から下への流れとして、装置の周囲に新たなスペースを必要としないから省スペース化した装置となる。
【0017】
図5は、図3に示す装置の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図であり、本図5中で1点鎖線a―a´で区切られた上側が本発明の実施例に相当するチラシ折り込み装置1の部分を示す。
図5に示すように、チラシ折り込み装置1は、新聞包装機4002の上方に新聞供給部1000を配設し、新聞供給部1000の前方下部からチラシ挿入部2000を介して新聞包装機4002の挿入口に連結している。
そして、チラシ折り込み装置1は、既存の新聞包装機4002が一体として設置でき、スペースを更に広く占めないように新聞包装機4002のほぼ真上に組み込み、新聞包装機4002を新聞包装機置き台4003の上に載置し、新聞包装機置き台4003の下部に可搬式新聞収納箱4007を収容したので、装置全体として新たなスペースは不必要である。
さらに、詳細に説明すると、新聞供給部1000は装置全体の最上部に配置し、チラシ挿入部2000は装置の手前側で操作者と対面する位置に配置し、チラシが折り込まれた新聞本紙を排出する下方の排出機構2500の開口と、前記の既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させるため、設置台4100の底面には高さ調整アジャスター4101が設けられ、チラシ折り込み装置1の高さを微調整して位置を一致させており、新聞包装機4002内に送って連続して包装までを処理するようにし、背面から包装済の新聞本紙を排出し、その進路方向を変えて可搬式新聞収納箱4007内に収容させ、新聞本紙の搬送進路方向をジグザグに変更して、大きくは上から下の流れとして、作業員のチラシ挿入作業がし易く、チラシ挿入や包装作業が完了し積載された新聞本紙を可搬式新聞収納箱4007ごと所定場所に移動させればよく、なによりもスペース的に有利なものとしている。
【0018】
また、本チラシ折り込み装置1は、自明で公知の構成なので詳細には説明しないが、図24に示すように、チラシ折り込み操作に必要な各種スイッチ、表示装置、センサ、モータ等の各種アクチュエータ、及び、他の制御機器との信号のやり取りの各種インタフェースと、これらを制御するため、マイクロプロセッサやプログラムが格納されたROMを含む各種記憶装置を有する演算装置3000(図24)を備えている。
再び、図5に戻って説明すると、新聞本紙の供給部1000から供給された新聞本紙NP(Aで示す)を拡開手段で開き、チラシEを挿入(Bで示す)された新聞本紙、又は、新聞本紙の供給部1000から供給されチラシ挿入部2000内に搬送された新聞本紙、又は、手差しによりチラシ挿入部2000内に投入された新聞本紙(BおよびCで示す)は、新聞包装機4002が検知手段により新聞受け入れ状態であると検知されたとき、新聞本紙がチラシ挿入部2000の排出口から新聞包装機4002内に送り出される。
【0019】
ここで、図4、図5を参照して、新聞包装機4002について簡単に説明すると、新聞包装機4002は、図4に示すように、所謂、ビニールフィルムFによる四方包装機で、上下に配した2本のロールフィルムFa、Fbを熱接着してつなぎ、つないだ上下フィルムの間に新聞を差し込んで、新聞を上下フィルムでサンドイッチの状態で新聞包装機4002内部に挿入すると、内部にある上下の搬送ベルトBa、Bbが回転し、更に、上下の搬送ベルトに食い込むまで押し込むと新聞は自動的に内部に引き込まれ、所定位置まで搬送される。そこで、両サイドと後部に設けた熱版Hm,Hsが降下して、上下フィルムを熱溶着することにより新聞を包んだフィルムの四方の接着が完成する。
このようにしてフィルム包装された新聞は、後部の熱版Hmを下降したまま、再度、搬送ベルトを回転することにより、上下ロールフィルムから分断されるとともに新聞包装機4002の外部に排出される。
【0020】
図6は、新聞本紙の供給部1000の概要を説明するための側面ブロック断面図である。
図6(a)(b)に示すように新聞本紙の供給部1000は、新聞本紙の積載部1200と、新聞本紙の積載部1200に積載された新聞本紙の最下層から新聞本紙を送り出すための摩擦搬送機構1250と、摩擦搬送機構1250から送り出された新聞のうち最下層の新聞のみを分離して次工程に搬送するための手段を備えている。
新聞本紙の積載部1200は、新聞本紙を整えて積載するために、前方に前壁201と左右に側壁202(図1を参照)を備え、底部を摩擦搬送機構1250の複数の摩擦搬送ローラ251で収納容器230を形成している。さらに、前壁201は、新聞本紙を前方に送り出すために、摩擦搬送ローラ251の搬送面Aより所定の高さ分(開口の高さ)の開口204を有している。
【0021】
図7は、図2の展開したものを説明するもので、見開きの大きさA0サイズの新聞本紙が4つ折りの大きさA3に折り畳まれるときの折線をあらわしたもので図中点線PLは一次折線、点線SLは二次折線を示す。
ここで、図6に示す収納容器230に新聞本紙を積載する場合、新聞の向きも統一しなければならない。本実施例のチラシ折り込み装置1では、二次折部の折り合わせ側N4,N5を揃えて進行方向後方(上流側)に、二次折部の折り畳み側N6を新聞本紙の進行方向前方(下流側)にして積載しなければならない。また、チラシEを折り込む場合、新聞を開かせるのに一次折部を利用するために左右の向きも統一したほうが好ましい。
これは、本実施例の装置において、積載した新聞本紙の上下が反転されて排出されるから、図2(b)に示すように新聞社名(NMで示す)のある印刷面を下にして積載する様にするためである。このようにすると、新聞本紙の最終の排出時は、図2(c)に示すように、新聞社名印刷面が上になって排出されるので都合が良い。また、新聞包装機4002に接続して使用される場合も、新聞包装するとき、普段、慣習的に、新聞社名印刷面を上にして挿入されるので、その点でも都合が良い。
【0022】
図6に示すように、摩擦搬送機構1250によって繰り出された新聞の内、最下層の新聞のみを次段に搬送するための分離・搬送手段について説明する。
分離・搬送手段は、前壁201の下部の開口部204から繰り出された新聞本紙の折り畳み側の先端N6の先端に移動しないような抵抗を与えて、徐々に下層側の先端から移動が先行するようにするために設けた第一分離機構1300と、第一分離機構1300から新聞本紙を受け取り、最下層の新聞本紙のみを送り出すために設けた第二分離機構1330と、第二分離機構1330から送り出された新聞を受け取り、下流側の後段に送り出すための搬送機構1360とによって構成される。
第一分離機構1300は、前壁201と摩擦搬送機構1250の搬送面との間に形成される開口部204と、この開口部204の上辺を形成する前壁201の下部を斜め下方に延設した固定分離板301と、前記摩擦搬送機構1250の搬送面の前方下側に配設した可動板302、及び、摩擦搬送機構1250を備えて構成され、ある程度新聞本紙が厚い場合は最下層の新聞のみ先行させることができる。
第一分離機構1300の可動板302は、摩擦搬送機構1250から送り出された最大厚の新聞が固定分離板301によって屈曲しながら下方に向きを変えるときに必要な隙間が摩擦搬送機構1250と固定分離板301との間に形成されるため、この隙間によって摩擦搬送機構1250から送り出された薄い新聞の先端が固定分離板301に到達する前に自重によって垂れるのを防止し、新聞本紙NPの折り畳み側N6の先端を固定分離板301に到達させるために設けられるもので、可動板302は左右側壁202(図1を参照)から左右均等割りした中央部に備えられ、摩擦搬送機構1250から繰り出された新聞本紙の中央部に作用させるようになっている。
【0023】
可動板302は、ほぼ、摩擦搬送機構1250の走行面A上にあって、上流側の一端を、固定用ブラケット(図示せず)上に設けた可動軸310(図8を参照)に回動自在に軸支され、適度なバネ311によって先端を常時上方向に付勢されるとともに、ストッパ(図示せず)によってほぼ水平状態になるよう構成されている。さらに、可動板302の下流側の先端と固定分離板301との間は薄い新聞を通すだけの僅かな隙間305を設けている。
以上のような構成であるので、固定分離板301の捌き効果は、ある程度新聞本紙が厚い場合は最下層の新聞のみ先行させることができるが、薄い新聞本紙のようにコシのない新聞の場合は二部同時に運ばれてしまう、所謂、重送が起きる場合があるが、これを防止するために、第二分離機構1330が設けられている。
【0024】
図8に示すように、第二分離機構1330は前記固定分離板301の延長上にあって、可動板302と同様、左右均等割りして中央部に備えられるサバキブロック335と、このサバキブロック335と一対になって新聞をさばくためのサバキローラ340と、サバキローラ340を回転駆動するサバキローラ駆動機構1410と、サバキローラ340を揺動させるためのサバキローラ揺動機構1400等から構成される。
サバキローラ340は、摩擦搬送ローラ251と同様、表面に摩擦抵抗を持たせるためゴム等の弾性体を成型したサバキリング340aをサバキローラボディ340b上に嵌め込んで形成されており、サバキローラ340はサバキローラ駆動軸346の軸上を回動支点として揺動自在に支持されたサバキローラレバー350の可動端に設けたサバキローラ回転軸345上にワンウェイクラッチ(図示なし)を介して1方向回転自在に取り付けられ、前記サバキローラ340は、サバキローラ駆動軸346上に固着したプーリ343とサバキローラ回転軸345上に固着したプーリ344間をタイミングベルト347を介して所定の回転比で前記サバキローラ駆動軸346と連結していて、矢印Rの方向に回転駆動される。
また、サバキローラレバー350はバネ356によって前記サバキローラ340がコロ348に所定の圧力で接するように付勢されている。なお、コロ348は固定分離板301上に固定した回転軸(図示なし)に回転自在に支持された従動車でサバキローラ340と、近接したサバキブロック335がサバキローラ340に接触しない位置関係を維持する機構の一部をも担っている。
そして、サバキローラ340の周速は摩擦搬送機構1250の摩擦搬送ローラ251のそれとほぼ同等、又はやや早めになるように設定されていて、摩擦搬送機構1250によって押し出された新聞本紙NP1の折り畳み側N6の先端をサバキローラ340が受け取り、下流側へ送ることができるように設定されている。
【0025】
ここで、図9に示すように、サバキブロック335はサバキローラ340とコロ348の接点より手前(上流)にあって、一部が固定分離板301の分離面より内側(サバキローラ340側)に飛び出している突出部335aを有し、この突出部335aの手前側は新聞本紙の先端が滑り易いように面取り部、又は、新聞本紙が下向きに屈曲するように曲面Rを付した湾曲面335bが施されている。また、内側への突出部335aの下流側後方はサバキローラ340の円周に沿ってローラ対面部335cが形成される。このときサバキブロック335は、サバキローラ340に接触しない程度にできるだけ接近させて取り付けられることが望ましい。
したがって、例えば、第一分離機構1300から送り出された薄い新聞の先端(最下層の新聞本紙の折り畳み側N6)が、サバキブロック335の突出部335aに到達すると、固定分離板301をなぞって進んできた新聞本紙の先端N6は突出部335aにあたって一瞬停止し、矢印Aの方向からの継続的な押し込みによって先端部N6にひずみが起きる。
さらに進行すると、湾曲面335bに沿って、やがて先端が内側に折れたり、又は、先端部が変形して突出部335aから外れ、点線に示すように進んでサバキローラ340の表面に到達する。
サバキローラ340の表面はゴム等の弾性部材からなる摩擦部材で、新聞本紙の先端N6はサバキローラ340の表面に接触し、サバキローラ340の回転につれてサバキローラ340とサバキブロック335との隙間に向かって方向を変え、更に、新聞本紙後端からの進行方向(A方向)の押す力が加わって、サバキローラ340とサバキブロック335のローラ対面部335cの隙間に侵入する。
【0026】
次に、新聞本紙の先端N6が上下に配した搬送ローラ363からなる搬送ローラ対1361に捉えられ、更に進んで新聞検出センサ対1390(図10を参照)が新聞の先端N6を検出したところで摩擦搬送機構1250を停止し、摩擦搬送ローラ251、及び、サバキローラ340の駆動も停止すると共に搬送ローラ対1361の駆動が停止され、搬送ローラ対1361に新聞本紙の先端N6が咥えられたまま待機する状態になる。
そして、次段(次工程)からの要求信号に従い、搬送機構1360を作動して搬送ローラ対1361によって新聞本紙を次段に送り出し、新聞検出センサ対1390が新聞本紙の通過を検知して新聞本紙の次段への搬送が完了した時点で搬送機構1360を停止する。この時、搬送機構1360が次工程に新聞本紙を送り出すモードの時は、摩擦搬送機構1250は駆動されないが、送り出される新聞本紙NPに接触している摩擦搬送ローラ251、サバキローラ340はワンウェイクラッチの作用で空回りすることができる。
【0027】
この一連の動作中、サバキローラ340で送り出される最下層の新聞本紙NP1の上に積載された新聞本紙NP2は、送り出される最下層の新聞本紙NP1との摩擦で引きずられ、新聞本紙NP2の先端がサバキブロック335の突出部335aまで達したとしても、新聞本紙NP1とサバキブロック335との隙間が狭く、その間に新聞本紙NP2の先端が容易に進入できず、また、もし新聞本紙NP2の先端N6がサバキローラ表面に到達したとしても、バネ356の力に逆らってサバキローラ340を押し下げるための充分な押し込み力が得られないと、サバキブロック335とサバキローラ340(実際はサバキブロック335と新聞本紙NP1)の間に進入することができない。このようにして重送を回避することができる。
このように、薄い新聞本紙NPは第二分離機構1330によって確実に分離し、取り出すことができ、サバキブロック335とサバキローラ340が重送を防ぎ、最下層の新聞本紙NP1だけを下流側に送り出すことができる。
しかし、薄い新聞本紙NPに対して適用しているサバキブロック335とサバキローラ340との関係では、固定分離板301で捌かれた厚い新聞本紙をサバキブロック335とサバキローラ340間に侵入させることが困難なため、新聞本紙の厚さに応じてサバキローラ340とサバキブロック335との間を広げたり、新聞本紙の厚さに応じてバネ356による圧力を調整したりする等の調整手段が必要になる。
このようにして、新聞供給部1000は厚い新聞本紙から薄い新聞本紙までを一部ずつ分離して次段に送り出すことができる(新聞供給部1000について、詳しくは、前掲先行文献3を参照)。
なお、新聞供給が無い場合や部数が少ない場合は、自動で給紙する新聞供給部1000を用いず、その代わり、チラシ挿入部2000に手差しで新聞本紙を供給するようにしてもよい。
【0028】
次に、チラシEを、二次折りした新聞本紙NPの一次折部の折り合わせ側(後端N4,N5)を拡開する拡開手段を設けてチラシが挿入しうる拡開状態を形成してチラシを挿入して次段に送り出すチラシ挿入部2000について説明する。
本実施例におけるチラシ挿入部2000の構成は、前述した図5に示すように、新聞供給部1000から送られた新聞本紙NP(図中:矢印A)を開いてチラシEを折り込むモードと、単に自動給紙として、新聞供給部1000から送られた新聞を次段に送る自動給紙モードと、新聞供給部1000を用いず、チラシ挿入部2000から手差しで新聞本紙NP(図5中:矢印B又はC)を次段に送るモードとを選択して使用できるように構成されている。
以下に、チラシ折り込みモードが選択されている場合について説明する。なお、チラシ折り込みモードが選択されている場合、新聞供給部1000から送り出される新聞は、殆どの場合、朝刊紙であり、厚さは新聞本紙に表示されている頁数で表現すると約30ページ〜40ページの厚さのものである。
【0029】
図10はチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図である。図10を参照して説明すると、新聞供給部1000内の搬送機構1360から送り出される新聞本紙の先端N6は、前方に設けた案内壁410と案内板429によって向きを変えて、チラシ挿入部2000の入口に設けた、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427による位置決めローラ対2425に誘導される。
チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000から受け取った新聞本誌NPを、所定位置に位置決めするための新聞位置決め機構2420と、新聞本紙NPを開いてチラシEを挿入できる状態にするための新聞拡開機構2450と、拡開した新聞本紙NPにチラシEが挿入されたことを確認するためのチラシ挿入確認機構2480と、チラシ挿入部2000内の新聞本紙を包装機等の次段に排出するための排出機構2500等から構成される。
【0030】
図11はチラシ挿入部2000の概略斜視図を示すが、図10及び図11を参照して新聞位置決め機構2420を説明する。
新聞位置決め機構2420は、新聞供給部1000から送り出される新聞を受け取りチラシ挿入部2000内に新聞を搬送するための位置決めローラ対2425と、位置決めローラ対2425によって搬送される新聞の位置を検出する複数のセンサ機構(センサ機構2435、センサ機構2445、センサ機構2455、センサ機構2465)と、位置決めローラ対2425を通過した新聞本誌の先端N6を所定方向に誘導するためのガイド機構2490を備えている。
位置決めローラ対2425は、図11に示すように、上下に複数の摩擦ローラを配した挟持搬送機構であるが、その機能は、新聞本紙NPを所定の位置に搬送するのみならず、前述した新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。そのために位置決めローラ対2425における上下の摩擦ローラは、図13に示すような配置になっているとともに、上下の摩擦ローラの駆動軸は、後で詳しく説明するが、それぞれ別個の駆動モータに連結されて、同時または別個に制御することができ、新聞本誌NPの搬送時と、新聞本誌NPの拡開時の両方に備えている。
【0031】
図11に示すように、位置決めローラ対2425の下側は(装置の前面から見て奥側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された下位置決めローラ軸426に複数の下摩擦ローラ427を装着している(複数の下摩擦ローラ427の位置関係は図13に基づき後述する。)。
一方、位置決めローラ対2425の上側は(装置の前側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された上位置決めローラ駆動軸465を回動支点とした左右一対の上搬送レバー466を設け、この左右一対の上搬送レバー466の先端に、回転自在に設けた上位置決めローラ軸428上に複数の上摩擦ローラ433を装着している。(複数の上摩擦ローラ433の位置関係は図13に基づき後述する。)
左右一対の上搬送レバー466はそれぞれバネ(図示せず)によって、上下の搬送ローラ(433,427)が所定の圧力で接するように付勢され、また、上位置決めローラ軸428と上位置決めローラ駆動軸465はタイミングベルト467で連結していて、上位置決めローラ駆動軸465を駆動すると、上摩擦ローラ433が駆動されるようになっている。
そして前述したように、下位置決めローラ軸426は下位置決めモータMT1(上ステッピングモータ)に、上位置決めローラ軸駆動465は上位置決めモータMT2(下ステッピングモータ)に連結しており、これら下位置決めモータMT1、および、上位置決めモータMT2は、それぞれ、後述する図24に示すように、別個のステッピングモータ駆動機構(下位置決めローラ駆動機構2431と上位置決めローラ駆動機構2432)に接続していて、これらは演算装置3000によって回転制御される。
このように上下の摩擦ローラの駆動モータにステッピングモータ(下位置決めモータMT1、上位置決めモータMT2)を用いると、上下のそれぞれの摩擦ローラの回転速度、回転方向、停止、(及び、停止後、保持電流を流してロック状態)にする等を自由に制御でき、自由に回転制御したり、上下摩擦ローラの一方を停止させたり逆方向に回転させたりすることが可能である。
【0032】
そして、図10、図11に示すように、左右一対の上搬送レバー466の両外側には、前述したように、搬送機構1360により送り出される新聞本紙の先端N6を垂直方向に誘導するための案内壁410が設けられている。左右一対の上搬送レバー466は前記案内壁410に挟まれて、その内側を新聞本紙の厚みに応じて回動するようになっている。さらに、左右一対の上搬送レバー466には、案内板429が固着されている。このようになっていて、コシの弱い薄い新聞本紙の先端N6は、まず案内壁410によって下方に向きを変えてから、左右一対の上搬送レバー466間に設けた案内板429により位置決めローラ対2425に誘導され、また、コシの強い厚い新聞本紙の先端N6は案内壁410によって下方に向きを変えるとともに案内板429を押し上げ位置決めローラ対2425を開きながら、湾曲状に形成された案内壁410に沿って下方に向きを変え位置決めローラ対2425に達するようになっている。
位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端N6は、ガイド機構2490によって排出ローラ対2520(排出機構2500)に向かって誘導される。
図10、及び、その斜視図11に示すように、下流のガイド機構2490は上ガイド壁(板)491(装置前方よりみて奥側)と下ガイド壁(板)492(装置前方より手前側)と左右側壁(板)493,494で、下流側ほど狭くなるロート状に構成されている。
図10に示すように、下ガイド壁492は水平より約45度程度傾いていて、その壁(板)上の新聞本紙が重力で滑落するような傾斜を有し、位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端は下ガイド壁492の傾斜によって装置奥側に方向転換され排出ローラ対2520に向かって誘導され、また、このとき、新聞本紙は、図10、及び 図16に示すように、湾曲状態に形成されるため、後述する、新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。
また、チラシ挿入部2000を構成するガイド機構2490は、下ガイド壁(板)492は該下ガイド壁(板)上にチラシを手差し供給できるように十分な大きさの手差し供給用開口を構成するため、上ガイド壁(板)491は上方に大きく開口するロート状であり、左右側壁(板)493,494(図11を参照)を設けてチラシが的確に新聞本紙の折部の開拡した折り合わせ側の間に挿入出来るように構成されている。
また、このチラシ挿入部2000には、チラシ折り込み装置1の前面で、下ガイド壁(板)492の上流側には、前面側にコの字型に形成したチラシ挿入ガイド651(図1を参照)で囲ったチラシ挿入口650(図1を参照)が形成され、このチラシ挿入口650にチラシを上から投入すると、チラシは落下してチラシ挿入口650を通過し、新聞拡開機構2450によって開かれた新聞内に、チラシが挿入されるように、チラシ挿入口650は下ガイド壁492の上方で、やや内よりに設けられている。
勿論、この供給用開口は、手挿入に代えて、本装置と同期を取ってチラシを自動給紙する場合にも対応できる。また、後述するようにチラシ挿入確認手段が設けられ、チラシ挿入が確認されなければ自動的に次の作業には移らない手差し供給制御してもよく、作業者がチラシをチラシ挿入口650から手作業で挿入した後、確認スイッチ等を押すようにしてもよい。
本実施例では、図10、及び、図11に示すように、チラシ挿入ガイド651とチラシ折り込み装置1の前面間には、センサ機構2435と同様に、投受光素子からなるチラシ検出センサ対653を備えて、チラシ挿入口650を通過するチラシを検出できる構成になっている。そして、チラシ検出センサ対653が遮光状態から遮光状態解除に変化したとき、チラシがチラシ検出センサ対653を通過したことになる。チラシ挿入完了の認識としては、更に、チラシEが新聞本紙の所定位置まで収まるまでの時間(落下時間)を考慮すれば確実となる。本実施例のチラシ挿入確認機構2480はこのようになっている。
【0033】
以上述べたチラシ挿入部2000の構成によって、本実施例のチラシ折り込み装置は自動給紙機能、チラシ折り込み機能、手差し給紙機能が実現できるようになっている。
また、詳しく後述するが、位置決めローラ対2425は新聞本紙の所定位置に搬送する新聞位置決め機構2420の一部を構成するとともに、チラシ挿入モードにおいては、搬送途中において新聞の2層の内の1層を早く移送して両層を分離した後に、早く移送した層を位置決めローラ対2425から開放してチラシEを挿入し得る拡開状態にするための新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。
従って、位置決めローラ対2425の構成は、上記目的に適したものが望ましく、また、使用する摩擦ローラについても、新聞と摩擦ローラとの摩擦が、折り合わされた新聞の内側層同士の摩擦よりも遥かに大きいことが望ましい。
【0034】
図12は、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の構造を示すものである。
図12に示すように、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433は、新聞本紙NPと大きな摩擦接触を得るために、ゴム等の弾性材料を用いて成型した摩擦リング427bをボディ427aに被せて形成し、摩擦リング427bは容易に交換できる構造になっている。更に、下摩擦ローラ427と新聞本誌との摩擦を大きくするために摩擦リング427bの表面はたくさんの溝427cが形成されている。
なお、本実施例では、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433は同一のものが使用され、摩擦リング433bをボディ433aに被せて形成し、摩擦リング433bは容易に交換できる構造になっており、上摩擦ローラ433と新聞本誌NPとの摩擦を大きくするために摩擦リング433bの表面はたくさんの溝433cが形成されている。
そして、下摩擦ローラ427はボディ427aを下位置決めローラ軸426に固着することにより下位置決めローラ軸426上に固定される。同様に、上摩擦ローラ433はボディ433aを上位置決めローラ軸428に固着することによって上位置決めローラ軸428上に固定される。
図13は位置決めローラ対2425における、上下の摩擦ローラ(433,427)の位置関係を概略的に示す図である(図10の矢印Aで示す方向から見た概略図)。
また、図23は位置決めローラ対2425がチラシを挿入し得る状態に新聞本紙を拡開する様子を示した斜視図であり、図23も参照しながら位置決めローラ対2425の概要について説明する。なお、図23(a)は新聞本紙を移送・分離しているときの様子を示し、図23(b)は、チラシを挿入し得る状態に新聞本紙を分離・開放した時の様子を示すものである。
図13、および、図23に示すように、下位置決めローラ軸426上の下摩擦ローラ427は複数固着され、新聞の左右の縁が通過する位置にそれぞれ下摩擦ローラ427A〜427Eを配置し、新聞の一次折線(PL)が通過する辺りから(装置前側から向かって左側)中央に向かって、427B、427C、及び、中央よりやや右よりに427Dを配している。
一方、上位置決めローラ軸428上の上摩擦ローラ433は、下摩擦ローラ427B、427C、427Dに対抗して上摩擦ローラ433B、433C、433Dが配設されている。(このように、新聞の一次折り線(PL)が通過する側に多く配置する構成であるが、上摩擦ローラ433の位置、及び、数は適宜調整されるべきものである。なお、本実施例では、新聞の一次折り線(PL)が通過する位置に上摩擦ローラ433が配設されていないのは、後述するように、新聞の移送を検知するために設けた検知コロ701が一次折り線(PL)が通過する位置に配置されているためであり、上摩擦ローラ433が新聞の一次折り線(PL)通過位置に設けても良いことは言うまでもない。)
【0035】
上述したように位置決めローラ対2425は、上下の摩擦ローラ(427,433)を幅広く対抗させているので、新聞供給部1000から新聞本紙を受け取ってチラシ挿入部2000内に新聞本紙を搬送して位置決めするのに適しており、また、下摩擦ローラ427に対抗して配置される上摩擦ローラ433を新聞本紙の一次折り線が通過する側に多く配置して位置決めされた新聞を拡開するのに、適した構成になっている。
ここで、位置決めローラ対2425の新聞拡開動作を説明するまえに、本発明の新聞拡開動作の要点について説明する。
図14は新聞を拡開する原理を説明するための概略説明図である。
図14(a)は新聞本紙の先端N6(二次折部の折り畳み側の先端部)を下にし、新聞本紙の両面を摩擦部材M1,及びM2で挟んだ状態を示す側面図である。また、図14(b)は、その正面図である。この図では、二次折りした新聞の2層の内、開かせる側の新聞層をN4(二次折部の折り合わせ側の手前:後端)、開かせない側の新聞層をN5(二次折部の折り合わせ側の奥側:後端)とし、新聞を挟む摩擦部材M1、及び、M2は、図14(a)に示すように、新聞本紙の後端で、図14(b)に示すように一次折り線側に近くやや広めで接触面積を大きくしている。このように一次折り線(PL)近くに作用させることにより、一次折りされて形成された新聞層の紙面がばらばらになることを防ぎ、層単位でまとめて移送・分離させることができる。この状態で図14(a)に示すように、摩擦部材M1,及びM2を適当な圧力で新聞本紙を抑えながら、折り併せ側N4がN5より先端N6側に進むように、摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を同時、又は、いずれか片方の摩擦部材を矢印X方向に作用させる。
そのとき、図14(c)に示すように、予め、N5側の新聞層(後端N5側)を内側にして、新聞本紙を湾曲させてから摩擦部材M1及びM2を矢印X方向に作用させると、図14(a)の湾曲の無い条件に比べて遥かに容易に両層を分離させることができる。逆に、図14(c)の矢印Y方向に移動させたときは、分離させることは遥かに困難である。
図14(c)は開かせる側のN4側の摩擦部材を移動した例であり、図14(d)は開かせない側のN5側の摩擦部材を、先端N6に対して逆方向に移動した例であり、いずれの場合も、湾曲がない直線状の場合に比べて容易に両層を分離することができる。
以上は、新聞を立てた場合での説明であるが、新聞の向きによらず同様の効果があることは言うまでもない。
【0036】
図15は、図14で示した摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を摩擦ローラに替えて、摩擦ローラの回転によって、一方の層を移動して両層を分離するようにしたものである。なお、図15乃至図20で下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の回転を示す矢印→、及び、停止(固定。ロック)を示す点●は、その近傍の外側に表示する。
図15(a)は、図14(c)に示した摩擦部材M1に替えて摩擦ローラR1(下摩擦ローラ427に相当)に、摩擦部材M2に替えて摩擦ローラR2(上摩擦ローラ433に相当)に替え,摩擦ローラR1と摩擦ローラR2とは適度な圧力で新聞を抑えている状態を示すものである。なお、このとき、摩擦ローラと新聞との摩擦が、新聞の内側層同士の摩擦よりも充分大きくなるように、摩擦ローラR1及びR2は適度に大きく、その作用点も新聞の一次折り線(PL)近傍から、内側に適度に広く分布させるようにする。
図15(b)は、摩擦ローラR1を固定(停止)した状態で、摩擦ローラR2を矢印の方向に回転させ、新聞本紙の後端N4を所定距離(距離)aだけ後端N5より下流側(N6側)に早く移送させた時の様子を示したものである。
図15(b)は、N4側の層を下流方向に移動させた例であるが、図15(c)は、逆に、摩擦ローラR2を固定させて摩擦ローラR1を矢印の方向に回転させ、新聞本紙の後端N4を所定距離aだけ後端N5より下流に移送させた状態にした時の様子を示したものである。このように、摩擦オーラR1と摩擦ローラR2の回転差(回転量の差)によって、一方の層を他方の層よりも所定量早く移送して両層を分離(移送・分離)する事ができる。図15(b)の場合は、摩擦ローラR1の回転(量)は0だから、摩擦ローラR2の回転(量)が回転差(回転量の差)になり、図15(c)の場合は、その逆になる。従って、図14(a)の矢印Xで示したように、摩擦ローラR2を図15(b)で示した方向に回転することと、また、摩擦オーラR1を図15(c)で示した方向に回転することを同時に行なえば、互いに、逆方向であるから、摩擦ローラR1の回転と摩擦ローラR2の回転を足したものが回転差(回転量の差)になる。
このようにして、摩擦ローラR1の回転と摩擦ローラR2の回転差によって、一方の層を所定量、移送して、両層を分離することができる。なお、摩擦ローラの回転を立ちあげるとき、滑ったりして、多少誤差が生じる場合を含めて、経験的に移送する量(所定量)や、回転差(回転量)を設定すると良い。
次に、図15(b)または、図15(c)に示すように所定量a移送されると、次の段階として図15(d)に示すように、摩擦ローラR1、および、摩擦ローラR2を、ともに排出方向である矢印R方向に回転させて新聞を矢印Z方向に移動させると、先に進んだ後端N4が摩擦ローラR1,R2を抜けて落下し、遅れた後端N5を摩擦ローラR1,R2で挟持したまま停止させると、新聞本紙の先端N6を下側にして、一方の層(N4側)のみを摩擦ローラR1,R2から開放(分離・開放)し、チラシを挿入し得る状態に後端N4とN5とを拡開することができる。そして、チラシが挿入された後に図15(d)に示す状態から、再度、摩擦ローラR1、および、摩擦ローラR2を、ともに排出方向である矢印R方向に回転させると、後端N5は摩擦ローラR1,R2を抜けて落下しチラシが挿入された新聞の閉じ動作が行なわれる。
このようにして、摩擦ローラR1及びR2を制御して、二次折りされた新聞本紙の折合わさった両層の移送・分離と分離・開放の動作を行なわせることができるものであるが、更に、摩擦ローラR1及びR2を新聞供給部1000から新聞本紙を受け取ってチラシ挿入部2000内に新聞本紙を搬送して位置決めする位置決めローラ対2425として使用することにより、新聞本紙の挟持・搬送機構、移送・分離機構、分離・開放機構の一部を兼用でき、持部品点数の増大を防ぎ、シンプルで低コスト化することができる。
本実施例における拡開機構2450は、上述した原理に基づき動作するように構成されたものである。
【0037】
次に、新聞本紙を拡開してチラシEを挿入する一連の拡開機構2450の動作を更に詳しく説明する。
ここで、図10、及び、図11に戻って、センサ機構2435,2445、2455の構成と作動を詳しく説明すると、センサ機構2435、2445、及びセンサ機構2455は、それぞれ、新聞本紙の有無を検知するための投受光素子からなる光センサ対436、光センサ対446、光センサ対456からなり、新聞本紙が、投受光素子からなる光センサ対の間を通過することにより新聞本誌の有無や先端、後端の検知、及び、通過の時期・時間を検出できる。
図16は新聞拡開機構2450の一連の動作の実施例1を側面から示したものである。図10、及び、図11を合わせて参照しながらこの動作を説明する。
図16(a)は、新聞供給部1000を作動させて新聞を送り出し、同時に位置決めローラ対2425を作動させて、新聞供給部1000から送り出された新聞を受け取る様子を示すものである。上側の摩擦ローラ433、及び、下側の摩擦ローラ427は、図16(a)の矢印で示す方向に同速度で回転するように駆動される。なお、このときの位置決めローラ対2425の周速は新聞供給部1000の送り出し速度と同等、乃至は、やや早い速度で回転させるとよい。
図16(b)は、図16(a)の状態から更に進んで、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過したときの様子を示したものである。このとき、新聞本紙の先端N6が下ガイド壁492に達し装置奥側に方向転換される様子も示す。また、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過したことが検出されると同時に、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータは下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433に対して、高速状態から確実に制御可能な速度に回転速度に落とすことを行なう。このようにすれば、新聞本紙の搬送を高速で開始し、搬送後半で、次に述べる制御を可能とするものである。
【0038】
図16(c)は、更に進んで、新聞の後端N4,N5がセンサ機構2445によって検出され、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータを停止させると共に、モータに保持電流を流してモータをロックさせ新聞を一旦停止させたときの様子を示す。このとき、新聞本紙の先端N6は、さらに装置奥側(下方)に進み、新聞本紙は開かせない側の層を内側(装置奥側)にして湾曲状に形成される。なお、このとき、前述したように、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過してから、新聞の後端N4,N5がセンサ機構2445によって検出されるまでに、確実に停止・ロックできる速度になるように減速制御が行なわれる。
図16(d)は、更に進んで、下摩擦ローラ427をロック(固定)状態にした状態で、上摩擦ローラ433を矢印の方向に、適度な速度で所定量回転させ、開かせる後端N4の層を所定量(距離)進ませるときの様子を示すものである(図23(a)を参照)。このとき、下摩擦ローラ427がロック状態であるので、開かせない側のN5層は動けず、一方、開かせる側のN4層は、図15(b)で説明したように、上摩擦ローラ433の回転にともない上流側(N6側)に移動する。
【0039】
なお、所定量とは、開かせる側の後端N4が、開かせない側の後端より前側に移送される量又は距離で、この量は後述する分離・開放動作を確実にする量として経験的に決めればよい。(上摩擦ローラ433の径など、システムを構成する他の要素のパラメータによっても変動するが40mm〜50mmあれば充分である)また、適度な速度とは、上摩擦ローラ433が所定量回転したとき、開かせる側の後端N4が、開かせない側の後端N5より、確実に所定量下流側(進行側)に移送するのに適した速度で、やはり、システムを構成する他の要素のパラメータによっても変動するので、経験的に決定すべきものである。また、駆動モータにステッピングモータを用いれば、速度を段階的に変えた最適な経験値の速度カーブを用いることも可能である。
また、前述した新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことを検知して、上下の摩擦ローラ427、433を一旦停止・ロックした後、下摩擦ローラ427をロック状態を維持しながら上摩擦ローラ433を適度な速度で所定量回転させるようにしているが、図16(b)から図16(c)に至る過程で、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427の両摩擦ローラの速度制御次第では、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことを検知した時点で、(上摩擦ローラ433を一時停止することなしに)下摩擦ローラ427のロック(固定)と上摩擦ローラ433の所定量回転の処理に移るようにしても良い。
【0040】
図16(e)は、移送・分離された層を分離・開放する様子を示すものである。
図16(e)は、図16(b)〜(d)において、上摩擦ローラ433を所定量回転させ後端N4側の新聞本紙を所定量移送した後に、すなわち、上摩擦ローラ駆動用のステッピングモータを所定のステップ数を回転させた後に、上下摩擦ローラ(上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427)を矢印方向に同速度で回転させ、開かせない側の新聞本紙の後端N5がセンサ機構2435を通過したことが検知されると、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433を停止したときの様子を示し、図16(e)〜(f)は、保持電流を流してロック(固定)したときの状態を示すものである。このとき開かせる側の新聞本紙の後端N4は、位置決めローラ対2425の拘束から開放され矢印xの方向に落下する。一方、開かせない側の新聞本紙の後端N5は下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433に挟まれて停止する。
このとき、次の図16(f)に示す状態になってチラシEが挿入できる新聞拡開状態になる(図23(b)を参照)。このようにして上下摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態から、上下摩擦ローラを同速度で回転させて新聞本紙を上流側に送ることにより、早く移送した層を上下摩擦ローラからなる挟時・移送手段より分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことによって、新聞本紙を安定した姿勢で拡開し、チラシEが楽に挿入できる状態を形成できるとともに、上下摩擦ローラ(427,433)の動きは、常に、新聞本紙を前送りする方向であって、無理がなく、シンプルな動作にすることができる。
なお、この場合、分離・開放のタイミングは、上摩擦ローラ433の駆動モータを所定ステップ数を回転させた信号によるが、後述するように、移送される新聞の層が所定量移送されたことを検知する移送検知手段を用いて、この移送検知手段の信号に基づくようにするとより確実である。
図16(f)は、拡開状態の新聞本紙にチラシEが挿入される様子を示す。
図16(g)はチラシ挿入確認機構2480によって、チラシEが挿入された情報に基づいて下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433を矢印方向に回転し、拘束されていた側の新聞層を送り出し、新聞を閉じる様子を示すものである。
なお、チラシEが挿入された情報とは、前掲の先行特許文献3(チラシ類折り込み装置)に開示したチラシ挿入確認手段や、その他の手段を用いても良い。
図16(h)は、排出機構2500を駆動して、チラシEが挿入し終わった新聞本紙を排出する様子を示すものである。
図16のプロセスに示したように、また、図23に示すように、新聞拡開手段は、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425(挟持移送手段)の挟持から新聞本紙を開放することなく、移送・分離、及び、分離・開放できるため、機構をシンプルに構成でき、また、新聞本紙の位置決めから拡開動作までがスムースで、チラシ挿入が手作業であっても、リズミカルなチラシ挿入ができる。また、新聞本紙を拡開したとき、図23(b)に示したように、開かせない側の層は、位置決めローラ対2425によって挟持状態が維持されるため、安定した拡開状態が維持されるとともに、後述する、チラシが挿入された前の新聞本紙NP1を下ガイド板492上に残したまま、次段の装置への排出をまたずに、次の新聞本紙NP2の拡開を行なうことができ、処理時間の短縮を図ることができる。
なお、排出機構2500の概略を図10に戻って説明すると、排出機構2500の排出ローラ対2520は、位置決めローラ対2425と同様、上下の排出ローラ563による挟持搬送機構で、排出ローラ対2520の下側は、チラシ挿入部2000内に設けた左右側板間に、回転自在に支持された下排出ローラ軸521に中心から左右均等位置に2つの排出ローラ563がワンウェイクラッチを介して設けられており、また、排出ローラ対2520の上側は、前記左右側板の外側にそれぞれ回動支軸を設け、一方の回動支軸は回転自在に支持されていて排出ローラ駆動機構2530(図24を参照)に連結しており、この左右の回動支軸を回動支点とした左右一対の排出レバーを左右側板の外側に配置し、左右の排出レバー先端には、下排出ローラ軸521に対抗して回転自在に設けた上排出ローラ軸528を左右側板間を貫通して設けている。この上排出ローラ軸528上には、2つの排出ローラ563が下側と同様ワンウェイクラッチを介して前記下側の排出ローラ563と対向して設け、左右一対の排出レバーはそれぞれバネによって、上下の排出ローラ563が常時所定圧力で接するように付勢されており、排出ローラ対2520の上排出ローラ軸528は排出ローラ駆動機構2530に連結した回動支軸とタイミングベルトを介して連結している。そして、上排出ローラ軸528と下排出ローラ軸521が、図示の方向で、互いに逆回転になるように反転機構(図示せず)を介して、それぞれ排出ローラ駆動機構2530に連結しており、上下の排出ローラ563がチラシ挿入部2000内の新聞本紙を挟持して排出できるように構成されている。
また、排出ローラ対2520の手前側には新聞本紙N6の有無を検知するための投受光素子で構成される光センサ対551からなるセンサ機構2550が備えられている。
そして、光センサ対551が新聞本紙NPの先端N6を検知すると、下流の装置に新聞本紙N6を排出する(なお、詳しくは、前掲先行文献3を参照)。
【0041】
図17に示す例は、図16とほぼ同じ構成ではあるが、一方の層を移送して両層を分離するプロセスが異なる実施例2を示すものである。
図17において、図17(b)までは図16(b)と同等のプロセスを辿る。
図17(c)は、図16(c)に対して、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2435によって検知された時、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータを停止させると共にモータに保持電流を流してモータをロックさせて新聞を停止した状態を示すものである。
図17(d)は、上摩擦ローラ433をロック(固定)した状態で、下摩擦ローラ427を矢印方向(進行方向と逆方向)に回転して、開かせない側の層の後端N5をセンサ機構2445まで戻した時の状態を示すものである。
図17(d)の状態は、図16(d)の状態とほぼ同様な状態になるので、図17(e)以降は図16(e)以降の状態と同じプロセスを行なえば良いことになる。
この図17(c)〜 図17(d)に示す移送・分離方法では、一旦、止めてから、開かせない側の後端N5の層を逆方向に戻すため、処理速度は遅くなるが、また、後述するような移送検知手段を用いずとも、移送されたことが確実に検知されるために、確実であり、低コストである。
なお、図16(d)、または、図17(d)に示すような、新聞本紙の後端N4が後端N5より先端N6側に所定量移送された状態から、図16(f)に示すような一方の層を開放してチラシを挿入し得る状態に新聞を開かせるための分離・開放手段として、前掲の先行特許文献3で示唆したように、下摩擦ローラ427を固定した状態で、上摩擦ローラ433を(転がしながら)後方(上流側)に所定量移動させて、上摩擦ローラ433を新聞本紙の後端N4からはずすとともに、新聞本紙の後端N5を上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で挟持させた状態にする手段等を用いても良いことは言うまでもない。
以上述べたように、この実施例2では、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433で新聞を挟持して新聞の搬送と、開かせない層を逆送りして開かせる側の層の移送・分離を行ない、同じく、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433を制御して開かせる層を分離・開放することができる。この場合、逆送りした移送量をセンサ対で検知することができるので、確実であり、また、実施例1と同様、位置決めローラ対2425で搬送、拡開、分離開放ができるので簡単で、低コストで、また、高速である。
【0042】
図18は、図16に示した各プロセスを適度に重ねることにより、連続の処理時間を速めることができることを示すものである。(すなわち、前の処理の終了を待たずに次の処理を行なう。)
いま、図16(a)から図16(e)に至ったとして、図18(a)は、図16(e)の状態を示し新聞本紙にチラシEが挿入し得る状態になっている。図18(b)は図16(f)の状態と同様、チラシEが挿入されている状態を示す。
図18(c)は図16(g)の状態と同様、チラシEが挿入された情報に基づき、上下の摩擦ローラ(位置決めローラ対2425)を駆動してチラシEが挿入された新聞を閉じる動作を行なう様子を示すが、この位置決めローラ対2425の起動とともに、次の新聞本紙NP2の送出要求を新聞供給部1000に発し、前の新聞本紙NP1が閉じる動作の最中に位置決めローラ対2425は次の新聞本紙NP2の受け入れ態勢に入っていることを示す。
図18(d)は、次段の包装機4002が受け入れ態勢でなく、排出機構2500が作動されていない状態の例を示す。このとき位置決めローラ対2425でチラシ挿入部2000内に搬送された新聞本紙NP2の先端N6は、下ガイド板492上に待機しているチラシEが挿入された前の新聞本誌NP1上をなぞって装置内側に向きを変え湾曲状態を形成する。なお、この例では、前の新聞本紙NP1は下ガイド壁(板)492上で静止しているが、この新聞本紙NP1が排出中であっても新聞本紙NP2の動作に支障ないことは言うまでもない。
【0043】
図18(e)は、前の新聞本紙NP1が未排出の状態にあっても、図16(c)〜図16(f)のプロセスを実行して新聞本紙NP2を開きチラシEを挿入している様子を示す。
図18(f)は前の新聞本紙NP1が排出されている様子を示す。このとき次の新聞本紙NP2は開かせない側の新聞本紙の先端N5の層が位置決めローラ対2425によって挟持されていて、この状態では図18(f)に示すように先端N6は、排出ローラ対2520に届かないように設計されていて、前の新聞本紙NP1のみが排出されるようになっている。
なお、図18(c)〜図18(f)のプロセスのいずれの時期に前の新聞本紙NP1の排出が生じても、図18(c)〜図18(f)における次の新聞本紙NP2の拡開、チラシ挿入までの作業は並行して行なうことができることは言うまでもない。
図18(g)は、前の新聞本紙NP1の排出が終了して排出ローラ対2520の駆動が停止されると、図16(g)に示したものと同様、位置決めローラ対2425を駆動してチラシが挿入された新聞本紙NP2の閉じ作業を行なう。新聞本紙NP2が位置決めローラ対2425から開放されると新聞本紙NP2は下ガイド板492上を滑落して、その先端N6は排出ローラ対2520に達する。図18(g)の状態は図18(c)と同じで以降同様のプロセスが進行して連続動作が行なわれる。
以上示したように、本発明の実施例(例えば、実施例1に続く工程の場合、実施例2でも同じ)の構成では、排出プロセスを待たずに、次の新聞本紙のチラシ挿入プロセスまでを重ねて実行できるので無駄時間がなく、従って全体として、連続の処理時間を速めることができるので更に高速にすることができる。
このように、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425によって、搬送、移送・分離、分離・開放、新聞本紙の閉じ動作が行なわれるため、先行特許文献3に比べてスペースに余裕ができ、また、開かせない側を位置決めローラ対2425で挟持するようにしているため、先行特許文献3に比べて拡開状態が安定しており、また、搬送途中で拡開動作に入れるので、次の新聞本紙のチラシ挿入プロセスまでを重ねて実行する場合、有利である。
【0044】
さて、上述したように、図17(c)〜(d)に示す下摩擦ローラ427の移送・分離動作において、一方の層が確実に所定量移送した情報に基づき次の動作に入れるので確実であることを述べたが、図16(c)〜(d)に示す上摩擦ローラ433の移送・分離動作においても、一方の層が確実に所定量移送したことを検出する移送検知機構2700(図13を参照)を設けることにより、確実な拡開動作が実現できる。
そこで、上述の2つの移送・分離手段を用いれば、第一の移送・分離手段(実施例1)で一方の層が所定量移送できなかったとき、第二の移送・分離手段(実施例2)を用いることにより、より確実に移送・分離動作を実現できる駆動手段を設けている。
【0045】
移送検知機構2700の一例として、図11、図13、及び、図23に示すように、上摩擦ローラ433が接触する紙面に接触する検知コロ701を設け、図23(a)に示すように、上摩擦ローラ433の回転により紙面が移動すると、検知コロ701が回転し、検知コロ701の回転・停止、または、回転量などを検出して、所定量移動したことを検出することができる。図23(a)に示すように、上摩擦ローラ433が矢印Bの方向に回転して紙面が前方(下流に)移動すると、検知コロ701も矢印Cに示すように回転する。
図11、図13、図23に示すように、検知コロ701(図11に示すように)は、検知アームブラケット704に回転自在に設けたコロセンサ軸705を回動支点とした検知アーム702の先端に、回転自在に設けた検知コロ軸703に固着されていて、検知コロ701が回転すると検知コロ軸703も回転するようになっている。なお、検知アーム702は側板210の外側に、検知コロ701は側板210の内側になるため、図11に示すように、検知コロ軸703が側板210に設けた切り欠き215を貫通して配置される。そして、検知コロ軸703上に設けたプーリ706とコロセンサ軸705上に設けたプーリ707はタイミングベルト708で連結しており、また、検知コロ701が回転するとコロセンサ軸705も回転するようになっている。
一方、コロセンサ軸705上には、多数の検知穴710を有したセンサ板709が固着されているとともに、センサ板709上の検知穴710の通過を検知するフォトインタラプタ711が検知アームブラケット704上に設けられていて、検知コロ701の回転量は、フォトインタラプタ711の出力パルス数として計測されるようになっている。
なお、検知コロ701の回転量に対してセンサ板709の回転量を大きくして検出の分解能を上げるために、検知コロ701側のプーリ706の径はプーリ707より大きく取るようにするとよい。
そして、検知アームブラケット704は、検知コロ701が、ほぼ、上摩擦ローラ軸の延長上で新聞の一次折線上に設けられ、下摩擦ローラ427Aに対抗して配置されるように側部(図示せず)に固定されるとともに、検知コロ701が適度な圧力で紙面に接触するように、検知アーム702はバネ(図示せず)によって付勢されている。なお、バネは図示されていないが、検知コロ701は図11の矢印A方向に付勢されている。
この状態で、新聞が位置決めローラ対2425に進入するとき、新聞本紙の一次折線部も検知コロ701と下摩擦ローラ427A間に侵入し(図13を参照)、新聞が移動すると検知コロ701が回転するようになっている。
なお、本実施例の構成では、検知コロ701は新聞本紙NPが無い時は前記付勢バネにより下摩擦ローラ427A(図13を参照)に接触しているので、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するので、従って、移送検知機構2700が新聞の移送量を検知するときは、後述するように、センサ機構2435とセンサ機構2465とが新聞が「あり」を検出している時を、新聞本紙NPの移動によって検知コロ701が回転しているとみなすように電気的に判断するようにすればよい。
または、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するのを防ぐために、図示しないが、機械的に(ストッパ等用いて)、検知コロ701が下摩擦ローラ427Aにぎりぎり接触しないようにして、所定の厚さ以上の新聞だけに検知コロ701が反応するようにしてもよい。
【0046】
図19は、前述したような、移送検知機構2700により、所定の移送量を検知してから分離・開放を行なう動作の実施例の一例を説明するための側面図である。図20は、移送検知機構2700により、所定の移送量が検知されなかったときに行なわれる前記第二の移送・分離手段による動作の一例を示す側面図である。図21、及び、図22には、この場合のタイムチャートを示す。なお、図19、及び、図20においては、図23に示す矢印A側から見た側面図であり、検知コロ701、と上摩擦ローラ433が重なっているため、図中、検知コロ701の回転を示す→矢印、及び、停止(固定、ロック)を示す点●は、上摩擦ローラ433の内側に表示し、一方、上摩擦ローラ433の回転を示す矢印→、及び、停止(固定:ロック)を示す点●は外側に表示する。
なお、構成の具体的な一例として以下の条件にて説明を行なう。
下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の直径は50mmである。
センサ機構2435の検出位置は、位置決めローラ対2425の下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の接点から上流側に10mmとする。
センサ機構2465の検出位置は位置決めローラ対2425の下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の接点から下流に10mmとする。
センサ機構2445の位置は、センサ機構2435から上流に50mmである。
センサ機構2455の位置は、センサ機構2445から上流に50mmである。
所定移送量は50mm前後とする。
上摩擦ローラ433の上ステッピングモータ(上位置決めモータMT2)と上位置決めローラ軸428との連結比は1対2とする。(連結比1対2とは上ステッピングモータが1回転すると上位置決めローラ軸428が2回転する)
下摩擦ローラ427の下ステッピングモータ(下位置決めモータMT1)とした位置決めローラ軸428との連結比は1対2とする。
上ステッピングモータ(上位置決めモータMT2)、及び、下ステッピングモータ(下位置決めモータMT1)の1ステップ当たりの回転量は1.8deg/ステップ、従って、1回転当たりのステップ数は200ステップである。
検知コロ701の直径は50mmとする。
プーリ706とプーリ707の連結比は1対3とする。
【0047】
検知穴710はセンサ板709上に等間隔に12個/1周とする。
この実施例では、新聞本紙NPの後端N5が位置決めローラ対2425を通過したことを確認するためにセンサ機構2465を設けているが、位置決めローラ対2425の駆動モータはステッピングモータであるため、駆動ステップ数で通過情報を代替できセンサ機構2465を省略することもできる。(なお、センサ機構2465は、センサ機構2435と同様、投受光素子からなる光センサ対457からなり、新聞本紙が、投受光素子からなる光センサ対の間を通過することにより新聞本誌の有無や先端、後端の検知、及び、通過の時期・時間を検出できる。)
上記条件であると、図16(d)で示したプロセスで所定移送量50mm程度を得るためには、上ステッピングモータを32ステップ回転させればよい。因みに、このときの移送量は32×1.8×2×50×π/360=50.2mmと計算される。
次に、移送検知機構2700により所定量を検知する場合について考察すると、センサ板709上の検知穴710は30度間隔であるから、フォトインタラプタ711が検出する1パルス当たりの検知コロ701の回転量は10度で、1パルス当たりの検出移送量は50×π×10/360=4.36mmであるから、フォトインタラプタ711の出力パルスが50/4.36=11.5パルスとなり、従って、計算上では11パルスを検知したとき48mm、12パルスを検知したとき52.3mmが移送されたことになる。
従って、移送検知機構2700を用いないときは、上ステッピングモータを32ステップ駆動することになり、また、移送検知機構2700を用いる場合は、11〜12パルスが検知されるまで上ステッピングモータを回転させればよい。
【0048】
上記の構成の作動を、図19、図20、図21、図22を参照して詳しく説明するが、チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000に新聞送出要求を出すとともに、位置決めローラ対2425を回転させて、新聞の受け取り態勢にはいる。
図19(a)は、新聞供給部1000から新聞本紙NPが送り出され、新聞本紙の先端N6がセンサ機構2455に検出された時の様子を示しており、図21のタイムチャートの左側のA点に相当する。このとき、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425は図示する方向で回転している。
図19(a)から図19(b)にかけて、新聞本紙NPの先端N6はセンサ機構2445を通過し、さらにセンサ機構2435を通過するとやがて位置決めローラ対2425に到達する。
図19(b)は新聞本紙NPの先端N6が、位置決めローラ対2425に食い込んだ様子を示し、図21においてタイムチャート図21のB点に相当する。このとき、新聞本紙NPの先端N6は同時に検知コロ701と下摩擦ローラ427Aとの間にも侵入する。
なお、図21に示す移送検知機構2700におけるフォトインタラプタ711の出力は、検知コロ701は新聞本紙NPが無い時は付勢バネ(図示せず)により下摩擦ローラ427Aに接触しているので、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するので、図21に示すようにパルスを発生する構成になっている。従って、移送検知機構2700が新聞の移送量を検知するときは、センサ機構2435、及び、センサ機構2465が新聞が「あり」を検出している時を、新聞本紙NPの移動によって検知コロ701が回転しているとみなしている。
【0049】
図19(c)は新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2455を通過した直後の様子を示し、図21においてタイムチャートのC点に相当する。このとき、位置決めローラ対2425の上摩擦ローラ433(検知コロ701)、及び。下摩擦ローラ427はともに所定のステップ数毎に減速制御され、新聞本紙NPは徐々に減速する。なお、図21のタイムチャートでは、パルスの高さによって速度の相対的大きさを表している。
例えば、図21のタイムチャートのA点では、上摩擦ローラ433を駆動する上ステッピングモータ、及び、下摩擦ローラ427を駆動する下ステッピングモータは500PPS(パルス/秒)で回転していて、このとき位置決めローラ対2425の周速は50×π×2×500/200=785mm/秒であるが、図21のタイムチャートのC点から減速して、図21のD点では上ステッピングモータ、及び、下ステッピングモータは半分の250 PPSまで減速されるようにするものとする。但し、速度、減速カーブは装置により任意に決定されるべきものであることは言うまでもない。
【0050】
図19(d)は新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2445を通過した直後の様子を示し、図21のタイムチャートおいてD点に相当する。新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことが検知されると、位置決めローラ対2425は即時に停止(固定:ロック)し、検知コロ701も停止する。停止しロックされた状態は、図21、及び、図22のタイムチャートでは太線で、図19中では、上下それぞれの摩擦ローラの近傍に点で示している。
図19(e)は図21のタイムチャートのE点で示すように、僅かな時間(t1時間)後、下摩擦ローラ427をロック状態に保ったまま上摩擦ローラ433を矢印の方向に回転した時の様子を示す。(上下の摩擦ローラ(433,427)を停止するために、僅かな時間(t1時間)ロック状態にするが、この時間は、系のイナーシャ、モータのトルクなどによって経験的(実験的)に決定すれば良い。)このとき、下摩擦ローラ427に接している側の新聞本紙NPの層はその位置を維持し、一方、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層は矢印方向に移送される。(移送・分離)同時に、検知コロ701が回転し、図21に示すように移送検知機構2700により、検知コロ701の回転によって生成されたパルスがカウントされる。なお、このとき、図21のタイムチャートに示すように、上下の摩擦ローラ(433,427)の前後に配したセンサ機構2435、及び、センサ機構2465が新聞有りを検知している状態であり、移送検知機構2700が検出したパルスは、新聞本紙の移動によるものと判断できる。そこで、上摩擦ローラ433を駆動する上ステッピングモータを所定ステップNs(32)ステップ駆動する期間、移送検知機構2700により検出されるパルス数をカウントすることにより、新聞本紙の移動量を検知できることになる。このとき、下摩擦ローラ427に接している側の新聞本紙NPの層は移動していないので、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層の移動を検出していることになる。
【0051】
移送検知機構2700により所定のカウント数Npが計測されると、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層が所定量移送され、図19(f)、および、図21のタイムチャートのF点に示すようにロックされ固定されていた下摩擦ローラ427を上摩擦ローラ433と同速で回転させることを行なう。このとき、上摩擦ローラ433に接している新聞層(N4)、及び、下摩擦ローラ427に接している新聞本紙NPの後端(N5)の層は同時に前進し、やがて、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの後端N4の層は位置決めローラ対2425から離れて下ガイド板492に向かって落下する。(分離・開放)
ここで、上摩擦ローラ433を駆動して、移送検知機構2700が所定のカウント数N(Np)を検知するまでに至る具体的な制御の一例を示す。例えば(図示しないが)フォトインタラプタ711の出力パルスは、所謂、ハードウエアのカウンタを用いて計測するようにすると良い。ハードウエアのカウンタを用いればソフトウエアの負担を軽減することができる。また、最近のマイクロプロセッサには、カウンタを内蔵しているものも多く、そのような内蔵カウンタを用いても良い。そして、上摩擦ローラ433の駆動開始において(図21のE点)、一旦、カウンタをクリア(リセット)し、それから、フォトインタラプタ711の出力パルスを計測するようにする。そして、上ステッピングモータのステップ駆動を開始後、一定時間おきに、または、所定ステップ毎にカウンタの値をモニタするようにすれば良い。例えば、上ステッピングモータを250 PPSで駆動した時は、1ステップ当たりの時間は4msであるから、例えば、10ms毎にカウンタの値を読むか、上ステッピングモータの数ステップ毎にカウンタの値を読むようにすれば良い。このようにすれば、上摩擦ローラ433の駆動に対して、移送検知機構2700の出力が予定通り応答しているかの途中把握が可能である。
なお、上摩擦ローラ433のステップ数Nsを32ステップとし、そのとき、前述したように、予定とおり新聞本誌が移送されると、移送検知機構2700が検出するカウント数Npは計算上では11〜12パルスであるが、ステッピングモータの応答や、系のイナーシャ、新聞本紙と摩擦ローラの接触状態等により、必ずしも、駆動ステップ数とカウント数は一致しない可能性がある。従って、移送検知機構2700が所定のパルス数をカウントするまで、上ステッピングモータを駆動するか、上ステッピングモータを所定ステップ駆動させたとき、移送検知機構2700がカウントするパルス数で判断するようにしても良い。
図19(g)は、後端N4側の新聞本紙NPの層が位置決めローラ対2425から開放された後、後端N5側の新聞の後端がセンサ機構2435を通過した直後の状態を示す。このとき、図21のタイムチャートのG点に示すように、上摩擦ローラ433及び下摩擦ローラ427を停止し固定しロックする。ここで、図19(g)、及び、図23(b)に示すように新聞はチラシを挿入できる拡開状態になり、チラシEが挿入される。図21のタイムチャートのH点はチラシ検出センサ対653によってチラシEが挿入されたことを検知され、I点でチラシEが通過したことが検知されたことが示される。
チラシEが挿入されたことが検知されると、僅かな時間t2後、図21のタイムチャートのJ点で示すように上摩擦ローラ433、および、下摩擦ローラ427を図19(h)の矢印の方向に回転して、新聞本紙NPを位置決めローラ対2425から開放する。なお、僅かな時間t2は、チラシEの後端がチラシ検出センサ対653を通過してから、新聞本紙内に落下しておさまるまでの時間を考慮したものである。
後端N5側の新聞本紙NPの後端がセンサ機構2465を通過したことが検知されると(図21のK点)、位置決めローラ対2425を停止する。
【0052】
この後、チラシEが挿入された新聞本紙は、前述したように(図16(h))、次工程とタイミング合わせをして装置外に排出される。
以上は、上摩擦ローラ433にて開かせる後端側(N4側)の新聞層が所定量移送検知機構2700によって検知された例を示したが、図21のタイムチャートのE点からの動作において、上摩擦ローラ433の駆動に対して、移送検知機構2700の出力が予定通り応答しなかったときの制御について以降に述べる。
図19(e)、及び、図21のタイムチャートのE点以降に示す動作において、前記第一の移送・分離手段である上摩擦ローラ433を回転させて開かせる側の新聞本紙NPの層を移送することを試みた時に、上摩擦ローラ433の所定の回転に対して検知コロ701が予定通り応答しなかった場合、前記第二の移送・分離手段によって開かせる側の新聞本紙NPの層を移送することを試みる。
この再試行の工程を、図20、及び、図22を参照して説明する。なお、第一の移送・分離手段で予定通り移送できない想定される理由は新聞が破れていたり、濡れていたりした新聞本紙に原因があったり、機械的な調整不良などが考えられる。
また、予定通り応答しなかったとする再試行を行う判断は、上摩擦ローラ433を所定回転させたとき、移送検知機構2700が検知するパルス数が正常か否かを経験的な基準値で比較するようにしても良い。
【0053】
前記再試行の工程での図20(i)は、図19(e)と同じプロセスであるが、このとき、前述した、図21のE点以降に示すプロセスが実行されたとき、すなわち、上摩擦ローラ433の回転駆動に対して、移送検知機構2700が検知したパルス数Npが予定通り応答していなかったと判断されたとき、図22のタイムチャートのE´点(図21のE点に相当)以降に示すように、第二の移送・分離手段が実行される。例えば、移送量50mmを得るために上ステッピングモータを32ステップ送ったとき、所定量の下限を経験的に30mmと決めておいた場合に7パルス以下であると、予定通り応答していなかったと判断するとする。
または、上ステッピングモータを32ステップの半分の16ステップ送った時点で、移送検知機構2700がカウントしたパルス数が、定められた許容範囲内にないとき、予定通り応答していなかったと判断するとする。または、更に細かくモニタするようにしても良い。
このように、移送検知機構2700が検知したパルス数Npが基準値以下と判断されると、図22のタイムチャートのL点以降で示すように、また、図20(j)で示すように、上摩擦ローラ433を停止(固定・ロック)するとともに、下摩擦ローラ427を逆方向に回転する(タイムチャートでのt3期間後のM点)。なお、図22のタイムチャートでは逆回転を下側パルスで表示する。このとき、上摩擦ローラ433に接している紙面は動けず、下摩擦ローラ427に接している紙面のみが逆方向に移送される。
【0054】
図20(k)は戻された紙面がセンサ機構2455で検知された時の様子を示す。
このとき、図22のタイムチャートO点で示すように、下摩擦ローラ427を停止し、僅かな休止時間(t4)後、図20(l)に示すように上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427を矢印の方向に回転して、分離・開放動作に入る(図22のタイムチャートP点)。図20(l)はそのときの様子を示す。
新聞本紙NPの後端N5がセンサ機構2435を通過すると、図22のタイムチャートのQ点で示すように位置決めローラ対2425を固定(停止・ロック)する。このとき、開かせない側の新聞本紙NPの紙面の後端N5は位置決めローラ対2425で挟持された状態であり、一方、先行した新聞本紙NPの紙面の後端N4は位置決めローラ対2425から離れて落下するため、チラシが挿入できる拡開状態になる。
【0055】
図20(m)は、図19(g)と同じプロセスを示し、拡開した新聞本誌にチラシEが挿入される様子を示すものである。図22のタイムチャートのQ点以降工程内容は、図21のI点以降の工程内容と同じであり、前述した動作と同様の動作が行なわれる。
以上説明したように、第一の移送・分離手段では開かせる側の新聞層は上摩擦ローラ433の前送りによって、第二の移送・分離手段では開かせない側の新聞層を下摩擦ローラ427の後送りによって、両層の分離を行なうことができ、これらの手段を併用してコストを大幅にあげることなく信頼性を高めることができる。
また、第二の移送・分離手段においても、移送量を検知コロによる検知機構を用いてもよいことは言うまでもない。その場合、第一の移送・分離手段の実行において、足りない移送量分、第二の移送・分離手段で逆送りして所定の量を確保するようなことも可能である。
また、所定量移送されたかを検知する手段は、上記手段に限るものではない。例えば、検知コロ701のような検知アーム702に支持された検知コロを、一方の層の移送が完了する位置(所定位置)にて新聞本紙に接触させておき、一方の層が移送される前の新聞本紙の厚みと、一方の層が所定量移送されて、移送された層の新聞本誌の後端が検知コロを外れた時の検知アームの角度変化を検出して所定量移送されたことを確認する方法等もある。
【0056】
次に処理速度は少し遅くなるがコストを抑えた他の実施例2を示す。
この実施例2では、上摩擦ローラ433をワンウエイクラッチを介して上位置決めローラ軸428に接続することにより一方向のみ回転駆動するようにして、図17で示した所定位置に新聞本紙NPを停止した後、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5の層を下摩擦ローラ427を逆転して後ろ送りすることにより、開かせる側新聞の新聞本紙NPの後端N4の層を、先端N6方向に早く移送した状態にし、所定量移送したのち、上摩擦ローラ433及び下摩擦ローラ427を前送りしてチラシが挿入できる状態に分離・開放するようにしたものである。
この方法であると検知コロ701による移送検知機構2700は不要であり、従って低コストになる。
具体例として、上摩擦ローラ433は、図示はしないが、上摩擦ローラ433のボディ433a(図12を参照)と上位置決めローラ軸428の間にワンウエイクラッチを介して上位置決めローラ軸428に連結し、上位置決めローラ軸428を前送りするときのみ上摩擦ローラ433は従動するようにする。
さらに、上位置決めローラ軸428の駆動は、反転ギヤを介して下位置決めローラ駆動機構2431(図24を参照)に連結するようにすれば、上摩擦ローラ433を駆動する専用の駆動機構が不要でさらに低コスト化にすることができる。
【0057】
再び、図17を代用して一連の動作を説明する。
図17(a)示すように、下摩擦ローラ427が図示の矢印方向に回転するように下位置決めローラ駆動機構2431を駆動すると、下位置決めローラ駆動機構2431にワンウエイクラッチを介して連結している上摩擦ローラ433も矢印方向に駆動される。この状態で、新聞供給機構1000から送り出された新聞本紙NPの先端N6は位置決めローラ対2425内に進入する。図17(b)に示すように、新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2455を通過すると下位置決めローラ駆動機構2431は高速状態から確実に制御可能な速度に回転速度を落とし停止に備える。
図17(c)に示すように、新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2435によって検知された時、下位置決めローラ駆動機構2431は下摩擦ローラ427の駆動を停止するとともに駆動モータに保持電流を流してモータをロック(固定)させ新聞本紙NPを停止した状態にする。ただし、本実施例の場合、上摩擦ローラ433は代用図面である図17(c)では固定となっているが、ワンウエイクラッチを介して連結しているために上摩擦ローラ433による停止の制動力はかからなく、新聞本紙NPのN5層の制止により新聞本紙NPのN4層が制止することになる。
次に、図17(d)に示すように、下位置決めローラ駆動機構2431を制御して、下摩擦ローラ427を矢印方向(進行方向と逆方向)に回転するように駆動し、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5層をセンサ機構2445まで戻すことを行なう。このとき、開かせる側の後端N4層は、後端N5層と共に戻ろうとするが、上摩擦ローラ433は、図17(d)に示すように、逆方向に回転できずロック(固定)状態になるので、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5層のみ戻すことができる。
図17(d)に示すように、後端N5の層がセンサ機構2445にて検知されると、図17(e)に示すように、再び、下摩擦ローラ427を矢印方向に示すように下流側に前送りする。このとき、上摩擦ローラ433も従動して、後端N4の層が移送・分離された新聞を送り分離・開放動作を行なう。図17(f)以降は前述したのと同じ動作が行なわれるようにすればよい。
【0058】
以上、本発明の実施例として、新聞供給部1000から自動的にチラシ挿入部2000に新聞を供給する新聞本紙類へのチラシ折り込み装置について述べたが、本発明の利用はこれに限ったものでない。
例えば、自動で給紙する新聞供給部1000を用いず、その代わり、チラシ挿入部2000に手差しで新聞本紙を供給するようにしても良い。チラシ挿入部は、前述したように、新聞本紙を開き、チラシを挿入し得る状態にする。チラシを手作業で挿入すると、チラシが挿入された新聞本紙が、包装機とタイミング合わせをしながら自動的に排出することができる。
チラシ供給部2000の新聞供給手段が、このような手差し装置であっても、新聞配達員の手作業によるチラシ折り込み作業をアシストすることができ有用である。しかも、包装機4002と連結すれば、チラシを折り込みながらビニール包装ができるので、新聞販売店の省力化に貢献できるものである。また、新聞供給部1000の機能を手差しにすることにより、さらに小型でコンパクトで低価格な装置を提供できるものである。
【0059】
本発明の実施例によれば、搬送用摩擦ローラで新聞を所定方向に送りながら、二次折りされた両層のうち、片方の層のみを早く移送して両層を分離した後、両層を前に送り出して、片方の層を分離・開放してチラシを挿入し得る状態にし、チラシが挿入されたことが確認されると、搬送用摩擦ローラを再度回転させ、もう1層を開放してチラシが挿入された新聞を閉じるようにしたことから動きに無駄がなくスムースである。
また、チラシが挿入された新聞を閉じ、次の新聞を取り込んで、次の動作に入れるので、前の新聞の排出動作を待たずに、次の新聞の拡開動作とチラシ挿入作業ができ、処理時間の大幅な短縮が可能になる。
また、搬送用摩擦ローラで新聞の搬送と拡開ができるので、前掲の先行技術文献3のように、新聞を拡開するために、一旦、摩擦ローラから開放する必要がなく、また、新聞を拡開するために、摩擦部材を往復動する機構が必要でないのでシンプルであり、低コストな装置が実現できる。
また、両層の内1層が確実に先行して移送されたことを検出してから次の動作に入るので動作が確実であり、また、片方の層を前進させて1層を所定量先行させることができなかったとき、もう1層を所定量後進させて、移送・分離・開放できるようにしたので装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0060】
以上述べたように、本実施例のチラシ折り込み装置1は、従来、主に、手作業で行なわれていたチラシ折り込み作業を省力化できる。また、新聞包装部4000と組み合わせることにより、新聞本紙にチラシを折り込みながら新聞包装ができ、更には、新聞本紙の自動給紙装置として、また、イレギュラーな被包装物に対しては手差しで新聞包装ができ、新聞販売店のあらゆる状況に対応できる多機能性を備えている。
ところで、新聞包装部4000と組み合わせて使用する場合、ロールフィルム切れに注意が必要である。従来、図3の新聞包装部4000では手差し包装のため、作業者はロールフィルムの消費を確認しながら作業ができる。
しかしながら、自動で給紙している場合、作業者がそばにいるとは限らないので、ロールフィルムが切れた状態で装置が稼動してしまう恐れがある。
この問題を避けるため、ロールフィルムに終わりを検知する手段として、例えば、ロールフィルムが僅かになったことを示すマーカ等を印刷し、このマーカを検知する検知手段を用いて、ロールフィルムがなくなった、または、僅かになったことを検知するとチラシ折り込み装置を一旦休止し、ロールフィルムを交換して、再度、稼動させるようなことが必要になってくる。
そのような場合、ロールフィルムをすばやく交換できることが望まれる。
新聞包装機4002においては、図3に示すように、新聞挿入口4005の手前に、着脱式の新聞挿入補助用ガイド4009が用意されているものであるが、ロールフィルム交換時は、この新聞挿入補助用ガイド4009をはずすと、ロールフィルムの交換、及び、交換後の上下のロールフィルムの接着が、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができるのですばやい交換が可能である。
【0061】
そこで、本実施例におけるチラシ折り込み装置1では、図25に示すように、チラシ挿入部2000の内の、新聞包装機4002の新聞挿入口4005に対抗している機構の一部(排出機構2500の一部が、ガイド機構2490、及び、センサ機構2550等が収容されている部分)移動部801が、固定用ロック(図示なし)をはずすと、支軸802を中心に前傾するような構造になっていて、上下ロールフィルムを図示の位置から交換や、上下ロールフィルムの接着が容易で、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができ、交換時間を短くできる。また、フィルム交換以外に、熱版Hm(図5を参照)の清掃等のメンテナンスも、チラシ折り込み装置1を着脱することなく容易に行なうことができるメリットがある。
本発明の実施例における新聞供給部1000は、以上述べたように、最下層の新聞に摩擦接触して下から取り出す方式を採用しているが、上から取り出す方式を用いても良い。また、摩擦接触でなく、従来技術である吸引方式による取り出し方式を採用してもよいことは言うまでもない。
【0062】
本発明の実施例によれば、積載した新聞本紙NPを最下層から一部取り出す機構が簡単で確実であり、しかも、薄い新聞本紙NPから厚い新聞本紙NPまで無段階に無調整で行なうことができる。
また、新聞本紙の二次折部の折り合わせ側の後端N4.N5を開く機構は、摩擦方式であるから簡単で低価格であり、また、新聞の移動方向は常に一方向であるから、全体としてシンプルで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置が実現できる。
また、新聞供給部とチラシ挿入部をかぎの手に構成でき、包装機等の上部にコンパクトに折り畳んだ形で包装機と連結することができるから、新たな設置スペースなしに既存の包装機と連結してチラシを折り込みながら包装ができ、従来、雨の日はチラシ折り込みと、包装の2工程が必要であった作業が1工程でできるようになる。
また、簡単な切り換えで積載した新聞の自動給紙装置として利用できる他、イレギュラーな厚みの新聞に対し、手差し給紙補助機能も備えた、多機能な装置が簡単に実現できる。
また、チラシ折り込み、新聞自動給紙、手差し補助と多機能性を兼ねたチラシ折り込み装置が実現でき、小型で低コストであるから、増設に対して経済的負担が小さく手軽である。
更に、自動給紙された新聞本紙NPの上側、又は、下側に、挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等の挿入物を重ねて新聞包装機に送り出すことができ、また、チラシを折り込んだ一方の新聞本紙を自動給紙して、チラシを折り込んだ他方の新聞本紙とを重ねて新聞包装することも可能である。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例の新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図2】チラシを折り込んだ一般の新聞本紙を説明する説明図、
【図3】本発明の新聞包装部を組み込んだ新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図4】新聞包装部で新聞本紙を三方包装する状態を説明する説明図、
【図5】本発明の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図、
【図6】本発明の供給部の概要の側面ブロック断面図、
【図7】新聞本紙の折り畳み状態を説明する説明図、
【図8】本発明の第二分離機構の拡大断面図、
【図9】本発明の新聞本紙を後方に送り出す動作を説明する図で、第一分離機構から送り出された薄い新聞の先端が、サバキブロックの突出部に到達した状態の説明図、
【図10】本発明のチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図、
【図11】図10の斜視図、
【図12】図11の下摩擦ローラ427の構造を示す斜視図、
【図13】位置決めローラ対2425における、上下の摩擦ローラの位置関係を概略的に示す図である(図10の矢印Aで示す方向から見た概略図)。
【図14】新聞を拡開する原理を説明するための概略説明図である。
【図15】図14で示した摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を摩擦ローラに替えて、摩擦ローラの回転によって、一方の層を移動して両層を分離するようにしたものである。
【図16】本発明の新聞拡開機構2450の一連の動作を説明する作動図
【図17】図16と同じ構成であるが、一方の層を移送して両層を分離するプロセスが異なる例を示すものである。
【図18】チラシが挿入されたあとに、続けて拡開動作を行なうときの動作を示す側面図。
【図19】移送検知機構2700により、所定の移送量を検知してから分離・開放を行なう動作の一例を説明するための側面図である。
【図20】移送検知機構2700により、所定の移送量が検知されなかったときに行なわれる第二の手段による動作の一例を示す側面図である。
【図21】図19及び、図20で示す動作のタイムチャートを示す。
【図22】図19(e)の時点での動作において、上摩擦ローラ433を回転させて開かせる側の新聞層を移送することを試みた時に、上摩擦ローラ433の所定の回転に対して検知コロ701が予定通り応答しなかった場合の制御の様子を示すタイムチャートである。
【図23】、図23(a)は新聞本紙を移送・分離しているときの様子を示す斜視図。図23(b)は、チラシを挿入し得る状態に新聞本紙を分離・開放した時の様子を示す斜視図。
【図24】本発明の電気系統のブロック図。
【図25】図40(a)は通常の稼働時の状態の側面図、図40(b)は新聞包装機がフィルム交換時、新聞挿入ガイドを着脱して場合、排出機構500、ガイド機構490、及び、センサ機構550が収容されている部分が前傾した状態の側面図である。
【符号の説明】
【0064】
NP・・新聞本紙、E・・チラシ、P・・挿入紙(物)
N1,N2・・新聞本紙の一次折部の折り合わせ側(後端)、
N3・・一次折り畳み側(先端)、
N4,N5・・新聞本紙の二次折部の折り合わせ側(後端)、
N6・・二次折部の折り畳み側(先端)、
1・・チラシ折り込み装置
1000・・ 新聞本紙の供給部(新聞供給部)1200・・新聞本紙の積載部、
1250・・摩擦搬送機構、201・・前壁、202・・側壁、
204・・開口部、210・・側板(左右)、215・・切り欠き、230・・収納容器、251・・摩擦搬送ローラ、
1300・・第一分離機構、1330・・第二分離機構、1360・・搬送機構、
1361・・搬送ローラ対、1370・・搬送ローラ駆動機構、1390・・新聞検出センサ対、
300・・新聞本紙の供給機構、
301・・固定分離板、302・・可動板、305・・隙間、310・・可動軸、
311・・バネ、
335・・サバキブロック、335a・・突出部、335b・・湾曲面、
335c・・ローラ対面部、
1400・・サバキローラ揺動機構、1410・・サバキローラ駆動機構、
340・・サバキローラ、340a・・サバキリング、
340b・・サバキローラボディ、343・・プーリ、344・・プーリ、
345・・サバキローラ回転軸、346・・サバキローラ駆動軸、
347・・タイミングベルト、350・・サバキローラレバー、
356・・バネ、363・・搬送ローラ対、
2000・・チラシ挿入部、2420・・新聞位置決め機構、
2425・・位置決めローラ対、
2431・・下位置決めローラ駆動機構、2432・・上位置決めローラ駆動機構、
2435,2445,2455,2465・・センサ機構、2450・・新聞拡開機構(拡開手段)、
2480・・チラシ挿入確認機構、2490・・ガイド機構、
2500・・排出機構、2520・・排出ローラ対、2550・・センサ機構、
521・・下排出ローラ軸、528・・上排出ローラ軸、
2550・・センサ機構、551・・光センサ対、
563・・排出ローラ、2530(図24)・・排出ローラ駆動機構、
2700・・移送検知機構
410・・案内壁、426・・下位置決めローラ軸、
427(A〜E)・・下摩擦ローラ、427a・・ボディ、427b・・摩擦リング、
427c・・溝、428・・上位置決めローラ軸、429・・案内板、
433・・上摩擦ローラ、433a・・上摩擦ローラボディ、
433b・・摩擦リング、433c・・溝、436,446,456、457・・光センサ対、
465・・上位置決めローラ駆動軸、466・・上搬送レバー、
467・・タイミングベルト、491・・上ガイド壁(板)、492・・下ガイド壁(板)、
493,494・・側壁(板)、
650・・チラシ挿入口、651・・チラシ挿入ガイド、653・・チラシ検出センサ対
701・・検知コロ、702・・検知アーム、703・・検知コロ軸
704・・検知アームブラケット、705・・コロセンサ軸,
706・・プーリ,707・・プーリ,708・・タイミングベルト,
709・・センサ板,710・・検知穴,711・・フォトインタラプタ、
3000・・演算装置
4000・・新聞包装部、4100・・設置台、4101・・高さ調整アジャスター、
4002・・新聞包装機、4003・・新聞包装機(部)置き台、
4005・・新聞投入口(挿入口)、4006・・シュータ、4007・・可搬式新聞収納箱、
4009・・新聞挿入補助用ガイド
801・・移動部、802・・支軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、新聞本紙、雑誌、折丁等の冊子にチラシ広告等を折り込む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
毎朝、新聞販売店から家庭に配達される新聞には、丁合いされたチラシが折り込まれている。また、雨が降ると、新聞を濡らさないためにビニール包装が行なわれて配達されている。チラシの丁合い作業や丁合いされたチラシを新聞に折り込む作業やチラシが折り込まれた新聞のビニール包装作業は、新聞販売店にて行なわれている。このうちチラシ丁合い作業は、丁合い機が普及しており、大量のチラシが高速で処理されている。この作業は前日作業なのでチラシ量が多くても充分対応できうるものであるが、一方、チラシを新聞に折り込む作業や、包装作業は当日作業で、しかも、早朝作業であり、新聞が新聞社から新聞販売店に到着してから、各家庭へ配達に出るまでの定められた時間内に済まさねばならない。
【0003】
通常、新聞社から新聞が到着するや否や新聞配達員は担当配達区域分の新聞を受け取り、これを手で開いて、用意されたチラシを新聞に挿入する。これを通常、一人が100〜200部程度行なうものである。また、雨の日となると、チラシを折り込んだ後、更に、特許文献1に示すような手差し給紙の包装機を用いて一部ずつビニール等で包装作業を行なわなければならない。新聞販売店の中には2000部以上の配達を行なう販売店も数多く、常に十数人の配達員が配達に遅れまいと血眼になってこの作業を行なっていると言っても過言ではない。
【0004】
このように大勢の人が単純な手作業を毎朝繰り返しているわけであるから、機械化が望まれていた。そこで、近年、特許文献2に提案されているような、新聞にチラシを折り込む機械等が提案され、チラシ組み込み処理が高速で大量処理ができる装置が提供されているが、大型で高価なためスペース的にもコスト的にも対応できる販売店は限られている。しかし、包装機については、手差し給紙ではあっても60〜80部/分程度の処理能力があり、また比較的、小型で廉価であるため、複数台導入して早朝の繁忙に対応しているところも多い。
【0005】
そのような状況を鑑みて、従来の包装機とドッキングしてチラシ折り込み作業と包装作業を一度に行なうことが可能な新聞本紙へのチラシ折り込み装置が、本出願人より提案されている(特許文献3)。
この先行技術である特許文献3の新聞本紙へのチラシ折り込み装置では、積載された新聞本紙を一部ずつ取り出してチラシ挿入部に送り、チラシ挿入部では送られた新聞本紙を開いてチラシが挿入できる状態にし、新聞本紙にチラシが挿入されると、包装機とタイミング合せして、新聞本紙を包装機内に送り出すことができるので、従来別個に行なわれていたチラシ折り込み作業と新聞包装作業を同時に行なうことができる。また、積載された新聞本紙を一部ずつ取り出してチラシ挿入部に送り、チラシ挿入部内に送り込まれた新聞本紙を包装機とタイミングを合わせて、新聞本紙を包装機内に送り出すことができるので、既にチラシが折り込まれた新聞の包装機への自動給紙装置としても使用できるなど、新聞店のさまざまな仕事形態に多機能で対応できる装置である。
このように、先行技術である特許文献3で提案されている新聞本紙へのチラシ折り込み装置は、従来の新聞包装機の上部に設置できるのでスペース的にも有利な装置である。
【特許文献1】特開2001−171607号公報
【特許文献2】特開2006−347046号公報
【特許文献3】特願2008−116385
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、先行技術の特許文献3に開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置は、新聞供給部から送られた新聞本紙を、チラシ挿入部の入り口近くに設けた挟持搬送部材で新聞を受け取り、チラシを挿入する位置に新聞本誌を送った後、前記挟持搬送部材とは別の移送・分離・開放部材を用いて新聞を挟持した状態で、一方の層(開かせる側の層)を他方の層(開かせない側の層)より早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を前記移送・分離・開放部材から開放して、チラシを挿入しうる拡開状態を形成し、チラシが挿入されるとチラシが折り込まれた新聞本紙を装置外に排出することができるものであった。
しかしながら、先行技術の特許文献3に開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置では、チラシを挿入する位置にある新聞本紙を移送・分離・開放部材を用いて拡開するためには、一旦、新聞本紙を挟持搬送部材の挟持から開放しなければならず、そのため、新聞本紙がチラシ挿入位置に送られてから拡開するまでに時間を要し、処理時間の短縮が困難であるという問題点があった。また、作業者が手作業でチラシ挿入するとき、まどろっこしくてリズミカルな連続作業を妨げるという問題点があった。更に、挟持搬送部材と移送・分離・開放部材が別個に必要であったため、複雑で制作コスト高になってしまうという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、上記問題点を解消し、チラシ挿入の処理速度をより迅速にでき、新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の制作コストも安価にする新聞本紙類へのチラシ折り込み装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、新聞本紙へのチラシ折り込み装置において、新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、前記新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、新聞本紙の通路上に適宜配設した新聞紙面と所定の摩擦接触力を有する上側摩擦ローラと下側摩擦ローラから成る挟時・移送手段を備え、前記上側摩擦ローラと下側摩擦ローラを回転させて新聞本紙の折部の折り畳み側を下に向けて移送するとともに、新聞本紙を湾曲させ、新聞本紙が所定位置に達した時に、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記分離・開放手段は、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態で、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラを回転させて、早く移送した層を前記挟時・移送手段から分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2、乃至3記載の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されたことが確認されたあとに、前記分離・開放手段を作動させる駆動手段を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1、2、3乃至4記載のチラシ折り込み装置において、前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する前記検知手段によって、所定時間内に一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されなかったことが確認された場合、他方の層を逆送りする再試行を行なう再試行手段を有することを特徴する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2の発明によれば、拡開手段により新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を強制的に上方に拡開するので、チラシ広告類を上方から簡単に挿入することができ、自動或いは手動を問わず大量の新聞本紙類、雑誌、冊子の中にチラシ広告類を挿入することができる。また、拡開手段は、従来のように空気作用ではなく、ローラ等の摩擦方式の機械構造を採用することができるので、簡単で低価格であり、また、新聞の流れる移動方向は、大凡、一方向であるから、全体としてシンプル・コンパクトで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置とすることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2の効果に加えて、新聞本紙の一方の後端を挟持された状態を維持する維持手段を設けたので、チラシ広告類を挿入することが終了するまで、確実に新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を拡開するので、チラシ広告類の挿入が確実になる。
請求項4の発明によれば、請求項1、2、乃至3記載の効果に加えて、より確実に拡開手段によって新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を上方に拡開することができるので、新聞本紙類の中により確実にチラシ広告類を挿入することができる。
請求項5の発明によれば、請求項1、2、3、乃至4記載の効果に加えて、予定通り移送できない場合でも、(想定される理由は、例えば、新聞が破れていたり、濡れていたりした新聞本紙に原因がある場合等)他の手段による再試行手段を有するので、より確実に新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側を拡開し、チラシ広告類を挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施した好適な新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の実施例を、図に基づいて詳しく説明する。
なお、本発明の実施例は特許文献3で開示した新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の拡開手段に応用した例であるから、従って、本発明が特徴とする構成以外は特許文献3で開示の新聞本紙類へのチラシ折り込み装置の構成を採用しているので、これらの構成の詳細な説明は割愛する。
【0012】
図1は、本発明の実施例における新聞本紙類へのチラシ折り込み装置1を前面側から見た外観斜視図である。ここで、本実施例で新聞本紙とは、新聞本紙類、雑誌、折丁等の比較的厚手の冊子を意味し、そのままの大きさ、2折にした大きさ、4つ折にした大きさがA3サイズ程度の27cm×40cm程度のものであり、チラシとは、通常の1枚或いは2つ折、4つ折の新聞に折り込まれるチラシ広告、折り込み用新聞、及び、薄い冊子等を意味する。
図1でチラシ折り込み装置1は、積載した新聞本紙(NP1.NP2・・)を一部ずつ取り出して次工程に送ることができる新聞本紙の供給部1000(積載部1200:図5を参照)と、供給部1000で取り出された新聞本紙類を受け取り、チラシを折り込むために開き、チラシを挿入し、外部に排出することができるチラシ挿入部2000を備える。
【0013】
図2は、チラシを折り込んだ一般の新聞本紙NPの外観斜視図であるが、図2(a)は、新聞本紙の層を先ず2重に重ねるように折り線PLで2つ折りにした状態で、ここでは一次折部と称するが、1次折部の折合わせ側の後端N1,N2が後方に、1次折り畳み側の先端N3が手前に位置している。一般の新聞本紙NPは、図2(b)に示すように、更に、折り線SLで折り畳んで4つ折にして配達する(この場合の折部は二次折部と称し、以後単に折り合わせとするときは二次折部を示す)。図2(b)では、折り合わせ側の後端N4,N5の二つの層が後方に、折り畳み側N6が手前に位置している。
また、一般の新聞本紙NPでは、図2(c)に示す4つ折状態で、折り合わせ側の後端N4,N5の二つの層の間にチラシEを挿入してある。なお、折部とは、前記の一次折部、或いは、二次折部を意味するが、本実施例での折部は二次折部が対象となる。
なお、もともと一次折部を形成した大きさがA3サイズのタブロイド新聞本紙や冊子において、4折りの場合は、二次折部がA4サイズ程度となる。
【0014】
また、本実施例のチラシ折り込み装置1の新聞供給部1000は、未だチラシが挿入されていない夕刊などの薄い新聞から、図2(c)に示すような、既にチラシが挿入された厚い新聞本紙に至るまで、一部ずつ取り出して送ることができ、また、チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000からチラシが挿入されていない新聞本紙を受け取り、これを開き、チラシを挿入した後、同期を取って外部に排出することができるとともに、単に、新聞供給部1000からの新聞を受け取り、そのまま同期を取って外部に排出することもできるようになっている(チラシ挿入が不必要な場合)。
チラシ折り込み装置1は、単に、新聞にチラシを挿入するために用いても良いが、図3に示すように、下段に新聞包装部4000(既に本出願人により開発されている公知装置や、前掲先行技術である特許文献1)と組み合わせることにより、チラシを組込みながら新聞包装ができ、今まで別々に行なっていたチラシ折り込みとビニール包装作業を同時に行なうことができ、作業の省力化ができる装置である。
また、既にチラシが折り込まれた新聞本紙の自動給紙としても使用でき、また、盆、正月等のイレギュラーな厚みの新聞や、週刊誌等のため自動給紙ができない場合には、新聞包装機4002へ手差し給紙するときの補助送り機構として使用することもできる機構を付加してもよく、汎用な装置としてある。
【0015】
通常、新聞包装部4000は、図3に示すように、キャスター等を有する可動式の新聞包装機置き台4003と共に設置され、この新聞包装機置き台4003の背面にはシュータ4006が設けられていて、新聞包装機4002の前部にある挿入口である新聞投入口4005に挿入された新聞本紙が、新聞包装機4002の内部に送り込まれて図4(a)(b)に示すように、上下のフィルムF(Fa、Fb)で両端部及び前後端部を熱溶着してビニール包装された後、背後の排出口(図示せず)から排出され、置き台4003背面のシュータ4006上を滑走し方向転換して、置き台4003の下部にセットされた可搬式新聞収納箱4007内に収容される。
本実施例のチラシ折り込み装置1は、図3に示すように、コの字を立てた形状の設置台4100を介して、新聞包装機(部)置き台4003上に置いて使用され、このコの字を立てた形状の設置台4100は、設置台4100の内側に新聞包装機4002を収納し、設置台4100の上面には装置全体(1000,2000)として逆L字状で「かぎの手」状のチラシ折り込み装置1を載置するようにしている。
【0016】
この新聞包装部4000の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状に装置全体を形成したチラシ折り込み装置1とは、次の図5に示すように、最上部には水平的に新聞供給部1000の積載部1200を配置し、続く下流の第一分離機構1300(図5・6)、第二分離機構1330(図5・6)、及び、搬送機構1360からなる新聞本紙の供給機構300を新聞供給部1000の手前側に多少張り出すように装置の前側面に配置し、搬送機構1360の下方にチラシ挿入部2000を配置して、チラシ折り込み装置1の全体として、新聞包装機4002の上面と前面を囲むような逆L字状で「かぎの手」状にしたためである。
このようにすれば、新聞供給部1000の下の空間に、新聞包装機4002を収納でき、かつ、チラシ挿入作業において前面が開放されることが好都合となるチラシ挿入部2000を前面に配置するとともに、後述するように、チラシ挿入部2000の排出機構2500の開口と、既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させ、チラシ折り込み作業とフィルム包装までを連続して処理でき、置き台4003の下の可搬式新聞収納箱4007内に包装終了の(チラシ折り込みの)新聞本紙を収容させ、新聞本紙の搬送進路方向を上から下への方向へジグザグに変更して、大きくは上から下への流れとして、装置の周囲に新たなスペースを必要としないから省スペース化した装置となる。
【0017】
図5は、図3に示す装置の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図であり、本図5中で1点鎖線a―a´で区切られた上側が本発明の実施例に相当するチラシ折り込み装置1の部分を示す。
図5に示すように、チラシ折り込み装置1は、新聞包装機4002の上方に新聞供給部1000を配設し、新聞供給部1000の前方下部からチラシ挿入部2000を介して新聞包装機4002の挿入口に連結している。
そして、チラシ折り込み装置1は、既存の新聞包装機4002が一体として設置でき、スペースを更に広く占めないように新聞包装機4002のほぼ真上に組み込み、新聞包装機4002を新聞包装機置き台4003の上に載置し、新聞包装機置き台4003の下部に可搬式新聞収納箱4007を収容したので、装置全体として新たなスペースは不必要である。
さらに、詳細に説明すると、新聞供給部1000は装置全体の最上部に配置し、チラシ挿入部2000は装置の手前側で操作者と対面する位置に配置し、チラシが折り込まれた新聞本紙を排出する下方の排出機構2500の開口と、前記の既存の新聞包装機4002の新聞本紙の挿入口4005とを一致させるため、設置台4100の底面には高さ調整アジャスター4101が設けられ、チラシ折り込み装置1の高さを微調整して位置を一致させており、新聞包装機4002内に送って連続して包装までを処理するようにし、背面から包装済の新聞本紙を排出し、その進路方向を変えて可搬式新聞収納箱4007内に収容させ、新聞本紙の搬送進路方向をジグザグに変更して、大きくは上から下の流れとして、作業員のチラシ挿入作業がし易く、チラシ挿入や包装作業が完了し積載された新聞本紙を可搬式新聞収納箱4007ごと所定場所に移動させればよく、なによりもスペース的に有利なものとしている。
【0018】
また、本チラシ折り込み装置1は、自明で公知の構成なので詳細には説明しないが、図24に示すように、チラシ折り込み操作に必要な各種スイッチ、表示装置、センサ、モータ等の各種アクチュエータ、及び、他の制御機器との信号のやり取りの各種インタフェースと、これらを制御するため、マイクロプロセッサやプログラムが格納されたROMを含む各種記憶装置を有する演算装置3000(図24)を備えている。
再び、図5に戻って説明すると、新聞本紙の供給部1000から供給された新聞本紙NP(Aで示す)を拡開手段で開き、チラシEを挿入(Bで示す)された新聞本紙、又は、新聞本紙の供給部1000から供給されチラシ挿入部2000内に搬送された新聞本紙、又は、手差しによりチラシ挿入部2000内に投入された新聞本紙(BおよびCで示す)は、新聞包装機4002が検知手段により新聞受け入れ状態であると検知されたとき、新聞本紙がチラシ挿入部2000の排出口から新聞包装機4002内に送り出される。
【0019】
ここで、図4、図5を参照して、新聞包装機4002について簡単に説明すると、新聞包装機4002は、図4に示すように、所謂、ビニールフィルムFによる四方包装機で、上下に配した2本のロールフィルムFa、Fbを熱接着してつなぎ、つないだ上下フィルムの間に新聞を差し込んで、新聞を上下フィルムでサンドイッチの状態で新聞包装機4002内部に挿入すると、内部にある上下の搬送ベルトBa、Bbが回転し、更に、上下の搬送ベルトに食い込むまで押し込むと新聞は自動的に内部に引き込まれ、所定位置まで搬送される。そこで、両サイドと後部に設けた熱版Hm,Hsが降下して、上下フィルムを熱溶着することにより新聞を包んだフィルムの四方の接着が完成する。
このようにしてフィルム包装された新聞は、後部の熱版Hmを下降したまま、再度、搬送ベルトを回転することにより、上下ロールフィルムから分断されるとともに新聞包装機4002の外部に排出される。
【0020】
図6は、新聞本紙の供給部1000の概要を説明するための側面ブロック断面図である。
図6(a)(b)に示すように新聞本紙の供給部1000は、新聞本紙の積載部1200と、新聞本紙の積載部1200に積載された新聞本紙の最下層から新聞本紙を送り出すための摩擦搬送機構1250と、摩擦搬送機構1250から送り出された新聞のうち最下層の新聞のみを分離して次工程に搬送するための手段を備えている。
新聞本紙の積載部1200は、新聞本紙を整えて積載するために、前方に前壁201と左右に側壁202(図1を参照)を備え、底部を摩擦搬送機構1250の複数の摩擦搬送ローラ251で収納容器230を形成している。さらに、前壁201は、新聞本紙を前方に送り出すために、摩擦搬送ローラ251の搬送面Aより所定の高さ分(開口の高さ)の開口204を有している。
【0021】
図7は、図2の展開したものを説明するもので、見開きの大きさA0サイズの新聞本紙が4つ折りの大きさA3に折り畳まれるときの折線をあらわしたもので図中点線PLは一次折線、点線SLは二次折線を示す。
ここで、図6に示す収納容器230に新聞本紙を積載する場合、新聞の向きも統一しなければならない。本実施例のチラシ折り込み装置1では、二次折部の折り合わせ側N4,N5を揃えて進行方向後方(上流側)に、二次折部の折り畳み側N6を新聞本紙の進行方向前方(下流側)にして積載しなければならない。また、チラシEを折り込む場合、新聞を開かせるのに一次折部を利用するために左右の向きも統一したほうが好ましい。
これは、本実施例の装置において、積載した新聞本紙の上下が反転されて排出されるから、図2(b)に示すように新聞社名(NMで示す)のある印刷面を下にして積載する様にするためである。このようにすると、新聞本紙の最終の排出時は、図2(c)に示すように、新聞社名印刷面が上になって排出されるので都合が良い。また、新聞包装機4002に接続して使用される場合も、新聞包装するとき、普段、慣習的に、新聞社名印刷面を上にして挿入されるので、その点でも都合が良い。
【0022】
図6に示すように、摩擦搬送機構1250によって繰り出された新聞の内、最下層の新聞のみを次段に搬送するための分離・搬送手段について説明する。
分離・搬送手段は、前壁201の下部の開口部204から繰り出された新聞本紙の折り畳み側の先端N6の先端に移動しないような抵抗を与えて、徐々に下層側の先端から移動が先行するようにするために設けた第一分離機構1300と、第一分離機構1300から新聞本紙を受け取り、最下層の新聞本紙のみを送り出すために設けた第二分離機構1330と、第二分離機構1330から送り出された新聞を受け取り、下流側の後段に送り出すための搬送機構1360とによって構成される。
第一分離機構1300は、前壁201と摩擦搬送機構1250の搬送面との間に形成される開口部204と、この開口部204の上辺を形成する前壁201の下部を斜め下方に延設した固定分離板301と、前記摩擦搬送機構1250の搬送面の前方下側に配設した可動板302、及び、摩擦搬送機構1250を備えて構成され、ある程度新聞本紙が厚い場合は最下層の新聞のみ先行させることができる。
第一分離機構1300の可動板302は、摩擦搬送機構1250から送り出された最大厚の新聞が固定分離板301によって屈曲しながら下方に向きを変えるときに必要な隙間が摩擦搬送機構1250と固定分離板301との間に形成されるため、この隙間によって摩擦搬送機構1250から送り出された薄い新聞の先端が固定分離板301に到達する前に自重によって垂れるのを防止し、新聞本紙NPの折り畳み側N6の先端を固定分離板301に到達させるために設けられるもので、可動板302は左右側壁202(図1を参照)から左右均等割りした中央部に備えられ、摩擦搬送機構1250から繰り出された新聞本紙の中央部に作用させるようになっている。
【0023】
可動板302は、ほぼ、摩擦搬送機構1250の走行面A上にあって、上流側の一端を、固定用ブラケット(図示せず)上に設けた可動軸310(図8を参照)に回動自在に軸支され、適度なバネ311によって先端を常時上方向に付勢されるとともに、ストッパ(図示せず)によってほぼ水平状態になるよう構成されている。さらに、可動板302の下流側の先端と固定分離板301との間は薄い新聞を通すだけの僅かな隙間305を設けている。
以上のような構成であるので、固定分離板301の捌き効果は、ある程度新聞本紙が厚い場合は最下層の新聞のみ先行させることができるが、薄い新聞本紙のようにコシのない新聞の場合は二部同時に運ばれてしまう、所謂、重送が起きる場合があるが、これを防止するために、第二分離機構1330が設けられている。
【0024】
図8に示すように、第二分離機構1330は前記固定分離板301の延長上にあって、可動板302と同様、左右均等割りして中央部に備えられるサバキブロック335と、このサバキブロック335と一対になって新聞をさばくためのサバキローラ340と、サバキローラ340を回転駆動するサバキローラ駆動機構1410と、サバキローラ340を揺動させるためのサバキローラ揺動機構1400等から構成される。
サバキローラ340は、摩擦搬送ローラ251と同様、表面に摩擦抵抗を持たせるためゴム等の弾性体を成型したサバキリング340aをサバキローラボディ340b上に嵌め込んで形成されており、サバキローラ340はサバキローラ駆動軸346の軸上を回動支点として揺動自在に支持されたサバキローラレバー350の可動端に設けたサバキローラ回転軸345上にワンウェイクラッチ(図示なし)を介して1方向回転自在に取り付けられ、前記サバキローラ340は、サバキローラ駆動軸346上に固着したプーリ343とサバキローラ回転軸345上に固着したプーリ344間をタイミングベルト347を介して所定の回転比で前記サバキローラ駆動軸346と連結していて、矢印Rの方向に回転駆動される。
また、サバキローラレバー350はバネ356によって前記サバキローラ340がコロ348に所定の圧力で接するように付勢されている。なお、コロ348は固定分離板301上に固定した回転軸(図示なし)に回転自在に支持された従動車でサバキローラ340と、近接したサバキブロック335がサバキローラ340に接触しない位置関係を維持する機構の一部をも担っている。
そして、サバキローラ340の周速は摩擦搬送機構1250の摩擦搬送ローラ251のそれとほぼ同等、又はやや早めになるように設定されていて、摩擦搬送機構1250によって押し出された新聞本紙NP1の折り畳み側N6の先端をサバキローラ340が受け取り、下流側へ送ることができるように設定されている。
【0025】
ここで、図9に示すように、サバキブロック335はサバキローラ340とコロ348の接点より手前(上流)にあって、一部が固定分離板301の分離面より内側(サバキローラ340側)に飛び出している突出部335aを有し、この突出部335aの手前側は新聞本紙の先端が滑り易いように面取り部、又は、新聞本紙が下向きに屈曲するように曲面Rを付した湾曲面335bが施されている。また、内側への突出部335aの下流側後方はサバキローラ340の円周に沿ってローラ対面部335cが形成される。このときサバキブロック335は、サバキローラ340に接触しない程度にできるだけ接近させて取り付けられることが望ましい。
したがって、例えば、第一分離機構1300から送り出された薄い新聞の先端(最下層の新聞本紙の折り畳み側N6)が、サバキブロック335の突出部335aに到達すると、固定分離板301をなぞって進んできた新聞本紙の先端N6は突出部335aにあたって一瞬停止し、矢印Aの方向からの継続的な押し込みによって先端部N6にひずみが起きる。
さらに進行すると、湾曲面335bに沿って、やがて先端が内側に折れたり、又は、先端部が変形して突出部335aから外れ、点線に示すように進んでサバキローラ340の表面に到達する。
サバキローラ340の表面はゴム等の弾性部材からなる摩擦部材で、新聞本紙の先端N6はサバキローラ340の表面に接触し、サバキローラ340の回転につれてサバキローラ340とサバキブロック335との隙間に向かって方向を変え、更に、新聞本紙後端からの進行方向(A方向)の押す力が加わって、サバキローラ340とサバキブロック335のローラ対面部335cの隙間に侵入する。
【0026】
次に、新聞本紙の先端N6が上下に配した搬送ローラ363からなる搬送ローラ対1361に捉えられ、更に進んで新聞検出センサ対1390(図10を参照)が新聞の先端N6を検出したところで摩擦搬送機構1250を停止し、摩擦搬送ローラ251、及び、サバキローラ340の駆動も停止すると共に搬送ローラ対1361の駆動が停止され、搬送ローラ対1361に新聞本紙の先端N6が咥えられたまま待機する状態になる。
そして、次段(次工程)からの要求信号に従い、搬送機構1360を作動して搬送ローラ対1361によって新聞本紙を次段に送り出し、新聞検出センサ対1390が新聞本紙の通過を検知して新聞本紙の次段への搬送が完了した時点で搬送機構1360を停止する。この時、搬送機構1360が次工程に新聞本紙を送り出すモードの時は、摩擦搬送機構1250は駆動されないが、送り出される新聞本紙NPに接触している摩擦搬送ローラ251、サバキローラ340はワンウェイクラッチの作用で空回りすることができる。
【0027】
この一連の動作中、サバキローラ340で送り出される最下層の新聞本紙NP1の上に積載された新聞本紙NP2は、送り出される最下層の新聞本紙NP1との摩擦で引きずられ、新聞本紙NP2の先端がサバキブロック335の突出部335aまで達したとしても、新聞本紙NP1とサバキブロック335との隙間が狭く、その間に新聞本紙NP2の先端が容易に進入できず、また、もし新聞本紙NP2の先端N6がサバキローラ表面に到達したとしても、バネ356の力に逆らってサバキローラ340を押し下げるための充分な押し込み力が得られないと、サバキブロック335とサバキローラ340(実際はサバキブロック335と新聞本紙NP1)の間に進入することができない。このようにして重送を回避することができる。
このように、薄い新聞本紙NPは第二分離機構1330によって確実に分離し、取り出すことができ、サバキブロック335とサバキローラ340が重送を防ぎ、最下層の新聞本紙NP1だけを下流側に送り出すことができる。
しかし、薄い新聞本紙NPに対して適用しているサバキブロック335とサバキローラ340との関係では、固定分離板301で捌かれた厚い新聞本紙をサバキブロック335とサバキローラ340間に侵入させることが困難なため、新聞本紙の厚さに応じてサバキローラ340とサバキブロック335との間を広げたり、新聞本紙の厚さに応じてバネ356による圧力を調整したりする等の調整手段が必要になる。
このようにして、新聞供給部1000は厚い新聞本紙から薄い新聞本紙までを一部ずつ分離して次段に送り出すことができる(新聞供給部1000について、詳しくは、前掲先行文献3を参照)。
なお、新聞供給が無い場合や部数が少ない場合は、自動で給紙する新聞供給部1000を用いず、その代わり、チラシ挿入部2000に手差しで新聞本紙を供給するようにしてもよい。
【0028】
次に、チラシEを、二次折りした新聞本紙NPの一次折部の折り合わせ側(後端N4,N5)を拡開する拡開手段を設けてチラシが挿入しうる拡開状態を形成してチラシを挿入して次段に送り出すチラシ挿入部2000について説明する。
本実施例におけるチラシ挿入部2000の構成は、前述した図5に示すように、新聞供給部1000から送られた新聞本紙NP(図中:矢印A)を開いてチラシEを折り込むモードと、単に自動給紙として、新聞供給部1000から送られた新聞を次段に送る自動給紙モードと、新聞供給部1000を用いず、チラシ挿入部2000から手差しで新聞本紙NP(図5中:矢印B又はC)を次段に送るモードとを選択して使用できるように構成されている。
以下に、チラシ折り込みモードが選択されている場合について説明する。なお、チラシ折り込みモードが選択されている場合、新聞供給部1000から送り出される新聞は、殆どの場合、朝刊紙であり、厚さは新聞本紙に表示されている頁数で表現すると約30ページ〜40ページの厚さのものである。
【0029】
図10はチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図である。図10を参照して説明すると、新聞供給部1000内の搬送機構1360から送り出される新聞本紙の先端N6は、前方に設けた案内壁410と案内板429によって向きを変えて、チラシ挿入部2000の入口に設けた、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427による位置決めローラ対2425に誘導される。
チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000から受け取った新聞本誌NPを、所定位置に位置決めするための新聞位置決め機構2420と、新聞本紙NPを開いてチラシEを挿入できる状態にするための新聞拡開機構2450と、拡開した新聞本紙NPにチラシEが挿入されたことを確認するためのチラシ挿入確認機構2480と、チラシ挿入部2000内の新聞本紙を包装機等の次段に排出するための排出機構2500等から構成される。
【0030】
図11はチラシ挿入部2000の概略斜視図を示すが、図10及び図11を参照して新聞位置決め機構2420を説明する。
新聞位置決め機構2420は、新聞供給部1000から送り出される新聞を受け取りチラシ挿入部2000内に新聞を搬送するための位置決めローラ対2425と、位置決めローラ対2425によって搬送される新聞の位置を検出する複数のセンサ機構(センサ機構2435、センサ機構2445、センサ機構2455、センサ機構2465)と、位置決めローラ対2425を通過した新聞本誌の先端N6を所定方向に誘導するためのガイド機構2490を備えている。
位置決めローラ対2425は、図11に示すように、上下に複数の摩擦ローラを配した挟持搬送機構であるが、その機能は、新聞本紙NPを所定の位置に搬送するのみならず、前述した新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。そのために位置決めローラ対2425における上下の摩擦ローラは、図13に示すような配置になっているとともに、上下の摩擦ローラの駆動軸は、後で詳しく説明するが、それぞれ別個の駆動モータに連結されて、同時または別個に制御することができ、新聞本誌NPの搬送時と、新聞本誌NPの拡開時の両方に備えている。
【0031】
図11に示すように、位置決めローラ対2425の下側は(装置の前面から見て奥側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された下位置決めローラ軸426に複数の下摩擦ローラ427を装着している(複数の下摩擦ローラ427の位置関係は図13に基づき後述する。)。
一方、位置決めローラ対2425の上側は(装置の前側)、左右側板(図示せず)間に回転自在に支持された上位置決めローラ駆動軸465を回動支点とした左右一対の上搬送レバー466を設け、この左右一対の上搬送レバー466の先端に、回転自在に設けた上位置決めローラ軸428上に複数の上摩擦ローラ433を装着している。(複数の上摩擦ローラ433の位置関係は図13に基づき後述する。)
左右一対の上搬送レバー466はそれぞれバネ(図示せず)によって、上下の搬送ローラ(433,427)が所定の圧力で接するように付勢され、また、上位置決めローラ軸428と上位置決めローラ駆動軸465はタイミングベルト467で連結していて、上位置決めローラ駆動軸465を駆動すると、上摩擦ローラ433が駆動されるようになっている。
そして前述したように、下位置決めローラ軸426は下位置決めモータMT1(上ステッピングモータ)に、上位置決めローラ軸駆動465は上位置決めモータMT2(下ステッピングモータ)に連結しており、これら下位置決めモータMT1、および、上位置決めモータMT2は、それぞれ、後述する図24に示すように、別個のステッピングモータ駆動機構(下位置決めローラ駆動機構2431と上位置決めローラ駆動機構2432)に接続していて、これらは演算装置3000によって回転制御される。
このように上下の摩擦ローラの駆動モータにステッピングモータ(下位置決めモータMT1、上位置決めモータMT2)を用いると、上下のそれぞれの摩擦ローラの回転速度、回転方向、停止、(及び、停止後、保持電流を流してロック状態)にする等を自由に制御でき、自由に回転制御したり、上下摩擦ローラの一方を停止させたり逆方向に回転させたりすることが可能である。
【0032】
そして、図10、図11に示すように、左右一対の上搬送レバー466の両外側には、前述したように、搬送機構1360により送り出される新聞本紙の先端N6を垂直方向に誘導するための案内壁410が設けられている。左右一対の上搬送レバー466は前記案内壁410に挟まれて、その内側を新聞本紙の厚みに応じて回動するようになっている。さらに、左右一対の上搬送レバー466には、案内板429が固着されている。このようになっていて、コシの弱い薄い新聞本紙の先端N6は、まず案内壁410によって下方に向きを変えてから、左右一対の上搬送レバー466間に設けた案内板429により位置決めローラ対2425に誘導され、また、コシの強い厚い新聞本紙の先端N6は案内壁410によって下方に向きを変えるとともに案内板429を押し上げ位置決めローラ対2425を開きながら、湾曲状に形成された案内壁410に沿って下方に向きを変え位置決めローラ対2425に達するようになっている。
位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端N6は、ガイド機構2490によって排出ローラ対2520(排出機構2500)に向かって誘導される。
図10、及び、その斜視図11に示すように、下流のガイド機構2490は上ガイド壁(板)491(装置前方よりみて奥側)と下ガイド壁(板)492(装置前方より手前側)と左右側壁(板)493,494で、下流側ほど狭くなるロート状に構成されている。
図10に示すように、下ガイド壁492は水平より約45度程度傾いていて、その壁(板)上の新聞本紙が重力で滑落するような傾斜を有し、位置決めローラ対2425を通過した新聞本紙の先端は下ガイド壁492の傾斜によって装置奥側に方向転換され排出ローラ対2520に向かって誘導され、また、このとき、新聞本紙は、図10、及び 図16に示すように、湾曲状態に形成されるため、後述する、新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。
また、チラシ挿入部2000を構成するガイド機構2490は、下ガイド壁(板)492は該下ガイド壁(板)上にチラシを手差し供給できるように十分な大きさの手差し供給用開口を構成するため、上ガイド壁(板)491は上方に大きく開口するロート状であり、左右側壁(板)493,494(図11を参照)を設けてチラシが的確に新聞本紙の折部の開拡した折り合わせ側の間に挿入出来るように構成されている。
また、このチラシ挿入部2000には、チラシ折り込み装置1の前面で、下ガイド壁(板)492の上流側には、前面側にコの字型に形成したチラシ挿入ガイド651(図1を参照)で囲ったチラシ挿入口650(図1を参照)が形成され、このチラシ挿入口650にチラシを上から投入すると、チラシは落下してチラシ挿入口650を通過し、新聞拡開機構2450によって開かれた新聞内に、チラシが挿入されるように、チラシ挿入口650は下ガイド壁492の上方で、やや内よりに設けられている。
勿論、この供給用開口は、手挿入に代えて、本装置と同期を取ってチラシを自動給紙する場合にも対応できる。また、後述するようにチラシ挿入確認手段が設けられ、チラシ挿入が確認されなければ自動的に次の作業には移らない手差し供給制御してもよく、作業者がチラシをチラシ挿入口650から手作業で挿入した後、確認スイッチ等を押すようにしてもよい。
本実施例では、図10、及び、図11に示すように、チラシ挿入ガイド651とチラシ折り込み装置1の前面間には、センサ機構2435と同様に、投受光素子からなるチラシ検出センサ対653を備えて、チラシ挿入口650を通過するチラシを検出できる構成になっている。そして、チラシ検出センサ対653が遮光状態から遮光状態解除に変化したとき、チラシがチラシ検出センサ対653を通過したことになる。チラシ挿入完了の認識としては、更に、チラシEが新聞本紙の所定位置まで収まるまでの時間(落下時間)を考慮すれば確実となる。本実施例のチラシ挿入確認機構2480はこのようになっている。
【0033】
以上述べたチラシ挿入部2000の構成によって、本実施例のチラシ折り込み装置は自動給紙機能、チラシ折り込み機能、手差し給紙機能が実現できるようになっている。
また、詳しく後述するが、位置決めローラ対2425は新聞本紙の所定位置に搬送する新聞位置決め機構2420の一部を構成するとともに、チラシ挿入モードにおいては、搬送途中において新聞の2層の内の1層を早く移送して両層を分離した後に、早く移送した層を位置決めローラ対2425から開放してチラシEを挿入し得る拡開状態にするための新聞拡開機構2450の一部を構成するものである。
従って、位置決めローラ対2425の構成は、上記目的に適したものが望ましく、また、使用する摩擦ローラについても、新聞と摩擦ローラとの摩擦が、折り合わされた新聞の内側層同士の摩擦よりも遥かに大きいことが望ましい。
【0034】
図12は、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の構造を示すものである。
図12に示すように、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433は、新聞本紙NPと大きな摩擦接触を得るために、ゴム等の弾性材料を用いて成型した摩擦リング427bをボディ427aに被せて形成し、摩擦リング427bは容易に交換できる構造になっている。更に、下摩擦ローラ427と新聞本誌との摩擦を大きくするために摩擦リング427bの表面はたくさんの溝427cが形成されている。
なお、本実施例では、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433は同一のものが使用され、摩擦リング433bをボディ433aに被せて形成し、摩擦リング433bは容易に交換できる構造になっており、上摩擦ローラ433と新聞本誌NPとの摩擦を大きくするために摩擦リング433bの表面はたくさんの溝433cが形成されている。
そして、下摩擦ローラ427はボディ427aを下位置決めローラ軸426に固着することにより下位置決めローラ軸426上に固定される。同様に、上摩擦ローラ433はボディ433aを上位置決めローラ軸428に固着することによって上位置決めローラ軸428上に固定される。
図13は位置決めローラ対2425における、上下の摩擦ローラ(433,427)の位置関係を概略的に示す図である(図10の矢印Aで示す方向から見た概略図)。
また、図23は位置決めローラ対2425がチラシを挿入し得る状態に新聞本紙を拡開する様子を示した斜視図であり、図23も参照しながら位置決めローラ対2425の概要について説明する。なお、図23(a)は新聞本紙を移送・分離しているときの様子を示し、図23(b)は、チラシを挿入し得る状態に新聞本紙を分離・開放した時の様子を示すものである。
図13、および、図23に示すように、下位置決めローラ軸426上の下摩擦ローラ427は複数固着され、新聞の左右の縁が通過する位置にそれぞれ下摩擦ローラ427A〜427Eを配置し、新聞の一次折線(PL)が通過する辺りから(装置前側から向かって左側)中央に向かって、427B、427C、及び、中央よりやや右よりに427Dを配している。
一方、上位置決めローラ軸428上の上摩擦ローラ433は、下摩擦ローラ427B、427C、427Dに対抗して上摩擦ローラ433B、433C、433Dが配設されている。(このように、新聞の一次折り線(PL)が通過する側に多く配置する構成であるが、上摩擦ローラ433の位置、及び、数は適宜調整されるべきものである。なお、本実施例では、新聞の一次折り線(PL)が通過する位置に上摩擦ローラ433が配設されていないのは、後述するように、新聞の移送を検知するために設けた検知コロ701が一次折り線(PL)が通過する位置に配置されているためであり、上摩擦ローラ433が新聞の一次折り線(PL)通過位置に設けても良いことは言うまでもない。)
【0035】
上述したように位置決めローラ対2425は、上下の摩擦ローラ(427,433)を幅広く対抗させているので、新聞供給部1000から新聞本紙を受け取ってチラシ挿入部2000内に新聞本紙を搬送して位置決めするのに適しており、また、下摩擦ローラ427に対抗して配置される上摩擦ローラ433を新聞本紙の一次折り線が通過する側に多く配置して位置決めされた新聞を拡開するのに、適した構成になっている。
ここで、位置決めローラ対2425の新聞拡開動作を説明するまえに、本発明の新聞拡開動作の要点について説明する。
図14は新聞を拡開する原理を説明するための概略説明図である。
図14(a)は新聞本紙の先端N6(二次折部の折り畳み側の先端部)を下にし、新聞本紙の両面を摩擦部材M1,及びM2で挟んだ状態を示す側面図である。また、図14(b)は、その正面図である。この図では、二次折りした新聞の2層の内、開かせる側の新聞層をN4(二次折部の折り合わせ側の手前:後端)、開かせない側の新聞層をN5(二次折部の折り合わせ側の奥側:後端)とし、新聞を挟む摩擦部材M1、及び、M2は、図14(a)に示すように、新聞本紙の後端で、図14(b)に示すように一次折り線側に近くやや広めで接触面積を大きくしている。このように一次折り線(PL)近くに作用させることにより、一次折りされて形成された新聞層の紙面がばらばらになることを防ぎ、層単位でまとめて移送・分離させることができる。この状態で図14(a)に示すように、摩擦部材M1,及びM2を適当な圧力で新聞本紙を抑えながら、折り併せ側N4がN5より先端N6側に進むように、摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を同時、又は、いずれか片方の摩擦部材を矢印X方向に作用させる。
そのとき、図14(c)に示すように、予め、N5側の新聞層(後端N5側)を内側にして、新聞本紙を湾曲させてから摩擦部材M1及びM2を矢印X方向に作用させると、図14(a)の湾曲の無い条件に比べて遥かに容易に両層を分離させることができる。逆に、図14(c)の矢印Y方向に移動させたときは、分離させることは遥かに困難である。
図14(c)は開かせる側のN4側の摩擦部材を移動した例であり、図14(d)は開かせない側のN5側の摩擦部材を、先端N6に対して逆方向に移動した例であり、いずれの場合も、湾曲がない直線状の場合に比べて容易に両層を分離することができる。
以上は、新聞を立てた場合での説明であるが、新聞の向きによらず同様の効果があることは言うまでもない。
【0036】
図15は、図14で示した摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を摩擦ローラに替えて、摩擦ローラの回転によって、一方の層を移動して両層を分離するようにしたものである。なお、図15乃至図20で下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の回転を示す矢印→、及び、停止(固定。ロック)を示す点●は、その近傍の外側に表示する。
図15(a)は、図14(c)に示した摩擦部材M1に替えて摩擦ローラR1(下摩擦ローラ427に相当)に、摩擦部材M2に替えて摩擦ローラR2(上摩擦ローラ433に相当)に替え,摩擦ローラR1と摩擦ローラR2とは適度な圧力で新聞を抑えている状態を示すものである。なお、このとき、摩擦ローラと新聞との摩擦が、新聞の内側層同士の摩擦よりも充分大きくなるように、摩擦ローラR1及びR2は適度に大きく、その作用点も新聞の一次折り線(PL)近傍から、内側に適度に広く分布させるようにする。
図15(b)は、摩擦ローラR1を固定(停止)した状態で、摩擦ローラR2を矢印の方向に回転させ、新聞本紙の後端N4を所定距離(距離)aだけ後端N5より下流側(N6側)に早く移送させた時の様子を示したものである。
図15(b)は、N4側の層を下流方向に移動させた例であるが、図15(c)は、逆に、摩擦ローラR2を固定させて摩擦ローラR1を矢印の方向に回転させ、新聞本紙の後端N4を所定距離aだけ後端N5より下流に移送させた状態にした時の様子を示したものである。このように、摩擦オーラR1と摩擦ローラR2の回転差(回転量の差)によって、一方の層を他方の層よりも所定量早く移送して両層を分離(移送・分離)する事ができる。図15(b)の場合は、摩擦ローラR1の回転(量)は0だから、摩擦ローラR2の回転(量)が回転差(回転量の差)になり、図15(c)の場合は、その逆になる。従って、図14(a)の矢印Xで示したように、摩擦ローラR2を図15(b)で示した方向に回転することと、また、摩擦オーラR1を図15(c)で示した方向に回転することを同時に行なえば、互いに、逆方向であるから、摩擦ローラR1の回転と摩擦ローラR2の回転を足したものが回転差(回転量の差)になる。
このようにして、摩擦ローラR1の回転と摩擦ローラR2の回転差によって、一方の層を所定量、移送して、両層を分離することができる。なお、摩擦ローラの回転を立ちあげるとき、滑ったりして、多少誤差が生じる場合を含めて、経験的に移送する量(所定量)や、回転差(回転量)を設定すると良い。
次に、図15(b)または、図15(c)に示すように所定量a移送されると、次の段階として図15(d)に示すように、摩擦ローラR1、および、摩擦ローラR2を、ともに排出方向である矢印R方向に回転させて新聞を矢印Z方向に移動させると、先に進んだ後端N4が摩擦ローラR1,R2を抜けて落下し、遅れた後端N5を摩擦ローラR1,R2で挟持したまま停止させると、新聞本紙の先端N6を下側にして、一方の層(N4側)のみを摩擦ローラR1,R2から開放(分離・開放)し、チラシを挿入し得る状態に後端N4とN5とを拡開することができる。そして、チラシが挿入された後に図15(d)に示す状態から、再度、摩擦ローラR1、および、摩擦ローラR2を、ともに排出方向である矢印R方向に回転させると、後端N5は摩擦ローラR1,R2を抜けて落下しチラシが挿入された新聞の閉じ動作が行なわれる。
このようにして、摩擦ローラR1及びR2を制御して、二次折りされた新聞本紙の折合わさった両層の移送・分離と分離・開放の動作を行なわせることができるものであるが、更に、摩擦ローラR1及びR2を新聞供給部1000から新聞本紙を受け取ってチラシ挿入部2000内に新聞本紙を搬送して位置決めする位置決めローラ対2425として使用することにより、新聞本紙の挟持・搬送機構、移送・分離機構、分離・開放機構の一部を兼用でき、持部品点数の増大を防ぎ、シンプルで低コスト化することができる。
本実施例における拡開機構2450は、上述した原理に基づき動作するように構成されたものである。
【0037】
次に、新聞本紙を拡開してチラシEを挿入する一連の拡開機構2450の動作を更に詳しく説明する。
ここで、図10、及び、図11に戻って、センサ機構2435,2445、2455の構成と作動を詳しく説明すると、センサ機構2435、2445、及びセンサ機構2455は、それぞれ、新聞本紙の有無を検知するための投受光素子からなる光センサ対436、光センサ対446、光センサ対456からなり、新聞本紙が、投受光素子からなる光センサ対の間を通過することにより新聞本誌の有無や先端、後端の検知、及び、通過の時期・時間を検出できる。
図16は新聞拡開機構2450の一連の動作の実施例1を側面から示したものである。図10、及び、図11を合わせて参照しながらこの動作を説明する。
図16(a)は、新聞供給部1000を作動させて新聞を送り出し、同時に位置決めローラ対2425を作動させて、新聞供給部1000から送り出された新聞を受け取る様子を示すものである。上側の摩擦ローラ433、及び、下側の摩擦ローラ427は、図16(a)の矢印で示す方向に同速度で回転するように駆動される。なお、このときの位置決めローラ対2425の周速は新聞供給部1000の送り出し速度と同等、乃至は、やや早い速度で回転させるとよい。
図16(b)は、図16(a)の状態から更に進んで、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過したときの様子を示したものである。このとき、新聞本紙の先端N6が下ガイド壁492に達し装置奥側に方向転換される様子も示す。また、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過したことが検出されると同時に、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータは下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433に対して、高速状態から確実に制御可能な速度に回転速度に落とすことを行なう。このようにすれば、新聞本紙の搬送を高速で開始し、搬送後半で、次に述べる制御を可能とするものである。
【0038】
図16(c)は、更に進んで、新聞の後端N4,N5がセンサ機構2445によって検出され、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータを停止させると共に、モータに保持電流を流してモータをロックさせ新聞を一旦停止させたときの様子を示す。このとき、新聞本紙の先端N6は、さらに装置奥側(下方)に進み、新聞本紙は開かせない側の層を内側(装置奥側)にして湾曲状に形成される。なお、このとき、前述したように、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2455を通過してから、新聞の後端N4,N5がセンサ機構2445によって検出されるまでに、確実に停止・ロックできる速度になるように減速制御が行なわれる。
図16(d)は、更に進んで、下摩擦ローラ427をロック(固定)状態にした状態で、上摩擦ローラ433を矢印の方向に、適度な速度で所定量回転させ、開かせる後端N4の層を所定量(距離)進ませるときの様子を示すものである(図23(a)を参照)。このとき、下摩擦ローラ427がロック状態であるので、開かせない側のN5層は動けず、一方、開かせる側のN4層は、図15(b)で説明したように、上摩擦ローラ433の回転にともない上流側(N6側)に移動する。
【0039】
なお、所定量とは、開かせる側の後端N4が、開かせない側の後端より前側に移送される量又は距離で、この量は後述する分離・開放動作を確実にする量として経験的に決めればよい。(上摩擦ローラ433の径など、システムを構成する他の要素のパラメータによっても変動するが40mm〜50mmあれば充分である)また、適度な速度とは、上摩擦ローラ433が所定量回転したとき、開かせる側の後端N4が、開かせない側の後端N5より、確実に所定量下流側(進行側)に移送するのに適した速度で、やはり、システムを構成する他の要素のパラメータによっても変動するので、経験的に決定すべきものである。また、駆動モータにステッピングモータを用いれば、速度を段階的に変えた最適な経験値の速度カーブを用いることも可能である。
また、前述した新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことを検知して、上下の摩擦ローラ427、433を一旦停止・ロックした後、下摩擦ローラ427をロック状態を維持しながら上摩擦ローラ433を適度な速度で所定量回転させるようにしているが、図16(b)から図16(c)に至る過程で、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427の両摩擦ローラの速度制御次第では、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことを検知した時点で、(上摩擦ローラ433を一時停止することなしに)下摩擦ローラ427のロック(固定)と上摩擦ローラ433の所定量回転の処理に移るようにしても良い。
【0040】
図16(e)は、移送・分離された層を分離・開放する様子を示すものである。
図16(e)は、図16(b)〜(d)において、上摩擦ローラ433を所定量回転させ後端N4側の新聞本紙を所定量移送した後に、すなわち、上摩擦ローラ駆動用のステッピングモータを所定のステップ数を回転させた後に、上下摩擦ローラ(上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427)を矢印方向に同速度で回転させ、開かせない側の新聞本紙の後端N5がセンサ機構2435を通過したことが検知されると、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433を停止したときの様子を示し、図16(e)〜(f)は、保持電流を流してロック(固定)したときの状態を示すものである。このとき開かせる側の新聞本紙の後端N4は、位置決めローラ対2425の拘束から開放され矢印xの方向に落下する。一方、開かせない側の新聞本紙の後端N5は下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433に挟まれて停止する。
このとき、次の図16(f)に示す状態になってチラシEが挿入できる新聞拡開状態になる(図23(b)を参照)。このようにして上下摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態から、上下摩擦ローラを同速度で回転させて新聞本紙を上流側に送ることにより、早く移送した層を上下摩擦ローラからなる挟時・移送手段より分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことによって、新聞本紙を安定した姿勢で拡開し、チラシEが楽に挿入できる状態を形成できるとともに、上下摩擦ローラ(427,433)の動きは、常に、新聞本紙を前送りする方向であって、無理がなく、シンプルな動作にすることができる。
なお、この場合、分離・開放のタイミングは、上摩擦ローラ433の駆動モータを所定ステップ数を回転させた信号によるが、後述するように、移送される新聞の層が所定量移送されたことを検知する移送検知手段を用いて、この移送検知手段の信号に基づくようにするとより確実である。
図16(f)は、拡開状態の新聞本紙にチラシEが挿入される様子を示す。
図16(g)はチラシ挿入確認機構2480によって、チラシEが挿入された情報に基づいて下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433を矢印方向に回転し、拘束されていた側の新聞層を送り出し、新聞を閉じる様子を示すものである。
なお、チラシEが挿入された情報とは、前掲の先行特許文献3(チラシ類折り込み装置)に開示したチラシ挿入確認手段や、その他の手段を用いても良い。
図16(h)は、排出機構2500を駆動して、チラシEが挿入し終わった新聞本紙を排出する様子を示すものである。
図16のプロセスに示したように、また、図23に示すように、新聞拡開手段は、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425(挟持移送手段)の挟持から新聞本紙を開放することなく、移送・分離、及び、分離・開放できるため、機構をシンプルに構成でき、また、新聞本紙の位置決めから拡開動作までがスムースで、チラシ挿入が手作業であっても、リズミカルなチラシ挿入ができる。また、新聞本紙を拡開したとき、図23(b)に示したように、開かせない側の層は、位置決めローラ対2425によって挟持状態が維持されるため、安定した拡開状態が維持されるとともに、後述する、チラシが挿入された前の新聞本紙NP1を下ガイド板492上に残したまま、次段の装置への排出をまたずに、次の新聞本紙NP2の拡開を行なうことができ、処理時間の短縮を図ることができる。
なお、排出機構2500の概略を図10に戻って説明すると、排出機構2500の排出ローラ対2520は、位置決めローラ対2425と同様、上下の排出ローラ563による挟持搬送機構で、排出ローラ対2520の下側は、チラシ挿入部2000内に設けた左右側板間に、回転自在に支持された下排出ローラ軸521に中心から左右均等位置に2つの排出ローラ563がワンウェイクラッチを介して設けられており、また、排出ローラ対2520の上側は、前記左右側板の外側にそれぞれ回動支軸を設け、一方の回動支軸は回転自在に支持されていて排出ローラ駆動機構2530(図24を参照)に連結しており、この左右の回動支軸を回動支点とした左右一対の排出レバーを左右側板の外側に配置し、左右の排出レバー先端には、下排出ローラ軸521に対抗して回転自在に設けた上排出ローラ軸528を左右側板間を貫通して設けている。この上排出ローラ軸528上には、2つの排出ローラ563が下側と同様ワンウェイクラッチを介して前記下側の排出ローラ563と対向して設け、左右一対の排出レバーはそれぞれバネによって、上下の排出ローラ563が常時所定圧力で接するように付勢されており、排出ローラ対2520の上排出ローラ軸528は排出ローラ駆動機構2530に連結した回動支軸とタイミングベルトを介して連結している。そして、上排出ローラ軸528と下排出ローラ軸521が、図示の方向で、互いに逆回転になるように反転機構(図示せず)を介して、それぞれ排出ローラ駆動機構2530に連結しており、上下の排出ローラ563がチラシ挿入部2000内の新聞本紙を挟持して排出できるように構成されている。
また、排出ローラ対2520の手前側には新聞本紙N6の有無を検知するための投受光素子で構成される光センサ対551からなるセンサ機構2550が備えられている。
そして、光センサ対551が新聞本紙NPの先端N6を検知すると、下流の装置に新聞本紙N6を排出する(なお、詳しくは、前掲先行文献3を参照)。
【0041】
図17に示す例は、図16とほぼ同じ構成ではあるが、一方の層を移送して両層を分離するプロセスが異なる実施例2を示すものである。
図17において、図17(b)までは図16(b)と同等のプロセスを辿る。
図17(c)は、図16(c)に対して、新聞本紙の後端N4,N5がセンサ機構2435によって検知された時、下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433のそれぞれの駆動モータを停止させると共にモータに保持電流を流してモータをロックさせて新聞を停止した状態を示すものである。
図17(d)は、上摩擦ローラ433をロック(固定)した状態で、下摩擦ローラ427を矢印方向(進行方向と逆方向)に回転して、開かせない側の層の後端N5をセンサ機構2445まで戻した時の状態を示すものである。
図17(d)の状態は、図16(d)の状態とほぼ同様な状態になるので、図17(e)以降は図16(e)以降の状態と同じプロセスを行なえば良いことになる。
この図17(c)〜 図17(d)に示す移送・分離方法では、一旦、止めてから、開かせない側の後端N5の層を逆方向に戻すため、処理速度は遅くなるが、また、後述するような移送検知手段を用いずとも、移送されたことが確実に検知されるために、確実であり、低コストである。
なお、図16(d)、または、図17(d)に示すような、新聞本紙の後端N4が後端N5より先端N6側に所定量移送された状態から、図16(f)に示すような一方の層を開放してチラシを挿入し得る状態に新聞を開かせるための分離・開放手段として、前掲の先行特許文献3で示唆したように、下摩擦ローラ427を固定した状態で、上摩擦ローラ433を(転がしながら)後方(上流側)に所定量移動させて、上摩擦ローラ433を新聞本紙の後端N4からはずすとともに、新聞本紙の後端N5を上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で挟持させた状態にする手段等を用いても良いことは言うまでもない。
以上述べたように、この実施例2では、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433で新聞を挟持して新聞の搬送と、開かせない層を逆送りして開かせる側の層の移送・分離を行ない、同じく、下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433を制御して開かせる層を分離・開放することができる。この場合、逆送りした移送量をセンサ対で検知することができるので、確実であり、また、実施例1と同様、位置決めローラ対2425で搬送、拡開、分離開放ができるので簡単で、低コストで、また、高速である。
【0042】
図18は、図16に示した各プロセスを適度に重ねることにより、連続の処理時間を速めることができることを示すものである。(すなわち、前の処理の終了を待たずに次の処理を行なう。)
いま、図16(a)から図16(e)に至ったとして、図18(a)は、図16(e)の状態を示し新聞本紙にチラシEが挿入し得る状態になっている。図18(b)は図16(f)の状態と同様、チラシEが挿入されている状態を示す。
図18(c)は図16(g)の状態と同様、チラシEが挿入された情報に基づき、上下の摩擦ローラ(位置決めローラ対2425)を駆動してチラシEが挿入された新聞を閉じる動作を行なう様子を示すが、この位置決めローラ対2425の起動とともに、次の新聞本紙NP2の送出要求を新聞供給部1000に発し、前の新聞本紙NP1が閉じる動作の最中に位置決めローラ対2425は次の新聞本紙NP2の受け入れ態勢に入っていることを示す。
図18(d)は、次段の包装機4002が受け入れ態勢でなく、排出機構2500が作動されていない状態の例を示す。このとき位置決めローラ対2425でチラシ挿入部2000内に搬送された新聞本紙NP2の先端N6は、下ガイド板492上に待機しているチラシEが挿入された前の新聞本誌NP1上をなぞって装置内側に向きを変え湾曲状態を形成する。なお、この例では、前の新聞本紙NP1は下ガイド壁(板)492上で静止しているが、この新聞本紙NP1が排出中であっても新聞本紙NP2の動作に支障ないことは言うまでもない。
【0043】
図18(e)は、前の新聞本紙NP1が未排出の状態にあっても、図16(c)〜図16(f)のプロセスを実行して新聞本紙NP2を開きチラシEを挿入している様子を示す。
図18(f)は前の新聞本紙NP1が排出されている様子を示す。このとき次の新聞本紙NP2は開かせない側の新聞本紙の先端N5の層が位置決めローラ対2425によって挟持されていて、この状態では図18(f)に示すように先端N6は、排出ローラ対2520に届かないように設計されていて、前の新聞本紙NP1のみが排出されるようになっている。
なお、図18(c)〜図18(f)のプロセスのいずれの時期に前の新聞本紙NP1の排出が生じても、図18(c)〜図18(f)における次の新聞本紙NP2の拡開、チラシ挿入までの作業は並行して行なうことができることは言うまでもない。
図18(g)は、前の新聞本紙NP1の排出が終了して排出ローラ対2520の駆動が停止されると、図16(g)に示したものと同様、位置決めローラ対2425を駆動してチラシが挿入された新聞本紙NP2の閉じ作業を行なう。新聞本紙NP2が位置決めローラ対2425から開放されると新聞本紙NP2は下ガイド板492上を滑落して、その先端N6は排出ローラ対2520に達する。図18(g)の状態は図18(c)と同じで以降同様のプロセスが進行して連続動作が行なわれる。
以上示したように、本発明の実施例(例えば、実施例1に続く工程の場合、実施例2でも同じ)の構成では、排出プロセスを待たずに、次の新聞本紙のチラシ挿入プロセスまでを重ねて実行できるので無駄時間がなく、従って全体として、連続の処理時間を速めることができるので更に高速にすることができる。
このように、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425によって、搬送、移送・分離、分離・開放、新聞本紙の閉じ動作が行なわれるため、先行特許文献3に比べてスペースに余裕ができ、また、開かせない側を位置決めローラ対2425で挟持するようにしているため、先行特許文献3に比べて拡開状態が安定しており、また、搬送途中で拡開動作に入れるので、次の新聞本紙のチラシ挿入プロセスまでを重ねて実行する場合、有利である。
【0044】
さて、上述したように、図17(c)〜(d)に示す下摩擦ローラ427の移送・分離動作において、一方の層が確実に所定量移送した情報に基づき次の動作に入れるので確実であることを述べたが、図16(c)〜(d)に示す上摩擦ローラ433の移送・分離動作においても、一方の層が確実に所定量移送したことを検出する移送検知機構2700(図13を参照)を設けることにより、確実な拡開動作が実現できる。
そこで、上述の2つの移送・分離手段を用いれば、第一の移送・分離手段(実施例1)で一方の層が所定量移送できなかったとき、第二の移送・分離手段(実施例2)を用いることにより、より確実に移送・分離動作を実現できる駆動手段を設けている。
【0045】
移送検知機構2700の一例として、図11、図13、及び、図23に示すように、上摩擦ローラ433が接触する紙面に接触する検知コロ701を設け、図23(a)に示すように、上摩擦ローラ433の回転により紙面が移動すると、検知コロ701が回転し、検知コロ701の回転・停止、または、回転量などを検出して、所定量移動したことを検出することができる。図23(a)に示すように、上摩擦ローラ433が矢印Bの方向に回転して紙面が前方(下流に)移動すると、検知コロ701も矢印Cに示すように回転する。
図11、図13、図23に示すように、検知コロ701(図11に示すように)は、検知アームブラケット704に回転自在に設けたコロセンサ軸705を回動支点とした検知アーム702の先端に、回転自在に設けた検知コロ軸703に固着されていて、検知コロ701が回転すると検知コロ軸703も回転するようになっている。なお、検知アーム702は側板210の外側に、検知コロ701は側板210の内側になるため、図11に示すように、検知コロ軸703が側板210に設けた切り欠き215を貫通して配置される。そして、検知コロ軸703上に設けたプーリ706とコロセンサ軸705上に設けたプーリ707はタイミングベルト708で連結しており、また、検知コロ701が回転するとコロセンサ軸705も回転するようになっている。
一方、コロセンサ軸705上には、多数の検知穴710を有したセンサ板709が固着されているとともに、センサ板709上の検知穴710の通過を検知するフォトインタラプタ711が検知アームブラケット704上に設けられていて、検知コロ701の回転量は、フォトインタラプタ711の出力パルス数として計測されるようになっている。
なお、検知コロ701の回転量に対してセンサ板709の回転量を大きくして検出の分解能を上げるために、検知コロ701側のプーリ706の径はプーリ707より大きく取るようにするとよい。
そして、検知アームブラケット704は、検知コロ701が、ほぼ、上摩擦ローラ軸の延長上で新聞の一次折線上に設けられ、下摩擦ローラ427Aに対抗して配置されるように側部(図示せず)に固定されるとともに、検知コロ701が適度な圧力で紙面に接触するように、検知アーム702はバネ(図示せず)によって付勢されている。なお、バネは図示されていないが、検知コロ701は図11の矢印A方向に付勢されている。
この状態で、新聞が位置決めローラ対2425に進入するとき、新聞本紙の一次折線部も検知コロ701と下摩擦ローラ427A間に侵入し(図13を参照)、新聞が移動すると検知コロ701が回転するようになっている。
なお、本実施例の構成では、検知コロ701は新聞本紙NPが無い時は前記付勢バネにより下摩擦ローラ427A(図13を参照)に接触しているので、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するので、従って、移送検知機構2700が新聞の移送量を検知するときは、後述するように、センサ機構2435とセンサ機構2465とが新聞が「あり」を検出している時を、新聞本紙NPの移動によって検知コロ701が回転しているとみなすように電気的に判断するようにすればよい。
または、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するのを防ぐために、図示しないが、機械的に(ストッパ等用いて)、検知コロ701が下摩擦ローラ427Aにぎりぎり接触しないようにして、所定の厚さ以上の新聞だけに検知コロ701が反応するようにしてもよい。
【0046】
図19は、前述したような、移送検知機構2700により、所定の移送量を検知してから分離・開放を行なう動作の実施例の一例を説明するための側面図である。図20は、移送検知機構2700により、所定の移送量が検知されなかったときに行なわれる前記第二の移送・分離手段による動作の一例を示す側面図である。図21、及び、図22には、この場合のタイムチャートを示す。なお、図19、及び、図20においては、図23に示す矢印A側から見た側面図であり、検知コロ701、と上摩擦ローラ433が重なっているため、図中、検知コロ701の回転を示す→矢印、及び、停止(固定、ロック)を示す点●は、上摩擦ローラ433の内側に表示し、一方、上摩擦ローラ433の回転を示す矢印→、及び、停止(固定:ロック)を示す点●は外側に表示する。
なお、構成の具体的な一例として以下の条件にて説明を行なう。
下摩擦ローラ427、及び、上摩擦ローラ433の直径は50mmである。
センサ機構2435の検出位置は、位置決めローラ対2425の下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の接点から上流側に10mmとする。
センサ機構2465の検出位置は位置決めローラ対2425の下摩擦ローラ427と上摩擦ローラ433の接点から下流に10mmとする。
センサ機構2445の位置は、センサ機構2435から上流に50mmである。
センサ機構2455の位置は、センサ機構2445から上流に50mmである。
所定移送量は50mm前後とする。
上摩擦ローラ433の上ステッピングモータ(上位置決めモータMT2)と上位置決めローラ軸428との連結比は1対2とする。(連結比1対2とは上ステッピングモータが1回転すると上位置決めローラ軸428が2回転する)
下摩擦ローラ427の下ステッピングモータ(下位置決めモータMT1)とした位置決めローラ軸428との連結比は1対2とする。
上ステッピングモータ(上位置決めモータMT2)、及び、下ステッピングモータ(下位置決めモータMT1)の1ステップ当たりの回転量は1.8deg/ステップ、従って、1回転当たりのステップ数は200ステップである。
検知コロ701の直径は50mmとする。
プーリ706とプーリ707の連結比は1対3とする。
【0047】
検知穴710はセンサ板709上に等間隔に12個/1周とする。
この実施例では、新聞本紙NPの後端N5が位置決めローラ対2425を通過したことを確認するためにセンサ機構2465を設けているが、位置決めローラ対2425の駆動モータはステッピングモータであるため、駆動ステップ数で通過情報を代替できセンサ機構2465を省略することもできる。(なお、センサ機構2465は、センサ機構2435と同様、投受光素子からなる光センサ対457からなり、新聞本紙が、投受光素子からなる光センサ対の間を通過することにより新聞本誌の有無や先端、後端の検知、及び、通過の時期・時間を検出できる。)
上記条件であると、図16(d)で示したプロセスで所定移送量50mm程度を得るためには、上ステッピングモータを32ステップ回転させればよい。因みに、このときの移送量は32×1.8×2×50×π/360=50.2mmと計算される。
次に、移送検知機構2700により所定量を検知する場合について考察すると、センサ板709上の検知穴710は30度間隔であるから、フォトインタラプタ711が検出する1パルス当たりの検知コロ701の回転量は10度で、1パルス当たりの検出移送量は50×π×10/360=4.36mmであるから、フォトインタラプタ711の出力パルスが50/4.36=11.5パルスとなり、従って、計算上では11パルスを検知したとき48mm、12パルスを検知したとき52.3mmが移送されたことになる。
従って、移送検知機構2700を用いないときは、上ステッピングモータを32ステップ駆動することになり、また、移送検知機構2700を用いる場合は、11〜12パルスが検知されるまで上ステッピングモータを回転させればよい。
【0048】
上記の構成の作動を、図19、図20、図21、図22を参照して詳しく説明するが、チラシ挿入部2000は、新聞供給部1000に新聞送出要求を出すとともに、位置決めローラ対2425を回転させて、新聞の受け取り態勢にはいる。
図19(a)は、新聞供給部1000から新聞本紙NPが送り出され、新聞本紙の先端N6がセンサ機構2455に検出された時の様子を示しており、図21のタイムチャートの左側のA点に相当する。このとき、上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427で構成される位置決めローラ対2425は図示する方向で回転している。
図19(a)から図19(b)にかけて、新聞本紙NPの先端N6はセンサ機構2445を通過し、さらにセンサ機構2435を通過するとやがて位置決めローラ対2425に到達する。
図19(b)は新聞本紙NPの先端N6が、位置決めローラ対2425に食い込んだ様子を示し、図21においてタイムチャート図21のB点に相当する。このとき、新聞本紙NPの先端N6は同時に検知コロ701と下摩擦ローラ427Aとの間にも侵入する。
なお、図21に示す移送検知機構2700におけるフォトインタラプタ711の出力は、検知コロ701は新聞本紙NPが無い時は付勢バネ(図示せず)により下摩擦ローラ427Aに接触しているので、下摩擦ローラ427が回転すると検知コロ701も回転するので、図21に示すようにパルスを発生する構成になっている。従って、移送検知機構2700が新聞の移送量を検知するときは、センサ機構2435、及び、センサ機構2465が新聞が「あり」を検出している時を、新聞本紙NPの移動によって検知コロ701が回転しているとみなしている。
【0049】
図19(c)は新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2455を通過した直後の様子を示し、図21においてタイムチャートのC点に相当する。このとき、位置決めローラ対2425の上摩擦ローラ433(検知コロ701)、及び。下摩擦ローラ427はともに所定のステップ数毎に減速制御され、新聞本紙NPは徐々に減速する。なお、図21のタイムチャートでは、パルスの高さによって速度の相対的大きさを表している。
例えば、図21のタイムチャートのA点では、上摩擦ローラ433を駆動する上ステッピングモータ、及び、下摩擦ローラ427を駆動する下ステッピングモータは500PPS(パルス/秒)で回転していて、このとき位置決めローラ対2425の周速は50×π×2×500/200=785mm/秒であるが、図21のタイムチャートのC点から減速して、図21のD点では上ステッピングモータ、及び、下ステッピングモータは半分の250 PPSまで減速されるようにするものとする。但し、速度、減速カーブは装置により任意に決定されるべきものであることは言うまでもない。
【0050】
図19(d)は新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2445を通過した直後の様子を示し、図21のタイムチャートおいてD点に相当する。新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2445を通過したことが検知されると、位置決めローラ対2425は即時に停止(固定:ロック)し、検知コロ701も停止する。停止しロックされた状態は、図21、及び、図22のタイムチャートでは太線で、図19中では、上下それぞれの摩擦ローラの近傍に点で示している。
図19(e)は図21のタイムチャートのE点で示すように、僅かな時間(t1時間)後、下摩擦ローラ427をロック状態に保ったまま上摩擦ローラ433を矢印の方向に回転した時の様子を示す。(上下の摩擦ローラ(433,427)を停止するために、僅かな時間(t1時間)ロック状態にするが、この時間は、系のイナーシャ、モータのトルクなどによって経験的(実験的)に決定すれば良い。)このとき、下摩擦ローラ427に接している側の新聞本紙NPの層はその位置を維持し、一方、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層は矢印方向に移送される。(移送・分離)同時に、検知コロ701が回転し、図21に示すように移送検知機構2700により、検知コロ701の回転によって生成されたパルスがカウントされる。なお、このとき、図21のタイムチャートに示すように、上下の摩擦ローラ(433,427)の前後に配したセンサ機構2435、及び、センサ機構2465が新聞有りを検知している状態であり、移送検知機構2700が検出したパルスは、新聞本紙の移動によるものと判断できる。そこで、上摩擦ローラ433を駆動する上ステッピングモータを所定ステップNs(32)ステップ駆動する期間、移送検知機構2700により検出されるパルス数をカウントすることにより、新聞本紙の移動量を検知できることになる。このとき、下摩擦ローラ427に接している側の新聞本紙NPの層は移動していないので、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層の移動を検出していることになる。
【0051】
移送検知機構2700により所定のカウント数Npが計測されると、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの層が所定量移送され、図19(f)、および、図21のタイムチャートのF点に示すようにロックされ固定されていた下摩擦ローラ427を上摩擦ローラ433と同速で回転させることを行なう。このとき、上摩擦ローラ433に接している新聞層(N4)、及び、下摩擦ローラ427に接している新聞本紙NPの後端(N5)の層は同時に前進し、やがて、上摩擦ローラ433に接している新聞本紙NPの後端N4の層は位置決めローラ対2425から離れて下ガイド板492に向かって落下する。(分離・開放)
ここで、上摩擦ローラ433を駆動して、移送検知機構2700が所定のカウント数N(Np)を検知するまでに至る具体的な制御の一例を示す。例えば(図示しないが)フォトインタラプタ711の出力パルスは、所謂、ハードウエアのカウンタを用いて計測するようにすると良い。ハードウエアのカウンタを用いればソフトウエアの負担を軽減することができる。また、最近のマイクロプロセッサには、カウンタを内蔵しているものも多く、そのような内蔵カウンタを用いても良い。そして、上摩擦ローラ433の駆動開始において(図21のE点)、一旦、カウンタをクリア(リセット)し、それから、フォトインタラプタ711の出力パルスを計測するようにする。そして、上ステッピングモータのステップ駆動を開始後、一定時間おきに、または、所定ステップ毎にカウンタの値をモニタするようにすれば良い。例えば、上ステッピングモータを250 PPSで駆動した時は、1ステップ当たりの時間は4msであるから、例えば、10ms毎にカウンタの値を読むか、上ステッピングモータの数ステップ毎にカウンタの値を読むようにすれば良い。このようにすれば、上摩擦ローラ433の駆動に対して、移送検知機構2700の出力が予定通り応答しているかの途中把握が可能である。
なお、上摩擦ローラ433のステップ数Nsを32ステップとし、そのとき、前述したように、予定とおり新聞本誌が移送されると、移送検知機構2700が検出するカウント数Npは計算上では11〜12パルスであるが、ステッピングモータの応答や、系のイナーシャ、新聞本紙と摩擦ローラの接触状態等により、必ずしも、駆動ステップ数とカウント数は一致しない可能性がある。従って、移送検知機構2700が所定のパルス数をカウントするまで、上ステッピングモータを駆動するか、上ステッピングモータを所定ステップ駆動させたとき、移送検知機構2700がカウントするパルス数で判断するようにしても良い。
図19(g)は、後端N4側の新聞本紙NPの層が位置決めローラ対2425から開放された後、後端N5側の新聞の後端がセンサ機構2435を通過した直後の状態を示す。このとき、図21のタイムチャートのG点に示すように、上摩擦ローラ433及び下摩擦ローラ427を停止し固定しロックする。ここで、図19(g)、及び、図23(b)に示すように新聞はチラシを挿入できる拡開状態になり、チラシEが挿入される。図21のタイムチャートのH点はチラシ検出センサ対653によってチラシEが挿入されたことを検知され、I点でチラシEが通過したことが検知されたことが示される。
チラシEが挿入されたことが検知されると、僅かな時間t2後、図21のタイムチャートのJ点で示すように上摩擦ローラ433、および、下摩擦ローラ427を図19(h)の矢印の方向に回転して、新聞本紙NPを位置決めローラ対2425から開放する。なお、僅かな時間t2は、チラシEの後端がチラシ検出センサ対653を通過してから、新聞本紙内に落下しておさまるまでの時間を考慮したものである。
後端N5側の新聞本紙NPの後端がセンサ機構2465を通過したことが検知されると(図21のK点)、位置決めローラ対2425を停止する。
【0052】
この後、チラシEが挿入された新聞本紙は、前述したように(図16(h))、次工程とタイミング合わせをして装置外に排出される。
以上は、上摩擦ローラ433にて開かせる後端側(N4側)の新聞層が所定量移送検知機構2700によって検知された例を示したが、図21のタイムチャートのE点からの動作において、上摩擦ローラ433の駆動に対して、移送検知機構2700の出力が予定通り応答しなかったときの制御について以降に述べる。
図19(e)、及び、図21のタイムチャートのE点以降に示す動作において、前記第一の移送・分離手段である上摩擦ローラ433を回転させて開かせる側の新聞本紙NPの層を移送することを試みた時に、上摩擦ローラ433の所定の回転に対して検知コロ701が予定通り応答しなかった場合、前記第二の移送・分離手段によって開かせる側の新聞本紙NPの層を移送することを試みる。
この再試行の工程を、図20、及び、図22を参照して説明する。なお、第一の移送・分離手段で予定通り移送できない想定される理由は新聞が破れていたり、濡れていたりした新聞本紙に原因があったり、機械的な調整不良などが考えられる。
また、予定通り応答しなかったとする再試行を行う判断は、上摩擦ローラ433を所定回転させたとき、移送検知機構2700が検知するパルス数が正常か否かを経験的な基準値で比較するようにしても良い。
【0053】
前記再試行の工程での図20(i)は、図19(e)と同じプロセスであるが、このとき、前述した、図21のE点以降に示すプロセスが実行されたとき、すなわち、上摩擦ローラ433の回転駆動に対して、移送検知機構2700が検知したパルス数Npが予定通り応答していなかったと判断されたとき、図22のタイムチャートのE´点(図21のE点に相当)以降に示すように、第二の移送・分離手段が実行される。例えば、移送量50mmを得るために上ステッピングモータを32ステップ送ったとき、所定量の下限を経験的に30mmと決めておいた場合に7パルス以下であると、予定通り応答していなかったと判断するとする。
または、上ステッピングモータを32ステップの半分の16ステップ送った時点で、移送検知機構2700がカウントしたパルス数が、定められた許容範囲内にないとき、予定通り応答していなかったと判断するとする。または、更に細かくモニタするようにしても良い。
このように、移送検知機構2700が検知したパルス数Npが基準値以下と判断されると、図22のタイムチャートのL点以降で示すように、また、図20(j)で示すように、上摩擦ローラ433を停止(固定・ロック)するとともに、下摩擦ローラ427を逆方向に回転する(タイムチャートでのt3期間後のM点)。なお、図22のタイムチャートでは逆回転を下側パルスで表示する。このとき、上摩擦ローラ433に接している紙面は動けず、下摩擦ローラ427に接している紙面のみが逆方向に移送される。
【0054】
図20(k)は戻された紙面がセンサ機構2455で検知された時の様子を示す。
このとき、図22のタイムチャートO点で示すように、下摩擦ローラ427を停止し、僅かな休止時間(t4)後、図20(l)に示すように上摩擦ローラ433と下摩擦ローラ427を矢印の方向に回転して、分離・開放動作に入る(図22のタイムチャートP点)。図20(l)はそのときの様子を示す。
新聞本紙NPの後端N5がセンサ機構2435を通過すると、図22のタイムチャートのQ点で示すように位置決めローラ対2425を固定(停止・ロック)する。このとき、開かせない側の新聞本紙NPの紙面の後端N5は位置決めローラ対2425で挟持された状態であり、一方、先行した新聞本紙NPの紙面の後端N4は位置決めローラ対2425から離れて落下するため、チラシが挿入できる拡開状態になる。
【0055】
図20(m)は、図19(g)と同じプロセスを示し、拡開した新聞本誌にチラシEが挿入される様子を示すものである。図22のタイムチャートのQ点以降工程内容は、図21のI点以降の工程内容と同じであり、前述した動作と同様の動作が行なわれる。
以上説明したように、第一の移送・分離手段では開かせる側の新聞層は上摩擦ローラ433の前送りによって、第二の移送・分離手段では開かせない側の新聞層を下摩擦ローラ427の後送りによって、両層の分離を行なうことができ、これらの手段を併用してコストを大幅にあげることなく信頼性を高めることができる。
また、第二の移送・分離手段においても、移送量を検知コロによる検知機構を用いてもよいことは言うまでもない。その場合、第一の移送・分離手段の実行において、足りない移送量分、第二の移送・分離手段で逆送りして所定の量を確保するようなことも可能である。
また、所定量移送されたかを検知する手段は、上記手段に限るものではない。例えば、検知コロ701のような検知アーム702に支持された検知コロを、一方の層の移送が完了する位置(所定位置)にて新聞本紙に接触させておき、一方の層が移送される前の新聞本紙の厚みと、一方の層が所定量移送されて、移送された層の新聞本誌の後端が検知コロを外れた時の検知アームの角度変化を検出して所定量移送されたことを確認する方法等もある。
【0056】
次に処理速度は少し遅くなるがコストを抑えた他の実施例2を示す。
この実施例2では、上摩擦ローラ433をワンウエイクラッチを介して上位置決めローラ軸428に接続することにより一方向のみ回転駆動するようにして、図17で示した所定位置に新聞本紙NPを停止した後、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5の層を下摩擦ローラ427を逆転して後ろ送りすることにより、開かせる側新聞の新聞本紙NPの後端N4の層を、先端N6方向に早く移送した状態にし、所定量移送したのち、上摩擦ローラ433及び下摩擦ローラ427を前送りしてチラシが挿入できる状態に分離・開放するようにしたものである。
この方法であると検知コロ701による移送検知機構2700は不要であり、従って低コストになる。
具体例として、上摩擦ローラ433は、図示はしないが、上摩擦ローラ433のボディ433a(図12を参照)と上位置決めローラ軸428の間にワンウエイクラッチを介して上位置決めローラ軸428に連結し、上位置決めローラ軸428を前送りするときのみ上摩擦ローラ433は従動するようにする。
さらに、上位置決めローラ軸428の駆動は、反転ギヤを介して下位置決めローラ駆動機構2431(図24を参照)に連結するようにすれば、上摩擦ローラ433を駆動する専用の駆動機構が不要でさらに低コスト化にすることができる。
【0057】
再び、図17を代用して一連の動作を説明する。
図17(a)示すように、下摩擦ローラ427が図示の矢印方向に回転するように下位置決めローラ駆動機構2431を駆動すると、下位置決めローラ駆動機構2431にワンウエイクラッチを介して連結している上摩擦ローラ433も矢印方向に駆動される。この状態で、新聞供給機構1000から送り出された新聞本紙NPの先端N6は位置決めローラ対2425内に進入する。図17(b)に示すように、新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2455を通過すると下位置決めローラ駆動機構2431は高速状態から確実に制御可能な速度に回転速度を落とし停止に備える。
図17(c)に示すように、新聞本紙NPの後端N4,N5がセンサ機構2435によって検知された時、下位置決めローラ駆動機構2431は下摩擦ローラ427の駆動を停止するとともに駆動モータに保持電流を流してモータをロック(固定)させ新聞本紙NPを停止した状態にする。ただし、本実施例の場合、上摩擦ローラ433は代用図面である図17(c)では固定となっているが、ワンウエイクラッチを介して連結しているために上摩擦ローラ433による停止の制動力はかからなく、新聞本紙NPのN5層の制止により新聞本紙NPのN4層が制止することになる。
次に、図17(d)に示すように、下位置決めローラ駆動機構2431を制御して、下摩擦ローラ427を矢印方向(進行方向と逆方向)に回転するように駆動し、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5層をセンサ機構2445まで戻すことを行なう。このとき、開かせる側の後端N4層は、後端N5層と共に戻ろうとするが、上摩擦ローラ433は、図17(d)に示すように、逆方向に回転できずロック(固定)状態になるので、開かせない側の新聞本紙NPの後端N5層のみ戻すことができる。
図17(d)に示すように、後端N5の層がセンサ機構2445にて検知されると、図17(e)に示すように、再び、下摩擦ローラ427を矢印方向に示すように下流側に前送りする。このとき、上摩擦ローラ433も従動して、後端N4の層が移送・分離された新聞を送り分離・開放動作を行なう。図17(f)以降は前述したのと同じ動作が行なわれるようにすればよい。
【0058】
以上、本発明の実施例として、新聞供給部1000から自動的にチラシ挿入部2000に新聞を供給する新聞本紙類へのチラシ折り込み装置について述べたが、本発明の利用はこれに限ったものでない。
例えば、自動で給紙する新聞供給部1000を用いず、その代わり、チラシ挿入部2000に手差しで新聞本紙を供給するようにしても良い。チラシ挿入部は、前述したように、新聞本紙を開き、チラシを挿入し得る状態にする。チラシを手作業で挿入すると、チラシが挿入された新聞本紙が、包装機とタイミング合わせをしながら自動的に排出することができる。
チラシ供給部2000の新聞供給手段が、このような手差し装置であっても、新聞配達員の手作業によるチラシ折り込み作業をアシストすることができ有用である。しかも、包装機4002と連結すれば、チラシを折り込みながらビニール包装ができるので、新聞販売店の省力化に貢献できるものである。また、新聞供給部1000の機能を手差しにすることにより、さらに小型でコンパクトで低価格な装置を提供できるものである。
【0059】
本発明の実施例によれば、搬送用摩擦ローラで新聞を所定方向に送りながら、二次折りされた両層のうち、片方の層のみを早く移送して両層を分離した後、両層を前に送り出して、片方の層を分離・開放してチラシを挿入し得る状態にし、チラシが挿入されたことが確認されると、搬送用摩擦ローラを再度回転させ、もう1層を開放してチラシが挿入された新聞を閉じるようにしたことから動きに無駄がなくスムースである。
また、チラシが挿入された新聞を閉じ、次の新聞を取り込んで、次の動作に入れるので、前の新聞の排出動作を待たずに、次の新聞の拡開動作とチラシ挿入作業ができ、処理時間の大幅な短縮が可能になる。
また、搬送用摩擦ローラで新聞の搬送と拡開ができるので、前掲の先行技術文献3のように、新聞を拡開するために、一旦、摩擦ローラから開放する必要がなく、また、新聞を拡開するために、摩擦部材を往復動する機構が必要でないのでシンプルであり、低コストな装置が実現できる。
また、両層の内1層が確実に先行して移送されたことを検出してから次の動作に入るので動作が確実であり、また、片方の層を前進させて1層を所定量先行させることができなかったとき、もう1層を所定量後進させて、移送・分離・開放できるようにしたので装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0060】
以上述べたように、本実施例のチラシ折り込み装置1は、従来、主に、手作業で行なわれていたチラシ折り込み作業を省力化できる。また、新聞包装部4000と組み合わせることにより、新聞本紙にチラシを折り込みながら新聞包装ができ、更には、新聞本紙の自動給紙装置として、また、イレギュラーな被包装物に対しては手差しで新聞包装ができ、新聞販売店のあらゆる状況に対応できる多機能性を備えている。
ところで、新聞包装部4000と組み合わせて使用する場合、ロールフィルム切れに注意が必要である。従来、図3の新聞包装部4000では手差し包装のため、作業者はロールフィルムの消費を確認しながら作業ができる。
しかしながら、自動で給紙している場合、作業者がそばにいるとは限らないので、ロールフィルムが切れた状態で装置が稼動してしまう恐れがある。
この問題を避けるため、ロールフィルムに終わりを検知する手段として、例えば、ロールフィルムが僅かになったことを示すマーカ等を印刷し、このマーカを検知する検知手段を用いて、ロールフィルムがなくなった、または、僅かになったことを検知するとチラシ折り込み装置を一旦休止し、ロールフィルムを交換して、再度、稼動させるようなことが必要になってくる。
そのような場合、ロールフィルムをすばやく交換できることが望まれる。
新聞包装機4002においては、図3に示すように、新聞挿入口4005の手前に、着脱式の新聞挿入補助用ガイド4009が用意されているものであるが、ロールフィルム交換時は、この新聞挿入補助用ガイド4009をはずすと、ロールフィルムの交換、及び、交換後の上下のロールフィルムの接着が、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができるのですばやい交換が可能である。
【0061】
そこで、本実施例におけるチラシ折り込み装置1では、図25に示すように、チラシ挿入部2000の内の、新聞包装機4002の新聞挿入口4005に対抗している機構の一部(排出機構2500の一部が、ガイド機構2490、及び、センサ機構2550等が収容されている部分)移動部801が、固定用ロック(図示なし)をはずすと、支軸802を中心に前傾するような構造になっていて、上下ロールフィルムを図示の位置から交換や、上下ロールフィルムの接着が容易で、すばやく行なうことができる。また、上下ロールフィルムが接着された状態での着脱ができ、交換時間を短くできる。また、フィルム交換以外に、熱版Hm(図5を参照)の清掃等のメンテナンスも、チラシ折り込み装置1を着脱することなく容易に行なうことができるメリットがある。
本発明の実施例における新聞供給部1000は、以上述べたように、最下層の新聞に摩擦接触して下から取り出す方式を採用しているが、上から取り出す方式を用いても良い。また、摩擦接触でなく、従来技術である吸引方式による取り出し方式を採用してもよいことは言うまでもない。
【0062】
本発明の実施例によれば、積載した新聞本紙NPを最下層から一部取り出す機構が簡単で確実であり、しかも、薄い新聞本紙NPから厚い新聞本紙NPまで無段階に無調整で行なうことができる。
また、新聞本紙の二次折部の折り合わせ側の後端N4.N5を開く機構は、摩擦方式であるから簡単で低価格であり、また、新聞の移動方向は常に一方向であるから、全体としてシンプルで小型・軽量で経済的なチラシ折り込み装置が実現できる。
また、新聞供給部とチラシ挿入部をかぎの手に構成でき、包装機等の上部にコンパクトに折り畳んだ形で包装機と連結することができるから、新たな設置スペースなしに既存の包装機と連結してチラシを折り込みながら包装ができ、従来、雨の日はチラシ折り込みと、包装の2工程が必要であった作業が1工程でできるようになる。
また、簡単な切り換えで積載した新聞の自動給紙装置として利用できる他、イレギュラーな厚みの新聞に対し、手差し給紙補助機能も備えた、多機能な装置が簡単に実現できる。
また、チラシ折り込み、新聞自動給紙、手差し補助と多機能性を兼ねたチラシ折り込み装置が実現でき、小型で低コストであるから、増設に対して経済的負担が小さく手軽である。
更に、自動給紙された新聞本紙NPの上側、又は、下側に、挿入紙、雑誌、諸紙、チラシ等の挿入物を重ねて新聞包装機に送り出すことができ、また、チラシを折り込んだ一方の新聞本紙を自動給紙して、チラシを折り込んだ他方の新聞本紙とを重ねて新聞包装することも可能である。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例の新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図2】チラシを折り込んだ一般の新聞本紙を説明する説明図、
【図3】本発明の新聞包装部を組み込んだ新聞本紙へのチラシ折り込み装置の外観斜視図、
【図4】新聞包装部で新聞本紙を三方包装する状態を説明する説明図、
【図5】本発明の主要な各部の機能を示す側面ブロック断面図、
【図6】本発明の供給部の概要の側面ブロック断面図、
【図7】新聞本紙の折り畳み状態を説明する説明図、
【図8】本発明の第二分離機構の拡大断面図、
【図9】本発明の新聞本紙を後方に送り出す動作を説明する図で、第一分離機構から送り出された薄い新聞の先端が、サバキブロックの突出部に到達した状態の説明図、
【図10】本発明のチラシ挿入部2000を概略的(点線内)に示した側断面図、
【図11】図10の斜視図、
【図12】図11の下摩擦ローラ427の構造を示す斜視図、
【図13】位置決めローラ対2425における、上下の摩擦ローラの位置関係を概略的に示す図である(図10の矢印Aで示す方向から見た概略図)。
【図14】新聞を拡開する原理を説明するための概略説明図である。
【図15】図14で示した摩擦部材M1、及び摩擦部材M2を摩擦ローラに替えて、摩擦ローラの回転によって、一方の層を移動して両層を分離するようにしたものである。
【図16】本発明の新聞拡開機構2450の一連の動作を説明する作動図
【図17】図16と同じ構成であるが、一方の層を移送して両層を分離するプロセスが異なる例を示すものである。
【図18】チラシが挿入されたあとに、続けて拡開動作を行なうときの動作を示す側面図。
【図19】移送検知機構2700により、所定の移送量を検知してから分離・開放を行なう動作の一例を説明するための側面図である。
【図20】移送検知機構2700により、所定の移送量が検知されなかったときに行なわれる第二の手段による動作の一例を示す側面図である。
【図21】図19及び、図20で示す動作のタイムチャートを示す。
【図22】図19(e)の時点での動作において、上摩擦ローラ433を回転させて開かせる側の新聞層を移送することを試みた時に、上摩擦ローラ433の所定の回転に対して検知コロ701が予定通り応答しなかった場合の制御の様子を示すタイムチャートである。
【図23】、図23(a)は新聞本紙を移送・分離しているときの様子を示す斜視図。図23(b)は、チラシを挿入し得る状態に新聞本紙を分離・開放した時の様子を示す斜視図。
【図24】本発明の電気系統のブロック図。
【図25】図40(a)は通常の稼働時の状態の側面図、図40(b)は新聞包装機がフィルム交換時、新聞挿入ガイドを着脱して場合、排出機構500、ガイド機構490、及び、センサ機構550が収容されている部分が前傾した状態の側面図である。
【符号の説明】
【0064】
NP・・新聞本紙、E・・チラシ、P・・挿入紙(物)
N1,N2・・新聞本紙の一次折部の折り合わせ側(後端)、
N3・・一次折り畳み側(先端)、
N4,N5・・新聞本紙の二次折部の折り合わせ側(後端)、
N6・・二次折部の折り畳み側(先端)、
1・・チラシ折り込み装置
1000・・ 新聞本紙の供給部(新聞供給部)1200・・新聞本紙の積載部、
1250・・摩擦搬送機構、201・・前壁、202・・側壁、
204・・開口部、210・・側板(左右)、215・・切り欠き、230・・収納容器、251・・摩擦搬送ローラ、
1300・・第一分離機構、1330・・第二分離機構、1360・・搬送機構、
1361・・搬送ローラ対、1370・・搬送ローラ駆動機構、1390・・新聞検出センサ対、
300・・新聞本紙の供給機構、
301・・固定分離板、302・・可動板、305・・隙間、310・・可動軸、
311・・バネ、
335・・サバキブロック、335a・・突出部、335b・・湾曲面、
335c・・ローラ対面部、
1400・・サバキローラ揺動機構、1410・・サバキローラ駆動機構、
340・・サバキローラ、340a・・サバキリング、
340b・・サバキローラボディ、343・・プーリ、344・・プーリ、
345・・サバキローラ回転軸、346・・サバキローラ駆動軸、
347・・タイミングベルト、350・・サバキローラレバー、
356・・バネ、363・・搬送ローラ対、
2000・・チラシ挿入部、2420・・新聞位置決め機構、
2425・・位置決めローラ対、
2431・・下位置決めローラ駆動機構、2432・・上位置決めローラ駆動機構、
2435,2445,2455,2465・・センサ機構、2450・・新聞拡開機構(拡開手段)、
2480・・チラシ挿入確認機構、2490・・ガイド機構、
2500・・排出機構、2520・・排出ローラ対、2550・・センサ機構、
521・・下排出ローラ軸、528・・上排出ローラ軸、
2550・・センサ機構、551・・光センサ対、
563・・排出ローラ、2530(図24)・・排出ローラ駆動機構、
2700・・移送検知機構
410・・案内壁、426・・下位置決めローラ軸、
427(A〜E)・・下摩擦ローラ、427a・・ボディ、427b・・摩擦リング、
427c・・溝、428・・上位置決めローラ軸、429・・案内板、
433・・上摩擦ローラ、433a・・上摩擦ローラボディ、
433b・・摩擦リング、433c・・溝、436,446,456、457・・光センサ対、
465・・上位置決めローラ駆動軸、466・・上搬送レバー、
467・・タイミングベルト、491・・上ガイド壁(板)、492・・下ガイド壁(板)、
493,494・・側壁(板)、
650・・チラシ挿入口、651・・チラシ挿入ガイド、653・・チラシ検出センサ対
701・・検知コロ、702・・検知アーム、703・・検知コロ軸
704・・検知アームブラケット、705・・コロセンサ軸,
706・・プーリ,707・・プーリ,708・・タイミングベルト,
709・・センサ板,710・・検知穴,711・・フォトインタラプタ、
3000・・演算装置
4000・・新聞包装部、4100・・設置台、4101・・高さ調整アジャスター、
4002・・新聞包装機、4003・・新聞包装機(部)置き台、
4005・・新聞投入口(挿入口)、4006・・シュータ、4007・・可搬式新聞収納箱、
4009・・新聞挿入補助用ガイド
801・・移動部、802・・支軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、
前記新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、
該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、
該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、
該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項2】
前記拡開手段は、新聞本紙の通路上に適宜配設した新聞紙面と所定の摩擦接触力を有する上側摩擦ローラと下側摩擦ローラから成る挟時・移送手段を備え、前記上側摩擦ローラと下側摩擦ローラを回転させて新聞本紙の折部の折り畳み側を下に向けて移送するとともに、新聞本紙を湾曲させ、新聞本紙が所定位置に達した時に、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のチラシ折り込み装置。
【請求項3】
前記分離・開放手段は、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態で、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラを回転させて、早く移送した層を前記挟時・移送手段から分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のチラシ折り込み装置。
【請求項4】
前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されたことが確認されたあとに、前記分離・開放手段を作動させる駆動手段を有することを特徴とする請求項1、2、乃至3記載のチラシ折り込み装置。
【請求項5】
前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する前記検知手段によって、所定時間内に一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されなかったことが確認された場合、他方の層を逆送りする再試行を行なう再試行手段を有することを特徴とする請求項1、2、3乃至4記載のチラシ折り込み装置。
【請求項1】
新聞本紙の折部の折り畳み側を先頭に向きを揃えて一部ずつ供給することができる新聞供給手段と、
前記新聞供給手段の下流にはチラシ挿入部を設け、
該チラシ挿入部は新聞本紙の折部の折り合わせ側を拡開する拡開手段を設け、
該拡開手段は、先端の前記折部の折り畳み側を下側で挟持し移送する挟持・移送機構と、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、一方の層を他方の層よりも移送部材により早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成し、
該拡開手段の下流には挟持・移送機構を有する排出手段を設け、チラシが挿入されると、挟持・移送機構により新聞本紙を挟持して移送して排出することを特徴とする新聞本紙へのチラシ折り込み装置。
【請求項2】
前記拡開手段は、新聞本紙の通路上に適宜配設した新聞紙面と所定の摩擦接触力を有する上側摩擦ローラと下側摩擦ローラから成る挟時・移送手段を備え、前記上側摩擦ローラと下側摩擦ローラを回転させて新聞本紙の折部の折り畳み側を下に向けて移送するとともに、新聞本紙を湾曲させ、新聞本紙が所定位置に達した時に、新聞本紙の後端の折部の折り合わせ側の二層のうちの一方の層を強制的に拡開させるために、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送して両層を分離し、移送した後に一方の層を移送部材より開放する分離・開放手段が設けられ、開放された新聞本紙の後端は外側に開いてチラシを上方から挿入しうる拡開状態を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のチラシ折り込み装置。
【請求項3】
前記分離・開放手段は、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラの回転差によって一方の層を他方の層よりも早く移送した状態で、前記上摩擦ローラと前記下側摩擦ローラを回転させて、早く移送した層を前記挟時・移送手段から分離するとともに、他の層は前記挟時・移送手段で挟持された状態を維持する維持手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のチラシ折り込み装置。
【請求項4】
前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する検知手段を有し、前記検知手段によって一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されたことが確認されたあとに、前記分離・開放手段を作動させる駆動手段を有することを特徴とする請求項1、2、乃至3記載のチラシ折り込み装置。
【請求項5】
前記拡開手段は、一方の層が他方の層よりも早く移送されたことを検知する前記検知手段によって、所定時間内に一方の層が他方の層よりも所定量早く移送されなかったことが確認された場合、他方の層を逆送りする再試行を行なう再試行手段を有することを特徴とする請求項1、2、3乃至4記載のチラシ折り込み装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2010−143667(P2010−143667A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320241(P2008−320241)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000217675)電元オートメーション株式会社 (12)
【出願人】(502289558)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000217675)電元オートメーション株式会社 (12)
【出願人】(502289558)
【Fターム(参考)】
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